JP6733854B1 - スライディングノズル装置の制御方法及び鋳片の製造方法 - Google Patents

スライディングノズル装置の制御方法及び鋳片の製造方法 Download PDF

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Abstract

取鍋での溶鋼の再注出時において不開孔の発生を抑制することができる、スライディングノズル装置の制御方法及び鋳片の製造方法を提供する。取鍋(1)に溶鋼(4)が収容された状態において、摺動プレート(32)を開位置にし、第1ノズル孔(311)及び第2ノズル孔(321)を介して取鍋(1)から溶鋼(4)の一部を注出した後、摺動プレート(32)を閉位置に移動させ、第1ノズル孔(311)を介してガス吹込み孔(322)から不活性ガスを取鍋(1)内の溶鋼(4)に吹込む、ガス吹込み工程と、ガス吹込み工程の後、摺動プレート(32)を開位置にし、第1ノズル孔(311)及び第2ノズル孔(321)を介して取鍋(1)から溶鋼(4)を注出する、再注出工程と、を備え、ガス吹込み工程では、不活性ガスの吹込み量を3.9Nm3/(min・m2)以上26.0Nm3/(min・m2)以下とする。

Description

本発明は、スライディングノズル装置の制御方法及び鋳片の製造方法に関する。
製鉄所の製鋼工程において用いられる、タンディッシュや取鍋等の溶鋼(溶湯)保持容器には、その底部にスライディングノズル装置を設置しているものがある。取鍋の底部に設けられるスライディングノズル装置は、鋳込み等の溶鋼の注出開始までの間、一般に、ノズル孔内に溶鋼が侵入・凝固して不開孔状態になるのを防ぐための詰砂が充填されている。この詰砂は、高清浄度鋼の鋳造において清浄度低下の原因となるため、詰砂を一度排出してから鋳造を行う操業方法が行われる場合がある。このような操業方法では、取鍋を詰砂排出位置に配した状態で、スライディングノズル装置を開いて、詰砂と溶鋼の一部とを取鍋から注出する。次いで、スライディングノズル装置を閉じて、溶鋼の注出を停止させる。さらに、取鍋を鋳造が行われる鋳造位置に配して、スライディングノズル装置を開くことで、溶鋼を取鍋から注出して、タンディッシュや鋳型へと溶鋼を移注する。そして、移注された溶鋼が凝固することで、所定の断面形状の鋳片が製造される。
このような鋳片の製造方法では、一度溶鋼を注出した後にスライディングノズル装置を閉めると、詰砂が充填されていない状態で、ノズル孔に溶鋼が残留することとなる。そして、再びスライディングノズル装置を開く場合には、時としてスライディングノズル装置のノズル孔に残った溶鋼の少なくとも一部が凝固するために、スライディングノズル装置を開いても、溶鋼が注出されない(自然開孔しない)ことがある。なお、このように自然開孔しない現象のことを、不開孔ともいう。不開孔が発生した場合には、酸素ガスの吹付けにより強制開孔処理を実施する酸素洗浄が必要となる。しかし、酸素洗浄を行うと、溶鋼中の金属の酸化反応により介在物生成の問題が発生することがある。また、酸素洗浄を行っても開孔せずに、鋳造中止となることもある。
スライディングノズル装置における不開孔を防止する技術として、例えば、特許文献1には、タンディッシュのスライディングノズル装置での初期開孔において、プレートを間欠動作させ、さらにこのプレートからノズル孔内にガス吹込み(以下、「ガスバブリング」ともいう。)を行うことが開示されている。
特開平7−80611号公報
ところで、特許文献1に記載の技術は、タンディッシュのスライディングノズル装置での初期開孔における技術であり、取鍋のスライディングノズル装置の再注出時におけるものではない。また、特許文献1では、ガスバブリングの時間が短いことが好ましいとされているが、取鍋においてこの時間でガスバブリングを行っても、不開孔が一定の頻度で不可避的に発生していた。
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、取鍋での溶鋼の再注出時において不開孔の発生を抑制することができる、スライディングノズル装置の制御方法及び鋳片の製造方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様によれば、溶鋼を収容した取鍋から、上記取鍋に設けられたスライディングノズル装置を介して上記溶鋼を注出する、スライディングノズル装置の制御方法であって、上記スライディングノズル装置は、上記取鍋の底部に固定された上ノズルの下面に設けられ、第1ノズル孔を有する上プレートと、上記上プレートの下面に設けられ、第2ノズル孔を有する摺動プレートとを有し、上記摺動プレートは、上記第2ノズル孔の少なくとも一部が上記第1ノズル孔に重畳する開位置から、上記第2ノズル孔が上記第1ノズル孔に重畳せず、上記摺動プレートによって上記第1ノズル孔が塞がれた閉位置までを、上記上プレートの下面を摺動することで移動可能に構成され、上記閉位置において、上記第1ノズル孔に不活性ガスを吹込む、ガス吹込み孔をさらに有し、上記取鍋に上記溶鋼が収容された状態において、上記摺動プレートを上記開位置にし、上記第1ノズル孔及び上記第2ノズル孔を介して上記取鍋から上記溶鋼の一部を注出する注出工程と、上記注出工程の後、上記摺動プレートを上記閉位置に移動させ、上記第1ノズル孔を介して上記ガス吹込み孔から上記不活性ガスを上記取鍋内の上記溶鋼に吹込む、ガス吹込み工程と、上記ガス吹込み工程の後、上記摺動プレートを上記開位置にし、上記第1ノズル孔及び上記第2ノズル孔を介して上記取鍋から上記溶鋼を注出する、再注出工程と、を備え、上記ガス吹込み工程では、上記不活性ガスを上記上ノズルのノズル孔断面積あたり及び単位時間あたりに吹込む体積である、上記不活性ガスの吹込み流量を3.9Nm/(min・m)以上26.0Nm/(min・m)以下とする、スライディングノズル装置の制御方法が提供される。
本発明の一態様によれば、溶鋼を収容した取鍋から、上記取鍋に設けられたスライディングノズル装置を介して上記溶鋼を注出し、注出した上記溶鋼を鋳造する、鋳片の製造方法において、上記に記載のスライディングノズル装置の制御方法を用い、上記再注出工程で注出された上記溶鋼を鋳造する、鋳片の製造方法が提供される。
本発明の一態様によれば、上記の課題に着目してなされたものであり、取鍋での溶鋼の再注出時において不開孔の発生を抑制することができる、スライディングノズル装置の制御方法及び鋳片の製造方法が提供される。
閉状態としたスライディングノズル装置を示す断面図である。 開状態としたスライディングノズル装置を示す断面図である。 吹込み工程にておいて、吹込み時間が短い場合を示す模式図である。 吹込み工程にておいて、吹込み時間が長い場合を示す模式図である。 閉状態とした、変形例のスライディングノズル装置を示す断面図である。 開状態とした、変形例のスライディングノズル装置を示す断面図である。 実施例の均一混合時間の計算結果を示すグラフである。 実施例及び比較例の開孔成功率の結果を示すグラフである。
以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するように、本発明の実施形態を例示して多くの特定の細部について説明する。しかしながら、かかる特定の細部の説明がなくても1つ以上の実施態様が実施できることは明らかである。また、図面は、簡潔にするために、周知の構造及び装置が略図で示されている。
図1〜図4を参照して、本発明の一実施形態に係るスライディングノズル装置3の制御方法及び鋳片の製造方法について説明する。本実施形態に係る鋳片の製造方法では、図1及び図2に示す取鍋1に収容された溶鋼4を連続鋳造する鋳造設備である連続鋳造設備における製造方法が対象となる。
取鍋1は、溶鋼4及びスラグ5を収容する溶鋼保持容器である。取鍋1に収容される溶鋼4は、予め所定の成分及び温度に精錬処理されたものである。また、本実施形態においては、溶鋼4の鋼種として、軸受鋼等の高清浄度鋼を対象とすることが好ましい。取鍋1には、上ノズル2と、スライディングノズル装置3とが設けられる。
上ノズル2は、取鍋1の底部に固定される耐火物製のノズルである。
スライディングノズル装置3は、上ノズル2の下面に設けられるノズル機構であり、上プレート31と、摺動プレート32と、下部ノズル33とを有する。
上プレート31は、耐火物製のプレートであり、プレート面内で鉛直方向である上下方向(図1〜図4の上下方向)に開孔する円形の第1ノズル孔311を有する。上プレート31は、取鍋1の底部下面に固定されて設けられ、上下方向から視て、上ノズル2の円形の孔と第1ノズル孔311とが、同心状となるように重畳して設けられる。なお、上ノズル2の孔径は、第1ノズル孔311の孔径と略同じ大きさであり、後述する第2ノズル孔321及び下部ノズル33の孔径とも略同じ大きさである。
摺動プレート32は、耐火物製のプレートであり、プレート面内で上下方向に開孔する円形の第2ノズル孔321と、ガス吹込み孔322とを有する。摺動プレート32は、上プレート31の下面に設けられ、上プレート31の下面を摺動することで水平方向である左右方向(図1〜図4の左右方向)に移動可能に構成される。なお、摺動プレート32の摺動動作は、シリンダー等の不図示の摺動機構によって行われる。
ガス吹込み孔322は、第2ノズル孔321から摺動プレート32の摺動方向に所定の距離だけ離間した位置に設けられる。ガス吹込み孔322は、一端が摺動プレート32の上面に開口し、他端が不図示のガス供給装置に接続される。このようなガス吹込み孔322では、ガス供給装置からArガスが供給されることで、ガス吹込み孔322の一端が形成された摺動プレート32の上面から噴射される。なお、ガス吹込み孔322は、溶鋼4が内部に侵入しにくく、Arガスを噴射可能なものであればよく、形状は特に限定されない。例えば、ガス吹込み孔322は、スリット状やポーラス状等の形状であってもよい。
さらに、本実施形態では、図1に示すように、上下方向から視てガス吹込み孔322が第1ノズル孔311に重畳し、摺動プレート32によって第1ノズル孔311が塞がされる摺動プレート32の位置を閉位置とする。また、図2に示すように、上下方向から視て第2ノズル孔321の少なくとも一部が第1ノズル孔311に重畳する摺動プレート32の位置を開位置とする。なお、摺動プレート32が閉位置となる状態をスライディングノズル装置3が閉状態であるとし、摺動プレート32が開位置となる状態をスライディングノズル装置3が開状態であるとする。つまり、摺動プレート32は、上プレート31の下面を摺動することで、少なくとも開位置から閉位置までを移動可能に構成される。
さらに、摺動プレート32は、開位置において摺動方向に移動することで、第2ノズル孔321と第1ノズル孔311とが重畳する領域である重ね代を調整することができる。このように重ね代を調整することで、溶鋼4をスライディングノズル装置3から注出する際の時間当たりの注出量を調整することができる。このとき、摺動プレート32を閉位置から開位置の方へと移動させていき、第2ノズル孔321と第1ノズル孔311とが重畳し始める位置から完全に重畳する(同心状となる)位置までの位置が開位置の範囲となり、この範囲内で注出量の調整が行われる。
下部ノズル33は、耐火物製のノズルである。下部ノズル33は、摺動プレート32の下面であり、上下方向から視て、下部ノズル33の円形の孔と第2ノズル孔321とが同心状に重畳する位置に固定されて設けられる。
なお、鋳造が開始される前の、精錬処理が終了した段階においては、スライディングノズル装置3は閉状態となっており、図1に示すように、取鍋1の上ノズル2及び第1ノズル孔311の内部には詰砂6が入った状態となる。詰砂6は、取鍋1の初期の開口時における、開口不良を防止するためのものであり、上ノズル2及び第1ノズル孔311内での溶鋼4の凝固を防止する。
本実施形態では、鋳造を開始する前に、詰砂6を排出する注出工程を行う。注出工程では、精錬処理が終了した取鍋1を詰砂排出位置に配した状態で、摺動プレート32を開位置に移動させてスライディングノズル装置3を開状態とすることで、詰砂6を全て排出する。この際、詰砂6と共に溶鋼4の一部も注出される。注出工程では、詰砂6が取鍋1から全て排出され、かつ注出された溶鋼の顕熱でスライディングノズル装置3が温められばよい。スライディングノズル装置3を温めることにより、後述する再注出工程においてスライディングノズル装置3内で溶鋼が凝固することを抑えられる。一方、これらの条件を満たす限りであれば、歩留まりの観点から、溶鋼4の注出量はできるだけ少なくすることが好ましい。従って、取鍋1から溶鋼の一部を注出する時間である注出時間は、5秒以上13秒以内とすることが望ましい。注出時間を5秒以上とすると、再注出工程においてスライディングノズル装置3内で溶鋼が凝固しない程度にスライディングノズル装置3が温められる。一方、注出時間が13秒を超えると、注出される溶鋼が多くなり過ぎ、例えば溶鋼に対する鋳片の歩留まりが99%未満になるなど、歩留まりの低下が無視できなくなる。
注出工程の後、摺動プレート32を閉位置に移動させてスライディングノズル装置3を閉状態とし、ガス吹込み孔322からArガスを吹込む(ガスバブリングを行う)、ガス吹込み工程が行われる。ガス吹込み工程では、ガス吹込み孔322から取鍋1内の溶鋼4にArガスを所定時間以上吹込む。なお、Arガスを吹込む時間を吹込み時間またはバブリング時間ともいう。ガス吹込み孔322から吹込まれたArガスは、第1ノズル孔311及び上ノズル2を介して取鍋1の内部へと上昇移動し、取鍋1に収容される溶鋼4を攪拌する。
このとき、Arガスの単位時間あたりに吹き込まれる体積である吹込み流量は、上ノズルのノズル孔断面積あたり3.9Nm/(min・m)以上26.0Nm/(min・m)以下とする。例えば、上ノズル2のノズル径が70mmの場合、上ノズル2のノズル孔断面積は3.8×10−3となるので、上ノズル2から吹き込まれる単位時間あたりのArガスの流量は、15NL/min以上100NL/min以下の範囲となる。Arガスの吹込み流量が3.9Nm/(min・m)未満の場合、詰砂が排出された後のスライディングノズル装置3内に溶鋼4が流入して凝固しやすくなる。一方、Arガスの吹込み流量が、26.0Nm/(min・m)を超える場合、スライディングノズル装置3内に吹き込まれるArガスの流速が速くなるため、Arガスに随伴して生じるスライディングノズル装置3近傍の溶鋼流動が乱流渦を伴うものとなる。この場合、乱流渦に隣接した領域に溶鋼流動のよどみ部が形成され、この部分の溶鋼4が凝固しやすくなる。
なお、上述したように、上ノズルのノズル孔断面積あたりのArガスの吹込み流量を好適範囲内とした上で、上ノズルのノズル孔断面積によらず単位時間あたりのArガスの流量を15NL/min以上100NL/min以下とすることが好ましく、15NL/min以上50NL/min以下の範囲とすることがさらに好ましい。Arガスの流量が15NL/min未満の場合、攪拌力が小さすぎるために、吹込み時間を長くしなければならず、生産性の低下や溶鋼温度を補償するために製造コストの増加を招く可能性がある。一方、Arガスの流量が50NL/min超の場合、第1ノズル孔311及び上ノズル2が冷却されることで、第1ノズル孔311及び上ノズル2の温度が低下し、第1ノズル孔311及び上ノズル2内で溶鋼4が凝固して付着してしまう可能性がある。さらに、Arガスの流量が100NL/min超の場合、浴面の搖動が大きくなり、Arガスの吹込みと共に、取鍋1を詰砂排出位置から連続鋳造が行われる鋳造位置まで移動する作業が危険になる。また、スラグの巻き込みなどにより溶鋼4の清浄性を悪化させる懸念もある。なお、以下では、スライディングノズル装置3を開状態にして溶鋼4を注出した後に、一時的に閉状態にして溶鋼4の注出を停止し、さらに開状態にして溶鋼4の注出を再開することを、再注出ともいう。
ガス吹込み工程において吹込み時間は、Arガスの攪拌による取鍋1内の溶鋼4の均一混合時間t(s)の1/4以上とする。均一混合時間tは、Arガスによる攪拌動力ε(W/T)と、取鍋1内の溶鋼4についての浴形状とから求められる計算値である。本実施形態では、一例として、攪拌動力εとして、下記(1)式で求められる値を用いる。なお、(1)式において、εは攪拌動力(W/T)、VはArガスの吹込み流量(Nm/min)、Tは溶鋼4の温度(K)、Wは溶鋼4の重量(t)、hは吹込み深さ(浴深さ)(m)、Pは雰囲気圧力(Pa)、Tは標準状態温度(K)をそれぞれ示す。
Figure 0006733854
また、本実施形態では、一例として、均一混合時間tとして、下記(2)式で求められる計算値を用いる。なお、(2)式において、hは浴深さ(m)、dは浴直径(m)をそれぞれ示す。(2)式で求められる均一混合時間tは、図1及び図2に示す取鍋1を有底円筒状の形状として模して算出するものである。つまり、浴深さhは取鍋1に収容された溶鋼4の鉛直方向の深さを示し、浴直径dは溶鋼4が収容された領域における円錐台状の取鍋1の内径の平均値を示す。
Figure 0006733854
ここで、一般的には、スライディングノズル装置3を有する取鍋1で再注出を行う際に、スライディングノズル装置3を閉状態として注入を中断した状態でガスバブリングを行う場合、吹込み時間が短い方が溶鋼の凝固量を抑えられ、不開孔が防止できると考えられてきた。例えば、引用文献1には、タンディッシュのスライディングノズル装置において、ガスバブリング時間を長くすると溶鋼凝固につながることが記載されている。
しかし、本発明者らが、取鍋1のスライディングノズル装置3について、吹込み時間と不開孔との関係を調査した結果、吹込み時間が均一混合時間tの1/4未満と短い場合において不開孔が発生する確率が上昇することが知見された。これは、以下の現象が原因であると推定される。取鍋1でのガスバブリングでは、図3に示すように、吹込み時間が短いと溶鋼4の攪拌が十分に行われず、取鍋1の上部と底部とで溶鋼4に大きな温度勾配が生じる。このため、上ノズル2内や第1ノズル孔311内の温度が低くなり、溶鋼4の凝固が進行する可能性が高くなることから、不開孔が発生する確率が高くなる。一方、図4に示すように、吹込み時間が長いと溶鋼4の攪拌が十分に行われるため、取鍋1の上部と底部で溶鋼4の温度が均一化される。このため、上ノズル2内や第1ノズル孔311内の温度が高くなり、溶鋼4の凝固が抑制されることから、不開孔の発生が抑制される。このような不開孔の発生抑制の効果を得るためには、吹込み時間を均一混合時間t以上とすることが重要となる。一方、吹込み時間は、過剰に長すぎると溶鋼4の全体の温度が低下するため好ましくない。このため、吹込み時間の上限は、均一混合時間の2/5以下とすることが好ましい。なお、本実施形態では、ガス吹込み工程にて(1)式及び(2)式を用いて均一混合時間tを算出することを必須とするものではなく、Arガスの吹込みをする際に結果として吹込み時間が均一混時間tの1/4以上となっていればよい。
また、ガス吹込み工程では、Arガスの吹込みと共に、取鍋1を詰砂排出位置から連続鋳造が行われる鋳造位置まで移動する。
ガス吹込み工程の後、取鍋1から溶鋼4を注出する、再注出工程を行う。再注出工程では、取鍋1を鋳造位置とした状態で、摺動プレート32を開位置に移動させてスライディングノズル装置3を開状態とすることで、上ノズル2、第1ノズル孔311、第2ノズル孔321及び下部ノズル33を介して取鍋1から溶鋼4を注出する。そして、注出された溶鋼4を連続鋳造する。注出された溶鋼4の連続鋳造方法は、一般的な方法を用いることができる。例えば、下部ノズル33にロングノズルを接続して、このロングノズルを介して注出された溶鋼4をタンディッシュに移注し、さらに、タンディッシュから鋳型(モールド)へと注入することで鋳造が行われる。以上のように、本実施形態では、スライディングノズル装置3について、上述の注出工程、吹込み工程及び再注出工程で説明した制御を行う。そして、この制御方法にてスライディングノズル装置3を制御して連続鋳造を行うことで、鋳型に応じた所定の断面形状の鋳片が製造される。
<変形例>
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態とともに種々の変形例を含む本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲に記載された発明の実施形態には、本明細書に記載したこれらの変形例を単独または組み合わせて含む実施形態も網羅すると解すべきである。
例えば、上記実施形態では、スライディングノズル装置3が上プレート31及び摺動プレート32の2枚のプレートを有する2層式のものであるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、スライディングノズル装置3を図5及び図6に示す3層式のものにしてもよい。図5及び図6に示すスライディングノズル装置3は、上プレート31と、摺動プレート32と、下プレート34と、下部ノズル33とを有する。上プレート31、摺動プレート32及び下部ノズル33は、上記実施形態のものと同様である。下プレート34は、耐火物製のプレートであり、プレート面内で上下方向に開孔する円形の第3ノズル孔341を有する。下プレート34は、摺動プレート32の下面に、上プレート31に対して固定されて設けられ、上下方向から視て第1ノズル孔311と第3ノズル孔341とが、同心状となるように重畳して設けられる。つまり、図5及び図6に示すスライディングノズル装置3において、摺動プレート32は、上プレート31と下プレート34とに挟まれて設けられ、上プレート31と下プレート34との間を摺動する。なお、下部ノズル33は、下プレート34の下面であり、上下方向から視て、下部ノズル33の円形の孔と第3ノズル孔341とが同心状に重畳する位置に固定されて設けられる。また、図5に示すように、第1ノズル孔311と第3ノズル孔341との間にガス吹込み孔322が配した状態が、スライディングノズル装置3が閉状態となるものであり、図6に示すように、第1ノズル孔311と第3ノズル孔341との間に第2ノズル孔321が配した状態が、スライディングノズル装置3が開状態となるものである。さらに、スライディングノズル装置3は、上記の変形例だけでなく、取鍋1に設けられるスライディングノズル装置3であり、閉状態においてガスバブリングが可能なものであれば、特に限定されない。
また、上記実施形態では、連続鋳造設備において再注出を行う際について説明をしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、鋳片の製造設備は、連続鋳造設備ではなく、インゴットを鋳造する造塊鋳造設備であってもよい。また、鋳片の製造設備の違いに関わらず、再注出の動作として、注出工程において詰砂6を排出することを目的とした注出ではなく、通常の鋳造を目的として溶鋼4の注出が行われてもよい。例えば、造塊鋳造設備においては、複数の注入管に溶鋼4を移注することがあるため、溶鋼4を移注する注入管を変更する際に、再注出の動作が行われることがある。また、連続鋳造設備においても、設備等のトラブルから一時的に鋳造を中断することがあり、この場合に再注出の動作が行われることがある。これらの場合においても、上記実施形態と同様に、再注出をする際に、吹込み工程を行うことで、再注出工程での不開孔の発生を抑制することができる。さらに、このような鋳造の中断時における不開孔の発生を抑制する目的の場合には、溶鋼4の鋼種は高清浄度鋼に限定されず、どのような鋼種の溶鋼4においても好適に用いることができる。
さらに、上記実施形態では、均一混合時間tとして、(1)式及び(2)式から算出される時間を用いるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。均一混合時間tは、溶鋼4の成分濃度が最終値のまわりのある範囲内に漸近するのに要する時間であり、精錬分野において一般的に定義されるものでよい。このため、(1)式及び(2)式以外の算出式から算出される時間が、均一混合時間tとして用いられてもよい。例えば、(2)式の代わりに、実際の取鍋1の形状により近いモデルを対象とした均一混合時間の算出式が用いられてもよい。
さらに、上記実施形態では、吹込み工程において吹込むガスをArガスとしたが、本発明はかかる例に限定されない。吹込み工程において吹込まれるガスは、不活性ガスであればよく、Arガス以外のガスが用いられてもよい。
<実施形態の効果>
(1)本発明の一態様に係るスライディングノズル装置3の制御方法は、溶鋼4を収容した取鍋1から、取鍋1に設けられたスライディングノズル装置3を介して溶鋼4を注出する、スライディングノズル装置3の制御方法であって、スライディングノズル装置3は、取鍋1の底部に固定された上ノズル2の下面に設けられ、第1ノズル孔311を有する上プレート31と、上プレート31の下面に設けられ、第2ノズル孔321を有する摺動プレート32とを有し、摺動プレート32は、第2ノズル孔321の少なくとも一部が第1ノズル孔311に重畳する開位置から、第2ノズル孔321が第1ノズル孔311に重畳せず、摺動プレート32によって第1ノズル孔311が塞がれた閉位置までを、上プレート31の下面を摺動することで移動可能に構成され、閉位置において、第1ノズル孔311に不活性ガスを吹込む、ガス吹込み孔322をさらに有し、取鍋1に溶鋼4が収容された状態において、摺動プレート32を開位置にし、第1ノズル孔311及び第2ノズル孔321を介して取鍋1から溶鋼4の一部を注出する注出工程と、注出工程の後、摺動プレート32を閉位置に移動させ、第1ノズル孔311を介してガス吹込み孔322から不活性ガスを取鍋1内の溶鋼4に吹込む、ガス吹込み工程と、ガス吹込み工程の後、摺動プレート32を開位置にし、第1ノズル孔311及び第2ノズル孔321を介して取鍋1から溶鋼4を注出する、再注出工程と、を備え、ガス吹込み工程では、不活性ガスを上ノズル2のノズル孔断面積あたり及び単位時間あたりに吹込む体積である、前記不活性ガスの吹込み流量を3.9Nm/(min・m)以上26.0Nm/(min・m)以下とする。
上記(1)の構成によれば、不活性ガスの吹込みによってスライディングノズル装置3内への溶鋼4の流入およびスライディングノズル装置3内近傍の溶鋼流動のよどみを抑制することができ、スライディングノズル装置3内での溶鋼4の凝固を抑制することができる。これにより、取鍋1での溶鋼4の再注出時(再注出工程)において、不開孔の発生を抑制することができる。
(2)上記(1)の構成において、ガス吹込み工程では、不可性ガスを吹込む時間である吹込み時間を、不活性ガスの攪拌による取鍋1内の溶鋼4の均一混合時間の1/4以上とする。
上記(2)の構成によれば、不活性ガスの攪拌によって取鍋1内の溶鋼4の温度を均一にすることができ、スライディングノズル装置3内での溶鋼4の凝固を抑制することができる。これにより、取鍋1での溶鋼4の再注出時(再注出工程)において、不開孔の発生をさらに抑制することができる。
(3)上記(2)の構成において、ガス吹込み工程では、吹込み時間を、(1)式の攪拌動力ε(W/T)を用いた(2)式から求められる均一混合時間t(s)の1/4以上とする。
上記(3)の構成によれば、簡易かつ精度の高い計算モデルで均一混合時間を算出することができ、簡易な計算方法で吹込み時間を算出することができる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの構成において、注出工程では、取鍋2から溶鋼2の一部を注出する時間である注出時間を、5秒以上13秒以下とする。
上記(4)の構成によれば、注出される溶鋼4の顕熱によってスライディングノズル装置3を温めるに必要な溶鋼4の注出量が与えられ、スライディングノズル装置3内での溶鋼4の凝固を抑制することができる。これにより、溶鋼歩留まりの大幅な低下を伴わず、取鍋1での溶鋼4の再注出時(再注出工程)において、不開孔の発生をさらに抑制することができる。
(5)本発明の一態様に係る鋳片の製造方法は、溶鋼4を収容した取鍋1から、取鍋1に設けられたスライディングノズル装置3を介して溶鋼4を注出し、注出した溶鋼4を鋳造する、鋳片の製造方法において、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のスライディングノズル装置3の制御方法を用い、再注出工程で注出された溶鋼4を鋳造する。
上記(5)の構成によれば、上記(1)〜(4)の構成と同様な効果を得ることができる。特に、上記実施形態の注出工程において詰砂6の注出を必要とする鋼種である、高清浄度鋼を鋳造する場合には、鋳造製品の品質及び鋳造歩留りを向上することができる。
次に、本発明者らが行った実施例1について説明する。実施例では、上記実施形態に係る鋳片の製造方法を用いて鋳造を行い、再注出工程における開孔の成功率である、再開孔成功率を調査した。
実施例1では、溶鋼4の充填量が190tで、上ノズル2のノズル径が70mm(ノズル断面積3.8×10−3)の取鍋1を用いて調査を行なった。
実施例1では、注出工程において、摺動プレート32を7秒間開位置にし、詰砂及び溶鋼を注出した。その後、摺動プレート32を閉位置に戻すとともに、第1ノズル孔311を介してガス吹込み孔322からArガスを取鍋1内の溶鋼4に吹込んだ。Arガスの流量は30.0NL/min(7.8Nm/(min・m))とした。
一方、比較として、注出工程において、摺動プレート32を3秒間開位置にして、詰砂及び溶鋼を注出した後、摺動プレート32を閉位置に戻し、第1ノズル孔311を介してガス吹込み孔322から30.0NL/minのArガスを取鍋1内の溶鋼4に吹込んだ場合について調査を行った(比較例1−1)。また、摺動プレート32を7秒間開位置にして、詰砂及び溶鋼を注出した後、摺動プレート32を閉位置に戻し、第1ノズル孔311を介してガス吹込み孔322から10.0NL/minのArガスを取鍋1内の溶鋼4に吹込んだ場合についても調査を行った(比較例1−2)。さらに、注出工程において、摺動プレート32を14秒間開位置にして、詰砂及び溶鋼を注出した後、摺動プレート32を閉位置に戻し、第1ノズル孔311を介してガス吹込み孔322から30.0NL/minのArガスを取鍋1内の溶鋼4に吹込んだ場合についても調査を行った(比較例1−3)。
調査の結果、実施例1の条件では再注出工程において問題なく開孔できたが、比較例1−1,1−2では不開孔が生じた。比較例1−1,1−2の取鍋については、酸素洗浄による強制開孔処理を行わず、取鍋中の溶鋼を転炉用の装入鍋に移し替えることにより空鍋とした。冷却後、スライディングノズル装置3の調査を行なったところ、比較例1−1,1−2の取鍋は、ともに上ノズル内が凝固した鋼で閉塞していた。また、比較例1−3の条件では再注出工程において開孔はできたが、注出前の溶鋼量に対して実際に鋳造した溶鋼量が、実施例1の条件では99.5%であったのに対し、比較例1−3の条件では98.9%に低下した。
実施例2では、調査に先立ち、実機の条件における均一混合時間を算出した。算出の条件としては、溶鋼4の温度Tを1827(K)、溶鋼4の重量Wを190t、吹込み深さ(浴深さ)hを2.29m、雰囲気圧力Pを0.1MPa、標準状態温度Tを300K、浴直径dを3.375mとした。計算結果を図7に示す。図7に示すように、実機の条件であるArガスの吹込み流量が30.0NL/minの場合、均一混合時間の1/4は61.0sであることが確認できた。
そして、実施例2では、上記の結果から、均一混合時間の1/4を61.0sとして溶鋼の連続鋳造を行い、再開孔成功率を調査した。なお、実施例2では、均一混合時間の1/4を算出した条件と同じ条件で溶鋼4の連続鋳造を行い、吹込み工程では30.0NL/minの吹込み流量でArガスの吹込みを行った。また、実施例2では、比較として、吹込み時間が均一混合時間の1/4未満となる61.0s未満の条件でも連続鋳造を行い、再開孔成功率を調査した(比較例2)。
図8に、実施例2及び比較例2における再開孔成功率の結果を示す。図8に示すように、吹込み時間が61.0s未満の比較例2の場合、再開孔率が75.0%(開孔成功回数12回/鋳造実施回数16回)と低位であった。これに対して、吹込み時間が61.0s以上の実施例2の場合、再開孔率が93.8%(開孔成功回数30回/鋳造実施回数32回)と再開孔率が大幅に向上することが確認できた。
1 取鍋
2 上ノズル
3 スライディングノズル装置
31 上プレート
311 第1ノズル孔
32 摺動プレート
321 第2ノズル孔
322 ガス吹込み孔
33 下部ノズル
34 下プレート
341 第3ノズル孔
4 溶鋼
5 スラグ
6 詰砂

Claims (5)

  1. 溶鋼を収容した取鍋から、前記取鍋に設けられたスライディングノズル装置を介して前記溶鋼を注出する、スライディングノズル装置の制御方法であって、
    前記スライディングノズル装置は、前記取鍋の底部に固定された上ノズルの下面に設けられ、第1ノズル孔を有する上プレートと、前記上プレートの下面に設けられ、第2ノズル孔を有する摺動プレートとを有し、
    前記摺動プレートは、前記第2ノズル孔の少なくとも一部が前記第1ノズル孔に重畳する開位置から、前記第2ノズル孔が前記第1ノズル孔に重畳せず、前記摺動プレートによって前記第1ノズル孔が塞がれた閉位置までを、前記上プレートの下面を摺動することで移動可能に構成され、前記閉位置において、前記第1ノズル孔に不活性ガスを吹込む、ガス吹込み孔をさらに有し、
    前記取鍋に前記溶鋼が収容された状態において、前記摺動プレートを前記開位置にし、前記第1ノズル孔及び前記第2ノズル孔を介して前記取鍋から前記溶鋼の一部を注出する抽出工程と、
    前記抽出工程の後、前記摺動プレートを前記閉位置に移動させ、前記第1ノズル孔を介して前記ガス吹込み孔から前記不活性ガスを前記取鍋内の前記溶鋼に吹込む、ガス吹込み工程と、
    前記ガス吹込み工程の後、前記摺動プレートを前記開位置にし、前記第1ノズル孔及び前記第2ノズル孔を介して前記取鍋から前記溶鋼を注出する、再注出工程と、
    を備え、
    前記ガス吹込み工程では、前記不活性ガスを前記上ノズルのノズル孔断面積あたり及び単位時間あたりに吹込む体積である、前記不活性ガスの吹込み流量を3.9Nm/(min・m)以上26.0Nm/(min・m)以下とする、スライディングノズル装置の制御方法。
  2. 前記ガス吹込み工程では、前記不活性ガスを吹込む時間である吹込み時間を、前記不活性ガスの攪拌による前記取鍋内の前記溶鋼の均一混合時間の1/4以上とする、請求項1に記載のスライディングノズル装置の制御方法。
  3. 前記ガス吹込み工程では、前記吹込み時間を、(1)式の攪拌動力ε(W/T)を用いた(2)式から求められる均一混合時間t(s)の1/4以上とする、請求項2に記載のスライディングノズル装置の制御方法。
    Figure 0006733854
    ε:攪拌動力(W/T)
    :不活性ガスの吹込み流量(Nm/min)
    :溶鋼の温度(K)
    W:溶鋼の重量(t)
    :雰囲気圧力(Pa)
    :標準状態温度(K)
    :浴深さ(m)
    :浴直径(m)
  4. 前記注出工程では、前記取鍋から前記溶鋼の一部を注出する時間である注出時間を、5秒以上13秒以下とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスライディングノズル装置の制御方法。
  5. 溶鋼を収容した取鍋から、前記取鍋に設けられたスライディングノズル装置を介して前記溶鋼を注出し、注出した前記溶鋼を鋳造する、鋳片の製造方法において、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のスライディングノズル装置の制御方法を用い、前記再注出工程で注出された前記溶鋼を鋳造する、鋳片の製造方法。
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