JP6735647B2 - 窒化物結晶基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化物結晶基板の製造方法および窒化物結晶積層体に関する。
発光素子や高速トランジスタ等の半導体デバイスを作製する際、例えば窒化ガリウム結晶等の窒化物結晶からなる基板(以下、窒化物結晶基板)が用いられる。
窒化物結晶基板を大径、大面積で形成するための技術として、窒化物結晶からなる複数の種結晶基板を隣り合う種結晶基板の側面が互いに当接するように並べて配置した基板(以下、集合種結晶基板)上に、隣り合う種結晶基板上に成長した結晶膜が一体化するように、つまり、集合種結晶基板の全面に亘って一体的に成長した結晶膜が得られるように、結晶膜を成長させる技術が提案されている(例えば特許文献1)。しかしながら、このような技術において、隣り合う種結晶基板の当接部上に成長する結晶膜は、欠陥が生成されやすく、結晶の質を向上させることが難しい。
特開2015−224143号公報
本発明の一目的は、集合種結晶基板上に結晶膜を成長させる技術において、隣り合う種結晶基板の当接部上に成長する結晶膜の結晶の質の向上を図ることができる技術を提供することである。
本発明の一態様によれば、
窒化物結晶からなり主面がc面である複数の種結晶基板を、隣り合う前記種結晶基板の側面が互いに当接するようにベースプレート上に並べて配置することで、集合種結晶基板を構成する第1工程と、
前記集合種結晶基板上に結晶膜を成長させる第2工程と、
を有し、
前記第1工程では、前記種結晶基板の面内方向位置を規制する位置規制部によって前記種結晶基板の面内方向位置が規制された状態で前記種結晶基板が前記ベースプレート上に配置され、少なくとも1つの前記種結晶基板が前記ベースプレートに対して非接着で配置される
窒化物結晶基板の製造方法
が提供される。
本発明の他の態様によれば、
窒化物結晶からなり主面がc面である複数の種結晶基板を、隣り合う前記種結晶基板の側面が互いに当接するように並べて配置することで構成された集合種結晶基板と、
前記集合種結晶基板上に成長した結晶膜と、
を有し、
前記結晶膜は、隣り合う前記種結晶基板の当接部上で、連続的なc面が形成されるように成長している
窒化物結晶積層体
が提供される。
集合種結晶基板上に結晶膜を成長させる技術において、隣り合う種結晶基板の当接部上に成長する結晶膜の結晶の質の向上を図ることができる。
図1は、本発明の第1実施形態において、ベースプレート上に配置された集合種結晶基板を示す概略平面図である。 図2(a)は、第1実施形態において、ベースプレート上に配置された集合種結晶基板を示す概略断面図であり、図2(b)は、第1実施形態において、集合種結晶基板上に結晶膜が形成された状態を示す概略断面図である。 図3(a)および図3(b)は、それぞれ、厚膜の結晶膜を成長させスライスして窒化物結晶基板を得る方法の一例および他の例を示す概略断面図である。 図4(a)は、第1実施形態の第1変形例において、ベースプレート上に配置された集合種結晶基板を示す概略平面図であり、図4(b)は、第1実施形態の第1変形例において、集合種結晶基板上に結晶膜が形成された状態を示す概略断面図である。 図5は、第1実施形態の第2変形例において、ベースプレート上に配置された集合種結晶基板を示す概略平面図である。 図6(a)は、第1実施形態の第3変形例において、ベースプレート上に配置された集合種結晶基板を示す概略断面図であり、図6(b)は、第1実施形態の第3変形例において、集合種結晶基板上に結晶膜が形成された状態を示す概略断面図である。 図7(a)は、第2実施形態において、ベースプレート上に配置された集合種結晶基板を示す概略断面図であり、図7(b)は、第2実施形態において、集合種結晶基板上に結晶膜が形成された状態を示す概略断面図である。 図8(a)および図8(b)は、それぞれ、第1実施形態に沿って窒化物結晶膜を成長させた実験における、ベースプレート上に載置された集合種結晶基板の結晶成長前および結晶成長後の写真である。 図9(a)は、第1実施形態に沿って窒化物結晶膜を成長させた実験における、集合種結晶基板上に形成された結晶膜の写真である。図9(b)は、第1実施形態に沿って窒化物結晶膜を成長させた実験における、隣り合う種結晶基板の当接部上に成長した結晶膜の微分干渉像である。図9(c)は、第1実施形態に沿って窒化物結晶膜を成長させた実験における、隣り合う種結晶基板の当接部上に成長した結晶膜のX線ロッキングカーブの測定結果を示すグラフである。 図10は、比較形態において、ベースプレート上に配置された集合種結晶基板を示す概略平面図である。 図11(a)は、比較形態において、ベースプレート上に配置された集合種結晶基板を示す概略断面図であり、図11(b)は、比較形態において、集合種結晶基板上に結晶膜が形成された状態を示す概略断面図である。
<本発明の第1実施形態>
本発明の第1実施形態による窒化物結晶基板の製造方法について説明する。
まず、図1および図2(a)を参照し、複数の種結晶基板110をベースプレート200上に並べて配置することで、集合種結晶基板100を構成する工程について説明する。
図1は、ベースプレート200上に配置された集合種結晶基板100を示す概略平面図である。集合種結晶基板100は、窒化物結晶からなり主面がc面である複数の種結晶基板110を、隣り合う種結晶基板110の側面が互いに当接するようにベースプレート200上に並べて配置することで、構成されている。
窒化物結晶として、ここでは窒化ガリウム(GaN)結晶を例として説明を進める。ただし、窒化物結晶は、GaN結晶に限定されず、例えば、窒化アルミニウム(AlN)結晶、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)結晶、窒化インジウム(InN)結晶、窒化インジウムガリウム(InGaN)結晶、窒化アルミニウムインジウムガリウム(AlInGaN)結晶等の窒化物結晶、すなわち、AlInGa1−x−yN(0≦x+y≦1)の組成式で表されるIII族窒化物半導体の結晶であってよい。
基板の主面がc面、すなわち(0001)面であるとは、主面の法線方向とc軸方向とのなす角が、±1°以内であることをいう。
「当接」とは、部材の面同士をなるべく隙間が生じないように近接して対向させることを意味し、部材の面同士が完全に、すなわち全く隙間なく接触することまでは意味しない。「近接」とは、対向した部分の最大の隙間が、室温(例えば25℃)において、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下であることをいう。
種結晶基板110は、種結晶基板110の(ベースプレート200の載置面201における)面内方向位置を規制する位置規制部210によって種結晶基板110の面内方向位置が規制された状態で、ベースプレート200上に配置されている。また、少なくとも1つの種結晶基板110は、ベースプレート200に対して非接着で配置されている。なお、種結晶基板110が「ベースプレート200に対して非接着で配置」されていることを、単に、「非接着で配置」と呼ぶことがある。
第1実施形態では、位置規制部210として、集合種結晶基板100の外周端面に当接するようにベースプレート200上に配置され、ベースプレート200の表層に接着された固定用部材211が用いられる。また、位置規制部210として種結晶基板110とは別体に用意された固定用部材211を用いることに伴い、集合種結晶基板100を構成するすべての種結晶基板110は、非接着で配置されている。
固定用部材211の材料としては、種結晶基板110と同じ組成の窒化物結晶が、好ましく用いられる。後述の結晶膜140の成長時に、種結晶基板110上と同様に固定用部材211上に結晶膜140を成長させることで、種結晶基板110上に成長した結晶膜140に不要な応力が掛かることを抑制するためである。なお、固定用部材211の形状や大きさは、特に限定されない。
ベースプレート200を構成する材料としては、後述の結晶膜140の成長工程における成膜温度、成膜雰囲気に耐えられる耐熱性、耐食性を有し、また、種結晶基板110や結晶膜140を構成する窒化物結晶と同等あるいはそれより小さい線膨張係数を有する材料を用いることが好ましい。ここでいう窒化物結晶の線膨張係数は、種結晶基板110のc面に平行な方向、すなわちa軸方向における線膨張係数のことである。例えば、GaN結晶のa軸方向における線膨張係数は、5.59×10−6/Kである。ベースプレート200の構成材料の線膨張係数をこのように選択することで、結晶膜140の成長工程における昇温時に、隣り合う種結晶基板110間に形成された隙間が広がってしまうことを抑制できる。
ベースプレート200を構成する材料としては、さらに、後述の結晶膜140の成長時等において、表層が剥離することで、接着された固定用部材211がベースプレート200から外れる(分離される)材料であることが好ましい。
このような特性を有し、ベースプレート200を構成するのに好ましい材料としては、例えば、異方性黒鉛(パイロリティックグラファイト(PG)等)、異方性窒化ホウ素(パイロリティック窒化ホウ素(PBN)等)、雲母等が挙げられる。なお、このようなパイロリティックグラファイト等の材料で、ベースプレート200の全体(全厚さ)が形成されていなくともよく、例えば、等方性黒鉛等からなる平板基材上にパイロリティックグラファイト等を被覆して載置面201を構成するようにした複合材料で、ベースプレート200を構成することも可能である。
固定用部材211をベースプレート200に接着する接着剤220としては、後述の結晶膜140の成長工程における成膜温度、成膜雰囲気に耐えられる耐熱性、耐食性を有し、また、種結晶基板110や結晶膜140を構成する窒化物結晶と近い線膨張係数を有する材料で構成されたものを用いることが好ましい。
このような接着剤220としては、例えば、ジルコニアやシリカ等を主成分とする加熱硬化型の接着剤を用いることができ、より具体的には例えば、東亞合成株式会社のアロンセラミック(登録商標)C剤やE剤が挙げられる。なお、加熱硬化型の接着剤を用いることで、接着剤の乾燥が完了するまでは、接着した部材の位置の微調整が可能であること等の利点がある。
図1に示す例において、集合種結晶基板100は、正六角形状の種結晶基板110が平面上に充填された構造を、所定の種結晶基板110(111)の中心を中心とする円形状に切り取ったパターンで構成されている。さらに、このパターンは、集合種結晶基板100の外周縁である円周に沿って並んだ種結晶基板110において、1つおきに扇形状の種結晶基板110(112)が配置されるように構成されたパターンとなっている。
各種結晶基板110の、正六角形の辺(つまり円弧部以外の直線的な縁)を画定する端面は、主面側にM面の劈開面が配置されるように構成されているか、または、主面側にa面の劈開面が配置されるように構成されていることが好ましい。組み合わせると集合種結晶基板100が構成されるように、各種結晶基板110は、例えば、市販の円形状の窒化物結晶基板より、主面と反対の裏面側からのレーザースクライブおよび劈開により切り出して、準備することができる。なお、円弧部を画定する端面は、レーザー照射によるフルカットで切り出すことができるが、レーザースクライブおよび劈開により切り出すことも可能である。
集合種結晶基板100を円形状に構成することで、例えば、集合種結晶基板100を後述のように結晶成長装置内で回転させて気相成長を行う際、集合種結晶基板100が例えば矩形状やハニカム形状等の非円形状である場合と比べて、集合種結晶基板100の周方向に関する原料ガス供給等の成長条件の均一性を高められる利点がある。
図1に示す例において、各固定用部材211は、各扇形状の種結晶基板112の外周端面に当接するように配置されている。これにより、各扇形状の種結晶基板112は、非接着で配置されていても、集合種結晶基板100の外周外側に向かう方向(外周側方向)への移動が規制されて、面内方向位置が規制された状態となる。
集合種結晶基板100の外周縁に沿って並んだ種結晶基板110において、最隣接する(最も近い)2つの扇形状の種結晶基板112の間に挟まれた種結晶基板110(113)は、固定用部材211が当接しないが、両側に隣接する扇形状の種結晶基板112に係止されることで、非接着で配置されていても、外周側方向への移動が規制されて、面内方向位置が規制された状態となる。
さらに、集合種結晶基板100の外周縁に沿って並んだ種結晶基板112および113に取り囲まれた種結晶基板111は、種結晶基板112および113に係止されることで、非接着で配置されていても、外周側方向への移動が規制されて、面内方向位置が規制された状態となる。
このように、固定用部材211により、集合種結晶基100を構成するすべての種結晶基板110を、非接着で配置されていても、面内方向位置が規制された状態でベースプレート200上に配置することができる。
集合種結晶基板100の外周端部に配置された扇形状の種結晶基板112の面内方向位置を規制することで、他の種結晶基板110の面内方向位置を規制することができる。扇形状の種結晶基板112の面内方向位置を規制するように、固定用部材211を配置することは、固定用部材211の配置箇所、つまり接着部の箇所を少なくできるため、好ましい。
図2(a)は、ベースプレート200上に配置された集合種結晶基板100を示す概略断面図である。集合種結晶基板100における種結晶基板110の平面配置は、例えば図1に示したようなものである。なお、図示の煩雑さを避け説明を容易にするため、図2(a)における種結晶基板110と固定用部材211との位置関係は、図1とは異なっている。
現在の技術では、反りのない完全に平面状のc面を有する窒化物結晶を得ることは困難であり、種結晶基板110のc面120は、主面130に対して下方(ベースプレート200側)に凸状の反りを有する。これに起因して、隣り合う種結晶基板110、例えば種結晶基板110a、110bにおいて、種結晶基板110aが種結晶基板110bに当接する縁部のc軸方向121aと、種結晶基板110bが種結晶基板110aに当接する縁部のc軸方向121bとは、反りの大きさに応じた所定の角度をなしてずれている。種結晶基板110a、110b以外の、他の隣り合う種結晶基板110同士についても、同様にして、c軸方向のずれが存在している。
次に、さらに図2(b)を参照し、集合種結晶基板100上に結晶膜(窒化物結晶膜)140を成長させる工程について説明する。
図2(b)は、集合種結晶基板100上に結晶膜140が形成された状態を示す概略断面図である。
図2(a)に示したようにベースプレート200上に配置された集合種結晶基板100は、結晶成長装置内に搬入され、サセプタ上に水平な姿勢で保持される。結晶成長装置としては、例えば、ハイドライド気相成長(HVPE)装置が用いられる。集合種結晶基板100を、成膜温度、例えば、1000℃から1100℃程度まで昇温させ、原料ガスとして、例えば、塩化ガリウム(GaCl)ガスおよびアンモニア(NH)ガスを供給することで、集合種結晶基板100上に結晶膜140を成長させる。なお、結晶膜140の膜厚均一性を高めるために、サセプタを回転させた状態で、結晶膜140を成長させることが好ましい。
集合種結晶基板100は、図2(a)に示したような状態から昇温される。昇温時には、各種結晶基板110が熱膨張して、集合種結晶基板100が外周側方向へ熱膨張する。ただし、隣り合う種結晶基板110は側面が互いに当接して配置されているものの、側面は実際には完全な平面ではなく、側面同士の間には(接触部があっても)ある程度の隙間が存在する。昇温時の熱膨張は、この隙間が狭まる程度のものであり、集合種結晶基板100の外周側方向への熱膨張は過度ではなく、集合種結晶基板100に押されて固定用部材211のベースプレート200に対する接着が外れてしまうほどではない。つまり、固定用部材211により種結晶基板110の面内方向位置が規制された状態は、昇温を行っても維持される。
このように、固定用部材211を用いることで、集合種結晶基板100を結晶成長装置内に搬入する際に生じる衝撃や、集合種結晶基板100を回転させる際に生じる振動等により、各種結晶基板110が面内方向にずれることを抑制し、隣り合う種結晶基板110が適切に当接した状態で、結晶膜140の成長を開始させることができる。
各種結晶基板110は、ベースプレート200に対して非接着で配置されているため、主面130が傾斜する方向(傾斜方向)への動きが許容される(厚さ方向への動きが許容される、ということもできる)。このため、隣り合う種結晶基板110、例えば種結晶基板110a、110bは、それらのc軸方向121a、121bのずれを低減させるように、少なくとも一方が(本例では種結晶基板110aが)傾斜方向に自発的に動くことができる。種結晶基板110aが傾斜方向に自発的に動くことで、隣り合う種結晶基板110a、110bのc軸方向121a、121bが一致するように、つまり、種結晶基板110aのc面120と種結晶基板110bのc面120とが同一球面上に配置されるようにして、種結晶基板110a、110b上に結晶膜140を成長させることができる。なお、図2(b)等において、図示を容易にするために傾斜角度を誇張して示している。
これにより、隣り合う種結晶基板110a、110bの当接部上で、種結晶基板110a上から種結晶基板110b上に亘って連続的なc面が形成されるように結晶膜140を成長させることができ、結晶膜140の表面に凹凸(後述の比較形態におけるV溝)が形成されてしまうことを抑制できる。
種結晶基板110a、110b以外の、他の隣り合う種結晶基板110同士についても、同様にして、結晶膜140を成長させることができ、集合種結晶基板100の全面に亘って一体的に成長した結晶膜140を得ることができる。
図2(a)および図2(b)に示す例では、集合種結晶基板100の中心に配置された種結晶基板110bを挟んで、集合種結晶基板100の外周側に、種結晶基板110aと種結晶基板110cとが対称的に配置されている。このため、種結晶基板110bを中心として、種結晶基板110aと種結晶基板110cとが対称的に、傾斜方向へ動く例となっている。種結晶基板110a、110cは、それぞれ、種結晶基板110a、110cの外周側部分が中心側部分に対して高くなるように、傾斜方向へ動く。
集合種結晶基板100を構成する種結晶基板110ごとの、c面の曲率半径のばらつきを小さくすることで、すべての隣り合う種結晶基板110に関して、連続的なc面が形成されるよう結晶膜140を成長させることができる。
種結晶基板110の傾斜方向への動きを少なく抑え、また、形成される結晶膜140の平坦性を高める(反りを小さくする)ために、集合種結晶基板100を構成する種結晶基板110の平均的なc面の曲率半径は、大きいほど好ましい。つまり、集合種結晶基板100を構成する種結晶基板110は、低反りの基板であるほど好ましい。集合種結晶基板100を構成する種結晶基板110の平均的なc面の曲率半径は、例えば、10m以上であることが好ましく、20m以上であることがより好ましい。
以上説明したように、固定用部材211(位置規制部210)を用いることにより、種結晶基板110の面内方向位置を規制した状態で、結晶膜140の成長を開始させることができる。つまり、隣り合う種結晶基板110が適切に当接して位置ずれが抑制された状態で、結晶膜140の成長を開始させることができる。
そして、種結晶基板110が非接着で配置されて傾斜方向への動きが許容されていることにより、隣り合う種結晶基板110の当接部上で連続的なc面が形成されて凹凸(V溝)形成が抑制されるように、結晶膜140を成長させることができる。つまり、集合種結晶基板100の全面に亘って連続的なc面を有するとともに表面の凹凸(V溝)が抑制されているという高い品質を有し、大径、大面積の結晶膜140を得ることができる。
ここで、図10〜図11(b)を参照して、比較形態による窒化物結晶基板の製造方法について説明する。
図10および図11(a)は、それぞれ、ベースプレート400上に配置された集合種結晶基板300を示す概略平面図および概略断面図である。図11(b)は、集合種結晶基板300上に結晶膜340が形成された状態を示す概略断面図である。
第1実施形態と異なる点は、すべての種結晶基板310が接着剤420によりベースプレート400に接着されていることである。このため、すべての種結晶基板310は、面内方向位置が規制されているとともに、傾斜方向への動きが規制されている。
したがって、比較形態では、図11(b)に示すように、結晶膜340の成長時に種結晶基板310が傾斜方向に動くことができず、隣り合う種結晶基板310、例えば種結晶基板310a、310bのc軸方向321a、321bがずれたままで、結晶膜340が成長する。この結果、隣り合う種結晶基板310の当接部上で、c面が不連続的な結晶膜340が成長し、結晶膜340の表面にV溝(凹凸)が形成されてしまう。
再び図1〜図2(b)を参照して、第1実施形態についてさらに説明を進める。
上述のように、隣り合う種結晶基板110に亘って結晶膜140が成長することで、集合種結晶基板100の全面上に一体的に成長した結晶膜140が得られる。つまり、結晶膜140を介して、隣り合う種結晶基板110は(集合種結晶基板100は)一体的に接合される。したがって、結晶膜140の成長が開始した後は、隣り合う種結晶基板110の位置ずれは生じなくなり、固定用部材211による面内方向位置の規制は不要となる。
固定用部材211は、固定用部材211上にも結晶膜140が形成することで、固定用部材211が当接している種結晶基板110、例えば種結晶基板110aと固着する。このため、種結晶基板110a上への結晶膜140の成長に伴い、種結晶基板110aが傾斜方向に動く際、固定用部材211には、上方(ベースプレート200と反対側)に持ち上げられるような力が働く。そして、この力によって、接着剤220を介し固定用部材211が接着されたベースプレート200の表層202が剥離して(犠牲層となって)、固定用部材211がベースプレート200から外れる(分離される)。なお、接着剤220を介してベースプレート200の表層202に接着された部材が、表層202が剥離することでベースプレート200から外れることを、当該部材の「接着が外れる」と呼ぶこととする。
このように、固定用部材211がベースプレート200から外れると、種結晶基板110の面内方向位置を規制する機能が失われるが、結晶膜140の成長が開始した後は、面内方向位置は規制されなくてもよいので、問題は特に生じない。また、結晶膜140の成長開始後に固定用部材211がベースプレート200から外れることが可能な構成とすることで、固定用部材211が当接する種結晶基板110の傾斜方向への動きが阻害されにくく、高品質な結晶膜140を得ることが容易になる。種結晶基板110の傾斜方向への動きが阻害されにくくするために、固定用部材211の配置箇所、つまり接着部の箇所は、少ない方が好ましい。
固定用部材211をベースプレート200から外すために要する力は、つまり、表層202を剥離するために要する力は、剥離される表層202が広いほど、つまり、接着剤220の配置された面積(接着面積)が広いほど、大きくなる。したがって、接着剤220の接着面積を調整することで、結晶膜140の成長の開始時には、固定用部材211がベースプレート200に接着されており(固定用部材211により種結晶基板110の面内方向位置が規制された状態が維持されており)、結晶膜140の成長開始後には、固定用部材211がベースプレート200から外れることが可能となるように、固定用部材211のベースプレート200からの外れやすさを、適当に調整することができる。
なお、種結晶基板110の反りが非常に小さい場合、固定用部材211の接着が結晶膜140の成長時に上方に外れない場合もあり得る。このような場合、結晶膜140の成長後の降温時、集合種結晶基板100および結晶膜140の積層体(窒化物結晶積層体)150が熱収縮する際に、固定用部材211が中心側に向け側方に移動することで、表層202が剥離して、固定用部材211の接着が外れることもあり得る。また、結晶膜140の成長後の降温が終了しても、固定用部材211の接着が外れていない場合もあり得る。このような場合、積層体150を固定用部材211とともにベースプレート200から引き剥すことで、固定用部材211の接着を外すことができる(つまり、積層体150をベースプレート200から外して自立させることができる)。
集合種結晶基板100の全面に亘るように形成された結晶膜140上に、さらに結晶膜を成長させることで、所望の厚さの結晶膜140を得ることができる。一体的に接合された集合種結晶基板100を、つまり積層体150を、自立させられる(独立して洗浄等の処理に供することができる)強度を有する厚さに達した結晶膜140を、接合用薄膜141と呼ぶこととする。接合用薄膜141の厚さは、例えば350μm以上である。
所望の厚さに成長された厚膜の結晶膜140をスライスすることで、窒化物結晶基板を得ることができる。以下、さらに図3(a)および図3(b)を参照して、窒化物結晶基板を得る方法のいくつかを例示的に説明する。
図3(a)は、1つ目の方法を示す概略断面図である。図2(b)に示した状態から、同じ結晶成長装置(例えばHVPE装置)をそのまま使用して、結晶膜140をより厚く成長させ、厚膜となった結晶膜140をスライスすることで、窒化物結晶基板160を得ることができる。
図3(b)は、2つ目の方法を示す概略断面図である。図2(b)に示したように結晶膜140(接合用薄膜141)を成長させた後、結晶成長装置から、ベースプレート200と、集合種結晶基板100および接合用薄膜141の積層体150とを搬出する。集合種結晶基板100および接合用薄膜141の積層体150を、結晶成長用基板151と呼ぶことがある。
結晶成長装置から搬出した時点の結晶成長用基板151は、外周に固定用部材211が固着している。結晶成長用基板151から固定用部材211を取り外し、必要な洗浄処理等を行った後、他の結晶成長装置、例えば、アモノサーマル法による結晶成長装置に、結晶成長用基板151を搬入し、接合用薄膜141上にさらに結晶膜を成長させ、厚膜となった結晶膜140をスライスすることで、窒化物結晶基板160を得ることができる。
<第1実施形態の第1変形例>
次に、図4(a)および図4(b)を参照し、第1実施形態の第1変形例による窒化物結晶基板の製造方法について説明する。
図4(a)は、ベースプレート200上に配置された集合種結晶基板100を示す概略平面図である。図4(b)は、集合種結晶基板100上に結晶膜140が形成された状態を示す概略断面図である。
上述の第1実施形態では、位置規制部210として、種結晶基板110とは別体に用意された固定用部材211を用い、集合種結晶基100を構成するすべての種結晶基板110が非接着で配置される例について説明した。
第1変形例では、位置規制部210として、集合種結晶基板100の外周端部に配置された種結晶基板110であって、ベースプレート200の表層202に接着された固定用種結晶基板212が用いられる。また、位置規制部210として固定用種結晶基板212を用いることに伴い、集合種結晶基100を構成する種結晶基板110のうち、固定用種結晶基板212の他の種結晶基板110が、非接着で配置されている。
固定用種結晶基板212として、好ましくは、集合種結晶基板100の外周縁である円周に沿って並んだ種結晶基板110において、1つおきに配置された扇形状の種結晶基板112が用いられる。
扇形状の種結晶基板112を、接着して配置すること、つまり、面内方向位置が規制された状態で配置することで、他の種結晶基板110(113、111)は、非接着で配置されていても、上述の第1実施形態で説明したように、面内方向位置が規制された状態となる。
固定用種結晶基板212は、ベースプレート200に接着された位置規制部210として構成されているが、一方、集合種結晶基板100の一部を構成しているため、結晶膜140の成長時には接着が外れて(ベースプレート200の表層202が剥離して)、傾斜方向に動けるようになることが好ましい。
固定用種結晶基板212をベースプレート200に接着する接着剤220の接着面積を調整することで、結晶膜140の成長の開始時には、固定用種結晶基板212がベースプレート200に接着されており(固定用種結晶基板212により他の種結晶基板110の面内方向位置が規制された状態が維持されており)、結晶膜140の成長開始に伴い、固定用種結晶基板212がベースプレート200から外れることが可能となるように、固定用種結晶基板212のベースプレート200からの外れやすさを、適当に調整することができる。なお、接着剤220としては、上述の第1実施形態と同様なものを用いることができる。
位置規制部210として固定用種結晶基板212を、つまり、種結晶基板110を用いることで、位置規制部210のために種結晶基板110と別体の部材を用意しなくて済む。
固定用種結晶基板212として扇形状の種結晶基板112を用いることは、非接着で配置された他の種結晶基板110の面内方向位置を規制するために要する固定用種結晶基板212の配置箇所、つまり接着部の箇所を少なくできるため、好ましい。固定用種結晶基板212の傾斜方向への動きが阻害されにくくするために、固定用種結晶基板212の配置箇所、つまり接着部の箇所は、少ない方が好ましい。
第1変形例によっても、上述の第1実施形態と同様に、固定用種結晶基板212(位置規制部210)により種結晶基板110の面内方向位置を規制した状態で、結晶膜140の成長を開始させることができる。
そして、固定用種結晶基板212の他の種結晶基板110は非接着で配置され、固定用種結晶基板212は結晶膜140の成長開始に伴い接着が外れることで、傾斜方向への動きが許容されていることにより、隣り合う種結晶基板110の当接部上で連続的なc面が形成されて凹凸(V溝)形成が抑制されるように、結晶膜140を成長させることができる。
<第1実施形態の第2変形例>
次に、図5を参照し、第1実施形態の第2変形例による窒化物結晶基板の製造方法について説明する。
図5は、ベースプレート200上に配置された、第2変形例による集合種結晶基板100を示す概略平面図である。
図5に示す例は、集合種結晶基板100のパターンの他の例である。つまり、図5は、正六角形状の種結晶基板110が平面上に充填された構造を、所定の種結晶基板110(111)の中心を中心とする円形状に切り取ったパターンであって、集合種結晶基板100の外周縁である円周に沿って並んだ種結晶基板110において、1つおきに扇形状の種結晶基板110(112)が配置されるように構成されたパターンの、他の例を示すものである。なおここで「扇形状」とは、中心角を画定する2辺を円弧状の曲線で繋いだ形状をいい、中心角を画定する2辺の長さが等しくないものも含む。
このように、集合種結晶基板100のパターンは、図1に示したパターンに限定されず、例えば、図5に示す第2変形例のようなパターンであってもよい。例えば、第1実施形態に適用する場合、第2変形例のパターンでの扇形状の種結晶基板112に当接するように、固定用部材211を配置することができる。また例えば、第1実施形態の第1変形例に適用する場合、第2変形例のパターンでの扇形状の種結晶基板112を、固定用種結晶基板212として用いることができる。
<第1実施形態の第3変形例>
次に、図6(a)および図6(b)を参照し、第1実施形態の第3変形例による窒化物結晶基板の製造方法について説明する。
図6(a)は、ベースプレート200上に配置された集合種結晶基板100を示す概略断面図である。図6(b)は、集合種結晶基板100上に結晶膜140が形成された状態を示す概略断面図である。
上述のように、種結晶基板110の傾斜方向への動きが許容されることで、隣り合う種結晶基板110のc軸方向のずれを低減させて、結晶膜140を成長させることができる。上述の第1実施形態では、図2(b)に示したように、種結晶基板110a等の外周側部分が、高さの変わらない中心側部分に対して持ち上がるように、傾斜方向への動きが生じている。つまり、傾斜方向への動きは、上方のみへの動きとなっている。
第3変形例は、傾斜方向に動く種結晶基板110の下方に、傾斜方向への動きを容易にするスペーサ230を設けた変形例である。以下、詳しく説明する。
図6(a)および図6(b)に示すように、スペーサ230は、ベースプレート200上に、ベースプレート200と種結晶基板110との間に介在するように設けられており、スペーサ230上に、種結晶基板110が非接着で配置される。集合種結晶基板100がベースプレート200上に構成された時点では、スペーサ230上に配置された種結晶基板110a等は、(傾斜方向に動く前の)水平な姿勢で配置されている。
スペーサ230は、傾斜方向への動きに関し傾斜が最も大きい方向、つまり、集合種結晶基板100の中心側と外周側とを結ぶ方向について、傾斜方向に動く種結晶基板110a等よりも幅狭の部材として構成されている。スペーサ230の幅、高さ、平面形状や、面内での配置の位置、向き等は、その上に配置される種結晶基板110a等の傾斜後の姿勢に合わせるように、適宜調整することができる。
スペーサ230が上述のような幅狭の部材として構成されていることで、その上に配置された種結晶基板110a等は、中心側部分が下方に落ち込むことで外周側部分が持ち上がるように、傾斜方向へ動くことができるようになる。つまり、傾斜方向への動きとして、重力を利用した下方への動きを利用することができるようになり、結晶膜140の成長時における種結晶基板110a等の傾斜方向への自発的な動きを、ベースプレート200上にスペーサ230を介在せずに種結晶基板110a等が配置された場合と比べて、起こりやすくすることができる。
<本発明の第2実施形態>
次に、図7(a)および図7(b)を参照し、第2実施形態による窒化物結晶基板の製造方法について説明する。
図7(a)は、ベースプレート200上に配置された集合種結晶基板100を示す概略断面図である。図7(b)は、集合種結晶基板100上に結晶膜140が形成された状態を示す概略断面図である。
第1実施形態とその第1変形例および第3変形例で説明した例では、集合種結晶基板100がベースプレート200上に構成された時点においては、各種結晶基板110が水平な姿勢で配置されている。つまり、隣り合う種結晶基板110は、c軸方向同士のずれが大きい状態で配置されている。
一方、結晶膜140の成長後は、各種結晶基板110が(必要に応じて)傾斜方向に動いたことで、各種結晶基板110のc面は、同一球面上に配置されている。
第2実施形態は、結晶膜140の成長後の、各種結晶基板110のc面が同一球面上に配置された状態に予め近づけるように、集合種結晶基板100を構成することで、種結晶基板110の自発的な傾斜方向への動きが少なくて済むようにした実施形態である。以下、詳しく説明する。
図7(a)および図7(b)に示すように、第2実施形態におけるベースプレート200は、載置面201が、下方に凸状の球面状の曲面を有している。載置面201の曲面の曲率半径を、種結晶基板110のc面の曲率半径に近い値とすることで、各種結晶基板110をベースプレート200上に配置した際に、各種結晶基板110のc面が同一球面上に配置された状態に近づけて、集合種結晶基板100を構成することができる。つまり、結晶膜140の成長時における種結晶基板110の自発的な傾斜方向への動きが少なくて済むようにできる。
第2実施形態におけるベースプレート200の、仮想的な水平面203から上方に突き出して、載置面201を構成している部分を、傾斜支持用部材213と呼ぶこととする。第2実施形態におけるベースプレート200は、水平面203以下の部分を構成する基台部材204上に、傾斜支持用部材213を設けた構造と捉えることができる。
傾斜支持用部材213は、集合種結晶基板100の(少なくとも)外周端部に配置された種結晶基板110a等を、外周側ほど高くなるよう傾斜した姿勢で支持する。傾斜支持用部材213は、上述のように各種結晶基板110のc面を同一球面上に配置された状態に近づける働きを持つとともに、以下に説明するように、位置規制部210としての働きも持ち、位置規制部210として傾斜支持用部材213を用いることに伴い、集合種結晶基100を構成するすべての種結晶基板110が、ベースプレート200に対して非接着で配置されている。
傾斜支持用部材213が、集合種結晶基板100の(少なくとも)外周端部に配置された種結晶基板110a等を外周側ほど高くなるよう傾斜した姿勢で支持することで、傾斜した姿勢で配置された種結晶基板110a等には、重力により、載置面201に沿って集合種結晶基板100の中心側へ引き付けられる力が掛かる。これにより、傾斜した姿勢で配置された種結晶基板110a等、および、種結晶基板110a等と直接的または間接的に当接し中心側に配置された他の種結晶基板110は、非接着で配置されていても、外周側方向への移動が規制されて、面内方向位置が規制された状態となる。このように、傾斜支持用部材213は、位置規制部210としても働く。
第2実施形態では、傾斜支持用部材213が、つまり、種結晶基板110を載置するベースプレート200自体が、位置規制部210となっている。これにより、位置規制部210を構成するために、第1実施形態およびその第1変形例で説明したような、接着剤220の使用せずに済む。
また、接着剤220を使用しないことで、ベースプレート200の表層202を剥離させて位置規制部210の接着が外れるようにしなくてもよい。このため、第2実施形態では、ベースプレート200を構成する材料の選択の自由度が高くなる。第2実施形態におけるベースプレート200を構成する材料としては、例えば、焼結炭化ケイ素(SiC)、SiCコートグラファイト、パイロリティックグラファイト等を用いることができる。ベースプレート200の載置面201を形成するための加工としては、公知の機械加工等を適宜用いることができる。
なお、図7(a)および図7(b)には、傾斜支持用部材213として球面状の曲面を例示しているが、傾斜支持用部材213は他の形状で構成してもよい。例えば、曲面でなく階段状の面としてもよい。また例えば、第1実施形態の第3変形例で説明したスペーサ230を、傾斜支持用部材213として利用してもよい。つまり、スペーサ230上に、予め傾斜させた姿勢で種結晶基板110を配置するようにしてもよい。
なお、第1実施形態では、厚膜の結晶膜140をスライスすることで窒化物結晶基板を得る工程まで説明したが、第1実施形態の第1変形例、第3変形例、および、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、結晶膜140を所望の厚さの厚膜に成長させ、厚膜の結晶膜140をスライスすることで、窒化物結晶基板を得ることができる。
なお、第1実施形態の第2変形例において、第2変形例による集合種結晶基板100のパターンを、第1実施形態やその第1変形例に適用する場合について説明したが、第2変形例による集合種結晶基板100のパターンは、第1実施形態の第3変形例や、第2実施形態に適用してもよい。
なお、上述の実施形態および変形例で説明した窒化物結晶基板の製造方法は、窒化物結晶膜の製造方法と捉えることもできる。
以上、実施形態および変形例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
以下、図8(a)〜図9(c)を参照して、第1実施形態に沿って窒化物結晶膜を成長させた実験について説明する。
図8(a)および図8(b)は、それぞれ、ベースプレート上に載置された集合種結晶基板の結晶成長前および結晶成長後の写真である。GaNからなりc面の曲率半径が20mである低反りの種結晶基板を用いて、直径が125mmの円形状の集合種結晶基板を構成した。ベースプレートとしては、載置面がパイロリティックグラファイトで構成されたものを用いた。集合種結晶基板の外周端部に配置された扇形状の種結晶基板の各々に当接するように、GaN端材からなる固定用部材を配置した。固定用部材は、アロンセラミックC剤を用いてベースプレート上に接着した。HVPE装置により、1050℃で3時間の成長を行って、厚さ1mmのGaN結晶膜を形成した。
図9(a)は、結晶膜の成長後に、ベースプレートから取り外され、固定用部材が取り外された集合種結晶基板の写真、つまり、集合種結晶基板上に形成された結晶膜の写真である。得られた結晶膜の表面は、全面に亘って平坦性が高く鏡面状に形成されていることがわかる。
図9(b)は、隣り合う種結晶基板の当接部上に成長した結晶膜の微分干渉像である。図9(b)の微分干渉像から、当接部上の結晶膜が、高い平坦性で(鏡面状に)形成されていることがわかる。
図9(c)は、隣り合う種結晶基板の当接部上に成長した結晶膜のX線ロッキングカーブの測定結果を示すグラフである。隣り合う種結晶基板の当接部上で、一方の種結晶基板上から他方の種結晶基板上に亘って、ピーク角度が連続的に変化していることがわかる。つまり、隣り合う種結晶基板の当接部上で、連続的なc面が形成されるように結晶膜が成長していることがわかる。
このように、本実験によれば、集合種結晶基板の全面に亘って連続的なc面を有するとともに表面の凹凸が抑制されているという高い品質を有し、大径、大面積の結晶膜を得ることができることがわかった。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
窒化物結晶からなり主面がc面である複数の種結晶基板を、隣り合う前記種結晶基板の側面が互いに当接するようにベースプレート上に並べて配置することで、集合種結晶基板を構成する第1工程と、
前記集合種結晶基板上に結晶膜を成長させる第2工程と、
を有し、
前記第1工程では、前記種結晶基板の面内方向位置を規制する位置規制部によって前記種結晶基板の面内方向位置が規制された状態で前記種結晶基板が前記ベースプレート上に配置され、少なくとも1つの前記種結晶基板が前記ベースプレートに対して非接着で配置される
窒化物結晶基板の製造方法(窒化物結晶膜の製造方法)。
(付記2)
前記位置規制部として、前記集合種結晶基板の外周端面に当接するように前記ベースプレート上に配置され、前記ベースプレートの表層に接着された固定用部材を用い、
前記ベースプレートを構成する材料は、前記表層が剥離することで、接着された前記固定用部材が前記ベースプレートから分離される材料である
付記1に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
(付記3)
前記固定用部材は、前記集合種結晶基板の外周端部に配置された第1の種結晶基板に当接する第1の固定用部材と、前記集合種結晶基板の外周端部に配置された第2の種結晶基板に当接する第2の固定用部材とを含み、
前記第1の種結晶基板と前記第2の種結晶基板とは、前記第1の種結晶基板と前記第2の種結晶基板との間に、前記固定用部材が当接しない種結晶基板を挟むように、前記集合種結晶基板の外周縁に沿って配置されており、
当該前記固定用部材が当接しない種結晶基板は、前記第1の固定用部材により前記集合種結晶基板の外周側方向への移動が規制された第1の種結晶基板と、前記第2の固定用部材により前記集合種結晶基板の外周側方向への移動が規制された第2の種結晶基板とに係止されることで、前記外周側方向への移動が規制される
付記2に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
(付記4)
前記第1工程において、前記集合種結晶基板は、正六角形状の種結晶基板が平面上に充填された構造を、所定の正六角形状の種結晶基板の中心を中心とした円形状に切り取ったパターンで構成され、
前記パターンは、前記集合種結晶基板の外周縁である円周に沿って並んだ種結晶基板において、1つおきに扇形状の種結晶基板が配置されたパターンであり、
前記第1の種結晶基板および前記第2の種結晶基板は、前記扇形状の種結晶基板により構成されている
付記3に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
(付記5)
前記位置規制部として、前記集合種結晶基板の外周端部に配置された種結晶基板であって、前記ベースプレートの表層に接着された固定用種結晶基板を用い、
前記ベースプレートを構成する材料は、前記表層が剥離することで、接着された前記固定用種結晶基板が前記ベースプレートから分離される材料である
付記1に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
(付記6)
前記固定用種結晶基板は、第1の固定用種結晶基板と第2の固定用種結晶基板とを含み、
前記第1の固定用種結晶基板と前記第2の固定用種結晶基板とは、前記第1の固定用種結晶基板と前記第2の固定用種結晶基板との間に、前記ベースプレートに対して非接着で配置された種結晶基板を挟むように、前記集合種結晶基板の外周縁に沿って配置されており、
当該非接着で配置された種結晶基板は、前記第1の固定用種結晶基板と前記第2の固定用種結晶基板とに係止されることで、前記集合種結晶基板の外周側方向への移動が規制される
付記5に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
(付記7)
前記第1工程において、前記集合種結晶基板は、正六角形状の種結晶基板が平面上に充填された構造を、ある正六角形状の種結晶基板の中心を中心とした円形状に切り取ったパターンで構成され、
前記パターンは、前記集合種結晶基板の外周縁である円周に沿って並んだ種結晶基板において、1つおきに扇形状の種結晶基板が配置されたパターンであり、
前記第1の固定用種結晶基板および前記第2の固定用種結晶基板は、前記扇形状の種結晶基板により構成されている
付記6に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
(付記8)
前記ベースプレート上に、前記ベースプレートと前記種結晶基板との間に介在し、その上に前記種結晶基板が非接着で配置されるスペーサが設けられており、
前記スペーサは、前記ベースプレート上に前記スペーサを介在せずに前記種結晶基板が配置された場合と比べて、前記第2工程において、前記種結晶基板を傾斜する方向に動きやすくする
付記1〜7のいずれか1つに記載の窒化物結晶基板の製造方法。
(付記9)
前記位置規制部として、前記集合種結晶基板の外周端部に配置された種結晶基板を、外周側ほど高くなるよう傾斜した姿勢で支持する傾斜支持用部材を用いる
付記1〜8のいずれか1つに記載の窒化物結晶基板の製造方法。
(付記10)
前記複数の種結晶基板の各々は、前記c面の曲率半径が20m以上である低反りの基板である
付記1〜9のいずれか1つに記載の窒化物結晶基板の製造方法。
(付記11)
窒化物結晶からなり主面がc面である複数の種結晶基板を、隣り合う前記種結晶基板の側面が互いに当接するように並べて配置することで構成された集合種結晶基板と、
前記集合種結晶基板上に成長した結晶膜と、
を有し、
前記結晶膜は、隣り合う前記種結晶基板の当接部上で、連続的なc面が形成されるように成長している
窒化物結晶積層体。
100 集合種結晶基板
110、110a、110b、110c、111、112、113 種結晶基板
120 c面
121a、121b c軸方向
130 主面
140 結晶膜
150 窒化物結晶積層体
160 窒化物結晶基板
200 ベースプレート
201 載置面
202 (ベースプレートの)表層
210 位置規制部
211 固定用部材
212 固定用種結晶基板
213 傾斜支持用部材
220 接着剤
230 スペーサ

Claims (9)

  1. 窒化物結晶からなり主面がc面である複数の種結晶基板を、隣り合う前記種結晶基板の側面が互いに当接するようにベースプレート上に並べて配置することで、集合種結晶基板を構成する第1工程と、
    前記集合種結晶基板上に結晶膜を成長させる第2工程と、
    を有し、
    前記第1工程では、前記種結晶基板の面内方向位置を規制する位置規制部によって前記種結晶基板の面内方向位置が規制された状態で前記種結晶基板が前記ベースプレート上に配置され、少なくとも1つの前記種結晶基板が前記ベースプレートに対して非接着で配置され、
    前記位置規制部として、前記集合種結晶基板の外周端面に当接するように前記ベースプレート上に配置され、前記ベースプレートの表層に接着された固定用部材を用い、
    前記ベースプレートを構成する材料は、前記表層が剥離することで、接着された前記固定用部材が前記ベースプレートから分離される材料である
    窒化物結晶基板の製造方法。
  2. 前記固定用部材は、前記集合種結晶基板の外周端部に配置された第1の種結晶基板に当接する第1の固定用部材と、前記集合種結晶基板の外周端部に配置された第2の種結晶基板に当接する第2の固定用部材とを含み、
    前記第1の種結晶基板と前記第2の種結晶基板とは、前記第1の種結晶基板と前記第2の種結晶基板との間に、前記固定用部材が当接しない種結晶基板を挟むように、前記集合種結晶基板の外周縁に沿って配置されており、
    当該前記固定用部材が当接しない種結晶基板は、前記第1の固定用部材により前記集合種結晶基板の外周側方向への移動が規制された第1の種結晶基板と、前記第2の固定用部材により前記集合種結晶基板の外周側方向への移動が規制された第2の種結晶基板とに係止されることで、前記外周側方向への移動が規制される
    請求項1に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
  3. 前記第1工程において、前記集合種結晶基板は、正六角形状の種結晶基板が平面上に充填された構造を、所定の正六角形状の種結晶基板の中心を中心とした円形状に切り取ったパターンで構成され、
    前記パターンは、前記集合種結晶基板の外周縁である円周に沿って並んだ種結晶基板において、1つおきに扇形状の種結晶基板が配置されたパターンであり、
    前記第1の種結晶基板および前記第2の種結晶基板は、前記扇形状の種結晶基板により構成されている
    請求項2に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
  4. 窒化物結晶からなり主面がc面である複数の種結晶基板を、隣り合う前記種結晶基板の側面が互いに当接するようにベースプレート上に並べて配置することで、集合種結晶基板を構成する第1工程と、
    前記集合種結晶基板上に結晶膜を成長させる第2工程と、
    を有し、
    前記第1工程では、前記種結晶基板の面内方向位置を規制する位置規制部によって前記種結晶基板の面内方向位置が規制された状態で前記種結晶基板が前記ベースプレート上に配置され、少なくとも1つの前記種結晶基板が前記ベースプレートに対して非接着で配置され、
    前記位置規制部として、前記集合種結晶基板の外周端部に配置された種結晶基板であって、前記ベースプレートの表層に接着された固定用種結晶基板を用い、
    前記ベースプレートを構成する材料は、前記表層が剥離することで、接着された前記固定用種結晶基板が前記ベースプレートから分離される材料である
    化物結晶基板の製造方法。
  5. 前記固定用種結晶基板は、第1の固定用種結晶基板と第2の固定用種結晶基板とを含み、
    前記第1の固定用種結晶基板と前記第2の固定用種結晶基板とは、前記第1の固定用種結晶基板と前記第2の固定用種結晶基板との間に、前記ベースプレートに対して非接着で配置された種結晶基板を挟むように、前記集合種結晶基板の外周縁に沿って配置されており、
    当該非接着で配置された種結晶基板は、前記第1の固定用種結晶基板と前記第2の固定用種結晶基板とに係止されることで、前記集合種結晶基板の外周側方向への移動が規制される
    請求項4に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
  6. 前記第1工程において、前記集合種結晶基板は、正六角形状の種結晶基板が平面上に充填された構造を、ある正六角形状の種結晶基板の中心を中心とした円形状に切り取ったパターンで構成され、
    前記パターンは、前記集合種結晶基板の外周縁である円周に沿って並んだ種結晶基板において、1つおきに扇形状の種結晶基板が配置されたパターンであり、
    前記第1の固定用種結晶基板および前記第2の固定用種結晶基板は、前記扇形状の種結晶基板により構成されている
    請求項5に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
  7. 窒化物結晶からなり主面がc面である複数の種結晶基板を、隣り合う前記種結晶基板の側面が互いに当接するようにベースプレート上に並べて配置することで、集合種結晶基板を構成する第1工程と、
    前記集合種結晶基板上に結晶膜を成長させる第2工程と、
    を有し、
    前記第1工程では、前記種結晶基板の面内方向位置を規制する位置規制部によって前記種結晶基板の面内方向位置が規制された状態で前記種結晶基板が前記ベースプレート上に配置され、少なくとも1つの前記種結晶基板が前記ベースプレートに対して非接着で配置され、
    前記ベースプレート上に、前記ベースプレートと前記種結晶基板との間に介在し、その上に前記種結晶基板が非接着で配置されるスペーサが設けられており、
    前記スペーサは、前記ベースプレート上に前記スペーサを介在せずに前記種結晶基板が配置された場合と比べて、前記第2工程において、前記種結晶基板を傾斜する方向に動きやすくする
    窒化物結晶基板の製造方法。
  8. 窒化物結晶からなり主面がc面である複数の種結晶基板を、隣り合う前記種結晶基板の側面が互いに当接するようにベースプレート上に並べて配置することで、集合種結晶基板を構成する第1工程と、
    前記集合種結晶基板上に結晶膜を成長させる第2工程と、
    を有し、
    前記第1工程では、前記種結晶基板の面内方向位置を規制する位置規制部によって前記種結晶基板の面内方向位置が規制された状態で前記種結晶基板が前記ベースプレート上に配置され、少なくとも1つの前記種結晶基板が前記ベースプレートに対して非接着で配置され、
    前記位置規制部として、前記集合種結晶基板の外周端部に配置された種結晶基板を、外周側ほど高くなるよう傾斜した姿勢で支持する傾斜支持用部材を用いる
    窒化物結晶基板の製造方法。
  9. 前記複数の種結晶基板の各々は、前記c面の曲率半径が20m以上である低反りの基板である
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の窒化物結晶基板の製造方法。
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