JP6732680B2 - マップ作成方法、マスク検査方法およびマスク検査装置 - Google Patents

マップ作成方法、マスク検査方法およびマスク検査装置 Download PDF

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本発明は、マップ作成方法、マスク検査方法およびマスク検査装置に関する。
従来から、フォトリソグラフィに用いられるマスクに設けられたパターンの欠陥を検査するマスク検査装置では、光テコや共焦点による焦点検出方法によってマスク上の焦点を検出していた。そして、検出された焦点に向かって光を照射することでマスクの光学画像を取得し、取得された光学画像に基づいてパターンの欠陥を検査していた。
しかしながら、ナノインプリントなどの微細加工技術で形成されたナノメーターオーダーの微細なパターンに光テコや共焦点による焦点検出方法を適用する場合、パターンにおいて回折光が発生するため、フォーカス精度を確保することが困難となっていた。このため、微細なパターンの検査においては、光テコや共焦点以外の手法で光学系のピント位置を確保することが求められる。
光テコや共焦点以外の手法で光学系のピント位置を確保する手法の一例として、従来のマスク検査装置は、ステージに沿った参照面と、鉛直方向において参照面に対向する測長器とを備えていた。このマスク検査装置では、測長器によって測長された参照面までの距離に基づいて、ステージの高さを算出できる。
このようなマスク検査装置によってナノメーターオーダーの微細なパターンを検査する際には、先ず、検査の準備段階として、パターンが形成されていない基準マスクをステージ上に搭載する。次いで、基準マスク上の所定のXY座標点が光学系の光路上に位置するようにXY方向にステージを移動させる。次いで、光学系からマスクに光を照射し、照射された光の検出結果に基づいてオートフォーカスを行うことで、光学系のピントが合う位置までZ方向にステージを移動させる。オートフォーカスには光テコなどの焦点検出方法を用いるが、微細なパターンを有しない基準マスクには、オートフォーカスを高精度に適用できる。そして、オートフォーカスによってピントが合ったときの測長器の測長結果に基づいてステージの高さを算出し、算出されたステージの高さをXY座標点と対応付けてマップに記録する。
準備段階では、以上のようなXY座標点に対応するステージの高さの記録を複数のXY座標点について行う。これにより、検査においてステージをZ方向に移動すべき移動量を予め決定することができる。
準備段階の後の検査では、微細なパターンが形成された検査対象マスクをステージ上に搭載する。そして、検査ストライプに沿ってステージをXY方向に移動させながら、測長器の測長結果に基づいて算出されたステージの高さがマップに記録されたステージの高さを打ち消すように、Z方向にステージを移動させる。このようにして、オートフォーカス機能を用いずに、微細なパターンに対するピント位置が確保される。
特開2000−323404号公報
既述したように、オートフォーカスは、ナノメーターオーダーの微細なパターンの検査の準備段階すなわちマップに記録すべきステージの高さの算出に用いることはできるが、パターンへのピント合わせに直接用いることはできない。
もし、マスク検査装置が、微細なパターンとこれよりも線幅が太い通常のパターンとの双方の検査に対応した兼用機である場合、通常のパターンへのピント合わせのためにオートフォーカス機構を備える意義はある。
これに対して、マスク装置が微細なパターンの検査に特化した専用機である場合には、準備段階すなわちマップの作成のためだけにオートフォーカス機能を設けることになるため、費用対効果の観点から問題がある。
本発明の目的は、微細なパターンを有するマスクの欠陥を低コストで高精度に検査できるマップ作成方法、マスク検査方法およびマスク検査装置を提供することにある。
本発明の一態様であるマップ作成方法は、
検査対象マスクを載置可能なXY平面を有し、X方向、Y方向およびZ方向に移動可能なステージと、ステージに載置された検査対象マスクに光源からの光を照射する光学系と、ステージからZ方向に離れた位置にXY平面に沿って設けられた参照面を有する参照面部材と、ステージと参照面との間のZ方向の距離を測定する測定部とを備えたマスク検査装置を用いて、検査対象マスクと光学系のピント位置とのZ方向のずれ量を示すデフォーカスマップを作成するマップ作成方法であって、
Z方向への湾曲度合いが既知である基準マスクを載置したステージと参照面とのZ方向の距離を測定部が測定し、基準マスクのZ方向の湾曲度合いに相当する移動量で基準マスクの湾曲方向と反対方向にZ方向にステージを移動させ、ステージの移動後、透光領域と遮光領域とを有する透過部材および光学系を通して基準マスクに照射した光源からの光による光学画像を検出し、当該検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、Z方向への参照面の湾曲度合いを示す参照面マップを作成し、
検査対象マスクを搭載したステージと参照面とのZ方向の距離を測定部が測定し、参照面マップに示される参照面の湾曲度合いに相当する移動量で参照面の湾曲方向と反対方向に移動するようにZ方向にステージを移動させ、ステージの移動後、透光領域と遮光領域とを有する透過部材および光学系を通して検査対象マスクに照射した光源からの光による光学画像を検出し、当該検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、Z方向への検査対象マスクの湾曲度合いを取得し、
参照面の湾曲度合いと、検査対象マスクの湾曲度合いとの和または差分を、検査対象マスクと光学系のピント位置とのZ方向のずれ量として取得することで、デフォーカスマップを作成する。
上述のマップ作成方法において、Z方向への湾曲度合いが未知の基準マスクをステージに載置し、変位計を用いて基準マスクの湾曲度合いを測定することで、基準マスクの湾曲度合いを既知にしてもよい。
上述のマップ作成方法において、参照面マップの作成に用いられる透過部材および検査対象マスクの湾曲度合いの取得に用いられる透過部材においては、透光領域と遮光領域が帯状に交互に設けられており、検査対象マスクの湾曲度合いの取得に用いられる透過部材における単位面積あたりの透光領域と遮光領域の帯の数は、参照面マップの作成に用いられる透過部材における単位面積あたりの透光領域と遮光領域の帯の数よりも多くてもよい。
上述のマップ作成方法において、参照面マップの作成に用いられる透過部材を、検査対象マスクの湾曲度合いの取得に用いられる透過部材としても使用してもよい。
上述のマップ作成方法において、
基準マスクの湾曲度合いは、基準マスクの複数の位置において既知であり、
参照面マップの作成は、ステージをX方向およびY方向に移動させることによって基準マスクの複数の位置を光学系の光路上に順に位置させ、複数の位置のそれぞれが光学系の光路上に位置したときに、複数の位置のそれぞれに照射した光源からの光による光学画像を検出し、当該検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、複数の位置のそれぞれに対応する参照面の湾曲度合いを取得することを含み、
デフォーカスマップの作成は、ステージをX方向およびY方向に移動させることによって基準マスクの複数の位置のそれぞれに対応する検査対象マスクの複数の位置のうち、一部の所定の位置を光学系の光路上に位置させ、所定の位置が光学系の光路上に位置したときに、所定の位置に照射した光源からの光による光学画像を検出し、当該検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、所定の位置に対応する検査対象マスクの湾曲度合いを取得することを含んでもよい。
上述のマップ作成方法において、デフォーカスマップの作成は、コントラスト値に基づいて取得された所定の位置に対応する検査対象マスクの湾曲度合いを用いた補間によって、検査対象マスクの複数の位置のうち、所定の位置以外の位置に対応する検査対象マスクの湾曲度合いを取得することを含んでもよい。
上述のマップ作成方法において、基準マスクの湾曲度合いに相当する移動量でのステージの移動は、測定部で測定されたステージと参照面とのZ方向の距離に基づいて算出されたステージのZ方向の位置を、基準マスクの湾曲度合いに相当する移動量で移動させることであり、
参照面の湾曲度合いに相当する移動量でのステージの移動は、測定部で測定されたステージと参照面とのZ方向の距離に基づいて算出されたステージのZ方向の位置を、参照面の湾曲度合いに相当する移動量で移動させることであってもよい。
本発明の他の一態様であるマップ作成方法は、
検査対象マスクを載置可能なXY平面を有し、X方向、Y方向およびZ方向に移動可能なステージと、ステージに載置された検査対象マスクに光源からの光を照射する光学系と、ステージからZ方向に離れた位置にXY平面に沿って参照面が設けられた参照面部材と、ステージと参照面との間のZ方向の距離を測定する測定部とを備えたマスク検査装置を用いて、検査対象マスクと光学系のピント位置とのZ方向のずれ量を示すデフォーカスマップを作成するマップ作成方法であって、
透光領域と遮光領域とを有する透過部材および光学系を通してステージに載置した基準マスクに照射した光源からの光による光学画像を検出し、当該検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、ステージのZ方向の位置を示すZ位置マップを作成し、
検査対象マスクを搭載したステージと参照面とのZ方向の距離を測定部で測定し、Z位置マップに示されるステージのZ方向の位置に相当する移動量でZ位置マップに示されるステージのZ方向の位置と反対方向に移動するようにZ方向にステージを移動させ、ステージの移動後、透光領域と遮光領域とを有する透過部材および光学系を通して検査対象マスクに照射した光源からの光による光学画像を検出し、当該検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、Z位置マップに示されるステージのZ方向の位置に対する移動後のステージのZ方向の位置の差分を取得し、
取得された差分と、Z位置マップに示されるステージのZ方向の位置との和または差分を、検査対象マスクと光学系のピント位置とのZ方向のずれ量として取得することで、デフォーカスマップを作成する。
上述のマップ作成方法において、Z位置マップに示されるステージのZ方向の位置に相当する移動量でのステージの移動は、測定部で測定されたステージと参照面とのZ方向の距離に基づいて算出されたステージのZ方向の位置を、Z位置マップに示されるステージのZ方向の位置に相当する移動量で移動させることであってもよい。
本発明の一態様であるマスク検査方法は、
検査対象マスクを載置可能なXY平面を有し、X方向、Y方向およびZ方向に移動可能なステージと、ステージに載置された検査対象マスクに光源からの光を照射する光学系と、ステージからZ方向に離れた位置にXY平面に沿って設けられた参照面を有する参照面部材と、ステージと参照面との間のZ方向の距離を測定する測定部とを備えたマスク検査装置を用いて、検査対象マスクの欠陥を検査するマスク検査方法であって、
Z方向への湾曲度合いが既知である基準マスクを載置したステージと参照面とのZ方向の距離を測定部が測定し、基準マスクのZ方向への湾曲度合いに相当する移動量で基準マスクの湾曲方向と反対方向にZ方向にステージを移動させ、ステージの移動後、透光領域と遮光領域とを有する透過部材および光学系を通して基準マスクに照射した光源からの光による光学画像を検出し、当該検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、Z方向への参照面の湾曲度合いを示す参照面マップを作成し、
検査対象マスクを搭載したステージと参照面とのZ方向の距離を測定部が測定し、参照面マップに示される参照面の湾曲度合いに相当する移動量で参照面の湾曲方向と反対方向に移動するようにZ方向にステージを移動させ、ステージの移動後、透光領域と遮光領域とを有する透過部材および光学系を通して検査対象マスクに照射した光源からの光による光学画像を検出し、当該検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、Z方向への検査対象マスクの湾曲度合いを取得し、
参照面の湾曲度合いと、検査対象マスクの湾曲度合いとの和または差分を、検査対象マスクと光学系のピント位置とのZ方向のずれ量として取得することで、ずれ量を示すデフォーカスマップを作成し、
作成されたデフォーカスマップに示されるずれ量を補正する移動量でZ方向にステージを移動させることで、検査対象マスクに対する光学系のピント合わせを行い、
ピント合わせが行われた状態で、光学系を通して検査対象マスクに照射された光源からの光を検出し、
検出された光に基づいて、検査対象マスクの欠陥を検査する。
本発明の一態様であるマスク検査装置は、
検査対象マスクを載置可能なXY平面を有し、X方向、Y方向およびZ方向に移動可能なステージと、ステージに載置された検査対象マスクに光源からの光を照射する光学系と、ステージからZ方向に離れた位置にXY平面に沿って設けられた参照面を有する参照面部材と、ステージと参照面との間のZ方向の距離を測定する測定部と、検査対象マスクと光学系のピント位置とのZ方向のずれ量を示すデフォーカスマップを作成するマップ作成部と、デフォーカスマップに示されるずれ量を補正する移動量でZ方向にステージを移動させることで、検査対象マスクに対する光学系のピント合わせを行う移動部と、ピント合わせが行われた状態で検査対象マスクに照射された光源からの光を検出する検出部と、検出された光に基づいて検査対象マスクの欠陥を検査する検査部と、を備えたマスク検査装置であって、
マップ作成部は、
Z方向への湾曲度合いが既知である基準マスクを載置したステージと参照面とのZ方向の距離を測定部に測定させ、移動部に、基準マスクのZ方向への湾曲度合いに相当する移動量で基準マスクの湾曲方向と反対方向にZ方向へのステージの移動を行わせ、ステージの移動後、透光領域と遮光領域とを有する透過部材および光学系を通して基準マスクに照射した光源からの光による光学画像を検出部に検出させ、検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、Z方向への参照面の湾曲度合いを示す参照面マップを作成し、
検査対象マスクを搭載したステージと参照面とのZ方向の距離を測定部に測定させ、参照面マップに示される参照面の湾曲度合いに相当する移動量で参照面の湾曲方向と反対方向に移動するように移動部にZ方向へのステージの移動を行わせ、ステージの移動後、透光領域と遮光領域とを有する透過部材および光学系を通して検査対象マスクに照射した光源からの光による光学画像を検出部に検出させ、検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、Z方向への検査対象マスクの湾曲度合いを取得し、
参照面の湾曲度合いと、検査対象マスクの湾曲度合いとの和または差分を、検査対象マスクと光学系のピント位置とのZ方向のずれ量として取得することで、ずれ量を示すデフォーカスマップを作成する。
本発明によれば、微細なパターンを有するマスクの欠陥を低コストで高精度に検査できる。
第1の実施形態のマスク検査装置を示す図である。 図2(a)は、第1の実施形態のマスク検査装置を示す断面図であり、図2(b)は、第1の実施形態のマスク検査装置を示す平面図である。 第1の実施形態のマスク検査方法を示すフローチャートである。 図4(a)は、前側第1スリットを示す平面図であり、図4(b)は、後側第1スリットを示す平面図である。 第1の実施形態のマスク検査方法において、第1光学画像の検出を説明するための説明図である。 図6(a)は、前側第2スリットを示す平面図であり、図6(b)は、後側第2スリットを示す平面図である。 第1の実施形態のマスク検査方法において、第2光学画像の検出を説明するための説明図である。 図8(a)は、第1の実施形態のマスク検査方法において、光学画像のコントラスト値とXYθテーブル6のZ位置との対応関係の取得を説明するための第1の説明図であり、図8(b)は、第2の説明図である。 第1の実施形態のマスク検査方法において、基準マスクの湾曲度合いの測定を説明するための説明図である。 湾曲度合いを示す模式図である。 第1の実施形態のマスク検査方法において、マスクの欠陥検査を説明するための説明図である。 第2の実施形態のマスク検査方法を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。実施形態は、本発明を限定するものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態のマスク検査装置1を示す図である。図2(a)は、第1の実施形態のマスク検査装置1を示す断面図である。図2(b)は、第1の実施形態のマスク検査装置1を示す平面図である。図1のマスク検査装置1は、ウェハに転写すべきパターンとしてナノメーターオーダーの微細なパターンpを有する検査対象マスク2の欠陥検査に特化した専用機である。パターンpは、ナノインプリントなどの微細加工技術で形成することができる。
図1に示すように、マスク検査装置1は、光の進行方向順に、光源3と、偏光ビームスプリッタ4と、照明光学系5と、ステージの一例として、検査対象マスク2を載置可能なXY平面61(図2(b)参照)を有するXYθテーブル6と、拡大光学系7と、検出部の一例であるTDI(Time Delay Integration)センサ8とを備える。
光源3は、偏光ビームスプリッタ4に向けてレーザ光を出射する。偏光ビームスプリッタ4は、光源3からの光を照明光学系5に向けて反射する。照明光学系5は、Z方向すなわち鉛直方向においてXYθテーブル6に対向して設けられている。照明光学系5は、偏光ビームスプリッタ4で反射された光をXYθテーブル6に向けて照射する。XYθテーブル6上に配置された検査対象マスク2は、照明光学系5から照射された光を反射する。この検査対象マスク2の反射光によって、検査対象マスク2が照明される。検査対象マスク2の反射光は、照明光学系5および偏向ビームスプリッタ4を透過した後、拡大光学系7に入射する。拡大光学系7は、入射した検査対象マスク2の反射光を、検査対象マスク2の像(以下、光学画像ともいう)としてTDIセンサ8に結像させる。TDIセンサ8は、検査対象マスク2の光学画像を光電変換する。光電変換された検査対象マスク2の光学画像に基づいて、検査対象マスク2のパターンの欠陥が検査される。
また、図1に示すように、マスク検査装置1は、オートローダ9と、移動部を構成するX軸モータ10A、Y軸モータ10B、θ軸モータ10Cおよびピエゾ11と、レーザ測長システム12とを備える。
オートローダ9は、XYθテーブル6上に検査対象マスク2を自動搬送する。X軸モータ10A、Y軸モータ10Bおよびθ軸モータ10Cは、それぞれ、XYθテーブル6をX方向、Y方向およびθ方向に移動させる。これにより、XYθテーブル6に載置された検査対象マスク2の各XY座標点が、照明光学系5の光路上すなわち光軸上に移動され、光源3の光を照射される。レーザ測長システム12は、XYθテーブル6のX方向およびY方向すなわち水平方向の位置を検出する。なお、本明細書において、光路上とは、実際に光源3から光が出射されているときに光がとる経路を横断する空間上の位置という意味と、実際に光源3から光が照射されていないが、照射された場合には光がとる経路を横断することになる空間上の位置という意味の双方を有する。
光学画像のデフォーカスを抑制するため、ピエゾ11は、照明光学系5の焦点をマスク面に合わせるフォーカス合わせ、すなわちピント合わせを行う。フォーカス合わせは、XYθテーブル6をZ方向すなわち光軸方向に移動させることで行う。通常の線幅のパターンとは異なり、微細なパターンpは、オートフォーカスによる高精度なフォーカス合わせが困難である。パターンpへのフォーカス合わせを高精度に行うため、マスク検査装置1は、オートフォーカス機能を備える代わりに、XYθテーブル6のZ方向の位置(以下、Z位置とも呼ぶ)を補正するための補正量として、検査対象マスク2と照明光学系5のピント位置とのZ方向のずれ量であるデフォーカスを記述したデフォーカスマップを保有する。マスク検査装置1は、デフォーカスマップに記述されたずれ量を補正する移動量でZ方向にXYθテーブル6を移動させることでフォーカス合わせを行う。デフォーカスマップの具体例については後述する。
また、図1に示すように、マスク検査装置1は、バス14に接続された各種の回路を備える。具体的には、マスク検査装置1は、オートローダ制御回路15と、移動部を構成するテーブル制御回路17と、マップ作成部の一例であるマップ作成回路18とを備える。また、マスク検査装置1は、位置回路22と、展開回路23と、参照回路24と、検査部の一例である比較回路25とを備える。また、マスク検査装置1は、センサ回路19を備えており、このセンサ回路19は、TDIセンサ8と比較回路25およびマップ作成回路18との間に接続されている。
オートローダ制御回路15は、オートローダ9を制御する。
マップ作成回路18は、検査対象マスク2の欠陥検査前にデフォーカスマップを作成する。マップ作成回路18は、従来のようにオートフォーカス機能に基づくのではなく、TDIセンサ8で検出された画像のぼやけ度合い、すなわち、画像フォーカスに基づいてデフォーカスマップを作成する。
テーブル制御回路17は、モータ10A〜10Cおよびピエゾ11を駆動制御する。テーブル制御回路17は、検査対象マスク2の欠陥検査時に、マップ作成回路18によって予め作成されたデフォーカスマップに基づいてピエゾ11を駆動制御することで、検査対象マスク2に対するフォーカス合わせを行う。
センサ回路19は、TDIセンサ8で光電変換された光学画像を取り込み、取り込まれた光学画像をA/D変換する。そして、センサ回路19は、A/D変換された光学画像を比較回路25に出力する。TDIセンサ8を用いることで、検査対象マスク2のパターンを高精度に撮像できる。
レーザ測長システム12は、XYθテーブル6の移動位置を検出し、検出された移動位置を位置回路22に出力する。位置回路22は、レーザ測長システム12から入力された移動位置に基づいて、XYθテーブル6上での検査対象マスク2の位置を検出する。そして、位置回路22は、検出された検査対象マスク2の位置を比較回路25に出力する。
展開回路23は、検査対象マスク2の設計データを読み出す。設計データは、後述する磁気ディスク装置31から読み出してもよい。設計データは、マスクを表す図形の座標、辺の長さ、種類などの情報であってもよい。展開回路23は、読み出された設計データを2値または多値の画像データに変換する。そして、展開回路23は、画像データに変換された設計データを参照回路24に出力する。
参照回路24は、展開回路23から入力された設計データに対して適切なフィルタ処理を施すことで、パターンの欠陥検査に用いる参照画像を生成する。参照回路24は、生成された参照画像を比較回路25に出力する。
比較回路25は、位置回路22から入力された位置情報を用いながら、光学画像のパターンの各位置の線幅を測定する。比較回路25は、測定された光学画像のパターンと、参照回路24から入力された参照画像のパターンについて、両パターンの線幅や階調値(明るさ)を比較する。そして、比較回路25は、例えば、光学画像のパターンの線幅と、参照画像のパターンの線幅との誤差をパターンの欠陥として検出する。
また、図1に示すように、マスク検査装置1は、制御計算機30と、磁気ディスク装置31と、磁気テープ装置32と、フロッピーディスク33と、CRT34と、パターンモニタ35と、プリンタ36とを備える。これらの構成部30〜36は、いずれもバス14に接続されている。制御計算機30は、バス14に接続された各構成部に対して、パターンの欠陥検査に関連する各種の制御や処理を実行する。磁気ディスク装置31、磁気テープ装置32およびフロッピーディスク33は、欠陥検査に関連する各種の情報を記憶する。CRT34およびパターンモニタ35は、欠陥検査に関連する各種の画像を表示する。プリンタ36は、欠陥検査に関連する各種の情報を印刷する。
また、マスク検査装置1は、マップ作成回路18によるデフォーカスマップの作成に用いるための構成として、図2(a)に示すように、XYθテーブル6からZ方向(図2(a)の下方)に離れた位置にXY平面61に沿って設けられた参照面41を有する参照面部材40と、XYθテーブル6上に設けられた測定部の一例である測長器42とを備える。測長器42は、XYθテーブル6と参照面41との間のZ方向の距離を測定する。測長器42は、参照面41に対して光を照射してから参照面41による反射光を検出するまでの所要時間に基づいて、Z方向の距離を測定してもよい。図2(b)の例において、測長器42は、XYθテーブル6のXY平面61の周辺に3つ設けられている。また、参照面41は、3つの測長器42のそれぞれからZ方向に離れた位置に、測長器42と同数設けられている。参照面41および測長器42は、4つ以上設けられていてもよい。
マスク検査装置1は、デフォーカスマップの作成にあたり、Z方向への参照面41の湾曲度合いZr(XY)すなわち歪の程度を示す参照面マップを作成する。そして、作成された参照面マップを用いてデフォーカスマップを作成する。以下、参照面マップを作成する構成と、デフォーカスマップを作成する構成について具体的に説明する。
(参照面マップを作成する構成)
参照面マップの作成において、マップ作成回路18は、テーブル制御回路17に、複数のXY座標点のそれぞれにおけるZ方向への湾曲度合いZm1(XY)が既知の基準マスク200(図9参照)をXYθテーブル6上に載置した状態で、X方向およびY方向にXYθテーブル6を移動させる。X方向およびY方向にXYθテーブル6を移動させることで、照明光学系5の光路上に、湾曲度合いZm1(XY)が既知の基準マスク200の複数のXY座標点を順に位置させる。以下、湾曲度合いZm1(XY)が既知の基準マスク200のXY座標点のことを、湾曲度合既知点ともいう。
ここで、検査対象マスク2と異なり、基準マスク200は、微細なパターンを有しない。基準マスク200は、通常の線幅のパターンを有していてもよく、また、パターンを全く有していなくてもよい。基準マスク200の湾曲度合いZm1(XY)は、照明光学系5のピント位置すなわちXYθテーブル6のZ位置のゼロ点を基準とした基準マスク200のZ位置である。例えば、基準マスク200の或るXY座標点が、XYθテーブル6のZ位置のゼロ点より上方すなわち+Z方向にある場合には、そのXY座標点での湾曲度合いZm1(XY)は正の値を示す。一方、基準マスク200の或るXY座標点が、XYθテーブル6のZ位置のゼロ点より下方すなわち‐Z方向にある場合には、そのXY座標点での湾曲度合いZm1(XY)は負の値を示す。
マップ作成回路18は、照明光学系5の光路上に湾曲度合既知点が位置した状態において、測長器42にXYθテーブル6と参照面41とのZ方向の距離を測定させ、測定されたZ方向の距離に基づいて、XYθテーブル6のZ位置すなわち高さを算出する。マップ作成回路18は、XYθテーブル6のZ位置の算出を繰り返しながら、算出されたXYθテーブル6のZ位置が、湾曲度合既知点に対応する湾曲度合いZm1(XY)に相当する移動量で基準マスク200の湾曲方向と反対方向に移動するように、Z方向にXYθテーブル6を移動させる。すなわち、マップ作成回路18は、テーブル制御回路17に、湾曲度合既知点に対応する基準マスク200の湾曲度合いZm1(XY)を打ち消すようにZ方向にXYθテーブル6を移動させる。
例えば、基準マスク200が下方に湾曲していることで湾曲度合既知点に対応する湾曲度合いZm1(XY)が負となる場合、湾曲度合いZm1(XY)を打ち消すXYθテーブル6の移動は、負のZm1(XY)を打ち消すように+Z方向に向かって行われる。
湾曲度合いZm1(XY)を打ち消すZ方向へのXYθテーブル6の移動により、XYθテーブル6のZ位置から基準マスク200の湾曲による誤差が除去される。これにより、移動後のXYθテーブル6のZ位置において検出される後述の第1光学画像に基づいて、Z方向への参照面41の湾曲度合いZr(XY)を確実に取得できる。
湾曲度合いZm1(XY)を打ち消すZ方向へのXYθテーブル6の移動後、マップ作成回路18は、TDIセンサ8に、透過部材の一例である第1スリット61、62(図4(a)、図4(b)参照)および照明光学系5を通して基準マスク200に照射された光源3からの光による光学画像(以下、第1光学画像とも呼ぶ)を検出させる。第1スリット61、62の具体例(すなわち、前側第1スリット61および後側第1スリット62)および第1光学画像の具体例(すなわち、前側第1光学画像および後側第1光学画像)については、後述のマスク検査方法において説明する。
マップ作成回路18は、第1光学画像のコントラスト値に基づいて参照面41の湾曲度合いZr(XY)を取得する。例えば、マップ作成回路18は、予め取得された第1光学画像のコントラスト値とXYθテーブル6のZ位置との対応関係に基づいて、検出された第1光学画像のコントラスト値に対応するXYθテーブル6のZ位置を、湾曲度合いZr(XY)として取得する。
図2(b)に示したような3つの参照面41を有するマスク検査装置1においては、参照面41の湾曲度合いZr(XY)は、3つの参照面41の湾曲度合いを基準マスク200の中心すなわち照明光学系5の光路上において統合したものと考えることができる。
基準マスク200の湾曲度合いZm1(XY)と同様に、参照面41の湾曲度合いZr(XY)も、XYθテーブル6のZ位置のゼロ点(Z=0)を基準としている。例えば、基準マスク200の湾曲度合いZm1(XY)を打ち消すXYθテーブル6の移動後において、第1光学画像のコントラスト値に基づいて取得されるXYθテーブル6のZ位置がゼロ点より上方すなわち+Z方向にある場合には、参照面41の湾曲度合いZr(XY)は正の値を示す。一方、基準マスク200の湾曲度合いZm1(XY)を打ち消すXYθテーブル6の移動後において、第1光学画像のコントラスト値に基づいて取得されるXYθテーブル6のZ位置がゼロ点より下方すなわち‐Z方向にある場合には、参照面41の湾曲度合いZr(XY)は、負の値を示す。
マップ作成回路18は、全ての湾曲度合既知点に対応する参照面41の湾曲度合いZr(XY)を取得することで、参照面41の湾曲度合いZr(XY)を示す参照面マップを作成する。マップ作成回路18は、作成された参照面マップを磁気ディスク装置31等の記憶部に保存する。第1スリット61、62を用いた参照面マップの作成の具体例については、後述のマスク検査方法において説明する。
(デフォーカスマップを作成する構成)
マップ作成回路18は、参照面マップを作成した後に、作成された参照面マップを用いてデフォーカスマップを作成する。デフォーカスマップの作成において、マップ作成回路18は、テーブル制御回路17に、XYθテーブル6上に検査対象マスク2を載置した状態で、X方向およびY方向にXYθテーブル6を移動させる。X方向およびY方向にXYθテーブル6を移動させることで、テーブル制御回路17は、照明光学系5の光路上に、湾曲度合既知点に対応する検査対象マスク2のXY座標点を位置させる。湾曲度合既知点に対応する検査対象マスク2のXY座標点は、デフォーカスを取得すべきXY座標点となる。以下、湾曲度合既知点に対応する検査対象マスク2のXY座標点のことをデフォーカス取得点ともいう。
照明光学系5の光路上にデフォーカス取得点が位置した状態において、マップ作成回路18は、測長器42にXYθテーブル6と参照面41との間のZ方向の距離を測定させ、測定されたZ方向の距離に基づいて、XYθテーブル6のZ位置を算出する。マップ作成回路18は、XYθテーブル6のZ位置の算出を繰り返しながら、算出されたXYθテーブル6のZ位置が、参照面マップに示される湾曲度合いZr(XY)に相当する移動量で参照面41の湾曲方向と反対方向に移動するように、Z方向にXYθテーブル6を移動させる。すなわち、マップ作成回路18は、テーブル制御回路17に、参照面41の湾曲度合いZr(XY)を打ち消すようにZ方向にXYθテーブル6を移動させる。
参照面41の湾曲度合いZr(XY)を打ち消すZ方向へのXYθテーブル6の移動後、マップ作成回路18は、TDIセンサ8に、透過部材の一例である第2スリット71、72(図6(a)、図6(b)参照)および照明光学系5を通して検査対象マスク2に照射された光源3からの光による光学画像(以下、第2光学画像とも呼ぶ)を検出させる。第2スリット71、72の具体例(すなわち、前側第2スリット71および後側第2スリット72)および第2光学画像の具体例(すなわち、前側第2光学画像および後側第2光学画像)については、後述のマスク検査方法において説明する。
マップ作成回路18は、第2光学画像のコントラスト値に基づいてデフォーカスZ(XY)を取得する。例えば、マップ作成回路18は、予め取得された第2光学画像のコントラスト値とXYθテーブル6のZ位置との対応関係に基づいて、検出された第2光学画像のコントラスト値に対応するXYθテーブル6のZ位置を、デフォーカス取得点に対応するZ方向への検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)として取得する。そして、マップ作成回路18は、検出された検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)と参照面41の湾曲度合いZr(XY)との和を、デフォーカスZ(XY)として取得する。
マップ作成回路18は、作成されたデフォーカスマップを磁気ディスク装置31等の記憶部に保存する。第2スリット71、72を用いたデフォーカスマップの作成の具体例については、後述のマスク検査方法において説明する。
検査対象マスク2の欠陥検査時に、テーブル制御回路17は、マップ作成回路18で作成されたデフォーカスマップに記述されたずれ量Z(XY)を補正量としたフォーカス合わせを行う。
第1の実施形態のマスク検査装置1によれば、微細なパターンを有する検査対象マスク2に対して、デフォーカスマップに記述されたデフォーカスZ(XY)に基づくフォーカス合わせを行うことで、オートフォーカスを行う場合のような回折光の発生を防止できる。また、オートフォーカス機能を要しないので、コストを削減できる。これにより、微細なパターンの欠陥を低コストで高精度に検査できる。
(マスク検査方法)
次に、マスク検査装置1を適用したマスク検査方法について説明する。図3は、第1の実施形態のマスク検査方法を示すフローチャートである。
(S01:コントラスト値とXYθテーブル6のZ位置との対応関係の取得)
先ず、準備段階として、図3に示すように、光学画像のコントラスト値とXYθテーブル6のZ位置との対応関係を取得する(ステップS01)。
光学画像のコントラスト値とXYθテーブル6のZ位置との対応関係の取得にあたっては、先ず、XYθテーブル6上に所定のパターンを有するマスクを載置し、マスクの光学画像を取得する。そして、光学画像に対してピントが合うようにXYθテーブル6をZ方向に移動させ、ピントが一番合うXYθテーブル6のZ位置を、XYθテーブル6のZ位置のゼロ点と決定する。
図4(a)は、前側第1スリット61を示す平面図である。図4(b)は、後側第1スリット62を示す平面図である。XYθテーブル6のZ位置のゼロ点を決定した後、照明光学系5の光路上に、図4(a)の前側第1スリット61と図4(b)の後側第1スリット62とを配置し、さらに、XYθテーブル6上にパターンを有しないマスクを載置する。
図5に示すように、前側第1スリット61と後側第1スリット62とは、光源3と偏光ビームスプリッタ4との間に、前側第1スリット61が光源3に近くなるように配置する。すなわち、光源3から見た場合に、前側第1スリット61を後側第1スリット62よりも手前に配置する。図4(a)および図4(b)に示すように、前側第1スリット61および後側第1スリット62は、帯状に交互に設けられた透光領域と遮光領域との境界であるエッジEを有する部分透光領域61a、62aを備えている。これらのスリット61、62は、例えば、ガラス等の透明基板上に、遮光領域として、フォトリソグラフィを用いてクロム等の遮光膜をパターニングすることで形成してもよい。
前側第1スリット61の部分透光領域61aと、後側第1スリット62の部分透光領域62aとは、X方向またはY方向において位置が互いにずれている。なお、ここでのX方向は、XYθテーブル6上のX方向と投影関係にある方向である。また、Y方向は、XYθテーブル6上のY方向と投影関係にある方向である。図4(a)および図4(b)の例において、前側第1スリット61の部分透光領域61aと、後側第1スリット62の部分透光領域62aとは、図4(a)、図4(b)の縦方向において位置が互いにずれている。また、部分透光領域61a、62a以外の領域61b、62bは、全透光領域となっている。2つの部分透光領域61a、62aの位置が互いにずれており、かつ、部分透光領域61a、62a以外の領域が全透光領域であることで、TDIセンサ8は、各部分透光領域61a、62aのそれぞれが光を透過した画像を検出できる。
TDIセンサ8は、前側第1スリット61の部分透光領域61aおよび照明光学系5を通してマスクに照射された光源3からの光による光学画像(以下、基準前側第1光学画像とも呼ぶ)を検出する。マップ作成回路18は、検出された基準前側第1光学画像のコントラスト値を検出する。コントラスト値は、画像中の輝度値の最大値Lmaxと最小値Lminとを用いて次式で表すことができる。
(Lmax‐Lmin)/(Lmax+Lmin) (1)
さらに、マップ作成回路18は、XYθテーブル6のZ位置を変更しながら基準前側第1光学画像のコントラスト値の検出を繰り返すことで、XYθテーブル6のZ位置と基準前側第1光学画像のコントラスト値との対応関係を示す基準前側第1光学画像のコントラストカーブを取得する。
また、TDIセンサ8は、後側第1スリット62の部分透光領域62aおよび照明光学系5を通してマスクに照射された光源3からの光による光学画像(以下、基準後側第1光学画像とも呼ぶ)を検出する。マップ作成回路18は、検出された基準後側第1光学画像のコントラスト値を検出する。さらに、マップ作成回路18は、XYθテーブル6のZ位置を変更しながら基準後側第1光学画像のコントラスト値の検出を繰り返すことで、基準後側第1光学画像のコントラストカーブを取得する。
マップ作成回路18は、基準前側第1光学画像のコントラストカーブと基準後側第1光学画像のコントラストカーブとの交点がXYθテーブル6のZ位置のゼロ点に合致するまで、スリット61、62のZ方向の位置の変更とコントラストカーブの取得とを繰り返す。
そして、マップ作成回路18は、交点がXYθテーブル6のZ位置のゼロ点に一致した基準前側第1光学画像のコントラストカーブと基準後側第1光学画像のコントラストカーブとに基づいて、コントラスト値とXYθテーブル6のZ位置との間で成立するリニアな対応関係すなわち一次関数を取得する。本実施形態では、このようにして基準前側第1光学画像および基準後側第1光学画像に基づいて取得された対応関係が、マップ作成に用いられる前側第1光学画像および後側第1光学画像にも当てはまるとみなす。言い換えれば、基準前側第1光学画像および基準後側第1光学画像のコントラスト値とXYθテーブル6のZ位置との対応関係の取得に用いられたマスクは、基準マスク200と同様の湾曲度合いを有するとみなす。そして、後述するように、基準前側第1光学画像および基準後側第1光学画像に基づいて取得された対応関係に、前側第1光学画像のコントラスト値と後側第1光学画像のコントラスト値とを当てはめることで参照面マップを作成する。なお、本実施の形態においては、一次関数を用いて説明するが、コントラスト値とXYθテーブル6のZ位置との間で成立する対応関係は、一次関数に限定されず、例えば、多項式、ルックアップテーブル等であってもよい。
図6(a)は、前側第2スリット71を示す平面図である。図6(b)は、後側第2スリット72を示す平面図である。マップ作成回路18は、前側第1スリット61および後側第1スリット62についてのコントラスト値とXYθテーブル6のZ位置との対応関係を取得することに加えて、更に、前側第2スリット71および後側第2スリット72についても、同様の手順によってコントラスト値とXYθテーブル6のZ位置との対応関係を取得する。
具体的には、図7に示すように、照明光学系5の光路上に、前側第2スリット71と後側第2スリット72とを配置し、さらに、XYθテーブル6上にパターンを有しないマスクを載置する。図7に示すように、前側第2スリット71と後側第2スリット72とは、光源3と偏光ビームスプリッタ4との間に、前側第2スリット71が光源3に近くなるように配置する。すなわち、光源3から見た場合に、前側第2スリット71を後側第2スリット72よりも手前に配置する。
図6(a)および図6(b)に示すように、前側第2スリット71および後側第2スリット72は、透光領域と遮光領域とが帯状に交互に設けられたライアンドスペースLSを有する部分透光領域71a、72aを備えている。前側第2スリット71および後側第2スリット72における単位面積あたりの透光領域と遮光領域の帯の数は、前側第1スリット61および後側第1スリット62における単位面積あたりの透光領域と遮光領域の帯の数よりも多い。すなわち、前側第2スリット71および後側第2スリット72は、前側第1スリット61および後側第1スリット62よりも透光領域および遮光領域の配置状態が密である。
前側第2スリット71の部分透光領域71aと、後側第2スリット72の部分透光領域72aとは、X方向またはY方向において位置が互いにずれている。なお、ここでのX方向は、XYθテーブル6上のX方向と投影関係にある方向である。また、Y方向は、XYθテーブル6上のY方向と投影関係にある方向である。図6(a)および図6(b)の例において、前側第2スリット71の部分透光領域71aと、後側第2スリット72の部分透光領域72aとは、図6(a)、図6(b)縦方向において位置が互いにずれている。また、部分透光領域71a、72a以外の領域71b、72bは、全透光領域となっている。2つの部分透光領域71a、72aの位置が互いにずれており、かつ、部分透光領域71a、72a以外の領域が全透光領域であることで、TDIセンサ8は、各部分透光領域71a、72aのそれぞれが光を透過した画像を検出できる。
TDIセンサ8は、前側第2スリット71の部分透光領域71aおよび照明光学系5を通してマスクに照射された光源3からの光による光学画像(以下、基準前側第2光学画像とも呼ぶ)を検出する。マップ作成回路18は、検出された基準前側第2光学画像のコントラスト値を検出する。さらに、マップ作成回路18は、XYθテーブル6のZ位置を変更しながら基準前側第2光学画像のコントラスト値の検出を繰り返すことで、基準前側第2光学画像のコントラストカーブを取得する。
また、TDIセンサ8は、後側第2スリット72の部分透光領域72aおよび照明光学系5を通してマスクに照射された光源3からの光による光学画像(以下、基準後側第2光学画像とも呼ぶ)を検出する。マップ作成回路18は、検出された基準後側第2光学画像のコントラスト値を検出する。さらに、マップ作成回路18は、XYθテーブル6のZ位置を変更しながら基準後側第2光学画像のコントラスト値の検出を繰り返すことで、基準後側第2光学画像のコントラストカーブを取得する。
マップ作成回路18は、基準前側第2光学画像のコントラストカーブと基準後側第2光学画像のコントラストカーブとの交点がXYθテーブル6のZ位置のゼロ点に合致するまで、スリット71、72のZ方向の位置の変更とコントラストカーブの取得とを繰り返す。
そして、マップ作成回路18は、交点がXYθテーブル6のZ位置のゼロ点に一致した基準前側第2光学画像のコントラストカーブと基準後側第2光学画像のコントラストカーブとに基づいて、コントラスト値とXYθテーブル6のZ位置との間に成立するリニアな対応関係すなわち一次関数を取得する。本実施形態では、このようにして基準前側第2光学画像および基準後側第2光学画像に基づいて取得された対応関係が、マップ作成に用いられる前側第2光学画像および後側第2光学画像にも当てはまるとみなす。言い換えれば、基準前側第2光学画像および基準後側第2光学画像のコントラスト値とXYθテーブル6のZ位置との対応関係の取得に用いられたマスクは、検査対象マスク2と同様の湾曲度合いを有するとみなす。そして、後述するように、基準前側第2光学画像および基準後側第2光学画像に基づいて取得された対応関係に、前側第2光学画像のコントラスト値と後側第2光学画像のコントラスト値とを当てはめることでデフォーカスマップを作成する。なお、本実施の形態においては、一次関数を用いて説明するが、コントラスト値とXYθテーブル6のZ位置との間で成立する対応関係は、一次関数に限定されず、例えば、多項式、ルックアップテーブル等であってもよい。
図8(a)は、第1の実施形態のマスク検査方法において、光学画像のコントラスト値とXYθテーブル6のZ位置との対応関係の取得を説明するための第1の説明図である。図8(a)には、交点がXYθテーブル6のZ位置のゼロ点に一致した基準前側第2光学画像のコントラストカーブと基準後側第2光学画像のコントラストカーブとが示されている。図8(a)では、基準前側第2光学画像のコントラスト値をCont.Aで表し、基準後側第2光学画像のコントラスト値をCont.Bで表している。
マップ作成回路18は、図8(a)のコントラストカーブに基づいて、次式により、コントラスト値とXYθテーブル6のZ位置との間に成立する一次関数を取得できる。
(Cont.B−Cont.A)/(Cont.A+Cont.B) (2)
数式(2)は、基準前側第2光学画像のコントラスト値Cont.Aと基準後側第2光学画像のコントラスト値Cont.Bとの差と和の比である。
図8(b)は、第1の実施形態のマスク検査方法において、光学画像のコントラスト値とXYθテーブル6のZ位置との対応関係の取得を説明するための第2の説明図である。図8(b)に示すように、マップ作成回路18は、数式(2)の値をy、XYθテーブル6のZ位置をx、傾きをaとした一次関数y=axを取得できる。ただし、図8(b)に示すように、一次関数が成立するXYθテーブル6のZ位置xは、ゼロ点を中心とした一定の範囲に制限されている。
なお、図示はしないが、基準前側第1光学画像および基準後側第1光学画像のコントラストカーブは、基準前側第2光学画像および基準後側第2光学画像のコントラストカーブよりもXYθテーブル6のZ位置の変化に対するコントラスト値の変化が緩やかである。これにともなって、コントラスト値とXYθテーブル6との間に成立する一次関数についても、図8(b)に示すように、基準前側第2光学画像および基準後側第2光学画像に基づいて得られる一次式の傾きaよりも小さい傾きbを有する。
以上のようにして準備段階で求められた対応関係は、以下で説明する参照面マップおよびデフォーカスマップの作成に用いることができる。
(S02:基準マスク200の湾曲度合いZm1(XY)の測定)
次に、図3に示すように、複数のXY座標点に対応する基準マスク200の湾曲度合いZm1(XY)を測定する(ステップS02)。これら複数のXY座標点は、湾曲度合いZm1(XY)の測定後に湾曲度合既知点となる。図9は、第1の実施形態のマスク検査方法において、基準マスク200の湾曲度合いZm1(XY)の測定を説明するための説明図である。図9に示すように、湾曲度合いZm1(XY)の測定にあたっては、照明光学系5の代わりに変位計51をXYθテーブル6に対してZ方向に離れた位置に配置する。このとき、照明光学系5は、これを収納している鏡筒とともに一時的にXYθテーブル6への対向位置から退避させておけばよい。また、XY平面61に基準マスク200を載置し、XYθテーブル6をステップS01において予め決定されたZ位置のゼロ点に位置させる。そして、変位計51による各XY座標点までのZ方向の距離の測定結果に基づいて基準マスク200の湾曲度合いZm1(XY)を取得する。このとき、例えば、Z位置のゼロ点に位置するXYθテーブル6までのZ方向の距離を変位計51で測定し、測定されたXYθテーブル6までの距離を、基準マスク200の湾曲度合いZm1(XY)がゼロである基準の距離として設定してもよい。そして、基準マスク200の各XY座標点について変位計51で測定されたZ方向の距離と、設定された基準の距離との差分を、基準マスク200の湾曲度合いZm1(XY)として算出してもよい。ただし、湾曲度合いZm1(XY)の測定方法は以上に限定されない。図10は、湾曲度合いを示す模式図である。図10に示すように、湾曲度合いZm1(XY)は、例えば、XYθテーブル6のZ位置のゼロ点(Z=0)を基準(Zm1(XY)=0)としたZ位置として取得される。
図9に示される例においては、基準マスク200の湾曲度合いZm1(XY)をマスク検査装置1で測定することで既知にしている。湾曲度合いZm1(XY)は、マスク検査装置1以外の装置で測定することで既知にしてもよい。
(S1:基準マスク200のロード)
図5は、第1の実施形態のマスク検査方法において、第1光学画像の検出を説明するための説明図である。準備段階が完了した後、オートローダ9は、XYθテーブル6上に基準マスク200をロードすなわち載置する(図3のステップS1)。また、図3のステップS1では、図5に示すように、光源3と偏光ビームスプリッタ4との間の光路上、すなわち光源3とXYθテーブル6との間の光路上に、前側第1スリット61と後側第1スリット62とを配置する。なお、スリット61、62、71、72の配置は、光源3と偏光ビームスプリッタ4との間の光路上において、図示しないスリット61、62、71、72の保持構造にスリット61、62、71、72を保持させることで行ってもよい。
(S2:前側第1光学画像および後側第1光学画像の検出)
基準マスク200がロードされた後、テーブル制御回路17は、X方向およびY方向にXYθテーブル6を移動させ、照明光学系5の光路上に基準マスク200の湾曲度合既知点を位置させる。このとき、テーブル制御回路17は、XYθテーブル6のZ位置をゼロ点(Z=0)に合わせる。
そして、照明光学系5の光路上に湾曲度合既知点が位置した状態において、マップ作成回路18は、測長器42にXYθテーブル6と参照面41との間のZ方向の距離を測定させ、測定されたZ方向の距離に基づいて、湾曲度合既知点に対応するXYθテーブル6のZ位置を算出する。以下、XYθテーブル6のZ位置の算出の具体例を説明する。
湾曲度合既知点に対応するXYθテーブル6のZ位置の取得の具体例において、測長器42の個数は、第1〜第3の測長器42の3つである。
照明光学系5の光路上に湾曲度合既知点が位置した状態において、第1の測長器42の座標をA(x、y、z)、第2の測長器42の座標をB(x、y、z)、第3の測長器42の座標をC(x、y、z)とする。これらの座標A〜座標Cは、例えば、湾曲度合既知点が照明光学系5の光路上に位置するまでのXYθテーブル6の移動量と、湾曲度合既知点が照明光学系5の光路上に位置したときの各測長器42による参照面41とのZ方向の距離の測定結果とに基づいて取得してもよい。
また、照明光学系5の光路上に位置された湾曲度合既知点の座標をP(a、b、z)とする。また、照明光学系5の光路上に湾曲度合既知点が位置した状態におけるXYθテーブル6の中心点のXY座標を(x、y)とする。XYθテーブル6の中心点のXY座標(x、y)は、例えば、湾曲度合既知点が照明光学系5の光路上に位置するまでのXYθテーブル6の移動量に基づいて取得してもよい。
ここで、第1の測長器42から湾曲度合既知点に向かうベクトルAPと、第1の測長器42から第2の測長器42に向かうベクトルABと、第1の測長器42から第3の測長器42に向かうベクトルACとの間には、以下の平面の方程式が成立する。
AP=mAB+nAC (3)
数式(3)は、座標成分を用いて次式で表すことができる。
(a−x、b−y、z−z
=m(x−x、y−y、z−z)+n(x−x、y−y、z−z) (4)
数式(4)より、以下の各式が求まる。
a−x=m(x−x)+n(x−x) (5)
b−y=m(y−y)+n(y−y) (6)
z−z=m(z−z)+n(z−z) (7)
XYθテーブル6の中心点のXY座標(x、y)と、第1の測長器42の座標A(x、y、z)、第2の測長器42の座標B(x、y、z)、第3の測長器42の座標C(x、y、z)との間には、次式が成立する。但し、次式のc〜cは、XYθテーブル6の寸法に応じた定数である。
=x+c (8)
=y−c (9)
=x+c (10)
=y+c (11)
=x−c (12)
=y−c (13)
数式(8)、数式(10)、数式(11)を数式(5)に代入し、また、数式(9)、数式(11)、数式(13)を数式(6)に代入することで、x、y、定数c〜cの関係式として、m、nが求まる。そして、算出されたm、nを数式(7)に代入することで、x、y、z〜z、c〜cの関係式として、湾曲度合既知点に対応するXYθテーブル6のZ位置zが求まる。
マップ作成回路18は、以上のような湾曲度合既知点に対応するXYθテーブル6のZ位置の算出を繰り返しながら、テーブル制御回路17に、算出されたXYθテーブル6のZ位置が基準マスク200の湾曲度合いZm1(XY)を打ち消すように、Z方向にXYθテーブル6を移動させる(ステップS2)。
基準マスク200の湾曲度合いZm1(XY)を打ち消すXYθテーブル6の移動後、前側第1スリット61の部分透光領域61aまたは後側第1スリット62の部分透光領域62aと照明光学系5とを通して、基準マスク200(すなわち、湾曲度合既知点)に光源3からの光を照射する。このとき、前側第1スリット61の部分透光領域61aを透過した光源3からの光は、後側第1スリット62の全透光領域62bおよび偏光ビームスプリッタ4を経由して、基準マスク200に照射される。また、後側第1スリット62の部分透光領域62aは、前側第1スリット61の全透光領域61bを透過した光源3からの光を透過させる。後側第1スリット62の部分透光領域62aを透過した光源3からの光は、偏光ビームスプリッタ4を経由して基準マスク200に照射される。基準マスク200に照射された光は、基準マスク200で反射された後にTDIセンサ8で光学画像として検出される。
具体的には、マップ作成回路18は、TDIセンサ8に、前側第1スリット61の部分透光領域61aと照明光学系5とを通して基準マスク200に照射されて反射された光源3からの光による光学画像、すなわち前側第1光学画像を検出させる(ステップS2)。また、マップ作成回路18は、TDIセンサ8に、後側第1スリット62の部分透光領域62aと照明光学系5とを通して基準マスク200に照射されて反射された光源3からの光による光学画像、すなわち後側第1光学画像を検出させる(ステップS2)。前側第1光学画像および後側第1光学画像は、基準マスク200の湾曲度合いZm1(XY)を打ち消すようにXYθテーブル6を移動した後に検出されたものである。このため、前側第1光学画像および後側第1光学画像は、参照面41の湾曲度合いZr(XY)によるぼやけを残して基準マスク200の湾曲度合いZm1(XY)によるぼやけが除去されている。したがって、前側第1光学画像および後側第1光学画像のぼやけ(すなわち、コントラスト)に基づいて、参照面41の湾曲度合いZr(XY)を確実に取得できる。
(S3:参照面の湾曲度合いZr(XY)の取得)
前側第1光学画像および後側第1光学画像を検出した後、マップ作成回路18は、準備段階で予め取得されたリニアな対応関係(図8(b)のy=bx)を参照する。そして、マップ作成回路18は、対応関係に前側第1光学画像のコントラスト値と後側第1光学画像のコントラスト値とを当てはめることで得られるXYθテーブル6のZ位置を、参照面41の湾曲度合いZr(XY)として取得する(ステップS3)。具体的には、数式(2)のCont.Aに前側第1光学画像のコントラスト値を当てはめ、数式(2)のCont.Bに後側第1光学画像のコントラスト値を当てはめて得られる値(y)に対応するXYθテーブル6のZ位置(x=y/b)を、参照面41の湾曲度合いZr(XY)として取得する。
(S4:参照面マップの作成)
マップ作成回路18は、前側第1光学画像および後側第1光学画像の検出(ステップS2)と、参照面41の湾曲度合いZr(XY)の取得(ステップS3)とを、XYθテーブル6をX方向およびY方向に移動させながら全ての湾曲度合既知点について順に実行する。すなわち、前側第1スリット61または後側第1スリット62と光学系5を通して複数の湾曲度合既知点のそれぞれに照射した光源3からの光による光学画像を検出し、検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、複数の湾曲度合既知点のそれぞれに対応する参照面41の湾曲度合いZr(XY)を取得する。そして、マップ作成回路18は、全ての湾曲度合既知点のそれぞれの参照面41の湾曲度合いZr(XY)を記述した参照面マップを作成する(ステップS4)。図10に示すように、参照面41の湾曲度合いZr(XY)は、例えば、XYθテーブル6のZ位置のゼロ点(Z=0)を基準(Zr(XY)=0)としたZ位置として取得される。
ここで、ステップS2におけるZ方向へのXYθテーブル6の移動は、参照面マップに基づいたサーボがかかっていないので、移動後のXYθテーブル6のZ位置は、参照面41の湾曲に起因して真のXYθテーブル6のZ位置からの誤差すなわち変位が大きい場合があり得る。もし、ステップS2において、ラインアンドスペースLSを有する前側第2スリット71と後側第2スリット72とを用いる場合、XYθテーブル6のZ位置の誤差が大き過ぎることで光学画像のぼけが大きくなり過ぎ、コントラスト値を得ることができない虞がある。コントラスト値が得られなければ、参照面マップを作成することは困難である。
これに対して、本実施形態では、既述したように、参照面マップの作成に前側第1スリット61と後側第1スリット62とを用いる。ラインアンドスペースLSを有する前側第2スリット71および後側第2スリット72に比べて、エッジEを有する前側第1スリット61および後側第1スリット62は、分解能に劣るものの、広範囲のXYθテーブル6のZ位置において安定したコントラスト値を得ることができる。したがって、本実施形態によれば、参照面マップの作成にコントラスト値が出やすい前側第1スリット61と後側第1スリット62とを用いることで、参照面マップを確実に作成することができる。
なお、参照面41の湾曲度合いZr(XY)を取得した後、XYθテーブル6に基準マスク200を載置した状態で、参照面41の湾曲度合いZr(XY)と基準マスク200の湾曲度合いZm1(XY)とを合計した湾曲度合いZm1(XY)+Zr(XY)を打ち消すようにZ方向にXYθテーブル6を移動させてもよい。そして、湾曲度合いZm1(XY)+Zr(XY)を打ち消したXYθテーブル6の移動後に、前側第2スリット71(図6(a)参照)と照明光学系5とを通して基準マスク200に照射された光源3からの光による光学画像(以下、基準マスク200における前側第2光学画像とも呼ぶ)を検出してもよい。同時に、後側第2スリット72(図6(b)参照)と照明光学系5とを通して基準マスク200に照射された光源3からの光による光学画像(以下、基準マスク200における後側第2光学画像とも呼ぶ)を検出してもよい。そして、基準マスク200における前側第2光学画像のコントラスト値と、基準マスク200における後側第2光学画像のコントラスト値とをリニアな対応関係(図8(b)におけるy=ax)に当てはめることで得られるZ位置を、参照面41の湾曲度合いZr(XY)として再取得してもよい。これにより、より高精度な参照面マップを作成することができる。
(S5:検査対象マスク2のロード)
図7は、第1の実施形態のマスク検査方法において、第2光学画像の検出を説明するための説明図である。参照面マップが作成された後、オートローダ9は、XYθテーブル6上に検査対象マスク2をロードする(図3のステップS5)。このとき、図7に示すように、拡大光学系7と偏光ビームスプリッタ4との間の光路上に、前側第1スリット61および後側第1スリット62に替えて、透過部材の一例である前側第2スリット71と後側第2スリット72とを配置する。
(S6:前側第2光学画像および後側第2光学画像の検出)
検査対象マスク2がロードされた後、テーブル制御回路17は、XおよびY方向にXYθテーブル6を移動させ、照明光学系5の光路上に検査対象マスク2のデフォーカス取得点を位置させる。このとき、テーブル制御回路17は、XYθテーブル6のZ位置をゼロ点に合わせる。
そして、照明光学系5の光路上にデフォーカス取得点が位置した状態において、マップ作成回路18は、測長器42にXYθテーブル6と参照面41との間のZ方向の距離を測定させ、測定されたZ方向の距離に基づいて、デフォーカス取得点に対応するXYθテーブル6のZ位置を算出する。
マップ作成回路18は、デフォーカス取得点に対応するXYθテーブル6のZ位置の算出を繰り返しながら、テーブル制御回路17に、算出されたXYθテーブル6のZ位置が参照面マップに示される参照面41の湾曲度合いZr(XY)を打ち消すように、Z方向にXYθテーブル6を移動させる(ステップS6)。
参照面41の湾曲度合いZr(XY)を打ち消すXYθテーブル6の移動後、前側第2スリット71の部分透光領域71aまたは後側第2スリット72の部分透光領域72aと照明光学系5とを通して、検査対象マスク2(すなわち、デフォーカス取得点)に光源3からの光を照射する。このとき、前側第2スリット71の部分透光領域71aを透過した光源3からの光は、後側第2スリット72の全透光領域72bおよび偏光ビームスプリッタ4を経由して、検査対象マスク2に照射される。また、後側第2スリット72の部分透光領域72aは、前側第2スリット71の全透光領域71bを透過した光源3からの光を透過させる。後側第2スリット72の部分透光領域72aを透過した光源3からの光は、偏光ビームスプリッタ4を経由して検査対象マスク2に照射される。検査対象マスク2に照射された光は、検査対象マスク2で反射された後にTDIセンサ8で光学画像として検出される。
具体的には、マップ作成回路18は、TDIセンサ8に、前側第2スリット71の部分透光領域71aと照明光学系5とを通して検査対象マスク2に照射されて反射された光源3からの光による光学画像、すなわち前側第2光学画像を検出させる(ステップS6)。また、マップ作成回路18は、TDIセンサ8に、後側第2スリット72の部分透光領域72aと照明光学系5とを通して検査対象マスク2に照射されて反射された光源3からの光による光学画像、すなわち後側第2光学画像を検出させる(ステップS6)。前側第2光学画像および後側第2光学画像は、参照面41の湾曲度合いZr(XY)を打ち消すようにXYθテーブル6を移動した後に検出されたものである。このため、前側第2光学画像および後側第2光学画像は、検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)によるぼやけを残して参照面41の湾曲度合いZr(XY)によるぼやけが除去されている。したがって、前側第2光学画像および後側第2光学画像のぼやけ(すなわち、コントラスト)に基づいて、検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)を確実に取得できる。
(S7:検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)の取得)
前側第2光学画像および後側第2光学画像を検出した後、マップ作成回路18は、準備段階で予め取得されたリニアな対応関係(図8(b)のy=ax)を参照する。そして、マップ作成回路18は、対応関係に前側第2光学画像のコントラスト値と後側第2光学画像のコントラスト値とを当てはめることで得られるXYθテーブル6のZ位置を、デフォーカス取得点に対応する検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)として取得する(ステップS7)。具体的には、数式(2)のCont.Aに前側第2光学画像のコントラスト値を当てはめ、数式(2)のCont.Bに後側第2光学画像のコントラスト値を当てはめて得られる値(y)に対応するXYθテーブル6のZ位置(x=y/a)を、検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)として取得する。図10に示すように、検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)は、例えば、XYθテーブル6のZ位置のゼロ点(Z=0)を基準(Zm2(XY)=0)としたZ位置として取得される。
マップ作成回路18は、前側第2光学画像および後側第2光学画像の検出(ステップS6)と、検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)の取得(ステップS7)とを、XYθテーブル6をX方向およびY方向に移動させながら複数のデフォーカス取得点について順に実行する。このとき、コントラスト値に基づく検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)の取得(ステップS7)は、全デフォーカス取得点のうち、所定の位置の一例である一部の所定のデフォーカス取得点を照明光学系5の光路上に位置させたときに行ってもよい。このようにすることで、コントラスト値に基づいて検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)を取得するデフォーカス取得点の個数を削減できるので、処理を迅速化できる。この場合、所定のデフォーカス取得点以外のデフォーカス取得点に対応する湾曲度合いZm2(XY)は、このデフォーカス取得点を挟む2つの所定のデフォーカス取得点において取得された湾曲度合いZm2(XY)を用いた補間(例えば、線形補間)で算出してもよい。
また、検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)の取得にあたっては、先ず、参照面41の湾曲度合いZr(XY)を打ち消すZ方向へのXYθテーブル6の移動後、前側第1スリット61と照明光学系5とを通して検査対象マスク2に照射された光源3からの光による光学画像(以下、検査対象マスク2における前側第1光学画像とも呼ぶ)を検出してもよい。同時に、後側第1スリット62と照明光学系5とを通して検査対象マスク2に照射された光源3からの光による光学画像(以下、検査対象マスク2における後側第1光学画像とも呼ぶ)を検出してもよい。そして、検査対象マスク2における前側第1光学画像のコントラスト値と、検査対象マスク2における後側第1光学画像のコントラスト値とをリニアな対応関係(図8(b)のy=bx)に当てはめることで得られるXYθテーブル6のZ位置を、検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)として取得してもよい。そして、参照面41の湾曲度合いZr(XY)と検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)との合計の湾曲度合いZr(XY)+Zm2(XY)を打ち消すZ方向へのXYθテーブル6の移動後、前側第2光学画像および後側第2光学画像を検出し、リニアな対応関係(図8(b)のy=ax)に前側第2光学画像のコントラスト値と後側第2光学画像のコントラスト値とを当てはめることで得られるXYθテーブル6のZ位置を、検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)として再取得してもよい。
(S8:光学系ピント位置とのずれ量Z(XY)の算出)
検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)を取得した後、マップ作成回路18は、次式にしたがって、検査対象マスク2と光学系ピント位置とのZ方向のずれ量Z(XY)すなわちデフォーカスを算出する(ステップS8)。
Z(XY)=Zm2(XY)+Zr(XY) (14)
数式(14)は、検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)と参照面41の湾曲度合いZr(XY)との和を表している。
検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)がマスク毎に固有であるのに対して、参照面41の湾曲度合いZr(XY)はマスク検査装置1が変わらなければ一定とみなすことできる。本実施形態によれば、個々の検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)に対して一定の参照面41の湾曲度合いZr(XY)を加算する数式(14)を用いることで、光学系ピント位置と参照面41とのZ方向のずれ量Z(XY)を簡便かつ正確に算出できる。
(S9:デフォーカスマップの作成)
マップ作成回路18は、前側第2光学画像および後側第2光学画像の検出(ステップS6)と、湾曲度合いZm2(XY)の取得(ステップS7)と、Z方向のずれ量Z(XY)の算出(ステップS8)とを、全てのデフォーカス取得点について順に実行する。そして、マップ作成回路18は、全てのデフォーカス取得点のそれぞれのずれ量Z(XY)を記述したデフォーカスマップを作成する(ステップS9)。図10に示すように、検査対象マスク2と光学系ピント位置とのZ方向のずれ量Z(XY)は、例えば、XYθテーブル6のZ位置のゼロ点(Z=0)を基準(Z(XY)=0)としたZ位置として取得される。
(S10:欠陥検査)
デフォーカスマップが作成された後、ずれ量Z(XY)を補正量としたフォーカス合わせをともなう検査対象マスク2の欠陥検査を行う(ステップS10)。図11は、第1の実施形態のマスク検査方法において、マスクの欠陥検査を説明するための説明図である。検査対象マスク2の欠陥検査では、図11の破線矢印に示す方向に検査領域20のストライプ21が連続的にスキャンされるように、XYθテーブル6をXY方向に移動させる。ストライプ21に沿ったXYθテーブル6の移動の過程で、テーブル制御回路17は、デフォーカスマップのずれ量(XY)を参照し、ずれ量(XY)を補正する移動量で、Z方向にXYθテーブル6を移動するフォーカス合わせを行う。そして、ストライプ21上の各位置において、TDIセンサ8で撮像された光学画像に基づいてストライプ21上のパターンの欠陥を検査する。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、基準マスク200の湾曲度合いZm1(XY)によるぼやけが除去された光学画像のコントラスト値に基づいて参照面マップを作成し、参照面マップに示される参照面41の湾曲度合いZr(XY)によるぼやけが除去された光学画像のコントラスト値に基づいて検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)を取得し、湾曲度合いZr(XY)、Zm2(XY)を加算することでデフォーカスを取得できる。これにより、オートフォーカス機能を要さずに、マスク2の湾曲および参照面41の湾曲の双方を考慮したデフォーカスマップを低コストで作成できる。そして、このデフォーカスマップを用いることで、微細なパターンを有する検査対象マスク2に対する正確なフォーカス合わせを低コストで行うことができる。すなわち、第1の実施形態によれば、微細なパターンを有する検査対象マスク2の欠陥を低コストで高精度に検査できる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態のマスク検査装置1の基本構成は第1の実施形態と同様であるので、以下では、第1の実施形態のマスク検査装置1との動作の違いをフローチャートにしたがって説明する。なお、第1の実施形態のマスク検査装置1に対応する構成については、同一の符号を用いて説明する。
図12は、第2の実施形態のマスク検査方法を示すフローチャートである。第2の実施形態では、先ず、準備段階として、第1の実施形態と同様に、光学画像のコントラスト値とXYθテーブル6のZ位置との対応関係を取得する(ステップS01)。一方、第2の実施形態では、基準マスク200の湾曲度合いZm1(XY)は測定しない。
準備段階が完了した後、第1の実施形態と同様に、オートローダ9は、XYθテーブル6上に基準マスク200をロードする(図12のステップS1)。また、図12のステップS1では、図5と同様に、拡大光学系7と偏光ビームスプリッタ4との間に、透過部材の一例として、前側第1スリット61と後側第1スリット62とを配置する。
(S21:前側第1光学画像および後側第1光学画像の検出)
基準マスク200がロードされた後、テーブル制御回路17は、X方向およびY方向にXYθテーブル6を移動させ、照明光学系5の光路上に、基準マスク200の所定のXY座標点を位置させる。所定のXY座標点では、XYθテーブル6のZ位置の取得が行われる。以下、所定のXY座標点のことを、Z位置取得点ともいう。
照明光学系5の光路上にZ位置取得点が位置した状態において、前側第1スリット61の部分透光領域61aまたは後側第1スリット62の部分透光領域62aと照明光学系5とを通して基準マスク200に光を照射する。マップ作成回路18は、TDIセンサ8に、第1の実施形態と同様の前側第1光学画像と後側第1光学画像とを検出させる(ステップS21)。このとき、第1の実施形態のような基準マスク200の湾曲度合いZm1(XY)を打ち消すXYθテーブル6の移動は行わず、XYθテーブル6のZ位置は一定である。したがって、第2の実施形態において、前側第1光学画像と後側第1光学画像とは、基準マスク200の湾曲によるぼやけと、参照面41の湾曲によるぼやけとの双方を含んでいる。
(S22:XYθテーブル6のZ位置Z1(XY)の取得)
前側第1光学画像および後側第1光学画像を検出した後、マップ作成回路18は、準備段階で予め取得されたリニアな対応関係(図8(b)のy=bx)を参照する。そして、マップ作成回路18は、対応関係に前側第1光学画像のコントラスト値と後側第1光学画像のコントラスト値とを当てはめることで得られるXYθテーブル6のZ位置を、Z位置取得点に対応するXYθテーブル6のZ位置Z1(XY)として取得する(ステップS22)。
(S23:Z位置マップの作成)
マップ作成回路18は、前側第1光学画像および後側第1光学画像の検出(ステップS21)と、XYθテーブル6のZ位置Z1(XY)の取得(ステップS22)とを、全てのZ位置取得点について順に実行する。そして、マップ作成回路18は、全てのZ位置取得点のそれぞれのXYθテーブル6のZ位置Z1(XY)を記述したZ位置マップを作成する(ステップS23)。
ここで、ステップS21における光学画像の検出は、第1の実施形態のような湾曲度合いZm1(XY)を打ち消すZ方向へのXYθテーブル6の移動を前提としていないので、光学画像が有するXYθテーブル6のZ位置の誤差によるぼやけは、第1の実施形態よりも大きくなる。もし、ステップS21において、ラインアンドスペースLSを有する前側第2スリット71と後側第2スリット72とを用いる場合、光学画像のぼやけが大きくなり過ぎ、コントラスト値を得ることができない虞がある。これに対して、第2の本実施形態では、コントラスト値が出やすいエッジEを有する前側第1スリット61と後側第1スリット62とを用いることで、Z位置マップを確実に作成することができる。
なお、Z位置マップを作成した後、XYθテーブル6に基準マスク200を載置した状態で、Z位置マップに示されるZ位置Z1(XY)を打ち消すようにZ方向にXYθテーブル6を移動させてもよい。そして、Z位置マップに示されるZ位置Z1(XY)を打ち消すXYθテーブル6の移動後に、
基準マスク200における前側第2光学画像と、基準マスク200における後側第2光学画像とを検出してもよい。そして、基準マスク200における前側第2光学画像のコントラスト値と、基準マスク200における後側第2光学画像のコントラスト値とをリニアな対応関係(図8(b)のy=ax)に当てはめることで得られるXYθテーブル6のZ位置を、Z位置Z1(XY)として再取得してもよい。これにより、より高精度なZ位置マップを作成することができる。
Z位置マップが作成された後、オートローダ9は、XYθテーブル6上に検査対象マスク2をロードする(図12のステップS5)。また、図12のステップS5では、図7に示したように、拡大光学系7と偏光ビームスプリッタ4との間に、前側第1スリット61および後側第1スリット62に替えて、前側第2スリット71と後側第2スリット72とを配置する。
(S24:前側第2光学画像および後側第2光学画像の検出)
検査対象マスク2がロードされた後、テーブル制御回路17は、XおよびY方向にXYθテーブル6を移動させ、照明光学系5の光路上に、Z位置取得点に対応する検査対象マスク2のデフォーカス取得点を位置させる。
照明光学系5の光路上にデフォーカス取得点が位置した状態において、マップ作成回路18は、測長器42にXYθテーブル6と参照面41との間のZ方向の距離を測定させ、測定されたZ方向の距離に基づいて、デフォーカス取得点に対応するXYθテーブル6のZ位置を算出する。
マップ作成回路18は、デフォーカス取得点に対応するXYθテーブル6のZ位置の算出を繰り返しながら、テーブル制御回路17に、算出されたXYθテーブル6のZ位置がZ位置マップに示されるデフォーカス取得点に対応するZ位置Z1(XY)を打ち消すように、Z方向にXYθテーブル6を移動させる(ステップS24)。すなわち、テーブル制御回路17は、算出されたXYθテーブル6のZ位置が、Z位置マップに示されるZ位置Z1(XY)に相当する移動量でZ位置Z1(XY)と反対方向に移動するように、Z方向にXYθテーブル6を移動させる。
Z位置マップに示されるZ位置Z1(XY)を打ち消すXYθテーブル6の移動後、照明光学系5は、検査対象マスク2に光を照射する。マップ作成回路18は、TDIセンサ8に、第1の実施形態と同様の前側第2光学画像と後側第2光学画像とを検出させる(ステップS24)。前側第2光学画像および後側第2光学画像は、Z位置マップに示されるXYθテーブル6のZ位置Z1(XY)を打ち消すようにXYθテーブル6を移動した後に検出されたものであるので、Z位置Z1(XY)が有する誤差によるぼやけが除去されている。したがって、前側第2光学画像および後側第2光学画像に基づいて、Z位置マップに示されるXYθテーブル6のZ位置Z1(XY)に対する移動後のXYθテーブル6のZ位置の差分ΔZ(XY)を検出できる。
(S25:XYθテーブル6のZ位置の差分ΔZ(XY)の取得)
前側第2光学画像および後側第2光学画像を検出した後、マップ作成回路18は、準備段階で予め取得されたリニアな対応関係(図8(b)のy=ax)を参照する。そして、マップ作成回路18は、対応関係に基づいて、前側および後側第2光学画像のコントラスト値に対応するXYθテーブル6のZ位置を、Z位置マップに示されるXYθテーブル6のZ位置Z1(XY)に対する移動後のXYθテーブル6のZ位置の差分ΔZ(XY)として取得する(ステップS25)。
なお、コントラスト値に基づく差分ΔZ(XY)の取得は、全デフォーカス取得点のうち、一部の所定のデフォーカス取得点を照明光学系5の光路上に位置させたときに行ってもよい。このようにすることで、コントラスト値に基づいて差分ΔZ(XY)を取得するデフォーカス取得点の個数を削減できるので、処理を迅速化できる。この場合、所定のデフォーカス取得点以外のデフォーカス取得点に対応する差分ΔZ(XY)は、このデフォーカス取得点を挟む2つの所定のデフォーカス取得点において取得された差分ΔZ(XY)を用いた補間(例えば、線形補間)で算出してもよい。
また、差分ΔZ(XY)の取得にあたっては、先ず、XYθテーブル6に検査対象マスク2を載置した状態で、Z位置マップに示されるZ位置Z1(XY)を打ち消すようにZ方向にXYθテーブル6を移動させた後に、検査対象マスク2における前側第1光学画像と、検査対象マスク2における後側第1光学画像とを検出してもよい。そして、検査対象マスク2における前側第1光学画像のコントラスト値と、検査対象マスク2における後側第1光学画像のコントラスト値とをリニアな対応関係(図8(b)のy=bx)に当てはめることで得られるXYθテーブル6のZ位置を、差分ΔZ(XY)として取得してもよい。次に、XYθテーブル6に検査対象マスク2を載置した状態で、Z位置マップに示されるZ位置Z1(XY)と、取得された差分ΔZ(XY)との合計の湾曲度合いZ1(XY)+ΔZ(XY)を打ち消すようにZ方向にXYθテーブル6を移動させた後に、前側第2光学画像および後側第2光学画像を検出してもよい。そして、リニアな対応関係(図8(b)のy=ax)に基づいて、前側第2光学画像および後側第2光学画像のコントラスト値に対応するXYθテーブル6のZ位置を差分ΔZ(XY)として再取得してもよい。
(S26:光学系ピント位置とのずれ量Z2(XY)の算出)
差分ΔZ(XY)を取得した後、マップ作成回路18は、次式にしたがって、検査対象マスク2と光学系ピント位置とのZ方向のずれ量Z2(XY)、すなわちデフォーカスを算出する(ステップS26)。
Z2(XY)=Z1(XY)+ΔZ(XY) (15)
(S27:デフォーカスマップの作成)
マップ作成回路18は、前側第2光学画像および後側第2光学画像の検出(ステップS24)と、差分ΔZ(XY)の取得(ステップS25)と、ずれ量Z2(XY)の算出(ステップS26)とを、全てのデフォーカス取得点について順に実行する。そして、マップ作成回路18は、全てのデフォーカス取得点のずれ量Z2(XY)を記述したデフォーカスマップを作成する(ステップS27)。
(S28:欠陥検査)
デフォーカスマップが作成された後、ずれ量Z2(XY)を補正量としたフォーカス合わせをともなう検査対象マスク2の欠陥検査を行う(ステップS28)。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、Z位置マップに示されるZ位置1(XY)によるぼやけが除去された光学画像のコントラスト値に基づいて差分ΔZ(XY)を取得し、Z位置1(XY)とΔZ(XY)とを加算することでデフォーカスを取得できる。これにより、オートフォーカス機能を要さずに、マスク2の湾曲や参照面41の湾曲を考慮したデフォーカスマップを低コストで作成できる。そして、このデフォーカスマップを用いることで、微細なパターンを有する検査対象マスク2に対する正確なフォーカス合わせを低コストで行うことができる。すなわち、第2の実施形態においても、微細なパターンを有する検査対象マスク2の欠陥を低コストで高精度に検査できる。
なお、本実施形態は、上記のように参照画像との差分に基づくDB(Die to Database)検査に限定されず、マスク上に配置される同一の設計データから描画されたダイ画像との差分を欠陥として検出するDD(Die to Die)検査に適用してもよい。
また、第1の実施形態では、検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)と参照面41の湾曲度合いZr(XY)との「和」を、検査対象マスク2と光学系ピント位置とのZ方向のずれ量Z(XY)すなわちデフォーカスとして算出していたが、デフォーカスの算出方法はこれに限定されない。例えば、参照面マップを作成するときと、デフォーカスマップを作成するときとで、+Z方向(Z位置の正方向)を逆転させる場合等においては、検査対象マスク2の湾曲度合いZm2(XY)と参照面41の湾曲度合いZr(XY)との「差分」を、デフォーカスとして算出してもよい。
また、第2の実施形態では、Z位置マップに示されるXYθテーブル6のZ方向の位置Z1(XY)に対するZ1(XY)を打ち消すZ方向への移動後のXYθテーブル6のZ方向の位置の差分ΔZ(XY)と、Z1(XY)との「和」を、デフォーカスとして算出していたが、デフォーカスの算出方法はこれに限定されない。例えば、Z位置マップを作成するときと、デフォーカスマップを作成するときとで、+Z方向を逆転させる場合等においては、ΔZ(XY)とZ1(XY)との「差分」をデフォーカスとして算出してもよい。
マスク検査装置1の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、マスク検査装置1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
上述の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 マスク検査装置
18 マップ作成回路
41 参照面
42 測長器
6 XYθテーブル
200 基準マスク

Claims (11)

  1. 検査対象マスクを載置可能なXY平面を有し、X方向、Y方向およびZ方向に移動可能なステージと、前記ステージに載置された前記検査対象マスクに光源からの光を照射する光学系と、前記ステージからZ方向に離れた位置に前記XY平面に沿って設けられた参照面を有する参照面部材と、前記ステージと前記参照面との間のZ方向の距離を測定する測定部とを備えたマスク検査装置を用いて、前記検査対象マスクと前記光学系のピント位置とのZ方向のずれ量を示すデフォーカスマップを作成するマップ作成方法であって、
    Z方向の湾曲度合いが既知である基準マスクを載置した前記ステージと前記参照面とのZ方向の距離を前記測定部が測定し、前記基準マスクのZ方向への湾曲度合いに相当する移動量で前記基準マスクの湾曲方向と反対方向にZ方向に前記ステージを移動させ、前記ステージの移動後、透光領域と遮光領域とを有する透過部材および前記光学系を通して前記基準マスクに照射した前記光源からの光による光学画像を検出し、当該検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、Z方向への前記参照面の湾曲度合いを示す参照面マップを作成し、
    前記検査対象マスクを搭載した前記ステージと前記参照面とのZ方向の距離を前記測定部が測定し、前記参照面マップに示される前記参照面の湾曲度合いに相当する移動量で前記参照面の湾曲方向と反対方向に移動するようにZ方向に前記ステージを移動させ、前記ステージの移動後、透光領域と遮光領域とを有する透過部材および前記光学系を通して前記検査対象マスクに照射した前記光源からの光による光学画像を検出し、当該検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、Z方向への前記検査対象マスクの湾曲度合いを取得し、
    前記参照面の湾曲度合いと、前記検査対象マスクの湾曲度合いとの和または差分を、前記検査対象マスクと前記光学系のピント位置とのZ方向のずれ量として取得することで、前記デフォーカスマップを作成することを特徴とする、マップ作成方法。
  2. Z方向への湾曲度合いが未知の基準マスクを前記ステージに載置し、変位計を用いて前記基準マスクの湾曲度合いを測定することで、前記基準マスクの湾曲度合いを既知にすることを特徴とする請求項1に記載のマップ作成方法。
  3. 前記参照面マップの作成に用いられる前記透過部材および前記検査対象マスクの湾曲度合いの取得に用いられる前記透過部材においては、前記透光領域と前記遮光領域とが帯状に交互に設けられており、前記検査対象マスクの湾曲度合いの取得に用いられる前記透過部材における単位面積あたりの前記透光領域と前記遮光領域の帯の数は、前記参照面マップの作成に用いられる前記透過部材における単位面積あたりの前記透光領域と前記遮光領域の帯の数よりも多いことを特徴とする請求項1または2に記載のマップ作成方法。
  4. 前記参照面マップの作成に用いられる前記透過部材を、前記検査対象マスクの湾曲度合いの取得に用いられる前記透過部材としても使用することを特徴とする請求項1または2に記載のマップ作成方法。
  5. 前記基準マスクの湾曲度合いは、前記基準マスクの複数の位置において既知であり、
    前記参照面マップの作成は、前記ステージをX方向およびY方向に移動させることによって前記基準マスクの前記複数の位置を前記光学系の光路上に順に位置させ、前記複数の位置のそれぞれが前記光学系の光路上に位置したときに、前記透過部材および前記光学系を通して前記複数の位置のそれぞれに照射した前記光源からの光による光学画像を検出し、当該検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、前記複数の位置のそれぞれに対応する前記参照面の湾曲度合いを取得することを含み、
    前記デフォーカスマップの作成は、前記ステージをX方向およびY方向に移動させることによって前記基準マスクの前記複数の位置のそれぞれに対応する前記検査対象マスクの複数の位置のうち、一部の所定の位置を前記光学系の光路上に位置させ、前記所定の位置が前記光学系の光路上に位置したときに、前記透過部材および前記光学系を通して前記所定の位置に照射した前記光源からの光による光学画像を検出し、当該検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、前記所定の位置に対応する前記検査対象マスクの湾曲度合いを取得することを含む、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のマップ作成方法。
  6. 前記デフォーカスマップの作成は、前記コントラスト値に基づいて取得された前記所定の位置に対応する前記検査対象マスクの湾曲度合いを用いた補間によって、前記検査対象マスクの前記複数の位置のうち、前記所定の位置以外の位置に対応する前記検査対象マスクの湾曲度合いを取得することを含むことを特徴とする請求項5に記載のマップ作成方法。
  7. 前記基準マスクの前記湾曲度合いに相当する移動量での前記ステージの移動は、前記測定部で測定された前記ステージと前記参照面とのZ方向の距離に基づいて算出された前記ステージのZ方向の位置を、前記基準マスクの湾曲度合いに相当する移動量で移動させることであり、
    前記参照面の湾曲度合いに相当する移動量での前記ステージの移動は、前記測定部で測定された前記ステージと前記参照面とのZ方向の距離に基づいて算出された前記ステージのZ方向の位置を、前記参照面の湾曲度合いに相当する移動量で移動させることであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のマップ作成方法。
  8. 検査対象マスクを載置可能なXY平面を有し、X方向、Y方向およびZ方向に移動可能なステージと、前記ステージに載置された前記検査対象マスクに光源からの光を照射する光学系と、前記ステージからZ方向に離れた位置に前記XY平面に沿って参照面が設けられた参照面部材と、前記ステージと前記参照面との間のZ方向の距離を測定する測定部とを備えたマスク検査装置を用いて、前記検査対象マスクと前記光学系のピント位置とのZ方向のずれ量を示すデフォーカスマップを作成するマップ作成方法であって、
    透光領域と遮光領域とを有する透過部材および前記光学系を通して前記ステージに載置した基準マスクに照射した前記光源からの光による光学画像を検出し、当該検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、前記ステージのZ方向の位置を示すZ位置マップを作成し、
    前記検査対象マスクを搭載した前記ステージと前記参照面とのZ方向の距離を前記測定部で測定し、前記Z位置マップに示される前記ステージのZ方向の位置に相当する移動量で前記Z位置マップに示される前記ステージのZ方向の位置と反対方向に移動するようにZ方向に前記ステージを移動させ、前記ステージの移動後、透光領域と遮光領域とを有する透過部材および前記光学系を通して前記検査対象マスクに照射した前記光源からの光による光学画像を検出し、当該検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、前記Z位置マップに示される前記ステージのZ方向の位置に対する前記移動後の前記ステージのZ方向の位置の差分を取得し、
    前記取得された差分と、前記Z位置マップに示される前記ステージのZ方向の位置との和または差分を、前記検査対象マスクと前記光学系のピント位置とのZ方向のずれ量として取得することで、前記デフォーカスマップを作成することを特徴とするマップ作成方法。
  9. 前記Z位置マップに示される前記ステージのZ方向の位置に相当する移動量での前記ステージの移動は、前記測定部で測定された前記ステージと前記参照面とのZ方向の距離に基づいて算出された前記ステージのZ方向の位置を、前記Z位置マップに示される前記ステージのZ方向の位置に相当する移動量で移動させることであることを特徴とする請求項8に記載のマップ作成方法。
  10. 検査対象マスクを載置可能なXY平面を有し、X方向、Y方向およびZ方向に移動可能なステージと、前記ステージに載置された前記検査対象マスクに光源からの光を照射する光学系と、前記ステージからZ方向に離れた位置に前記XY平面に沿って設けられた参照面を有する参照面部材と、前記ステージと前記参照面との間のZ方向の距離を測定する測定部とを備えたマスク検査装置を用いて、前記検査対象マスクの欠陥を検査するマスク検査方法であって、
    Z方向への湾曲度合いが既知である基準マスクを載置した前記ステージと前記参照面とのZ方向の距離を前記測定部が測定し、前記基準マスクのZ方向への湾曲度合いに相当する移動量で前記基準マスクの湾曲方向と反対方向にZ方向に前記ステージを移動させ、前記ステージの移動後、透光領域と遮光領域とを有する透過部材および前記光学系を通して前記基準マスクに照射した前記光源からの光による光学画像を検出し、当該検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、Z方向への前記参照面の湾曲度合いを示す参照面マップを作成し、
    前記検査対象マスクを搭載した前記ステージと前記参照面とのZ方向の距離を前記測定部が測定し、前記参照面マップに示される前記参照面の湾曲度合いに相当する移動量で前記参照面の湾曲方向と反対方向に移動するようにZ方向に前記ステージを移動させ、前記ステージの移動後、透光領域と遮光領域とを有する透過部材および前記光学系を通して前記検査対象マスクに照射した前記光源からの光による光学画像を検出し、当該検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、Z方向への前記検査対象マスクの湾曲度合いを取得し、
    前記参照面の湾曲度合いと、前記検査対象マスクの湾曲度合いとの和または差分を、前記検査対象マスクと前記光学系のピント位置とのZ方向のずれ量として取得することで、前記ずれ量を示すデフォーカスマップを作成し、
    前記作成されたデフォーカスマップに示される前記ずれ量を補正する移動量でZ方向に前記ステージを移動させることで、前記検査対象マスクに対する前記光学系のピント合わせを行い、
    前記ピント合わせが行われた状態で、前記光学系を通して前記検査対象マスクに照射された前記光源からの光を検出し、
    前記検出された光に基づいて、前記検査対象マスクの欠陥を検査することを特徴とするマスク検査方法。
  11. 検査対象マスクを載置可能なXY平面を有し、X方向、Y方向およびZ方向に移動可能なステージと、前記ステージに載置された前記検査対象マスクに光源からの光を照射する光学系と、前記ステージからZ方向に離れた位置に前記XY平面に沿って設けられた参照面を有する参照面部材と、前記ステージと前記参照面との間のZ方向の距離を測定する測定部と、前記検査対象マスクと前記光学系のピント位置とのZ方向のずれ量を示すデフォーカスマップを作成するマップ作成部と、前記デフォーカスマップに示される前記ずれ量を補正する移動量でZ方向に前記ステージを移動させることで、前記検査対象マスクに対する前記光学系のピント合わせを行う移動部と、前記ピント合わせが行われた状態で前記検査対象マスクに照射された前記光源からの光を検出する検出部と、前記検出された光に基づいて前記検査対象マスクの欠陥を検査する検査部と、を備えたマスク検査装置であって、
    前記マップ作成部は、
    Z方向への湾曲度合いが既知である基準マスクを載置した前記ステージと前記参照面とのZ方向の距離を前記測定部に測定させ、前記移動部に、前記基準マスクのZ方向への湾曲度合いに相当する移動量で前記基準マスクの湾曲方向と反対方向にZ方向への前記ステージの移動を行わせ、前記ステージの移動後、透光領域と遮光領域とを有する透過部材および前記光学系を通して前記基準マスクに照射した前記光源からの光による光学画像を前記検出部に検出させ、前記検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、Z方向への前記参照面の湾曲度合いを示す参照面マップを作成し、
    前記検査対象マスクを搭載した前記ステージと前記参照面とのZ方向の距離を前記測定部に測定させ、前記参照面マップに示される前記参照面の湾曲度合いに相当する移動量で前記参照面の湾曲方向と反対方向に移動するように前記移動部にZ方向への前記ステージの移動を行わせ、前記ステージの移動後、透光領域と遮光領域とを有する透過部材および前記光学系を通して前記検査対象マスクに照射した前記光源からの光による光学画像を前記検出部に検出させ、前記検出された光学画像のコントラスト値に基づいて、Z方向への前記検査対象マスクの湾曲度合いを取得し、
    前記参照面の湾曲度合いと、前記検査対象マスクの湾曲度合いとの和または差分を、前記検査対象マスクと前記光学系のピント位置とのZ方向のずれ量として取得することで、前記ずれ量を示すデフォーカスマップを作成することを特徴とするマスク検査装置。
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