JP6735937B2 - 回転電機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数組の巻線を有する1つの回転電機を、スイッチング素子を介して制御する回転電機の制御装置に関するものである。
近年、車両の燃費向上の要求や環境基準への適合の観点から、内燃機関とそれ以外の駆動力源、例えば回転電機を搭載した車両が開発されている。このような車両では、車両の停止時に内燃機関を停止させ、発進時に再始動を行う、いわゆるアイドルストップや、走行中に内燃機関のトルクアシストが行われる。このような車両用の回転電機は、発進時の高トルク低回転領域から内燃機関のアシスト時の中低トルク高回転領域まで、幅広い回転速度領域で、高効率で動作させることが求められる。これの要求を実現するため、小型、高効率という特徴から、同期回転電機が広く用いられている。
同期回転電機にはさまざまな種類があり、回転子内に永久磁石を埋め込んだ、埋込磁石同期回転電機や、回転子の表面に永久磁石を張り付けた、表面磁石同期回転電機や、回転子内に界磁巻線を有し、界磁巻線に電流を通電することで磁束を発生させる巻線界磁同期回転電機などがある。これらの同期回転電機はいずれも、回転子側に磁束を発生させ、回転子に発生させた磁束に直交するよう、電機子(固定子)巻線に電流を通電することで、トルクを発生させている。
このように、同期回転電機は磁石磁束または界磁磁束を有しているため、その回転速度に応じて電機子巻線に誘起電圧が生じる。誘起電圧が高くなり、直流電源電圧を超える場合、電機子巻線に電流を流すことが出来なくなり、トルクの発生が不可能となる。
これを防止するため、いわゆる弱め磁束制御が採用される。この弱め磁束制御は、電機子巻線に流す電流の中で、回転子の発生する磁束方向(一般的にd軸と呼ばれる)に、回転子の発生する磁束を打ち消すよう(つまりd軸の負方向)に電流を流すことによって、電機子巻線に発生する誘起電圧を抑制し、電圧飽和を防止する制御である。
特許文献1には、直流電源電圧に対する3相交流電圧の実効値の比率である変調率MIが、最大変調率MMに近づくように、電圧不足割合VRを変化させ、電圧不足割合VRに応じて電流指令値を変化させることで、電機子巻線に発生する誘起電圧が直流電源電圧を超えないようにする、弱め磁束制御を行う技術が開示されている。
特開2012−200073号公報
ところで、このような車両用の回転電機では、電機子巻線として一般的に3相巻線を用いることが多い。電機子巻線に電流を通電させてトルクを発生させるためには、電機子巻線の各相を高速でスイッチングさせ、回転磁界を発生させる必要がある。このように電機子巻線を高周波で短絡・遮断する場合には、電機子が生じる磁束もまた高周波で変動し、同一の高周波数をもつ磁気音が発生するという問題があった。
この問題を解決するために、同一のステータコア内に、複数組の3相巻線を配置し、各組の3相巻線に生じる起磁力を、組間で互いに打ち消すよう動作させることで磁気音を大幅に低減する技術が開発されている。
しかし、特許文献1には、このように固定子に複数組の3相巻線を有する回転電機に対して、弱め磁束制御を適用するための手法が開示されていない。仮に、各組の3相巻線について、特許文献1の技術を適用し、各組の電流指令値を個別に制御しようとすると、各組の3相巻線の制御状態の組み合わせパターンが大幅に増加し、全てのパターンについて動作保障をする必要があり、制御設計が複雑になる。また、各組の電流指令値を個別に制御しようとすると、組間の磁気結合の相互干渉による、組間の電流指令値の相互干渉が生じるため、電流指令値の操作挙動の安定性を保障することが容易でない。
また、巻線界磁同期回転電機では、界磁巻線が発生する磁束に応じて、固定子の3相交流巻線に生じる誘起電圧が変動するため、弱め磁束制御を行うためには、界磁巻線に供給する直流電圧と、固定子の3相巻線に供給する交流電圧の実効値とを連動して変化させる必要がある。しかし、特許文献1には、界磁巻線と固定子巻線との複数組の巻線を有する巻線界磁同期回転電機に対して、弱め磁束制御を適用するための手法が開示されていない。
また、特許文献1の技術では、変調率に基づいて制御しているため、複数組の3相巻線の間で、互いに最大変調率が異なる場合に、組間で協調して制御を行い難い問題があった。特に、直流電圧を供給する界磁巻線と、交流電圧を供給する3相巻線とでは、制御方式が異なるため、変調率を用いる制御は適切ではない。
そこで、複数組の巻線を有する回転電機に対して、各組の巻線の電圧を、直流電源電圧以下の範囲内で適切に制御することができる回転電機の制御装置が望まれる。
本発明に係る回転電機の制御装置は、複数組の巻線を有する1つの回転電機を制御する回転電機の制御装置であって、
各組について、前記巻線に流れる電流を検出する電流検出部と、
各組について、前記巻線に流す電流指令値を算出する電流指令算出部と、
各組について、前記電流指令値及び電流検出値に基づいて、前記巻線に印加する電圧指令値を算出する電圧指令算出部と、
各組について、前記電圧指令値に基づいて前記スイッチング素子をオンオフ制御するスイッチング制御部と、
各組について、前記電圧指令値に基づいて、前記電圧指令値に応じた電圧を前記巻線に印加するために必要になる最小限の直流電源電圧である必要直流電圧を算出し、全ての組の前記必要直流電圧に基づいて、全ての組で共通する1つの共通必要直流電圧を算出し、前記共通必要直流電圧が、前記スイッチング素子に供給されている直流電源電圧に近づくように、共通電圧制御値を変化させる電圧制御値算出部と、を備え、
前記電流指令算出部は、前記共通電圧制御値に基づいて、各組の前記電流指令値を変化させるものである。
本発明に係る回転電機の制御装置によれば、各組の巻線について、直流電源電圧を基準にした必要直流電圧が算出されるので、組間で協調した制御を行い易くなる。そして、共通必要直流電圧が、直流電源電圧に近づくように、共通電圧制御値を変化させ、共通電圧制御値により各組の電流指令値を変化させるので、各組の必要直流電圧が直流電源電圧を超えないようにでき、各組の巻線に正常に電流を流し、トルク変動が生じることを抑制できる。また、全ての組について、共通必要直流電圧により、共通電圧制御値を変化させ、共通電圧制御値により各組の電流指令値を連動して変化させるので、各組の巻線の制御状態の組み合わせパターンを所定の組み合わせパターンに限定することができ、動作保障が容易になり、制御設計を簡単化できる。また、共通電圧制御値により各組の電流指令値を連動して変化させるので、組間の磁気結合の相互干渉による影響を所定のパターンに限定することができ、電流指令値の操作挙動の安定性を保障することが容易になる。よって、複数組の巻線を有する回転電機に対して、各組の巻線の電圧を、直流電源電圧以下の範囲内で適切に制御することができる。
本発明の実施の形態1に係る回転電機、及び回転電機の制御装置の概略構成図である。 本発明の実施の形態1に係る回転電機の制御装置のブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る回転電機の制御装置のハードウェア構成図である。 本発明の実施の形態1に係る、電流ベクトル制御方法の理論的な考え方を説明する図である。 本発明の実施の形態1に係る、共通電圧制御値に応じてdq軸電流指令値を算出するマップデータの設定値を説明するための図である。 本発明の実施の形態2に係る回転電機、及び回転電機の制御装置の概略構成図である。 本発明の実施の形態2に係る回転電機の制御装置のブロック図である。 本発明の実施の形態2に係る、界磁電流の変化に応じた、dq軸電流指令値の設定の考え方を説明する図である。 本発明の実施の形態2に係る、共通電圧制御値に応じて界磁電流指令値を算出するマップデータの設定値を説明するための図である。 本発明の実施の形態2に係る、共通電圧制御値に応じてdq軸電流指令値を算出するマップデータの設定値を説明するための図である。
1.実施の形態1.
実施の形態1に係る回転電機の制御装置1(以下、単に制御装置1と称す)について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る回転電機102及び制御装置1の概略構成図であり、図2は、制御装置1のブロック図である。
1−1.回転電機102の構成
回転電機102は、複数組の巻線を有する1つの回転電機とされている。本実施の形態では、複数組の巻線は、回転電機102の固定子に設けられた複数組の3相巻線とされている。組数は2組とされている。以下、第1組を「第1」と称し、第2組を「第2」と称す。固定子(電機子)に、第1の3相巻線201と、第2の3相巻線202とが巻回されている。回転子203に永久磁石が設けられた、永久磁石同期回転電機とされている。よって、1つの固定子に2組の3相巻線201、202が設けられており、固定子の径方向内側に配置された1つの回転子203に、永久磁石が設けられている。
第1の3相巻線201と第2の3相巻線202とは、固定子に巻回されている軸方向の位置が互いに重複している。よって、1つの固定子に設けられた各組の3相巻線が作り出す回転磁界は、1つの回転子203に設けられた永久磁石に作用し、1つの固定子に設けられた永久磁石が作り出す磁界は、1つの固定子に設けられた各組の3相巻線に作用する。
直流電源103から供給された直流電力を交流電力に変換して第1の3相巻線201に供給する第1のインバータ205と、直流電源103から供給された直流電力を交流電力に変換して第2の3相巻線202に供給する第2のインバータ206と、が備えられている。
第1及び第2のインバータ205、206は、それぞれ複数のスイッチング素子を有している。各組のインバータは、直流電源103の正極端子に接続される正極側のスイッチング素子と、直流電源103の負極端子に接続される負極側のスイッチング素子と、が直列接続された直列回路を、3相各相の巻線に対応して3セット設けている。各直列回路における2つのスイッチング素子の接続点が、対応する相の巻線に接続される。スイッチング素子には、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、ダイオードが逆並列接続されたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等が用いられる。
各スイッチング素子のゲート端子は、ゲート駆動回路等を介して、制御装置1に接続されている。よって、各スイッチング素子は、制御装置1から出力される第1のスイッチング制御信号又は第2のスイッチング制御信号によりオン又はオフされる。
直流電源103には、鉛蓄電池又はリチウムイオン電池等の蓄電装置が用いられる。なお、直流電源103には、直流電圧を昇圧したり降圧したりする直流電力変換器であるDC−DCコンバータが設けられてもよい。
第1の3相巻線201に流れる電流を検出するための第1の電流センサ211、及び第2の3相巻線202に流れる電流を検出するための第2の電流センサ212が備えられている。第1及び第2の電流センサ211、212の出力信号は、制御装置1に入力される。本実施の形態では、第1及び第2の電流センサ211、212は、スイッチング素子の直列回路と巻線とをつなぐ各相の電線上に備えられている。
回転電機102には、回転子203の回転角度(磁極位置)を検出するためのレゾルバ、ロータリーエンコーダ等の回転角度センサ207が備えられている。回転角度センサ207の出力信号は、制御装置1に入力される。また、第1及び第2のインバータ205、206に供給される直流電源103の直流電源電圧VBを検出するための電圧センサ216が備えられている。電圧センサ216の出力信号は、制御装置1に入力される。
本実施の形態では、回転電機102及び制御装置1は、車両に搭載されている。回転電機102の回転軸は、シャフト、或いはプーリ及びベルト機構を介して、内燃機関のクランク軸に連結される。回転電機102は、内燃機関を始動又は補助する電動機としての機能を有すると共に、内燃機関の駆動力を用いて発電する発電機としての機能を有する。
1−2.制御装置1の構成
制御装置1は、第1及び第2のインバータ205、206のスイッチング素子を介して、回転電機102を制御する。制御装置1は、図2に示すように、後述する電流検出部30、回転情報検出部31、電源電圧検出部32、電流指令算出部33、電圧指令算出部34、スイッチング制御部35、及び電圧制御値算出部36等の機能部を備えている。制御装置1の各機能は、制御装置1が備えた処理回路により実現される。具体的には、制御装置1は、図3に示すように、処理回路として、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置90(コンピュータ)、演算処理装置90とデータのやり取りする記憶装置91、演算処理装置90に外部の信号を入力する入力回路92、及び演算処理装置90から外部に信号を出力する出力回路93等を備えている。
演算処理装置90として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、IC(Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、各種の論理回路、及び各種の信号処理回路等が備えられてもよい。また、演算処理装置90として、同じ種類のもの又は異なる種類のものが複数備えられ、各処理が分担して実行されてもよい。記憶装置91として、演算処理装置90からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(Random Access Memory)や、演算処理装置90からデータを読み出し可能に構成されたROM(Read Only Memory)等が備えられている。入力回路92は、電流センサ211、212、回転角度センサ207、電圧センサ216等の各種のセンサやスイッチが接続され、これらセンサやスイッチの出力信号を演算処理装置90に入力するA/D変換器等を備えている。出力回路93は、第1及び第2のインバータ205、206のスイッチング素子をオンオフ駆動するゲート駆動回路等の電気負荷が接続され、これら電気負荷に演算処理装置90から制御信号を出力する駆動回路等を備えている。
そして、制御装置1が備える各制御部30〜36等の各機能は、演算処理装置90が、ROM等の記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置91、入力回路92、及び出力回路93等の制御装置1の他のハードウェアと協働することにより実現される。なお、各制御部30〜36等が用いる上限値Vmax、下限値Vmin、最大電圧利用率、マップデータ等の設定データは、ソフトウェア(プログラム)の一部として、ROM等の記憶装置91に記憶されている。以下、制御装置1の各機能について詳細に説明する。
1−2−1.電流検出部30
電流検出部30は、各組について、巻線に流れる電流を検出する。本実施の形態では、電流検出部30は、第1の電流センサ211の出力信号に基づいて、第1の3相巻線201に流れる第1の3相電流Iu1、Iv1、Iw1を検出し、第2の電流センサ212の出力信号に基づいて、第2の3相巻線202に流れる第2の3相電流Iu2、Iv2、Iw2を検出する。
1−2−2.回転情報検出部31
回転情報検出部31は、回転子203の回転角度θ(磁極位置θ)及び回転速度ωを検出する。本実施の形態では、回転情報検出部31は、回転角度センサ207の出力電圧に基づいて、回転角度θ(磁極位置θ)及び回転速度ωを検出する。
1−2−3.電源電圧検出部32
電源電圧検出部32は、直流電源103の直流電源電圧VBを検出する。本実施の形態では、電源電圧検出部32は、電圧センサ216の出力電圧に基づいて、直流電源電圧VBを検出する。
1−2−4.電流指令算出部33
電流指令算出部33は、各組について、巻線に流す電流指令値を算出し、後述する共通電圧制御値Vrevに基づいて、各組の電流指令値を変化させる。本実施の形態では、電流指令算出部33は、各組の電流指令値を、dq軸の回転座標系で表したd軸電流指令値及びq軸電流指令値を算出する。dq軸の回転座標系は、回転子203の磁極位置(磁石のN極の向き)に定めたd軸、及びd軸より電気角で90deg進んだ方向に定めたq軸からなる、回転子203の電気角での回転に同期して回転する2軸の回転座標系である。電流指令算出部33は、第1の3相巻線201について、第1のd軸電流指令値Idref1及び第1のq軸電流指令値Iqref1を算出し、第2の3相巻線202について、第2のd軸電流指令値Idref2及び第2のq軸電流指令値Iqref2を算出する。
電流指令算出部33は、回転電機102にトルク指令値Trefのトルクを出力させるような、各組のdq軸電流指令値を算出する。トルク指令値Trefは、電流指令算出部33が算出してもよいし、車両の統合制御装置などの外部の制御装置から伝達されるように構成されてもよい。
<電流ベクトル制御方法の理論的な考え方>
図4を参照して、dq軸電流指令値を算出する電流ベクトル制御方法の理論的な考え方を説明する。dq軸電流指令値が電圧制限楕円に制限されるまでは、最大トルク電流制御の考え方に従って、dq軸電流指令値が算出される。最大トルク電流制御は、同一電流に対して発生トルクを最大にするようなdq軸電流指令値を算出する制御方法である。トルク指令値Trefが0から増加するに従って、最大トルク電流曲線上を、q軸電流指令値が0から増加し、d軸電流指令値が0から減少する。
dq軸電流指令値が、電圧制限楕円に制限されると、弱め磁束制御の考え方に従って、dq軸電流指令値が算出される。弱め磁束制御は、トルク指令値Trefが増加するに従って、電圧制限楕円上を、d軸電流指令値が減少する方向に、dq軸電流指令値を変化させる。電圧制限楕円は、3相巻線の端子電圧(誘起電圧)が、直流電源電圧VB以下に設定された電圧制限値に等しくなるdq軸電流指令値の軌跡であり、電圧制限楕円の外側に、dq軸電流指令値を設定できない。電圧制限楕円は、電圧制限値(直流電源電圧VB)が減少する、又は回転速度ωが増加するに従って狭まる。弱め磁束制御の考え方では、電圧制限値及び回転速度ωに対応する電圧制限楕円と、トルク指令値Trefに対応する等トルク曲線との交点が、dq軸電流指令値として算出される。
dq軸電流指令値が、最大トルク磁束曲線に到達すると、最大トルク磁束制御の考え方に従って、dq軸電流指令値が算出される。最大トルク磁束制御は、同一トルクに対して鎖交磁束を最小にするようなdq軸電流指令値を算出する制御方法である。最大トルク磁束制御の考え方では、電圧制限楕円と、最大トルク磁束曲線との交点を、dq軸電流指令値として算出する。
例えば、図4に示すように、トルク指令値Trefが0から増加するに従って、最大トルク電流曲線上を、q軸電流指令値が0から増加し、d軸電流指令値が0から減少する。そして、最大トルク電流曲線と電圧制限楕円との交点(a)に到達すると、弱め磁束制御が開始する。その後、電圧制限値及び回転速度ωが一定のままであり、電圧制限楕円が変化しない状態で、トルク指令値Trefが増加すると、等トルク曲線が左上にシフトしていき、電圧制限楕円上を、dq軸電流指令値が左上に変化する。そして、dq軸電流指令値が、電圧制限楕円と最大トルク磁束曲線との交点(b)に到達すると、dq軸電流指令値は、最大トルク磁束曲線に制限される。
一方、交点(a)に到達した後、トルク指令値Trefが一定のままで、回転速度ωが増加すると、電圧制限楕円が狭まっていき、等トルク曲線上を、dq軸電流指令値が左下に変化する。そして、dq軸電流指令値が、等トルク曲線と最大トルク磁束曲線との交点(c)に到達すると、dq軸電流指令値は、最大トルク磁束曲線に制限される。
交点(b)又は交点(c)の状態から、回転速度ωが増加すると、電圧制限楕円が狭まっていき、最大トルク磁束曲線上を、dq軸電流指令値が右下に変化していき、最終的にはM点に収束し、トルクがゼロになる。なお、M点は、電圧制限楕円の中心点である。
<電圧制限楕円の代わりに、共通電圧制御値Vrevを用いる算出方法>
しかし、これまで説明した電流ベクトル制御方法の理論的な考え方では、電圧制限楕円と、各曲線(最大トルク電流曲線、等トルク曲線、又は最大トルク磁束曲線)との交点を求める必要があり、dq軸電流指令値の算出が複雑化する問題があった。そこで、本実施の形態では、電圧制限楕円と各曲線との交点を算出することなしに、電圧指令値に基づいて算出される後述する共通必要直流電圧Vnecmが直流電源電圧VBに近づくように、フィードバック制御により共通電圧制御値Vrevを変化させることにより、結果的に、dq軸電流指令値を、電圧制限楕円と各曲線との交点に一致させるように構成されている。
本実施の形態では、電流指令算出部33は、トルク指令値Tref及び共通電圧制御値Vrevに基づいて、第1のdq軸電流指令値Idref1、Iqref1、及び第2のdq軸電流指令値Idref2、Iqref2を算出する。具体的には、電流指令算出部33は、トルク指令値Tref及び共通電圧制御値Vrevと、第1のdq軸電流指令値Idref1、Iqref1との関係が予め設定された第1のマップデータを参照し、現在のトルク指令値Tref及び共通電圧制御値Vrevに対応する第1のdq軸電流指令値Idref1、Iqref1を算出する。また、電流指令算出部33は、トルク指令値Tref及び共通電圧制御値Vrevと、第2のdq軸電流指令値Idref2、Iqref2との関係が予め設定された第2のマップデータを参照し、現在のトルク指令値Tref及び共通電圧制御値Vrevに対応する第2のdq軸電流指令値Idref2、Iqref2を算出する。
トルク指令値Trefが、ある一定値である場合の、第1及び第2のマップデータの設定値の例を図5に示す。共通電圧制御値Vrevが上限値Vmax(本例では0)である場合は、dq軸電流指令値は、最大トルク電流曲線と等トルク曲線との交点に設定されている。共通電圧制御値Vrevが上限値Vmaxから減少するに従って、dq軸電流指令値が等トルク曲線上を左下に変化するように設定されている。dq軸電流指令値が等トルク曲線上を左下に変化すると、3相巻線の誘起電圧(端子電圧)が減少し、後述する必要直流電圧が減少する。よって、電流指令算出部33は、共通電圧制御値Vrevが減少すると、必要直流電圧が減少する側に、dq軸電流指令値を変化させる。逆に、電流指令算出部33は、共通電圧制御値Vrevが増加すると、必要直流電圧が増加する側に、dq軸電流指令値を変化させる。
そして、dq軸電流指令値が等トルク曲線上を左下に変化していき、最大トルク磁束曲線に到達すると、共通電圧制御値Vrevが減少するに従って、dq軸電流指令値は、M点に到達するまで、最大トルク磁束曲線上を右下に変化するように設定されている。M点で、共通電圧制御値Vrevが下限値Vminになる。dq軸電流指令値が最大トルク磁束曲線上を右下に変化すると、3相巻線の誘起電圧(端子電圧)が減少し、後述する必要直流電圧が減少する。よって、電流指令算出部33は、共通電圧制御値Vrevが減少すると、必要直流電圧が減少する側に、dq軸電流指令値を変化させる。
図5の例のようなデータが複数のトルク指令値Tref毎に設定されている。トルク指令Trefが負の値である場合、q軸電流指令値は負の値となるが、電流指令値の変化傾向はトルク指令Trefが正の値である場合と同様である。電磁気特性がq軸電流の正負で反転した特性を有している場合には、図5のq軸の正負を反転したデータを設定してもよい。
そして、後述するように、共通必要直流電圧Vnecmが直流電源電圧VBに近づくように、共通電圧制御値Vrevを変化させることにより、最大トルク電流制御と、弱め磁束制御又は最大トルク磁束制御とを自動的に切り替えることができると共に、弱め磁束制御又は最大トルク磁束制御において、dq軸電流指令値を、電圧制限楕円と、等トルク曲線又は最大トルク磁束曲線との交点に自動的に一致させることができる。
回転速度ωの変化に応じて、回転電機の電気特性が変化するため、本実施の形態では、複数の回転速度ω毎に第1及び第2のマップデータが設けられており、電流指令算出部33は、現在の回転速度ωに近い、第1及び第2のマップデータを参照して、第1及び第2のdq軸電流指令値を算出するように構成されている。
1−2−5.電圧指令算出部34
電圧指令算出部34は、各組について、電流指令値及び電流検出値に基づいて、巻線に印加する電圧指令値を算出する。本実施の形態では、電圧指令算出部34は、各組について、電流指令値及び電流検出値に基づいて、3相巻線に印加する3相交流の電圧指令値を算出する。詳細には、電圧指令算出部34は、各組について、3相巻線の電流検出値をdq軸の回転座標系で表したdq軸電流検出値が、dq軸電流指令値に近づくようにdq軸電圧指令値を変化させ、dq軸電圧指令値を3相交流の電圧指令値に変換する。
<dq軸電流検出値>
電圧指令算出部34は、第1の3相電流検出値Iu1、Iv1、Iw1に対し、磁極位置θに基づいて3相2相変換及び回転座標変換を行って、第1のd軸電流検出値Id1及び第1のq軸電流検出値Iq1を算出する。同様に、電圧指令算出部34は、第2の3相電流検出値Iu2、Iv2、Iw2に対し、磁極位置θに基づいて3相2相変換及び回転座標変換を行って、第2のd軸電流検出値Id2及び第2のq軸電流検出値Iq2を算出する。
<電流フィードバック制御>
そして、電圧指令算出部34は、式(1)に示すように、第1のdq軸電流検出値Id1、Iq1が、第1のdq軸電流指令値Idref1、Iqref1に近づくように、PI制御等により、第1のd軸電圧指令値Vdref1、第1のq軸電圧指令値Vqref1を変化させる。
Figure 0006735937
同様に、電圧指令算出部34は、式(2)に示すように、第2のdq軸電流検出値Id2、Iq2が、第2のdq軸電流指令値Idref2、Iqref2に近づくように、PI制御等により、第2のd軸電圧指令値Vdref2、第2のq軸電圧指令値Vqref2を変化させる。
Figure 0006735937
ここで、Kpdは、d軸比例ゲインであり、Kpqは、q軸比例ゲインであり、Kidは、d軸積分ゲインであり、Kiqは、q軸積分ゲインである。sは、ラプラス演算子である。
<3相交流の電圧指令値>
電圧指令算出部34は、第1のdq軸電圧指令値Vdref1、Vqref1を、磁極位置θに基づいて、固定座標変換及び2相3相変換を行って、第1の3相交流の電圧指令値Vuref1、Vvref1、Vwref1を算出する。同様に、電圧指令算出部34は、第2のdq軸電圧指令値Vdref2、Vqref2を、磁極位置θに基づいて、固定座標変換及び2相3相変換を行って、第2の3相交流の電圧指令値Vuref2、Vvref2、Vwref2を算出する。
1−2−6.スイッチング制御部35
スイッチング制御部35は、各組について、電圧指令値に基づいてスイッチング素子をオンオフ制御するPWM(Pulse Width Modulation)制御を実行する。本実施の形態では、スイッチング制御部35は、第1の3相交流の電圧指令値Vuref1、Vvref1、Vwref1のそれぞれと、直流電源電圧VBの振幅を有し、キャリア周波数で振動するキャリア波(三角波)とを比較し、交流電圧指令値がキャリア波を上回った場合は、スイッチング制御信号をオンさせ、交流電圧指令値がキャリア波を下回った場合は、スイッチング制御信号をオフさせる。スイッチング制御部35は、各スイッチング制御信号を対応する第1のインバータ205のスイッチング素子のゲート端子に出力する。同様に、スイッチング制御部35は、第2の3相交流の電圧指令値Vuref2、Vvref2、Vwref2のそれぞれと、キャリア波とを比較して、スイッチング制御信号をオン又はオフさせる。スイッチング制御部35は、各スイッチング制御信号を対応する第2のインバータ206のスイッチング素子のゲート端子に出力する。
1−2−7.電圧制御値算出部36
<原理説明>
トルク指令値Trefの増加により3相巻線に流す電流が増加する、或いは、回転速度ωが増加すると、3相巻線に生じる誘起電圧が増加し、3相巻線に印加する電圧指令値が増加する。それにより、電圧指令値の電圧を3相巻線に印加するために必要になる最小限の直流電源電圧である必要直流電圧も増加する。必要直流電圧が、実際の直流電源電圧VBを超えると、3相巻線に正常に電流を流せなくなり、トルク変動が生じる。そのため、必要直流電圧が直流電源電圧VBを超えると、3相巻線に生じる誘起電圧が低下するように電流指令値を操作することによって、電圧指令値及び必要電流電圧を低下させるように構成されている。
しかし、本実施の形態では、複数組の3相巻線が設けられているため、各組の3相巻線について、必要直流電圧が存在する。よって、全ての組の必要直流電圧が、直流電源電圧VBを超えないようにする必要がある。しかし、各組の必要直流電圧が直流電源電圧VBを超えないように、各組について個別に電流指令値を操作すると、各組の3相巻線の制御状態の組み合わせパターンが大幅に増加し、全てのパターンについて動作保障をする必要があり、制御設計が複雑になる。また、各組の必要直流電圧が直流電源電圧VBを超えないように、各組について個別に電流指令値を操作すると、組間の磁気結合の相互干渉による、組間の電流指令値の相互干渉が生じるため、電流指令値の操作挙動の安定性を保障することが容易でない。
<共通必要直流電圧Vnecm、共通電圧制御値Vrevの算出>
そこで、電圧制御値算出部36は、各組について、電圧指令値に基づいて、電圧指令値に応じた電圧を巻線に印加するために必要になる最小限の直流電源電圧である必要直流電圧を算出し、全ての組の必要直流電圧に基づいて、全ての組で共通する1つの共通必要直流電圧Vnecmを算出する。そして、電圧制御値算出部36は、共通必要直流電圧Vnecmが直流電源電圧VBに近づくように、共通電圧制御値Vrevを変化させる。
この構成によれば、共通必要直流電圧Vnecmが直流電源電圧VBに近づくように、共通電圧制御値Vrevを変化させ、共通電圧制御値Vrevにより各組の電流指令値を変化させるので、各組の必要直流電圧が直流電源電圧VBを超えないようにでき、各組の3相巻線に正常に電流を流し、トルク変動が生じることを抑制できる。
また、全ての組について、共通必要直流電圧Vnecmにより、共通電圧制御値Vrevを変化させ、共通電圧制御値Vrevにより各組の電流指令値を連動して変化させるので、各組の3相巻線の制御状態の組み合わせパターンを所定の組み合わせパターンに限定することができ、動作保障が容易になり、制御設計を簡単化できる。例えば、共通電圧制御値Vrevに応じて電流指令値を変化させる第1及び第2のマップデータを設けるだけの簡単な制御設計にすることができる。
また、共通電圧制御値Vrevにより各組の電流指令値を連動して変化させるので、組間の磁気結合の相互干渉による影響を、所定のパターンに限定することができ、電流指令値の操作挙動の安定性を保障することが容易になる。
本実施の形態では、電圧制御値算出部36は、各組について、3相交流の電流指令値の線間電圧の実効値を算出し、3相交流の電圧指令値の線間電圧実効値を、予め設定された最大電圧利用率で除算して、必要直流電圧を算出する。
具体的には、電圧制御値算出部36は、第1組について、式(3)に示すように、第1のdq軸電圧指令値Vdref1、Vqref1に基づいて、第1の3相交流電圧指令値の線間電圧実効値を算出し、線間電圧実効値を、予め設定された第1の最大電圧利用率Rmx1で除算して、第1の必要直流電圧Vne1を算出する。
Figure 0006735937
同様に、電圧制御値算出部36は、第2組について、式(4)に示すように、第2のdq軸電圧指令値Vdref2、Vqref2に基づいて、第2の3相交流電圧指令値の線間電圧実効値を算出し、線間電圧実効値を、予め設定された第2の最大電圧利用率Rmx2で除算して、第2の必要直流電圧Vne2を算出する。
Figure 0006735937
ここで、第1及び第2の最大電圧利用率Rmx1、Rmx2は、スイッチング制御部35におけるPWM制御方式に対応した値に予め設定されている。例えば、正弦波の3相交流の電圧指令値とキャリア波とを比較する正弦波PWM制御のみが実行される場合は、最大電圧利用率は0.612に設定され、正弦波の3相交流の電圧指令値に変調を加える過変調PMM制御(三次高調波注入、空間ベクトル変調、二相変調等)が実行される場合は、最大電圧利用率は0.707に設定される。なお、実際に利用する直流電圧を、直流電源電圧VBよりも低くするために、最大電圧利用率は、0.612又は0.707よりも小さい値に設定されてもよい。
電圧制御値算出部36は、全ての組の必要直流電圧の中の最大値を、共通必要直流電圧Vnecmとして算出する。具体的には、電圧制御値算出部36は、式(5)に示すように、第1の必要直流電圧Vne1及び第2の必要直流電圧Vne2の中の最大値を、共通必要直流電圧Vnecmとして算出する。ここで、MAX(A、B)は、A、Bのうち、大きい方の値を出力する関数である。
Figure 0006735937
この構成によれば、最大値となる組の必要直流電圧が、直流電源電圧VBを超えないようにでき、最大値以外の組の必要直流電圧も、直流電源電圧VB以下に制限できる。特に、最大値となる組について、弱め磁束制御及び最大トルク磁束制御の領域では、dq軸電流指令値を電圧制限楕円上に変化させることができる。
そして、電圧制御値算出部36は、共通必要直流電圧Vnecmが直流電源電圧VBに近づくように、共通電圧制御値Vrevを変化させる。本実施の形態では、電圧制御値算出部36は、式(6)に示すように、共通必要直流電圧Vnecmと直流電源電圧VBとの偏差に基づいて、PI制御等により共通電圧制御値Vrevを変化させる。ここで、Kpは正の値の比例ゲインであり、Kiは正の値の積分ゲインである。
Figure 0006735937
共通必要直流電圧Vnecmが直流電源電圧VBを上回り、共通電圧制御値Vrevが減少されると、上述したように、電流指令算出部33は、弱め磁束制御及び最大トルク磁束制御の領域において、3相巻線の誘起電圧(端子電圧)が減少し、必要直流電圧が減少するように、dq軸電流指令値を変化させる。よって、共通必要直流電圧Vnecmが減少し、直流電源電圧VBに近づく。逆に、共通必要直流電圧Vnecmが直流電源電圧VBを下回り、共通電圧制御値Vrevが増加されると、上述したように、電流指令算出部33は、弱め磁束制御及び最大トルク磁束制御の領域において、3相巻線の誘起電圧(端子電圧)が増加し、必要直流電圧が増加するように、dq軸電流指令値を変化させる。よって、共通必要直流電圧Vnecmが増加し、直流電源電圧VBに近づく。
<上下限制限処理、アンチワインドアップ処理>
一方、最大トルク電流制御の領域では、共通必要直流電圧Vnecmが直流電源電圧VBを常に下回るため、そのままでは、共通電圧制御値Vrevが増加し続ける。また、最大トルク磁束制御の領域において、dq軸電流指令値がM点に到達した後は、共通必要直流電圧Vnecmが直流電源電圧VBを常に上回るため、そのままでは、共通電圧制御値Vrevが減少し続ける。
そこで、本実施の形態では、電圧制御値算出部36は、式(7)に示すように、共通電圧制御値Vrevを、予め設定された上限値Vmax及び下限値Vminで上下限制限するように構成されている。本実施の形態では、上限値Vmaxは、dq軸電流指令値が最大トルク電流曲線上の値になる時(図4の交点(a))の共通電圧制御値Vrevの値(本例では、0)に設定され、下限値Vminは、dq軸電流指令値がM点になる時の共通電圧制御値Vrevの値(本例では、0より小さい所定値)に設定されている。
Figure 0006735937
また、電圧制御値算出部36は、共通電圧制御値Vrevを上限値Vmaxにより上限制限している、又は下限値Vminで下限制限している場合は、共通電圧制御値Vrevを変化させないアンチワインドアップ処理を行う。例えば、電圧制御値算出部36は、共通電圧制御値Vrevを上限制限又は下限制限している場合は、式(6)のPI制御の積分値の更新を停止する。
なお、式(6)において、(VB−Vnecm)により偏差を計算しているが、(Vnecm−VB)により偏差を計算してもよく、この場合は、共通電圧制御値Vrevの変化の方向が逆になり、上限値VmaxがM点に対応し、下限値Vminが最大トルク電流曲線上の点に対応する。
2.実施の形態2.
次に、実施の形態2に係る制御装置1について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。図6は、本実施の形態に係る回転電機102及び制御装置1の概略構成図であり、図7は、制御装置1のブロック図である。本実施の形態では、回転電機102の回転子203に、界磁巻線213が設けられており、制御装置1が界磁巻線213への電圧印加を制御するように構成されている。
本実施の形態では、回転電機102が有する複数組の巻線は、固定子に設けられた1組又は複数組(本例では2組)の3相巻線と、回転子203に設けられた1組の界磁巻線213とされている。固定子に第1の3相巻線201と第2の3相巻線202とが設けられ、回転子203に界磁巻線213が設けられた、巻線界磁同期回転電機とされている。第1の3相巻線201が第1組の巻線であり、第2の3相巻線202が第2組の巻線であり、界磁巻線213が第3組の巻線である。
本実施の形態では、第1のインバータ205及び第2のインバータ206に加えて、界磁巻線213への直流電力の供給を制御する界磁巻線駆動回路215が備えられている。界磁巻線駆動回路215は、スイッチング素子を有している。直流電源103と界磁巻線213とを接続する正極電線上に、界磁巻線駆動回路215のスイッチング素子が設けられており、直流電源103と界磁巻線213との接続をオンオフする。界磁巻線駆動回路215のスイッチング素子は、制御装置1から出力される界磁巻線のスイッチング制御信号によりオン又はオフされる。
第1の電流センサ211及び第2の電流センサ212に加えて、界磁巻線213に流れる電流を検出するための界磁巻線の電流センサ214が備えられている。界磁巻線の電流センサ214の出力信号は、制御装置1に入力される。電流検出部30は、界磁巻線の電流センサ214の出力信号に基づいて、界磁巻線213に流れる界磁電流Ifを検出する。
<電流指令算出部33>
電流指令算出部33は、各組について、巻線に流す電流指令値を算出し、共通電圧制御値Vrevに基づいて、各組の電流指令値を変化させる。本実施の形態では、電流指令算出部33は、界磁巻線に流す電流指令値である界磁電流指令値Ifrefを算出する。電流指令算出部33は、トルク指令値Tref及び共通電圧制御値Vrevに基づいて、界磁電流指令値Ifrefを算出する。具体的には、電流指令算出部33は、トルク指令値Tref及び共通電圧制御値Vrevと、界磁電流指令値Ifrefとの関係が予め設定された界磁巻線のマップデータを参照し、現在のトルク指令値Tref及び共通電圧制御値Vrevに対応する界磁電流指令値Ifrefを算出する。また、複数の回転速度ω毎に界磁巻線のマップデータが設けられており、電流指令算出部33は、現在の回転速度ωに近い、界磁巻線のマップデータを参照して、界磁電流指令値Ifrefを算出するように構成されている。
また、実施の形態1と同様に、電流指令算出部33は、トルク指令値Tref及び共通電圧制御値Vrevに基づいて、第1のdq軸電流指令値Idref1、Iqref1、及び第2のdq軸電流指令値Idref2、Iqref2を算出する。具体的には、電流指令算出部33は、トルク指令値Tref及び共通電圧制御値Vrevと、第1のdq軸電流指令値Idref1、Iqref1との関係が予め設定された第1のマップデータを参照し、現在のトルク指令値Tref及び共通電圧制御値Vrevに対応する第1のdq軸電流指令値Idref1、Iqref1を算出する。また、電流指令算出部33は、トルク指令値Tref及び共通電圧制御値Vrevと、第2のdq軸電流指令値Idref2、Iqref2との関係が予め設定された第2のマップデータを参照し、現在のトルク指令値Tref及び共通電圧制御値Vrevに対応する第2のdq軸電流指令値Idref2、Iqref2を算出する。また、複数の回転速度ω毎に第1及び第2のマップデータが設けられており、電流指令算出部33は、現在の回転速度ωに近い、第1及び第2のマップデータを参照して、第1及び第2のdq軸電流指令値を算出するように構成されている。
本実施の形態では、界磁巻線213の鎖交磁束(界磁電流)が、トルク指令値Tref、共通電圧制御値Vrev、及び回転速度ωの運転条件に応じて変化する。図8に示すように、界磁巻線213の鎖交磁束(界磁電流)が減少すると、電圧制限楕円のM点(中心点)がd軸上を正方向に移動し、電圧制限楕円が広がり、等トルク曲線が上側にシフトする。第1及び第2のdq軸電流指令値のマップデータも、界磁電流指令値Ifrefのマップデータと同様に、トルク指令値Tref、共通電圧制御値Vrev、及び回転速度ωに基づいて設定されるため、界磁電流指令値Ifrefの変化による電圧制限楕円のM点の移動、電圧制限楕円の拡大縮小、等トルク曲線のシフト、最大トルク磁束曲線の変化、及び最大トルク電流曲線の変化に対応するように予め設定されている。
トルク指令値Trefが、ある一定値である場合の、界磁巻線のマップデータの設定値の例を図9に示す。共通電圧制御値Vrevが上限値Vmax(本例では0)である場合は、界磁電流指令値Ifrefは、トルク指令値Trefに応じた値に設定されている。共通電圧制御値Vrevが上限値Vmaxより小さくなると、弱め磁束制御の領域になり、共通電圧制御値Vrevが上限値Vmaxから減少するに従って、界磁電流指令値Ifrefは減少していき、界磁巻線の磁束が弱められる。共通電圧制御値Vrevが更に減少すると、最大トルク磁束制御の領域になり、共通電圧制御値Vrevが減少するに従って、界磁電流指令値Ifrefは、弱め磁束制御の領域よりも急な傾きで減少していき、共通電圧制御値Vrevが下限値Vminに到達すると、界磁電流指令値Ifrefは0に設定される。
トルク指令値Tref及び回転速度ωがある一定値であり、共通電圧制御値Vrevの変化に対して界磁電流指令値Ifrefを図9に示すように変化させた場合の、第1又は第2のマップデータの設定値の例を図10に示す。共通電圧制御値Vrevが上限値Vmax(本例では0)である場合は、dq軸電流指令値は、最大トルク電流曲線と等トルク曲線との交点(a)に設定されている。共通電圧制御値Vrevが上限値Vmaxより小さくなると、弱め磁束制御の領域になり、共通電圧制御値Vrevが上限値Vmaxから減少するに従って、界磁電流指令値Ifrefが減少するため、等トルク曲線が上側にシフトしていく。よって、dq軸電流指令値は、共通電圧制御値Vrevが上限値Vmaxから減少するに従って、上側にシフトしていく等トルク曲線上を左側に変化するように設定されている。よって、d軸電流の減少による弱め磁束も行われる。
共通電圧制御値Vrevが更に減少すると、最大トルク磁束制御の領域になり、共通電圧制御値Vrevが減少するに従って、界磁電流指令値Ifrefが0まで次第に減少するため、M点が右側に向かってシフトしていき、最大トルク磁束曲線も右側にシフトしていく。界磁電流指令値Ifrefが下限値Vminになり界磁電流指令値Ifrefが0になった場合でも、回転子203の鉄心に磁束が残るため、M点は0点よりも左側の所定位置になる。よって、dq軸電流指令値は、共通電圧制御値Vrevが減少するに従って、右側にシフトしていく最大トルク磁束曲線上を、界磁電流指令値Ifrefが0の場合のM点に向かって右下に変化するように設定されている。
よって、電流指令算出部33は、共通電圧制御値Vrevが下限値Vminで下限制限されている場合に、界磁電流指令値Ifrefを0に設定すると共に、各組の3相巻線の電流指令値(本例では、dq軸電流指令値)を、界磁巻線電流が0の場合の電圧制限楕円の中心点(M点)に対応した値に設定する。
<電圧指令算出部34>
電圧指令算出部34は、各組について、電流指令値及び電流検出値に基づいて、巻線に印加する電圧指令値を算出する。本実施の形態では、電圧指令算出部34は、界磁巻線213について、界磁電流指令値Ifref及び界磁電流検出値Ifに基づいて、界磁巻線213に印加する1相直流の界磁電圧指令値Vfrefを算出する。本実施の形態では、電圧指令算出部34は、界磁電流検出値Ifが界磁電流指令値Ifrefに近づくように、界磁電圧指令値Vfrefを変化させる。例えば、電圧指令算出部34は、式(8)に示すように、界磁電流検出値Ifと界磁電流指令値Ifrefとの偏差に基づいて、PI制御等により界磁電圧指令値Vfrefを変化させる。ここで、Kpfは比例ゲインであり、Kifは積分ゲインである。
Figure 0006735937
電圧指令算出部34は、各組の3相巻線について、電流指令値及び電流検出値に基づいて、3相巻線に印加する3相交流の電圧指令値を算出する。実施の形態1と同様に、電圧指令算出部34は、各組について、3相巻線の電流検出値をdq軸の回転座標系で表したdq軸電流検出値が、dq軸電流指令値に近づくようにdq軸電圧指令値を変化させ、dq軸電圧指令値を3相交流の電圧指令値に変換する。
<スイッチング制御部35>
スイッチング制御部35は、各組について、電圧指令値に基づいてスイッチング素子をオンオフ制御するPWM制御を実行する。本実施の形態では、スイッチング制御部35は、界磁電圧指令値Vfrefを直流電源電圧VBで除算して算出したデューティ比(Vfref/VB)でオンオフするスイッチング制御信号を生成し、スイッチング制御信号を界磁巻線駆動回路215のスイッチング素子のゲート端子に出力する。
実施の形態1と同様に、スイッチング制御部35は、各組の3相巻線について、3相交流の電圧指令値のそれぞれとキャリア波とを比較し、比較結果に基づいてオンオフするスイッチング制御信号を生成し、各スイッチング制御信号を、対応するインバータのスイッチング素子のゲート端子に出力する。
<電圧制御値算出部36>
電圧制御値算出部36は、各組について、電圧指令値、及び直流電源電圧VBに基づいて、電圧指令値に応じた電圧を巻線に印加するために必要になる最小限の直流電源電圧である必要直流電圧を算出し、全ての組の必要直流電圧に基づいて、全ての組で共通する1つの共通必要直流電圧Vnecmを算出する。そして、電圧制御値算出部36は、共通必要直流電圧Vnecmが直流電源電圧VBに近づくように、共通電圧制御値Vrevを変化させる。
本実施の形態では、電圧制御値算出部36は、式(9)に示すように、界磁巻線213について、界磁電圧指令値Vfrefを、予め設定された界磁巻線の最大電圧利用率Rmxfで除算して、界磁巻線の必要直流電圧Vnefを算出する。
Figure 0006735937
界磁巻線の最大電圧利用率Rmxfは、例えば、1に予め設定されている。なお、実際に利用する直流電圧を、直流電源電圧VBよりも低くするために、界磁巻線の最大電圧利用率Rmxfは、1よりも小さい値に設定されてもよい。
実施の形態1と同様に、電圧制御値算出部36は、各組の3相巻線について、3相交流の電流指令値の線間電圧実効値を算出し、3相交流の電圧指令値の線間電圧実効値を、予め設定された最大電圧利用率で除算して、必要直流電圧を算出する。
電圧制御値算出部36は、全ての組の必要直流電圧の中の最大値を、共通必要直流電圧Vnecmとして算出する。具体的には、電圧制御値算出部36は、式(10)に示すように、第1の必要直流電圧Vne1、第2の必要直流電圧Vne2、及び界磁巻線の必要直流電圧Vnefの中の最大値を、共通必要直流電圧Vnecmとして算出する。ここで、MAX(A、B、C)は、A、B、Cのうち、最も大きい値を出力する関数である。
Figure 0006735937
そして、実施の形態1と同様に、電圧制御値算出部36は、共通必要直流電圧Vnecmが直流電源電圧VBに近づくように、共通電圧制御値Vrevを変化させる。
3相巻線の必要直流電圧が共通必要直流電圧Vnecmに設定される場合は、共通必要直流電圧Vnecmが直流電源電圧VBを上回り、共通電圧制御値Vrevが減少されると、電流指令算出部33は、弱め磁束制御及び最大トルク磁束制御の領域において、3相巻線の誘起電圧(端子電圧)が減少し、3相巻線の必要直流電圧が減少するように、dq軸電流指令値及び界磁電流指令値Ifrefを変化させる。よって、共通必要直流電圧Vnecmが減少し、直流電源電圧VBに近づく。
界磁巻線の必要直流電圧Vnefが共通必要直流電圧Vnecmに設定される場合は、共通必要直流電圧Vnecmが直流電源電圧VBを上回り、共通電圧制御値Vrevが減少されると、電流指令算出部33は、界磁電流指令値Ifrefを減少させ、界磁巻線の必要直流電圧Vnefを減少させる。共通電圧制御値Vrevの減少により、dq軸電流指令値も連動して変化され、変化した界磁電流指令値Ifrefに対応させることができる。
例えば、蓄電装置の充電量の低下などにより、直流電源電圧VBが低下した場合でも、共通電圧制御値Vrevにより、界磁電流指令値Ifref、及び各組の3相巻線の電流指令値を連動して変化させ、界磁巻線の必要直流電圧Vnef、及び各組の3相巻線の必要直流電圧が、直流電源電圧VBを超過しないようにでき、回転電機を適切に動作させることができる。
〔その他の実施の形態〕
最後に、本発明のその他の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する各実施の形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施の形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施の形態1においては、回転電機102が有する複数組の巻線は、回転電機102の固定子に設けられた2組の3相巻線とされている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、複数組の巻線は、回転電機102の固定子に設けられた3組以上の3相巻線とされてもよい。
(2)上記の実施の形態2においては、回転電機102が有する複数組の巻線は、固定子に設けられた2組の3相巻線と、回転子203に設けられた1組の界磁巻線213とされている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、複数組の巻線は、固定子に設けられた1組又は3組以上の3相巻線と、回転子203に設けられた1組の界磁巻線213とされてもよい。
(3)上記の各実施の形態においては、電流指令算出部33は、第1のマップデータを参照して、第1のdq軸電流指令値Idref1、Iqref1を算出し、第2のマップデータを参照して、第2のdq軸電流指令値Idref2、Iqref2を算出するように構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施の形態はこれに限定されない。例えば、第1の3相巻線201と第2の3相巻線202との特性が同じ場合は、第1のマップデータと第2のマップデータとが共通化されてもよい。すなわち、電流指令算出部33は、トルク指令値Tref及び共通電圧制御値Vrevと、dq軸電流指令値との関係が予め設定された共通マップデータを参照し、現在のトルク指令値Tref及び共通電圧制御値Vrevに対応するdq軸電流指令値を、第1のdq軸電流指令値Idref1、Iqref1、及び第2のdq軸電流指令値Idref2、Iqref2として算出するように構成されてもよい。
本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
1 回転電機の制御装置、30 電流検出部、31 回転情報検出部、32 電源電圧検出部、33 電流指令算出部、34 電圧指令算出部、35 スイッチング制御部、36 電圧制御値算出部、102 回転電機、103 直流電源、201 第1の3相巻線、202 第2の3相巻線、205 第1のインバータ、206 第2のインバータ、207 回転角度センサ、211 第1の電流センサ、212 第2の電流センサ、213 界磁巻線、214 界磁巻線の電流センサ、215 界磁巻線駆動回路、216 電圧センサ、Id1 第1のd軸電流検出値、Iq1 第1のq軸電流検出値、Id2 第2のd軸電流検出値、Iq2 第2のq軸電流検出値、Idref1 第1のd軸電流指令値、Iqref1 第1のq軸電流指令値、Idref2 第2のd軸電流指令値、Iqref2 第2のq軸電流指令値、If 界磁電流検出値、Ifref 界磁電流指令値、Rmx1 第1の最大電圧利用率、Rmx2 第2の最大電圧利用率、Rmxf 界磁巻線の最大電圧利用率、Tref トルク指令値、VB 直流電源電圧、Vdref1 第1のd軸電圧指令値、Vqref1 第1のq軸電圧指令値、Vdref2 第2のd軸電圧指令値、Vqref2 第2のq軸電圧指令値、Vfref 界磁電圧指令値、Vne1 第1の必要直流電圧、Vne2 第2の必要直流電圧、Vnef 界磁巻線の必要直流電圧、Vnecm 共通必要直流電圧、Vrev 共通電圧制御値、Vmax 上限値、Vmin 下限値

Claims (9)

  1. 複数組の巻線を有する1つの回転電機を、スイッチング素子を介して制御する回転電機の制御装置であって、
    各組について、前記巻線に流れる電流を検出する電流検出部と、
    各組について、前記巻線に流す電流指令値を算出する電流指令算出部と、
    各組について、前記電流指令値及び電流検出値に基づいて、前記巻線に印加する電圧指令値を算出する電圧指令算出部と、
    各組について、前記電圧指令値に基づいて前記スイッチング素子をオンオフ制御するスイッチング制御部と、
    各組について、前記電圧指令値に基づいて、前記電圧指令値に応じた電圧を前記巻線に印加するために必要になる最小限の直流電源電圧である必要直流電圧を算出し、全ての組の前記必要直流電圧に基づいて、全ての組で共通する1つの共通必要直流電圧を算出し、前記共通必要直流電圧が、前記スイッチング素子に供給されている直流電源電圧に近づくように、共通電圧制御値を変化させる電圧制御値算出部と、を備え、
    前記電流指令算出部は、前記共通電圧制御値に基づいて、各組の前記電流指令値を変化させる回転電機の制御装置。
  2. 前記電圧制御値算出部は、全ての組の前記必要直流電圧の中の最大値を、前記共通必要直流電圧として算出する請求項1に記載の回転電機の制御装置。
  3. 前記複数組の巻線は、前記回転電機の固定子に設けられた複数組の3相巻線である請求項1又は2に記載の回転電機の制御装置。
  4. 前記電圧指令算出部は、各組について、前記電流指令値及び前記電流検出値に基づいて、前記3相巻線に印加する3相交流の前記電圧指令値を算出し、
    前記電圧制御値算出部は、各組について、前記3相交流の電流指令値の線間電圧実効値を算出し、前記3相交流の電圧指令値の線間電圧実効値を、予め設定された最大電圧利用率で除算して、前記必要直流電圧を算出する請求項3に記載の回転電機の制御装置。
  5. 前記複数組の巻線は、前記回転電機の固定子に設けられた1組又は複数組の3相巻線と、前記回転電機の回転子に設けられた1組の界磁巻線である請求項1又は2に記載の回転電機の制御装置。
  6. 前記電圧指令算出部は、前記界磁巻線について、前記電流指令値及び前記電流検出値に基づいて、前記界磁巻線に印加する1相直流の前記電圧指令値を算出し、各組の前記3相巻線について、前記電流指令値及び前記電流検出値に基づいて、前記3相巻線に印加する3相交流の前記電圧指令値を算出し、
    前記電圧制御値算出部は、前記界磁巻線について、前記1相直流の電圧指令値を、予め設定された界磁巻線の最大電圧利用率で除算して、前記必要直流電圧を算出し、各組の前記3相巻線について、前記3相交流の電流指令値の線間電圧実効値を算出し、前記3相交流の電圧指令値の線間電圧実効値を、予め設定された最大電圧利用率で除算して、前記必要直流電圧を算出する請求項5に記載の回転電機の制御装置。
  7. 前記電圧制御値算出部は、前記共通電圧制御値を、予め設定された下限値で下限制限し、
    前記電流指令算出部は、前記共通電圧制御値が減少すると、各組の前記必要直流電圧が減少する側に、各組の前記電流指令値を変化させ、
    前記共通電圧制御値が前記下限値で下限制限されている場合に、前記界磁巻線の前記電流指令値を0に設定すると共に、各組の前記3相巻線の前記電流指令値を、前記界磁巻線の電流がゼロの場合の電圧制限楕円の中心点に対応した値に設定する請求項6に記載の回転電機の制御装置。
  8. 前記電圧制御値算出部は、前記共通電圧制御値を、予め設定された上限値及び下限値で上下限制限し、前記共通電圧制御値を前記上限値で上限制限している、又は前記下限値で下限制限している場合は、前記共通電圧制御値を変化させないアンチワインドアップ処理を行う請求項1から7のいずれか一項に記載の回転電機の制御装置。
  9. 前記電流指令算出部は、各組について、少なくとも前記共通電圧制御値と、前記電流指令値との関係が予め設定されたマップデータを参照し、少なくとも現在の前記共通電圧制御値に対応する前記電流指令値を算出する請求項1から8のいずれか一項に記載の回転電機の制御装置。
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