JP2002323442A - ガスセル - Google Patents

ガスセル

Info

Publication number
JP2002323442A
JP2002323442A JP2001127884A JP2001127884A JP2002323442A JP 2002323442 A JP2002323442 A JP 2002323442A JP 2001127884 A JP2001127884 A JP 2001127884A JP 2001127884 A JP2001127884 A JP 2001127884A JP 2002323442 A JP2002323442 A JP 2002323442A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
gas
pressure
optical system
analysis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001127884A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Nagoshi
利之 名越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jasco Corp
Original Assignee
Jasco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jasco Corp filed Critical Jasco Corp
Priority to JP2001127884A priority Critical patent/JP2002323442A/ja
Publication of JP2002323442A publication Critical patent/JP2002323442A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Measuring Cells (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、小型で取り扱いが容易なガ
スセルを提供することにある。 【解決手段】サンプリングガスが充填される容器を備
え、該容器内部のサンプリングガスの光学的分析に用い
られるガスセルにおいて、該容器12は加圧耐性をも
ち、該容器12内部にサンプリングガスが加圧されて充
填され、該加圧された状態のサンプリングガスが光学的
分析に用いられることを特徴とするガスセル10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスセル、特に希薄
な濃度のガスの光学的分析に用いるのに適したガスセル
に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、環境分析の一貫として、例えば田
園などの農地表面等の野外における希薄な濃度のガス分
析、シックハウスの原因となるトルエン、キシレン等の
微量ガス成分分析等の、希薄な濃度のガス分析の重要性
が増している。このために、一般的には赤外分光光度計
を用いるガス分析が行われる。一般的に赤外分光光度計
を用いるガス分析では、オープンパス光学系、あるいは
ガスセルを用いたガス分析が用いられる。
【0003】前記オープンパス光学系では、測定現場に
例えばコーナーキューブ反射鏡アレイ等の反射鏡がオー
プンに配置される。そして、該反射鏡に向けて分析光を
出射し、該反射鏡で反射してきた分析光を光学的分析す
る。一般にオープンパス光学系では、セルを用いること
なく、つまりセル内にサンプリングガスを充填すること
なく、前述のような反射鏡をそのまま測定現場に設置
し、そのオープンパス上のサンプリングガスの光学的分
析を行うので、光学的分析は常圧のサンプリングガスに
ついて行われることとなる。
【0004】前記ガスセルでは、ガスセル内にサンプリ
ングガスが充填され、該セル内のサンプリングガスが光
学的分析に用いられる。一般的なガスセルでは、ガスの
置換あるいは減圧下での光学的分析を行うため、光学的
分析は常圧ないし減圧のサンプリングガスについて行わ
れることとなる。このとき、オープンパス光学系、ある
いはガスセルの光路長は、ガス成分の濃度により選択さ
れ使用される。
【0005】すなわち、前述のような希薄な濃度のガス
の分析を行うときは、吸光感度の関係で、長光路が用い
られる。例えばオープンパス光学系では、約100mも
の先に、前述のようなコーナーキューブ反射鏡アレイが
配置されるものがある。また一般に使用される長光路ガ
スセルにあっても、長いものでは、約10m〜20m程
度あり、極稀に40mにも及ぶものもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のオープンパス光学系及びガスセルのように、希薄な
濃度のガスの光学的分析を適切な感度で行うために長光
路としていたのでは、装置が大掛かりとなり、高価とな
る。例えば、セル長を伸ばすことなく、吸光感度を向上
させるために光路中に反射鏡を設け、該反射鏡で分析光
を何度も反射させて光路長を稼ぐ方法も考えられる。し
かしながら、光路長の増大に伴い、分析光の反射鏡での
反射回数が増大する。反射鏡での反射回数が増大する
と、反射鏡での反射損失が大きくなる。
【0007】一方、光路長の増大に伴う反射鏡での反射
回数の増大を避けるために、セル長を伸ばすことも考え
られる。しかしながら、装置が大掛かりとなり、またセ
ル長の増大等による、重量の増大により取り扱いも困難
となる。また、光路長の増大に伴い、ガスセルに導入す
る分析光の入射立体角が小さくなる。入射立体角が小さ
くなると暗くなる。あるいは入射立体角が小さくなるの
を避けるためにガスセルの直径を増大させる方法も考え
られる。しかしながら、セル直径を増大させると、重量
の増大により取り扱いも困難となる。
【0008】そして、最近、赤外分光光度計は小型化が
進み、野外での希薄ガスの分析、シックハウスの原因と
なる微量ガス成分分析は、一般に実験室等ではなく、現
場に装置を直接搬送して行われることが多いので、ガス
セルの大きさ、取り扱いやすさは、改善の余地が残され
ていた。本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたも
のであり、その目的は小型で取り扱いが容易なガスセル
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明にかかるガスセルは、サンプリングガスが充填
される容器を備え、該容器内部のサンプリングガスの光
学的分析に用いられるガスセルにおいて、前記容器は所
定の加圧耐性をもち、該容器内部にサンプリングガスが
加圧されて充填され、該加圧された状態のサンプリング
ガスが光学的分析に用いられることを特徴とする。
【0010】ここにいう加圧とは、1気圧(kgf/c
)以上をいう。なお、本発明において、ガス入口
と、ガス供給手段と、を備えることが好適である。ここ
で、前記ガス入口は、前記容器内部にサンプリングガス
を充填する。また、前記ガス供給手段は、前記ガス入口
に接続され、前記サンプリングガスを加圧して該ガス入
口より容器内部に充填する。また、本発明において、圧
力検知手段と、圧力調節バルブと、圧力制御手段と、を
備えることも好適である。
【0011】ここで、前記圧力検知手段は、前記容器内
部のガス圧力を検知する。また前記圧力調節バルブは、
前記容器内部のガス圧力を調節する。前記圧力制御手段
は、前記圧力検知手段により検知された容器内部のガス
圧力が所定値となるように、前記圧力調節バルブによる
圧力の調節を制御する。また、本発明において、光学系
と、構造体と、を備えることも好適である。ここで、前
記光学系は、前記容器内部に入射した分析光を該容器外
部の所定光路上に至らせる。
【0012】また、前記構造体は、前記光学系を保持
し、前記容器内部に該容器の歪とは独立して設置され
る。ここにいう容器内部に該容器の歪とは独立して設置
とは、容器に歪が生じても、構造体には歪が実質的に生
ぜず、該構造体に保持されている光学系の配置にずれが
生じないことをいう。
【0013】また、本発明において、前記光学系は、前
記容器内部に鏡面が対向配置され、前記容器内部に入射
した分析光を該容器内部で反射させて容器外部の所定光
路上に至らせる多重反射鏡であることも好適である。さ
らに、本発明において、前記構造体は、光学系保持体
と、支持体と、を備え、前記光学系保持体は、前記容器
に対して前記支持体を介して摺動自在に支持されること
が好適である。
【0014】ここで、前記光学系保持体は、前記光学系
を保持する。また、前記支持体は、前記光学系保持体と
前記容器との間に設けられ、前記容器ないし構造体に固
定された固定側設置部、及び該構造体ないし容器に当接
し摺動自在に設置された摺動側設置部が設けられる。こ
こにいう摺動自在とは、移動は勿論、容器に対して光学
系保持体が支持体の摺動側設置部に当接した状態でその
当接点ないし線等を中心に回動すること、揺動すること
を含めていう。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の好
適な一実施形態について説明する。図1には本発明の一
実施形態にかかるガスセルの概略構成が示されている。
同図に示すガスセル10は、サンプリングガスが充填さ
れる容器12を備え、該容器12内部のサンプリングガ
スが光学的分析に用いられる。すなわち、前記容器12
は、光入射窓14と、光出射窓16と、光学系18を備
える。
【0016】前記光学系18は、例えば、容器12内部
の下方に一の球面反射鏡20を、上方に二の球面反射鏡
22,24を対向配置した多重反射鏡等よりなる。そし
て、所定の入射側光路26上からの分析光28は、反射
鏡30で反射され、光入射窓14より容器12内部に入
射される。容器12内部に入射した分析光は、光学系1
8で何回も往復され、光出射窓16より出射する。光出
射窓16より出射した分析光は、反射鏡32で反射さ
れ、所定の出射側光路34上に至る。ここで、通常、希
薄な濃度のガス光学的分析を行なうには、吸光感度の関
係で、長光路を持つガスセルが用いられるが、小型化、
取り扱いやすさの点では、改善の余地が残されていた。
【0017】そこで、本発明において第一に特徴的なこ
とは、希薄な濃度のガスの光学的分析に用いられるガス
セルの小型化を図るため、容器内部にサンプリングガス
を加圧して充填し、加圧された状態のサンプリングガス
を光学的分析に用いたことである。このために本実施形
態においては、容器12が所定の加圧耐性をもち、また
ガス入口36と、背圧調節口38と、ガス出口40を備
える。ここで、前記ガス入口36には、入口管42と、
入口バルブ44と、コンプレッサ(ガス供給手段)46
が接続されている。
【0018】また、前記背圧調節口38には、背圧調節
管48と、例えば電磁バルブ等よりなる背圧コントロー
ルバルブ50が接続されている。前記ガス出口40に
は、出口管52と、出口バルブ54が接続されている。
そして、サンプリングガスは、コンプレッサ46で圧縮
され、その圧力を高められて、入口バルブ44を介して
入口管42より容器12内部に充填される。容器12内
部のガス圧力が所定値、例えば10気圧に達すると、入
口バルブ44を閉じ、その充填を止める。
【0019】このように本実施形態では、サンプリング
ガスがコンプレッサ46により加圧されて容器12内部
に充填され、加圧された状態のサンプリングガスが光学
的分析に用いられる。加圧された状態のサンプリングガ
スを光学的分析に用いると、その圧力値に比例して吸光
感度も向上する。このように容器12の光路長はそのま
まで、吸光感度を向上させることができるので、常圧使
用のガスセルと同等の感度を得るのに、ガスセルの小型
化を図ることができる。
【0020】本実施形態では、例えば、容器12内部の
ガス圧力を10気圧まで加圧したとすると、常圧使用の
100mセルと同等の感度を、10mという小型化され
たガスセルで得ることができる。また、本実施形態で
は、吸光感度を向上させるために容器内部の光学系での
分析光の反射回数を増大させるのを回避することができ
る。反射回数が増大するのを回避できると、分析光の光
学系での反射損失の増大を回避することができる。そし
て、このような反射損失の増大を回避することができる
と、希薄な濃度のガスを効率的に光学的分析することが
できる。
【0021】また、本実施形態では、サンプルガスは、
ガス入口36に接続されたコンプレッサ46により加圧
されて容器12内部に導入され、容器12内部に密封さ
れたサンプリングガスを光学的分析するので、オープン
パス光学系を用いたものに比較し、サンプリングガスを
汚染することなく、光学的分析することができる。ここ
で、本実施形態では、背圧コントロールバルブ50を備
えている。この背圧コントロールバルブ50は、容器1
2内部のガス圧力が所定の圧力以下であると、閉じてい
る。一方、容器12にサンプリングガスを充填している
際に、容器12内部のガス圧力が所定の値を超えると、
背圧コントロールバルブ50が自動的に開き、容器12
内部のガスを背圧調整口38よりを背圧コントロールバ
ルブ50を介して外部に排出させることにより、容器1
2内部のガス圧力を所定値まで下げる。
【0022】一方、背圧コントロールバルブ50は、容
器12内部のガス圧力が、所定値まで下がると自動的に
閉じ、容器12内部のガス圧力が所定値に保たれる。こ
のため、サンプリングガスを容器12に加圧して充填す
る際、容器12内部のガス圧力が容器12の加圧耐性の
許容値を越えるのを確実に防ぐことができるので、容器
12の破損を確実に防ぐことができる。
【0023】一方、容器12内部のサンプリングガスの
分析後等は、この容器12内部のサンプリングガスは、
出口管40より出口バルブ54を介して容器12の外部
に排出される。ここで、容器12内部のガス圧力の制御
を、よりきめ細やかに、より容易に行うために、本発明
において第二に特徴的なことは、自動定圧制御機構を設
けたことである。このために本実施形態においては、図
2に示されるように圧力計(圧力検知手段)56と、入
口バルブ(圧力調節バルブ)44と、出口バルブ(圧力
調節バルブ)46と、コントローラ(圧力制御手段)5
8を備える。
【0024】ここで、前記圧力計56は、容器12内部
のガス圧力を検知し、コントローラ58に出力する。ま
た、前記入口バルブ44、出口バルブ46は、例えば電
磁バルブ等よりなり、コントローラ58により開閉が制
御される。前記コントローラ58は、例えばコンピュー
タ等よりなり、圧力計56により検知された容器12内
部のガス圧力が所定値となるように、前記入口バルブ4
4、出口バルブ46の開閉を制御する。例えばコントロ
ーラ58は、以下のような定圧制御を行う。
【0025】すなわち、容器12内部にサンプリングガ
スを初期導入する時は、容器12内部のガス圧力が所定
値よりもかなり低い。このため、コントローラ58は、
出口バルブ54を閉じ、入口バルブ44を開き、コンプ
レッサ46により圧縮されたサンプリングガスを容器1
2内部に導入する。ここで、容器12内部のガス圧力
は、圧力計56を介してコントローラ58で常に監視さ
れており、コントローラ58は、容器12内部のガス圧
力が所定値になるまで入口バルブ44を開き続ける。
【0026】そして、圧力計56の指示値が所定値まで
上がると、コントローラ58は、入口バルブ44を閉
じ、また容器12内部のガス圧力が所定値を超えると、
入口バルブ44を閉じ、出口バルブ54を開く。また、
容器12内部のガス圧力が所定値付近に達すると、コン
トローラ58は、所定値の付近の圧力調節を、入口バル
ブ44及び出口バルブ54の開閉を微妙に調節しなが
ら、容器12内部のガス圧力を所定値に調節する。
【0027】そして、前述のようにして一度、容器12
内部にサンプリングガスを所定圧力で充填した後であっ
ても、経時により光学的分析が完了する前に、多少の変
動が生じるかもしれない。しかしながら、本実施形態に
かかるガスセルは、一般的なガスに比較し希薄な濃度の
ガスの光学的分析に用いられるので、極僅かな圧力変化
であっても、光学的分析に重大な悪影響を及ぼすことが
考えられる。
【0028】そこで、本実施形態では、ガス導入後も、
コントローラ58が圧力計56を介して容器12内部の
ガス圧力を常に監視しており、該ガス圧力が所定値より
ずれると、コントローラ58が、入口バルブ44、出口
バルブ54の開閉を制御し、容器12内部のガス圧力を
所定値に戻す。すなわち、容器12内部のガス圧力が所
定値より下がると、コントローラ58は、出口バルブ5
4を閉じ、入口バルブ44を開き、容器12内部のガス
圧力を上げる。そして、圧力計56の指示値が所定値ま
で上がると、入口バルブ44を閉じる。
【0029】一方、容器12内部のガス圧力が所定値よ
り上がると、コントローラ58は、入口バルブ44を閉
じ、出口バルブ54を開き、容器12内部のガス圧力を
下げる。そして、圧力計56の指示値が所定値まで下が
ると、出口バルブ54を閉じ、容器12内部のガス圧力
を所定値に戻す。このように本実施形態では、コントロ
ーラ58が、圧力計56により検知された容器12内部
のガス圧力が所定値となるように、入口バルブ44、出
口バルブ54よる圧力の調節を制御することにより、目
視で容器内部のガス圧力を監視し、人手で圧力調節バル
ブの開閉を行うものに比較し、容器12内部のガス圧力
の制御が容易に及び正確に行える。
【0030】また、本実施形態では、前述のような容器
12内部のガス圧力により、容器12に歪が生じること
がある。ここで、通常、光学系は、容器に直接保持され
ているので、容器の歪により、光学系の配置のアライメ
ントにずれが生じることがある。ここで、本実施形態に
おいて、容器12自体も、加圧耐性を有するので、ある
許容範囲であれば、容器12の歪も小さく、光学系の配
置のずれも小さい。
【0031】しかしながら、本実施形態にかかるガスセ
ルは、一般的なガスに比較し希薄な濃度のガスの光学的
分析に用いられるので、極僅かな光学系の配置のずれで
あっても、光学的分析に重大な悪影響を及ぼすことが考
えられる。そこで、本実施形態においては、容器の歪に
よる光学系の配置のずれを低減するために、光学系18
をまず図3の透視図に示すような略コ字形の光学系保持
体(構造体)60に保持している。
【0032】すなわち、光学系18の構成部材である反
射鏡20,22,24は、光学系保持体60にそれぞれ
支柱62,64,66を介して保持されている。そし
て、光学系保持体60を図4に示すような支持体68,
70,72により容器12の歪とは独立して設置してい
る。なお、同図(A)は構造体を正面より見た透視図、
同図(B)は同様の構造体を側方より見た透視図であ
る。
【0033】この光学系保持体60は、容器12上に
て、例えば板付蒲鉾のように中高で、断面が半月形をな
す略蒲鉾形等の支持体68,70,72を介して支持さ
れている。すなわち、支持体68,70,72は、その
底部(固定側設置部)68a,70a,72aが容器1
2の上面に固定され、その湾曲部(摺動側設置部)68
b,70b,72bが光学系保持体60の下面に当接
し、揺動自在に固定されている。
【0034】この結果、同図(A)に示すような容器1
2に歪が生じていない状態では、光学系保持体60の下
面は支持体68,70,72の湾曲部68b,70b,
72bの略頂上部分と当接している。一方、同図(B)
に示すような歪が容器12に生じると、容器12と共
に、支持体68(70)が図中、反時計回りに傾き、支
持体72が図中、時計回りに傾く。すると、光学系保持
体60の下面は、支持体68,70,72の湾曲部68
b,70b,72bの略頂上部分より図中、外方部分と
当接することとなる。つまり、容器12に歪が生じたと
しても、光学系保持体60は、支持体68,70,72
の湾曲部68b,70b,72bとの当接位置が変るだ
けで、容器12の歪の影響を受けない。光学系保持体6
0が容器12の歪の影響を受けないと、光学系保持体6
0に保持されている光学系18の配置のアライメントも
ずれない。
【0035】以上のように本実施形態にかかるガスセル
によれば、サンプリングガスが充填される容器が加圧耐
性をもち、該容器内部にサンプリングガスが加圧されて
充填され、加圧された状態のサンプリングガスが光学的
分析に用いられることとした。この結果、本実施形態で
は、従来の常圧使用のセルと同等の吸光感度を得るの
に、小型化が図られると共に、取り扱いが容易となる。
これにより、野外における希薄ガスの分析、シックハウ
スの原因となる微量ガス成分分析を行う現場への装置の
搬送が容易となると共に、また現場での取り扱いが容易
となる。
【0036】また、本実施形態では、サンプルガスは、
コンプレッサにより加圧されて容器内部に導入され、該
容器内部のサンプリングガスが光学的分析に用いられる
ので、例えばオープンパス光学系を用いたものに比較
し、サンプリングガスを汚染することなく、光学的分析
が行える。また、本実施形態では、圧力調節バルブ及び
コントローラにより容器内部のガス圧力を、所定圧力に
自動的に保つことにより、容器内部のガス圧力の制御が
容易に及び正確に行える。
【0037】また、本実施形態では、光学系保持体に光
学系を保持し、該構造体を容器内部に、容器の歪とは独
立して設置することにより、容器の歪による、光学系の
配置のずれを大幅に低減することができる。容器の歪に
よる、光学系の配置のずれを大幅に低減できると、希薄
な濃度のガスの光学的分析をより適正に行える。なお、
本発明は、前記各構成に限定されるものではなく、発明
の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0038】例えば、前記各構成では、分析時のサンプ
リングガスの容器へのフローを、圧力制御時以外は実質
的に止めた例について説明したが、分析中、常にサンプ
リングガスを流し続けられるフローセルとして用いるこ
ともできる。また、前記構成では、容器に構造体を三の
支持体で支持した例について説明したが、本発明は、こ
れに限定されるものではなく、構造体に歪を生じること
なく容器に設置することができるのであれば、他の数の
支持体で支持することができる。
【0039】また、前記構成では、支持体として略蒲鉾
形のものを用いた例について説明したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、その他、円錐形、三角錘形
等の任意の形状のものを用いることができる。そして、
支持体は構造体を面支持することもできるが、構造体の
歪をより低減するためには、支持体の形状に前述のよう
な略蒲鉾形、円錐形、三角錘形等を採用し、構造体を点
ないし線で支持することが、特に好ましい。
【0040】また、前記構成では、各支持体の底部を容
器に固定し、一方、湾曲部を光学系保持体に当接させ摺
動自在に設置した例について説明したが、本発明は、こ
れに限定されるものではなく、各支持体の底部を構造体
の下面に固定し、湾曲部を容器に滑動自在に設置するこ
ともできる。なお、容器の歪の構造体への影響をより効
果的に低減するためには、支持体を、光学系保持体に対
して摺動自在に設けることが、特に好ましい。
【0041】また、前記構成では、光学系保持体として
略コ字形のものを用いた例について説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、任意の形状のもの、
例えば箱形等も採用することができる。さらに、前記構
成では、光学系保持体と容器との間にピン等の止め具
を、歪が生じることのない方向に設け、例えば図5中で
は、図中上下方向に止め具等を設け、光学系保持体が容
器の許容範囲内よりずれてしまうのを防止することも好
適である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかるガス
セルによれば、サンプリングガスが充填される容器が加
圧耐性をもち、該容器内部にサンプリングガスが加圧さ
れて充填され、加圧された状態のサンプリングガスが光
学的分析に用いられることとしたので、小型化が図られ
ると共に、取り扱いが容易となる。なお、本発明におい
ては、前記サンプリングガスの入口と、該入口に接続さ
れ、サンプリングガスを加圧して容器内部に充填するガ
ス供給手段を備えることにより、容器内部にサンプリン
グガスを所定圧力に加圧して充填することができると共
に、サンプリングガスを汚染することなく、光学的分析
することができる。また、本発明においては、前記容器
内部のガス圧力を検知する圧力検知手段と、容器内部の
ガス圧力を調節する圧力調節バルブと、圧力検知手段に
より検知された容器内部のガス圧力が所定値となるよう
に圧力調節バルブによる圧力調節を制御する制御手段を
備えることにより、容器内部のガス圧力の制御が容易に
及び適正に行える。また、本発明においては、前記容器
内部に入射した分析光を容器外部の所定光路上に至らせ
る光学系を保持し、容器内部に容器の歪とは独立して設
置された構造体を備えることにより、光学系の配置のず
れを大幅に低減することができる。また、本発明におい
て、前記光学系は、容器内部に入射した分析光を容器内
部で反射させて容器外部の所定光路上に至らせる多重反
射鏡であることにより、セル長を伸ばすことなく、分析
感度の向上が図られる。また、本発明において、前記構
造体は、容器ないし構造体に固定された固定側設置部、
及び構造体ないし容器に当接し摺動自在に設置された摺
動側設置部が設けられた支持体を備え、構造体は容器に
対して支持体を介して摺動自在に支持されることによ
り、光学系の配置のずれを、より大幅に低減することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるガスセルの概略構
成の説明図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるガスセルに用いら
れる定圧制御機構の説明図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかるガスセルに用いら
れる構造体の透視図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかるガスセルに用いら
れる支持体の説明図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるガスセルに用いら
れる構造体の作用の説明図である。
【符号の説明】
10 ガスセル 12 容器 18 光学系 36 ガス入口 44 入口バルブ(圧力調節バルブ) 46 コンプレッサ(ガス供給手段) 54 出口バルブ(圧力調節バルブ) 56 圧力計(圧力検出手段) 58 コントローラ(圧力制御手段) 60 光学系保持体(構造体) 68,70,72 支持体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプリングガスが充填される容器を備
    え、該容器内部のサンプリングガスの光学的分析に用い
    られるガスセルにおいて、 前記容器は所定の加圧耐性をもち、該容器内部にサンプ
    リングガスが加圧されて充填され、該加圧された状態の
    サンプリングガスが光学的分析に用いられることを特徴
    とするガスセル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のガスセルにおいて、 前記容器内部にサンプリングガスを充填するためのガス
    入口と、 前記ガス入口に接続され、前記サンプリングガスを加圧
    して該ガス入口より容器内部に充填するガス供給手段
    と、 を備えたことを特徴とするガスセル。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のガスセルにおい
    て、 前記容器内部のガス圧力を検知する圧力検知手段と、 前記容器内部のガス圧力を調節する圧力調節バルブと、 前記圧力検知手段により検知された容器内部のガス圧力
    が所定値となるように、前記圧力調節バルブによる圧力
    の調節を制御する圧力制御手段と、 を備えたことを特徴とするガスセル。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のガスセ
    ルにおいて、 前記容器内部に入射した分析光を、該容器外部の所定光
    路上に至らせる光学系と、 前記光学系を保持し、前記容器内部に該容器の歪とは独
    立して設置された構造体と、 を備えたことを特徴とするガスセル。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のガスセルにおいて、 前記光学系は、前記容器内部に鏡面が対向配置され、前
    記容器内部に入射した分析光を該容器内部で反射させて
    容器外部の所定光路上に至らせる多重反射鏡であること
    を特徴とするガスセル。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載のガスセルにおい
    て、 前記構造体は、前記光学系を保持する光学系保持体と、 前記光学系保持体と前記容器との間に設けられ、前記容
    器ないし構造体に固定された固定側設置部、及び該構造
    体ないし容器に当接し摺動自在に設置された摺動側設置
    部が設けられた支持体と、 を備え、前記光学系保持体は、前記容器に対して前記支
    持体を介して摺動自在に支持されたことを特徴とするガ
    スセル。
JP2001127884A 2001-04-25 2001-04-25 ガスセル Pending JP2002323442A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001127884A JP2002323442A (ja) 2001-04-25 2001-04-25 ガスセル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001127884A JP2002323442A (ja) 2001-04-25 2001-04-25 ガスセル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002323442A true JP2002323442A (ja) 2002-11-08

Family

ID=18976677

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001127884A Pending JP2002323442A (ja) 2001-04-25 2001-04-25 ガスセル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002323442A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009545744A (ja) * 2006-07-31 2009-12-24 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 電子装置製造システムにおけるガスの現場分析のための方法及び装置
KR101663003B1 (ko) * 2016-01-07 2016-10-06 주식회사본길 곡면 거울이 구비된 가스셀 및 이를 이용한 푸리에 변환 적외선 분광기
CN107024442A (zh) * 2015-12-15 2017-08-08 株式会社堀场制作所 多重反射型单元、分析装置、排气分析装置和光的射入方法
JP2019215211A (ja) * 2018-06-12 2019-12-19 大陽日酸株式会社 光多重反射容器
WO2023095326A1 (ja) * 2021-11-29 2023-06-01 富士電機株式会社 ガス分析計および多重反射セル
JP7467665B2 (ja) 2020-03-18 2024-04-15 サーモ フィッシャー サイエンティフィック (エキュブラン) エスアーエールエル マルチパスセル

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009545744A (ja) * 2006-07-31 2009-12-24 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 電子装置製造システムにおけるガスの現場分析のための方法及び装置
US8813538B2 (en) 2006-07-31 2014-08-26 Applied Materials, Inc. Methods and apparatus for insitu analysis of gases in electronic device fabrication systems
CN107024442A (zh) * 2015-12-15 2017-08-08 株式会社堀场制作所 多重反射型单元、分析装置、排气分析装置和光的射入方法
JP2017187468A (ja) * 2015-12-15 2017-10-12 株式会社堀場製作所 多重反射型セル、分析装置、排ガス分析装置、及び、光の入射方法
KR101663003B1 (ko) * 2016-01-07 2016-10-06 주식회사본길 곡면 거울이 구비된 가스셀 및 이를 이용한 푸리에 변환 적외선 분광기
JP2019215211A (ja) * 2018-06-12 2019-12-19 大陽日酸株式会社 光多重反射容器
WO2019239827A1 (ja) * 2018-06-12 2019-12-19 大陽日酸株式会社 光多重反射容器
CN112639445A (zh) * 2018-06-12 2021-04-09 大阳日酸株式会社 光多重反射容器
US11119032B2 (en) 2018-06-12 2021-09-14 Taiyo Nippon Sanso Corporation Optical multipass cell
JP7467665B2 (ja) 2020-03-18 2024-04-15 サーモ フィッシャー サイエンティフィック (エキュブラン) エスアーエールエル マルチパスセル
WO2023095326A1 (ja) * 2021-11-29 2023-06-01 富士電機株式会社 ガス分析計および多重反射セル
JP7485237B2 (ja) 2021-11-29 2024-05-16 富士電機株式会社 ガス分析計および多重反射セル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20170074779A1 (en) Gas Cell Assembly and Applications in Absorption Spectroscopy
US5517315A (en) Reflectometer employing an integrating sphere and lens-mirror concentrator
US6982794B1 (en) Directional reflectometer
FR2698382A1 (fr) Cellule pour croissance cristalline.
JP2002323442A (ja) ガスセル
US7100462B2 (en) Self adjusting sensor mounting device
JP2007501393A (ja) 光学共鳴分析ユニット
US7047801B2 (en) Portable guidance assembly test station
US7265844B2 (en) Horizontal surface plasmon resonance instrument with improved light path
EP1145757A9 (fr) Installation de transfert d'un gaz dans un liquide
US4808825A (en) Fluid analyzer
US5210418A (en) Ultra-small sample analyzer for internal reflection spectroscopy
CN106814010A (zh) 一种基于超高真空条件下固体表面接触角测量装置及测量方法
JPH075290A (ja) 燃料棒のシール溶接孔をレーザーによって穿孔および若しくは閉孔するための装置
CA2102616A1 (en) Electropneumatic Apparatus for Sampling Rapidly Predetermined Volumes of a Mixture, to Be Connected to a Computer
US6749810B2 (en) Method and apparatus for presenting grain for NIR spectography examination
CN205262955U (zh) 衰减全反射红外测试装置
US5205311A (en) Compound lever controlled spill valve
CN210108948U (zh) 一种光学积分球和气体样品太赫兹光谱采集装置
FR2514163A1 (fr) Appareil regulateur-compteur de debits de gaz
CN210108947U (zh) 一种光学积分球和样品太赫兹反射光谱采集装置
CN220305157U (zh) 一种用于检测温室气体的吸收分析仪
CN109985679A (zh) 一种spr检测仪用多通道微流控芯片夹持系统
CN118032780A (zh) 用于真空环境下的激光损伤监测装置
CN220063385U (zh) 便携式安全阀校验控制箱