例えば、特許文献1のパレットは、段ボールにより構成された上下一対のデッキボードと、合成樹脂により構成され、一対のデッキボードを連結する複数の脚部構成部材とを備え、脚部構成部材は、一対のデッキボード間に配置される筒状の脚部本体と、デッキボードに設けられた取付孔を介して、デッキボードを挟んで脚部本体に取付けられるキャップとを備えている。そして、脚部本体の上端部及び下端部に設けられた本体フランジと、脚部本体の上端部及び下端部に取付けられるキャップに設けられたキャップフランジとで各デッキボードを挟むような格好でパレットが組立てられている。
ところで、キャップにおいて、前記取付孔を介して前記デッキボードを貫通する挿通部を設け、当該挿通部を前記脚部本体に圧入することで、脚部本体とキャップとを固定する場合には、パレットの使用に際してキャップが外れてしまう等の不具合を招くことが懸念される。また、例えば、脚部本体とキャップとの間を接着したり、脚部本体とキャップとを螺合させる形状としたりすることも考えられるが、組立て作業性の低下を招くことが懸念される。
さらに、例えば、特許文献2のように、キャップの挿通部に係合部を設けるとともに、脚部本体に被係合部を設けることも考えられる。しかしながら、この場合、係合部と被係合部とを係合させるべく、キャップ(挿通部)の脚部本体への挿入量をデッキボードの厚みに応じて変化させるといったことが不可能となる。従って、脚部構成部材は、所定の厚みのデッキボードにしか対応することができず、厚みの異なるデッキボードが複数種類存在する場合、各厚みのデッキボードに対応する脚部構成部材をそれぞれ用意する必要が生じてしまう。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、厚みの異なる複数種類のデッキボードに対応することができ、かつ、組立て作業性の向上を図ることのできるパレットを提供することにある。
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.物品を載置可能な載置面を有する平板状のデッキボードと、
前記デッキボードを支持する複数の脚部構成部材とを備えるパレットであって、
前記デッキボードには、前記脚部構成部材の取付位置において上下に貫通する取付孔が設けられ、
前記脚部構成部材は、前記デッキボードを支持する脚部本体と、前記取付孔を介して、前記デッキボードを挟んで前記脚部本体の端部に取付けられるキャップとを備え、
前記脚部本体は、上下に延びる筒状部と、前記筒状部の上端部、及び、下端部から外方に突出する本体フランジとを備え、
前記キャップは、前記デッキボードの前記載置面側に当接するキャップフランジと、前記取付孔を介して前記デッキボードを貫通し、前記脚部本体の前記筒状部に挿入される挿通部とを備え、
前記挿通部には、係止部が設けられ、
前記筒状部には、前記係止部と係止可能な第1係止孔、及び、第2係止孔が設けられ、
前記係止部と、前記第1係止孔とを係止状態とした場合には、前記係止部と、前記第2係止孔とを係止状態とした場合に比べ、前記デッキボードを上下に挟む前記本体フランジと、前記キャップフランジとの間の距離が短くなることを特徴とするパレット。
手段1によれば、1種類の脚部構成部材で、厚みの異なる複数種類(少なくとも2種類)のデッキボードに対応することができる。従って、載置される物品に応じて厚みの異なる複数種類のデッキボードを扱う場合であっても、脚部構成部材の種類を極力低減させることができる。結果として、脚部構成部材の管理を比較的容易なものとすることができるとともに、脚部構成部材にかかるコストの削減等を図ることができる。また、キャップの挿通部を脚部本体の筒状部に挿通させるだけで係止部を係止孔に係止させることができ、例えば、脚部本体とキャップとを接着したり、脚部本体及びキャップを螺着構造としたりする場合に比べ、組立て作業性の向上等を図ることができる。
尚、「前記筒状部の高さ方向において、前記第1係止孔と、(当該第1係止孔に係止される前記係止部を具備する前記キャップの前記キャップフランジとの間に前記デッキボードを挟持する)前記本体フランジとの間の距離は、前記第2係止孔と、(当該第2係止孔に係止される前記係止部を具備する前記キャップの前記キャップフランジとの間に前記デッキボードを挟持する)前記本体フランジとの間の距離よりも長く」構成されていることとしてもよい。この場合、手段1の作用効果が奏される脚部構成部材を確実に得ることができる。
手段2.前記脚部本体の前記筒状部の内面側において、前記キャップの前記係止部の位置合わせを行うための本体側目印部が設けられ、
前記キャップのうち前記デッキボードの前記載置面に並んで露出する表面には、前記本体側目印部との位置を合わせるためのキャップ側目印部が設けられ、
前記キャップ側目印部は、前記係止部を外れた位置に設けられていることを特徴とする手段1に記載のパレット。
手段2によれば、パレットの組付け作業に際し、デッキボードの取付孔に対応して、デッキボードの下側に脚部本体を配置した状態としても、取付孔を介して、筒状部の内面側に設けられた本体側目印部を確認することができる。従って、本体側目印部を確認しつつ、キャップ側目印部を本体側目印部に合わせるようにして、キャップを脚部本体に取付けることにより、係止部を、所望の第1係止孔、又は、第2係止孔に対して比較的スムースに係止させることができ、パレットの組立て作業性の向上を図ることができる。
また、係止部が設けられたところにキャップ側目印部が設けられた場合、本体側目印部を係止孔に対応する部位に設ける必要が生じるが、その場合、本体側目印部を設ける場所を好適に確保できない、或いは、脚部本体に対するキャップの着脱時に、本体側目印部と、係止部とが干渉して、本体側目印部が削れたり、係止部を係止孔に係止させる作業性の低下を招いたりするといった事態を招くことが懸念される。この点、キャップ側目印部を係止部から外れた位置に設けることで、本体側目印部を係止孔から外れた位置に設けることができ、上記不具合を払拭することができる。
尚、「前記筒状部の周方向において、前記第1係止孔と、第2係止孔とが異なる位置に設けられ、前記本体側目印部は、前記係止部を前記第1係止孔に合わせるための第1本体側目印部と、前記係止部を前記第2係止孔に合わせるための第2本体側目印部とを備えていること」としてもよい。
手段3.前記デッキボードは上下一対で設けられ、
前記脚部本体は、前記第1係止孔、及び、前記第2係止孔として、前記脚部本体の上端部に取付けられる前記キャップの前記係止部と係止可能な上側第1係止孔、及び、上側第2係止孔を備えるとともに、前記脚部本体の下端部に取付けられる前記キャップの前記係止部と係止可能な下側第1係止孔、及び、下側第2係止孔を備え、
前記脚部本体の上端部と、前記上側第1係止孔との間の距離と、前記脚部本体の下端部と、前記下側第1係止孔との間の距離は等しく、
前記脚部本体の上端部と、前記上側第2係止孔との間の距離と、前記脚部本体の下端部と、前記下側第2係止孔との間の距離は等しく構成されていることを特徴とする手段1又は2に記載のパレット。
手段3によれば、上下一対のデッキボードを備えた(両面使用タイプの)パレットとすることができる。また、脚部本体の上端部及び下端部のどちらにも同じキャップを取付けることができる。従って、パレットの組付け作業に際し、脚部本体の上下の向きやキャップの種類を間違えるといった事態を防止することができ、作業性の向上を図ることができるとともに、キャップにかかるコストの削減等を図ることができる。加えて、脚部本体(筒状部)において、上端部に取付けられるキャップ用の上側第1係止孔、及び、上側第2係止孔と、下端部に取付けられるキャップ用の下側第1係止孔、及び、下側第2係止孔とがそれぞれ独立して設けられていることから、上端部に取付けられるキャップと、下端部に取付けられるキャップとの干渉を確実に回避するとともに、上側のデッキボードの厚みと、下側のデッキボードの厚みとを異ならせることも可能となる。
尚、「上側第1係止孔、及び、上側第2係止孔は、前記筒状部の周方向において互いに異なる位置に設けられ、前記筒状部の高さ方向(上下方向)において、前記上側第1係止孔と、前記下側第2係止孔、又は、前記下側第1係止孔とが並ぶようにして設けられるとともに、前記上側第2係止孔と、前記下側第1係止孔、又は、前記下側第2係止孔とが並ぶようにして設けられていること」としてもよい。この場合、筒状部において、筒状部の高さ方向全体に延びる壁部を設け易くすることができる。従って、筒状部の強度の向上等を図ることができる。また、かかる構成を採用する場合において、上側第1係止孔の下方に下側第2係止孔が設けられ、上側第2係止孔の下方に下側第1係止孔が設けられていることとしてもよい。つまり、上記手段2のように、係止部(係止孔)の位置と、キャップ側目印部(本体側目印部)の位置とをずらす構成であって、本体側目印部を筒状部の高さ方向のほぼ全域に延在させる(本体側目印部が脚部本体の上部及び下部で共通の)場合、上側第1係止孔と、下側第1係止孔とを上下に並べてしまうと、先ず、脚部本体の上側の端部に対し、キャップ側目印部と、本体側目印部とを合わせて、キャップを組付けることで、係止部と、上側第1係止孔とを係止させることができる一方で、脚部本体の下側の端部に対し、キャップ側目印部と、前記本体側目印部とを合わせて、キャップを組付けても、係止部と、下側第1係止孔とを係止させることができない。これに対し、上側第1係止孔の下方に下側第2係止孔を配置し、上側第2係止孔の下方に下側第1係止孔を配置することで、所定の本体側目印部と、キャップ側目印部とを合わせるようにしてキャップを脚部本体の上端部、及び、下端部に組付けることで、上側のキャップの係止部を第1上側係止孔に係止させるとともに、下側のキャップの係止部を第1下側係止孔に係止させることができる。従って、所定の本体側目印部と、これにキャップ側目印部を合わせることで係止部が係止される係止孔との対応関係を分かり易く明確にすることができる。
手段4.前記脚部本体の下端部に対し、前記キャップの代わりに閉塞キャップを取付可能に構成され、
前記閉塞キャップは、前記筒状部の下端部の開口を閉塞する閉塞部と、前記脚部本体の前記本体フランジと当接する閉塞フランジと、前記脚部本体の前記筒状部に挿入される挿入部とを備え、
前記挿入部には、前記下側第1係止孔、又は、前記下側第2係止孔に係止される閉塞用係止部が設けられていることを特徴とする手段3に記載のパレット。
手段4によれば、デッキボードを1枚使用する(片面使用タイプの)パレットとする場合に、脚部本体の下端部に閉塞キャップを取付けることで、脚部本体の筒状部の内部や、係止孔に異物が詰まってしまったり、脚部本体の下部が削れてしまったりするといった事態を防止することができ、また一方で、両面使用タイプのパレットとする機会が生じた場合には、脚部本体の下部の構造が上手く機能しないといった事態を抑止することができる。また、閉塞キャップにより脚部本体の下部を補強することができ、脚部本体の下部の変形や損傷等を抑制することができる。
手段5.前記筒状部は、略円筒状に構成されるとともに、前記筒状部の内面から突出する位置決め突起を備え、
前記キャップの前記挿通部は、前記位置決め突起の側面と当接又は近接する補助突起を備えていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のパレット。
手段5によれば、脚部構成部材に対し、キャップと脚部本体とが相対的に回動変位するような力が作用した場合に、位置決め突起と、補助突起とが当接し、前記回動変位を規制することができる。従って、例えば、係止部と、係止孔の周縁部とが当接することのみで前記回動変位を規制するような構成に比べ、前記係止部の保護を図ることができ、キャップの耐久性の向上等を図るとともに、前記回動変位を確実に防止し、係止部と係止孔との係止状態の安定化を図ることができる。また、筒状部に位置決め突起が設けられることにより、筒状部の強度を高めることができ、フォークリフト等のフォークと接触した場合等における損傷等を防止することができる。尚、筒状部を円筒状にして角部をなくすことにより、筒状部の損傷(欠け等)を抑制することができるとともに、複数の脚部構成部材(脚部本体の筒状部)の間にフォークリフト等のフォークの差込む際の作業性の向上を図ることができる。
手段6.前記デッキボードの前記載置面には、前記取付孔の周縁部において、前記キャップの前記キャップフランジが設置される設置凹部が設けられ、
前記載置面と、前記キャップフランジのうち前記デッキボードの前記載置面に並んで露出する表面とが面一、又は、ほぼ面一とされていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載のパレット。
手段6によれば、載置面からキャップが上方に突出するといった事態を回避することができ、物品を載置する載置面をより好適に使用することができる(キャップを気にすることなくデッキボードの全体に物品を傾きや浮き上がり等なく載置することができる)。また、物品を載置面に載置させる際に、物品が載置面から上方に突出するキャップフランジに衝突し、物品やキャップフランジが損傷等してしまうといった事態を回避することができる。
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1等に示すように、パレット1は、平面視略四角板状をなし、物品を載置可能な載置面3を有する上下一対のデッキボード2と、一対のデッキボード2を互いに所定距離離した状態として連結する複数の脚部構成部材4とを備えている。各脚部構成部材4の間には、ハンドリフトやフォークリフトのフォークを差込み可能なフォーク差込み部5が形成されている。本実施形態のデッキボード2は合成樹脂により構成され、脚部構成部材4はポリプロピレンにより構成されている。尚、本実施形態のパレット1は、上下対称形状をなし、上下一対のデッキボード2のうちどちらを上側としても使用可能な両面使用タイプのパレット1として構成されている。
図7、図9に示すように、デッキボード2には、脚部構成部材4の取付位置において上下に貫通する取付孔7が設けられている。図1に示すように、本実施形態では、デッキボード2の4隅近傍位置にそれぞれ脚部構成部材4が取付けられるように構成されている。
図7等に示すように、脚部構成部材4は、一対のデッキボード2間に配置される脚部本体11と、デッキボード2に設けられた取付孔7を介して、デッキボード2を挟んで脚部本体11の端部に取付けられるキャップ21とを備えている。
図2、図5〜図7等に示すように、脚部本体11は、上下に延びる略円筒状の筒状部12と、筒状部12の上端部、及び、下端部から外方に突出する本体フランジ13とを備えている。筒状部12の内径は、デッキボード2の取付孔7の内径と同じとなっている(図7参照)。また、下側の本体フランジ13の下面は、下側のデッキボード2の上面と当接して、当該下側のデッキボード2に支持され、上側の本体フランジ13の上面は、上側のデッキボード2の下面と当接して、当該上側のデッキボード2を支持するように構成されている。尚、本体フランジ13のうちデッキボード2と当接する面は平坦に構成されているのに対し、本体フランジ13のうち筒状部12側の面は、本体フランジ13の補強のためにテーパ状をなしているとともに、筒状部12との連結部位が段差状に構成されている。
図3、図4、図6等に示すように、キャップ21は、円筒状をなす基部22と、基部22の一端部から基部22の外周側に向けて延びる円環状のキャップフランジ23と、基部22の前記一端部における開口を閉塞する円盤状の閉塞部24と、基部22の他端部から、基部22の一部を延長させるようにして突出する係止片25、及び、補助突起26とを備えている。基部22の外径は、デッキボード2の取付孔7の内径、及び、脚部本体11の筒状部12の内径とほぼ同じ(若干小さい)となっている(図7参照)。
係止片25、及び、補助突起26は、基部22の周方向において交互に3つずつ設けられている。また、係止片25、及び、補助突起26は、基部22の中心(閉塞部24の中央部)を中心として均等配置されている。
係止片25は、基部22から延びる弾性片27と、弾性片27の先端部側の部位から基部22の外周側に突出する係止部としての係止爪28とを備えている。補助突起26は、弾性片27よりも横幅が広い略板状をなしている。尚、弾性片27、及び、補助突起26は、いずれも基部22の曲率に応じて湾曲しており、補助突起26は比較的変形し難いように構成される一方で、補助突起26よりも横幅の狭い弾性片27については、基部22の外周方向において弾性変形可能に構成されている。
図2、図6、図7等に示すように、脚部本体11の筒状部12には、脚部本体11の上端部に取付けられるキャップ21の係止爪28と係止可能な上側第1係止孔14、及び、上側第2係止孔15と、脚部本体11の下端部に取付けられるキャップ21の係止爪28と係止可能な下側第1係止孔16、及び、下側第2係止孔17とが設けられている。
上側第1係止孔14、及び、上側第2係止孔15は、筒状部12の周方向において交互に3つずつ設けられている。また、上側第1係止孔14、及び、上側第2係止孔15は、筒状部12の中心を中心として均等配置されている。
図6に示すように、上側第1係止孔14と、脚部本体11の上端部(上側の本体フランジ13の上面)との間の距離は、上側第2係止孔15と、脚部本体11の上端部(上側の本体フランジ13の上面)との間の距離よりも長く構成されている(上側第1係止孔14は、上側第2係止孔15よりも下方に位置している)。
さらに、各上側第1係止孔14の下方位置に下側第2係止孔17が設けられ、各上側第2係止孔15の下方位置に下側第1係止孔16が設けられている。下側第1係止孔16と、脚部本体11の下端部(下側の本体フランジ13の下面)との間の距離は、上側第1係止孔14と、脚部本体11の上端部(上側の本体フランジ13の上面)との間の距離と等しく構成され、下側第2係止孔17と、脚部本体11の下端部との間の距離は、上側第2係止孔15と、脚部本体11の上端部との間の距離と等しく構成されている。
また、上側第1係止孔14、上側第2係止孔15、下側第1係止孔16、及び、下側第2係止孔17の形状及び大きさは同じであり、係止片25及び係止爪28の横幅は、これらの係止孔14、15、16、17の横幅とほぼ同じ(若干狭い)となっている。
そして、図9に示すように、デッキボード2の取付孔7に対応して、デッキボード2の下側に脚部本体11を配置するとともに、デッキボード2の上方から、取付孔7に対し、キャップフランジ23がデッキボード2に当接するまで、キャップ21の係止片25、補助突起26、及び、基部22を挿通させ、係止片25の係止爪28を、脚部本体11の上側第1係止孔14、又は、上側第2係止孔15に係止させる。これにより、本体フランジ13と、キャップフランジ23とで、デッキボード2を上下に挟持する格好で、脚部構成部材4がデッキボード2に取付けられることとなる。
図7に示すように、本実施形態では、係止爪28と、上側第1係止孔14とを係止状態とした場合には、上側の本体フランジ13と、キャップフランジ23との間に、厚さ10mmのデッキボード2を挟持可能とする間隔が形成される。その一方で、図8に示すように、係止爪28と、上側第2係止孔15とを係止状態とした場合には、上側の本体フランジ13と、キャップフランジ23との間に、厚さ13.5mmのデッキボード2を挟持可能とする間隔が形成されるように構成されている(厚さの数値は例示)。つまり、例えば、厚さ10mmのデッキボード2を使用する場合には、係止爪28を上側第1係止孔14に係止させることになる。
その後、上側のデッキボード2の全ての取付孔7に対応して、脚部構成部材4を同様にして取付けるとともに、当該脚部構成部材4が取付けられたデッキボード2を裏返し、脚部構成部材4の上にデッキボード2を載置して、当該上側のデッキボード2の全ての取付孔7に対応して、脚部構成部材4を同様にして取付ける。以上のようにして、パレット1が組立てられている。尚、本実施形態では、キャップ21のうち、基部22、係止片25、及び、補助突起26により、取付孔7を介してデッキボード2を貫通し、脚部本体11の筒状部12に挿入される挿通部が構成される。
また、図2に示すように、筒状部12の内面には、上側第1係止孔14と、平面視で当該上側第1係止孔14の時計回り方向側に並ぶ上側第2係止孔15との間において、筒状部12の上端部近傍から下端部近傍にかけて延びる10mm用目印突起18と、上側第1係止孔14と、平面視で当該上側第1係止孔14の反時計回り方向側に並ぶ上側第2係止孔15との間において、筒状部12の上端部近傍から下端部近傍にかけて延びる13.5mm用目印突起19とが設けられている。10mm用目印突起18は、上下に延びる3本の突条部により構成され、13.5mm用目印突起19は、上下に延びる2本の突条部と、突条部の中間位置の間を連結する連結リブとにより構成されている。
これに対し、図1、図3等に示すように、キャップ21のうちデッキボード2の載置面3に並んで露出する表面には、10mm用目印突起18、及び、13.5mm用目印突起19との位置を合わせるためのキャップ側目印部29が設けられている。キャップ側目印部29は、係止片25を外れた位置に設けられている。より具体的に、本実施形態では、図3等に示すように、キャップフランジ23の表面に対し、係止片25と、キャップ21の表面を上向きとした状態において、当該係止片25の時計回り方向側に配置される補助突起26との間の位置にキャップ側目印部29が設けられている。
そして、厚さ10mmのデッキボード2を使用してパレット1を構成する場合には、パレット1の組付け作業に際し、取付孔7を介して、脚部本体11の筒状部12の内面を確認し、キャップ側目印部29を10mm用目印突起18に合わせるようにして、キャップ21の係止片25、補助突起26、及び、基部22を、デッキボード2の取付孔7、及び、脚部本体11の筒状部12に挿通させる。これにより、図5、図7に示すように、係止爪28が上側第1係止孔14に係止され、厚さ10mmのデッキボード2が、上側の本体フランジ13と、キャップフランジ23とにより挟持されることとなる。
その一方で、厚さ13.5mmのデッキボード2を使用してパレット1を構成する場合には、キャップ側目印部29を13.5mm用目印突起19に合わせるようにして、キャップ21の係止片25、補助突起26、及び、基部22を、デッキボード2の取付孔7、及び、脚部本体11の筒状部12に挿通させる。これにより、図8に示すように、係止爪28が上側第2係止孔15に係止され、厚さ13.5mmのデッキボード2が上側の本体フランジ13と、キャップフランジ23とにより挟持されることとなる。尚、本実施形態では、10mm用目印突起18により第1本体側目印部が構成され、13.5mm用目印突起19により、第2本体側目印部が構成されている。
また、図7、図8に示すように、パレット1の組付け状態において、補助突起26の側辺部は、10mm用目印突起18、及び、13.5mm用目印突起19に当接又は近接(ほぼ当接)するように構成されている。特に、係止爪28が上側第1係止孔14に係止されている場合には、図5、図7に示すように、補助突起26が上側第2係止孔15をほぼ閉塞するとともに、(平面視で)補助突起26の時計周り方向側の側面に13.5mm用目印突起19がほぼ当接し、補助突起26の反時計回り方向側の側面に10mm用目印突起18がほぼ当接する。さらに、係止爪28が上側第2係止孔15に係止されている場合には、図8に示すように、補助突起26が上側第1係止孔14をほぼ閉塞するとともに、(平面視で)補助突起26の時計回り方向側の側面に10mm用目印突起18がほぼ当接し、補助突起26の反時計回り方向側の側面に13.5mm用目印突起19がほぼ当接する。尚、本実施形態では、10mm用目印突起18、及び、13.5mm用目印突起19により、位置決め突起が構成されている。
また、デッキボード2の載置面3には、取付孔7の周縁部において、キャップ21のキャップフランジ23が設置される設置凹部8が設けられている。設置凹部8の載置面3からの深さは、キャップフランジ23の厚みとほぼ同じであり、載置面3と、キャップフランジ23の表面とが面一、又は、ほぼ面一とされている。
以上詳述したように、本実施形態によれば、脚部本体11の筒状部12には、キャップ21の係止爪28と係止可能な上側第1係止孔14と、上側第2係止孔15とが設けられ、係止爪28と、上側第1係止孔14とを係止状態とした場合には、係止爪28と、上側第2係止孔15とを係止状態とした場合に比べ、デッキボード2を上下に挟む本体フランジ13と、キャップフランジ23との間の距離が短くなるよう構成されている。当該構成により、1種類の脚部構成部材4で、厚みの異なる2種類のデッキボード2に対応することができる。従って、載置される物品に応じて厚みの異なる複数種類のデッキボード2を扱う場合であっても、脚部構成部材4の種類を極力低減させることができる。結果として、脚部構成部材4の管理を比較的容易なものとすることができるとともに、脚部構成部材4にかかるコストの削減等を図ることができる。また、キャップ21の係止片25、及び、補助突起26を脚部本体11の筒状部12に挿通させるだけで、係止爪28を上側第1係止孔14、又は、上側第2係止孔15に係止させることができ、例えば、脚部本体とキャップとを接着したり、脚部本体及びキャップを螺着構造としたりする場合に比べ、組立て作業性の向上等を図ることができる。
さらに、本実施形態の脚部本体11には、脚部本体11の上端部にキャップ21を取付けるための上側第1係止孔14、及び、上側第2係止孔15だけでなく、脚部本体11の下端部にキャップ21を取付可能とする下側第1係止孔16、及び、下側第2係止孔17が設けられている。このため、上下一対のデッキボード2を備えた(両面使用タイプの)パレット1とすることができる。加えて、上側第1係止孔14と脚部本体11の上端部との間の距離と、下側第1係止孔16と脚部本体11の下端部との間の距離は等しく、上側第2係止孔15と脚部本体11の上端部との間の距離と、下側第2係止孔17と脚部本体11の下端部との間の距離は等しく構成されている。このため、脚部本体11の上端部及び下端部のどちらにも同じキャップ21を取付けることができる。従って、パレット1の組付け作業に際し、脚部本体11の上下の向きやキャップ21の種類を間違えるといった事態を防止することができ、作業性の向上を図ることができるとともに、キャップ21にかかるコストの削減等を図ることができる。加えて、脚部本体11(筒状部12)において、上端部に取付けられるキャップ21用の上側第1係止孔14、及び、上側第2係止孔15と、下端部に取付けられるキャップ21用の下側第1係止孔16、及び、下側第2係止孔17とがそれぞれ独立して設けられていることから、上端部に取付けられるキャップ21と、下端部に取付けられるキャップ21との干渉を確実に回避するとともに、上側のデッキボード2の厚みと、下側のデッキボード2の厚みとを異ならせることも可能となる。
また、脚部本体11の筒状部12の内面側において、キャップ21の係止爪28の位置合わせを行うための10mm用目印突起18、及び、13.5mm用目印突起19が設けられ、キャップ21のキャップフランジ23の表面には、10mm用目印突起18、及び、13.5mm用目印突起19との位置を合わせるためのキャップ側目印部29が設けられている。このため、パレット1の組付け作業に際し、デッキボード2の取付孔7に対応して、デッキボード2の下側に脚部本体11を配置した状態としても、取付孔7を介して、筒状部12の内面側に設けられた10mm用目印突起18、及び、13.5mm用目印突起19を確認することができる。従って、キャップ側目印部29を10mm用目印突起18、又は、13.5mm用目印突起19に合わせるようにして、キャップ21を脚部本体11に取付けることにより、係止爪28を、所望の上側第1係止孔14、又は、上側第2係止孔15に対して比較的スムースに係止させることができ、パレット1の組立て作業性の向上を図ることができる。
さらに、キャップ側目印部29は、係止片25(係止爪28)を外れた位置に設けられている。すなわち、例えば、係止爪28が設けられたところにキャップ側目印部29が設けられた場合、10mm用目印突起18、及び、13.5mm用目印突起19(或いは、その代わりになる本体側目印部)を、上側第1係止孔14、下側第1係止孔16、上側第2係止孔15、及び、下側第2係止孔17の上方位置又は下方位置に設ける必要が生じるが、その場合、本体側目印部を設ける場所を好適に確保できない、或いは、脚部本体11に対するキャップ21の着脱時に、本体側目印部と、係止爪28とが干渉して、本体側目印部が削れたり、係止爪28が凸状又は凹状の本体側目印部に引っ掛かり、係止爪28を係止孔14、15、16、17に係止させる作業性の低下を招いたりするといった事態を招くことが懸念される。この点、キャップ側目印部29を係止爪28から外れた位置に設けることで、本体側目印部(10mm用目印突起18、及び、13.5mm用目印突起19)を係止孔14、15、16、17から外れた位置に設けることができ、上記不具合を払拭することができる。
尚、上側第1係止孔14、及び、上側第2係止孔15と、下側第2係止孔17、及び、下側第1係止孔16とが上下に並んで配置されることで、筒状部12において、筒状部12の高さ方向全体に延びる壁部を設け易くなる上、筒状部12の上端部近傍から下端部近傍にかけて延びる10mm用目印突起18、及び、13.5mm用目印突起19を設けることができ、筒状部12の強度の向上等を図ることができる。
また、本実施形態では、筒状部12の周方向において、上側第1係止孔14、及び、上側第2係止孔15が交互に均等配置されるようにして設けられ、筒状部12の高さ方向において、各上側第1係止孔14の下方位置に下側第2係止孔17が設けられ、各上側第2係止孔15の下方位置に下側第1係止孔16が設けられている。つまり、本実施形態のように、係止片25の位置と、キャップ側目印部29の位置とをずらす構成であって、10mm用目印突起18、及び、13.5mm用目印突起19を筒状部12の高さ方向のほぼ全域に延在させる(脚部本体11側の目印とされる部位が脚部本体11の上部及び下部で共通の)場合、例えば、上側第1係止孔14と、下側第1係止孔16とを上下に並べてしまうと、先ず、脚部本体11の上端部に対し、キャップ側目印部29と、10mm用目印突起18とを合わせて、キャップ21を組付けることで、係止爪28と、上側第1係止孔14とを係止させることができる一方で、脚部本体11の下端部に対し、キャップ側目印部29と、10mm用目印突起18とを合わせて、キャップ21を組付けても、係止爪28と、下側第1係止孔16とを係止させることができない(例えば、下側第2係止孔17に係止される)。これに対し、上側第1係止孔14の下方に下側第2係止孔17を配置し、上側第2係止孔15の下方に下側第1係止孔16を配置することで、10mm用目印突起18と、キャップ側目印部29とを合わせるようにしてキャップ21を脚部本体11の上端部、及び、下端部に組付けることで、上側のキャップ21の係止爪28を上側第1係止孔14に係止させるとともに、下側のキャップ21の係止爪28を下側第1係止孔16に係止させることができる。従って、10mm用目印突起18、及び、13.5mm用目印突起19と、これにキャップ側目印部29を合わせることで係止爪28が係止される係止孔14、15、16、17との対応関係を分かり易く、明確にすることができる。
また、本実施形態の筒状部12は、略円筒状に構成されるとともに、キャップ21は、筒状部12の周方向において、筒状部12の内面から突出する10mm用目印突起18、及び、13.5mm用目印突起19と略当接する補助突起26を備えている。このため、脚部構成部材4に対し、キャップ21と脚部本体11とが相対的に回動変位するような力が作用した場合に、10mm用目印突起18、又は、13.5mm用目印突起19と、補助突起26とが当接し、前記回動変位を規制することができる。従って、例えば、係止爪28と、係止孔14、15、16、17の周縁部とが当接することのみで前記回動変位を規制するような構成に比べ、前記係止爪28等の保護を図ることができ、キャップ21の耐久性の向上等を図るとともに、前記回動変位を確実に防止し、係止爪28と、係止孔14、15、16、17との係止状態の安定化を図ることができる。
また、筒状部12に10mm用目印突起18、及び、13.5mm用目印突起19が設けられることにより、筒状部12の強度を高めることができ、フォークリフト等のフォークと接触した場合等における損傷等を防止することができる。尚、筒状部12を円筒状にして角部をなくすことにより、筒状部12の損傷(欠け等)を抑制することができるとともに、複数の脚部構成部材4(脚部本体11の筒状部12)の間にフォークリフト等のフォークの差込む際の作業性の向上を図ることができる。加えて、本実施形態では、補助突起26によって、係止孔14、15、16、17のうち、係止爪28との係止に使用されていないものをほぼ閉塞するように構成されている。これにより、係止爪28との係止に使用されていない係止孔14、15、16、17を介して脚部構成部材4の内側に異物が進入してしまうといった事態を抑制することができる。
さらに、デッキボード2の載置面3には、取付孔7の周縁部において、キャップ21のキャップフランジ23が設置される設置凹部8が設けられ、載置面3と、キャップフランジ23の表面とがほぼ面一とされている。このため、載置面3からキャップ21が上方に突出するといった事態を回避することができ、物品を載置する載置面3をより好適に使用することができる(キャップ21を気にすることなくデッキボード2の全体に物品を傾きや浮き上がり等なく載置することができる)。また、物品を載置面3に載置させる際に、物品が載置面3から上方に突出するキャップフランジ23に衝突し、物品やキャップフランジ23が損傷等してしまうといった事態を回避することができる。
加えて、キャップ21は円筒状の基部22を備え、パレット1の組付け状態において、基部22が取付孔7の内周面とほぼ当接するようになっている。これにより、脚部構成部材4とデッキボード2との水平方向における相対変位を防止することができる上、例えば、基部22が省略され、係止片25や補助突起26を取付孔7の内周面と当接させる構成に比べ、係止片25及び補助突起26の変形や損傷等を抑止したり、パレット1の形状安定性を向上させたりすることができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、上下一対のデッキボード2を備える(両面使用タイプの)パレット1として具体化しているが、図10に示すように、デッキボード2を1枚だけ使用する(片面使用タイプの)パレット31として具体化することも可能である。また、当該構成を採用する場合、脚部本体11の下端部に対し、キャップ21の代わりに閉塞キャップ32を取付ることとしてもよい。図11〜図13に示すように、閉塞キャップ32は、円筒状の基部33と、基部33の一端部から基部33の外周側に突出する閉塞フランジ34と、基部33の前記一端部側の開口を閉塞する閉塞部35と、前記基部33の他端部から、基部33の一部を延長させるようにして突出する係止片36、及び、補助突起37とを備えている。係止片36は、脚部本体11の下側第2係止孔17に係止される閉塞用係止部としての係止爪38を備えている。
図12に示すように、係止爪38が下側第2係止孔17に係止状態とされることで、閉塞フランジ34が下側の本体フランジ13と当接し、基部33の外周面が筒状部12の内周面と略当接し、補助突起37が、10mm用目印突起18、13.5mm用目印突起19、及び、筒状部12の内面と略当接するとともに、下側第1係止孔16をほぼ閉塞するように構成されている。また、閉塞フランジ34の外径は、本体フランジ13の外径と同じであり、閉塞キャップ32の脚部本体11への取付状態においては、閉塞フランジ34、及び、本体フランジ13の外周面が上下に揃うようになっている。
以上のように、片面使用タイプのパレット31の脚部本体11の下端部に対し閉塞キャップ32を取付けることにより、脚部本体11の筒状部12の内部や、下側第1係止孔16、及び、下側第2係止孔17に異物が詰まってしまったり、脚部本体11の下部が削れてしまったりするといった事態を防止することができ、また一方で、両面使用タイプのパレット1とする機会が生じた場合には、脚部本体11の下部の構造が上手く機能しないといった事態を抑止することができる。また、閉塞キャップ32により脚部本体11の下部を補強することができ、脚部本体11の下部の変形や損傷等を抑制することができる。
加えて、外径の同じ本体フランジ13と、閉塞フランジ34とが上下に当接していることから、互いの変形、損傷等を防止するといった作用効果が両フランジ13、34の外周縁にまで作用することとなる。従って、脚部本体11、及び、閉塞キャップ32の耐久性の向上等を図ることができる。また、上記実施形態では特に言及していないが、キャップ21のキャップフランジ23の外径は、本体フランジ13の外径よりも大きく構成されている。従って、キャップフランジ23の外径は、閉塞フランジ34の外径よりも大きくなっている。このため、両面使用タイプのパレット1として使用する場合に誤って閉塞キャップ32を取付けたり、片面使用タイプのパレット1として使用する場合に誤ってキャップ21を取付けたりすることを抑止することができる。
さらに、閉塞キャップ32の色彩を、キャップ21と異ならせることとしてもよい。この場合、キャップ21と、閉塞キャップ32との区別がより一層つき易くなり、キャップ21、及び、閉塞キャップ32の誤装着をより一層抑止することができる。尚、デッキボード2、脚部本体11、及び、キャップ21の色彩についても特に限定されるものではないが、キャップ21の色彩をデッキボード2の色彩と合わせてもよいし、キャップ21の色彩を脚部本体11の色彩に近い色彩としてもよい。また、閉塞キャップ32の色彩を、脚部本体11と異ならせることとしてもよい。この場合、片面使用タイプのパレット1として使用する場合に、脚部本体11の下端部に閉塞キャップ32が取付けられていることをより認識し易くすることができ、取付けを忘れる等の事態を抑制することができる。
尚、基部33、係止片36、及び、補助突起37により、挿入部が構成される。また、脚部本体11の下側第1係止孔16、及び、下側第2係止孔17を省略することも可能であるが、両面使用タイプとしても使用することができるように、下側第1係止孔16、及び、下側第2係止孔17を設けることが望ましい。
(b)上記実施形態において、脚部構成部材4の上端部に取付けられるデッキボード2の厚さと、脚部構成部材4の下端部に取付けられるデッキボード2の厚さとを異ならせてもよい。また、例えば、片面使用タイプのパレットの場合に、脚部構成部材4の下端部間を連結するとともに、ハンドリフトのキャスターを接地させるための開口部が形成された(例えば、四角枠状の)補強ボードを設けることとしてもよい。当該補強ボードについても、キャップ21によって脚部構成部材4の下端部に取付けることが可能である。尚、補強ボードは、デッキボード2よりも薄肉であること(例えば、補強ボードの厚さが10mmで、デッキボード2の厚さが13.5mm)としてもよい。
(c)上記実施形態の脚部構成部材4は、厚みの異なる2種類のデッキボード2に対応可能に構成されているが、厚みの異なる3種類以上のデッキボード2に対応可能(例えば、筒状部12の高さ方向において上側第1係止孔14、下側第1係止孔16、上側第2係止孔15、及び、下側第2係止孔17とは異なる位置に上側第3係止孔、及び、下側第3係止孔を設ける等)に構成してもよい。
尚、係止片25の長さを変更する等、キャップフランジ23と、係止爪28との間の距離が異なるキャップを別途用意することで、上記実施形態の脚部本体11をそのまま使用しつつ、上記実施形態と異なる厚みのデッキプレートに対応することも可能になる。また、筒状部12の高さ方向における上側第1係止孔14、上側第2係止孔15、下側第1係止孔16、及び、下側第2係止孔17の位置を変えた脚部本体を別途用意することで、上記実施形態のキャップ21をそのまま使用しつつ、上記実施形態と異なる厚みのデッキプレートに対応することも可能になる。
(d)上記実施形態において、脚部構成部材4の形状、配置、及び、数等は特に限定されるものではなく、パレット毎に適宜設計変更可能である。例えば、上記実施形態では、デッキボード2の4隅近傍に脚部構成部材4が設けられているが、デッキボード2の各側辺部の中央部近傍と、デッキボード2の中央とに脚部構成部材4を設けることとしてもよい。
また、上記実施形態では、脚部本体11の筒状部12が円筒状に構成されているが、四角筒状等に構成してもよい。さらに、上側第1係止孔14、上側第2係止孔15、下側第1係止孔16、及び、下側第2係止孔17(さらに、これらに対応する係止片25)の数や配置は特に限定されるものではないが、係止状態の安定化を図るべく、筒状部12の周方向において、上側第1係止孔14、及び、下側第1係止孔16と、上側第2係止孔15、及び、下側第2係止孔17とが交互に配置されることが望ましい。加えて、筒状部12において上端部から下端部にかけて延びる壁部を確保したり、筒状部12において上端部近傍部位から下端部近傍部位にかけて延びる10mm用目印突起18、又は、13.5mm用目印突起19を設けたりするべく、上側第1係止孔14、及び、上側第2係止孔15と、下側第1係止孔16、及び、下側第2係止孔17とが上下に並ぶようにして配置されることが望ましい。
(e)上記実施形態では、10mm用目印突起18、又は、13.5mm用目印突起19により、キャップ側目印部29との位置合わせを行う本体側目印部が構成されているが、本体側目印部、及び、キャップ側目印部29の形状や形成位置については特に限定されるものではない。例えば、本体側目印部が、上側第1係止孔14、及び、上側第2係止孔15のうち少なくとも一方の直上方位置(対応する本体フランジ13側の位置)に設けられることとしてもよい。この場合、どちらが上側第1係止孔14、及び、上側第2係止孔15なのかをより把握し易くなる。但し、脚部本体11に対するキャップ21の着脱時に、本体側目印部と、係止爪28とが干渉して、本体側目印部が削れたり、係止爪28が本体側目印部に引っ掛かって、係止爪28を係止孔14、15、16、17に係止させる作業性の低下を招いたりすることが懸念されることから、上記実施形態のように、筒状部12の周方向において上側第1係止孔14、及び、上側第2係止孔15から外れた位置に本体側目印部を設けることが望ましい。尚、本体側目印部、及び、キャップ側目印部29を省略することも可能である。
(f)上記実施形態では、脚部構成部材4はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。また、デッキボード2は合成樹脂により構成されているが、段ボール、合板、及び、金属等のその他の材料により構成されることとしてもよい。