JP6625478B2 - パターン欠陥検査方法およびパターン欠陥検査装置 - Google Patents

パターン欠陥検査方法およびパターン欠陥検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、パターン欠陥検査方法およびパターン欠陥検査装置に関する。
マスク等のパターンを有する検査対象物のパターンの欠陥を検査する検査装置では、検査モードの1つとしてD−DB(Die to Database)検査を行うことが可能である。D−DB検査では、センサで光学的に検出された検査対象物のセンサ像と、検査対象物の設計データすなわち描画データから作成された検査対象物の参照像とを比較することで、検査対象物のパターンの欠陥を検査する。
マスクのD−DB検査に用いる設計データ上において、マスクのパターンは複数のパターン群すなわち複数のパターンの単位に区分けされている。設計データ上のパターン群は、チップと呼ばれる。また、設計データには、アドレスユニット(以下、AUともいう)と呼ばれるチップの単位寸法を示すデータが含まれている。AUは、チップに対応するパターンの密集度に応じて異なり、密集度が大きいパターンに対応するチップほどAUが小さい。
パターンの欠陥を迅速に検査するため、D−DB検査では、AUが異なる複数のチップのパターンを連続して検査する場合がある。この場合、各チップのAUを代表する代表AUを決定する。
代表AUの決定には、各チップのそれぞれのAUに、各チップのそれぞれのスケール率を乗じた値を用いる。この値は、スケール率に応じてチップをシュリンクするなどして実際のマスクの描画に用いた値であるため、実AUと呼ばれる。そして、各チップの実AUのうち、発生頻度すなわち参照回数が最多の実AUを代表AUに決定する。
代表AUの決定後、決定された代表AUを単位寸法とした図形で各チップを表現した画像データを生成する。そして、生成された画像データを用いて参照像を生成し、生成された参照像をセンサ像と比較することでパターンの欠陥を検査する。
特開2008−130862号公報
しかしながら、従来の検査方法では、連続したパターンの検査が行われる複数のチップの中に、代表AUより小さいAUを有するチップが存在する場合がある。この場合、代表AUを用いて代表AUより小さいAUを有するチップを図形として表現すると、図形上に設計上の形状とは異なる微小なスリットが生じる虞がある。そして、スリットが生じることで、参照像においてスリットの周辺に誤差が生じ、誤差が生じた参照像がセンサ像と比較されることで疑似欠陥が発生する虞がある。疑似欠陥が発生すると、パターンの欠陥が無いのに欠陥が有ると判断されるため、正確な検査結果を得ることができない。
したがって、従来の検査方法においては、パターンの欠陥を適切に検査することが困難であるといった問題があった。
本発明の目的は、パターンの欠陥を適切に検査できるパターン欠陥検査方法およびパターン欠陥検査装置を提供することにある。
本発明の一態様であるパターン欠陥検査方法は、複数のパターン群を有する検査対象物の設計データのうち、設計データ上のパターン群の単位寸法である第1アドレスユニットと、パターン群のスケール率とをパターン群毎に乗じることで、パターン群毎の第2アドレスユニットを算出し、算出されたパターン群毎の第2アドレスユニットの最大公約数に相当する第3アドレスユニットを算出し、算出された第3アドレスユニットが閾値より大きい場合に、設計データに基づいて、第3アドレスユニットを単位寸法とした図形で設計データ上のパターン群を表現した画像データを生成し、生成された画像データに基づいて生成された参照画像と前記検査対象物の光学画像とを比較して検査対象物のパターンの欠陥を検査するものである。
上述のパターン欠陥検査方法において、算出された第3アドレスユニットが閾値以下の場合に、パターン群毎の第2アドレスユニットが同一値となるようなパターン群毎の第1アドレスユニットを有するように設計データを変更してもよい。
上述のパターン欠陥検査方法において、同一値は、設計データの変更前に算出されたパターン群毎の第2アドレスユニットの最小値であってもよい。
上述のパターン欠陥検査方法において、パターン群毎の第2アドレスユニットは、収集経路を通じて設計データを保有する外部装置から収集した第1アドレスユニットおよびスケール率に基づいて算出し、画像データは、収集経路を通じて外部装置から収集した設計データに基づいて生成し、設計データの変更は、収集経路上に配置されたデータ変換装置で行ってもよい。
本発明の他の一態様であるパターン欠陥検査方法は、パターンを有する検査対象物の設計データに基づいて、検査対象物の所定の領域毎のパターンの密集度を算出し、算出されたパターンの密集度に応じて、パターンを図形で表現する際の単位寸法である第4アドレスユニットを決定し、決定された第4アドレスユニットを単位寸法とした図形で設計データ上のパターンを表現した画像データを生成し、生成された画像データに基づいて生成された参照画像と前記検査対象物の光学画像とを比較して検査対象物のパターンの欠陥を検査するものである。
本発明の一態様であるパターン欠陥検査装置は、複数のパターン群を有する検査対象物の設計データのうち、設計データ上のパターン群の単位寸法である第1アドレスユニットと、パターン群のスケール率とをパターン群毎に乗じることで、パターン群毎の第2アドレスユニットを算出する第1算出部と、算出されたパターン群毎の第2アドレスユニットの最大公約数に相当する第3アドレスユニットを算出する第2算出部と、算出された第3アドレスユニットが閾値より大きい場合に、設計データに基づいて、第3アドレスユニットを単位寸法とした図形で設計データ上のパターン群を表現した画像データを生成する生成部と、生成された画像データに基づいて生成された参照画像と前記検査対象物の光学画像とを比較して検査対象物のパターンの欠陥を検査する検査部と、を備えるものである。
本発明によれば、パターンの欠陥を適切に検査できる。
第1の実施形態のパターン欠陥検査システムを示す図である。 第1の実施形態のパターン欠陥検査方法を示すフローチャートである。 第1の実施形態のパターン欠陥検査方法を示す斜視図である。 図4Aは、第1の実施形態のパターン欠陥検査方法を示す図形の模式図であり、図4Bは、比較例のパターン欠陥検査方法を示す図形の模式図である。 第2の実施形態のパターン欠陥検査システムを示す図である。 第2の実施形態のパターン欠陥検査方法を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。実施形態は、本発明を限定するものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態のパターン欠陥検査システム1を示す図である。図1のパターン欠陥検査システム1は、複数のパターン群を有する検査対象物の一例であるマスク2のパターンの欠陥を検査するために用いることができる。
図1に示すように、第1の実施形態のパターン欠陥検査システム1は、パターン欠陥検査装置100と、外部装置の一例である外部計算機200と、データ変換装置の一例である再フラクチャリング回路300とを備える。
パターン欠陥検査装置100は、光の進行方向順に、光源3と、偏光ビームスプリッタ4と、照明光学系5と、ステージの一例であるXYθテーブル6と、拡大光学系7と、フォトダイオードアレイ8とを備える。なお、偏光ビームスプリッタ4とXYθテーブル6との間に、光の偏光方向を変化させる波長板を設けてもよい。
光源3は、偏光ビームスプリッタ4に向けてレーザ光を出射する。偏光ビームスプリッタ4は、光源3からの光を照明光学系5に向けて反射する。照明光学系5は、偏光ビームスプリッタ4で反射された光をXYθテーブル6に向けて照射する。XYθテーブル6に載置されたマスク2は、照明光学系5から照射された光を反射する。このマスク2の反射光によって、マスク2が照明される。マスク2の反射光は、照明光学系5および偏向ビームスプリッタ4を透過した後、拡大光学系7に入射する。拡大光学系7は、入射したマスク2の反射光を、マスク2の像(以下、光学画像ともいう)としてフォトダイオードアレイ8に結像させる。フォトダイオードアレイ8は、マスク2の光学画像を光電変換する。光電変換されたマスク2の光学画像に基づいて、マスク2のパターンの欠陥が検査される。
また、図1に示すように、パターン欠陥検査装置1は、オートローダ9と、移動機構の一例であるX軸モータ10A、Y軸モータ10Bおよびθ軸モータ10Cと、レーザ測長システム11と、Zセンサ12と、フォーカス機構13と、を備える。
オートローダ9は、XYθテーブル6上にマスク2を自動搬送する。X軸モータ10A、Y軸モータ10Bおよびθ軸モータ10Cは、それぞれ、XYθテーブル6をX方向、Y方向およびθ方向に移動させる。これにより、XYθテーブル6上のマスク2に対して光源3の光がスキャンされる。レーザ測長システム11は、XYθテーブル6のX方向およびY方向の位置を検出する。
Zセンサ12は、パターン側のマスク2の表面であるマスク面の高さすなわちZ方向の位置を検出する。Zセンサ12は、例えば、マスク面に光を照射する投光器と、照射された光を受光する受光器とを備えていてもよい。
光学画像のデフォーカスを抑制するため、フォーカス機構13は、照明光学系5の焦点をマスク面に合わせるフォーカス合わせを行う。フォーカス合わせは、例えば、Zセンサ12で検出されたマスク面の高さに応じた移動量でXYθテーブル6をZ方向に移動させることで行う。
また、図1に示すように、パターン欠陥検査装置100は、バス14に接続された各種の回路を備える。具体的には、パターン欠陥検査装置100は、オートローダ制御回路15と、テーブル制御回路17と、オートフォーカス制御回路18とを備える。また、パターン欠陥検査装置100は、位置回路22と、生成部の一例である展開回路23と、参照回路24と、比較回路25とを備える。また、パターン欠陥検査装置100は、センサ回路19を備えており、このセンサ回路19は、フォトダイオードアレイ8と比較回路25との間に接続されている。また、パターン欠陥検査装置100は、第1算出部の一例である実AU情報収集回路101と、第2算出部の一例である実AU最大公約数演算回路102と、最大公約数閾値判定回路103と、使用AU決定回路104とを備える。
オートローダ制御回路15は、オートローダ9を制御することで、XYθテーブル6上にマスク2を自動搬送する。
テーブル制御回路17は、モータ10A〜Cを駆動制御することで、XYθテーブル6上のマスク2に対して光源3の光をスキャンさせる。
オートフォーカス制御回路18は、Zセンサ12で検出されたマスク面の高さに応じてフォーカス機構13を制御することで、光源3の光を自動的にマスク面に合焦させる。
センサ回路19は、フォトダイオードアレイ8で光電変換された光学画像を取り込み、取り込まれた光学画像をA/D変換する。そして、センサ回路19は、A/D変換した光学画像を比較回路25に出力する。センサ回路19は、例えば、TDI(Time Delay Integration)センサの回路であってもよい。TDIセンサを用いることで、パターンを高精度に撮像できる。
レーザ測長システム11は、XYθテーブル6の移動位置を検出し、検出された移動位置を位置回路22に出力する。位置回路22は、レーザ測長システム11から入力された移動位置に基づいて、XYθテーブル6上でのマスク2の位置を検出する。そして、位置回路22は、検出されたマスク2の位置を比較回路25に出力する。
展開回路23は、外部計算機200から後述する磁気ディスク装置31に収集すなわち読み込まれた設計データを磁気ディスク装置31から読み出す。
ここで、設計データは、例えば、設計データ上のパターン群であるチップの配置状態を示すレイアウトデータと、チップを構成するフレームなどを示すチップデータとを有する。レイアウトデータでは、チップの位置などが規定されている。また、設計データは、チップ毎に、第1アドレスユニットの一例として、チップの単位寸法であるチップアドレスユニット(以下、チップAUともいう)を有する。チップAUは、チップの最小寸法または分解能ということもできる。チップAUは、対応するチップのパターンの密集度が大きいほど値が小さい。パターンの密集度は、例えば、単位面積あたりのラインアンドスペースの本数に比例した値であってもよい。また、設計データは、チップ毎のスケール率を有する。スケール率は、例えば、マスク2の製造工程においてマスクブランクにチップをシュリンクして描画する際に使用されたチップの縮小倍率であってもよい。
展開回路23は、磁気ディスク装置31から読み出された設計データと、後述する使用AUとに基づいて、2値または多値の画像データを生成する。すなわち、展開回路23は、使用AUを単位寸法とした図形で各チップを表現した画像データを生成する。展開回路23は、設計データをパターン欠陥検査装置100で扱いやすいデータフォーマットを有する検査内部データへと変換し、検査内部データを画像データに変換してもよい。展開回路23は、生成された画像データを参照回路24に出力する。
参照回路24は、展開回路23から入力された画像データに対して適切なフィルタ処理を施すことで、パターンの欠陥検査に用いる参照画像を生成する。参照回路24は、生成された参照画像を比較回路25に出力する。
比較回路25は、位置回路22から入力された位置情報を用いながら、光学画像のパターンの各位置の線幅を測定する。比較回路25は、測定された光学画像のパターンと、参照回路24から入力された参照画像のパターンについて、両パターンの線幅や階調値すなわち明るさを比較する。そして、比較回路25は、例えば、光学画像のパターンの線幅と、参照画像のパターンの線幅との誤差をパターンの欠陥として検出する。
実AU情報収集回路101と、実AU最大公約数演算回路102と、最大公約数閾値判定回路103と、使用AU決定回路104とは、展開回路23による画像データの生成に用いられる。
実AU情報収集回路101は、磁気ディスク装置31までの収集経路を通じて、外部計算機200から設計データのうちチップ毎のチップAUとスケール率とを収集する。実AU情報収集回路101は、収集されたチップAUとスケール率とをチップ毎に乗じることで、第2アドレスユニットの一例である実AUをチップ毎に算出する。実AU情報収集回路101は、算出されたチップ毎の実AUを実AU最大公約数演算回路102に出力する。なお、収集経路は、外部計算機200から磁気ディスク装置31までデータを伝送できる経路であれば有線および無線のいずれの経路であってもよい。
実AU最大公約数演算回路102は、第3アドレスユニットの一例として、チップ毎の実AUの最大公約数に相当するAU(以下、最大公約数AUともいう)を算出する。実AU最大公約数演算回路102は、算出された最大公約数AUを最大公約数閾値判定回路103に出力する。
最大公約数閾値判定回路103は、最大公約数AUが閾値より大きいか否かを判定する。最大公約数閾値判定回路103は、判定結果を使用AU決定回路104に出力する。
使用AU決定回路104は、最大公約数閾値判定回路103の判定結果に応じて、展開回路23による画像データの生成に使用すべき使用AUを決定する。具体的には、使用AU決定回路104は、最大公約数AUが閾値より大きい場合には、最大公約数AUを使用AUに決定する。一方、使用AU決定回路104は、最大公約数AUが閾値以下の場合には、再フラクチャリング回路300によって変更された設計データに基づいて算出された各チップにおいて同一の実AU(以下、同一AUともいう)を、使用AUに決定する。使用AU決定回路104は、決定された使用AUを展開回路23に出力する。
使用AU決定回路104から使用AUが出力されることで、展開回路23は、使用AUを最小寸法とした図形としてチップパターンを表現した画像データを生成できる。
ここで、最大公約数AUは、これを自然数倍することで、各チップを図形で表現する際の単位寸法である実AUに一致する。しがって、最大公約数AUを用いることで、各チップのパターンの寸法を正確に表現できる。
また、最大公約数AUは、各チップのパターンの寸法を正確に表現できる単位寸法のうち個数が最少の単位寸法である。したがって、最大公約数AUを用いることで、チップのパターンの寸法を忠実に反映した誤差の無い画像データを少ない処理時間で生成できる。さらに、第1の実施形態では、単純な最大公約数AUではなく、閾値より大きい最大公約数AUを用いて画像データを生成する。閾値より大きい最大公約数AUを用いることで、誤差の無い画像データをより少ない処理時間で生成できる。
また、第1の実施形態では、最大公約数AUが閾値以下である場合は、小さい最大公約数AUに代わり、同一AUを用いて画像データを生成できる。同一AUは、最大公約数AUと同様に、これを自然数倍することで各チップのパターンの寸法を正確に表現できる。また、同一AUは、閾値以下の最大公約数AUよりも大きな寸法であるため、閾値以下の最大公約数AUよりも少ない個数でチップのパターンの寸法を表現できる。したがって、同一AUを用いる場合、再フラクチャリングの時間はかかるものの、閾値以下の最大公約数AUを用いる場合に比較して少ない処理時間で画像データを生成できる。
したがって、第1の実施形態のパターン欠陥検査装置100によれば、誤差の無い画像データを少ない処理時間で生成できるので、画像データを用いたパターンの欠陥検査を迅速かつ適切に行うことができる。
また、図1に示すように、パターン欠陥検査システム1は、制御部の一例である制御計算機30と、記憶装置の一例である磁気ディスク装置31と、磁気テープ装置32と、フロッピーディスク(登録商標)33と、CRT34と、プリンタ35とを備える。これらの構成部30〜35は、いずれもバス14に接続されている。制御計算機30は、バス14に接続された各構成部に対して、パターンの欠陥検査に関連する各種の制御や処理を実行する。例えば、制御計算機30は、外部計算機200に対して、磁気ディスク装置31にチップAUやスケール率や設計データを収集する制御を行う。磁気ディスク装置31は、外部計算機200から収集されたデータを記憶する。磁気テープ装置32およびフロッピーディスク33は、欠陥検査に関連する各種の情報を記憶する。CRT34は、欠陥検査に関連する各種の画像を表示する。プリンタ35は、欠陥検査に関連する各種の情報を印刷する。
外部計算機200は、パターン欠陥検査装置100の外部に設けられている。外部計算機200は、その記憶装置内に設計データを保有している。外部計算機200は、収集経路を通じて磁気ディスク装置31に設計データを送信する。外部計算機200は、パターン欠陥検査装置100の外部の装置である。このため、外部計算機200は、パターン欠陥検査装置100の処理と独立して磁気ディスク装置31に設計データを送信できる。すなわち、外部計算機200は、制御計算機30に殆ど処理負荷をかけずに設計データを磁気ディスク装置31に収集できる。これにより、制御計算機30による処理を迅速に行うことができるので、パターンの欠陥検査をより迅速に行うことができる。
再フラクチャリング回路300は、外部計算機200と磁気ディスク装置31との間の収集経路上に配置されている。再フラクチャリング回路300は、最大公約数閾値判定回路103の判定結果が否定的である場合に、設計データの再フラクチャリングすなわちフォーマットの再変換を行う。すなわち、再フラクチャリング回路300は、チップ毎の実AUが同一AUとなるようなチップ毎のチップAUを有するように設計データを変更する。
再フラクチャリング回路300は、変更された設計データを磁気ディスク装置31に出力する。実AU情報収集回路101は、変更された設計データのチップAUとスケール率とを乗じることで、同一AUを算出できる。
再フラクチャリング回路300は、パターン欠陥検査装置100の外部の装置である。このため、再フラクチャリング回路300は、制御計算機30に殆ど処理負荷をかけずに変更後の設計データを磁気ディスク装置31に収集できる。これにより、再フラクチャリングを行う場合においても、パターンの欠陥検査を可及的に迅速に行うことができる。なお、再フラクチャリング回路300は、収集経路の末端において磁気ディスク装置31に接続されていてもよい。この場合、再フラクチャリング回路300は、設計データが磁気ディスク装置31に格納された後に、磁気ディスク装置31内の設計データを再フラクチャリングしてもよい。
(パターン欠陥検査方法)
次に、図1のパターン欠陥検査システム1を適用したパターン欠陥検査方法について説明する。図2は、第1の実施形態のパターン欠陥検査方法を示すフローチャートである。図3は、第1の実施形態のパターン欠陥検査方法を示す斜視図である。第1の実施形態のパターン欠陥検査方法では、図3の破線矢印に示す方向に検査領域201のストライプ202が連続的にスキャンされるように、XYθテーブル6を移動させる。XYθテーブル6を移動させながら、フォトダイオードアレイ8で撮像された光学画像に基づいてストライプ202上のパターンの欠陥を検査する。ストライプ202上には、複数のチップのそれぞれを反映した複数のパターン群203が設けられており、これらの複数のパターン群203に対して連続した検査を行う。なお、図3に示すパターン群203はあくまで一例に過ぎず、実際のパターン群は図3に対して大きさ、位置および形状が異なってよい。以下、パターンの欠陥検査の過程での使用AUの決定を中心に説明する。
先ず、図2に示すように、制御計算機30は、収集経路を通じて外部計算機200から磁気ディスク装置31に設計データのうちチップAUとスケール率とを収集する。そして、実AU情報収集回路101は、チップ毎に、収集されたチップAUとスケール率とを乗じることで、各チップの実AUを算出する(ステップS1)。
実AUを算出した後、実AU最大公約数演算回路102は、各チップの実AUに基づいて最大公約数AUを算出する(ステップS2)。簡単な例として、実AUが0.25mmと0.1mmの2つである場合、最大公約数AUは0.05mmとなる。
最大公約数AUを算出した後、最大公約数閾値判定回路103は、算出された最大公約数AUが閾値より大きいか否かを判定する(ステップS3)。閾値は、例えば、実AU情報収集回路101で算出された各チップパターンの実AUに応じた値である。例えば、閾値は、各チップパターンの実AUのうちの最小値に、0より大きく1より小さい定数倍を乗じた値である。閾値は、例えば、各チップパターンの実AUのうちの最小値の0.1倍すなわち10%の値であってもよい。
最大公約数AUが閾値より大きい場合(ステップS3:Yes)、使用AU決定回路104は、最大公約数AUを使用AUに決定する(ステップS4)。
一方、最大公約数AUが閾値以下である場合(ステップS3:No)、使用AU決定回路104は、同一AUを使用AUに決定する(ステップS5)。
使用AUを決定した後、制御計算機30は、収集経路を通じて外部計算機200から磁気ディスク装置31に設計データを収集する(ステップS6)。このとき、決定された使用AUが最大公約数AUである場合(ステップS4)には、制御計算機30は、設計データをそのまま収集する。一方、決定された使用AUが同一AUである場合(ステップS5)、再フラクチャリング回路300は、外部計算機200から送信された設計データを再フラクチャリングする。すなわち、再フラクチャリング回路300は、同一AUを算出可能なチップ毎のチップAUを有するように設計データを変更し、変更された設計データを磁気ディスク装置31に格納する。そして、実AU情報収集回路101は、磁気ディスク装置31から変更後の設計データのうち、チップAUとスケール率とをチップ毎に読み出して両者を掛け合わせることで、チップ毎の同一AUを算出する。
設計データを収集した後、展開回路23は、決定された使用AUを用いてパターンの欠陥検査を実施する(ステップS7)。具体的には、展開回路23は、使用AUを単位寸法とした図形でチップを表現した画像データを生成し、生成された画像データを参照回路24に出力する。参照回路24は、展開回路23から入力された画像データに基づいて参照画像を生成し、生成された参照画像を比較回路25に出力する。比較回路25は、図3に示されるストライプ202を連続的にスキャンすることで得られたストライプ202上の各パターン群203の光学画像と参照回路24から得られた参照画像とを比較して、パターンの欠陥を検出する。
図4Aは、第1の実施形態のパターン欠陥検査方法を示す図形の模式図である。図4Bは、比較例のパターン欠陥検査方法を示す図形の模式図である。図4Aおよび図4Bには、展開回路23によって生成された画像データ上のパターン群203が部分的に図示されている。
もし、マスク2の各チップの実AUのうち発生頻度が最多の代表AUを用いて画像データを生成する場合、代表AUより小さい実AUを有するチップが存在し得る。代表AUを用いて代表AUより小さい実AUを有するチップを図形すなわち画像データとして表現した場合、図4Bに示すように、丸め誤差によって画像データ上のパターン群203に微小なスリットSが発生してしまう。このようなスリットSを有する画像データに基づいて欠陥を検査する場合、比較回路25は、誤ってパターン群203が欠陥を有していると判断してしまう。
これに対して、第1の実施形態によれば、使用AUとして閾値より大きい最大公約数AUまたは同一AUを用いることで、図4Aに示すように、スリットSの無いパターン群203の画像データを生成できる。また、パターン群203の寸法を可及的に少ない個数の単位寸法すなわちデータで表現できるので、データの肥大化を抑制できる。スリットSの無いパターン群203の画像データを少ないデータで生成できるので、パターン群203が欠陥を有していないとの正確な検査結果を短い処理時間で得ることができる。
したがって、第1の実施形態のパターン欠陥検査方法によれば、パターンの欠陥を迅速かつ適切に検査できる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態として、図形の密集度を用いて使用AUを決定する実施形態について説明する。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態に対応する構成部については、同一の符号を用いて重複した説明を省略する。図5は、第2の実施形態のパターン欠陥検査システム1を示す図である。
図5に示すように、第2の実施形態のパターン欠陥検査装置100は、第1の実施形態に対して、再フラクチャリング回路300、実AU情報収集回路101、実AU最大公約数演算回路102および最大公約数閾値判定回路103が省略されている。また、第2の実施形態のパターン欠陥検査装置100は、第1の実施形態に対して、図形密度収集回路105が追加されている。
図形密集度収集回路105は、収集経路を通じて外部計算機200から設計データのうちマスク2の各領域におけるパターンの図形密度に相関するデータを収集する。図形密度は、パターンの密集度の一例である。図形密度は、例えば、領域における一定面積当たりのラインアンドスペースの本数であってもよい。また、領域は、パターン群203すなわちチップであってもよい。また、図形密度に相関するデータは、設計データのうち図形密度を算出できるデータであれば具体的な態様は限定されず、例えば、レイアウトデータやチップデータであってもよい。図形密集度収集回路105は、収集された図形密度に相関するデータに基づいて、各領域の図形密度を算出する。
使用AU決定回路104は、各領域の図形密度に基づいて第4アドレスユニットの一例である使用AUを決定し、決定された使用AUを展開回路23に出力する。
図6は、第2の実施形態のパターン欠陥検査方法を示すフローチャートである。先ず、図6に示すように、制御計算機30は、収集経路を通じて外部計算機200から磁気ディスク装置31に設計データのうち図形密度に相関するデータを収集する。そして、図形密集度収集回路105は、収集された図形密度に相関するデータに基づいて各領域の図形密度を算出する(ステップS11)。
図形密度を算出した後、使用AU決定回路104は、各領域の図形密度に基づいて使用AUを決定する(ステップS12)。例えば、使用AU決定回路104は、図形密度が高い領域の使用AUを、図形密度が低い領域の使用AUよりも小さい値に決定する。
使用AUを決定した後は、第1の実施形態と同様に、順に、設計データの収集(ステップS13)と、決定された使用AUを用いたパターンの欠陥検査(ステップS14)とを行う。
第2の実施形態によれば、各領域の図形密度に応じた使用AUを用いて画像データを生成することで、各領域のパターンの寸法を各領域に応じた使用AUで正確に表現できる。これにより、第1の実施形態と同様に、パターンの欠陥を適切に検査できる。
パターン欠陥検査システム1の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、パターン欠陥検査システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
上述の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
2 マスク
203 チップパターン

Claims (6)

  1. 複数のパターン群を有する検査対象物の設計データのうち、前記設計データ上のパターン群の単位寸法である第1アドレスユニットと、前記パターン群のスケール率とを前記パターン群毎に乗じることで、前記パターン群毎の第2アドレスユニットを算出し、
    前記算出されたパターン群毎の第2アドレスユニットの最大公約数に相当する第3アドレスユニットを算出し、
    前記算出された第3アドレスユニットが閾値より大きい場合に、前記設計データに基づいて、前記第3アドレスユニットを単位寸法とした図形で前記設計データ上のパターン群を表現した画像データを生成し、
    前記生成された画像データに基づいて生成された参照画像と前記検査対象物の光学画像とを比較して前記検査対象物のパターンの欠陥を検査するパターン欠陥検査方法。
  2. 前記算出された第3アドレスユニットが前記閾値以下の場合に、前記パターン群毎の第2アドレスユニットが同一値となるような前記パターン群毎の第1アドレスユニットを有するように前記設計データを変更する請求項1に記載のパターン欠陥検査方法。
  3. 前記同一値は、前記設計データの変更前に算出された前記パターン群毎の第2アドレスユニットの最小値である請求項2に記載のパターン欠陥検査方法。
  4. 前記パターン群毎の第2アドレスユニットは、収集経路を通じて前記設計データを保有する外部装置から収集した前記第1アドレスユニットおよび前記スケール率に基づいて算出し、
    前記画像データは、前記収集経路を通じて前記外部装置から収集した前記設計データに基づいて生成し、
    前記設計データの変更は、前記収集経路上に配置されたデータ変換装置で行う請求項2または3に記載のパターン欠陥検査方法。
  5. パターンを有する検査対象物の設計データに基づいて、前記検査対象物の所定の領域毎の前記パターンの密集度を算出し、
    前記算出されたパターンの密集度に応じて、前記パターンを図形で表現する際の単位寸法である第4アドレスユニットを決定し、
    前記決定された第4アドレスユニットを単位寸法とした図形で前記設計データ上のパターンを表現した画像データを生成し、
    前記生成された画像データに基づいて生成された参照画像と前記検査対象物の光学画像とを比較して前記検査対象物のパターンの欠陥を検査するパターン欠陥検査方法。
  6. 複数のパターン群を有する検査対象物の設計データのうち、前記設計データ上のパターン群の単位寸法である第1アドレスユニットと、前記パターン群のスケール率とを前記パターン群毎に乗じることで、前記パターン群毎の第2アドレスユニットを算出する第1算出部と、
    前記算出されたパターン群毎の第2アドレスユニットの最大公約数に相当する第3アドレスユニットを算出する第2算出部と、
    前記算出された第3アドレスユニットが閾値より大きい場合に、前記設計データに基づいて、前記第3アドレスユニットを単位寸法とした図形で前記設計データ上のパターン群を表現した画像データを生成する生成部と、
    前記生成された画像データに基づいて生成された参照画像と前記検査対象物の光学画像とを比較して前記検査対象物のパターンの欠陥を検査する検査部と、を備えるパターン欠陥検査装置。
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