JP6736104B1 - 絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法及びスマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品 - Google Patents

絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法及びスマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】スパッタリング方法を用いて、樹脂成形品にクロム膜を数回に分けて成膜をすることで、絶縁性の電波透過膜を樹脂成形品にクロムめっき調の意匠性を高めて成膜すると共に、クロムを使用して安価に成膜する。【解決手段】樹脂成形品Wの表面に、クロムと熱膨張率が異なるクラック基礎材料を塗布するクラック基礎材膜形成工程S2と、スパッタリング装置内において、樹脂成形品W表面に成膜されたクラック基礎材膜に、クロム膜を成膜するクロム膜成膜工程S3と、次に、薄膜形成装置において、クロム膜が成膜された樹脂成形品Wに、緩衝膜としての透明保護膜を形成する緩衝膜形成工程S5と、更にクロム膜を成膜する高明度クロム膜成膜工程S6と、最後に樹脂成形品Wを加熱し、クラック基礎材膜とクロム膜の熱膨張率の相違によりクロム膜にクラックを生じさせるクラック膜形成工程S7と、から成る。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂成形品に金属薄膜をスパッタリング方法を用いて施す成膜技術に係り、特にクロムめっき調の金属意匠ではあるが、絶縁性と電波透過性を有する絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法及びスマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品に関する。
自動車の使用性の向上については、ドアの施錠・解錠のセキュリティの強化、スピーディ化そして簡素化がある。従来のメカニカルキーに代わり、電子キーによる遠隔操作可能なキーレスエントリーやキー操作不要なスマートエントリーが普及している。IT技術や通信技術の進歩と共に、キーレスエントリーからスマートエントリーに進んだ技術が種々開発されている。このスマートエントリーの静電容量タイプの施錠・解錠技術は、現在電波透過性と絶縁性が容易な樹脂製の自動車ドアハンドルに塗料を吹き付けたタイプが主流である。
スマートエントリー用の自動車ドアハンドルは、スマートフォンの画面タッチ操作の 原理と同様に静電容量センサが埋め込まれている面に手が触れると、人体の微弱電流が流れ込み、この静電容量センサが感知する原理を利用したものである。スマートエントリーの解錠・施錠の動作は、図7に示すような手順となっている。スマートキーを持った人の手が、静電容量の変化を検知する静電容量センサが埋め込まれたドアハンドルに触れると、この静電容量センサが感知する。この感知したことを知らせる電波を、ドアハンドル内のアンテナから出す。この電波をスマートキーが受信し、自動車への解錠又は施錠の指示信号を出す。この指示信号を自動車が受信して、ドアを解錠又は施錠する。そこで、人はドアを開けて乗車し、又は閉めて施錠するようになっている。
このようなスマートエントリー用の自動車ドアハンドルは、次のような要件が必要である。先ず、ドアハンドルの色調やツヤは他の装飾部品と同様で、しかも傷つきにくい表面性能が必要である。そのため、樹脂にクロムめっきを施したドアハンドルが一般的に用いられており、猛暑、極寒の温度条件でも材質間の膨張率差によるひび割れが発生しないことや、ガソリンや薬品にも侵されにくい強さも兼ね備える必要がある。
以上の一般的なドアハンドルの要件に加え、静電容量タイプのドアハンドルでは次の3つの要件を充足する必要がある。人手で触れることでその微弱電流を感知するため、静電容量パネル部分の表面が絶縁性であることが必要である。図8に示すような一般的なクロムめっきでは導電性のため電流がドアハンドル全体を流れ、パネル部分以外に触れた場合であっても意図しない施錠が起こる。ドアハンドルに内蔵されたアンテナとスマートキーとの間で相互通信を行っているためドアハンドル表面は電波の透過性があることが必要である。この従来のクロムめっきでは電波が透過しない(全反射する)。
図9に示すように、クロム膜を樹脂成形品に薄くめっきする方法もあるが、電波は部分的に透過する(部分反射する)が、電波が透過しない場合があり、信頼性に欠けるおそれがある。このような構成のスマートキー用のドアハンドルは、これに人の手が触れたときに、人体の微弱電流が流れ、内蔵された静電容量センサが感知するが、簡単に通電して誤動作しないようにする必要がある。
スマートキー用のドアハンドルでは、図10に示すように、めっき処理(成膜処理)する際に、絶縁性の電波透過膜を形成する必要がある。この絶縁性の電波透過膜を形成する際に、電波や光を透過するアイランド膜(アイランドめっき)と称される成膜方法が採用されている。
アイランド膜の成膜方法としては、インジウム蒸着方法が採用されている。これは貴金属であるインジウム(In)を、粒子同士が互いに独立した状態で成膜する、いわゆるアイランド状に成膜することで、通常の湿式めっきでは不可能なミリ波等の電波を透過するめっき調の皮膜を成膜できる成膜技術である。この成膜技術は、自動車のスマートエントリーシステム(ドアハンドル)以外に、ミリ波レーダー透過型エンブレム等に使われている。
このようなアイランド膜の成膜技術が提案されるようになった。例えば、特許文献1の特開2014−210702号公報「単結晶酸化物半導体、薄膜、酸化物積層体およびそれらの成膜方法」には、露点が−60 ℃以下のスパッタガスを用い、基板温度を200℃ 以上500℃ 以下とし、スパッタ面に対してc軸配向した、アルミニウム、錫、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、ネオジムの少なくとも一とインジウムと亜鉛を有する多結晶酸化物半導体をターゲットとし、非晶質表面に形成された酸化亜鉛膜上に、アルミニウム、錫、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、ネオジムの少なくとも一とインジウムと亜鉛を有する酸化物半導体を形成するスパッタリング法による成膜方法が提案されている。
特開2014−210702号公報
しかし、電波透過膜を形成する技術としては、塗装による方法も提案されているが、自動車用のドアハンドルのような頻繁に人の手が触れる箇所では、その塗膜が剥がれて見栄えが悪くなりやすいという問題を有していた。また、このようなドアハンドルは金属調のめっきが従来から使用されているため、電波透過膜を有するドアハンドルであっても金属調のものが望まれていた。
従来のアイランド膜の成膜方法に用いるインジウム(In)は、いわゆる希少金属に属する金属で、液晶パネルの透明導電膜(電極)にも利用されている価格の高い金属である。また、インジウム(In)は、耐熱性が低いため、上述したようなアイランド膜を成膜した面に、後工程処理をする際に、高温処理を施すと不具合を生じやすいという問題を有していた。
更に、従来のスパッタリング法による成膜方法は、平坦な合成樹脂成形品には適していたが、絶縁性と電波透過性を有するドアハンドルのような複雑な曲面には安定して成膜することができないという問題を有していた。
本発明の発明者は、合成樹脂製の成形品表面にクラック膜を形成する性質を有する成膜層があると、加熱処理を施すことでこの成膜層に積層した金属薄膜にクラック(割れ)が形成されること、即ち電波透過性を有する成膜を形成できることに着目した。そこで、発明者は、成膜処理工程の種類に応じて、スパッタリング装置内における真空度(減圧状態の程度)を可変させ、電子やイオンが高速移動し、イオンがターゲット(成膜用金属)に衝突する状態を可変することにより、数回に分けて成膜することで、電波透過性を有する成膜の膜厚の調整と、成膜表面(仕上)の向上を図れると考えた。
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、スパッタリング方法を用いて、樹脂成形品にクロム膜を数回に分けて成膜をすることで、絶縁性の電波透過膜を樹脂成形品にクロムめっき調の意匠性を高めて成膜すると共に、クロムを使用して安価に成膜することができる絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法及びスマートエントリー用ドアハンドルを提供することにある。
本発明の電波透過性成膜方法は、樹脂成形品(W)にクロムめっき調の金属意匠ではあるが、絶縁性と電波透過性を有するクロム膜の成膜を施す絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法であって、
樹脂成形品(W)の表面に、クロムと熱膨張率が異なる基礎材料を塗布してクラック基礎材膜を形成するクラック基礎材膜形成工程(S2)と、
スパッタリング装置内において、樹脂成形品(W)表面に成膜されたクラック基礎材膜に、スパッタリングによりクロム膜を成膜するクロム膜成膜工程(S3)と、
次に、薄膜形成装置において、クロム膜が成膜された樹脂成形品(W)に、緩衝膜としての透明保護膜を形成する緩衝膜形成工程(S5)と、
同じく、スパッタリング装置内において、前記緩衝膜形成工程(S5)により膜厚が調整された樹脂成形品(W)表面のクロム膜の明るさを確保するために、スパッタリングにより、更にクロム膜を成膜する高明度クロム膜成膜工程(S6)と、
最後に、クラック基礎材膜の上にクロム膜が成膜された樹脂成形品(W)を加熱し、前記クロム膜成膜工程(S3)及び前記高明度クロム膜成膜工程(S6)において成膜されたクロム膜とクラック基礎材膜の熱膨張率の相違によりクロム膜にクラックを生じさせるクラック膜形成工程(S7)と、から成る、ことを特徴とする。
前記クラック基礎材膜形成工程(S2)において、樹脂成形品(W)の表面に塗布する基礎材料が有機系材料である、ことが好ましい。
前記クロム膜成膜工程(S3)の次に、
該クロム膜成膜工程(S3)及び前記高明度クロム膜成膜工程(S6)において成膜され、かつその後前記クラック膜形成工程(S7)においてクラックするクロム膜と樹脂成形品(W)表面とのつき回り性を向上させるために、スパッタリング装置内において、真空雰囲気がクロム膜成膜工程(S3)より低真空度(程度の低い減圧状態)においてクロム膜を成膜し、かつ該クラック膜形成工程(S7)においてクラックされつき回り性向上工程(S4)を有する、ことが好ましい。
スパッタリング装置内において処理する際の真空雰囲気が、
前記高明度クロム膜成膜工程(S6)は、前記クロム膜成膜工程(S3)より高真空度(程度の高い減圧状態)で処理する、ことが好ましい。
前記クラック膜形成工程(S7)は、基礎材料の上にクロム膜が成膜された樹脂成形品(W)について、部分的に加熱する、ことができる。
本発明のスマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品は、受信と送信の機能を有するスマートキーを用いて、ドア又はロッカー等の開閉構造の解錠と施錠をするスマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品であって、
樹脂成形品(W)の表面に、クラック基礎材膜形成工程(S2)により、クロムと熱膨張率が異なる基礎材料を塗布してクラック基礎材膜が形成され、
スパッタリング装置内においてクロム膜成膜工程(S3)により、樹脂成形品(W)表面に成膜されたクラック基礎材膜に、スパッタリングによりクロム膜が成膜され、
薄膜形成装置において緩衝膜形成工程(S5)により、クロム膜が成膜された樹脂成形品(W)に、緩衝膜としての透明保護膜が形成され、
スパッタリング装置内において高明度クロム膜成膜工程(S6)により、前記緩衝膜形成工程(S5)により膜厚が調整された樹脂成形品(W)表面のクロム膜の明るさを確保するために、スパッタリングにより、更にクロム膜が成膜され、
クラック基礎材膜の上に各クロム膜が成膜された樹脂成形品(W)を、クラック膜形成工程(S7)により加熱し、前記クロム膜成膜工程(S3)及び前記高明度クロム膜成膜工程(S6)において成膜されたクロム膜とクラック基礎材膜の熱膨張率の相違によりクロム膜にクラックが生じ、表面にクロムめっき調の金属意匠であるが絶縁性と電波透過性を有するクロム膜が成膜された合成樹脂製のスマートエントリー用の合成樹脂製本体部(2)と、
電波透過性成膜が成膜された前記合成樹脂製本体部(2)内に取り付けられた、静電容量の変化を検知する静電容量センサ(3)と、
前記静電容量センサ(3)が人の接触を感知すると、前記スマートキーに電波を発信する、前記合成樹脂製本体部(2)内に取り付けられた発信機と、から成り、
前記スマートキーを持った人がドア又はロッカー等の開閉構造に近づき、その人が前記合成樹脂製本体部(2)に触れると、前記静電容量センサ(3)が感知し、その感知したことを前記発信機のアンテナから解錠又は施錠の電波を発信し、この電波を受信したスマートキーが合成樹脂製本体部(2)の解錠信号又は施錠信号を開閉構造側へ発信し、この信号を受信した開閉構造を人が解錠又は施錠できるように構成した、ことを特徴とする。
前記スマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品は、自動車用ドアハンドル又は家屋のドアノブである。
上述したように、本発明の電波透過性成膜方法では、クラック基礎材膜(有機材膜)とクロム膜の熱膨張率の相違を利用して加熱することでクロム膜にクラックを形成し、このクロム膜に電波透過性を得ることができる。樹脂成形品(W)の表面にクラック膜を形成する性質を有する成膜層があると、加熱処理を施すことでこの成膜層に積層した金属薄膜にクラック(割れ)が形成される。そこで、成膜処理工程の種類に応じてスパッタリング装置内における真空度(減圧状態の程度)を可変し、数回に分けて成膜処理することで、絶縁性と電波透過性を有するクロム膜がクロムめっき調の意匠性を高めたものにすることができる。
本発明の成膜方法では、希少金属のインジウム(In)による成膜ではなく、絶縁性、電波透過性を有するクロム膜が耐熱性の高い膜であるため、後工程での熱による影響も低い。そこで、クロム膜の膜厚の調整、強度の調整、色調の調整などの種々の後処理を行うことができる。
本発明のスマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品では、希少金属のインジウム(In)を用いないため低コスト化が可能である。また、クロム膜が、耐熱性の高い膜であるため、後工程で調色無しにクロムめっき調の意匠を得ることができる。
実施例1の絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法を示す工程図である。 実施例1の絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法で処理した各処理工程における樹脂成形品を示す断面図であり、(a)は前処理後の状態、(b)はクラック基礎材膜の塗布状態、(c)はクロム膜成膜の状態、(d)はつき回り性を向上させたクロム膜成膜の状態、(e)は緩衝膜成膜の状態である。 実施例1の絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法で処理した各処理工程における樹脂成形品を示す断面図であり、(f)は高明度クロム膜成膜の状態、(g)はクラック膜の形成状態、(h)はトップコート膜成膜の状態である。 実施例1の絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法における処理工程とスパッタリング装置内の真空度との関係を示す説明図である。 実施例2のスマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品の一例であるドアハンドルを示す斜視図である。 実施例2のスマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品の一例であるドアハンドルを示す分解正面図である。 スマートエントリーの解錠・施錠の手順を示すフロー図である。 従来の一般的なクロムめっきにおける電波透過性を示す説明図である。 スパッタリングによるクロム成膜における電波透過性を示す説明図である。 スパッタリングによるアイランド成膜における電波透過性を示す説明図である。
本発明の絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法は、樹脂成形品の表面に、有機系材料等の基礎材料を塗布してクラック基礎材膜を形成し、スパッタリング装置内において、このクラック基礎材膜に、スパッタリングによりクロム膜を成膜し、次に、薄膜形成装置において、クロム膜が成膜された樹脂成形品に、緩衝膜としての透明保護膜を形成し、同じくスパッタリング装置内において、緩衝膜により膜厚が調整された樹脂成形品表面のクロム膜の明るさを確保するためにクロム膜を成膜し、最後にクラック基礎材膜の上にクロム膜が成膜された樹脂成形品を加熱し、クラック基礎材膜とクロム膜の熱膨張率の相違によりクロム膜にクラックを生じさせる処理方法である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は実施例1の絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法を示す工程図である。図2は実施例1の絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法で処理した各処理工程における樹脂成形品を示す断面図であり、(a)は前処理後の状態、(b)はクラック基礎材膜の塗布状態、(c)はクロム膜成膜の状態、(d)はつき回り性を向上させたクロム膜成膜の状態、(e)は緩衝膜成膜の状態である。図3は実施例1の絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法で処理した各処理工程における樹脂成形品を示す断面図であり、(f)は高明度クロム膜成膜の状態、(g)はクラック膜の形成状態、(h)はトップコート膜成膜の状態である。なお、図2と図3で示す樹脂成形品を示す断面図は積層の順序を説明するもので、各成膜の膜厚は実際のものとは相違する。
実施例1の絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法は、スパッタリング装置内において、真空雰囲気状態で樹脂成形品Wの表面をプラズマ処理で金属薄膜を成膜する処理方法である。金属薄膜としてはクロム膜(Cr)を成膜する。このクロム膜(Cr)は、樹脂成形品にクロムめっき調の金属意匠であるが絶縁性と電波透過性を有するように、更に数段階の処理工程を経る成膜方法である。
実施例1の絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法は、主に樹脂成形品Wの表面に、クロムと熱膨張率が異なる基礎材料を塗布してクラック基礎材膜を形成するクラック基礎材膜形成工程S2と、このクラック基礎材膜に、スパッタリングによりクロム膜を成膜するクロム膜成膜工程S3から成る。
同じくスパッタリング装置内において、樹脂成形品W表面とのつき回り性を向上させるためにクロム膜を成膜するつき回り性向上工程S4と、次に、このクロム膜が成膜された樹脂成形品Wに、緩衝膜としての透明保護膜を薄く形成する緩衝膜形成工程S5と、から成る。
更に、スパッタリング装置内において、膜厚が調整された樹脂成形品W表面のクロム膜の明るさを確保するために、スパッタリングにより、更にクロム膜(Cr)を成膜する高明度クロム膜成膜工程S6と、から成る。
最後に、この樹脂成形品Wを加熱し、クラック基礎材膜とクロム膜の熱膨張率の相違によりクロム膜にクラックを生じさせるクラック膜形成工程S7から成る成膜方法である。
先ず、樹脂成形品Wについては、その表面の脱脂、洗浄等の前処理工程S1を経る。樹脂成形品Wの種類、形状に応じて、洗浄以外の前処理工程としては、エッチング、触媒付与又は加熱(加温)処理などを実施することもある。
表面洗浄等の前処理工程S1を経た自動車のドアハンドルのような樹脂成形品Wについて、クラック基礎材膜形成工程S2により、この樹脂成形品Wの表面に、有機系材料のようなクロムと熱膨張率が異なる基礎材料を塗布して、クラック基礎材膜を形成する。またクラック基礎材膜の有機系材料としては、アクリル樹脂が好ましい。他にウレタン樹脂を用いることも可能である。なお、この基礎材料は、クロムと熱膨張率が異なる材質のものであれば、有機系材料に限定されない。
このクラック基礎材膜の膜厚は、10〜20μmである。後述するクロム膜の膜厚が0.01〜0.05μmであり、成膜処理を3回しても0.1μmと非常に薄い膜である。その後加熱処理においてクラックを形成しやすいようになっている。
次に、表面にクラック基礎材膜が成膜された樹脂成形品Wは、クロム膜成膜工程S3によりスパッタリング装置内においてクロム膜を成膜する。このクロム膜成膜工程S3におけるクロム膜の膜厚は、0.01〜0.05μmと非常に薄い膜である。クラック基礎材膜形成工程S2により形成されたクラック基礎材膜(有機膜)の膜厚は10〜20μm程度が好ましい、これより厚すぎても薄すぎても、後述するクラック膜形成工程S7の加熱処理の際に円滑にクラックが形成されないからである。
通常のクロムめっき処理による被膜厚は50μm程度の金属膜であり、クロムの金属自体は非常に硬くガソリンや薬品への耐性も十分である。このように、スパッタリングで成膜されるクロム被膜厚は0.01〜0.05μmの非常に薄い膜であり、かつその後のクラック膜形成工程S7により微細なクラックを作っているため、引っかき傷や薬品に非常に弱い。そこで、本発明では、クロム膜成膜工程S3により成膜した後に、後述するような種々の成膜処理工程を経ている。
このように、クロム膜成膜工程S3等に使用するスパッタリング装置は、真空雰囲気内においてプラズマ放電により励起されたアルゴン等の衝突により金属ターゲットから原子を飛び出させ、樹脂成形品Wに成膜させる装置である。このスパッタリング処理により樹脂成形品Wにターゲットの金属を成膜し、または樹脂成形品Wにプラズマを照射する。
続いて、つき回り性向上工程S4の処理をする。これは同じくスパッタリング装置内において、クラックしたクロム膜と樹脂成形品W表面とのつき回り性を向上させるためにクロム膜を成膜する処理工程である。自動車のドアハンドルのように立体的な形状では、スパッタリング装置内において、ターゲット金属に対して正面を向いているドアハンドル外周部と比べて、正面を向いていない内周部や側面部になるような形状部分では成膜が不均一になりやすい。例えば、膜厚が場所ごとに異なる。そこで、このつき回り性向上工程S4では、真空雰囲気がクロム膜成膜工程S3より低真空度(程度の低い減圧状態)においてクロム膜を成膜する。
続いて、緩衝膜形成工程S5は、薄膜形成装置(CVD Chemical Vapor Deposition)において、つき回り性向上工程S4によりクロム膜が成膜された樹脂成形品Wに、緩衝膜としてのSiOx膜(酸化ケイ素)の透明保護膜を薄く形成する処理工程である。クロム膜の明るさはスパッタリング処理のクロム膜のトータル膜厚に依存し、厚膜化するとクロムの明度が低くなる。そこで、高明度クロム膜成膜工程S6を実施する前に一旦膜厚の調整を行う処理工程である。
緩衝膜形成工程S5において、成膜する透明保護膜は、SiOx膜(酸化ケイ素)に限定されない。例えば、TiO(酸化チタン)、Nb(酸化ニオブ),Al(酸化アルミニウム),Ta(酸化タンタル)、ITO(酸化インジウムスズ)などを用いることが可能である。
次に、高明度クロム膜成膜工程S6により、スパッタリング装置内において、緩衝膜形成工程S5において膜厚が調整された樹脂成形品W表面のクロム膜の明るさを確保するために、スパッタリングにより、更にクロム膜を成膜する。スパッタリング装置内において処理する際の真空雰囲気が、この高明度クロム膜成膜工程S6は、クロム膜成膜工程S3より高真空度(程度の高い減圧状態)で処理する。ここで、高真空度とは、0.1〜1.0Paの雰囲気をいう。また、低真空度とは、1.5〜4.0Paの雰囲気をいう。
最後に、クラック基礎材膜の上にクロム膜が成膜された樹脂成形品Wは、スパッタリング装置から取り出し、クラック膜形成工程S7により加熱し、クラック基礎材膜とクロム膜の熱膨張率の相違によりクロム膜にクラックを生じさせる。クロム膜のクラック形成により、クロム膜に多数の隙間が生じ電波透過性を有するようになる。このときの加熱温度は、70〜130℃が好ましい。この温度の相違は、クラック基礎材膜の種類と膜厚、クロム膜の膜厚、樹脂成形品Wの耐熱温度と関係する。
スパッタリングによるクロム膜は、全体として薄いため、その保護や酸化防止の目的で、樹脂成形品Wの最上面に皮膜を形成するトップコートを施す(トップコート処理工程S8)。このトップコート処理工程S8に用いるトップコート剤としては、ウレタン系樹脂又はアクリル系樹脂がある。例えば、ウレタン系樹脂は、その膜厚は10〜40μmが適していた。その乾燥条件としては、熱乾燥では80℃、30〜50分の乾燥時間が好ましい。
また、アクリル系樹脂は、その膜厚は10μm程度が適していた。その乾燥条件としては、熱乾燥で60℃、5分の乾燥時間が好ましい。
あるいは、熱乾燥とUV乾燥を併用することも可能である。例えば1コート目を10μm施した後、60℃、5分の熱乾燥を行い、その上から2コート目を10μm施し、80℃、5分熱乾燥後更にUV乾燥を積算光量400〜2000mJ/cm(UV照度40〜120mW/cm)で行う方法である。この方法では膜厚が20μmのトップコート膜になる。トップコート処理工程S8に用いる樹脂(塗料)の種類は、これらに限定されず、その処理条件もこれらの数値に限定されないことは勿論である。
<成膜方法とスパッタリング装置内の真空度との関係>
図4は実施例1の絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法とスパッタリング装置内の真空度との関係を示す工程図である。
本発明の実施例1の絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法により成膜する際の真空度と膜厚の関係を説明する。表1は真空度と膜厚の関係について、評価項目は、明るさ(L値≧83)、つき回り性(側面部透け無きこと)及び絶縁性(抵抗値≧1MΩ)である。
Figure 0006736104
本発明の実施例1の絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法と従来工法との相違について説明する。表2には、クロム膜が単層膜の場合、本発明のようにクロム膜を数回積層した状態における評価項目は、つき回り性、明るさ、絶縁性及び密着性である。真空度及び膜厚は、低真空度で行うと別の何かを犠牲にし、高真空度で行うと別の何かを犠牲にしなければならない関係、いわゆるトレードオフの関係にあった。
Figure 0006736104
そこで、この表1と表2の試験結果から、本発明の実施例1の絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法は、図4に示すように、スパッタリング装置内において処理する際の真空雰囲気が、つき回り性向上工程S4は、クロム膜成膜工程S3より低真空度(程度の低い減圧状態)においてクロム膜を成膜することが好ましい。
また、高明度クロム膜成膜工程S6は、クロム膜成膜工程S3より高真空度(程度の高い減圧状態)で処理することが好ましい。
本発明の実施例1の絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法による樹脂成形品の輝度及び抵抗値結果を説明する。表3には、従来品(単層膜)と3ステップによる樹脂成形品との輝度及び抵抗値結果の比較表である。本発明の電波透過性成膜方法による樹脂成形品によれば、明るさはL値で83以上を確保した。また、絶縁性は抵抗値で1MΩ以上を確保した。絶縁性と電波透過性については、表3で示すように、スマートエントリー用ドアハンドル等に使用できる数値を得た。
Figure 0006736104
本発明の実施例1の方法により成膜した樹脂成形品の特性、その試験方法と評価結果に関しては表4のようになった。特性は、色調、絶縁性、電波透過性、硬度、密着性、耐水性、耐冷熱繰り返し性及び膜厚に関する。各特性については略良好な結果を得た。
Figure 0006736104
<実施例1の変形例>
クラック膜形成工程S7は、有機膜の上にクロム膜が成膜された樹脂成形品Wについて、部分的に加熱することができる。クロム膜の成膜層において部分的に電波透過性成膜にすることができる。スマートキー用のドアハンドルは、常に全方向から送受信を行うものではなく、例えば特定の方向から電波を受信又は送信したときにのみ作動させる構成にすることがある。そこで、クロム膜の成膜層の一部のみをクラックして電波透過性成膜にすることも可能である。
図5は実施例2のスマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品の一例であるドアハンドルを示す斜視図である。図6は実施例2のスマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品の一例であるドアハンドルを示す分解正面図である。
実施例2のスマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品の一例であるドアハンドル1は、受信と送信の機能を有するスマートキーを用いて、ドア又はロッカー等の開閉構造の解錠と施錠をすることができる。このドアハンドル1は、樹脂成形品に形成されたクラック基礎材膜表面に、クロム膜が成膜された状態で加熱し、クラック基礎材膜とクロム膜の熱膨張率の相違によりクロム膜にクラックが生じ、表面にクロムめっき調の金属意匠であるが絶縁性と電波透過性を有するクロム膜が成膜された合成樹脂製のスマートエントリー用の合成樹脂製本体部2と、電波透過性成膜が成膜された合成樹脂製本体部2内に取り付けられた、静電容量の変化を検知する静電容量センサ3と、静電容量センサ3が人の接触を感知すると、スマートキーに電波を発信する、合成樹脂製本体部2内に取り付けられた発信機と、から成るものである。
スマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品は、スマートキーを持った人がドア又はロッカー等の開閉構造に近づき、その人が合成樹脂製本体部2に触れると、静電容量センサ3が感知し、その感知したことを発信機のアンテナから解錠又は施錠の電波を発信し、この電波を受信したスマートキーが合成樹脂製本体部2の解錠信号又は施錠信号を開閉構造側へ発信し、この信号を受信した開閉構造を人が解錠又は施錠できる。
実施例2のスマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品は、自動車用ドアハンドルに限定されない。スマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品が家屋のドアノブ、その他スマートエントリー方式の機構であれば種々のものに利用できる。
本発明は、スパッタリング方法を用いて、合成樹脂成形品にクロム膜を数回に分けて成膜をすることで、絶縁性の電波透過膜について樹脂成形品にクロムめっき調の意匠性を高めて成膜すると共に、クロムを使用して安価に成膜することができれば、上述した発明の実施の形態に限定されない。
本発明の絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法は、スマートエントリー解錠・施錠構造を有する樹脂成形品に利用することができる。
S1 前処理工程
S2 クラック基礎材膜形成工程
S3 クロム膜成膜工程
S4 つき回り性向上工程
S5 緩衝膜形成工程
S6 高明度クロム膜成膜工程
S7 クラック膜形成工程
S8 トップコート処理工程
W 樹脂成形品
1 ドアハンドル
2 合成樹脂製本体部
3 静電容量センサ

Claims (8)

  1. 樹脂成形品(W)にクロムめっき調の金属意匠ではあるが、絶縁性と電波透過性を有するクロム膜の成膜を施す絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法であって、
    樹脂成形品(W)の表面に、クロムと熱膨張率が異なる基礎材料を塗布してクラック基礎材膜を形成するクラック基礎材膜形成工程(S2)と、
    スパッタリング装置内において、樹脂成形品(W)表面に成膜されたクラック基礎材膜に、スパッタリングによりクロム膜を成膜するクロム膜成膜工程(S3)と、
    次に、薄膜形成装置において、クロム膜が成膜された樹脂成形品(W)に、緩衝膜としての透明保護膜を形成する緩衝膜形成工程(S5)と、
    同じく、スパッタリング装置内において、前記緩衝膜形成工程(S5)により膜厚が調整された樹脂成形品(W)表面のクロム膜の明るさを確保するために、スパッタリングにより、更にクロム膜を成膜する高明度クロム膜成膜工程(S6)と、
    最後に、クラック基礎材膜の上にクロム膜が成膜された樹脂成形品(W)を加熱し、前記クロム膜成膜工程(S3)及び前記高明度クロム膜成膜工程(S6)において成膜されたクロム膜とクラック基礎材膜の熱膨張率の相違によりクロム膜にクラックを生じさせるクラック膜形成工程(S7)と、から成る、ことを特徴とする絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法。
  2. 前記クラック基礎材膜形成工程(S2)において、樹脂成形品(W)の表面に塗布する基礎材料が有機系材料である、ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法。
  3. 前記クロム膜成膜工程(S3)の次に、
    該クロム膜成膜工程(S3)及び前記高明度クロム膜成膜工程(S6)において成膜され、かつその後前記クラック膜形成工程(S7)においてクラックするクロム膜と樹脂成形品(W)表面とのつき回り性を向上させるために、スパッタリング装置内において、真空雰囲気がクロム膜成膜工程(S3)より低真空度(程度の低い減圧状態)においてクロム膜を成膜し、かつ該クラック膜形成工程(S7)においてクラックされつき回り性向上工程(S4)を有する、ことを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法。
  4. スパッタリング装置内において処理する際の真空雰囲気が、
    前記高明度クロム膜成膜工程(S6)は、前記クロム膜成膜工程(S3)より高真空度(程度の高い減圧状態)で処理する、ことを特徴とする請求項1、2又は3の何れかに記載の絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法。
  5. 前記クラック膜形成工程(S7)は、基礎材料の上にクロム膜が成膜された樹脂成形品(W)について、部分的に加熱する、ことを特徴とする請求項1、2、3又は4の何れかに記載の絶縁性クロムスパッタリングによる電波透過性成膜方法。
  6. 受信と送信の機能を有するスマートキーを用いて、ドア又はロッカー等の開閉構造の解錠と施錠をするスマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品であって、
    樹脂成形品(W)の表面に、クラック基礎材膜形成工程(S2)により、クロムと熱膨張率が異なる基礎材料を塗布してクラック基礎材膜が形成され、
    スパッタリング装置内においてクロム膜成膜工程(S3)により、樹脂成形品(W)表面に成膜されたクラック基礎材膜に、スパッタリングによりクロム膜が成膜され、
    薄膜形成装置において緩衝膜形成工程(S5)により、クロム膜が成膜された樹脂成形品(W)に、緩衝膜としての透明保護膜が形成され、
    スパッタリング装置内において高明度クロム膜成膜工程(S6)により、前記緩衝膜形成工程(S5)により膜厚が調整された樹脂成形品(W)表面のクロム膜の明るさを確保するために、スパッタリングにより、更にクロム膜が成膜され、
    クラック基礎材膜の上に各クロム膜が成膜された樹脂成形品(W)を、クラック膜形成工程(S7)により加熱し、前記クロム膜成膜工程(S3)及び前記高明度クロム膜成膜工程(S6)において成膜されたクロム膜とクラック基礎材膜の熱膨張率の相違によりクロム膜にクラックが生じ、表面にクロムめっき調の金属意匠であるが絶縁性と電波透過性を有するクロム膜が成膜された合成樹脂製のスマートエントリー用の合成樹脂製本体部(2)と、
    電波透過性成膜が成膜された前記合成樹脂製本体部(2)内に取り付けられた、静電容量の変化を検知する静電容量センサ(3)と、
    前記静電容量センサ(3)が人の接触を感知すると、前記スマートキーに電波を発信する、前記合成樹脂製本体部(2)内に取り付けられた発信機と、から成り、
    前記スマートキーを持った人がドア又はロッカー等の開閉構造に近づき、その人が前記合成樹脂製本体部(2)に触れると、前記静電容量センサ(3)が感知し、その感知したことを前記発信機のアンテナから解錠又は施錠の電波を発信し、この電波を受信したスマートキーが合成樹脂製本体部(2)の解錠信号又は施錠信号を開閉構造側へ発信し、この信号を受信した開閉構造を人が解錠又は施錠できるように構成した、ことを特徴とするスマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品。
  7. 前記スマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品が自動車用ドアハンドルである、ことを特徴とする請求項6に記載のスマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品。
  8. 前記スマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品が家屋のドアノブである、ことを特徴とする請求項6に記載のスマートエントリー解錠・施錠構造用樹脂成形品。
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