JP6731587B2 - 感光性組成物、パターン付き基板、細胞培養支持体および培養細胞の製造方法 - Google Patents
感光性組成物、パターン付き基板、細胞培養支持体および培養細胞の製造方法 Download PDFInfo
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Description
で表される繰り返し単位を有するN−アルキルアクリルアミド共重合体、架橋剤および酸発生剤を含有する感光性組成物が記載されている。該N−アルキルアクリルアミド共重合体は、上記式で表されるように、N−アルキルアクリルアミドに由来する構成単位および架橋性の構成単位(R3の部分)からなる2元共重合体である。
R12およびR13は、それぞれ独立に、C1−4アルキル基を示す。
*は、結合位置を示す。)
で表される構成単位(以下「構成単位(1)」と略称することがある。)、
式(2):
R22は、−CO−O−R23または−CO−NR24R25を示す。
R23は、反応性基を有するC1−10アルキル基、反応性基を有するC3−10シクロアルキル基、または反応性基を有する3〜10員複素環基を示す。
R24およびR25の一つは、水素原子、置換されていてもよいC1−10アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、または置換されていてもよい3〜10員複素環基を示し、残りの一つは反応性基を有するC1−10アルキル基、反応性基を有するC3−10シクロアルキル基、または反応性基を有する3〜10員複素環基を示す。
*は、結合位置を示す。)
で表される構成単位(以下「構成単位(2)」と略称することがある。)、および
式(3):
R32は、−CO−O−R33または−CO−NR34R35を示す。
R33は、置換されていてもよいC1−10アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、または置換されていてもよい3〜10員複素環基を示す。
R34およびR35は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいC1−10アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、または置換されていてもよい3〜10員複素環基を示す。
*は、結合位置を示す。)
で表される構成単位(但し、式(1)で表される構成単位および式(2)で表される構成単位と同じであるものを除く)(以下「構成単位(3)」と略称することがある。)を含む共重合体、
光酸発生剤、並びに
溶媒
を含有する感光性組成物。
[2] R22は、−CO−O−R23であり、R23は、反応性基を有するC1−4アルキル基である前記[1]に記載の感光性組成物。
[3] 反応性基がヒドロキシ基である前記[1]または[2]に記載の感光性組成物。
[4] R33は、ヒドロキシ基を有していてもよいC2−10アルキル基または−R36−R37−R38(前記式中、R36は、C1−4アルキレン基であり、R37は、C3−6シクロアルカンジイル基であり、R38は、ヒドロキシ基を有していてもよいC1−4アルキル基である。)であり、R34およびR35の一つはC3−10アルキル基であり、残りの一つは水素原子またはC1−10アルキル基である前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の感光性組成物。
[5] 式(3)で表される構成単位が、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−(tert−ブチル)(メタ)アクリルアミド、およびN−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドからなる群から選ばれる単量体に由来する構成単位である前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の感光性組成物。
[6] 共重合体の下限臨界点温度が15℃以上33℃未満である前記[4]または[5]に記載の感光性組成物。
[7] R32は、−CO−NR34R35であり、R34およびR35は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基若しくはエチル基、またはヒドロキシ基を有するC1−3アルキル基である前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の感光性組成物。
[8] 式(3)で表される構成単位が、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチル−N−メチルアクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、およびN−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アクリルアミドからなる群から選ばれる単量体に由来する構成単位である前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の感光性組成物。
[9] 共重合体の下限臨界点温度が33〜45℃である前記[7]または[8]に記載の感光性組成物。
[10] 共重合体の全構成単位中、式(1)で表される構成単位の量が10〜94モル%であり、式(2)で表される構成単位の量が5〜40モル%であり、式(3)で表される構成単位の量が1〜80モル%である前記[1]〜[9]のいずれか一つに記載の感光性組成物。
[11] さらに、酸存在下で反応性基と反応する架橋剤を含有する前記[1]〜[10]のいずれか一つに記載の感光性組成物。
[12] 細胞培養支持体を製造するために用いられる前記[1]〜[11]のいずれか一つに記載の感光性組成物。
[13] 前記[1]〜[11]のいずれか一つに記載の感光性組成物から形成されたパターン付き基板。
[14] 前記[1]〜[11]のいずれか一つに記載の感光性組成物を用いて基板上に塗膜を形成し、該塗膜に光を照射し、露光後の塗膜を現像する工程を含む、パターン付き基板の製造方法。
[15] 前記[1]〜[11]のいずれか一つに記載の感光性組成物を用いて基板上に塗膜を形成し、該塗膜に光を照射し、露光後の塗膜を現像する工程を含む、パターン形成方法。
下限臨界点温度が温度応答性ポリマー(I)とは異なる温度応答性ポリマー(II)を含有する感光性組成物を用いて基板上に塗膜を形成し、該塗膜に光を照射し、露光後の塗膜を現像して、パターンを形成する工程(II)
を含む、細胞培養支持体の製造方法。
[17] 感光性組成物が、さらに光酸発生剤および溶媒を含有する前記[16]に記載の製造方法。
[18] 感光性組成物が、さらに架橋剤を含有する前記[16]または[17]に記載の製造方法。
[19] 温度応答性ポリマー(I)および温度応答性ポリマー(II)の一方が、構成単位(1)、構成単位(2)、および構成単位(3)を含む共重合体であり、温度応答性ポリマー(I)および温度応答性ポリマー(II)のもう一方が、構成単位(1)および構成単位(2)を含み、且つ構成単位(3)を含まない共重合体であるか、または
温度応答性ポリマー(I)および温度応答性ポリマー(II)が、それぞれ独立に、構成単位(1)、構成単位(2)、および構成単位(3)を含む共重合体である、前記[16]〜[18]のいずれか一つに記載の製造方法。
[20] 工程(I)において、40〜200℃の温度で露光後ベークを行う前記[16]〜[19]のいずれか一つに記載の製造方法。
[21] 工程(I)で形成されたパターンに光照射する前記[16]〜[20]のいずれか一つに記載の製造方法。
[22] 形成されたパターンの厚さが、1〜100nmである前記[16]〜[21]のいずれか一つに記載の製造方法。
[23] 前記[16]〜[22]のいずれか一つに記載の製造方法によって得られた細胞培養支持体。
[25] 感光性組成物が、さらに光酸発生剤および溶媒を含有する前記[24]に記載の細胞培養支持体。
[26] 感光性組成物が、さらに架橋剤を含有する前記[24]または[25]に記載の細胞培養支持体。
[27] 温度応答性ポリマー(I)および温度応答性ポリマー(II)の一方が、構成単位(1)、構成単位(2)、および構成単位(3)を含む共重合体であり、温度応答性ポリマー(I)および温度応答性ポリマー(II)のもう一方が、構成単位(1)および構成単位(2)を含み、且つ構成単位(3)を含まない共重合体であるか、または
温度応答性ポリマー(I)および温度応答性ポリマー(II)が、それぞれ独立に、構成単位(1)、構成単位(2)、および構成単位(3)を含む共重合体である、前記[24]〜[26]のいずれか一つに記載の細胞培養支持体。
[28] 形成されたパターンの厚さが、1〜100nmである前記[24]〜[27]のいずれか一つに記載の細胞培養支持体。
少なくとも一つのパターンが、温度応答性ポリマー(I)の架橋物を含み、少なくとも一つの別のパターンが、下限臨界点温度が温度応答性ポリマー(I)とは異なる温度応答性ポリマー(II)の架橋物を含み、
温度応答性ポリマー(I)および温度応答性ポリマー(II)の一方が、構成単位(1)、構成単位(2)、および構成単位(3)を含む共重合体であり、温度応答性ポリマー(I)および温度応答性ポリマー(II)のもう一方が、構成単位(1)および構成単位(2)を含み、且つ構成単位(3)を含まない共重合体であるか、または
温度応答性ポリマー(I)および温度応答性ポリマー(II)が、それぞれ独立に、構成単位(1)、構成単位(2)、および構成単位(3)を含む共重合体である、細胞培養支持体。
[30] パターンの厚さが、1〜100nmである前記[29]に記載の細胞培養支持体。
少なくとも一つのパターン(I)が、温度応答性ポリマー(I)を含有する感光性組成物から形成されたものであり、少なくとも一つの別のパターン(II)が、温度応答性ポリマー(I)が有する下限臨界点温度よりも高い下限臨界点温度を有する温度応答性ポリマー(II)を含有する感光性組成物から形成されたものであり、
温度応答性ポリマー(I)が有する下限臨界点温度よりも高い温度、且つ温度応答性ポリマー(II)が有する下限臨界点温度よりも低い温度で、少なくとも一つのパターン(I)上で、細胞(I)を培養する工程、および
温度応答性ポリマー(I)および温度応答性ポリマー(II)が有する下限臨界点温度よりも高い温度で、少なくとも一つの別のパターン(II)上で、細胞(I)とは異なる細胞(II)を培養する工程
を含む製造方法。
[32] さらに、パターン(I)およびパターン(II)の温度を、温度応答性ポリマー(I)および温度応答性ポリマー(II)が有する下限臨界点温度よりも低い温度に調整して、細胞培養支持体から細胞(I)および細胞(II)を剥離させる工程を含む前記[31]に記載の製造方法。
[33] 感光性組成物が、さらに光酸発生剤および溶媒を含有する前記[31]または[32]に記載の製造方法。
[34] 感光性組成物が、さらに架橋剤を含有する前記[31]〜[33]のいずれか一つに記載の製造方法。
[35] 温度応答性ポリマー(I)および温度応答性ポリマー(II)の一方が、構成単位(1)、構成単位(2)、および構成単位(3)を含む共重合体であり、温度応答性ポリマー(I)および温度応答性ポリマー(II)のもう一方が、構成単位(1)および構成単位(2)を含み、且つ構成単位(3)を含まない共重合体であるか、または
温度応答性ポリマー(I)および温度応答性ポリマー(II)が、それぞれ独立に、構成単位(1)、構成単位(2)、および構成単位(3)を含む共重合体である、前記[31]〜[34]のいずれか一つに記載の製造方法。
少なくとも一つのパターン(I)が、温度応答性ポリマー(I)の架橋物を含み、少なくとも一つの別のパターン(II)が、温度応答性ポリマー(I)が有する下限臨界点温度よりも高い下限臨界点温度を有する温度応答性ポリマー(II)の架橋物を含み、
温度応答性ポリマー(I)および温度応答性ポリマー(II)の一方が、構成単位(1)、構成単位(2)、および構成単位(3)を含む共重合体であり、温度応答性ポリマー(I)および温度応答性ポリマー(II)のもう一方が、構成単位(1)および構成単位(2)を含み、且つ構成単位(3)を含まない共重合体であるか、または
温度応答性ポリマー(I)および温度応答性ポリマー(II)が、それぞれ独立に、構成単位(1)、構成単位(2)、および構成単位(3)を含む共重合体であり、
温度応答性ポリマー(I)が有する下限臨界点温度よりも高い温度、且つ温度応答性ポリマー(II)が有する下限臨界点温度よりも低い温度で、少なくとも一つのパターン(I)上で、細胞(I)を培養する工程、および
温度応答性ポリマー(I)および温度応答性ポリマー(II)が有する下限臨界点温度よりも高い温度で、少なくとも一つの別のパターン(II)上で、細胞(I)とは異なる細胞(II)を培養する工程
を含む製造方法。
[37] さらに、パターン(I)およびパターン(II)の温度を、温度応答性ポリマー(I)および温度応答性ポリマー(II)が有する下限臨界点温度よりも低い温度に調整して、細胞培養支持体から細胞(I)および細胞(II)を剥離させる工程を含む前記[36]に記載の製造方法。
温度応答性ポリマーが、構成単位(1)、構成単位(2)、および構成単位(3)を含む共重合体である、製造方法。
温度応答性ポリマーが、構成単位(1)、構成単位(2)、および構成単位(3)を含む共重合体である、細胞培養支持体。
温度応答性ポリマーが、構成単位(1)、構成単位(2)、および構成単位(3)を含む共重合体である、細胞培養支持体。
硬化物層が、温度応答性ポリマーを含有する感光性組成物から形成されたものであり、
温度応答性ポリマーが、構成単位(1)、構成単位(2)、および構成単位(3)を含む共重合体であり、
温度応答性ポリマーが有する下限臨界点温度よりも高い温度で、硬化物層上で、細胞を培養する工程を含む製造方法。
硬化物層が、温度応答性ポリマーの架橋物を含み、
温度応答性ポリマーが、構成単位(1)、構成単位(2)、および構成単位(3)を含む共重合体であり、
温度応答性ポリマーが有する下限臨界点温度よりも高い温度で、硬化物層上で、細胞を培養する工程
を含む、製造方法。
本発明の感光性組成物は、構成単位(1)〜(3)を含む共重合体、光酸発生剤、および溶媒を含有する。本発明の感光性組成物は、好ましくは、酸存在下で反応性基と反応する架橋剤をさらに含有する。前記共重合体中において、構成単位(1)〜(3)は、それぞれ、1種のみでもよく、2種以上でもよい。以下、構成単位(1)〜(3)中に含まれる基から順に説明する。
R12およびR13は、それぞれ独立に、C1−4アルキル基、好ましくはメチル基である。
R22は、−CO−O−R23または−CO−NR24R25である。
R23は、反応性基を有するC1−10アルキル基、反応性基を有するC3−10シクロアルキル基、または反応性基を有する3〜10員複素環基である。
R24およびR25の一つは、水素原子、置換されていてもよいC1−10アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、または置換されていてもよい3〜10員複素環基であり、残りの一つは反応性基を有するC1−10アルキル基、反応性基を有するC3−10シクロアルキル基、または反応性基を有する3〜10員複素環基である。
R32は、−CO−O−R33または−CO−NR34R35である。
R33は、置換されていてもよいC1−10アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、または置換されていてもよい3〜10員複素環基である。
R34およびR35は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいC1−10アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、または置換されていてもよい3〜10員複素環基である。
但し、本発明において、構成単位(3)は、上述の構成単位(1)および(2)とは異なる。
低温用の共重合体において、構成単位(3)中のR33は、ヒドロキシ基を有していてもよいC2−10アルキル基または−R36−R37−R38(前記式中、R36は、C1−4アルキレン基であり、R37は、C3−6シクロアルカンジイル基であり、R38は、ヒドロキシ基を有していてもよいC1−4アルキル基である。)であり、R34およびR35の一つはC3−10アルキル基であり、残りの一つは水素原子またはC1−10アルキル基であることが好ましい。
低温用の共重合体において、構成単位(1)はN−イソプロピルアクリルアミドに由来する構成単位であり、構成単位(2)は、2−ヒドロキシエチルアクリレートおよびN−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アクリルアミドからなる群から選ばれる単量体に由来する構成単位であり、構成単位(3)は、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−(tert−ブチル)(メタ)アクリルアミド、およびN−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドからなる群から選ばれる単量体に由来する構成単位であることが好ましい。
高温用の共重合体において、構成単位(3)中のR32は、−CO−NR34R35であり、R34およびR35は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基若しくはエチル基、またはヒドロキシ基を有するC1−3アルキル基であることが好ましい。
高温用の共重合体において、構成単位(1)はN−イソプロピルアクリルアミドに由来する構成単位であり、構成単位(2)は、2−ヒドロキシエチルアクリレートおよびN−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アクリルアミドからなる群から選ばれる単量体に由来する構成単位であり、構成単位(3)は、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチル−N−メチルアクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、およびN−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アクリルアミドからなる群から選ばれる単量体に由来する構成単位であることが好ましい。
共重合体の全構成単位中、構成単位の量(2)は、充分な架橋を達成するために、好ましくは5〜40モル%、より好ましくは7〜30モル%、さらに好ましくは10〜20モル%である。
共重合体の全構成単位中、構成単位(3)の量は、LCST調整のために、好ましくは1〜80モル%、より好ましくは2〜60モル%、さらに好ましくは3〜40モル%である。
グリコールウリル化合物としては、例えば、1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(エトキシメチル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(プロポキシメチル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリルが挙げられる。
メラミン化合物としては、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサブトキシメチルメラミンが挙げられる。
プロピレングリコールジアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテルが挙げられる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテートが挙げられる。
芳香族炭化水素としては、例えば、トルエン、キシレンが挙げられる。
ケトンとしては、例えば、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノンが挙げられる。
本発明の感光性組成物を用いてフォトリソグラフィ法によるパターニングで、所望の応答温度を有する温度応答性のパターン付き基板を製造することができる。本発明は、このようなパターン付き基板も提供する。本発明のパターン付き基板は、本発明の感光性組成物を1種のみ用いて製造した1種のパターン(硬化物層)を有し、応答温度が一つである基板であってもよく、本発明の感光性組成物を2種以上用いて製造した2種以上の応答温度が異なるパターンを有する基板であってもよい。
金属または半金属としては、例えば、アルミニウム、ニッケルチタン、ステンレス(SUS304、SUS316、SUS316L等)、シリコン等が挙げられる。
金属含有化合物または半金属含有化合物としては、例えば、セラミックス、金属酸化物または半金属酸化物(ガラス、酸化ケイ素、アルミナ等)、金属炭化物または半金属炭化物、金属窒化物または半金属窒化物(窒化ケイ素等)、金属ホウ化物または半金属ホウ化物等が挙げられる。
本発明は、温度応答性ポリマーを含有する感光性組成物を用いて、温度応答性の硬化物層またはパターンを基板上に形成することを含む細胞培養支持体の製造方法、および該製造方法から得られる細胞培養支持体も提供する。
共重合体(12)の全構成単位中、構成単位(1)の量は、好ましくは10〜94モル%、より好ましくは20〜92モル%、さらに好ましくは40〜90モル%である。
共重合体の全構成単位中、構成単位の量(2)は、好ましくは5〜40モル%、より好ましくは7〜30モル%、さらに好ましくは10〜25モル%である。
なお、共重合体(12)は、構成単位(3)を含まない。
本発明は、基板、および該基板上に温度応答性ポリマーを含有する感光性組成物から形成された硬化物層またはパターンを有する細胞培養支持体を用いる培養細胞の製造方法も提供する。この製造方法で用いる細胞培養支持体の説明は、後述する点を除いては、前記<細胞培養支持体およびその製造方法>における説明と同じである。また、本発明において、細胞の培養方法および条件に特に限定は無く、自体公知の方法、例えば、非特許文献1に記載の方法によって細胞を培養することができる。
アルゴン雰囲気下、フラスコにメタノール801mL、プロピルアミン100g、4−メトキシフェノール0.02g、炭酸カリウム128gを入れ、反応液を−20℃に冷却した。その後、反応液を−20℃に調整しながらアクリル酸クロリド137mLを30分かけて滴下した。その後、室温で反応液を1時間撹拌した後、反応を終了させた。反応液の溶媒留去後、酢酸エチルを添加し、塩をろ過した。その後、酢酸エチルと水で分液抽出し、分離した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過で除去し、ろ液を濃縮した後、減圧蒸留することによってN−プロピルアクリルアミド121.9gを得た。
アルゴン雰囲気下、フラスコにメタノール2690mL、DL−2−アミノ−1−プロパノール335.8g、4−メトキシフェノール0.07g、炭酸カリウム340gを入れ、反応液を−20℃に冷却した。その後、反応液を−20℃に維持しながらアクリル酸クロリド363mLを30分かけて滴下した。その後−20℃で反応液を3時間撹拌した後、反応を終了させた。反応液の溶媒留去後、酢酸エチルを添加し、塩をろ過した。その後、酢酸エチルと水で分液抽出し、分離した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過で除去し、ろ液を濃縮した後、カラム精製し、N−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アクリルアミド426.6gを得た。
カラム:Shodex(登録商標)KF−803L、KF−802およびKF−801
カラム温度:40℃
溶離液:DMF
流量:0.6ml/分
検出器:RI
標準試料:ポリスチレン
製造例3〜7および9で得られたポリマー(3元共重合体または2元共重合体)を、それぞれ純水に2重量%の濃度で溶解させた。窒素雰囲下、該水溶液の温度を1℃/分で下げながら、示差走査熱量計(Differential scanning calorimetry、DSC)(SIIナノテクノロジー(株)製「DSC7020」)を用いて示差熱測定して得られた測定曲線のピークトップの温度をポリマーの下限臨界点温度(LCST)として算出した。製造例3〜11で得られたポリマー(3元共重合体または2元共重合体)を用いて、純水をリン酸緩衝生理食塩水(Sigma-Aldrich製、製品番号P5493, Phosphate buffered saline, 10x concentrate, BioPerformance Certified, suitable for cell culture)に変更したこと以外は、上記と同様にして、ポリマーのLCSTを算出した。溶媒として純水を用いて測定したLCSTの結果を表1に、溶媒としてリン酸緩衝生理食塩水を用いて測定したLCSTの結果を表2に示す。
製造例3で得られた3元共重合体2.2gに、架橋剤(1,3,4,6−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル)0.154g、光酸発生剤(6−(n−ブチルチオ)−2−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−2−アザ−2H−フェナレン−1,3−ジオン)0.33g、および溶媒(プロピレングリコールモノブチルエーテル)119.3gを加え、感光性組成物を得た。
製造例3で得られた3元共重合体に替えて、製造例4で得られた3元共重合体を使用したこと以外は実施例1と同様にして、感光性組成物を得た。
製造例3で得られた3元共重合体に替えて、製造例5で得られた3元共重合体を使用したこと以外は実施例1と同様にして、感光性組成物を得た。
製造例3で得られた3元共重合体に替えて、製造例6で得られた3元共重合体を使用したこと以外は実施例1と同様にして、感光性組成物を得た。
製造例3で得られた3元共重合体に替えて、製造例7で得られた3元共重合体を使用したこと以外は実施例1と同様にして、感光性組成物を得た。
製造例3で得られた3元共重合体に替えて、製造例8で得られた3元共重合体を使用したこと以外は実施例1と同様にして、感光性組成物を得た。
製造例3で得られた3元共重合体に替えて、製造例9で得られた2元共重合体を使用したこと以外は実施例1と同様にして、感光性組成物を得た。
製造例3で得られた3元共重合体に替えて、製造例10で得られた2元共重合体を使用したこと以外は実施例1と同様にして、感光性組成物を得た。
製造例3で得られた3元共重合体に替えて、製造例11で得られた2元共重合体を使用したこと以外は実施例1と同様にして、感光性組成物を得た。
実施例1〜5および比較例1で得られた感光性組成物を、それぞれ、シリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレート上で80℃で1分間プリベークしてシリコンウェハ上に塗膜を形成した。次いで、i線アライナーPLA−501(キヤノン(株)製)を用いて、露光量を変化させて塗膜を露光した。次いで、オーブン中で80℃で20時間、露光後ベーク(PEB)した。露光後ベークした塗膜をイソプロピルアルコールで1分間曝露し、その後60℃の水で3分間振とうしながらリンスを行った。その後、塗膜を60℃で10分間乾燥させ、露光エリアの塗膜の膜厚を測定した。結果を図1〜6に示す。
なお、露光後ベーク(PEB)を80℃で5時間行っても、同様の結果が得られた。
実施例1〜4および比較例1で得られた感光性組成物を、それぞれ、シリコンウェハ上にスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレート上において80℃で1分間プリベークしてシリコンウェハ上に塗膜を形成した。次いで、i線アライナーPLA−501(キヤノン(株)製、露光量:2,000mJ/cm2)を用いて、間隔20μmのラインパターンのマスクを介して露光した。次いで、オーブン中で80℃で20時間露光後ベーク(PEB)した。露光後ベークした塗膜をイソプロピルアルコールで1分間曝露し、その後60℃の水で3分間振とうしながらリンスを行った。その後、60℃で10分間乾燥させ、パターン付き基板を得た。パターン付き基板の表面を原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope、AFM)(ブルカー・エイエックスエス(株)製「Dimension Icon」)を用いて観察し、パターン(塗膜)がある部分およびパターンが無い部分の厚さを測定した。結果を図7〜11に示す。
実施例1で得られた感光性組成物(即ち、製造例3で得られた3元共重合体(リン酸緩衝生理食塩水中での下限臨界点温度:23.3℃)を含む感光性組成物)を、5cm角ガラス基板上にスピンコーターで塗布し、80℃で2分加熱し(プリベーク)、膜厚15nmの塗膜を得た。次いで、この塗膜の領域1および2(各領域の大きさ:約5mm×約3.75mm)の全面に対して、液晶プロジェクタマスクレス露光装置λpeak:450〜480nm)により、領域1に120秒、領域2に180秒、紫外線を照射した(露光)。次いで露光後の塗膜を80℃で16時間加熱し(露光後ベーク)、23℃の水で60秒間浸漬し揺動することにより、領域1および2以外の周辺の未露光部分を溶解除去し(現像)、60℃で10分乾燥させることによって、パターンを形成した。次いで、得られたパターンに、上記露光装置を用いて同じ条件で紫外線を照射した(再露光)。次いで、再露光後のパターンを、23℃のイソプロピルアルコールに60秒間浸漬した後に、60℃の水で60秒間浸漬することにより洗浄し、60℃で10分乾燥させることによって、実施例1で得られた感光性組成物から形成されたパターンIa(領域1に対応)およびパターンIb(領域2に対応)を有する細胞培養支持体1を得た。
実施例7で得られた細胞培養支持体2に、10重量%FBS(血清)入りDMEM培地に懸濁させたウシ血管内皮細胞を細胞播種密度が2.5×104個/cm2となるように播種し、37℃のインキュベーター内(CO2濃度:5体積%)中で一日培養し、培養細胞の接着状態を観察した。観察の結果、細胞が接着・伸展していることが確認された。
Claims (15)
- 式(1):
(式中、R11は、水素原子またはメチル基を示す。
R12およびR13は、それぞれ独立に、C1−4アルキル基を示す。
*は、結合位置を示す。)
で表される構成単位、
式(2):
(式中、R21は、水素原子またはメチル基を示す。
R22は、−CO−O−R23または−CO−NR24R25を示す。
R23は、反応性基を有するC1−10アルキル基、反応性基を有するC3−10シクロアルキル基、または反応性基を有する3〜10員複素環基を示す。
R24およびR25の一つは、水素原子、置換されていてもよいC1−10アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、または置換されていてもよい3〜10員複素環基を示し、残りの一つは反応性基を有するC1−10アルキル基、反応性基を有するC3−10シクロアルキル基、または反応性基を有する3〜10員複素環基を示す。
*は、結合位置を示す。)
で表される構成単位、および
式(3):
(式中、R31は、水素原子またはメチル基を示す。
R32は、−CO−O−R33または−CO−NR34R35を示す。
R33は、ヒドロキシ基を有していてもよいC 2−10 アルキル基または−R 36 −R 37 −R 38 (前記式中、R 36 は、C 1−4 アルキレン基であり、R 37 は、C 3−6 シクロアルカンジイル基であり、R 38 は、ヒドロキシ基を有していてもよいC 1−4 アルキル基である。)を示す。
R34およびR35 の一つはC 3−10 アルキル基を示し、残りの一つは水素原子またはC 1−10 アルキル基を示す。
*は、結合位置を示す。)
で表される構成単位(但し、式(1)で表される構成単位および式(2)で表される構成単位と同じであるものを除く)を含む共重合体、
光酸発生剤、並びに
溶媒
を含有する感光性組成物。 - 式(3)で表される構成単位が、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−(tert−ブチル)(メタ)アクリルアミド、およびN−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドからなる群から選ばれる単量体に由来する構成単位である請求項1に記載の感光性組成物。
- 共重合体の下限臨界点温度が15℃以上33℃未満である請求項1または2に記載の感光性組成物。
- 式(1):
(式中、R 11 は、水素原子またはメチル基を示す。
R 12 およびR 13 は、それぞれ独立に、C 1−4 アルキル基を示す。
*は、結合位置を示す。)
で表される構成単位、
式(2):
(式中、R 21 は、水素原子またはメチル基を示す。
R 22 は、−CO−O−R 23 または−CO−NR 24 R 25 を示す。
R 23 は、反応性基を有するC 1−10 アルキル基、反応性基を有するC 3−10 シクロアルキル基、または反応性基を有する3〜10員複素環基を示す。
R 24 およびR 25 の一つは、水素原子、置換されていてもよいC 1−10 アルキル基、置換されていてもよいC 3−10 シクロアルキル基、または置換されていてもよい3〜10員複素環基を示し、残りの一つは反応性基を有するC 1−10 アルキル基、反応性基を有するC 3−10 シクロアルキル基、または反応性基を有する3〜10員複素環基を示す。
*は、結合位置を示す。)
で表される構成単位、および
式(3):
(式中、R 31 は、水素原子またはメチル基を示す。
R32は、−CO−NR34R35 を示す。
R34およびR35は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基若しくはエチル基、またはヒドロキシ基を有するC1−3アルキル基を示す。
*は、結合位置を示す。)
で表される構成単位(但し、式(1)で表される構成単位および式(2)で表される構成単位と同じであるものを除く)を含む共重合体、
光酸発生剤、並びに
溶媒
を含有する感光性組成物。 - 式(3)で表される構成単位が、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチル−N−メチルアクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、およびN−(2−ヒドロキシ−1−メチルエチル)アクリルアミドからなる群から選ばれる単量体に由来する構成単位である請求項4に記載の感光性組成物。
- 共重合体の下限臨界点温度が33〜45℃である請求項4または5に記載の感光性組成物。
- R 22 が、−CO−O−R 23 であり、R 23 が、反応性基を有するC 1−4 アルキル基である請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性組成物。
- 反応性基が、ヒドロキシ基である請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性組成物。
- 共重合体の全構成単位中、式(1)で表される構成単位の量が10〜94モル%であり、式(2)で表される構成単位の量が5〜40モル%であり、式(3)で表される構成単位の量が1〜80モル%である請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性組成物。
- さらに、酸存在下で反応性基と反応する架橋剤を含有する請求項1〜9のいずれか一項に記載の感光性組成物。
- 細胞培養支持体を製造するために用いられる請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性組成物。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性組成物から形成されたパターン付き基板。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性組成物を用いて基板上に塗膜を形成し、該塗膜に光を照射し、露光後の塗膜を現像する工程を含む、パターン付き基板の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性組成物を用いて基板上に塗膜を形成し、該塗膜に光を照射し、露光後の塗膜を現像する工程を含む、パターン形成方法。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性組成物から得られる硬化物。
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