JP2000355760A - スパッタターゲット、バリア膜および電子部品 - Google Patents
スパッタターゲット、バリア膜および電子部品Info
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Abstract
酸化などを十分に抑制し得るTiAlN膜などを再現性
よく形成することが可能なスパッタターゲット、および
それを用いたバリア膜が求められている。 【解決手段】 スパッタターゲットは、 1原子% 以上30
原子% 未満の範囲でAlを含有するTi−Al合金から
なる。スパッタターゲットを構成するTi−Al合金
は、例えば含有酸素量が5000ppm 以下であり、さらにタ
ーゲット全体の酸素量のバラツキが±30% 以内である。
バリア膜(2)は上記したスパッタターゲットを用いて
成膜してなるTi−Al−N膜を具備する。
Description
対するバリア材の形成に好適なスパッタターゲットと、
それを用いたバリア膜および電子部品に関する。
いた記憶装置(強誘電体メモリ(FRAM))の開発が
盛んに行われており、一部実用化されはじめている。強
誘電体メモリは不揮発性であり、電源を落とした後も記
憶容量が失われず、しかも膜厚が十分に薄い場合には自
発分極の反転が速く、DRAM並みの高速の書き込みお
よび読み出しが可能であるなどの特徴を有する。また、
1ビットのメモリセルを1つのトランジスタと 1つの強
誘電体キャパシタで作製することができるため、大容量
化にも適している。
酸チタン酸鉛(PZT)が用いられている。しかし、P
ZTはキュリー温度が高い(300℃)、自発分極が大きい
などの特徴を有する反面、主成分であるPbの拡散およ
び蒸発が比較的低い温度で起こりやすい(500℃程度)と
いう問題を有しており、微細化には対応しにくいと言わ
れている。PZT以外ではチタン酸バリウム(BaTi
O3 (BTO))が代表的な強誘電体として知られてい
るが、BTOはPZTと比べて残留分極が小さく、しか
もキュリー温度(120℃程度)が低いために、残留分極の
温度依存性が大きいなどの難点を有している。
エピタキシャル成長させることによって、例えば膜厚60
nmのBTO膜が 200℃以上のキュリー温度を示すことが
見出されている。さらに、下部電極としてPtやルテニ
ウム酸ストロンチウム(SrRuO3 (SRO))など
を用い、その上にチタン酸バリウムストロンチウム(B
aa Sr1-a TiO3 (BSTO))をエピタキシャル
成長させると、BSTOのc軸方向の格子が伸長し、例
えば本来強誘電性を示さないはずの組成領域(a≦0.7)に
おいても、強誘電性が発現することが実験的に確認され
ている。
を使用することによって、強誘電キュリー温度を高温側
にシフトさせ、室温領域で大きな残留分極を示し、かつ
85℃程度まで温度を上げても十分大きな残留分極を保持
することができる、FRAMの記憶媒体に好適な強誘電
体膜を実現することができる。一方、Srリッチ組成の
BSTOを用いた場合には、多結晶膜でキャパシタを作
製したときの誘電率の数倍(例えば 800以上)に達する
誘電率を有する薄膜キャパシタが作製でき、DRAMに
好適な誘電特性を実現することができる。
BSTO膜などを有する薄膜キャパシタを用いて、FR
AMやDRAMなどの半導体メモリを実用化することが
期待されている。実用化にあたっては、スイッチ用トラ
ンジスタを形成した半導体基板とBSTO膜などのペロ
ブスカイト型酸化物を用いたメモリセル(薄膜キャパシ
タ)とを組合せる必要があるが、薄膜キャパシタの下部
電極や誘電体薄膜を構成するPt、Ru、Sr、Baな
どの元素がトランジスタ中に拡散すると、スイッチング
動作に悪影響を及ぼすという問題がある。
は相互拡散を防ぐバリア膜を形成する必要がある。ま
た、上述したようなエピタキシャル効果を得るために
は、バリア膜自体を半導体基板上にエピタキシャル成長
させる必要がある。このようなバリア膜としては、Ti
NやTiNとAlNとの固溶体であるTil-x Alx N
を用いることが検討されている。
するバリア性が高く、現在のSiデバイスにおいてもバ
リアメタルとして利用されている。さらに、高融点の化
合物(3000℃以上)であるために熱的安定性も高く、ま
た比抵抗が多結晶膜で50μΩ・cm程度、エピタキシャル
膜で18μΩ・cm程度と非常に低いことから、膜厚方向の
電気特性を利用する場合に、コンタクト抵抗が下げられ
るという利点がある。
としてTiNを用いた場合、工程中に実施される高温下
(例えば 600℃以上)でのアニールによって、TiN膜
上に酸化膜、つまりTiO2 が形成されてしまう。この
際、TiN膜上の例えばPtやSROからなる下部電極
は、TiO2 の生成に基づく体積膨張により付着力が低
下し、その結果として剥がれが生じてしまうという問題
がある。
lx Nとすることによって、耐酸化性を高めることがで
きる。しかしながら、従来のTi1-x Alx ターゲット
を用いて、化相スパッタによって得られたTiAlN膜
は、ターゲット中のAl組成によっては抵抗率が例えば
200μΩ・cm以上となってしまったり、また場合によっ
てはTiN膜と同様に、高温アニール(例えば 600℃以
上)によりTiAlN膜上にTiO2 やAl2 O3 など
が生成し、これらの生成に基づく体積膨張により下部電
極の付着力が低下する、などの問題が生じている。
134635号公報には、Alを30〜70原子% の範囲で含有す
るAl−Ti合金ターゲットが記載されているが、これ
らのAl−Ti合金ターゲットをバリア膜としてのTi
AlN膜の形成に使用した場合、上記したように抵抗率
が増大してしまうというような問題が生じる。
は耐酸化性に優れるという特性を有しているものの、そ
の形成に使用するTi1-x Alx ターゲットの組成や性
状などは必ずしも十分に検討されておらず、このために
抵抗率の大幅な上昇や体積膨張を伴う酸化による下部電
極の付着力の低下などを招いている。このようなことか
ら、バリア膜としての特性に優れ、低抵抗でかつ酸化な
どを十分に抑制し得るTiAlN膜を再現性よく形成す
ることが可能なTi−Alターゲットが求められてい
る。
なされたもので、バリア膜としての特性に優れ、低抵抗
でかつ酸化などを十分に抑制し得るTiAlN膜などを
再現性よく形成することを可能にしたスパッタターゲッ
ト、およびそれを用いたバリア膜と電子部品を提供する
ことを目的としている。
解決するために、Ti−Alターゲット中のAl組成や
不純物元素の影響などについて検討した結果、Ti−A
lターゲット中のAl組成を30原子% より少なくするこ
とで、特異的な抵抗値の上昇を抑制することが可能であ
ることを見出した。また、Ti−Alターゲット中の不
純物元素のうち、特に酸素がTiAlN膜に対して悪影
響を及ぼしており、Ti−Alターゲット中の酸素量、
さらには酸素量のバラツキを制御することによって、低
抵抗でかつ下部電極との界面での剥がれを確実に抑制し
得るTiAlN膜が得られることを見出した。
たもので、本発明の第1のスパッタターゲットは、請求
項1に記載したように、 1原子% 以上30原子% 未満の範
囲でAlを含有するTi−Al合金からなることを特徴
としている。
は、請求項4に記載したように、含有酸素量が5000ppm
以下のTi−Al合金からなることを特徴としている。
ターゲット中の酸素量は、請求項5に記載したように30
00ppm 以下、さらには請求項6に記載したように10〜10
00ppm の範囲とすることが好ましい。本発明の第2のス
パッタターゲットは、さらに請求項7に記載したよう
に、ターゲット全体の酸素量のバラツキが±30% 以内で
あることを特徴としている。
たように、上記した本発明のスパッタターゲットを用い
て成膜してなるTi−Al−N膜を具備することを特徴
としている。本発明のバリア膜は、請求項13に記載し
たように、半導体基板に対するバリア材として好適に用
いられる。
たように、上記した本発明のバリア膜を具備することを
特徴としている。本発明の電子部品の具体的な形態とし
ては、請求項15に記載したように、半導体基板と、こ
の半導体基板上に形成されたバリア膜と、このバリア膜
上に形成された薄膜キャパシタとを具備する半導体メモ
リなどの電子部品が挙げられる。
態について説明する。
子% 以上30原子% 未満の範囲でAlを含有するTi−A
l合金からなる。本発明において、TiAlN膜などの
形成に用いられるスパッタターゲットを構成するTi−
Al合金中のAl組成を 1原子% 以上30原子% 未満の範
囲に規定した理由は、以下の通りである。
組成が30原子% 以上となると、例えばTi−Alターゲ
ットを使用して形成したTiAlN膜の抵抗率が 200μ
Ω・cm以上と大きくなってしまう。これはAl量の増大
に基づいて、本来TiN中に固溶するはずのAl(もし
くはAlN)がAlNとして析出し、この絶縁物である
AlNがTiAlN膜の抵抗値を増大させるためであ
る。
子% 未満とすることで、得られる膜組織を均一なTiN
とAl(もしくはAlN)との固溶体組織とするができ
る。これによって、例えば抵抗率が 200μΩ・cm以下と
いうような低抵抗のTiAlN膜などを再現性よく得る
ことが可能となる。
が 1原子% 未満となる、本来の耐酸化性の向上効果を十
分に得ることができない。例えば、Al組成が 1原子%
未満のTi−Alターゲットを用いて形成したTiAl
N膜は酸化が進行しやすく、その上に形成した膜、例え
ば薄膜キャパシタの下部電極との付着力が低下して剥が
れなどが生じやすくなる。
の耐酸化性を高めるだけでなく、酸素のトラップ材とし
ても機能する。例えば、TiAlN膜上にSrRuO3
(SRO)などの導電性酸化物からなる電極膜などを形
成した場合、この導電性酸化物中の酸素が半導体基板な
どからなる成膜基板中に拡散することを抑制することが
できる。このような点からもTi−Alターゲット中の
Al組成は 1原子% 以上とする。
合金中のAl組成は、バリア層自体の酸化を抑制し、か
つエピタキシャル構造を保ったバリア層を形成できるこ
となどから、特に 1〜20原子% の範囲とすることが好ま
しく、さらには 5〜15原子%の範囲とすることが望まし
い。
1原子% 以上30原子% 未満の範囲でAlを含有するTi
−Al合金で構成したものであり、特に高純度のTi−
Al合金で構成することが好ましい。Ti−Al合金に
含まれる不純物のうち、特に酸素は得られるTiAlN
膜の耐酸化性や酸素のトラップ機能を低下させるため、
Ti−Al合金の含有酸素量は5000ppm 以下とすること
が好ましい。
m を超えると、例えばTi−Alターゲットを使用して
形成したTiAlN膜が高温アニール(例えば 600℃以
上)などにより酸化し、その表面にTiO2 やAl2 O
3 などが生成しやすくなる。これによって、TiAlN
膜上に形成した膜、例えば薄膜キャパシタの下部電極と
の付着力が低下して剥がれなどが生じやすくなる。
3000ppm 以下とすることが好ましく、さらには1500ppm
以下とすることが望ましい。ただし、Ti−Alターゲ
ットから完全に酸素を除去してしまうと、得られるTi
AlN膜のバリア性が低下するおそれがあることから、
微量の酸素を含んでいることが好ましい。具体的には、
10〜1000ppm の酸素はTiAlN膜のバリア性に対して
有効に機能するため、Ti−Alターゲットは10〜1000
ppm 程度の微量の酸素を含むことが好ましい。
バラツキは、ターゲット全体として±30% 以内とするこ
とが好ましい。ターゲット全体の酸素量のバラツキを低
く抑えることによって、それを用いて形成したTiAl
N膜などの耐酸化性を全体的に再現性よく向上させるこ
とができる。さらに、Ti−Alターゲット中の酸素量
のバラツキを低く抑えることによって、得られるTiA
lN膜のバリア性の均質化も図ることができる。ターゲ
ット全体の酸素量のバラツキは 15%以内とすることがさ
らに好ましい。
キは、以下のようにして求めた値である。すなわち、タ
ーゲットの中心部およびこの中心部から外周部に向けて
延ばした線の長さ(半径)の外周部より 10%の箇所の酸
素量を90°ずつずらして 4箇所(上下左右)、中心部を
入れて合計 5箇所測定する。それらの最大値および最小
値から、 バラツキ[%] =((最大値−最小値)/(最大値+最小
値))×100 に基づいてバラツキを求める。
−Alターゲット)中の酸素以外の不純物元素について
は、一般的な高純度金属材のレベル程度であれは多少含
んでいてもよいが、同様に抵抗率の低下などを図る上で
他の不純物元素量についても低減することが好ましい。
特に限定されるものではなく、例えば粉末冶金法や溶解
法などの公知の方法を適用して作製することができる。
度の高純度のTi粉末およびAl粉末を用意し、これら
をAl組成が 1原子% 以上30原子% 未満の範囲、すなわ
ちTi1-x Alx (0.01≦x<0.30)組成となるように
混合する。このような混合粉末を、離型剤を表面に塗布
した成形用型内に充填し、高真空中で低温加熱(予備加
熱)して酸素や炭素などの不純物を除去する。特に酸素
量を低減する。この予備加熱処理の際の雰囲気は 1×10
-6Pa以下の真空雰囲気とすることが好ましく、また処理
温度は 500〜 600℃とすることが好ましい。
処理(焼結および緻密化処理)を施す。この加熱処理に
おいて、まず焼結処理として 600〜 800℃の温度で金属
化合物相(Ti1-x Alx 相(0.01≦x<0.30))の合成
と焼結を行う。次いで、Alの融点( 660℃)以上Ti
の融点(1670℃)以下の温度で加熱して、Ti−Al
(Ti1-x Alx (0.01≦x<0.30))ターゲット素材の
緻密化を促進する。これら焼結および緻密化処理の際の
雰囲気は 1×10-6Pa以下の真空雰囲気とすることが好ま
しく、また印加する圧力は 200〜 300kgf/cm2 とするこ
とが好ましい。
の高純度のTiおよびAlを用意し、これらをアーク溶
解法、電子ビーム(EB)溶解法、コールドウォール溶
解法などの公知の方法で溶解して、Ti−Al合金イン
ゴットを作製する。この際、アーク溶解法やEB溶解法
ではAlの偏析が問題となる場合があるので、 2〜 3回
溶解を実施することが好ましい。溶解工程を複数回実施
することは酸素量の減少に対しても効果的である。
要に応じて鍛造や圧延などの塑性加工を施す。この際の
加工率は例えば60〜 95%とすることが好ましい。このよ
うな塑性加工によれば、インゴットに適当量の熱エネル
ギーを与えることができ、そのエネルギーによって酸素
の均質化を図ることができる。この後、 900〜1200℃程
度の温度でアニールして再結晶化させる。これら塑性加
工およびアニール処理によって、ターゲット内の酸素量
のバラツキを再現性よく±30% 以内に抑制することがで
きる。
るTi−Alターゲット素材を所望のターゲット形状に
機械加工し、例えばAlやCuからなるバッキングプレ
ートと接合して、目的とするスパッタターゲットが得ら
れる。バッキングプレートとの接合には拡散接合、ある
いはIn、Zn、Snの少なくとも 1種やそれらを含む
ろう材を用いたろう付け接合などが採用される。また、
別個のバッキングプレートを使用するのではなく、スパ
ッタターゲットの作製時にバッキングプレート形状を同
時に形成した一体型のスパッタリングターゲットであっ
てもよい。
パッタターゲット(Ti−Alターゲット)を用いて、
例えばArとN2 の混合ガスによる化相スパッタにより
成膜したTiAlN膜(Ti1-x Alx N膜(0.01≦x
<0.30))を具備するものであり、このようにして得られ
るTiAlN膜中の酸素量は5000ppm 以下、さらには30
00ppm 以下となる。また、TiAlN膜中の酸素量のバ
ラツキについても±30% 以内、さらには 15%以内とな
る。
SrやBaなどをはじめとする各種元素に対するバリア
性に優れ、かつ抵抗率が 200μΩ・cm以下というような
低抵抗を有する。さらに、その形成に用いたTi−Al
ターゲットの低い含有酸素量、さらには酸素量のバラツ
キが小さいことなどに由来して、TiAlN膜中に含ま
れる酸素量を十分に低減することができると共に、酸素
量のバラツキも低く抑えることができる。
基板と各種素子とのバリア膜として用いた場合に、半導
体基板と素子構成層との間の相互拡散を良好に抑制する
ことができ、さらに高温アニール(例えば 600℃以上)
などによるTiAlN膜の酸化を防ぐことができるた
め、TiAlN膜と素子構成層との界面での付着力の低
下を抑えることが可能となる。すなわち、TiAlN膜
上の素子構成層の剥がれなどを抑制することができる。
するバリア材として好適である。このような本発明のバ
リア膜は、各種の電子部品に使用することができる。具
体的には、スイッチ用トランジスタを形成した半導体基
板とペロブスカイト型酸化物からなる誘電体薄膜を用い
た薄膜キャパシタ(メモリセル)とを組合せた、FRA
MやDRAMなどの半導体メモリに対して、本発明のバ
リア膜は効果的に使用される。
ての半導体メモリのキャパシタ部分を模式的に示す断面
図である。同図において、1は図示を省略したスイッチ
用トランジスタが形成された半導体基板である。半導体
基板1上にはバリア膜2として、上述した本発明のTi
AlN膜(Ti1-x Alx N膜(0.01≦x<0.30))が形
成されており、さらにその上には薄膜キャパシタ3が形
成されている。
形成された下部電極4、誘電体薄膜5および上部電極6
を有している。下部電極4には、Pt、Au、Pd、I
r、Rh、Re、Ruなどの貴金属、およびそれらの合
金(Pt−RhやPt−Ruなど)、あるいはSrRu
O3 、CaRuO3 、BaRuO3 およびこれらの固溶
系(例えば(Ba,Sr)RuO3 や(Sr,Ca)R
uO3 )などの導電性ペロブスカイト型酸化物が使用さ
れる。上部電極6の構成材料は特に限定されるものでは
ないが、下部電極4と同様な貴金属(合金を含む)や導
電性ペロブスカイト型酸化物などを使用することが好ま
しい。
結晶構造を有する誘電性材料が好適である。このような
誘電性材料としては、ABO3 で表されるペロブスカイ
ト型酸化物が挙げられる。特に、チタン酸バリウム(B
aTiO3 (BTO))を主成分とし、そのAサイト元
素(Ba)の一部をSrやCaなどの元素で置換した
り、またBサイト元素(Ti)の一部をZr、Hf、S
nなどの元素で置換したペロブスカイト型酸化物(BS
TOなど)が好ましく用いられる。
イト元素の一部を置換したペロブスカイト型酸化物は、
Bサイト元素やAサイト元素の置換量、さらには格子歪
に基づく歪量によって、強誘電体もしくは常誘電体とな
る。従って、ペロブスカイト型酸化物の組成や歪量を適
宜設定することによって、薄膜キャパシタ3の使用目的
に応じた誘電体薄膜5を得ることができる。例えば、B
aa Sr1-a TiO3(BSTO)の場合、Baのモル
分率aが0.30〜 1の範囲であると強誘電性を示す。一
方、Baのモル分率aが 0〜 0.3の範囲であると常誘電
性を示す。これらはBサイト元素の置換量によっても変
化する。
以外のペロブスカイト型酸化物、例えばSrTiO3 、
CaTiO3 、BaSnO3 、BaZrO3 などの単純
ぺロブスカイト型酸化物、Ba(Mg1/3 Nb2/3 )O
3 、Ba(Mg1/3 Ta2/3)O3 などの複合ぺロブス
カイト型酸化物、およびこれらの固溶系などを適用する
ことも可能である。ぺロブスカイト型酸化物の組成につ
いては、化学量論比からの多少のずれは許容されること
は言うまでもない。
ア特性および耐酸化性に優れるTiAlN膜からなるバ
リア膜2によって、半導体基板1上にその特性を低下さ
せることなく薄膜キャパシタ3を良好に形成することが
できる。特に、薄膜キャパシタ3の下部電極4とバリア
膜2との間の剥離などを良好に抑制することができる。
バリア層2の膜厚は、拡散防止効果が得られる範囲内で
薄い方がよく、具体的には10〜50nmの範囲とすることが
好ましい。
は、下部電極4および誘電体薄膜5のエピタキシャル成
長を促進するため、例えばエピタキシャル成長時に導入
される歪により誘起された強誘電特性や高誘電特性を利
用した薄膜キャパシタを、半導体基板1上に良好な膜質
で作製することができる。従って、このような薄膜キャ
パシタとトランジスタとを半導体基板上に高度に集積す
ることによって、実用性が高く、かつ信頼性の高い超高
集積化したFRAMやDRAMなどの半導体メモリを作
製することが可能になる。
する。
らをボールミルで48時間混合して、Al組成および酸素
含有量を変化させた12種類のTi−Al混合粉末を調製
した。これらをそれぞれ内表面にBN離型剤を塗布した
黒鉛製成形用型に充填した。
置内に挿入し、 1×10-6Pa以下の真空中にて室温より10
℃/minで 600℃まで加熱し、この温度で60分保持するこ
とによって、脱酸素および脱炭素処理を行った。続い
て、10℃/minで 800℃まで加熱して 120分保持し、さら
に10℃/minで 900℃まで加熱して 180分保持した。この
ような 3つのステップを経て、それぞれ緻密化焼結を行
った。
し、直径 320mm×厚さ10mmの12種類のTi−Alターゲ
ットを得た。これらTi−Alターゲット中の酸素量お
よびそのバラツキは表1に示す通りである。なお、酸素
含有量についてはICPによって測定した。
れ用いて、Si(100) 基板上に化相スパッタによりTi
AlN膜を10〜 100nm程度の厚さで成膜した。スパッタ
ガスにはN2 3sccm 、Ar30sccmの混合ガスを用い、基
板温度は 600℃とした。また、Si(100) 基板は、1%弗
化水素酸溶液で 3分間表面エッチングを行い、超純水に
て30分リンスオフしたものを用いた。これら各膜の結晶
性を真空チャンバ内に装備したRHEEDにより確認し
たところ、エピタキシャル膜の回折パターンであり、か
つストリークが観察され、平滑なエピタキシャル膜が形
成されていることを確認した。
として、その上にそれぞれPt膜をRFマグネトロンス
パッタ(基板温度 500℃)により形成して下部電極とし
た。このとき、Pt膜の厚さは約 100nmとした。さら
に、その上に誘電体膜としてBaTiO3 膜(膜厚約 2
00nm)をRFマグネトロンスパッタにより形成した。こ
のとき、基板温度は 600℃、スパッタガスはO2 100%で
行った。さらに、リフトオフを用いたRFマグネトロン
スパッタにより、室温にて上部電極としてPt膜を形成
した。
ールテストを実施した。この方法は成膜したSiウェハ
ーより 5mm角のサンプルを12個採取し、特定の粘着テー
プを用いて、それを薄膜に接着する。その後、特定の引
張り応力でテープを引き剥がし、テープに付着した薄膜
の量を定量的に算出する評価方法である。この評価結果
を表1にTiAlN膜の抵抗率の測定結果と共に示す。
(試料 No1〜8)を用いて成膜した薄膜(TiAlN膜)
は、いずれも抵抗率が 200μΩ・cm以下でかつ付着力に
優れることが分かる。よって、このようなバリア膜を用
いることによって、抵抗率を抑えることができると共
に、密着性を向上させることができ、さらには製品歩留
りを大幅に向上させることが可能となる。
し、直径75〜 180mmのインゴットを作製した。次に、大
型のターゲットを作製するために、1000℃で熱間圧延し
た後、 900℃で 1時間アニールして再結晶化させた。得
られたインゴットを研削、研磨し、直径 320mm×厚さ10
mmの12種類のTi−Alターゲットを得た。これらTi
−Alターゲット中の酸素量およびそのバラツキは表2
に示す通りである。酸素含有量についてはICPによっ
て測定した。
れ用いて、実施例1と同一条件下で、Si(100) 基板上
に化相スパッタによりTiAlN膜を10〜 100nm程度の
厚さで成膜した。これら各膜の結晶性を真空チャンバ内
に装備したRHEEDにより確認したところ、エピタキ
シャル膜の回折パターンであり、かつストリークが観察
され、平滑なエピタキシャル膜が形成されていることを
確認した。
として、その上にそれぞれPt膜/BaTiO3 膜/P
t膜を実施例1と同一条件で形成した。得られた膜の密
着性およびTiAlN膜の抵抗率を実施例1と同様にし
て測定、評価した。測定結果を表2に示す。
(試料 No1〜8)を用いて成膜した薄膜(TiAlN膜)
は、いずれも抵抗率が 200μΩ・cm以下でかつ付着力に
優れることが分かる。よって、このようなバリア膜を用
いることによって、抵抗率を抑えることができると共
に、密着性を向上させることができ、さらには製品歩留
りを大幅に向上させることが可能となる。
ールドウォール溶解法で溶解して、直径 320mm×厚さ10
mmの 8種類のTi−Alターゲット(Al組成は全て10
原子% )を得た。これらTi−Alターゲット中の酸素
量およびそのバラツキは表3に示す通りである。
れ用いて、実施例1と同一条件下で、Si(100) 基板上
に化相スパッタによりTiAlN膜を10〜 100nm程度の
厚さで成膜した。これら各膜の結晶性を真空チャンバ内
に装備したRHEEDにより確認したところ、エピタキ
シャル膜の回折パターンであり、かつストリークが観察
され、平滑なエピタキシャル膜が形成されていることを
確認した。
として、その上にそれぞれPt膜/BaTiO3 膜/P
t膜を実施例1と同一条件で形成した。得られた膜の密
着性を実施例1と同様にして測定、評価した。測定結果
を表3に示す。
キが小さいスパッタターゲット(試料 No1〜3)を用いて
成膜した薄膜(TiAlN膜)は、特に付着力に優れる
ことが分かる。よって、このようなバリア膜を用いるこ
とによって、抵抗率を抑えた上で密着性を向上させるこ
とができ、さらには製品歩留りを大幅に向上させること
が可能となる。
ターターゲットによれば、低抵抗でかつ酸化などを十分
に抑制し得るTiAlN膜などを再現性よく形成するこ
とが可能となる。従って、このようなTiAlN膜を有
する本発明のバリア膜、およびそれた用いた電子部品に
よれば、特性や歩留りの向上を図ることができる。
示す断面図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 1原子% 以上30原子% 未満の範囲でAl
を含有するTi−Al合金からなることを特徴とするス
パッタターゲット。 - 【請求項2】 請求項1記載のスパッタターゲットにお
いて、 前記Ti−Al合金中の酸素量が5000ppm 以下であるこ
とを特徴とするスパッタターゲット。 - 【請求項3】 請求項2記載のスパッタターゲットにお
いて、 ターゲット全体の酸素量のバラツキが±30% 以内である
ことを特徴とするスパッタターゲット。 - 【請求項4】 含有酸素量が5000ppm 以下のTi−Al
合金からなることを特徴とするスパッタターゲット。 - 【請求項5】 請求項4記載のスパッタターゲットにお
いて、 前記含有酸素量が3000ppm 以下であることを特徴とする
スパッタターゲット。 - 【請求項6】 請求項4記載のスパッタターゲットにお
いて、 前記含有酸素量が10〜1000ppm の範囲であることを特徴
とするスパッタターゲット。 - 【請求項7】 請求項4記載のスパッタターゲットにお
いて、 ターゲット全体の酸素量のバラツキが±30% 以内である
ことを特徴とするスパッタターゲット。 - 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれか1項
記載のスパッタターゲットにおいて、 前記スパッタターゲットはバッキングプレートと接合さ
れていることを特徴とするスパッタターゲット。 - 【請求項9】 請求項8記載のスパッタターゲットにお
いて、 前記スパッタターゲットとバッキングプレートとは拡散
接合されていることを特徴とするスパッタターゲット。 - 【請求項10】 請求項1ないし請求項9のいずれか1
項記載のスパッタターゲットを用いて成膜してなるTi
−Al−N膜を具備することを特徴とするバリア膜。 - 【請求項11】 請求項10記載のバリア膜において、 前記Ti−Al−N膜中の酸素量が5000ppm 以下である
ことを特徴とするバリア膜。 - 【請求項12】 請求項10記載のスパッタターゲット
において、 前記Ti−Al−N膜中の酸素量が3000ppm 以下である
ことを特徴とするバリア膜。 - 【請求項13】 請求項10記載のバリア膜において、 前記Ti−Al−N膜は半導体基板に対するバリア材と
して用いられることを特徴とするバリア膜。 - 【請求項14】 請求項10ないし請求項12のいずれ
か1項記載のバリア膜を具備することを特徴とする電子
部品。 - 【請求項15】 請求項14記載の電子部品において、 半導体基板と、前記半導体基板上に形成された前記バリ
ア膜と、前記バリア膜上に形成された薄膜キャパシタと
を具備することを特徴とする電子部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16752999A JP2000355760A (ja) | 1999-06-14 | 1999-06-14 | スパッタターゲット、バリア膜および電子部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16752999A JP2000355760A (ja) | 1999-06-14 | 1999-06-14 | スパッタターゲット、バリア膜および電子部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000355760A true JP2000355760A (ja) | 2000-12-26 |
Family
ID=15851394
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16752999A Pending JP2000355760A (ja) | 1999-06-14 | 1999-06-14 | スパッタターゲット、バリア膜および電子部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000355760A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003073815A (ja) * | 2001-08-28 | 2003-03-12 | Toshiba Corp | スパッタリングターゲットとその製造方法 |
JP2007297225A (ja) * | 2006-04-28 | 2007-11-15 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 窒化アルミニウム基板 |
JP2011179123A (ja) * | 2011-04-04 | 2011-09-15 | Toshiba Corp | スパッタリングターゲットとそれを用いたTi−Al−N膜および電子部品の製造方法 |
JP2011184798A (ja) * | 2011-04-04 | 2011-09-22 | Toshiba Corp | スパッタリングターゲットとそれを用いたTi−Al−N膜および電子部品の製造方法 |
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-
1999
- 1999-06-14 JP JP16752999A patent/JP2000355760A/ja active Pending
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