JP6736891B2 - 薄膜キャパシタ - Google Patents

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Description

本発明は薄膜キャパシタに関する。
電子機器内に許容される電子部品の実装スペースは、電子機器の小型化と共に縮小の傾向にある。キャパシタ(我が国では多くの場合「コンデンサ」と称する。)は、多くの電子機器に搭載される電子部品であるところ、やはり小型化や薄型化が必須である。薄膜キャパシタは、従来の厚膜法による積層セラミックキャパシタと比べ、誘電体が形成される基材や、誘電体層や、絶縁膜が薄く、より薄型化・低背化が可能である。そのため、薄膜キャパシタは低背かつ小スペースへ実装される電子部品として期待されている。さらに、電子部品基板に埋め込むといったキャパシタも近年になり開発されてきている。
特開2004−281446号公報 特開2011−228462号公報 特開2006−196848号公報 特開2002−124712号公報 特開2010−267953号公報
薄膜キャパシタは従来からある積層セラミックコンデンサと比較して容量が小さいものが多かった。そのため、薄膜キャパシタでは誘電体層の膜厚を300nmもしくは150nm程度と薄くすることで容量を向上させる方法(特許文献1〜2参照)、薄膜キャパシタの誘電体層の微細構造を粒子状構造ではなく柱状構造にすることで強誘電性を向上し、容量の向上を図る方法(特開2006−196848号公報、特開2002−124712号公報、特開2010−267953号公報参照)等が試みられてきた。
ここで、「粒子状構造」とは、誘電体層を形成する物質の結晶粒の各々が球形状を有しており、各々の結晶粒が緻密に積み重なった微細構造をいう。一方、「柱状構造」とは、誘電体層を構成している結晶粒の各々が前記のような球形状ではなく、柱もしくは針状のような形を有しており、これらの粒子が緻密に並び、積み重なった構造をいう。この柱状構造において、誘電体層の膜厚方向に、柱状に成長した結晶粒が伸びている。
さらに、結晶構造の一般式でABO(A:Aサイト元素、B: Bサイト元素、O:酸素、y:Aサイト元素/Bサイト元素の比率)とあらわされるペロブスカイト結晶構造を有した誘電体層においては、0.97≦y<1.00とすることで、キャパシタの耐湿負荷信頼性の向上が図られていた。(特開2010−267953号公報参照)
このように、薄膜キャパシタの容量の向上、耐湿負荷信頼性の改善といった検討がなされてきた。しかしながら、柱状構造を有し、Bサイト元素過剰組成を有した薄膜キャパシタにおいて、エージングによる容量の減少が大きいという問題があった。
そこで、本技術の目的は、柱状構造を有したABO(y≦0.995)のペロブスカイト結晶構造の誘電体層において、エージングによる容量の減少が小さい薄膜キャパシタを提供するものである。
上記課題は、基材と、該基材の上に設けられた誘電体層と、該誘電体層の上に設けられた上部電極層と、を備え、前記誘電体層は、前記上部電極層の表面の法線方向に沿って延びる複数の柱状結晶を含み、前記柱状結晶が、ABOであらわされるペロブスカイト結晶構造を有し、Aサイト元素は、Ba、Ca、Sr、Pbの少なくとも一つであり、Bサイト元素は、Ti、Zr、Sn、Hfの少なくとも一つであり、y≦0.995を満たし、前記誘電体層はABO100molに対してMgを0.05〜2.5mol含有する薄膜キャパシタにより解決される。
yが≦0.995であれば、Bサイト元素と未反応な余剰なAサイト元素が膜中に発生しない。余剰なAサイト元素が膜中に存在すると、空気中の酸素、二酸化炭素と反応しAサイト元素に由来する炭酸塩を膜中に発生してしまう。
炭酸塩は吸水性があるため、耐湿負荷信頼性に対して悪影響を及ぼすと考えられる。そのためyが≦0.995であれば、余剰なAサイト元素の発生を抑制し、耐湿負荷信頼性を向上する。またy<0.97であると、前記誘電体層の絶縁抵抗が減少する傾向がある。そのため、0.97≦y≦0.995であれば耐湿負荷信頼性が向上し、さらに絶縁抵抗がより向上したものとなる。
Aサイト元素、Bサイト元素は、ABOがペロブスカイト結晶構造を形成しうるもので、誘電率が高くなるものという観点から選択される。また、上記のように元素が選択された柱状結晶から構成されるy≦0.995のABOのペロブスカイト結晶構造の誘電体層において、ABO100molに対して、Mgを0.05mol以上含有させることで、容量の大きい柱状構造でありながら、エージングによる容量の減少を小さくすることが可能となる。これは、Mgが適量含有することで、誘電体層のペロブスカイト結晶構造に対して電荷的な欠陥を生じさせ、強誘電性を発しているドメインの継時的な変化を抑制したためと考えられる。また、Mgの適量含有は、誘電体層が柱状構造という緻密な微細構造を有することを助長し、容量の減少を抑制させたと考えられる。しかしながら、Mgの含有量が多くなると誘電体層の誘電率を減少させてしまう。そのためMgの含有量としては2.5mol以下であることが必要である。
さらに、前記誘電体層において、ABO 100molに対して、Mnを0.05〜0.45molを含有させることができる。またV、Nb、Taの少なくとも一つを合計で0.05〜0.5mol含有させることができる。さらに、希土類元素の少なくとも一つを合計で0.05〜0.3mol含有させることができる。希土類元素としては、特にY、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybの少なくとも一つ以上を選択することができる。これらの元素は、Mgと共に含有させることができ、絶縁抵抗、耐湿負荷信頼性も同時に向上させることができる。また、y<0.97であると、前記誘電体層の絶縁抵抗が減少する傾向がある。そのため、0.97≦y≦0.995であれば耐湿負荷信頼性が向上し、同時に絶縁抵抗がより向上したものとなる。
また、基材として主成分として50wt%以上Niを含有する金属箔を使用することで、薄膜キャパシタの厚みを薄くすることが容易になる。基材の上に形成する誘電体層とNiを含有する金属箔の熱膨張係数が近い値であることから、基材から誘電体層に加わる応力を緩和し、容量の減少を抑制することが可能となる。また、温度衝撃などによって引き起こされる基材と誘電体層との間の剥離・クラックといった故障が少なくなると考えられる。
柱状構造を有している誘電体層にMgを含有させることにより、従来のMgを含有していない柱状構造を有している誘電体層と比較し、エージングによる容量の減少を小さくすることができる。
エージングによる容量の減少が小さい薄膜キャパシタが提供される。
本発明の一の実施形態に係る薄膜キャパシタの断面模式図である。 本発明の他の実施形態に係る薄膜キャパシタの断面模式図である。 本発明の一の実施形態に係る薄膜キャパシタの断面の透過型電子顕微鏡像(TEM像)である。(実施例43) 本発明の実施形態に属しない薄膜キャパシタの断面の透過型電子顕微鏡像(TEM像)である。(比較例19)
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、以下の実施形態は本発明の技術的範囲に属する態様の一つを例示するものである。なお、各図面において、同一又は同等の要素には同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
図1および図2に本実施形態にかかわる薄膜キャパシタの断面構造図を示す。誘電体層2を支持する基材1は、少なくとも表面に電極層を有することができる。電極層の厚みは0.01〜100μmとすることができる。このような基材1は、Si基板上にSiOなどの熱酸化膜を形成し、TiOやTiNなどの酸化物や窒化物の層あるいはLaNiOなどの導電性酸化物層を形成した後、Au、Ag、Ag、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Osのような貴金属や、Ni、Cuなどの金属や、Niを主成分とした合金や多種な金属を含有したコンポジット構造を有した電極層を形成したものでよい。またSi基板の代わりにAlなどのセラミックス基板を用いて、その上に電極層を形成したものでもよい。さらに、電極層は導電性のある層であればよいので、金属ではなく、例えば導電性酸化物であってもよい。さらには、電極層は2層以上の前記の金属や合金が積層された構造であってよい。
以上の電極層の形成方法は、例えば、SolGel法、MOD法(Metal Organic Decomposition)、などの化学溶液を使用した方法であったり、MOCVD法、CVD法、スパッタリング、PLD法(PulseLaser Deposition)などの気相法であったり、あるいは蒸着法であってもよい。
さらに、基材1は金属箔でもよい。金属箔としては、主成分として50wt%以上Niを含有した金属箔が好ましい。金属箔を使用する場合は、薄膜キャパシタの厚みを薄くすることが容易になる、あるいは、基材1の上に形成する誘電体層2と熱膨張係数が近い値を有しているため基材1から誘電体層2に加わる応力が緩和されて容量の減少を抑制できるようになる、といった利点がある。また、温度衝撃などによって引き起こされる基材1と誘電体層2との間の剥離・クラックといった故障が少なくなると考えられる。
誘電体層2としては、結晶構造の一般式でABO(A:Aサイト元素、B: Bサイト元素、O:酸素、y:Aサイト元素/Bサイト元素の比率)であらわされるペロブスカイト結晶構造を有した誘電体層2であればよい。y≦0.995であることが耐湿負荷信頼性を向上するためには好ましい。柱状構造は誘電体層2の全体に亘って存在することができる。
Aサイト元素としては、Ba、Ca、Sr、Pbの少なくとも一つを含有したものであればよい。Bサイト元素としては、Ti、Zr、Sn、Hfの少なくとも一つを含有したものであればよい。薄膜キャパシタにおけるエージングによる容量の減少を小さくするために、ABO100molに対してMgを0.05mol〜2.5mol含有した誘電体層2とすればよい。さらに、ABO100molに対してMnを0.05〜0.45molまで含有していてもよい。さらに5価金属であるV、Nb、Taの少なくとも一つを合計0.05〜0.5mol含有していてもよい。また希土類元素を0.05〜0.3mol含有していてもよい。希土類元素としては、特にY、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybの少なくとも一つ以上を選択すればよい。これらの元素を含有させることで、高容量で耐湿負荷信頼性の良好でエージングによる容量の減少を小さくさせた薄膜キャパシタとすることができる。
誘電体層2の形成方法は、薄膜製造の一般的な方法でよく、例えば、SolGel法、MOD法(Metal Organic Decomposition)などの化学溶液を使用した方法であったり、MOCVD法、CVD法、スパッタリング、PLD法(PulseLaser Deposition)などの気相法であったり、あるいは蒸着法であってもよい。
誘電体層2の膜厚は100nm〜1000nmが好ましい。100nmよりも薄いと、薄膜キャパシタにDCバイアスを加えた場合に過度な電界強度が印加され、絶縁抵抗が劣化し、キャパシタとしての機能を果たさなくなる虞があるためである。一方、1000nmを超える場合、単位面積あたりのキャパシタの容量が減少してしまい、高容量を有するキャパシタを製造することが困難になるためである。
上部電極層3は基材1で用いた電極層、あるいは基材1自身と同種のものを用いてよく、Ni、Cuなどが好ましい。また、導電率の大きいAlを用いてもよい。さらにAu、Ag、Ag、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Osのような貴金属を用いてもよい。さらに、上記金属からなる合金、コンポジットであってもよい。さらに、上部電極層3は2層以上で、上記の金属、合金、コンポジットからなる積層体であってもよい。さらに上部電極層3の形成方法としては、誘電体層2の形成方法と同種の手法が用いられてよい。
薄膜キャパシタを素子化した場合、素子のキャパシタ部分を覆う絶縁層6を形成する必要が生じる。この絶縁層6は例えば、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂などの絶縁樹脂を好適に用いることができる。またSiOなどの無機物であってもよい。
また、薄膜キャパシタを素子化した場合、図2に示すように、基材1側からの電極と、上部電極層3側からの電極を引き出す引出電極4を形成する必要が生じる。この引出電極4は、スパッタリングやめっき等で作製することが可能であって、材料としては上部電極層3と同種の金属を使用してよい。さらに端子電極5を形成する必要があるが、この端子電極5はめっき等で作製することが可能であって、用いる金属としては上部電極層3と同種の金属を使用してよい。さらに端子電極5や引出電極4と絶縁層6の密着性を向上させるために、絶縁層6と引出電極4、絶縁層6と端子電極5の間にTiやCrなどの密着層を形成してもよい。
以下、実施例、比較例を通じて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例、比較例に限定されるものではない。
(実施例、比較例)
100×100mmのNi箔基板を準備した。Ni箔表面は誘電体層をその上に形成するために研磨されたものを用いた。Ni箔の研磨面側に誘電体層を溶液法にて形成した。原料溶液は、オクチル酸バリウム、オクチル酸ストロンチウム、オクチル酸カルシウム、オクチル酸チタン、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸マグネシウム、オクチル酸マンガン、オクチル酸バナジウム、オクチル酸ニオブ、オクチル酸タンタル、オクチル酸イットリウムがブタノール溶液に溶解しているものを用いた。それぞれの原料溶液を秤量し、表1〜表4の組成になるよう調合した。なお、調合した溶液の濃度は、Ti含有量換算にて0.6mol/kgとなるようブタノール溶液を加え調整した。調合した溶液を、スピンコーティングにて、Ni箔表面にコーティングした。コーティング後、150℃にて塗布膜の溶媒を乾燥・除去させ、400℃の大気雰囲気中にて10分間加熱し、オクチル酸を分解させた。その後、900℃の真空中(10−3〜10−4Pa)で30分間加熱し、塗布膜の結晶化を行った。結晶化した誘電体層を形成したのち、調合した溶液をスピンコーティングにて再び塗布し、上記一連の作業を結晶化まで行った。この一連の溶液塗布から結晶化までの作業を15回繰り返し、目的の誘電体層厚になるまで繰り返した。この過程により、15層の各々の塗布層に対して、溶液の分解と結晶化を促進させ、柱状結晶化を促進するようにした。得られた膜厚は800nmであった。蛍光X線による膜の組成分析を行ったところ、結晶化した膜の組成は、表1〜表4の溶液の仕込み組成と同じであることを確認した。さらに、誘電体層の断面構造を走査型電子顕微鏡(SEM)および透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察した。観察した結果、表1〜表4のすべてのサンプルについて柱状構造からなる誘電体層であることを確認した。一例として、実施例43の誘電体層の断面構造のTEM像を図3に示す。
次に、上部電極層として、Niを500nm、Cuを2000nm誘電体層上にスパッタリングにて形成した。次に、縦1mm×横0.5mmサイズのチップタイプのキャパシタ素子(1005素子)を作製するために上部電極層および誘電体層をパターニング後、ポリイミド樹脂にて絶縁層を形成した。絶縁層を形成する際に、Ni箔側および上部電極層側から、引出電極を形成するために絶縁層にビアをフォトリソで形成した。
次に、ビアを形成した絶縁層上にTi層をスパッタリングで20nm成膜後、続いてCu層を500nm成膜した。Ti層およびCu層をシード電極層として、Cuめっきを施し、ビア内に引出電極、続いて所定形状の端子電極を作製した。端子電極の厚みは10μmとした。その後、端子電極部分以外のシード電極層を除去し、1005素子の薄膜キャパシタを作製した。100×100mmのNi箔に8000個のキャパシタを形成させた。その後、ダイシングすることで、1005素子単体を作製した。
完成した1005素子の容量と絶縁抵抗を、サンプル数10個ずつ測定した。容量はAgilent社製 4284A LCRメーターにて1kHz、1Vrms、室温にて測定した。絶縁抵抗はAgilent社製4339B 高抵抗計にてDC4V、室温にて測定した。測定したサンプル数10個の平均値の結果を表5〜表8に示す。
次に、DCバイアスを加えない、無負荷時のエージングによる容量の減少を評価した。評価したサンプルは、まず、125℃にて1時間放置し、引き続き室温状態にて24時間放置した。24時間放置した時点を基準にし、1000時間後の容量を測定し、変化率を測定した。サンプル数は、各組成のものを10個ずつ測定した。サンプル10個の平均値を表5〜表8に示す。
次に、各組成のサンプルの耐湿負荷特性を評価した。評価したサンプル数は各20個で、DC4V、60℃、95%RH、2000時間試験した。試験前後のサンプルの絶縁抵抗をDC4Vで測定し、試験前の絶縁抵抗の1/50まで減少していないものを良品とした。表5〜表8に試験後も良品となったサンプル数の割合を示す。
Mgの含有量が0.05〜2.5mol%の範囲のサンプルにて、エージングによる容量の減少が10%以下となり、耐湿負荷信頼性も劣化することがなく、良好なものであった(実施例1〜15、実施例16〜30、実施例31〜45、実施例46〜60、実施例61〜64)。Mg含有量が0.05mol%未満の場合、エージングによる容量の減少が10%を超えてしまい、キャパシタの容量が経時的に変化してしまうという点で問題があることが分かった(比較例1、比較例4、比較例7〜8、比較例10〜11、比較例13〜14、比較例16〜17、比較例19)。さらにMgの含有量が2.5mol%を超える場合、キャパシタの容量が2nFを下回り、耐湿負荷信頼性がまったくもたないことが分かった(比較例9、比較例12、比較例15、比較例18、比較例20)。
さらに、Mn、5価金属のV、Nb、Ta、希土類元素の一つであるYと、Mgの同時含有した場合、キャパシタの絶縁抵抗および耐湿負荷信頼性に対して顕著な効果があり、エージングによる容量の減少が小さいキャパシタが得られることが分かった。Mnの含有量、5価金属のV、Nb、Taの総含有量、希土類元素の一つであるYの含有量のそれぞれが、0.05〜0.45mol%、0.05〜0.5mol%、0.05〜0.3mol%であればよいことが分かった(実施例1〜6、実施例13〜15、実施例16〜21、実施例28〜30、実施例31〜36、実施例43〜45、実施例46〜51、実施例58〜60、実施例61〜64)。上記の範囲外の含有量の場合、絶縁抵抗の減少が顕著であったり、耐湿負荷特性が悪化してしまったり、容量が減少してしまった。
さらに、Aサイト元素/Bサイト元素の比率であるyが0.995以下であると、耐湿負荷特性も向上している。そのため、yは0.995以下である必要がある。yが1以上の場合、耐湿負荷信頼性はまったくもたないことが分かった(比較例1〜6)。またyが、0.96以下であると絶縁抵抗が若干減少してしまう(実施例61〜64)。そのため、好ましくは0.97≦y≦0.995である。なお、表1〜4及び表9における、Mg, Mn, V, Nb, Ta, Yの量は、1モルの(Ba1-a-bSraCab)yTi1-cZrcO3に対するモル%である。
次に、同様に100×100mmのNi箔基板を準備した。Ni箔表面は誘電体層をその上に形成するために研磨されたものを用いた。Ni箔の研磨面側に誘電体層を溶液法にて形成した。原料溶液は、オクチル酸バリウム、オクチル酸チタン、オクチル酸マグネシウム、オクチル酸マンガン、オクチル酸バナジウム、オクチル酸イットリウムがブタノール溶液に溶解しているものを用いた。それぞれの原料溶液を秤量し、表9の組成になるよう調合した。なお、調合した溶液の濃度は、Ti含有量換算にて0.6mol/kgとなるよう溶媒にブタノール溶液を加え調整した。調合した溶液を、スピンコーティングにて、Ni箔表面にコーティングした。コーティング後、150℃にて塗布膜の溶媒を乾燥・除去させ、400℃の大気雰囲気中にて10分間加熱し、オクチル酸を分解させた。溶液の塗布、塗布膜の乾燥、オクチル酸の分解を15回繰り返した。その後、900℃の真空中(10−3〜10−4Pa)で30分間加熱し、塗布膜の結晶化を行った。この過程により、膜構造が柱状結晶化しないように制御した。得られた膜厚は800nmであった。蛍光X線による膜の組成分析を行ったところ、結晶化した膜の組成は、表9の溶液の仕込み組成と同じであることを確認した。さらに、誘電体層の断面構造を走査型電子顕微鏡(SEM)および透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察した。観察した結果、表9のすべてのサンプルについて粒子状構造からなる誘電体層であることを確認した。一例として、比較例19の誘電体層の断面構造のTEM像を図4に示す。
次に、上部電極層として、Niを500nm、Cuを2000nm誘電体層上にスパッタリングにて形成した。次に、縦1mm×横0.5mmサイズのチップタイプのキャパシタ素子(1005素子)を作製するために上部電極層および誘電体層をパターニング後、ポリイミド樹脂にて絶縁層を形成した。絶縁層を形成する際に、Ni箔側および上部電極層側から、引出電極を形成するために絶縁層にビアをフォトリソで形成した。
次に、ビアを形成した絶縁層上にTi層をスパッタリングで20nm成膜後、続いてCu層を500nm成膜した。Ti層およびCu層をシード電極層として、Cuめっきを施し、ビア内に引出電極、続いて所定形状の端子電極を作製した。端子電極の厚みは10μmとした。その後、端子電極部分以外のシード電極層を除去し、1005素子の薄膜キャパシタを作製した。100×100mmのNi箔に8000個のキャパシタを形成させた。その後、ダイシングすることで、1005素子単体を作製した。
完成した1005素子の容量、絶縁抵抗をサンプル数10個ずつ測定した。容量はAgilent社製 4284A LCRメーターにて1kHz、1Vrms、室温にて測定した。絶縁抵抗はAgilent社製4339B 高抵抗計にてDC4V、室温にて測定した。測定したサンプル数10個の平均値の結果を表10に示す。
次に、DCバイアスを加えない、無負荷時のエージングによる容量の減少を評価した。評価したサンプルは、まず、125℃にて1時間放置し、引き続き室温状態にて24時間放置した。24時間放置した時点を基準にし、1000時間後の容量を測定し、変化率を測定した。サンプル数は、各組成のものを10個ずつ測定した。サンプル10個の平均値を表10に示す。
次に、各組成のサンプルの耐湿負荷信頼性を評価した。評価したサンプル数は各20個で、4V、60℃、95%RH、2000時間試験した。試験前後のサンプルの絶縁抵抗をDC4Vで測定し、試験前の絶縁抵抗の1/50まで減少していないものを良品として評価した。表10に試験後も良品となったサンプル数の割合を示す。
これらの薄膜キャパシタは、誘電体層の組成範囲としては本発明の好ましい範囲であるが、膜の微細構造が図4に示すように粒子状構造であるため、柱状構造の誘電体層を有する薄膜キャパシと比較し、容量が減少してしまった。さらに耐湿負荷信頼性がまったくもたないことが分かった。Mgの含有にはエージングによる容量の減少に同様の効果があるが、膜の微細構造が粒子状構造であると耐湿負荷信頼性が劣化してしまう。そのため、膜の微細構造は図3に示すような柱状構造を有している必要がある。
1…基材、2…誘電体層、3…上部電極層、4…引出電極、5…端子電極、6…絶縁層。

Claims (6)

  1. 基材と、該基材の上に設けられた誘電体層と、該誘電体層の上に設けられた上部電極層と、を備え、
    前記誘電体層は、前記上部電極層の表面の法線方向に沿って延びる複数の柱状結晶を含み、
    前記柱状結晶が、ABOであらわされるペロブスカイト結晶構造を有し、
    A元素は、Ba、Ca、Srの少なくとも一つであり、
    B元素は、Ti、Zr、Sn、Hfの少なくとも一つであり、
    0.96≦y≦0.995を満たし、及び
    前記誘電体層はABO100molに対してMgを0.2〜2.5mol含有する、薄膜キャパシタ。
  2. 前記誘電体層は、ABO100molに対して、さらにMnを0.05〜0.45mol含有する請求項1に記載の薄膜キャパシタ。
  3. 前記誘電体層は、さらにV、Nb、及びTaの内の少なくとも一つを含有しており、V、Nb、及びTaの含有量の合計がABO100molに対して0.05〜0.5molである請求項1又は2に記載の薄膜キャパシタ。
  4. 前記誘電体層は、さらに希土類元素の内の少なくとも一つを含有しており、希土類元素の含有量の合計がABO100molに対して0.05〜0.3molである請求項1、2、3のいずれかに記載の薄膜キャパシタ。
  5. 0.97≦y≦0.995である請求項1、2、3、4のいずれかに記載の薄膜キャパシタ。
  6. 前記基材が主成分としてNiを含有する金属箔である請求項1、2、3、4、5のいずれかに記載の薄膜キャパシタ。
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