JP6730373B2 - 光多重反射容器 - Google Patents

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Description

本発明は、向かい合わせに配置された複数の凹面ミラーの間でレーザー光を多重反射させる光多重反射容器に関し、特に、光反応又は分光分析に用いる光多重反射容器に関する。
レーザー光を用いた光反応は、特定の分子種のエネルギー準位間の光学遷移を誘起するものである。また、光反応は、Lambert-Beerの法則により光を吸収した分子が反応のポテンシャル障壁を乗り越えて分子結合を切断・再結合することにより進行する。したがって、光反応速度は、レーザー光が光反応にどれだけ用いられたかを示す光利用率を増加させることによって大きくなり、また、光利用率を増加させることで、投入エネルギーに対する成果を示すエネルギー収率も向上する。光利用率を増加させる方法としては、光の反射等を利用した長光路化がある。そして、長光路化を効率よく実現する方法として、ミラーなどの反射面によりレーザー光を複数回折り返して多重反射させる光多重反射容器が知られている。
このような光多重反射容器においては、入射したレーザー光の光路に障害物が存在すると、レーザー光の進行を阻害することがあるため、光路にはレーザー光の進行を妨げるような障害物を設置することは好ましくない。そこで、従来は、光路には何も存在させずに長光路化を実現した光多重反射容器が用いられていた。
光多重反射容器の代表例として、凹状反射面を有する球面ミラーを互いの光軸が一致するように対向して配置し、この球面ミラー間にレーザー光を導入し、対抗する球面ミラー間で入射光を多重反射させる方式が広く知られており、これをヘリオットセルと呼ぶ(非特許文献1)。
一方、よりレーザー光の反射回数を増やす方法として、例えば特許文献1には、レーザー光を反射する凹状球面ミラーを保持する保持固定部材を冷却機構によって冷却することで、該凹状球面ミラーに対して応力を付与し、該応力により前記球面ミラーの反射面を変形させて焦点距離を変化させることにより、容器のサイズを大きくせずにレーザー光の反射回数を増加させて長光路を確保できる技術が開示されている。
特開2016−121905号公報
D. Herriott,H. Kogelnik and R.Kompfner,Applied Optics,Vol. 3,No. 4,1964,pp. 523-526
しかしながら、凹状球面ミラー(以下、「凹面ミラー」という)を変形させる光多重反射容器においては、該凹面ミラーを冷却するための冷却機構が必要になり、光多重反射容器が大型化してしまうことに加え、冷却させるためのコストを要すること、さらに、冷却部周辺に水分等の凝縮温度が高い成分が存在すると結露・着霜が発生する(特にミラー表面への結露・着霜はレーザー光の著しい減衰を引き起こし性能低下につながる)という問題があった。
そのため、小型かつ低コスト、さらにミラー周辺部に冷却機構の設置が不要となるレーザー光の反射回数を増やす技術が望まれていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、小型かつ低コストで、ミラー周辺部に冷却機構の設置が不要であり、レーザー光の反射回数を増やすことができる光多重反射容器を提供することを目的とする。
本発明に係る光多重反射容器は、試料ガスの供給を受ける容器と、該容器の内部に収容されて対向して配設された一対の凹面ミラーと、を有し、前記容器内にレーザー光を入射し、該レーザー光を前記凹面ミラー間で多重反射させる光多重反射容器であって、前記一対の凹面ミラー間で多重反射する前記レーザー光の光路上に少なくとも1個の凸レンズをその中心軸が前記凹面ミラーの中心軸に対して傾斜するように配設し、前記凸レンズの中心軸と前記凹面ミラーの中心軸との鋭角のなす角度が臨界角以下である。
本発明においては、小型かつ低コストで、ミラー周辺部に冷却機構の設置が不要であり、レーザー光の反射回数を増やすことができる。
本発明の実施の形態に係る光多重反射容器の構成を説明する図である。 通常型ヘリオットセルである従来の光多重反射容器を示す図である。 本発明の他の形態に係る光多重反射容器を示す図である。 本発明の実施例において、光多重反射容器にレーザー光を入射して多重反射させたときの凹面ミラーにおけるスポットパターンを示す図である(実施例1)。 本発明の実施例において、光多重反射容器にレーザー光を入射して多重反射させたときの凹面ミラーにおけるスポットパターンを示す図である(実施例2)。 本発明の実施例において、光多重反射容器にレーザー光を入射して多重反射させたときの凹面ミラーにおけるスポットパターンを示す図である(実施例3)。 本発明の実施例において、比較対象とした光多重反射容器にレーザー光を入射して多重反射させたときの凹面ミラーにおけるスポットパターンの一例を示す図である(比較例1)。 本発明の実施例において、比較対象とした光多重反射容器にレーザー光を入射して多重反射させたときの凹面ミラーにおけるスポットパターンを示す図である(比較例2)。 本発明の実施例において、比較対象とした光多重反射容器にレーザー光を入射して多重反射させたときの凹面ミラーにおけるスポットパターンを示す図である(比較例3)。
本発明の実施の形態に係る光多重反射容器について、図1及び図2に基づいて以下に説明する。
本実施の形態に係る光多重反射容器1は、図1に一例として示すように、容器3と、凹面ミラー5及び7と、凸レンズ9と、を備えたものである。このような光多重反射容器1は、例えば公知の参考文献(特開2008−73673号公報)に開示されているオゾンへのレーザー光照射による酸素同位体濃縮ガスの派生等の光反応に用いることができる。
以下、本実施の形態に係る光多重反射容器1の各構成について説明する。
なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示されている場合があるが、各構成要素の寸法や比率などが実際と同じであるとは限らない。
容器3は、試料ガスの供給を受けるものであり、その内部に一対の凹面ミラー5及び7と、凸レンズ9とが収容されている。光多重反射容器1を光反応又は分光分析に適用する場合にあっては、容器3は、レーザー光の照射対象物質である試料ガスがリークしない構造とする。
凹面ミラー5及び7は、凹状の反射面5a及び7aをそれぞれ有し、反射面5aと反射面7aとを向かい合わせるように対向して配置されている。本実施の形態では、図1に示すように、一対の凹面ミラー5及び7が、互いの反射面5a及び7aの中心軸(光軸)Cが一致するように対向して配置されている。ここで、図1に示すz軸は、凹面ミラー5及び7の中心軸C方向の軸であり、x軸は、中心軸Cに直交する方向の軸である(後述する図2及び図3においても同様)。
そして、凹面ミラー7には、凹面ミラー5及び7との間で多重反射させるレーザー光Lを導入させる入射穴11が設けられている。
なお、凹面ミラー5及び7は、ガラス製若しくは銅やアルミ等の金属製でよく、材質は問わない。
凸レンズ9は、凹面ミラー5と凹面ミラー7との間で多重反射するレーザー光Lの光路上に配設されたものであり、凸レンズ9に入射したレーザー光Lの光路を曲げるものである。
凸レンズ9は、その中心軸(光軸)Cが凹面ミラー5及び7の中心軸Cに対して傾斜するように配設される。ここで、傾斜するように配設とは、凸レンズ9の中心軸Cと凹面ミラー5及び7の中心軸Cとの鋭角のなす角度(以下、「傾斜角度」という場合あり。)が0°又は90°以外の角度となるように配設されている状態のことをいう。そのため、凸レンズ9は、傾斜角度が調整可能なレンズホルダー等によって保持されることが好ましい。
なす角度としては、凸レンズ9の臨界角以下であり、0°以上臨界角以下が好ましく、15°以上臨界角以下がより好ましい。
なお、臨界角は、次式で算出される。nは凸レンズ9の屈折率、nは試料ガスの屈折率で、θcが臨界角である。
このように、少なくとも1個の凸レンズ9が傾斜するように配設されることで、凹面ミラー5及び7におけるレーザー光LのスポットSのスポットパターンがリサージュ状となり、凹面ミラー5及び7の反射面5a及び7aの全面を使ったパターン形状が得やすくなる。これにより、本実施の形態に係る光多重反射容器1によれば、凹面ミラー5及び7の間でのレーザー光Lの反射回数を増し、光路長を増加させることが可能となり、凹面ミラー5及び7を冷却する冷却機構を必要とせずに低コスト化が実現できる。
また、図1に示す光多重反射容器1においては1個の凸レンズ9が配設されているが、本発明は、凸レンズを配設する個数を特に限定するものではない。
そして、凸レンズ9の大きさについては、図2に示すような凸レンズ9が配設されていない通常のヘリオットセル型の光多重反射容器13において凹面ミラー5及び7の間で多重反射するレーザー光Lのビーム束Bの径よりも大きいものとする。
さらに、凸レンズ9を配設する位置についても特に限定はないが、例えば、凹面ミラー5及び7の一方に近づけ過ぎて凸レンズ9を配設すると、ビーム束Bを構成するレーザー光Lが凹面ミラー5及び7の他方の外周から外れてしまい、多重反射が得られない場合がある。そのため、凸レンズ9は、凹面ミラー5と凹面ミラー7の間の中央付近に設置することが望ましい。また、図1において、凸レンズ9は、その中心が凹面ミラー5及び7の中心軸C上に位置しているが、例えば図1のx軸方向に凸レンズ9の中心をずらして配設してもよい。
なお、凸レンズ9の種類については、正の焦点距離が得られる両凸レンズ、平凸レンズのいずれであってもよい。もっとも、焦点距離の大きすぎる凸レンズ9を用いた場合、凸レンズ9を透過したレーザー光Lは、凹面ミラー5又は7の外周よりも外側を通過して多重反射が継続しなくなることもあるため、レーザー光Lの多重反射が継続できるように凸レンズ9の焦点距離を適宜選択すればよい。
なお、図1は、容器3と、凹面ミラー5及び7と、凸レンズ9から構成される光多重反射容器1を示したものであるが、本発明の他の形態として、図3に示す光多重反射容器21が例示できる。
光多重反射容器21は、容器3と、凹面ミラー5及び7と、凸レンズ9の他に、凹面ミラー5及び7を保持するミラーホルダー23と、凹面ミラー5及び7の首振りや傾き方向を調整するミラー調整機構25と、凸レンズ9の傾斜角度を調整可能に保持するレンズホルダー27と、レーザー光Lを容器3内に入射させるための入射窓29と、試料ガスの供給を受けて流通させるためのガス導入口31及びガス導出口33と、が設けられている。
さらに、光多重反射容器21においては、容器3の外部にレーザー光源35が設置され、レーザー光源35から出射したレーザー光Lは、入射窓29と入射穴11を通過して、凹面ミラー5及び7の間に入射する。そして、凹面ミラー5及び7の間で多重反射したレーザー光Lは、入射穴11と入射窓29を通過して容器3外に出射する。
図1に示す光多重反射容器1や図3に示す光多重反射容器21は、凹面ミラー7に一つの入射穴11が設けられたものであるが、入射穴11は、凹面ミラー5に設けてもよいし、複数設けてもよい。また、本発明に係る光多重反射容器におけるレーザー光の導入方式は、凹面ミラー5又は7に設けた入射穴11を通過させるものに限るものではない。例えば、対向配置した凹面ミラーの間にガイドミラーを別途設置し、該ガイドミラーにレーザー光を入射して凹面ミラー側に反射させることで、レーザー光を導入するものであってもよい(例えば、特許文献1中の図1参照)。
また、光多重反射容器1及び21は、レーザー光Lを容器3外に取り出す出射穴(図示なし)が入射穴11と共通するものであり、凹面ミラー5及び7間で多重反射したレーザー光Lが入射穴11を通過して容器3外へと出射するものであるが、容器3に出射穴を設けてもよい。そして、出射穴を凹面ミラー又は容器のどちらに設ける場合であっても、必要な光路長やスポットの位置及び数に応じて出射穴を設ける位置や個数を適宜変更することが可能である。
このように、本発明に係る光多重反射容器を分光分析に適用する場合には、多重反射したレーザー光を出射させる出射穴を設け、該出射穴を通過したレーザー光を容器の外へ取り出すようにすればよい。ただし、本発明に係る光多重反射容器を光反応に適用する場合には、多重反射した後のレーザー光を容器の外に取り出す必要がないため、容器に出射穴を設けなくてもよい。
本発明の光多重反射容器による作用効果について確認するための実験を行ったので、その結果について以下に説明する。
(実施例1)
実験は、図3に示す光多重反射容器21を用いて行った。
光多重反射容器21は、容器3の内部に、凹面ミラー5及び7と、凸レンズ9とが配設されている。
凹面ミラー5及び7には、凹面ミラー(Thorlabs製、CM750-500-E02、焦点距離f=500mm、外径φ75.0mm)を用い、凹面ミラー7の中心軸Cから上方約30mmの位置にφ4.0mmの入射穴11が設けられている。そして、凹面ミラー5と凹面ミラー7の中心軸Cを一致させ、かつ、凹面ミラー5と凹面ミラー7との間の距離(凹面ミラー間距離)が900mmとなるように、凹面ミラー5及び7をそれぞれミラーホルダー23により保持した。
凸レンズ9には、両凸レンズ(Thorlabs製、LA1779-B、焦点距離f=1000mm、外径φ50.8mm)を用いた。そして、凸レンズ9は、凹面ミラー5及び7の中心軸Cに対して傾斜可能にレンズホルダー27を用いて傾斜角度を調整可能に保持し、凹面ミラー5と7の間の中央付近となる450mmの位置に配設した。また、中心軸Cと中心軸Cとの鋭角のなす角度は15.0°とした。なお本実施例において、用いた凸レンズ9の屈折率は1.515である。試料ガス(空気)の屈折率は約1.00027(大気圧、25℃)であるため、このときレーザー光が凸レンズ9から出射するときに全反射が発生する臨界角θCは約41.3°となる。
(実施例2)
実施例1において、中心軸Cと中心軸Cとの鋭角のなす角度を18.0°とした以外は、実施例1と同様にして光多重反射容器を得た。
(実施例3)
実施例1において、中心軸Cと中心軸Cとの鋭角のなす角度を41.0°とした以外は、実施例1と同様にして光多重反射容器を得た。
(比較例1)
実施例1において、凸レンズ9を配置しなかった以外は、実施例1と同様にして光多重反射容器を得た。
(比較例2)
実施例1において、中心軸Cと中心軸Cとの鋭角のなす角度をとした以外は、実施例1と同様にして光多重反射容器を得た。このとき凹面ミラー表面にはレンズ表面でのレーザー反射光(迷光)が映り込んでいる。
(比較例3)
実施例1において、中心軸Cと中心軸Cとの鋭角のなす角度を50.0°とした以外は、実施例1と同様にした。
得られた光多重反射容器を用いて、容器3に設けた観察窓(図示なし)から凹面ミラー5及び7におけるスポットパターンを観察することにより評価した。ここで、スポットの個数は、適切な露光特性を有するカメラ等を用いて凹面ミラー5におけるスポットパターンを撮影することにより計測した。
図4〜図6に、実施例1〜実施例3において撮影したスポットパターンを、図7〜図9に、比較例1〜比較例3において撮影したスポットパターンを示す。また、これらの結果をまとめたものを表1に示す。
まず、実施例1〜実施例3の結果について説明する。
凸レンズ9の中心軸Cが凹面ミラー5及び7の中心軸Cに対して凸レンズ9を臨界角以下に傾斜させるとスポットの個数が増加した。そして、実施例1〜実施例3においては、図4〜図6に示すように、凹面ミラー5及び7での多重反射を維持しながらスポットパターンがリサージュ状に変化した。
特に、凸レンズ9をなす角度18.0°に傾斜させた実施例2においては、少なくとも46個以上のスポットが確認された。これは、凸レンズが配設されていない比較例1でのスポットパターン(図7)におけるスポットの個数の倍以上である。
図4〜図6に示すスポットパターンは、非点収差ヘリオットセル等で得られるリサージュ状のスポットパターンに類似するものであった。もっとも、実施例1〜実施例3の光多重反射容器21においてリサージュ状のスポットパターンが得られたのは、本来、直線的に凹面ミラー5及び7の間をレーザー光Lがとる光路が凸レンズ9により曲げられたためであると考えられる。
次に、比較例1〜比較例3の結果について説明する。
凸レンズ9が配置されていない比較例1の光多重反射容器においては、図7に示すように、スポットパターンは同心円状であり、スポットの個数は15個であった。
凸レンズ9をなす角度0°の状態で設置した比較例2のスポットパターンは、図8に示すように、凸レンズ9を透過したレーザー光Lは凹面ミラー5の表面で比較例1と同様に円形状のスポットパターンを示し、スポットの個数が11個であり、また、円形状スポット周辺では凸レンズ9の表面で反射したレーザー光が映り込んでいた。この反射光はパワーが低く、光路を判別することが難しいため有効に使用することはできない。
さらに、図6に示す状態から凸レンズ9をさらに傾斜させてなす角度(傾斜角度)を臨界角よりも大きくした比較例3においては、ビーム束Bの一部が凸レンズ9の表面で全反射を起こすため、図9に示す通り、スポットの個数が減少した。
以上の結果より、凸レンズ9によりレーザー光Lの光路を曲げることで、リサージュ状のスポットパターンを形成し、該スポットパターンにおけるスポットの個数を増加できることが示された。
次に、実施例2及び比較例1の光多重反射容器を用いて、スポットの個数の増加による光路長の増加と、該光路長の増加による光反応速度の増大効果について検討した。
上記のようにスポットの個数を増加させることは、凹面ミラー5及び7間の距離(凹面ミラー間距離)を変えずに光路長を増加させることと同義である。そして、凹面ミラー5及び7の間における光路長は、スポットの個数と凹面ミラー間距離との積により概算できる。
そこで本実施例では、光多重反射容器21を光反応に適用した場合の性能向上を以下のように推算した。ここでの検討にあたり、レーザー光LはCW光とし、容器3に入射する入射光量I0を一定とし、凹面ミラー5及び7と凸レンズ9とが設置された容器3内は真空と仮定した。
レーザー光を多重反射させたときの光反応速度への影響は、下式(1)により得られる光量積算値Itotalを用いて評価することができる。
I0は容器に最初に入射した入射光量、Rはミラー反射率、2、3、…、nは凹面ミラー5及び7での反射回数である。容器3内における光量積算値Itotalは反射毎の光量を積算した値で、この数値が大きいほどLambert-Beerの法則に従いレーザー光の照射対象となる試料ガスへの吸光量が比例し、光反応速度の増大が期待できる。
なお、式(1)におけるミラー反射率Rについては、通常型ヘリオットセルである比較例1の光多重反射容器の場合は、凹面ミラー5及び7の反射率をそのまま与えればよいが、本発明に係る実施例2の光多重反射容器21の場合は、凸レンズ9による光量ロス(=1−透過率)を加味する必要があるため、式(1)におけるミラー反射率Rは、R=(凹面ミラーの反射率)×(凸レンズの透過率)により与えるものとした。
本実施例で用いた凹面ミラー5及び7の反射率は、実測で99.5%であり、また、凸レンズ9の透過率は実測で99.2%であった。なお、凸レンズ9の表面の反射光は考慮せず、また、凸レンズ9の厚さも凹面ミラー間距離に比べて十分無視できる程小さいものとした。
実施例2に係る光多重反射容器21と比較例1に係る光多重反射容器13それぞれについて容器内光量積算値Itotalを算出した結果を表2に示す。反射回数nは、凹面ミラー5及び7のスポットの個数の和となる。ただし、入射穴11のある凹面ミラー7では最終的に入射穴11からレーザー光Lが容器3外部に出射されるため、凹面ミラー5よりスポットの個数が1小さくなる。
表2において、「比較例1」は凸レンズなしの光多重反射容器13、「実施例2」は凸レンズ9ありの光多重反射容器21である。表2より、比較例1の場合、容器内光量積算値は2792mWであるのに対し、実施例2の場合、容器内光量積算値は5392mWであり、凸レンズ9を配設することで容器内光量積算値が増加していることがわかる。そして、光反応速度が容器内光量積算値に比例すると仮定すると、実施例2に係る光多重反射容器21における光反応速度は、比較例1に係る光多重反射容器に比べて、5392mW/2792mW≒1.9倍の増加が見込まれる。
これにより、例えば、本発明に係る光多重反射容器21を前述の参考文献に開示されているオゾンへのレーザー光照射による酸素同位体濃縮ガスの発生に適用すると、従来の光多重反射容器を用いた場合に比べて酸素同位体濃縮ガスの発生速度が1.9倍になることが期待できる。
以上より、上記の本発明に係る光多重反射容器においては、レーザー光を多重反射させる一対の凹面ミラー間の光路上に凸レンズを配設することで、凹面ミラーにおいてリサージュ状の特徴的なスポットパターンが得られ、前記凹面ミラー間における反射回数を増加させることができることが示された。これにより、凹面ミラーにおけるレーザー光の反射回数が増加するため、同一サイズの通常型ヘリオットセルに対して光路長を2倍以上長くすることができ、かつ、レーザー光による光反応の反応速度を増加させることができることが実証された。
1 光多重反射容器
3 容器
5、7 凹面ミラー
5a、7a 反射面
9 凸レンズ
11 入射穴
13 光多重反射容器
21 光多重反射容器
23 ミラーホルダー
25 ミラー調整機構
27 レンズホルダー
29 入射窓
31 ガス導入口
33 ガス導出口
35 レーザー光源
B ビーム束
中心軸(凹面ミラー)
中心軸(凸レンズ)
L レーザー光
S スポット

Claims (2)

  1. 試料ガスの供給を受ける容器と、該容器の内部に収容されて対向して配設された一対の凹面ミラーと、を有し、前記容器内にレーザー光を入射し、該レーザー光を前記凹面ミラー間で多重反射させる光多重反射容器であって、
    前記一対の凹面ミラー間で多重反射する前記レーザー光の光路上に少なくとも1個の凸レンズをその中心軸が前記凹面ミラーの中心軸に対して傾斜するように配設し、
    前記凸レンズの中心軸と前記凹面ミラーの中心軸との鋭角のなす角度が臨界角以下であることを特徴とする光多重反射容器。
  2. 前記なす角度が、15°以上臨界角以下であることを特徴とする請求項1記載の光多重反射容器。
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