JP6733333B2 - 物理量検出デバイス、物理量検出デバイスの製造方法、電子機器及び移動体 - Google Patents

物理量検出デバイス、物理量検出デバイスの製造方法、電子機器及び移動体 Download PDF

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Description

本発明は、物理量検出デバイス、この物理量検出デバイスの製造方法、この物理量検出デバイスを備えている電子機器及び移動体に関する。
従来、物理量検出デバイスとして、駆動振動及び検出振動を行う可動部、この可動部を接続した基部を一体的に形成し、可動部及び基部の表裏両面に、駆動電極及び検出電極を配置し、駆動振動を励振する駆動手段、検出振動を検出する検出手段を有し、可動部及び基部がレーザー光を透過する材料で構成され、可動部及び基部の表裏両面に調整用電極を配置し、表面の調整用電極と裏面の調整用電極とは、対向しないように配置し、レーザー光で調整用電極のすべて、または、一部が除去された構成の振動ジャイロ用振動子が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記振動ジャイロ用振動子は、レーザー光で調整用電極のすべて、または、一部が除去されることにより、配線間の静電容量に伴う駆動信号の検出電極へのクロストークのバランス調整をすることができるとされている。
特開2009−222666号公報
上記振動ジャイロ用振動子は、実施の形態において、各検出電極から延びる複数の検出信号用配線における静電容量の差が、製造時に測定してみないとわからないことから、調整用電極が、検出信号用配線の数に応じて、複数の櫛歯状に設けられている。
これにより、上記振動ジャイロ用振動子は、櫛歯状の調整用電極の配置に関して可動部及び基部の表裏両面に相当程度のスペースが必要なことから、更なる小型化が困難となる虞がある。
また、上記振動ジャイロ用振動子は、調整用電極の櫛歯の内、複数の検出信号用配線における静電容量の差に応じて、レーザー光を照射する櫛歯が個別に異なることから、レーザー光照射位置を都度変更する必要がある。
この、レーザー光照射位置の都度の変更により、上記振動ジャイロ用振動子は、生産性が低下する虞がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる物理量検出デバイスは、駆動信号が印加される駆動電極、及び前記駆動電極に接続された駆動信号配線を含む駆動信号パターンと、第1検出信号を出力する第1検出電極、及び前記第1検出電極に接続された第1検出信号配線を含み、前記駆動信号パターンと容量結合している第1検出信号パターンと、前記第1検出信号と逆相の第2検出信号を出力する第2検出電極、及び前記第2検出電極に接続された第2検出信号配線を含み、前記駆動信号パターンと容量結合している第2検出信号パターンと、を備え、前記第1検出信号パターン、前記第2検出信号パターン、及び前記駆動信号パターンのいずれか1つは、当該信号パターンの面積を調整する調整用パターンを含むことを特徴とする。
これによれば、物理量検出デバイスは、駆動信号パターンと容量結合している第1検出信号パターン、駆動信号パターンと容量結合している第2検出信号パターン、及び駆動信号パターンのいずれか1つが、当該信号パターンの面積を調整する調整用パターンを含む。
これにより、物理量検出デバイスは、決められた1つの信号パターンに調整用パターンが含まれることから、従来(例えば、特許文献1)のような、調整用電極を検出信号用配線の数に応じて、複数の櫛歯状に設ける必要がない。
例えば、第1検出信号パターンと第2検出信号パターンとに、予め製造ばらつきを見込んで十分な静電容量の差をつけておくことで、調整用パターンを第1検出信号パターンまたは第2検出信号パターンのどちらか一方に含ませることができる。
この結果、物理量検出デバイスは、信号パターンの面積を調整する調整用パターンにより第1検出信号パターンと第2検出信号パターンとの静電容量の差を小さくして、検出精度を向上させつつ、更なる小型化や生産性の向上を図ることができる。
[適用例2]上記適用例にかかる物理量検出デバイスにおいて、前記調整用パターンは、前記調整用パターンの延在方向と交差する方向に第1の幅を有する第1パターン部分と、前記方向に前記第1の幅より狭い第2の幅を有する第2パターン部分と、を含むことが好ましい。
これによれば、調整用パターンの少なくとも一部に、幅寸法の狭い狭幅部(第2パターン部分)が設けられることにより、調整用パターンの設けられている検出信号パターンのいずれかの静電容量を調整することがでる。これにより、第1検出信号パターンと第2検出信号パターンとの静電容量の差を小さくして、検出精度を向上させることができる。
[適用例3]上記適用例にかかる物理量検出デバイスにおいて、基部と、前記基部に接続された振動部と、を有する振動素子を備え、前記駆動電極、前記第1検出電極、及び前記第2検出電極は、前記振動部に配置され、前記駆動信号配線、前記第1検出信号配線、及び前記第2検出信号配線は、前記基部に配置され、前記調整用パターンは、前記基部に配置されていることが好ましい。
これによれば、物理量検出デバイスは、基部と、基部に接続された振動部と、を有する振動素子を備え、調整用パターンが基部に配置されていることから、調整用パターンの面積の調整による振動部への影響を、例えば、調整用パターンが振動部にある場合より低減することができる。
[適用例4]上記適用例にかかる物理量検出デバイスにおいて、基部と、前記基部に接続された振動部と、前記基部に接続された固定部と、を有する振動素子を備え、前記駆動信号配線、前記第1検出信号配線、及び前記第2検出信号配線は、前記基部及び前記固定部の両方に配置され、前記調整用パターンは、前記固定部に配置されていることが好ましい。
これによれば、物理量検出デバイスは、振動素子が基部に接続された固定部を備え、調整用パターンが固定部に配置されていることから、調整用パターンによる振動部への影響を、更に低減することができる。
また、物理量検出デバイスは、調整用パターンが基部に配置されている場合より、基部を小型化することができる。
[適用例5]上記適用例にかかる物理量検出デバイスにおいて、振動素子と、中継基板と、前記中継基板によって前記振動素子と電気的に接続されている電子素子と、を備え、前記駆動信号パターン、前記第1検出信号パターン、及び前記第2検出信号パターンは、前記振動素子と前記中継基板とに跨って配置され、前記調整用パターンは、前記中継基板に配置されていることが好ましい。
これによれば、物理量検出デバイスは、振動素子と、中継基板によって振動素子と電気的に接続されている電子素子と、を備え、調整用パターンが中継基板に配置されていることから、調整用パターンを振動素子または電子素子へ配置する場合より、各素子を小型化することができる。
[適用例6]上記適用例にかかる物理量検出デバイスにおいて、振動素子と、前記振動素子を収容する容器と、を備え、前記振動素子と前記容器とは、接続部によって互いに電気的に接続され、前記駆動信号パターン、前記第1検出信号パターン、及び前記第2検出信号パターンは、前記接続部を介して前記振動素子と前記容器とに跨って配置され、前記調整用パターンは、前記容器に配置されていることが好ましい。
これによれば、物理量検出デバイスは、振動素子と、容器と、を備え、振動素子と容器とが、接続部によって互いに電気的に接続され、調整用パターンが容器に配置されていることから、調整用パターンを振動素子へ配置する場合より、振動素子を小型化することができる。
[適用例7]上記適用例にかかる物理量検出デバイスにおいて、前記調整用パターンと、前記駆動信号パターン、前記第1検出信号パターン、及び前記第2検出信号パターンの内、前記容量結合の対象となる信号パターンとは、互いに対向して配置され、前記調整用パターンと前記信号パターンとの間には、定電位パターンが配置されていることが好ましい。
これによれば、物理量検出デバイスは、調整用パターンと、容量結合の対象となる信号パターンとの間に、定電位パターンが配置されていることから、容量結合に伴う調整用パターンと信号パターンとの間の静電容量を、定電位パターンが配置されていない場合より低減することができる。
[適用例8]上記適用例にかかる物理量検出デバイスにおいて、前記調整用パターンと、前記駆動信号パターン、前記第1検出信号パターン、及び前記第2検出信号パターンの内、前記容量結合の対象となる信号パターンとは、互いに対向して配置され、前記調整用パターンと前記信号パターンとの間には、静電遮蔽されていない領域があることが好ましい。
これによれば、物理量検出デバイスは、調整用パターンと、容量結合の対象となる信号パターンとの間に、静電遮蔽されていない領域があることから、調整用パターンの面積を調整することによって、同じ調整量でも上記定電位パターンが配置されている場合より、静電容量の変化を大きくすることができる。
[適用例9]上記適用例にかかる物理量検出デバイスにおいて、前記調整用パターンと、前記駆動信号パターン、前記第1検出信号パターン、及び前記第2検出信号パターンの内、前記容量結合の対象となる信号パターンとは、互いに対向して配置され、前記調整用パターンと前記信号パターンとの間には、定電位パターンが配置されている領域と、静電遮蔽されていない領域とが、あることが好ましい。
これによれば、物理量検出デバイスは、調整用パターンと、容量結合の対象となる信号パターンとの間に、定電位パターンが配置されている領域と、静電遮蔽されていない領域とが、あることから、調整用パターンの面積を調整する場所によって、静電容量の変化を大きくしたり小さくしたりすることができる。
[適用例10]本適用例にかかる電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載の物理量検出デバイスを備えていることを特徴とする。
これによれば、電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載の物理量検出デバイスを備えていることから、上記適用例のいずれか一例に記載の効果が奏され、優れた性能を発揮することができる。
[適用例11]本適用例にかかる移動体は、上記適用例のいずれか一例に記載の物理量検出デバイスを備えていることを特徴とする。
これによれば、移動体は、上記適用例のいずれか一例に記載の物理量検出デバイスを備えていることから、上記適用例のいずれか一例に記載の効果が奏され、優れた性能を発揮することができる。
[適用例12]本適用例にかかる物理量検出デバイスの製造方法は、駆動信号が印加される駆動電極、及び前記駆動電極に接続された駆動信号配線を含む駆動信号パターンと、第1検出信号を出力する第1検出電極、及び前記第1検出電極に接続された第1検出信号配線を含み、前記駆動信号パターンと容量結合している第1検出信号パターンと、前記第1検出信号と逆相の第2検出信号を出力する第2検出電極、及び前記第2検出電極に接続された第2検出信号配線を含み、前記駆動信号パターンと容量結合している第2検出信号パターンと、を備え、前記第1検出信号パターン、前記第2検出信号パターン、及び前記駆動信号パターンのいずれか1つは、調整用パターンを備えている物理量検出デバイスの製造方法であって、前記第1検出信号パターンと前記駆動信号パターンとの間の前記容量結合による静電容量と、前記第2検出信号パターンと前記駆動信号パターンとの間の前記容量結合による静電容量との差を、前記調整用パターンの面積を変化させることにより小さくする工程を含むことを特徴とする。
これによれば、物理量検出デバイスの製造方法は、調整用パターンの面積を変化させることにより、第1検出信号パターンと駆動信号パターンとの間の静電容量と、第2検出信号パターンと駆動信号パターンとの間の静電容量との差を小さくすることから、物理量検出デバイスの検出精度を向上させることができる。
また、物理量検出デバイスの製造方法は、調整用パターンが第1検出信号パターン、第2検出信号パターン、及び駆動信号パターンのいずれか1つに備えられていることから、各信号パターンに備えられている場合より、物理量検出デバイスの更なる小型化や生産性の向上を図ることができる。
[適用例13]上記適用例にかかる物理量検出デバイスの製造方法において、前記調整用パターンの面積を変化させる工程は、前記第1検出信号パターンまたは前記第2検出信号パターンが前記調整用パターンを含み、前記調整用パターンを含んでいる方の前記静電容量が他方の前記静電容量より大きい物理量検出デバイスを用意し、前記調整用パターンの少なくとも一部をエネルギー線で除去し、前記調整用パターンの面積を減少させる工程を含むことが好ましい。
これによれば、物理量検出デバイスの製造方法は、調整用パターンを含んでいる方の静電容量が他方の静電容量より大きい物理量検出デバイスを用意し、調整用パターンの少なくとも一部をエネルギー線で除去し、調整用パターンの面積を減少させる工程を含むことから、2つの静電容量の差を確実に小さくすることができる。
これにより、物理量検出デバイスの製造方法は、物理量検出デバイスの検出精度を向上させることができる。
[適用例14]上記適用例にかかる物理量検出デバイスの製造方法において、前記調整用パターンの面積を変化させる工程は、前記第1検出信号パターンまたは前記第2検出信号パターンが前記調整用パターンを含み、前記調整用パターンを含んでいる方の前記静電容量が他方の前記静電容量より小さい物理量検出デバイスを用意し、蒸着、スパッタ及びイオンビームの少なくとも一つにより、前記調整用パターンの面積を増加させる工程を含むことが好ましい。
これによれば、物理量検出デバイスの製造方法は、調整用パターンを含んでいる方の静電容量が他方の静電容量より小さい物理量検出デバイスを用意し、蒸着及びスパッタの少なくとも一方により、調整用パターンの面積を増加させる工程を含むことから、2つの静電容量の差を確実に小さくすることができる。
これにより、物理量検出デバイスの製造方法は、物理量検出デバイスの検出精度を向上させることができる。
第1実施形態のジャイロ振動素子の一方の主面側から見た、一方の主面側の構成を示す平面図。 第1実施形態のジャイロ振動素子の一方の主面側から透視した、他方の主面側の構成を示す平面図。 調整用パターンを説明するための図1の中心部の拡大図。 調整用パターンの他の配置例1を説明するための図1の中心部の拡大図。 調整用パターンの他の配置例2を説明するための図2の中心部の拡大図。 調整用パターンの他の配置例3を説明するための図1の中心部の拡大図。 ジャイロ振動素子の動作を説明するための概略平面図。 ジャイロ振動素子の動作を説明するための概略平面図。 ジャイロ振動素子の駆動及び検出にかかる回路構成を示す概略図。 ジャイロ振動素子の製造方法を説明するための要部拡大図。 調整用パターンの調整方法の具体例1を示す要部拡大図。 調整用パターンの調整方法の具体例2を示す要部拡大図。 第1実施形態の変形例のジャイロ振動素子の一方の主面側から見た、一方の主面側の構成を示す平面図。 第2実施形態の物理量センサーモジュールの構成を示す平面図。 図9のE−E線での断面図。 第3実施形態のジャイロ振動素子の一方の主面側から見た、一方の主面側の構成を示す平面図。 第3実施形態のジャイロ振動素子の一方の主面側から透視した、他方の主面側の構成を示す平面図。 ジャイロ振動素子の駆動振動状態を示す模式斜視図。 ジャイロ振動素子の検出振動状態を示す模式斜視図。 第3実施形態の変形例1のジャイロ振動素子の構成を示す要部拡大平面図。 第3実施形態の変形例2のジャイロ振動素子の構成を示す要部拡大平面図。 第3実施形態の変形例3のジャイロ振動素子の構成を示す要部拡大平面図。 第3実施形態の変形例4のジャイロ振動素子の一方の主面側から透視した、他方の主面側の構成を示す平面図。 第4実施形態の物理量センサーの構成を示す平面図。 図19のH−H線での断面図。 物理量検出デバイスを備えている電子機器としてのモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す模式斜視図。 物理量検出デバイスを備えている電子機器としての携帯電話(PHSも含む)の構成を示す模式斜視図。 物理量検出デバイスを備えている電子機器としてのデジタルスチルカメラの構成を示す模式斜視図。 物理量検出デバイスを備えている移動体としての自動車を示す模式斜視図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
最初に、物理量検出デバイスの一例としてのジャイロ振動素子について説明する。
図1は、第1実施形態のジャイロ振動素子の一方の主面側から見た、一方の主面側の構成を示す平面図である。図2は、ジャイロ振動素子の一方の主面側から透視した、他方の主面側の構成を示す平面図である。図3Aは、調整用パターンを説明するための図1の中心部の拡大図である。なお、以下の各図を含めて、説明の便宜上、各構成要素の寸法比率は実際と異なる。
ダブルT型とよばれるジャイロ振動素子1の材質としては、例えば、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの圧電材料が挙げられる。
図1及び図2に示すように、ジャイロ振動素子1は、例えば、水晶の結晶軸に合わせXY平面に拡がりを有し、Z軸方向に厚みを有する。ジャイロ振動素子1は、互いに反対を向く第1表面101(一方の主面、図1参照)及び第2表面102(他方の主面、図2参照)と、第1表面101及び第2表面102を接続する側面103と、を有する。第1表面101及び第2表面102は、XY平面に平行な面であって、第2表面102は、収容される容器(図示せず)の内側底面と対向する面である。
側面103は、第1表面101及び第2表面102と直交し、Z軸に平行な面である。
ジャイロ振動素子1は、図1及び図2に示すように、基部10と、第1及び第2連結腕20,22と、第1及び第2検出振動腕30,32と、第1〜第4駆動振動腕40,42,44,46と、第1〜第4梁50,52,54,56と、第1及び第2支持部60,62と、を含む。
基部10は、ジャイロ振動素子1の中心点Gを有する。中心点Gは、ジャイロ振動素子1の重心位置である。X軸、Y軸及びZ軸は、互いに直交し、中心点Gを原点としている。ジャイロ振動素子1は、中心点Gに関して、点対称であることが好ましい。すなわち、ジャイロ振動素子1は、XZ平面に関して面対称であり、かつYZ平面に関して面対称であることが好ましい。
第1及び第2連結腕20,22は、基部10からX軸に沿って、それぞれ正及び負の方向に延出している。第1及び第2検出振動腕30,32は、基部10からY軸に沿って、それぞれ正及び負の方向に延出している。第1及び第2駆動振動腕40,42は、第1連結腕20からY軸に沿って、それぞれ正及び負の方向に延出している。第3及び第4駆動振動腕44,46は、第2連結腕22からY軸に沿って、それぞれ正及び負の方向に延出している。
検出振動腕30,32によって、角速度を検出する検出振動系が構成されている。また、連結腕20,22と駆動振動腕40,42,44,46とによって、ジャイロ振動素子1を駆動させる駆動振動系が構成されている。
検出振動腕30,32の先端部30a,32aは、他の部分より幅が大きい(X軸方向の長さが大きい)略四角形の形状を有することが好ましい。同様に、駆動振動腕40,42,44,46の先端部40a,42a,44a,46aは、他の部分より幅が大きい略四角形の形状を有することが好ましい。このような形状の先端部30a,32a,40a,42a,44a,46aによって、ジャイロ振動素子1は、物理量としての角速度の検出感度を向上させることができる。
固定部としての第1支持部60は、第1検出振動腕30に対して、Y軸の正の方向側に配置されている。固定部としての第2支持部62は、第2検出振動腕32に対して、Y軸の負の方向側に配置されている。
支持部60,62のX軸方向の長さは、検出振動腕30,32の先端部30a,32aのX軸方向の長さよりも大きく、例えば、連結腕20,22及び基部10のX軸方向の長さの合計と同じ程度である。図示の例では、支持部60,62の平面形状は、略矩形であるが、特に限定されるものではない。支持部60,62は、検出振動腕30,32及び駆動振動腕40,42,44,46から離れて配置されている。支持部60,62は、容器などに固定される。
第1梁50は、図1及び図2に示すように、基部10から、第1検出振動腕30と第1駆動振動腕40との間を通って、第1支持部60まで延出している。第2梁52は、基部10から、第2検出振動腕32と第2駆動振動腕42との間を通って、第2支持部62まで延出している。第3梁54は、基部10から、第1検出振動腕30と第3駆動振動腕44との間を通って、第1支持部60まで延出している。第4梁56は、基部10から、第2検出振動腕32と第4駆動振動腕46との間を通って、第2支持部62まで延出している。
このように第1及び第3梁50,54は、第1支持部60と接続しており、第2及び第4梁52,56は、第2支持部62と接続しており、基部10を支持している。梁50,52,54,56は、S字形状部50a,52a,54a,56aをそれぞれ有することが好ましい。
図示の例では、例えば、第1梁50は、基部10からX軸の正の方向に延出し、次にY軸の正の方向に延出し、次にX軸の負の方向に延出し、次にY軸の正の方向に延出し、次にX軸の正の方向に延出し、次にY軸の正の方向に延出して、第1支持部60と接続している。すなわち、図示の例では、第1梁50は、S字形状部50aにおいて、X軸方向と平行となる部分を3つ有している。
同様に、第2〜第4梁52,54,56の各々は、S字形状部52a,54a,56aにおいて、X軸方向と平行となる部分を3つ有している。S字形状部50a,52a,54a,56aによって、梁50,52,54,56は、X軸方向及びY軸方向に弾性を得ることができる。
ジャイロ振動素子1には、図1及び図2に示すように、検出信号電極110、検出信号配線112、検出信号端子114、検出接地電極120、検出接地配線122、検出接地端子124、駆動信号電極130、駆動信号配線132、駆動信号端子134、駆動接地電極140、駆動接地配線142、及び駆動接地端子144が形成されている。
便宜上、図1及び図2において、検出信号電極110、検出信号配線112及び検出信号端子114を右下斜線で示し、検出接地電極120、検出接地配線122及び検出接地端子124をクロス斜線で示し、駆動信号電極130、駆動信号配線132及び駆動信号端子134を左下斜線で示し、駆動接地電極140、駆動接地配線142及び駆動接地端子144をクロス縦横線で示している。また、図1及び図2において、ジャイロ振動素子1の側面103に形成されている電極、配線、端子を、太線で示している。
電極110,120,130,140、配線112,122,132,142、端子114,124,134,144の材質としては、例えば、ジャイロ振動素子1側からクロム、金の順序で積層したものなどを用いることが好ましい。電極110,120,130,140は、互いに電気的に分離されている。配線112,122,132,142は、互いに電気的に分離されている。端子114,124,134,144は、互いに電気的に分離されている。
以下、各電極、配線及び端子について順に説明する。
(1)検出信号電極、検出信号配線及び検出信号端子
検出信号電極110は、図1及び図2に示すように、第1及び第2検出振動腕30,32に形成されている。ただし、図示の例では、検出信号電極110は、第1及び第2検出振動腕30,32の先端部30a,32aには形成されていない。より具体的には、検出信号電極110は、第1及び第2検出振動腕30,32の第1表面101及び第2表面102に形成されている。検出信号電極110は、XZ平面に関して、面対称に配置されている。検出信号電極110は、第1及び第2検出振動腕30,32の検出振動が励起されたときに、該振動によって発生する圧電材料の歪みを、検出するための電極である。
検出信号配線112は、図1に示すように、第1及び第2梁50,52に形成されている。より具体的には、検出信号配線112は、第1及び第2梁50,52の第1表面101に形成されている。更に、検出信号配線112は、図1及び図2に示すように、第1梁50と基部10との接合部分の側面103aと、第2梁52と基部10との接合部分の側面103bと、基部10の第1及び第2表面101,102と、に形成されている。
検出信号端子114は、第1及び第2支持部60,62に形成されている。より具体的には、検出信号端子114は、第1及び第2支持部60,62の第1及び第2表面101,102、更に側面103に形成されている。第1支持部60の表面101,102及び側面103に形成された検出信号端子114は、互いに電気的に接続されている。また、第2支持部62の表面101,102及び側面103に形成された検出信号端子114は、互いに電気的に接続されている。
図示の例では、第1支持部60に形成された検出信号端子114は、後述するように駆動接地電極140が形成される第1駆動振動腕40の先端部40aに対して、Y軸の正の方向側に配置されている。すなわち、第1支持部60に形成された検出信号端子114と、先端部40aに形成された駆動接地電極140とは、Y軸方向において対向しているといえる。
また、第2支持部62に形成された検出信号端子114は、後述するように駆動接地電極140が形成される第2駆動振動腕42の先端部42aに対して、Y軸の負の方向側に配置されている。すなわち、第2支持部62に形成された検出信号端子114と、先端部42aに形成された駆動接地電極140とは、Y軸方向において対向しているといえる。
第1支持部60に形成された検出信号端子114は、図1に示すように、第1梁50に形成された検出信号配線112を介して、第1検出振動腕30に形成された検出信号電極110と電気的に接続されている。
より具体的には、図1及び図2に示すように、第1支持部60に形成された検出信号端子114は、第1梁50の第1表面101に形成された検出信号配線112と接続され、検出信号配線112は、第1梁50の第1表面101から、第1梁50と基部10との接合部分の側面103a、そして基部10の第1及び第2表面101,102を通って、第1検出振動腕30の第1及び第2表面101,102に形成された検出信号電極110に接続されている。これにより、第1検出振動腕30が振動することにより生じる第1検出信号を、検出信号電極110から第1支持部60に形成された検出信号端子114に伝達することができる。
ここで、図1及び図3Aに示すように、第1支持部60に形成された検出信号端子114、第1梁50に形成された検出信号配線112(第1検出信号配線S1bとする)、第1検出振動腕30に形成された検出信号電極110(第1検出電極S1aとする)を含めて第1検出信号パターンS1とする。
第2支持部62に形成された検出信号端子114は、図1に示すように、第2梁52に形成された検出信号配線112を介して、第2検出振動腕32に形成された検出信号電極110と電気的に接続されている。
より具体的には、図1及び図2に示すように、第2支持部62に形成された検出信号端子114は、第2梁52の第1表面101に形成された検出信号配線112と接続され、検出信号配線112は、第2梁52の第1表面101から、第2梁52と基部10との接合部分の側面103b、そして基部10の第1及び第2表面101,102を通って、第2検出振動腕32の第1及び第2表面101,102に形成された検出信号電極110に接続されている。これにより、第2検出振動腕32が振動することにより生じる第2検出信号を、検出信号電極110から第2支持部62に形成された検出信号端子114に伝達することができる。
ここで、図1及び図3Aに示すように、第2支持部62に形成された検出信号端子114、第2梁52に形成された検出信号配線112(第2検出信号配線S2bとする)、第2検出振動腕32に形成された検出信号電極110(第2検出電極S2aとする)を含めて第2検出信号パターンS2とする。
(2)検出接地電極、検出接地配線及び検出接地端子
検出接地電極120は、図1及び図2に示すように、第1及び第2検出振動腕30,32の検出信号電極110よりも先端側の先端部30a,32aに形成されている。
より具体的には、検出接地電極120は、先端部30a,32aの第1及び第2表面101,102に形成されている。更に、検出接地電極120は、第1及び第2検出振動腕30,32の側面103に形成されている。第1検出振動腕30の表面101,102及び側面103に形成された検出接地電極120は、互いに電気的に接続されている。
また、第2検出振動腕32の表面101,102及び側面103に形成された検出接地電極120は、互いに電気的に接続されている。図示の例では、検出接地電極120は、XZ平面に関して、面対称に配置されている。検出接地電極120は、検出信号電極110に対してグランドとなる電位を有する。
検出接地配線122は、第1及び第2梁50,52に形成されている。より具体的には、検出接地配線122は、第1及び第2梁50,52の第2表面102、側面103に形成されている。更に、検出接地配線122は、基部10の第1及び第2表面101,102に形成されている。図示の例では、検出接地配線122は、XZ平面に関して、面対称に配置されている。
検出接地端子124は、第1及び第2支持部60,62に形成されている。
より具体的には、検出接地端子124は、第1及び第2支持部60,62の第1及び第2表面101,102、更に側面103に形成されている。第1支持部60の表面101,102及び側面103に形成された検出接地端子124は、互いに電気的に接続されている。また、第2支持部62の表面101,102及び側面103に形成された検出接地端子124は、互いに電気的に接続されている。
図示の例では、第1支持部60に形成された検出接地端子124は、検出接地電極120が形成された第1検出振動腕30の先端部30aに対して、Y軸の正の方向側に配置されている。すなわち、第1支持部60に形成された検出接地端子124と、先端部30aに形成された検出接地電極120とは、Y軸方向において対向しているといえる。
また、第2支持部62に形成された検出接地端子124は、検出接地電極120が形成された第2検出振動腕32の先端部32aに対して、Y軸の負の方向側に配置されている。すなわち、第2支持部62に形成された検出接地端子124と、先端部32aに形成された検出接地電極120とは、Y軸方向において対向しているといえる。図示の例では、検出接地端子124は、XZ平面に関して、面対称に配置されている。
第1支持部60に形成された検出接地端子124は、第1梁50に形成された検出接地配線122を介して、第1検出振動腕30に形成された検出接地電極120と電気的に接続されている。
より具体的には、第1支持部60に形成された検出接地端子124は、第1梁50の第2表面102及び側面103に形成された検出接地配線122と接続され、検出接地配線122は、第1梁50の第2表面102及び側面103から、基部10の第1及び第2表面101,102を通って、第1検出振動腕30の側面103に形成された検出接地電極120に接続されている。
第2支持部62に形成された検出接地端子124は、第2梁52に形成された検出接地配線122を介して、第2検出振動腕32に形成された検出接地電極120と電気的に接続されている。より具体的には、第2支持部62に形成された検出接地端子124は、第2梁52の第2表面102及び側面103に形成された検出接地配線122と接続され、検出接地配線122は、第2梁52の第2表面102及び側面103から、基部10の第1及び第2表面101,102を通って、第2検出振動腕32の側面103に形成された検出接地電極120に接続されている。
以上のとおりに、検出信号電極110、検出信号配線112、検出信号端子114と、検出接地電極120、検出接地配線122、検出接地端子124とは、配置されている。これにより、第1検出振動腕30に生じた検出振動は、第1検出振動腕30に形成された検出信号電極110と検出接地電極120との間の電荷として現れ、第1支持部60に形成された検出信号端子114と検出接地端子124とから第1検出信号として取り出すことができる。また、第2検出振動腕32に生じた検出振動は、第2検出振動腕32に形成された検出信号電極110と検出接地電極120との間の電荷として現れ、第2支持部62に形成された検出信号端子114と検出接地端子124とから第2検出信号として取り出すことができる。
(3)駆動信号電極、駆動信号配線及び駆動信号端子
駆動電極としての駆動信号電極130は、図1及び図2に示すように、第1及び第2駆動振動腕40,42に形成されている。ただし、図示の例では、駆動信号電極130は、第1及び第2駆動振動腕40,42の先端部40a,42aには形成されていない。
より具体的には、駆動信号電極130は、第1及び第2駆動振動腕40,42の第1表面101及び第2表面102に形成されている。更に、駆動信号電極130は、第3及び第4駆動振動腕44,46の側面103と、第3及び第4駆動振動腕44,46の先端部44a,46aの第1及び第2表面101,102と、に形成されている。
第3駆動振動腕44の表面101,102及び側面103に形成された駆動信号電極130は、互いに電気的に接続されている。また、第4駆動振動腕46の表面101,102及び側面103に形成された駆動信号電極130は、互いに電気的に接続されている。図示の例では、駆動信号電極130は、XZ平面に関して、面対称に配置されている。駆動信号電極130は、第1〜第4駆動振動腕40,42,44,46の駆動振動を励起させるための電極である。
駆動信号配線132は、図1に示すように、第3及び第4梁54,56に形成されている。より具体的には、駆動信号配線132は、第3及び第4梁54,56の第1表面101に形成されている。更に、駆動信号配線132は、基部10の第1表面101と、第1連結腕20の第1表面101と、第1連結腕20のYZ平面と平行となる側面103cと、第2連結腕22のXZ平面と平行となる側面103dと、に形成されている。図示の例では、駆動信号配線132は、XZ平面に関して、面対称に配置されている。
駆動信号端子134は、図1及び図2に示すように、第2支持部62に形成されている。より具体的には、駆動信号端子134は、第2支持部62の第1及び第2表面101,102、更に側面103に形成されている。第2支持部62の表面101,102及び側面103に形成された駆動信号端子134は、互いに電気的に接続されている。図示の例では、第2支持部62に形成された駆動信号端子134は、駆動信号電極130が形成された第4駆動振動腕46の先端部46aに対して、Y軸の負の方向側に配置されている。すなわち、第2支持部62に形成された駆動信号端子134と、先端部46aに形成された駆動信号電極130とは、Y軸方向において対向しているといえる。
第2支持部62に形成された駆動信号端子134は、図1に示すように、第4梁56に形成された駆動信号配線132を介して、第1〜第4駆動振動腕40,42,44,46に形成された駆動信号電極130と電気的に接続されている。
より具体的には、駆動信号端子134は、第4梁56の第1表面101に形成された駆動信号配線132と接続され、駆動信号配線132は、第4梁56の第1表面101から、基部10の第1表面101、そして第1連結腕20の第1表面101を通って、第1及び第2駆動振動腕40,42の第1表面101に形成された駆動信号電極130に接続されている。
更に、図1及び図2に示すように、駆動信号配線132は、第1連結腕20の第1表面101から、第1連結腕20の側面103cを通って、第1及び第2駆動振動腕40,42の第2表面102に形成された駆動信号電極130に接続されている。
また、更に、駆動信号配線132は、基部10の第1表面101から、第2連結腕22の側面103dを通って、第3及び第4駆動振動腕44,46の側面103に形成された駆動信号電極130に接続されている。これにより、第1〜第4駆動振動腕40,42,44,46を駆動振動させるための駆動信号を、駆動信号端子134から駆動信号電極130に伝達することができる。
ここで、駆動電極としての駆動信号電極130、駆動信号端子134、駆動信号配線132を含めて駆動信号パターンD1とする。
(4)駆動接地電極、駆動接地配線及び駆動接地端子
駆動接地電極140は、図1及び図2に示すように、第1及び第2駆動振動腕40,42の駆動信号電極130よりも先端側の先端部40a,42aに形成されている。
より具体的には、駆動接地電極140は、第1及び第2駆動振動腕40,42の先端部40a,42aの第1及び第2表面101,102に形成されている。更に、駆動接地電極140は、第1及び第2駆動振動腕40,42の側面103に形成されている。第1駆動振動腕40の表面101,102及び側面103に形成された駆動接地電極140は、互いに電気的に接続されている。また、第2駆動振動腕42の表面101,102及び側面103に形成された駆動接地電極140は、互いに電気的に接続されている。
更に、駆動接地電極140は、第3及び第4駆動振動腕44,46の第1及び第2表面101,102に形成されている。ただし、図示の例では、駆動接地電極140は、先端部44a,46aには形成されていない。図示の例では、駆動接地電極140は、XZ平面に関して、面対称に配置されている。駆動接地電極140は、駆動信号電極130に対してグランドとなる電位を有する。
駆動接地配線142は、第3及び第4梁54,56に形成されている。より具体的には、駆動接地配線142は、第3及び第4梁54,56の第2表面102及び側面103に形成されている。更に、駆動接地配線142は、基部10の第2表面102と、第1連結腕20のXZ平面と平行となる側面103eと、第2連結腕22の第2表面102と、第2連結腕22のYZ平面と平行となる側面103fと、に形成されている。図示の例では、駆動接地配線142は、XZ平面に関して、面対称に配置されている。
駆動接地端子144は、第1支持部60に形成されている。より具体的には、駆動接地端子144は、第1支持部60の第1及び第2表面101,102、更に側面103に形成されている。第1支持部60の表面101,102及び側面103に形成された駆動接地端子144は、互いに電気的に接続されている。
図示の例では、第1支持部60に形成された駆動接地端子144は、駆動信号電極130が形成された第3駆動振動腕44の先端部44aに対して、Y軸の正の方向側に配置されている。すなわち、第1支持部60に形成された駆動接地端子144と、先端部44aに形成された駆動信号電極130とは、Y軸方向において対向しているといえる。
第1支持部60に形成された駆動接地端子144は、第3梁54に形成された駆動接地配線142を介して、第1〜第4駆動振動腕40,42,44,46に形成された駆動接地電極140と電気的に接続されている。
より具体的には、駆動接地端子144は、第3梁54の第2表面102及び側面103に形成された駆動接地配線142と接続され、駆動接地配線142は、第3梁54の第2表面102及び側面103から、基部10の第2表面102、そして第1連結腕20の側面103eを通って、第1及び第2駆動振動腕40,42の側面103に形成された駆動接地電極140に接続されている。
更に、駆動接地配線142は、基部10の第2表面102から、第2連結腕22の第2表面102を通って、第3及び第4駆動振動腕44,46の第2表面102に形成された駆動接地電極140に接続されている。また、更に、駆動接地配線142は、第2連結腕22の第2表面102から、第2連結腕22の側面103fを通って、第3及び第4駆動振動腕44,46の第1表面101に形成された駆動接地電極140に接続されている。
以上のとおりに、駆動信号電極130、駆動信号配線132、駆動信号端子134と、駆動接地電極140、駆動接地配線142、駆動接地端子144とは、配置されている。これにより、ジャイロ振動素子1では、第2支持部62に形成された駆動信号端子134と、第1支持部60に形成された駆動接地端子144と、の間に駆動信号を印加することで、各駆動振動腕40,42,44,46に形成された駆動信号電極130と駆動接地電極140との間に電界を生じさせ、各駆動振動腕40,42,44,46を駆動振動させることができる。
上述したように、ジャイロ振動素子1は、駆動信号が印加される駆動信号電極130、及び駆動信号電極130に接続された駆動信号配線132、駆動信号端子134、を含む駆動信号パターンD1と、第1検出信号を出力する第1検出電極S1a、及び第1検出電極S1aに接続された第1検出信号配線S1bを含み、図3Aに示すように、静電容量C1で駆動信号パターンD1と容量結合している第1検出信号パターンS1と、第1検出信号と逆相の第2検出信号を出力する第2検出電極S2a、及び第2検出電極S2aに接続された第2検出信号配線S2bを含み、図3Aに示すように、静電容量C2で駆動信号パターンD1と容量結合している第2検出信号パターンS2と、を備えている。
そして、ジャイロ振動素子1は、第1検出信号パターンS1、第2検出信号パターンS2、及び駆動信号パターンD1のいずれか1つ(ここでは、第2検出信号パターンS2)に、当該信号パターン(ここでは、第2検出信号パターンS2)の面積を調整する調整用パターンPを含んでいる。
調整用パターンPは、図3Aに示すように、第1検出信号パターンS1と駆動信号パターンD1とが並ぶ、または第2検出信号パターンS2と駆動信号パターンD1とが並ぶ領域、本形態では、第1検出信号パターンS1、第2検出信号パターンS2、及び駆動信号パターンD1が並び、容量調整を行うことが可能な調整領域Qに配置される。本形態の調整用パターンPは、調整領域Q内において、第2検出信号パターンS2の一部を幅方向の寸法を大きくすることによって面積を広くした形状として構成されている。具体的に、調整用パターンPは、第2検出信号パターンS2の延在方向(図中X軸方向)と交差する方向(図中Y軸方向)の寸法である幅寸法を幅W1として設けられる。
そして、幅W1(第1の幅)の調整用パターンPの駆動信号パターンD1側の一部を除去(図中二点鎖線で示す除去部R)することによって幅寸法の狭い幅(第2の幅)W2の狭幅部(第2パターン部分)P2が形成されている。このとき、除去が行われない部分の幅(第1の幅)W1の調整用パターンPは、広幅部(第1パターン部分)P1となる。換言すれば、調整用パターンPは、調整用パターンPの延在方向と交差する方向に第1の幅を有する第1パターン部分(広幅部P1)と、同方向に第1の幅より狭い第2の幅を有する第2パターン部分(狭幅部P2)と、を含む。そして、幅W1(第1の幅)のときの調整用パターンP(第1パターン部分)と駆動信号パターンD1との距離L1が、狭幅部P2の幅W2(第2の幅)のときの調整用パターンP(第2パターン部分)と駆動信号パターンD1との距離L2に変化することによって、容量調整を行うことができる。
なお、調整用パターンPは、駆動信号パターンD1、及び第1検出信号パターンS1のいずれかに配置することができる。以下、調整用パターンPの他の配置例について図3B、図3C、及び図3Dを参照して説明する。図3Bは、調整用パターンの他の配置例1を説明するための図1の中心部の拡大図である。図3Cは、調整用パターンの他の配置例2を説明するための図2の中心部の拡大図である。図3Dは、調整用パターンの他の配置例3を説明するための図1の中心部の拡大図である。
図3Bに示すように、他の配置例1に係る調整用パターンPは、調整領域Q内において、駆動信号パターンD1の一部の幅方向の寸法を広げて調整用パターンPとしている。詳細に、調整用パターンPは、駆動信号パターンD1の延在方向(図中X軸方向)と交差する方向(図中Y軸方向)の寸法である幅寸法を幅W1として設けられる。そして、前述と同様に、駆動信号パターンD1に設けられた幅W1の調整用パターンPの、第2検出信号パターンS2側の一部を除去(図中二点鎖線で示す除去部R)することによって幅寸法の狭い幅W2の狭幅部P2が形成される。
このように、調整用パターンPを駆動信号パターンD1に設ける他の配置例1においても、幅W1(第1の幅)のときの調整用パターンP(広幅部である第1パターン部分)と第2検出信号パターンS2との距離L1が、幅W2(第2の幅)のときの調整用パターンP(狭幅部である第2パターン部分)と第2検出信号パターンS2との距離L2に変化することによって、容量調整を行うことが可能となる。
なお、調整用パターンPは、図3Bに示すように、第1検出信号パターンS1に配置することができる。第1検出信号パターンS1に配置される調整用パターンPaは、調整領域Q内において、第1検出信号パターンS1の一部の幅方向の寸法を広げた突起部として設ける(図中二点鎖線で表示)ことができる。
図3Cに示すように、他の配置例2に係る調整用パターンPは、ジャイロ振動素子1の第2表面102(他方の主面、図2参照)に配置することができる。第2表面102側においても、調整用パターンPは、図3Cに示すように、第1検出信号パターンS1、及び駆動信号パターンD1、または第2検出信号パターンS2、及び駆動信号パターンD1が並ぶ領域、本形態では、第1検出信号パターンS1、第2検出信号パターンS2、及び駆動信号パターンD1が並び、容量調整を行うことが可能な調整領域Qに配置することができる。本配置例2では、調整領域Q内において、第2検出信号パターンS2の一部の幅方向の寸法を広げて調整用パターンPとしている。
なお、第1表面101(一方の主面、図1参照)側と、第2表面102(他方の主面、図2参照)側との両面の同じパターン、例えば第1表面101側の第2検出信号パターンS2と、第2表面102(他方の主面、図2参照)側の第2検出信号パターンS2とに、それぞれ調整用パターンPを配置することができる。この場合、容量調整を行うことが可能な調整領域が広くなり、容量調整量を大きくすることができる。
また、図3Dに示すような他の配置例3に係る調整用パターンPは、調整領域Q内において、第2検出信号パターンS2の一部を円弧状に湾曲させた構成である。このような調整用パターンPは、円弧状の駆動信号パターンD1側の頂部を除去することによって、調整用パターンPと駆動信号パターンD1との距離を変化させ、この距離の変化によって容量調整を行うことが可能となる。
また、ジャイロ振動素子1は、基部10と、基部10に接続された振動部としての、第1及び第2検出振動腕30,32、第1〜第4駆動振動腕40,42,44,46と、を有する振動素子であって、駆動信号電極130、第1検出電極S1a、及び第2検出電極S2aは、第1及び第2検出振動腕30,32、第1〜第4駆動振動腕40,42,44,46に配置され、駆動信号配線132、第1検出信号配線S1b、及び第2検出信号配線S2bは、基部10に配置され、調整用パターンPは、基部10に配置されている。
ここで、ジャイロ振動素子1の動作について説明する。
図4及び図5は、ジャイロ振動素子の動作を説明するための概略平面図である。なお、図4及び図5では、便宜上、基部10、第1及び第2連結腕20,22、第1及び第2検出振動腕30,32、第1〜第4駆動振動腕40,42,44,46以外の図示を省略している。
図4に示すように、ジャイロ振動素子1は、角速度が加わらない状態において、駆動信号電極及び駆動接地電極の間に電界が生じると、第1〜第4駆動振動腕40,42,44,46が矢印Aに示す方向に屈曲振動を行う。このとき、第1及び第2駆動振動腕40,42と、第3及び第4駆動振動腕44,46とは、ジャイロ振動素子1の中心点G(重心G)を通るYZ平面に関して面対称の振動を行っているため、基部10、第1及び第2連結腕20,22と、第1及び第2検出振動腕30,32とは、ほとんど振動しない。
この駆動振動を行っている状態で、ジャイロ振動素子1にZ軸周りの角速度ωが加わると、図5に示すような振動を行う。すなわち、駆動振動系を構成する第1〜第4駆動振動腕40,42,44,46及び第1及び第2連結腕20,22に矢印B方向のコリオリの力が働き、新たな振動が励起される。この矢印B方向の振動は、中心点Gに対して周方向の振動である。また同時に、第1及び第2検出振動腕30,32は、矢印B方向の振動に呼応して、矢印C方向の検出振動が励起される。そして、この振動により発生した圧電材料の歪みを、第1及び第2検出振動腕30,32に形成した検出信号電極及び検出接地電極が検出して角速度が求められる。
ここで、ジャイロ振動素子1の駆動及び検出にかかる回路構成について説明する。
図6は、ジャイロ振動素子の駆動及び検出にかかる回路構成を示す概略図である。なお、以下の回路構成の説明は、以降の各実施形態にも共通する内容である。
図6に示すように、ジャイロ振動素子1の駆動及び検出にかかる回路構成には、駆動回路410と、検出回路420と、を含む。駆動回路410及び検出回路420は、ICチップ320に組み込まれている。
駆動回路410は、I/V変換回路(電流電圧変換回路)411と、AC増幅回路412と、振幅調整回路413と、を有する。駆動回路410は、ジャイロ振動素子1に形成された駆動信号電極130に駆動信号を供給する回路である。以下、駆動回路410について、詳細に説明する。
ジャイロ振動素子1が振動すると、圧電効果に基づく交流電流が、ジャイロ振動素子1に形成された駆動信号電極130から出力され、駆動信号端子134を介してI/V変換回路411に入力される。I/V変換回路411は、入力された交流電流をジャイロ振動素子1の振動周波数と同一の周波数の交流電圧信号に変換して出力する。
I/V変換回路411から出力された交流電圧信号は、AC増幅回路412に入力される。AC増幅回路412は、入力された交流電圧信号を増幅して出力する。
AC増幅回路412から出力された交流電圧信号は、振幅調整回路413に入力される。振幅調整回路413は、入力された交流電圧信号の振幅を一定値に保持するように利得を制御し、利得制御後の交流電圧信号を、ジャイロ振動素子1に形成された駆動信号端子134を介して駆動信号電極130に出力する。この駆動信号電極130に入力される交流電圧信号(駆動信号)によりジャイロ振動素子1が振動する。
検出回路420は、チャージアンプ回路421,422と、差動増幅回路423と、AC増幅回路424と、同期検波回路425と、平滑回路426と、可変増幅回路427と、フィルター回路428と、を有する。検出回路420は、ジャイロ振動素子1の第1検出振動腕30に形成された検出信号電極110(第1検出電極S1a)に生じる第1検出信号と、第2検出振動腕32に形成された検出信号電極110(第2検出電極S2a)に生じる第2検出信号と、を差動増幅させて差動増幅信号を生成し、該差動増幅信号に基づいて所定の物理量(角速度)を検出する回路である。以下、検出回路420について、詳細に説明する。
チャージアンプ回路421,422には、ジャイロ振動素子1の第1及び第2検出振動腕30,32に形成された検出信号電極110(第1検出電極S1a、第2検出電極S2a)により検出された互いに逆位相(逆相)の検出信号(交流電流)が、検出信号端子114(換言すれば、第1及び第2検出信号パターンS1,S2)を介して入力される。
例えば、チャージアンプ回路421には、第1検出振動腕30に形成された検出信号電極110(第1検出電極S1a)により検出された第1検出信号が入力され、チャージアンプ回路422には、第2検出振動腕32に形成された検出信号電極110(第2検出電極S2a)により検出された第2検出信号が入力される。そして、チャージアンプ回路421,422は、入力された検出信号(交流電流)を、基準電圧Vrefを中心とする交流電圧信号に変換する。
差動増幅回路423は、チャージアンプ回路421の出力信号と、チャージアンプ回路422の出力信号と、を差動増幅して差動増幅信号を生成する。差動増幅回路423の出力信号(差動増幅信号)は、更にAC増幅回路424で増幅される。
同期検波回路425は、駆動回路410のAC増幅回路412が出力する交流電圧信号を基に、AC増幅回路424の出力信号を同期検波することにより角速度成分を抽出する。
同期検波回路425で抽出された角速度成分の信号は、平滑回路426で直流電圧信号に平滑化され、可変増幅回路427に入力される。
可変増幅回路427は、平滑回路426の出力信号(直流電圧信号)を、設定された増幅率(または減衰率)で増幅(または減衰)して角速度感度を変化させる。可変増幅回路427で増幅(または減衰)された信号は、フィルター回路428に入力される。
フィルター回路428は、可変増幅回路427の出力信号から高周波のノイズ成分を除去し(正確には所定レベル以下に減衰させ)、角速度の方向及び大きさに応じた極性及び電圧レベルの検出信号を生成する。そして、この検出信号は外部出力端子(図示せず)から外部へ出力される。
上述したように、第1実施形態のジャイロ振動素子1は、駆動信号パターンD1と容量結合している第1検出信号パターンS1、駆動信号パターンD1と容量結合している第2検出信号パターンS2、及び駆動信号パターンD1のいずれか1つ(ここでは、第2検出信号パターンS2)が、当該信号パターン(第2検出信号パターンS2)の面積を調整する調整用パターンPを含む。
これにより、ジャイロ振動素子1は、決められた1つの信号パターン(ここでは、第2検出信号パターンS2)に調整用パターンP(調整用電極に相当)が含まれることから、従来(例えば、特許文献1)のような、調整用電極を検出信号用配線の数に応じて、複数の櫛歯状に設ける必要がない。
例えば、ジャイロ振動素子1は、第1検出信号パターンS1と第2検出信号パターンS2とに、予め製造ばらつきを見込んで十分な静電容量の差(ここでは、C1≪C2)をつけておくことで、調整用パターンPを第1検出信号パターンS1または第2検出信号パターンS2のどちらか一方(ここでは、第2検出信号パターンS2)に含ませることができる。
この結果、ジャイロ振動素子1は、信号パターンの面積を調整する調整用パターンPにより第1検出信号パターンS1と第2検出信号パターンS2との静電容量の差(C1−C2)を小さくして、不要信号成分の不均衡を低減し、角速度ωの検出精度を向上させつつ、更なる小型化や生産性の向上を図ることができる。
また、ジャイロ振動素子1は、基部10と、基部10に接続された振動部としての、第1及び第2検出振動腕30,32、第1〜第4駆動振動腕40,42,44,46と、を有する振動素子であって、調整用パターンPが基部10に配置されている。
これにより、ジャイロ振動素子1は、調整用パターンPの面積の調整による第1及び第2検出振動腕30,32、第1〜第4駆動振動腕40,42,44,46への影響を、例えば、調整用パターンPが振動腕の根元にある場合より低減することができる。
なお、調整用パターンPは、第2検出信号パターンS2に代えて、第1検出信号パターンS1または駆動信号パターンD1に設けられていてもよい(図3B参照)。
なお、ジャイロ振動素子1は、実使用の際は、容器に収容されている形態となる。これは、以下の各ジャイロ振動素子も同様である。
ここで、調整用パターンPの面積の調整について、ジャイロ振動素子1の製造方法として説明する。
ジャイロ振動素子1の製造方法は、第1検出信号パターンS1と駆動信号パターンD1との間の容量結合による静電容量C1と、第2検出信号パターンS2と駆動信号パターンD1との間の容量結合による静電容量C2との差を、調整用パターンPの面積を変化させることにより小さくする工程を含む。
具体的には、調整用パターンPの面積を変化させる工程は、先ず、第1検出信号パターンS1または第2検出信号パターンS2が調整用パターンPを含み(ここでは、第2検出信号パターンS2)、調整用パターンPを含んでいる方の静電容量(ここではC2)が他方の静電容量(ここではC1)より大きい(C2>C1)ジャイロ振動素子1を用意する。
ついで、図7Aのジャイロ振動素子の製造方法を説明するための要部拡大図に示すように、調整用パターンPの少なくとも一部(図示の二点鎖線で囲んだ部分である除去部R)を、イオンビーム、レーザービーム及び電子ビームなどのエネルギー線で除去し、調整用パターンPの面積を減少させる(換言すれば、調整用パターンPと駆動信号パターンD1との間隔をあける)工程を含む。
以下、調整用パターンPの面積の調整方法について、図7B、及び図7Cを参照して詳述する。7Bは、調整用パターンの調整方法の具体例1を示す要部拡大図である。図7Cは、調整用パターンの調整方法の具体例2を示す要部拡大図である。なお、図7B、及び図7Cでは、エネルギー線としてレーザービームを用いた方法を例示している。
先ず、ジャイロ振動素子1に角速度が印加されていない状態で、上述した駆動回路410によってジャイロ振動素子1を駆動する。
ついで、ジャイロ振動素子1を駆動した状態で、差動増幅回路423の出力信号をオシロスコープなどの測定装置によって測定し、当該出力信号が小さくなるように、エネルギー線、例えばレーザービームを用いることにより調整用パターンPをトリミングする。
詳述すると、図7Bに示す具体例1のように、レーザービームを位置LP1から図中矢印mの方向に、所定の出力信号となる位置LP2まで移動させる。このレーザービームの移動により、レーザービームが照射されて調整用パターンPの除去された除去部Rが形成される。これにより、調整用パターンPは、元々調整用パターンPの幅寸法である、換言すれば、除去の加工がされていない幅W1(第1の幅)の広幅部P1(第1パターン部分)と、駆動信号配線132(駆動信号パターンD1)側の一部が除去(図中二点鎖線です示す部分)された結果、幅寸法の狭い幅W2(第2の幅)の狭幅部P2(第2パターン部分)が形成される。
このように、具体例1では、幅W1のときの調整用パターンPと駆動信号配線132(駆動信号パターンD1)との距離L1が、狭幅部P2の幅W2のときの調整用パターンPと駆動信号配線132(駆動信号パターンD1)との距離L2に変化することによって容量が変化し、容量調整を行うことができる。
また、図7Cに示す具体例2では、レーザービームの移動が繰り返される例を示している。図7Cに示すように、先ず、一列目として、レーザービームを位置LP1から図中矢印mの方向に移動させ、調整用パターンPの端部の位置LP2まで達したが、所定の出力信号とならなかった場合に、さらに、二列目として、レーザービームを位置LP3から図中矢印mの方向に、所定の出力信号となる位置LP4まで移動させる。このようなレーザービームの位置LP1から位置LP4までの移動により、レーザービームが照射されて調整用パターンPの除去された除去部(一段目の除去部R1および二段目の除去部R2)が形成される。
このように具体例2では、幅W1のときの調整用パターンPと駆動信号配線132(駆動信号パターンD1)との距離L1が、狭幅部P2の幅W3のときの調整用パターンPと駆動信号配線132(駆動信号パターンD1)との距離L3に変化することによって容量が変化し、容量調整を行うことができる。
なお、レーザービームの照射による調整用パターンPの除去では、除去部Rのエッジ部分は、必ずしも直線ではなく、凹凸があったり、もしくは蛇行したりすることが多い。また、除去部Rのエッジ部分は、厚み方向に調整用パターンPの溶融残渣による盛り上がりを生じることがある。
なお、このトリミングは、ジャイロ振動素子1を駆動した状態で、チャージアンプ回路421及びチャージアンプ回路422の出力信号をオシロスコープなどの測定装置によって測定し、チャージアンプ回路421の出力信号の振幅と、チャージアンプ回路422の出力信号の振幅とが一致するように、エネルギー線により調整用パターンPをトリミングしてもよい。
これにより、静電容量C2と静電容量C1との差を小さくすることができる。
また、調整用パターンPの面積を変化させる工程は、先ず、第1検出信号パターンS1または第2検出信号パターンS2が調整用パターンPを含み、調整用パターンPを含んでいる方(例えば、第2検出信号パターンS2)の静電容量が他方の静電容量より小さい(C2<C1)ジャイロ振動素子1を用意する。
ついで、蒸着、スパッタ及びイオンビームの少なくとも一つにより、調整用パターンPの面積を増加させる(換言すれば、調整用パターンPと駆動信号パターンD1との間隔を狭める)工程を含んでもよい。
これにより、静電容量C2と静電容量C1との差を小さくすることができる。
上述したように、ジャイロ振動素子1の製造方法は、調整用パターンPの面積を変化させることにより、第1検出信号パターンS1と駆動信号パターンD1との間の静電容量C1と、第2検出信号パターンS2と駆動信号パターンD1との間の静電容量C2との差を小さくすることから、不要信号成分の不均衡が低減され、ジャイロ振動素子1の検出精度を向上させることができる。
また、ジャイロ振動素子1の製造方法は、調整用パターンPが第1検出信号パターンS1、第2検出信号パターンS2、及び駆動信号パターンD1のいずれか1つ(ここでは、第2検出信号パターンS2)に備えられていることから、各信号パターンに備えられている場合より、ジャイロ振動素子1の更なる小型化や生産性の向上を図ることができる。
また、ジャイロ振動素子1の製造方法は、調整用パターンPを含んでいる方の静電容量が他方の静電容量より大きいジャイロ振動素子1を用意し、調整用パターンPの少なくとも一部をエネルギー線で除去し、調整用パターンPの面積を減少させる工程を含むことから、2つの静電容量の差(C1−C2)を確実に小さくすることができる。
これにより、ジャイロ振動素子1の製造方法は、不要信号成分の不均衡が低減され、ジャイロ振動素子1の検出精度を向上させることができる。
また、ジャイロ振動素子1の製造方法は、調整用パターンPを含んでいる方の静電容量が他方の静電容量より小さいジャイロ振動素子1を用意し、蒸着及びスパッタの少なくとも一方により、調整用パターンPの面積を増加させる工程を含むことから、2つの静電容量の差(C1−C2)を確実に小さくすることができる。
これにより、ジャイロ振動素子1の製造方法は、不要信号成分の不均衡が低減され、ジャイロ振動素子1の検出精度を向上させることができる。
なお、ジャイロ振動素子1は、各支持部、各梁を除去し、各端子を基部10の第2表面102に配置する構成としてもよい。これによれば、ジャイロ振動素子1は、更なる小型化を図ることができる。
(変形例)
次に、第1実施形態の変形例について説明する。
図8は、第1実施形態の変形例のジャイロ振動素子の一方の主面側から見た、一方の主面側の構成を示す平面図である。なお、第1実施形態との共通部分には、同一の符号を付して詳細な説明は省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図8に示すように、変形例のジャイロ振動素子2は、基部10に接続された固定部としての第1支持部60及び第2支持部62を備え、駆動信号配線132、第1検出信号配線S1b、及び第2検出信号配線S2bは、基部10及び第1支持部60及び第2支持部62の両方に配置され、調整用パターンPは、第1支持部60または第2支持部62に配置されている(ここでは、第2支持部62の検出信号端子114に配置されている)。
ここでは、一例として予め製造ばらつきを見込んで、第1検出信号パターンS1と駆動信号パターンD1との間の静電容量C1と、第2検出信号パターンS2と駆動信号パターンD1との間の静電容量C2とに十分な差をつけてある(C1≪C2)。
これにより、ジャイロ振動素子2は、前述した方法で、調整用パターンPの面積を調整することによって、第1検出信号パターンS1と駆動信号パターンD1との間の静電容量C1と、第2検出信号パターンS2と駆動信号パターンD1との間の静電容量C2との差を小さくし、検出精度を向上させることができる。
上述したように、変形例のジャイロ振動素子2は、基部10に接続された第1支持部60及び第2支持部62を備え、調整用パターンPが、第1支持部60または第2支持部62に配置されている。
この結果、ジャイロ振動素子2は、調整用パターンPの面積の調整による振動部としての、第1及び第2検出振動腕30,32、第1〜第4駆動振動腕40,42,44,46への影響を、調整用パターンPが基部10に配置されている場合より、更に低減することができる。
また、ジャイロ振動素子2は、調整用パターンPが基部10に配置されている場合より、基部10を小型化することができる。
なお、調整用パターンPは、他方の主面(第2表面102)側に設けられていてもよい。
(第2実施形態)
次に、物理量検出デバイスの一例としての物理量センサーモジュールについて説明する。
図9は、第2実施形態の物理量センサーモジュールの構成を示す平面図である。図10は、図9のE−E線での断面図である。なお、第1実施形態との共通部分には、同一の符号を付して詳細な説明は省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図9及び図10に示すように、物理量センサーモジュール3は、振動素子としてのジャイロ振動素子1Aと、中継基板310によってジャイロ振動素子1Aと電気的に接続されている電子素子としてのICチップ320と、を備えている。なお、平面図のジャイロ振動素子1Aには、わかり易くするためにハッチングを施してある。
そして、物理量センサーモジュール3は、駆動信号パターンD1、第1検出信号パターンS1、及び第2検出信号パターンS2が、ジャイロ振動素子1Aと中継基板310とに跨って配置されている。
そして、物理量センサーモジュール3は、調整用パターンPが、中継基板310に配置されている。
詳述すると、物理量センサーモジュール3は、例えば、前述したジャイロ振動素子1から調整用パターンPを除いた構成のジャイロ振動素子1Aが、略矩形平板状の中継基板310に搭載され、ジャイロ振動素子1Aの各端子(図示せず)が、中継基板310の中継端子311a〜311fに金属バンプなどの接合部材312で電気的及び機械的に接続されている。
中継基板310は、ポリイミドなどの樹脂からなる基板本体313と、基板本体313のジャイロ振動素子1A側に積層された銅などの金属箔からなる配線パターン314と、を備えている。
配線パターン314は、ジャイロ振動素子1Aの各端子に対向する部分が、中継端子311a〜311fとなり、ICチップ320の略中央部に設けられている接続パッド321に対向する部分が、接続端子315a,315b,315d,315eとなっている。なお、接続端子315a,315b,315d,315e部分の基板本体313には、貫通孔が設けられている。
中継端子311aは、接続端子315aと接続され、中継端子311bは、接続端子315bと接続され、中継端子311dは、接続端子315dと接続され、中継端子311eは、接続端子315eと接続されている。
中継基板310は、ICチップ320のパッシベーション膜323上に搭載され、接続端子315a,315b,315d,315eが、ICチップ320の接続パッド321に金属バンプなどの接合部材322で電気的に接続されている。
これにより、ジャイロ振動素子1AとICチップ320とは、電気的に接続されていることになる。
ICチップ320の接続パッド321は、駆動回路410及び検出回路420に接続されており、中継基板310の中継端子311aと接続端子315aとを接続する配線パターン314は、駆動信号パターンD1となり、中継端子311dと接続端子315dとを接続する配線パターン314は、第1検出信号パターンS1となり、中継端子311eと接続端子315eとを接続する配線パターン314は、第2検出信号パターンS2となる。
なお、第1検出信号パターンS1は、中継基板310の外周に沿って時計回りに引き回され、中継端子311aの近傍まで達している。そして、中継端子311aの近傍まで達している第1検出信号パターンS1の先端部が、調整用パターンPとなっている。
物理量センサーモジュール3は、第1検出信号パターンS1と駆動信号パターンD1との間の静電容量C1と、第2検出信号パターンS2と駆動信号パターンD1との間の静電容量C2とに、予め製造ばらつきを見込んで十分な差をつけてある(C1≫C2)。
これにより、物理量センサーモジュール3は、第1実施形態で述べた方法で、調整用パターンPの面積を調整することによって、第1検出信号パターンS1と駆動信号パターンD1との間の静電容量C1と、第2検出信号パターンS2と駆動信号パターンD1との間の静電容量C2との差を小さくし、検出精度を向上させることができる。
上述したように、第2実施形態の物理量センサーモジュール3は、ジャイロ振動素子1Aと、中継基板310によってジャイロ振動素子1Aと電気的に接続されているICチップ320と、を備え、調整用パターンPが、中継基板310に配置されていることから、調整用パターンPをジャイロ振動素子1AまたはICチップ320へ配置する場合より、両者を小型化することができる。
また、これにより、物理量センサーモジュール3は、ジャイロ振動素子1Aの設計自由度が向上する。
なお、調整用パターンPは、第1検出信号パターンS1に代えて、第2検出信号パターンS2または駆動信号パターンD1に設けられていてもよい。
(第3実施形態)
次に、物理量検出デバイスの一例としてのH型のジャイロ振動素子について説明する。
図11は、第3実施形態のジャイロ振動素子の一方の主面側から見た、一方の主面側の構成を示す平面図である。図12は、ジャイロ振動素子の一方の主面側から透視した、他方の主面側の構成を示す平面図である。
なお、本実施形態の基本的な構成は、第1実施形態と同様であるので、要点を中心に説明する。
図11及び図12に示すように、H型のジャイロ振動素子5は、基部510と基部510に接続された振動部としての、第1及び第2検出振動腕530,532、第1及び第2駆動振動腕540,542と、基部510に接続された固定部560と、を備えている。
ジャイロ振動素子5は、互いに反対を向く第1表面501(一方の主面)及び第2表面502(他方の主面)と、第1表面501及び第2表面502を接続する側面503と、を有する。第1表面501及び第2表面502は、XY平面に平行な面であって、第2表面502は、収容される容器(図示せず)の内側底面と対向する面である。
側面503は、第1表面501及び第2表面502と直交し、Z軸に平行な面である。
第1及び第2検出振動腕530,532は、略矩形状の基部510からY軸に沿って正の方向に延在している。
第1及び第2駆動振動腕540,542は、基部510からY軸に沿って負の方向に延在している。
なお、第1及び第2検出振動腕530,532、第1及び第2駆動振動腕540,542は、溝部を有しているが、図が煩雑となるため省略してある。
固定部560は、基部510からX軸に沿って正及び負の方向に延在しながら屈曲し、第1及び第2駆動振動腕540,542を囲むように設けられている。第1及び第2駆動振動腕540,542の両側には、基部510と固定部560とをつなぐ梁570,572がY軸に沿って延在している。
ジャイロ振動素子5は、駆動信号が印加される駆動電極D1a,D2a、及び駆動電極D1a,D2aに接続された駆動信号配線D1b,D2bを含む駆動信号パターンD1,D2と、第1検出信号を出力する第1検出電極S1a、及び第1検出電極S1aに接続された第1検出信号配線S1bを含み、駆動信号パターンD1と静電容量C1で容量結合している第1検出信号パターンS1と、を備えている。なお、駆動電極D2aは、第1実施形態における駆動接地電極(140)と同様の機能を果たす。
更に、ジャイロ振動素子5は、第1検出信号と逆相の第2検出信号を出力する第2検出電極S2a、及び第2検出電極S2aに接続された第2検出信号配線S2bを含み、駆動信号パターンD1と静電容量C2で容量結合している第2検出信号パターンS2を備えている。
そして、ジャイロ振動素子5は、第1検出信号パターンS1、第2検出信号パターンS2、及び駆動信号パターンD1のいずれか1つ(ここでは、第1検出信号パターンS1)が、当該信号パターン(ここでは、第1検出信号パターンS1)の面積を調整する調整用パターンPを含んでいる。
具体的には、駆動電極D1a,D2aは、第1及び第2駆動振動腕540,542に配置され、第1検出電極S1a、及び第2検出電極S2aは、第1及び第2検出振動腕530,532に配置されている。
また、駆動信号配線D1b,D2b、第1検出信号配線S1b、及び第2検出信号配線S2bは、基部510に配置され、調整用パターンPは、基部510の第1表面501の第1検出信号配線S1bに配置されている。調整用パターンPは、Y軸に沿って負の方向に略矩形状に突出して配置されている。
また、駆動信号端子D1c,D2cは、固定部560のX軸に沿って延在している部分の第1及び第2駆動振動腕540,542に対向する位置の第2表面502に配置され、第1検出信号端子S1c、及び第2検出信号端子S2cは、それぞれ固定部560のY軸に沿って延在している部分の略中央の第2表面502に配置されている。
駆動信号端子D1c,D2c、第1検出信号端子S1c、及び第2検出信号端子S2cは、それぞれ各配線(D1bなど)を経由して各電極(D1aなど)に接続されている。
なお、各電極、各配線は、側面503にも配置され、側面503を経由して第1表面501及び第2表面502に延在している。
また、ジャイロ振動素子5は、調整用パターンPと、駆動信号パターンD1、第1検出信号パターンS1、及び第2検出信号パターンS2の内、容量結合の対象となる信号パターン(ここでは、駆動信号パターンD1)とが、互いに対向して配置され、調整用パターンPと駆動信号パターンD1(D1b)との間に、定電位パターンFが配置されている。
なお、定電位パターンFは、接地電位(グランド電位)となっており、駆動信号パターンD1、第1検出信号パターンS1、及び第2検出信号パターンS2以外のスペースの殆どの部分に配置され、ノイズなどの侵入を低減する機能を果たしている。
ここで、ジャイロ振動素子5の動作の概略について説明する。
図13は、ジャイロ振動素子の駆動振動状態を示す模式斜視図であり、図14は、ジャイロ振動素子の検出振動状態を示す模式斜視図である。なお、図13及び図14では、説明の便宜上、ジャイロ振動素子の形状を単純化し固定部を省略してある。
図13に示すように、ジャイロ振動素子5は、第1及び第2駆動振動腕540,542に設けられた駆動電極(D1a,D2a、図示せず)に駆動信号が印加されることにより、第1及び第2駆動振動腕540,542が、X軸に沿って互いに近づく方向(白矢印)と、互いに離れる方向(黒矢印)とに交互に屈曲振動する駆動振動を行う。
この駆動振動状態で、図14に示すように、Y軸回りに角速度ω1が印加されると(換言すれば、Y軸を中心にしてジャイロ振動素子5が回転すると)、コリオリの力によりジャイロ振動素子5は、第1及び第2駆動振動腕540,542と、第1及び第2検出振動腕530,532とが、Z軸に沿って正の方向と負の方向とに交互に屈曲振動する検出振動を行う。
詳述すると、第1駆動振動腕540及び第2検出振動腕532が正の方向に屈曲すると、第2駆動振動腕542及び第1検出振動腕530が負の方向に屈曲し(黒矢印)、第1駆動振動腕540及び第2検出振動腕532が負の方向に屈曲すると、第2駆動振動腕542及び第1検出振動腕530が正の方向に屈曲する(白矢印)検出振動を行う。
ジャイロ振動素子5は、この検出振動に伴って第1及び第2検出振動腕530,532に設けられた第1及び第2検出電極(S1a,S2a図示せず)に生じる電荷を、第1検出信号及び第2検出信号として取り出すことにより、角速度ω1を導出することができる。
図11及び図12に戻って、ジャイロ振動素子5は、調整用パターンPを第1検出信号パターンS1に設け、第1検出信号パターンS1と第2検出信号パターンS2とに、予め製造ばらつきを見込んで十分な静電容量の差(C1≫C2)をつけてある。
これにより、ジャイロ振動素子5は、第1実施形態で述べた方法で、調整用パターンPの面積を調整することによって、第1検出信号パターンS1と駆動信号パターンD1との間の静電容量C1と、第2検出信号パターンS2と駆動信号パターンD1との間の静電容量C2との差を小さくし、角速度ω1の検出精度を向上させることができる。
上述したように、第3実施形態のジャイロ振動素子5は、第1実施形態と同様に、決められた1つの信号パターン(ここでは、第1検出信号パターンS1)に調整用パターンPが含まれることから、従来(例えば、特許文献1)のような、調整用電極を検出信号用配線の数に応じて、複数の櫛歯状に設ける必要がない。
この結果、ジャイロ振動素子5は、調整用パターンPにより第1検出信号パターンS1と第2検出信号パターンS2との静電容量の差(C1−C2)を小さくして、角速度ω1の検出精度を向上させつつ、更なる小型化や生産性の向上を図ることができる。
また、ジャイロ振動素子5は、第1実施形態と同様に、基部510と、基部510に接続された第1及び第2検出振動腕530,532、第1及び第2駆動振動腕540,542と、を有する振動素子であって、調整用パターンPが基部510に配置されていることから、調整用パターンPの面積の調整による第1及び第2検出振動腕530,532、第1及び第2駆動振動腕540,542への影響を、例えば調整用パターンPが、振動腕の根元にある場合より低減することができる。
また、ジャイロ振動素子5は、調整用パターンPと、容量結合の対象となる信号パターン(ここでは、駆動信号パターンD1)との間に、定電位パターンFが配置されていることから、容量結合に伴う調整用パターンPと駆動信号パターンD1との間の静電容量C1を、定電位パターンFが配置されていない場合より低減することができる。
なお、ジャイロ振動素子5は、調整用パターンPを第1検出信号パターンS1に代えて、第2検出信号パターンS2または駆動信号パターンD1に含ませてもよい。この場合でも、ジャイロ振動素子5は、上記と同様の効果を奏することができる。この構成は、以下の各変形例にも適用可能である。
また、ジャイロ振動素子5は、固定部560を除去し、各端子を基部510の第2表面502に設ける構成としてもよい。これによれば、ジャイロ振動素子5は、更なる小型化を図ることができる。この構成は、以下の変形例1〜3にも適用可能である。
次に、第3実施形態の変形例について説明する。
(変形例1)
図15は、第3実施形態の変形例1のジャイロ振動素子の構成を示す要部拡大平面図である。なお、第3実施形態との共通部分には、同一の符号を付して詳細な説明は省略し、第3実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図15に示すように、変形例1のジャイロ振動素子6は、調整用パターンPと、駆動信号パターンD1、第1検出信号パターンS1、及び第2検出信号パターンS2の内、容量結合の対象となる信号パターン(ここでは、駆動信号パターンD1)とが、互いに対向して配置され、調整用パターンPと駆動信号パターンD1との間に、静電遮蔽されていない領域がある(換言すれば、定電位パターンFが配置されていない領域がある)。
これによれば、ジャイロ振動素子6は、調整用パターンPと、容量結合の対象となる信号パターン(ここでは、駆動信号パターンD1)との間に、静電遮蔽されていない領域(定電位パターンFが配置されていない領域)があることから、定電位パターンFが配置されている場合より、調整用パターンP(第1検出信号パターンS1)と駆動信号パターンD1との間の静電容量C1が大きくなる。
このことから、ジャイロ振動素子6は、調整用パターンPの面積を調整することによって、同じ調整量でも定電位パターンFが配置されている場合より、静電容量C1の変化を大きくすることができる。
この結果、ジャイロ振動素子6は、第1実施形態で述べた方法で、例えば幅W1の調整用パターンPの駆動信号配線D1b側の一部を除去(図中二点鎖線です示す部分)することによって幅寸法の狭い幅W2の狭幅部が形成されている。このように、幅W1のときの調整用パターンPと駆動信号配線D1bとの距離が、狭幅部の幅W2のときの調整用パターンPと駆動信号配線D1bとの距離に変化することによって、容量調整を行うことが可能となる。具体的には、調整用パターンPと駆動信号配線D1bとの静電容量C1が、静電容量C1aに変化する。このように、調整用パターンPの面積を調整する、即ち調整用パターンPと駆動信号配線D1bとの間の距離を変化させることによって、第1検出信号パターンS1と駆動信号パターンD1との間の静電容量C1と、第2検出信号パターンS2と駆動信号パターンD1との間の静電容量C2(図12参照)との差を小さくし、角速度ω1の検出精度を向上させることができる。
(変形例2)
図16は、第3実施形態の変形例2のジャイロ振動素子の構成を示す要部拡大平面図である。なお、第3実施形態との共通部分には、同一の符号を付して詳細な説明は省略し、第3実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図16に示すように、変形例2のジャイロ振動素子7は、調整用パターンPと、駆動信号パターンD1、第1検出信号パターンS1、及び第2検出信号パターンS2の内、容量結合の対象となる信号パターン(ここでは、駆動信号パターンD1)とが、互いに対向して配置され、調整用パターンPと駆動信号パターンD1との間に、定電位パターンFが配置されている領域と、静電遮蔽されていない領域(定電位パターンFが配置されていない領域)とが、ある。
これによれば、ジャイロ振動素子7は、調整用パターンPと、容量結合の対象となる信号パターン(ここでは、駆動信号パターンD1)との間に、定電位パターンFが配置されている領域と、静電遮蔽されていない領域(定電位パターンFが配置されていない領域)とが、あることから、調整用パターンPの面積を調整する場所によって、静電容量C1の変化を大きくしたり小さくしたりすることができる。
具体的には、ジャイロ振動素子7は、定電位パターンFが配置されていない領域(静電容量C1:大)に対応する部分の面積を調整することによって、静電容量C1の粗調整が行え、定電位パターンFが配置されている領域(静電容量C1:小)に対応する部分の面積を調整することによって、静電容量C1の微調整が行える。
この結果、ジャイロ振動素子7は、第1実施形態で述べた方法で、調整用パターンPの面積を調整することによって、第1検出信号パターンS1と駆動信号パターンD1との間の静電容量C1と、第2検出信号パターンS2と駆動信号パターンD1との間の静電容量C2(図12参照)との差を小さくし、角速度ω1の検出精度を向上させることができる。
(変形例3)
図17は、第3実施形態の変形例3のジャイロ振動素子の構成を示す要部拡大平面図である。なお、第3実施形態との共通部分には、同一の符号を付して詳細な説明は省略し、第3実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図17に示すように、変形例3のジャイロ振動素子8は、調整用パターンPと、駆動信号パターンD1、第1検出信号パターンS1、及び第2検出信号パターンS2の内、容量結合の対象となる信号パターン(ここでは、駆動信号パターンD1)とが、互いに対向して配置され、調整用パターンPの駆動信号パターンD1側の端部が階段状に形成されている。
これによれば、ジャイロ振動素子8は、調整用パターンPの駆動信号パターンD1側の端部が階段状に形成されていることから、調整用パターンPの面積を調整する場所(調整する階段部分の駆動信号パターンD1からの距離)によって、静電容量C1の変化を大きくしたり小さくしたりすることができる。
この結果、ジャイロ振動素子8は、第1実施形態で述べた方法で、調整用パターンPの面積を調整することによって、第1検出信号パターンS1と駆動信号パターンD1との間の静電容量C1と、第2検出信号パターンS2と駆動信号パターンD1との間の静電容量C2(図12参照)との差を小さくし、角速度ω1の検出精度を向上させることができる。
(変形例4)
図18は、第3実施形態の変形例4のジャイロ振動素子の一方の主面側から透視した、他方の主面側の構成を示す平面図である。なお、第3実施形態との共通部分には、同一の符号を付して詳細な説明は省略し、第3実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図18に示すように、変形例4のジャイロ振動素子9Aは、基部510に接続された固定部560を備え、駆動信号配線D1b,D2b、第1検出信号配線S1b、及び第2検出信号配線S2bは、基部510及び固定部560の両方に配置され、調整用パターンPは、固定部560に配置されている。
具体的には、調整用パターンPは、第1検出信号配線S1bの内、第1検出信号端子S1cから、固定部560の形状に沿ってY軸の負の方向に延在し、駆動信号端子D1cの近傍まで配置されている部分に含まれている。
なお、第2検出信号端子S2cからは、第2検出信号配線S2b(第2検出信号パターンS2)が固定部560の形状に沿ってY軸の負の方向に延在し、駆動信号端子D2cの近傍まで配置されている。
ジャイロ振動素子9Aは、調整用パターンPを固定部560の第1検出信号配線S1b(第1検出信号パターンS1)に設け、第1検出信号パターンS1と第2検出信号パターンS2とに、予め製造ばらつきを見込んで十分な静電容量の差(C1≫C2)をつけてある。
これにより、ジャイロ振動素子9Aは、第1実施形態で述べた方法で、調整用パターンPの面積を調整することによって、第1検出信号パターンS1と駆動信号パターンD1との間の静電容量C1と、第2検出信号パターンS2と駆動信号パターンD1との間の静電容量C2との差を小さくし、角速度ω1の検出精度を向上させることができる。
上述したように、変形例4のジャイロ振動素子9Aは、基部510に接続された固定部560を備え、調整用パターンPが、固定部560に配置されていることから、調整用パターンPの面積の調整による第1及び第2検出振動腕530,532、第1及び第2駆動振動腕540,542への影響を、基部510に調整用パターンPがある場合より更に低減することができる。
また、ジャイロ振動素子9Aは、調整用パターンPが基部510に配置されている場合より、基部510を小型化することができる。
なお、ジャイロ振動素子9Aは、第1検出信号端子S1cから延び、調整用パターンPが含まれる第1検出信号配線S1bと、第2検出信号端子S2cから延び、第1検出信号配線S1bと並列に延在する第2検出信号配線S2bとが、2点鎖線で示すように、個片化前のウエハー状態における検査や調整用の配線を兼ねていてもよい。
これによれば、ジャイロ振動素子9Aは、調整用パターンPを専用に用意する必要がないことから、小型化を図ることができる。
(第4実施形態)
次に、物理量検出デバイスの一例としての物理量センサーについて説明する。
図19は、第4実施形態の物理量センサーの構成を示す平面図であり、図20は、図19のH−H線での断面図である。なお、第4実施形態では、H型のジャイロ振動素子を用いていることから、第3実施形態との共通部分には、同一の符号を付して詳細な説明は省略し、第3実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図19及び図20に示すように、物理量センサー9Bは、振動素子としてのジャイロ振動素子5Aと、ジャイロ振動素子5Aを駆動する駆動回路410及びジャイロ振動素子5Aの物理量(角速度)検出動作を検出する検出回路420などを内蔵するICチップ320と、ジャイロ振動素子5A及びICチップ320を収容する容器としてのパッケージ900と、を備えている。
ジャイロ振動素子5Aは、第3実施形態のジャイロ振動素子5から調整用パターンPを除去したものである。なお、図19では、ジャイロ振動素子5Aは、第1表面501から透視した第2表面502側の構成を示している。
パッケージ900は、平面形状が略矩形で凹部902を有したパッケージベース901と、パッケージベース901の凹部902を覆う平面形状が略矩形で平板状のリッド(蓋)903と、を有し、略直方体形状に形成されている。
パッケージベース901には、例えば、セラミックグリーンシートを成形して積層し焼成した酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、炭化珪素質焼結体、ガラスセラミック焼結体などのセラミック系の絶縁性材料が用いられている。
パッケージベース901の凹部902を覆うリッド903には、パッケージベース901と同材料、または、コバール、42アロイなどの金属が用いられている。
パッケージベース901の凹部902の内壁に沿って設けられた段差部904には、ジャイロ振動素子5Aの各信号端子と対向する位置に、各接続端子が設けられ、互いに接続部としての接合部材905により電気的に接続されている。
詳述すると、駆動信号端子D1cと対向する位置には、接続端子D1dが設けられ、駆動信号端子D2cと対向する位置には、接続端子D2dが設けられ、第1検出信号端子S1cと対向する位置には、接続端子S1dが設けられ、第2検出信号端子S2cと対向する位置には、接続端子S2dが設けられ、それぞれ接合部材905により電気的及び機械的に接続されている。
接続端子D1dは、駆動信号パターンD1に含まれ、接続端子D2dは、駆動信号パターンD2に含まれる。
第1検出信号パターンS1に含まれる接続端子S1dからは、第1検出信号配線S1bが、凹部902の内周に沿って接続端子D1dの近傍まで延在し、先端部に調整用パターンPを含んでいる。
第2検出信号パターンS2に含まれる接続端子S2dからは、第2検出信号配線S2bが、凹部902の内周に沿って接続端子D1dの近傍まで延在している。
これらにより、駆動信号パターンD1,D2、第1検出信号パターンS1、及び第2検出信号パターンS2は、接合部材905を介してジャイロ振動素子5Aとパッケージ900とに跨って配置され、調整用パターンPは、パッケージ900に配置されていることになる。
パッケージベース901の凹部902の底面906には、ICチップ320を収容する収容凹部907が設けられている。ICチップ320は、収容凹部907の底面に接着剤(図示せず)などで固定され、接続パッド(図示せず)が、収容凹部907の周囲に設けられた内部端子908にボンディングワイヤー909などを用いて接続されている。
内部端子908は、内部配線(図示せず)を経由して各接続端子やパッケージベース901の外底面910に設けられた外部端子911などと接続されている。
パッケージベース901の各信号パターン、内部端子908、外部端子911及び内部配線などは、例えば、タングステンやモリブデンなどの金属粉末に有機バインダー、溶剤を添加混合して得た金属ペーストを、例えば、スクリーン印刷法を用いて印刷(塗布)後、加熱処理することによって形成されたメタライズ層に、ニッケル、金などの各被膜をメッキ法などにより積層した金属被膜からなる。
なお、接合部材905としては、金属粒子などの導電性物質が混合された、エポキシ系、シリコーン系、ポリイミド系などの導電性接着剤、金属バンプなどが挙げられる。
物理量センサー9Bは、ジャイロ振動素子5Aがパッケージベース901の各接続端子に接続された状態で、パッケージベース901の凹部902がリッド903により覆われ、パッケージベース901とリッド903とがシールリング、低融点ガラス、接着剤などの接合部材912で気密に接合される。
気密に接合されたパッケージ900内は、減圧状態(真空度の高い状態)となっている。
物理量センサー9Bは、第3実施形態と同様のジャイロ振動素子5Aの動作により角速度が検出され、ICチップ320を経由して検出信号が外部端子911から出力される。
物理量センサー9Bは、調整用パターンPをパッケージ900の第1検出信号パターンS1(S1b)に設け、第1検出信号パターンS1と第2検出信号パターンS2(S2b)とに、予め製造ばらつきを見込んで十分な静電容量の差(C1≫C2)をつけてある。
具体的には、調整用パターンPを駆動信号パターンD1(接続端子D1d)に近づけるとともに、調整用パターンPを第2検出信号パターンS2より太くしてある。
これにより、物理量センサー9Bは、第1実施形態で述べた方法で、調整用パターンPの面積を調整することによって、第1検出信号パターンS1と駆動信号パターンD1との間の静電容量C1と、第2検出信号パターンS2と駆動信号パターンD1との間の静電容量C2との差を小さくし、角速度の検出精度を向上させることができる。
上述したように、第4実施形態の物理量センサー9Bは、ジャイロ振動素子5Aと、パッケージ900と、を備え、ジャイロ振動素子5Aとパッケージ900とが、接合部材905によって互いに電気的に接続され、調整用パターンPがパッケージ900に配置されていることから、調整用パターンPをジャイロ振動素子5Aへ配置する場合より、ジャイロ振動素子5Aを小型化することができる。
なお、物理量センサー9Bは、ジャイロ振動素子5Aに代えて、ダブルT型の振動素子を搭載してもよい。この場合でも同様の効果を奏することができる。
なお、上記実施形態及び変形例では、ジャイロ振動素子の材質(基材)を水晶などの圧電体としたが、シリコンなどの半導体であってもよい。
また、ジャイロ振動素子は、ダブルT型やH型以外にも、二脚音叉、三脚音叉、くし歯型、直交型、角柱型など、種々の型のものを用いることが可能である。また、物理量センサーは、複数のジャイロ振動素子を搭載してもよい。これによれば、物理量センサーは、例えば、X軸、Y軸及びZ軸の3軸回りの角速度を検出することができる。この際、調整用パターンを、1つのジャイロ振動素子のみに設ける構成とすることも可能である。
(電子機器)
次に、上述した物理量検出デバイスを備えている電子機器について説明する。
図21は、物理量検出デバイスを備えている電子機器としてのモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す模式斜視図である。
図21に示すように、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1101を有する表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このようなパーソナルコンピューター1100には、上述した物理量検出デバイスのいずれかが内蔵されている(ここでは、一例としてジャイロ振動素子1)。
図22は、物理量検出デバイスを備えている電子機器としての携帯電話(PHSも含む)の構成を示す模式斜視図である。
図22に示すように、携帯電話1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1201が配置されている。
このような携帯電話1200には、上述した物理量検出デバイスのいずれかが内蔵されている(ここでは、一例としてジャイロ振動素子1)。
図23は、物理量検出デバイスを備えている電子機器としてのデジタルスチルカメラの構成を示す模式斜視図である。なお、この図23には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面(図中手前側)には、表示部1310が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1310は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。
また、ケース1302の正面側(図中奥側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1310に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。
また、このデジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、ビデオ信号出力端子1312には、テレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314には、パーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。更に、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。
このようなデジタルスチルカメラ1300には、上述した物理量検出デバイスのいずれかが内蔵されている(ここでは、一例としてジャイロ振動素子1)。
このような電子機器は、上述した物理量検出デバイスを備えていることから、上記実施形態及び変形例で説明した効果が奏され、優れた性能を発揮することができる。
なお、上述した物理量検出デバイスを備えている電子機器としては、これら以外に、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、各種ナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類、フライトシミュレーター、GPSモジュール、ネットワーク機器、放送機器などが挙げられる。
いずれの場合にも、これらの電子機器は、上述した物理量検出デバイスを備えていることから、上記実施形態及び変形例で説明した効果が奏され、優れた性能を発揮することができる。
(移動体)
次に、上述した物理量検出デバイスを備えている移動体について説明する。
図24は、物理量検出デバイスを備えている移動体としての自動車を示す模式斜視図である。
図24に示す自動車1500は、上述した物理量検出デバイスのいずれか(ここでは、一例としてジャイロ振動素子1)を、搭載されているナビゲーション装置、姿勢制御装置などの姿勢検出センサーの構成要素として用いている。
これによれば、自動車1500は、上述した物理量検出デバイスを備えていることから、上記実施形態及び変形例で説明した効果が奏され、優れた性能を発揮することができる。
上述した物理量検出デバイスは、上記自動車1500に限らず、自走式ロボット、自走式搬送機器、列車、船舶、飛行機、人工衛星などを含む移動体の姿勢検出センサーなどに好適に用いることができ、いずれの場合にも上記実施形態及び変形例で説明した効果が奏され、優れた移動体を提供することができる。
1,2…物理量検出デバイスとしてのジャイロ振動素子、3…物理量検出デバイスとしての物理量センサーモジュール、5,6,7,8,9A…物理量検出デバイスとしてのジャイロ振動素子、1A,5A…ジャイロ振動素子、9B…物理量検出デバイスとしての物理量センサー、10…基部、20…第1連結腕、22…第2連結腕、30…第1検出振動腕、32…第2検出振動腕、40…第1駆動振動腕、42…第2駆動振動腕、50…第1梁、52…第2梁、54…第3梁、56…第4梁、60…固定部としての第1支持部、62…固定部としての第2支持部、101…第1表面、102…第2表面、103…側面、110…検出信号電極、112…検出信号配線、114…検出信号端子、120…検出接地電極、122…検出接地配線、124…検出接地端子、130…駆動信号電極、132…駆動信号配線、134…駆動信号端子、140…駆動接地電極、142…駆動接地配線、144…駆動接地端子、410…駆動回路、411…I/V変換回路、412…AC増幅回路、413…振幅調整回路、420…検出回路、421,422…チャージアンプ回路、423…差動増幅回路、424…AC増幅回路、425…同期検波回路、426…平滑回路、427…可変増幅回路、428…フィルター回路、310…中継基板、311a,311b,311c,311d,311e,311f…中継端子、312…接合部材、313…基板本体、314…配線パターン、315a,315b,315d,315e…接続端子、320…ICチップ、321…接続パッド、322…接合部材、323…パッシベーション膜、501…第1表面、502…第2表面、503…側面、510…基部、530…第1検出振動腕、532…第2検出振動腕、540…第1駆動振動腕、542…第2駆動振動腕、560…固定部、570,572…梁、900…容器としてのパッケージ、901…パッケージベース、902…凹部、903…リッド(蓋)、904…段差部、905…接合部材、906…凹部の底面、907…収容凹部、908…内部端子、909…ボンディングワイヤー、910…外底面、911…外部端子、1100…電子機器としてのパーソナルコンピューター、1101…表示部、1102…キーボード、1104…本体部、1106…表示ユニット、1200…電子機器としての携帯電話、1201…表示部、1202…操作ボタン、1204…受話口、1206…送話口、1300…電子機器としてのデジタルスチルカメラ、1302…ケース、1304…受光ユニット、1306…シャッターボタン、1308…メモリー、1310…表示部、1312…ビデオ信号出力端子、1314…入出力端子、1430…テレビモニター、1440…パーソナルコンピューター、1500…移動体としての自動車、D1,D2…駆動信号パターン、D1a,D2a…駆動電極、D1b,D2b…駆動信号配線、D1c,D2c…駆動信号端子、D1d,D2d…接続端子、S1…第1検出信号パターン、S1a…第1検出電極、S1b…第1検出信号配線、S1c…第1検出信号端子、S1d…接続端子、S2…第2検出信号パターン、S2a…第2検出電極、S2b…第2検出信号配線、S2c…第2検出信号端子、S2d…接続端子、G…中心点。

Claims (9)

  1. 物理量検出デバイスであって、
    駆動信号が印加される駆動電極、及び前記駆動電極に接続された駆動信号配線を含む駆動信号パターンと、
    第1検出信号を出力する第1検出電極、及び前記第1検出電極に接続された第1検出信号配線を含み、前記駆動信号パターンと容量結合している第1検出信号パターンと、
    前記第1検出信号と逆相の第2検出信号を出力する第2検出電極、及び前記第2検出電極に接続された第2検出信号配線を含み、前記駆動信号パターンと容量結合している第2検出信号パターンと、
    を備え、
    前記第1検出信号パターン、前記第2検出信号パターン、及び前記駆動信号パターンのいずれか1つは、当該信号パターンの面積を調整する調整用パターンを含み、
    前記調整用パターンと、前記駆動信号パターン、前記第1検出信号パターン、及び前記第2検出信号パターンの内、前記容量結合の対象となる信号パターンとは、互いに対向して配置され、
    前記調整用パターンと前記信号パターンとの間には、定電位パターンが配置されていることを特徴とする物理量検出デバイス。
  2. 前記調整用パターンは、前記調整用パターンの延在方向と交差する方向に第1の幅を有する第1パターン部分と、前記方向に前記第1の幅より狭い第2の幅を有する第2パターン部分と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の物理量検出デバイス。
  3. 基部と、前記基部に接続された振動部と、を有する振動素子を備え、
    前記駆動電極、前記第1検出電極、及び前記第2検出電極は、前記振動部に配置され、
    前記駆動信号配線、前記第1検出信号配線、及び前記第2検出信号配線は、前記基部に配置され、
    前記調整用パターンは、前記基部に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の物理量検出デバイス。
  4. 基部と、前記基部に接続された振動部と、前記基部に接続された固定部と、を有する振動素子を備え、
    前記駆動信号配線、前記第1検出信号配線、及び前記第2検出信号配線は、前記基部及び前記固定部の両方に配置され、
    前記調整用パターンは、前記固定部に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の物理量検出デバイス。
  5. 振動素子と、中継基板と、前記中継基板によって前記振動素子と電気的に接続されている電子素子と、を備え、
    前記駆動信号パターン、前記第1検出信号パターン、及び前記第2検出信号パターンは、前記振動素子と前記中継基板とに跨って配置され、
    前記調整用パターンは、前記中継基板に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の物理量検出デバイス。
  6. 振動素子と、前記振動素子を収容する容器と、を備え、
    前記振動素子と前記容器とは、接続部によって互いに電気的に接続され、
    前記駆動信号パターン、前記第1検出信号パターン、及び前記第2検出信号パターンは、前記接続部を介して前記振動素子と前記容器とに跨って配置され、
    前記調整用パターンは、前記容器に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の物理量検出デバイス。
  7. 記調整用パターンと前記信号パターンとの間には、前記定電位パターンが配置されている領域と、静電遮蔽されていない領域とが、あることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の物理量検出デバイス。
  8. 請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の物理量検出デバイスを備えていることを特徴とする電子機器。
  9. 請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の物理量検出デバイスを備えていることを特徴とする移動体。
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