JP3557666B2 - カートにおけるハンドルバーの取付装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばデパ−トその他の大規模店舗で多く使用されるショッピングカ−ト等のカ−トにおけるハンドルバ−の取付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のカートのハンドルバーの中には、1本の金属パイプまたは金属バーをほぼU字形またはコ字形に曲げて、左右の支柱と一体に形成されているタイプもあり、これはコスト面では有利であるが機能面では種々な欠陥が存在している。例えば、手が汗ばんだり、手袋をはめている場合には手がハンドルバ−から横滑りの状態で外れたりして危険であった。
【0003】
そうした滑りを防止するために、ハンドルバ−の部分にゴム製またはプラスチック製の握りをかぶせたタイプもある。さらに、別のタイプでは左右の支柱の上端部どうしの間にハンドルバ−を挟むようにして外側から単にねじで固定してある。このタイプでは支柱の上端部がハンドルバ−の直径よりも少し幅広く作られていてハンドルバ−のつばの役目をするため、横に手が滑ってハンドルバ−から外れることは殆どないが、使用中は絶えず、止めねじに剪断方向や中心線方向に力や振動が加えられるから、左右外側の止めねじが緩むことがある。こうなるとハンドルバ−自体が、手で握ると回転したり、支柱から外れたりする危険なことも起こり得る。
【0004】
このように力や振動で外れるようなねじを使用しない、ハンドルバ−の架設装置は既に公知である。例えば公昭63−2829号公報開示されている構造では、それぞれ1本の金属パイプまたは金属バ−をU字形に曲げた上、U字形の部分を上端部として構成された左右両支柱と、また、一方の側面にハンドルバ−の開口端の中に嵌合するスタッドが設けられかつ他方の側面には開口部が形成されており、かつ前記U字形の上端部に被さるように嵌挿された鞘と、さらに、前記鞘の開口部に係合すべき突起を備えており、かつ前記鞘の内部空間を埋めるように前記支柱の上端部のU字形内に挿入されるロックキ−とから構成されているが、次のような欠点を有する。
【0005】
第1に、鞘の側面に、鞘とロックキ−との係合部(突起、開口)が単に機能的に露出していて体裁がよくない。
【0006】
第2に、ハンドルバ−はその両端部を鞘のスタッドに支持されているに過ぎず内方への移動は抑止されないから、支柱上部が側方へ曲がるなどして両支柱間の間隔が広がってしまった場合には、ハンドルバ−が抜け落ちるおそれがある。
【0007】
第3に、ハンドルバ−を架設する際に、ハンドルバ−の両端に鞘を嵌挿した状態で、両鞘をそれぞれ左右の支柱の上端部に嵌挿し、ロックキ−は鞘が抜ける方向に向けて挿入するので鞘をそれに対抗して抑える必要があり、このため特殊な工具を使用するが、総じてハンドルバ−の架設は容易ではない。
【0008】
第4に、衝突、転倒、振動、その他何らかの原因により、ロックキ−の係合が外れた場合には、ロックキ−が脱落するので、ハンドルバ−に手を掛けていると鞘ごと支柱から外れるおそれがある。
【0009】
第5に、ロックキ−の係合が外れないようにするためには、突起と開口部との係合の度合いを深くするか、あるいは、鞘とロックキ−とのいずれかを変形量の小さな材質に変更する必要があるが、こうした場合には、いずれかの部材が破壊されるおそれがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、既述したような、従来のショッピングカ−トのようなカ−トにおけるハンドルバ−の取付装置において、ハンドルバ−の取付用部材が外部に露出していて体裁が悪く、しかも取付作業が容易ではなく特殊な工具を必要とし、その上、ロックキ−が外れると、ハンドルバ−に手を掛けているときは、鞘ごと抜け落ちると言うおそれがあるが、これらの欠点を一挙に解決してカ−トの左右両側の支柱の上端部間に容易かつ体裁よく、かつ何らの工具をも必要とすることなく、ハンドルバ−を取付けることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
【0012】
(1)左右に支柱を備え、その両支柱上端部間に管状のハンドルバーを備えるカートにおいて、嵌合軸部およびその外面に係止爪を備える頭部付きロックパーツを、支柱の上端部に形成された左右に貫通する挿通孔に外側方から挿入し、内側方に突出させた嵌合軸部を、両端部寄りの内面に係止孔が穿設されたハンドルバー内に嵌挿し前記係止爪を前記係止孔に係合させることにより、ハンドルバーの端部を支柱に取付けること。
【0013】
(2)上記(1)項において、挿通孔の開口部およびロックパ−ツの嵌合軸部の横断面を互いに嵌合して回転不能となる形状に構成する。
【0014】
(3)上記(1)または(2)項において、挿通孔と同軸に、ハンドルバ−端部の外面をカバ−する鍔部を側方へ突出するように設ける。
【0015】
(4)上記(1)〜(3)項のいずかにおいて、カ−トの支柱本体の上端部を金属棒をU字形に折曲げて形成し、その支柱上端部に被さるように嵌挿される端部キャップの内外側壁に挿通孔を設ける。
【0016】
【作用】
本発明は、上記のように構成されており、カ−トの支柱内側面にハンドルバ−の端部を当てた状態で、外側方からロックパ−ツを水平方向に挿入してハンドルバ−の係止孔にロックパ−ツの係止爪を係合させることによりハンドルバ−の端部を支柱の側面に取付けるようにしたので、ねじ締め作業が不要で、また特別な工具も必要がなく容易に、かつ確実にハンドルバ−を支柱に取付けることができる。
【0017】
また、本発明はロックパ−ツの嵌合軸部を水平方向にハンドルバ−内部まで挿入しているから、万一、ロックパ−ツとハンドルバ−との係合が外れたとしても、ロックパ−ツは自然に側方へ抜けて脱落することはなく、即座に再係合が可能である。
【0018】
また、ロックパ−ツは支柱に対して回転不能に取付けられるため、そのロックパ−ツに係合したハンドルバ−も回転することは阻止される。さらに、挿通孔の周縁に、ハンドルバ−端部の外面をカバ−する鍔部を側方へ突出して設けてあるからハンドルバ−の端面およびロックパ−ツとの係合部が隠されて体裁が良好である。
【0019】
またさらに、カ−トの支柱本体の上端部が金属棒をU字形に折曲げ形成されてなり、その支柱上端部に被さるように嵌挿される端部キャップの内外側壁に挿通孔を設けてここにハンドルバ−を通してあるから、このままでは端部キャップも抜けたりせず、ハンドルバ−も確実に保持される。
【0020】
なお、端部キャップは通常、合成樹脂の成型品であるから凹凸部その他の形状でも成型時に一体に成型されるからコストが低廉である。
【0021】
【実施例】
図1において、(1)はパイプからなるハンドルバ−で、その両端近くの外周面には、各2個の係止孔(2)が穿設されている。(3)は端部キャップで、金属パイプまたは金属棒をU字形に曲げて形成された支柱(4)(図2)の上端が嵌入すべき空所(5)が形成されており、また、その空所を横切って、前記ハンドルバ−(1)が密着して挿入されるべき円筒形の鍔部(6)と、それと同軸に設けられ、かつロックパ−ツ(7)がその頭部が係止した状態で嵌挿されるべき挿通孔(8)とが形成されている。
【0022】
鍔部(6)の内面には、空所(5)と隣接した位置にハンドルバ−(1)のためのストッパ−となるべき突起(9)が設けられており、さらに、ハンドルバ−(1)が挿入された時、前述の係止孔(2)と対応する位置に、空所(5)まで伸びた2個の長溝(10)が形成されている。さらに、挿通孔(8)の周縁部にはロックパ−ツの頭部(13)の周縁部がほぼ陥入する程度の深さを有する環状の凹部(11)が形成されている。
【0023】
一方、ロックパ−ツ(7)は、嵌合軸部(12)と、その一方の端部に一体に形成された嵌合軸部(12)よりも大径の頭部(13)とにより構成されている。前記の嵌合軸部(12)の外周面には、前述の突起(9)が滑入すべき2個のガイド溝(14)が形成されており、さらに、嵌合軸部(12)がハンドルバ−(1)内に嵌挿されたとき、ハンドルバ−(1)の係止孔(2)に、それ自体の弾力により陥入して係止する2個の係止爪(15)が形成されている。勿論、この係止爪(15)の両側には破壊することなく充分な変形が得られるように細長い切込み(16)を設けてある。
【0024】
ハンドルバ−(1)の取付方法は、先ず、ハンドルバ−(1)の両端を端部キャップ(3)の鍔部(6)内に嵌挿させたまま、支柱(4)(図2)のU字形の上端部分を空所(5)内にきっちりと嵌挿し、この時、係止孔(2)の位置が端部キャップ(3)内の長溝(10)と重なるようにする。
【0025】
ついで端部キャップ(3)の空所(5)内に支柱のU字形の上端部分を緊密な状態に嵌挿し、さらに、ロックパ−ツ(7)の嵌合軸部(12)を挿通孔(8)を通して、ハンドルバ−内部に陥入させると、ガイド溝(14)は突起(9)をその中に滑らせながら進み、同時に係止爪(15)は、ハンドルバ−(1)の中をつぼまりながら進む。
【0026】
遂には、その頭部(13)の周縁部が端部キャップ(3)の環状凹部(11)の中にほぼ沈んだ位置で止まる。この時嵌合軸部(12)の係止爪(15)はハンドルバ−(1)の係止孔(2)に係止し、その外端は長溝(10)の中に充分な余裕を持って突出するので、係止爪(15)と、ハンドルバ−(1)の係止孔(2)との係止は確実となる。
【0027】
図3および図4に示すロックパ−ツは別の実施例を示すものである。ここでは図1および図2において係止爪(15)の両側に設けた小さな切込み(16)の代りに、嵌合軸部(12)に、これを中心軸に沿って二分するような大きなスリット(17)を設けたものである。
【0028】
図5乃至図8に示す実施例は、図5に示すように、ハンドルバ−(1)の両端のみを角型とするとともに、図6および図7に示すように、端部キャップ(3)の鍔部(6)を外部からの見掛けは円形でも、内部を角型とし、さらに図8に示すように嵌合軸部(12)も角型としてある。
【0029】
また、図7に示すように端部キャップ(3)の挿通孔(8)の開口部(18)の形状も図8のロックパ−ツ(7)の嵌合軸部(12)に合わせるように角型にしてある。また、図5のハンドルバ−(1)の円形とした係止孔(2)に係止すべき図8に示したロックパ−ツ(7)の嵌合軸部(12)の係止爪(15)は、材質自体の弾性を利用して係止させとも良く、また、裏側からスプリングを使用して係止させても良い。
【0030】
なお、本発明は以上の実施例に限定されることなく、発明の要旨内において、必要に応じて種々改変を加えることができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、上記のように構成されており、カ−トの支柱内側面にハンドルバ−の端部を当てた状態で、外側方からロックパ−ツを水平方向に挿入してハンドルバ−の係止孔にロックパ−ツの係止爪を係合させることによりハンドルバ−の端部を支柱の側面に取付けるようにしたので、ねじ締め作業が不要で、また特別な工具も必要がなく、容易に、かつ確実にハンドルバ−を支柱に取付けることができる。
【0032】
また、本発明はロックパ−ツの嵌合軸部を水平方向にハンドルバ−内部まで挿入しているから、万一、ロックパ−ツとハンドルバ−との係合が外れたとしてもロックパ−ツは自然に側方へ抜けて脱落することはなく、即座に再係合が可能である。
【0033】
また、ロックパ−ツは支柱に対して回転不能に取付けられるため、そのロックパ−ツに係合したハンドルバ−も回転することは阻止される。さらに、挿通孔と同軸に、ハンドルバ−端部の外面をカバ−する鍔部を側方へ突出して設けてあるからハンドルバ−の端面およびロックパ−ツとの係合部が隠されて体裁が良好である。
【0034】
またさらに、カ−トの支柱本体の上端部が金属棒をU字形に折曲げ形成されてなり、その支柱上端部に被さるように嵌挿される端部キャップの内外側壁に挿通孔を設けてここにハンドルバ−を通してあるから、このままで端部キャップも抜けたりせず、ハンドルバ−も確実に保持される。
【0035】
なお、端部キャップは通常、合成樹脂の成型品であるから凹凸部その他の形状でも一体に成型されるからコストが低廉である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカ−トにおけるハンドルバ−の取付け装置の一実施例における主要部の分解図である。
【図2】本発明の一実施例における図1で示した主要部品を組立てた状態の重断面図である。
【図3】本発明の別の実施例におけるロックパ−ツの、スリットを明示した斜視図である。
【図4】図3のロックパ−ツを反対の向きに置いた場合の斜視図である。
【図5】本発明のさらに別の実施例におけるハンドルバ−の端部を示す斜視図である。
【図6】同じ実施例における端部キャップの斜視図である。
【図7】図6の端部キャップを反対の向きに置いた場合の斜視図である。
【図8】図5乃至図7に示した部品と組合わせて使用されるロックパ−ツの斜視図である。
【符号の説明】
(1) ハンドルバ−
(2) 係止孔
(3) 端部キャップ
(4) 支柱
(5) 空所
(6) 鍔部
(7) ロックパ−ツ
(8) 挿通孔
(9) 突起
(10) 長溝
(11) 環状の凹部
(12) 嵌合軸部
(13) 頭部
(14) ガイド溝
(15) 係止爪
(16) 切込み
(17) スリット
(18) 開口部

Claims (4)

  1. 左右に支柱を備え、その両支柱上端部間に管状のハンドルバーを備えるカートにおいて、嵌合軸部およびその外面に係止爪を備える頭部付きロックパーツを、支柱の上端部に形成された左右に貫通する挿通孔に外側方から挿入し、内側方に突出させた嵌合軸部を、両端部寄りの内面に係止孔が穿設されたハンドルバー内に嵌挿し前記係止爪を前記係止孔に係合させることにより、ハンドルバーの端部を支柱に取付けたことを特徴とするカートにおけるハンドルバーの取付装置。
  2. 挿通孔の開口部およびロックパ−ツの嵌合軸部の横断面を互いに嵌合して回転不能となる形状に構成してなる請求項1記載のカ−トにおけるハンドルバ−の取付装置。
  3. 挿通孔と同軸に、ハンドルバ−端部の外面をカバ−する鍔部を側方へ突出するように設けてなる請求項1または2に記載のカ−トにおけるハンドルバ−の取付装置。
  4. カ−トの支柱本体の上端部が金属棒をU字形に折曲げ形成されてなり、その支柱上端部に被さるように嵌挿される端部キャップの内外側壁に挿通孔を設けてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のカ−トにおけるハンドルバ−の取付装置。
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