JP2012020333A - 汚染源のタンディッシュへの混入を防止する連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鋼の連続鋳造において、予めスライディングノズル内の詰め物および初期溶鋼をタンディッシュ外で捨湯し、開いた注湯孔の溶鋼凝固による閉塞を防いで、取鍋をタンディッシュに移して溶鋼をタンディッシュへ注湯する方法を提供する。
【解決手段】 タンディッシュ8外で取鍋2のスライディングプレート4の注湯孔を開いて取鍋底部の注湯孔2aの詰め物2bと初期溶鋼をタンディッシュ8外の捨湯ポット9に捨湯し、スライディングプレート4を閉め、スライディングプレート4の上プレート5を通じて上部のスライディングノズル3の注湯孔から取鍋底部の注湯孔2aに不活性ガスを吹き込み、溶鋼凝固による注湯孔の閉塞の防止し、この取鍋2をタンディッシュ8の注湯位置へ移してロングノズル3aをタンディッシュ8内に装着し、上プレート5の注湯孔5aと下プレート6の注湯孔6aを連通してタンディッシュ8へ注湯を開始する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、鋼の連続鋳造において、取鍋のロングノズルからなるスライディングノズルを開口して、このスライディングノズルを通じて取鍋からタンディッシュへ溶鋼を注入する際に、取鍋のスライディングノズルの珪砂あるいは珪砂とクロム酸化物などからなる詰め物がタンディッシュ内へ流入する事態を無くして、タンディッシュ内を断気した状態として取鍋から溶鋼をタンディッシュへ注入する方法に関する。
鋼の連続鋳造においては、取鍋で精錬や成分調整や温度調整が最終的に行われた溶鋼が、タンディッシュ内へ注入され、さらにタンディッシュから連続鋳造用の鋳型へ溶鋼が注湯されて連続鋳造される。ここで重要なことは、連続鋳造よりも前の段階において、溶鋼が高清浄度化されて酸化物系非金属介在物の微小化および酸化物系非金属介在物量の極少化が図られていたとしても、連続鋳造の段階で、溶鋼が空気に接触したり、溶鋼内に酸素源となる物質が混入したりする等により、新たな非金属介在物を発生させる汚染があってはならないということである。
取鍋からタンディッシュへの溶鋼の注入時に用いられる取鍋のスライディングノズルの粒状非焼結性詰め物については、この粒状非焼結性詰め物にCa系合金を添加することで、粒状非焼結性詰め物を溶鋼から分離浮上し易くすることによって、溶鋼の汚染を防止しようとする方法が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、これはあくまでも、「分離浮上し易くする」ということであって、完全分離浮上を実現できるものではない。ストークスの法則によると、粒子の浮上終末速度Vsは、
Vs=Dp2(ρp−ρf)g/18η……(1)
ここで、Dpは粒子径
と表される。この式によると、粒子径が小さくなれば小さくなるほど十分な浮上速度が得られなくなることがわかっている。つまり、タンディッシュ内に入った介在物はCaによって形態制御がなされようとも、その形態制御された粒子のサイズやタンディッシュ内における溶鋼の滞留時間によって、浮上分離の効果がほとんど期待出来ない可能性があることを意味している。なお、この滞留時間は各連続鋳造設備におけるタンディッシュのサイズや単位時間当たりの鋳造量によっても異なる。
ところで、タンディッシュ内に捨湯ポットを設置し、注湯開始時に取鍋のスライディングノズルから出てくる詰め物および初期溶鋼を、一旦その捨湯ポット内に受け入れ、その捨湯ポットをタンディッシュ外へ取り除いた後に、注湯を再開するという方法が紹介されている(例えば特許文献1参照。)。確かに、この方法は、上記の特許文献1に記載した、粒状非焼結性詰め物の完全浮上分離を実現できないというような問題点がなく、汚染防止を可能とする方法である。しかし、それはあくまでも、その通りに事態が進んだ場合においてのみであって、通常は致命的な問題が存在する。というのも、本来、スライディングノズルとして特許文献1のロングノズルを使用する際に、ノズル内に詰め物を用いる目的は、スライディングノズルのプレートを開けたときに、注湯を開始を問題なく出来るものとするためである。したがって、一旦プレートを閉めてしまうと、再度スライディングノズルのプレートを開けたときには、すでにプレート近辺で溶鋼が凝固しており、このために注湯不可能になることが多い。その場合、注湯を再開する手段として、スライディングノズルのプレートの部分に酸素を入れて酸水素炎ガスなどで加熱し、凝固した鋼を溶かす以外にはない。この結果、酸素で汚染された溶鋼がタンディッシュに注入されるという事態に到り、このことは汚染されていない溶鋼を注入しようとすることと本末転倒である。
また、スライディングノズルを一旦閉めた後スライディングノズルのプレートを再び開けたときに、スライディングノズルから注湯できるかどうかは、再びスライディングノズルのプレートを開けるまでに経過した時間や、スライディングノズル近辺の温度に大きく依存する。例えば、スライディングノズルの耐火物を一式ごと交換した取鍋を使用する場合、耐火物自身の持つ熱量は相当に少ない。しかし、このような取鍋を用いて注湯を開始し、タンディッシュ内に設置した捨湯ポットに初期の湯を注湯し、この注湯の開始後から5秒間でこの捨湯ポットをタンディッシュ外へ出した後、スライディングノズルのプレートを閉じ、さらにその15秒後に、このプレートを開けた場合には、時間がかかり過ぎているので、溶鋼はスライディングノズルからほぼ間違いなく出て来ない。従って、このような事態を防ぐためには、捨湯ポットをタンディッシュ外へ出し再びスライディングノズルのプレートを開けるという作業を10秒前後で行わなければならない。しかし、このように短時間でこの全ての作業を完了することは、あまりにも非現実的である。要するに、この急速に作業をする方法が一定の条件下で行われる限りにおいては、奏功すると思われる。しかし、このようなことは通常では採用出来ない場面が頻繁に存在する。また、場合によっては、タンディッシュ内に設置している捨湯ポットから湯が溢れてしまって汚染された湯がタンディッシュ内の溶鋼に混ざってしまう可能性を有する。
特開昭61−279355号公報 特開2007−326116号公報
発明が解決しようとする課題は、鋼の連続鋳造において、取鍋のロングノズルからなるスライディングノズルを開口して、このスライディングノズルを通じて取鍋からタンディッシュへ溶鋼を注入する際に、予めスライディングノズル内の詰め物および初期溶鋼をタンディッシュ外でスライディングノズルから捨湯し、捨湯により注湯孔の開いたスライディングノズルの上プレートにおける溶鋼が凝固することを阻止した状態に維持して取鍋をタンディッシュに移動し、そのままの状態で取鍋のスライディングノズルから溶鋼をタンディッシュへ注湯する方法を提供することである。
鋼の連続鋳造において、取鍋のロングノズルからなるスライディングノズルにより取鍋から溶鋼をタンディッシュへ注入する際、注入開始した取鍋のスライディングノズルのスライディングプレートを一度閉めると、その部分の溶鋼がスライディングノズル内で凝固してしまい、再びスライディングプレートを開いても溶鋼が流出しない危険性が高い。そこで鋭意工夫してスライディングプレートを上プレートの注湯孔と下プレートの注湯孔の位置をずらして閉めている間、スライディングプレートの上プレートの注湯孔に不活性ガス例えばArガスを流し続けることで、上プレートの注湯孔での溶鋼の凝固による閉塞を防止可能とする手段を見出した。すなわち、この手段によりスライディングプレートの上プレートの注湯孔と下プレートの注湯孔をずらして閉める時間の確保が可能となり、タンディッシュ外での捨湯を行う余裕がとれることとなった。
この結果、取鍋の底部の注湯孔の詰め物およびこの取鍋から注湯する初期溶鋼を捨湯ポットに受ける捨湯をタンディッシュ外で行ってスライディングプレートを閉めた後、タンディッシュへ注湯するため、取鍋をタンディッシュの位置まで移動させ、次いで、取鍋のロングノズルをタンディッシュ内に位置せしめて注湯を開始する。この場合、捨湯を行い、スライディングプレートを閉めた時から、ロングノズルをタンディッシュ内に設置して注湯を開始するまでの間、スライディングプレートの上プレートのスライディングノズルの注湯孔へ不活性ガス例えばArガスを吹き込み、スライディングノズルの注湯孔における溶鋼の凝固を防止する方法からなる、取鍋からタンディッシュへの溶鋼の注湯方法である。
上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の発明では、タンディッシュ外で取鍋のスライディングノズルの上プレートと下プレートの2層からなるスライディングプレートの注湯孔を開いて取鍋底部の詰め物および初期溶鋼をタンディッシュ外の捨湯ポットに捨湯した後、このスライディングプレートを一旦閉め、この閉めたスライディングプレートの上プレートを通じて上プレートの直上に当接している上部のスライディングノズルの注湯孔から上方の取鍋底部の注湯孔に不活性ガスを吹き込むことにより、溶鋼の凝固による注湯孔の閉塞の防止を行った状態で、この取鍋をタンディッシュの注湯位置へ移動してスライディングノズルのロングノズルをタンディッシュ内に装着した後、スライディングプレートの上プレートの注湯孔と下プレートの注湯孔を連通してタンディッシュ内へ注湯を開始することを特徴とする取鍋からタンディッシュへの溶鋼の注湯方法である。
請求項2の発明では、上部のスライディングノズルの注湯孔へスライディンプレートから不活性ガスを吹き込む方法は、スライディングプレートを閉めた時の上プレートの注湯孔が位置する下プレート内の箇所に埋設したポーラス状耐火物に不活性ガスを下プレートの側部の開口から吹き入れ、このポーラス状耐火物から上プレートの注湯孔を通じてスライディングノズル上方の取鍋底部の注湯孔へ吹き込む方法からなることを特徴とする請求項1の手段の取鍋からタンディッシュへの溶鋼の注湯方法である。
本願の上記手段の不活性ガス例えばArガスを吹き込む方法とすることで、連続鋳造における取鍋からタンディッシュへ溶鋼を注湯する際、予め取鍋のスライディングノズルのスライディングプレートの注湯孔を開いてスライディングノズル内の詰め物および初期の溶鋼をタンディッシュ外に設置の捨湯ポットに捨湯した後、スライディングノズルのノズル孔は詰め物の無い状態の上プレートの注湯孔は開けたまま下プレートの注湯孔を閉め、この取鍋をタンディッシュ上へ移動した後、再びスライディングプレートの注湯孔を全通して取鍋からタンディッシュへ溶鋼を注湯することが出来るので、従来の様にスライディングノズルを開口する際に生じる汚染された溶鋼がタンディッシュに注湯されることがない。
連続鋳造設備を模式的に示す図である。 取鍋の注湯用ノズルのスライディングプレートを示す模式図である。 図2に示す上プレートと下プレートの両注湯孔を連通させてスライディングプレートの注湯孔を全開とした状態を示す模式図である。 取鍋の注湯用のロングノズルをタンディッシュ内に設置した捨湯ポットにセットした状態を断面で示す模式的側面図である。 取鍋の注湯用のロングノズルをタンディッシュ内にセットした状態を断面で示す模式的側面図である。 本発明例と比較例における注湯方法を対比して注湯成功率を示すグラフである。 従来のタンディッシュ外へ予備カッティングする装置の模式的平面図である。 従来の取鍋の注湯用ノズルのスライディングプレートを示す模式図である。
本発明の実施の形態を図面を参照して以下に説明する。先ず、図1に模式的に示す縦型の連続鋳造設備1において、精錬された溶鋼は取鍋2の底部のスライディングノズル3からタンディッシュ8に注入され、さらにタンディッシュ8からモールド10に注湯される。注湯された溶鋼はモールド10で凝固しながら下方に引き抜かれ、切断機1aで鋳片1bに切断される。切断された鋳片1bは搬送機でブルームクーラー1cに搬送されて冷却される。冷却された鋳片1bは分塊圧延のために加熱炉1dで加熱されて分塊圧延機1eで分塊圧延される。
本発明の実施形態における、取鍋2は底部のスライディングノズル3にスライディングプレート4を設けている。図2に示すように、このスライディングプレート4は上プレート5と下プレート6からなっている。さらに、このスライディングプレート4の注湯孔を最も閉めた位置とした時の、上プレート5の注湯孔5aの直下に位置する下プレート6の箇所には、下プレート6からArガスを直上の注湯孔5aに吹き出せるように、下プレート6のその位置にポーラス状耐火物6bを設置している。さらに、この下プレート6のポーラス状耐火物6bの位置から横方向にArガス配管6cを下プレート6の側端の開口6dまで配設している。そこで、この下プレート6の側端の開口6dからArガスをポーラス状耐火物6bに吹き入れ、さらに上プレート5の注湯孔5aにArガスを吹きだし可能としている。一方、この状態のときには、上プレート5の注湯孔5aの直下に下プレート6のポーラス状耐火物6bが位置するスライディングプレート4の全閉位置では、下プレート6の注湯孔6aは上プレート5で完全に閉じられた状態となっている。なお、これらの状態において、下プレート6の側端の開口6dから最も全閉位置となっている上プレート5の注湯孔5aに吹き入れるArガスの使用時の量は毎分当たり2リットルである。
上記の状態において、最も全閉位置となっている上プレート5の注湯孔5aと下プレート6の注湯孔6aの間は、有効なストローク7である矢印で示す長さだけ離間している。ところで、この有効なストローク7の長さは、スライディングプレート4の寿命に関連している。
そこで、スライディングプレートの寿命に関し、図8に示す従来のスライディングプレート24の場合で説明する。従来の上プレート25と下プレート26からなるスライディングプレート24では、上プレート25に対して下プレート26をスライドさせてスライディングノズル3の注湯孔を完全に閉めきった時の、上プレート25の注湯孔25aと下プレート26の注湯孔26aの間の距離は、下プレート26にArガスの吹出しのポーラス状耐火物を有しないので、ポーラス状耐火物を有しない分だけストローク27の長さが短い。しかしながら、これらの上プレート25と下プレート26からなるスライディングプレート24に、本発明と同様に、もし仮に、下プレート26にポーラス状耐火物26bを設けてArガスの吹出しを行って使用を続けていると、上プレート25と下プレート26の対向する部分が損耗して面荒れを発生して行く。言い換えると、上プレート25と下プレート26の、当初の健全であったストローク27の面が少しずつ減少していき、面荒れが発生することとなる。その理由は、従来のスライディングプレート24のストローク27の一端側に設けたポーラス状耐火物26bの部分とその近辺の部分は強度が低いので、劣化が容易に進むこととなる。このため、短いストローク27からなるスライディングプレート24では、有効なストローク27として長期にわたって使用することはできない。すなわち、従来の上プレート25の注湯孔25aに対面している下プレート26のポーラス状耐火物26bのところと下プレート26の注湯孔26aのところとの間のストローク27の長さでは、耐性の点から長さが短すぎて有効に使用できないことが判明した。
そこで、本発明では、図2に示すように、スライディングプレート4の上プレート5の注湯孔5aと下プレート6の注湯孔6aの間の矢印で示すストローク7の長さを、従来のストローク27よりもさらに長いものとすることで、すなわち、一端側のポーラス状耐火物6bを有する下プレート6とその周辺部分のストローク7の長さを、従来のストローク27の長さよりも長くすることで、下プレート6の注湯孔6aとポーラス状耐火物6bの間に損耗に対する耐性を有する部分4aをストローク7の中間部に位置するスライディングプレート4の上プレート5と下プレート6の当接面の中間部に設けるものとして準備する。この本発明におけるスライディングプレート4のストローク7の長さは、従来の方法に用いるスライディングプレート24のストローク27の長さよりも、損耗に対する耐性を有する部分4aをストローク7の中間部に位置するスライディングプレート4の上プレート5と下プレート6の当接面の中間部に設けているので、その損耗に対する耐性を有する部分4aの長さが従来の方法におけるスライディングプレート24のストローク27の長さよりも長くなっている。
以上の様に準備したスライディングプレート4を用いる方法として、本発明では、図7に示すスイングタワー13のタンディッシュ8の側に位置する取鍋2の、図2に示す全閉状態にあるスライディングプレート4の下プレート6の右端の開口6dからArガス配管6cを下プレート6に埋設したポーラス状耐火物6bまで設け、このArガス配管6cを通じてポーラス状耐火物6bにArガスを流し始めた後、この取鍋2から樋14を通じて、取鍋2の底の注湯孔2aに詰めたクロムサンドなどの詰め物2bおよび初期の溶鋼を、図7に示すタンディッシュ外の捨湯場に設置した捨湯ポット9に予備カッティングによる所定量の捨湯をする。この初期の溶鋼の捨湯のために、スライディングプレート4の下プレート6をストローク7の長さだけ図2の右方へ移動して、図3に示すように上プレート5の注湯孔5aと下プレート6の注湯孔6aとを連通させて全開とする。この様に注湯孔を全開することで、取鍋2の底の注湯孔2aのクロムサンドなどの詰め物2bは樋14を経て捨湯ポットに落下し、さらに初期の溶鋼を流して所定量の捨湯を行った後、再びスライディングプレート4の下プレート6を左側に移動させて注湯孔6aを全閉状態とする。次いで、下プレート6の注湯孔6aの下にロングノズル3aを装着し、ロングノズル3aを装着した取鍋2を、図5に示すように、タンディッシュ8内に位置にせしめ、下プレート6を図2において右側に移動して図3に示すように注湯孔5aと注湯孔6aを連通させてこのロングノズル3aからタンディッシュ8へ注湯する。
この本発明の例に対し、取鍋2の注湯孔2aに詰め物2bをしているが、本発明における下プレート6にポーラス状耐火物6bを有するスライディングプレート4ではなく、図8に示す下プレート26にポーラス状耐火物26bを有しない従来のスライディングプレート24を使用してタンディッシュ8に捨湯ポット8を設置して捨湯する方法を図4に示す比較例とする。このように比較例では、捨湯ポット9をタンディッシュ8内に設置し、まずその捨湯ポット9内に取鍋の注湯孔2aの詰め物2bと初期の溶鋼を捨湯をした後、スライディングプレート24の注湯孔を閉じ、詰め物2bと捨湯を入れた捨湯ポット9をタンディッシュ8から取り除いた後、通常通り、取鍋2からロングノズル3aを通じてタンディッシュ8に注湯を開始する。
上記の本発明例と、比較例において、取鍋2からタンディッシュ8に注湯した場合における、注湯成功率を対比して以下に示した。ここで、注湯成功率とは、取鍋2の注湯孔2aの詰め物2bおよび所定の初期の溶鋼の捨湯量を捨てた後の、タンディッシュ8へ取鍋2から再び注湯する際に、取鍋2の注湯孔2a内で凝固した鋼塊を溶解するための酸素開口を必要とすることなく注湯できた率と定義する。この注湯成功率では、図6に示すように、本発明例では136回の試行回数に対して、100%の注湯成功率で、酸素開口は全く必要なかった。一方、比較例では、98回の試行回数に対して、22回の酸素開口を必要とし、酸素開口を必要としなかった回数は76回であった。すなわち、比較例の注湯成功率は78%にとどまった。
本発明におけるスライディングプレート4の下プレート6の側部から、Arガスを下プレート6内のポーラス状耐火物6bを通じて上プレート5の注湯孔5aに吹き入れることで、タンディッシュ8外で捨湯して開口して上プレート5より上方の取鍋底部の注湯口2aから用鋼を漏出すること無く、この取鍋2のスライディングノズル3にロングノズル3aを設けてタンディッシュ8内に用鋼を注湯することができる。この場合、従来のスライディングプレート24では、タンディッシュ8内に設置した捨湯ポット9に捨湯した後に、上プレート25の注湯孔25aより上方の取鍋底部の注湯口2aまでの間の注湯孔を一旦閉めるので、その部分で溶鋼が凝固して閉塞する。これに反して、本願の方法におけるスライディングプレート4を用いて捨湯する場合、捨湯した後、スライディングプレート4の上プレート5の注湯孔5aより上方の取鍋2の底部の注湯孔2aまでがArガスを吹き出すことで溶鋼の凝固によって閉塞することがないので、酸素開口する必要としない。したがって、酸素開口により汚染された溶鋼がタンディッシュ8に注湯されることがないので、得られた鋳片は極めて清浄度の高い鋼に形成される。さらに、上記したように、スライディングプレート24のストローク27の長さよりも本発明におけるスライディングプレート4は損耗に対する耐性を有する部分4aの長さ分長くなっているので、長期間にわたって使用することができる。
1 連続鋳造設備
1a 切断機
1b 鋳片
1c ブルームクーラー
1d 加熱炉
1e 分塊圧延機
2 取鍋
2a 取鍋底部の注湯口
2b 詰め物
3 スライディングノズル
3a ロングノズル
4 スライディングプレート
4a 損耗に対する耐性を有する部分
5 上プレート
5a 注湯孔
6 下プレート
6a 注湯孔
6b ポーラス状耐火物
6c Arガス配管
6d 開口
7 ストローク
8 タンディッシュ
9 捨湯ポット
10 モールド
11 2次冷却帯
12 ロール
13 スイングタワー
14 樋
23a ロングノズル
24 スライディングプレート
25 上プレート
25a 注湯孔
26 下プレート
26a 注湯孔
26b ポーラス状耐火物
26c Arガス配管
26d 開口
27 ストローク

Claims (2)

  1. タンディッシュ外で取鍋のスライディングノズルの上プレートと下プレートの2層からなるスライディングプレートを開いてスライディングノズルの詰め物および初期注湯の溶鋼をタンディッシュ外の捨湯ポットに捨湯した後、上プレートの注湯孔は開口した状態にしてスライディングプレートを一旦閉め、この閉めたスライディングプレートの上プレートの直上に当接している上部のスライディングノズルの注湯孔へスライディンプレートから不活性ガスを吹き込むことにより上方のスライディングノズル内の溶鋼の凝固を防止を行った後、この取鍋をタンディッシュ上の注湯位置へ移動してスライディングノズルのロングノズルをタンディッシュ内に装着し、このスライディングノズルのスライディングプレートを開いてタンディッシュへ注湯を開始する方法からなることを特徴とする取鍋からタンディッシュへの溶鋼の注湯方法。
  2. 上部のスライディングノズルの注湯孔へスライディンプレートから不活性ガスを吹き込む方法は、スライディングプレートを閉めた時の上プレートの注湯孔が位置する下プレート内の箇所に埋設したポーラス状耐火物を通じて不活性ガスを下プレートの側部から上プレートの注湯孔に吹き込み、さらにスライディングノズルの上方の取鍋底部へ不活性ガスを吹き込む方法からなることを特徴とする請求項1に記載の取鍋からタンディッシュへの溶鋼の注湯方法。
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