JP7467665B2 - マルチパスセル - Google Patents

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Description

本開示は、概して、マルチパスセルに、および吸収分光法、光学、ならびにレーザー加工におけるそのようなマルチパスセルの使用に関する。
マルチパスセルは、空洞内の光に所望の全光路長をトラバースさせる光空洞を提供するために使用される。反射点で光をリダイレクトするために、セルのミラーまたは他の反射面が使用され、画定された空間(例えば、反射面によって囲まれた体積)内に光を閉じ込めて、光空洞を出る前に、制御された経路に沿って光を移動させるために、そのような反射面の装置が、使用され得る。
マルチパスセルの一般的な用途は、吸収分光法であり、吸収分光法は、ガス状または液体媒体内の吸収種の濃度を決定するために使用される。吸収分光法は、特定の波長における原子および/または分子による光の吸収に依存する非破壊技術である。このプロセスでは、光子のエネルギーは、物質内の電子または原子および/または分子によって吸収される。光学技術を使用して、サンプルを通過した減衰光を分析する。(分析中のサンプルの特定の吸収特性に依存するであろう)吸収された光子のエネルギーに応じて、紫外、可視、または赤外吸収分光法が、使用される。分光光度計を使用して、サンプルの吸光度を定量的に測定することができる。透過スペクトルの特徴付けにより、物質の濃度の決定、特定の化学的または生化学的反応の動態測定、およびいくつかの化学的または生物学的種の識別が可能になる。
移動距離xの関数としての、波長λにおける透過強度I(λ,x)の光の吸収は、ランベルト・ベールの法則によって与えられる。
I(λ,x)=I0(λ)exp(-α(λ)x)
式(1)
気体または溶液中の液体種による吸収は、吸収係数α(λ)(これ自体は、吸収媒体の濃度に依存する)と、光によって吸収媒体を通って移動される距離x(以下、光路長と呼ばれる)とに依存する。吸収係数α(λ)は、化学種の固有の特性であり、考慮中の原子または分子の電子、振動、または回転線の吸収に依存する。ほとんどの化学種は、電磁スペクトルにわたる1つのセットの吸収遷移帯を有する。
これらの遷移を駆動するために必要な光源は、多くの場合、市販されていないか、または非常に高価である。安価な光源の大部分は、そのようなスペクトルの狭い可視~近赤外部分でしか利用できず、いくつかの化学種は、弱い吸収大気遷移帯(weak absorption atmospheric transition bands)しか有さない。例えば、水などの気体種、または酸素などの二原子分子は、スペクトルの可視および近赤外(vis-nir)部分に弱い吸収遷移を有する。したがって、これらの吸収遷移は、光の変化にあまり敏感でなく、それにより、低濃度の検出が非常に困難になる。
所与のα(λ)に対して、吸収の感度は、光路長を変化させることにより、この変化が、放射光と分析中の種との相互作用時間を変化させるため、変更され得る。したがって、より長い光路長は、より良好な感度およびより低い検出限界をもたらす。しかしながら、光源と検出システムとの間の直線上の光路長を増加させること(いわゆるシングルパスシステム)は、数メートル程度の光路長が所望される場合、実用的な解決策ではない。
マルチパスセルは、全光路長を増加させ、したがって、吸収分光測定の感度を高めるために使用される吸収分光法のための既知のツールである。最初のマルチパスセルの設計は、1942年にホワイトによって提案および実証され、ホワイトセルと呼ばれる。図1に、ホワイトセルが示されている。さらなるタイプのマルチパスセルが、1965年に提案され、図2に示されているヘリオットセルである。これらのセルは両方とも、対向する凹反射面を備える。
従来技術のマルチパスセルには、いくつかの欠点がある。ホワイトセル内の光学構成要素の安定性は、マイクロラジアンのオーダーであり、それにより、ホワイトセルは、振動および機械的なミスアライメントに敏感になる。ヘリオットセルは、ホワイトセルよりも安定しているが、非常に高い数値のビームアパーチャを受容せず、達成可能な光路長が、制限される。さらに、一部のヘリオットシステムの欠点は、使用される構成要素の高い価格、および光学的整列に関連付けられる難しさにある。さらに、ヘリオットセルタイプは、(トラバースする光の入力および出射のために)ミラー内にアパーチャを作成することに依存し、これは、追加の工業ステップが、光学セットアップの総コストにかなりの増加を加えることを意味する。したがって、本開示の目的は、従来技術のマルチパスセルに伴うこれらおよび他の問題に対処することである。
こうした背景の下で、第1の態様によれば、請求項1に記載のマルチパスセルが、提供される。また、本開示のマルチパスセルを使用する装置も、提供される。例えば、請求項30に記載の吸収分光計、請求項31に記載のレーザー用プリアンプ、および請求項32に記載のレーザーが、提供される。
本開示は、安定性が高く、製造が比較的安価なマルチパスセルに関する。マルチパスセルは、吸収分光法に使用され得るが、様々な他の分野でも使用され得る。セルは、光空洞を有し、最大50メートルまたは100メートル以上の光路長を提供し得る。本開示は、安価な市販の構成要素を使用して製造され得る光学構造であって、該光学構造を振動に耐え、産業実装における機械的整列を単純化するのに適したものにする顕著な機械的公差を示す、光学構造、を提供する。
本開示のマルチパスセルのいくつかは、それぞれマルチパスセルの2つの端部として機能する、2つのプリズムミラーと凹面(例えば球形)ミラーとの組み合わせに基づいている。プリズムは、第1の端部を画定し、凹面ミラーは、第2の反対側の端部を画定する。光は、セルの一方の端部(典型的には、プリズムの間)を通って入り、セルの第1の端部と第2の端部との間で繰り返し跳ね返ることができる。2つのプリズムの組み合わせの光学特性が、既存のマルチパスセルと比較して、向上した安定性をもたらす。例えば、プリズムは、垂直な表面を有するように配置されるため、凹面ミラーによってプリズムに向かって反射された光は、プリズムによって少なくとも部分的に再帰反射される。したがって、光がセルを繰り返しトラバースするときの光の拡散が、低減され得る。原則として、光の発散は、光学システムのわずかなミスアライメント、プリズムの表面の不完全性、および/またはセルに入る光の波形の不完全性に起因して起こり得るが、本明細書に記載のマルチパスセルでは、セルの部分的再帰反射性の端部は、これらの不完全性に対する感度が低いため、それらの影響が低減される。
低減された光の拡散に起因する向上した安定性の利点は、3つの相互に垂直な反射面(例えば、コーナー反射器)を使用して実現することもできる。セルの部分的(または完全)再帰反射性端部の使用は、セルの他端の凹面(例えば、集束)反射器との組み合わせで特に有利である。
本開示のマルチパスセルは、追加の利点を提供する。例えば、垂直反射面は、例えば、2つのミラーを使用して提供され得るが、2つのプリズム(および特に、断面が直角二等辺三角形である2つのプリム)の組み合わせは、特に有利である。2つの直角二等辺三角形のプリズムは、それらが一対の垂直面を画定するように、並べて(プリズムの軸が平行になる状態で、断面の斜辺によって画定される面に依存して)位置付けられ得る。さらに、プリズムの縁(プリズムの軸に平行な縁)の間に小さなスリットを伴ってプリズムを位置付けることにより、光がプリズムの間を通過することを可能にするアパーチャが、容易に提供され得る。三角プリズムは、上記の利点を提供するために(例えば、装着構造を使用して)正確に配置することが容易で、かつ光学装置内に装着するための大きな表面積を提供し、反射面の安定性を向上させる、広く入手可能な光学構成要素である。したがって、プリズムは、一対の垂直な反射面を製造するための効率的で信頼性の高い手段を提供する。
本開示の反射器装置によって提供される強化された安定性は、セルが、反射器の間の任意の所与の分離に対して、非常に長い光路長を(したがって、光がセル内にある長い持続時間も)提供することを可能にする。例えば、セルの両端の間の間隔が、調整され得、光がセルに入る角度が、調整され得る。セルの形状のこれらの特性を変更することにより、光によってセル内でトラバースされる総経路が、1m未満から数十メートル、またはさらには100m超まで調整され得る。これにより、吸収分光法のための比較的長い経路長が、提供され得、ダブルパルスレーザーシステムのパルス間に時間的遅延を提供するために、使用され得る。一般的に言えば、セルの端部の間のより大きい間隔は、より長い光路長をもたらし、増大した経路長は、光がセルに入る角度を大きくすることによって(すなわち、セルの長手方向軸からより大きな角度で光を入れることによって)も、達成され得る。
本開示のセルによって提供される光路長の制御の程度および安定性は、長い光路長が、サンプルからの有意な吸収ピークを達成するのに役立つ吸収分光法を含む、様々な文脈で有用である。セルを使用して、レーザーパルス間に比較的長い遅延を導入することができるため、セルは、ダブルパルスシステムの文脈でも有利である。そのようなダブルパルスシステムは、例えば、ダブルパルスレーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)で使用され得、十分に長い時間的遅延を伴うダブルレーザーパルスを提供するための複雑な電子機器または複数のレーザーの必要性を回避する。
次に、従来技術のマルチパスセルおよび本発明の実施形態が、ほんの一例として、添付の図面を参照して説明される。
従来技術のホワイトセルを概略的に示す。 従来技術のヘリオットセルを概略的に示す。 第1の実施形態によるマルチパスセルを概略的に示す。 第1の実施形態によるマルチパスセルを概略的に示す。 第1の実施形態によるマルチパスセルを概略的に示す。 第1の実施形態によるマルチパスセルを概略的に示す。 第1の実施形態のマルチパスセルの安定性分析を示す。 第1の実施形態のマルチパスセルの安定性分析を示す。 第1の実施形態のマルチパスセルの安定性分析を示す。 第1の実施形態のマルチパスセルの定在モードを示す。 水蒸気の透過率グラフを示す。 第2の実施形態のマルチパスセルを概略的に示す。 第1および第2の実施形態のマルチパスセルの代替の第1の反射器装置を概略的に示す。 第1および第2の実施形態のマルチパスセルの装着構造を概略的に示す。 第1および第2の実施形態のマルチパスセルの装着構造を概略的に示す。 本明細書に記載のマルチパスセルを利用する吸収分光計を概略的に示す。 本明細書に記載のマルチパスセルを利用するダブルパルスレーザーシステムを概略的に示す。 本明細書に記載のマルチパスセルを利用するダブルパルスレーザーシステムを概略的に示す。 本明細書に記載のマルチパスセルを利用するダブルパルスレーザーシステムを概略的に示す。 本明細書に記載のマルチパスセルを利用するダブルパルスレーザーシステムを概略的に示す。 光を機械的に分割する原理、および光を分割するための光学装置を示す。 光を機械的に分割する原理、および光を分割するための光学装置を示す。 本明細書に記載のマルチパスセルを利用するダブルパルスレーザー誘起ブレークダウン分光計を概略的に示す。 本明細書に記載のマルチパスセルを利用するレーザープリアンプを概略的に示す。
図1は、従来技術のホワイトセルを示す。ホワイトセルは、同じ曲率半径を有する3つの球面ミラーA、A’、およびBのセットを備える。ミラーAおよびA’は、互いに隣接して位置付けられ、各々が、ミラーBに対向している。図1に示されるように、ビームの入射および出射は、セルの外部で行われ、それにより、ホワイトセルと外部コヒーレントレーザービームを組み合わせることが可能になる。
図1は、光が、位置4に向かってホワイトセルを出る前に、ミラーA、A’とミラーBとの間をトラバースし得る一連の様々な経路を示す。光線経路上の矢印の方向は、入射光線および反射光線を示す。ホワイトセル内で光によってトラバースされる光路長は、描かれた経路のどれがトラバースされるかに依存する。明らかに、ミラーA、A’とミラーBとの間の距離は、セル内で光によってトラバースされる光路長に影響を及ぼすであろう。さらに、光がセル内で反射される回数が、光路長に影響を及ぼすであろう。
トラバーサル数は、AまたはA’のいずれかを回転調整することによって変更され得、それにより、光がセルを通過する特定の経路が、変更される。図1に示されるホワイトセル構成では、光は、光源において入射し、ミラーAからミラーBに向かって反射され、ミラーB上で、光は、位置1または3に入射する。位置1および3に入射する光は、ミラーA’に反射され、そこで光は、もう一度反射される。ミラーA’から反射された光は、図1に示されるように、2つの経路をたどり得る。光は、ミラーA’から位置4に向かって反射され、したがって、セルを出ることができる。代替的に、光は、ミラーA’からミラーBに向かって反射されて戻り、ミラー装置内の別の回路をトラバースすることができる。この場合、光は、ミラーB上の位置2に向かって、次にミラーAに向かって、次にミラーBに向かって、次にミラーA’に向かって反射される。光がミラーA’に戻ると、光は、位置4に向かってセルを出ることができるか、またはミラー装置を1回以上トラバースするプロセスを繰り返すことができる。
ホワイトセルは、1メートル未満~数百メートルの経路長で利用できる。しかしながら、前述のように、図1に示されるホワイトセル装置は、振動および機械的ミスアライメントに敏感である。3つのミラーのうちのいずれかの間のわずかなミスアライメントにより、光がセルから所望の方向に出ないか、またはセルからまったく出ないことになり得る。
図2には、2つのミラーM1およびM2を備えるヘリオットセルが、示されている。ミラーM1およびM2は、平行な球面ミラーであり、これらのミラーのうちの一方は、ラベル「入力」および「出力」によって示されるように、ビームがセルに入ること、およびセルを出ることを可能にする円形のアパーチャ(軸上または軸外にあり得る)を有する。入力光は、ミラーM2に向けてられて、ミラーM2に入射し、ミラーM2は、光をミラーM1に向けて反射して戻す。次に、ミラーM1が、光をM2に向けて反射し、M2が、光をM1に向けて反射して戻し、次にM2に向けて戻した後、最終的に、光が出力されるアパーチャに向けて反射されて戻される。ミラーM1とミラーM2との間の距離は、セル内で光によってトラバースされる光路長に影響を及ぼすであろう。ミラーの曲率およびミラー間の間隔は、光がトラバースするセル内の経路に影響する。
代替のヘリオットセルは、2つの非点収差ミラーであって、それらの間の相対角度を有する、非点収差ミラー、を使用し、反射が、ミラー面上で楕円に及ぶことを可能にし、ミラー面全体をより効果的に使用し、したがって光路長を増大させる。ミラーのうちの一方は、この場合もやはり、ビームがセルに入ること、およびセルから出ることを可能にする中央の円形アパーチャを有する。
前述のように、ヘリオットセルは、ホワイトセルよりも安定しているが、非常に高い数値のビームアパーチャを受容せず、光路長が、制限される。さらに、非点収差ミラーは、高価であり、整列させるのが難しい。追加的に、アパーチャを有するミラーは、標準の光学構成要素でないので、ミラー内に中心または軸外のアパーチャを作成すると、マルチパスセルの製造の複雑さおよびコストが増大する。したがって、そのような従来技術のマルチパスセルの改善が、求められている。
そのような既存のマルチパスセルとは対照的に、本開示は、一般的に言えば、マルチパルセルであって、第1の反射器装置と第2の反射器装置とを備え、第1の反射器装置は、第1の反射器装置に入射する光が、第2の反射器装置に向かって少なくとも部分的に再帰反射されるように構成されている、マルチパスセル、を提供する。有利には、少なくとも部分的に再帰反射性である反射器装置の使用は、部分的に再帰反射性の表面が、その上に入射する光の散乱を抑制し、したがって、光が、低減されたまたは最小の散乱で、その光源に反射されて戻るので、改善された機械的安定性の効果を提供する。この場合、光は、第1の反射器装置から第2の反射器装置に向かって反射され、それにより、本開示のマルチパスセルが、大幅なミスアライメントを許容できない従来技術のデバイスよりも多くの機械的ミスアライメントを許容することが可能になる。
本開示の第1の反射器装置は、その部分的再帰反射性ではなく、その構造に基づいた代替の用語で定義され得る。例えば、第1の反射器装置は、2つの垂直な(または部分的再帰反射性を提供するように実質的に垂直な)反射面、または3つの相互に垂直な(または再帰反射性を提供するように実質的に垂直な)反射面を有すると定義され得る。平面ミラーは、光が、ミラーに正確に垂直であり、ゼロの入射角を有する場合にのみ、平面ミラーに入射する光を反射して、光源に戻す。レーザー光は、低度のビーム(またはパルス)発散を示すが、完全にコリメートされたレーザービームはない。さらに、完全に平面のミラーはない。したがって、実際の光源の場合、典型的には、平面ミラーからのいくらかの散乱が発生する。したがって、本開示の文脈では、平面ミラーは、部分的再帰反射性であるとは見なされない。むしろ、本開示の文脈では、反射器装置は、反射器装置が、(単一の入射角で入射する光のみを再帰反射し得る完全に平面のミラーとは異なり)ある範囲(すなわち、複数)の入射角にわたる光に対して再帰反射作用を提供する場合、少なくとも部分的に再帰反射性である。
再帰反射性は、コーナー反射器を使用して得られ得、コーナー反射器は、コーナー反射器に入射する任意の光をその光源に再帰反射させる3つの垂直な平面反射器からなる。部分的再帰反射性もまた、2つの垂直な平面ミラーのみを使用して達成され得、この場合、ある範囲の方向から入射する光が、再帰反射されるであろう。しかしながら、第3の反射面がないことは、2つの平面の交線によって画定される方向の成分を有する光は、その光源に完全には再帰反射されないであろうことを意味する。むしろ、2つの平面の垂直ミラーは、2つの平面の交点によって画定される方向に垂直な光に対して再帰反射性である。
マルチパスセル300の第1の実施形態が、図3A、3B、3C、および3Dに示されており、4つの異なる構成におけるマルチパスセル300を概略的に示す。図3A~3Dのマルチパスセル300は、吸収分光分析用に構成されている。
マルチパスセル300は、分析されるガス状サンプルを収容する密閉容器302の形態のハウジングを備える。容器302は、示されるように、入口点303aおよび出口点303bを有し、これらは、それぞれサンプルの入口および出口として機能する。コヒーレント光(例えば、レーザーによって生成された光)であり得る光301は、光源の選択された波長に対して透明である光学窓304を通って容器302に入る。光301は、窓304の表面の法線に対して入射角Θに向けられている。角度Θはまた、光301の方向と、セルの長手方向軸300zとの間の角度である。長手方向軸300zは、図3Aに示されているが、単純化のために、図3B、3Cおよび3Dから省略されている。角度Θは、典型的には、2°~10°である(ただし、他の範囲の角度が使用され得る)。
マルチパスセル300は、第1および第2の反射器装置305および307を備える。反射器装置305および307は、マルチパスセル300に入る光が、(2つの反射器装置の表面以外のどの表面からも反射されることなく)2つの装置間で繰り返し反射されるように配置され、反射器装置305および307は、光空洞315を画定する。
第1の反射器装置305は、典型的には2~10mmの幅である小さなスリット306が、プリズム305Aとプリズム305Bとの間に画定されるように位置付けられている2つのプリズムミラー305A、305Bを備える。第1の反射器装置は、実質的に垂直である2つの表面(2つのプリズムの面)を備える。スリット306は、窓304と整列され、光のビームまたはパルスが、マルチパスセル300内に画定された光空洞315に入る、および光空洞315を出ることができるアパーチャとして機能する。
この実施形態の第2の反射器装置307は、プリズムミラー305Aおよび305Bから距離dに位置付けられている球形の円形ミラーである。この実施形態では、第2の反射器装置307は、アパーチャを有さず、したがって、光は、第2の反射器装置を通過することができない。第2の反射器装置307は、第1の反射器装置のプリズム305Aおよび305Bに対向している。
使用時には、光301は、光学窓304およびプリズム305Aとプリズム305Bとの間のスリット306を通ってセルに入る。次に、光は、球面ミラー307から反射し、球面ミラー307は、光を第1の反射器装置305に向かって反射および集束させて戻す。光は、プリズム305Aおよび305Bのうちの一方からプリズム305Aおよび305Bのうちの他方に反射し、プリズム305Aおよび305Bは、それらの面が垂直であるように位置付けられているので、光は、2つのプリズムの組み合わせによって再帰反射されて、球面ミラー307に向かって戻される。反射器装置305および307の対称性が、光をセル300内の特定の経路をたどらせ、この経路は、ミスアライメントに関して著しく安定している。光空洞315内での多数の反射の後、光の経路は、最終的にプリズムの間のスリット306に入射し、したがって、光308は、セル300から出てくる。光空洞315を断面(プリズム305Aおよび305Bの軸に垂直な平面内、または等価的に、法線ベクトルがプリズム305Aおよび305Bの平面反射面の交線である平面内)で見た場合、光308がセル300から出てくる角度Θは、光301がセル300に入る角度に等しい(が、反対方向)。
したがって、2つのプリズムミラー305Aおよび305Bと、球面ミラー307との組み合わせは、光308の出射方向に沿って空洞315を出る前に、多数の反射のために光をセル300内に捕捉し得る1つのセットの定在モードを画定する。マルチパスセル300内の反射の数、およびその結果として達成可能な総光路長は、プリズムミラー305Aおよび305Bの表面積、球面ミラー307の曲率半径、光301が空洞315に入る角度、およびプリズムミラー305A、305Bと球面ミラー307との間の距離dを含むいくつかの要因に依存する。したがって、光路長は、設定の幾何学的特性に依存する。しかしながら、光路長は、(波長、単位面積当たりのビームエネルギー、または光301がパルスであるか連続波であるかを含む)光の物理的特性によって影響されない。
光路長に対する形状の影響が、様々な構成についてシミュレートされた光線トレースを示す図3A~3Dに示されている。図3Aでは、第1の反射器装置305と第2の反射器装置307との間の間隔は、d=150mmである。これは、2つのプリズムミラー305Aおよび305Bの間のアパーチャの中心と、球面ミラー307との間の距離である。この装置は、8回の反射および1.2mの総光路長をもたらす。図3Bでは、距離dが、485mmに増加し、66回の反射および31.9mの総光路長をもたらす。図3Cでは、距離dが、さらに525mmに増加し、88回の反射および46.3mの総光路長をもたらす。図3Bおよび3Cの入射角は、図3Aと同じである。
図3Dは、距離dが、第2の反射器装置307(この場合、円形ミラー)の焦点距離の正確に半分に等しいマルチパスセル300の特別なケースを示す。この装置では、入射光301は、第1の反射器装置305を通過して、第2の反射器装置307に当たった後、第1の反射器装置305に向かって反射されて戻ることが分かる。次に、第1の反射器装置305が、光を第2の反射器装置に向けて部分的に再帰反射して戻し、この構成の高度の対称性により、光は、第1の反射器装置の中心に戻り、そこで出射光308の方向に沿って光空洞315から出てくる。第1および第2の反射器装置305および307が、第2の反射器装置307の焦点距離の半分だけ離れていることを確実にすることにより、光は、セル300の長さを正確に4回トラバースする。
図3Dは、簡略化されており、図3A、3B、および3Cのハウジングを省略している。また一方、図3Dは、セル300から出てくる光308を所望の目的地(例えば、光の波長の関数としての光の検出を可能にする分光器を任意選択で含み得る検出器)に導くための光学装置312をさらに示す。この場合、光学装置312は、ミラーとレンズとを備えるが、光学要素の様々な組み合わせが、光を所望の目的地に向けるために使用され得る。
したがって、図3A~3Dの実施形態は、2つのプリズムミラー305Aおよび305Bと、凹球面ミラー307との組み合わせに基づく新規なマルチパスセル300アーキテクチャを提供する。これらの図から、広範囲の光路長が達成可能であることが分かる。このアーキテクチャは、吸光分光法用に使用され得、最大50メートル以上の光路長(約167nsの時間的遅延に相当)を提供し得る。
図4A、4B、および4Cは、わずかにミスアライメントされている場合の図3A~3Dのマルチパスセル300のシミュレーションを示す。前述のように、本開示の実施形態によって提供される利点は、反射器装置の間に最大4°のミスアライメントが存在する場合の安定性の向上である。これは、コヒーレント光ビームによってトレースされた光路に対する制御されたミスアライメントの影響を研究することによって実証され得る。
図4A、4B、および4Cの各々は、異なるミスアライメントシナリオの概要を示す3つのサブフィギュアで構成される。図4Aは、d=150mmの、反射器装置305と反射器装置307との間の分離を伴う、図3Aに提示された形状についてのマルチパスセルの安定性研究を示す。図4Bは、d=485mmの、反射器装置305と反射器装置307との間の分離を伴う、図3Bに提示された形状についてのマルチパスセルの安定性研究である。図4Cは、d=525mmの、反射器装置305と反射器装置307との間の分離を伴う、図3Cに提示された形状についてのマルチパスセルの安定性研究である。
いずれの場合も、中央のサブフィギュアは、プリズムミラー305Aおよび305Bと、球面ミラー307との間に定在モードを生成することにより、単一平面上の光路をたどる、うまく整列されたレーザービームに対応する。図4A~4Cに示される安定性分析のために、出射ビームは、検出システム309上に集光される。
ビームが、x次元において-2°(左のサブフィギュア)~+2°(右のサブフィギュア)ミスアライメントされている場合、光路は、もはや単一の平面に閉じ込められず、プリズムミラー305Aおよび305Bと、球面ミラー307との間の全体積にわたり得る。この実施形態で提案される形状は、定在モードの完全性がミスアラインメント下で維持されることを可能にし、これは、深刻なミスアラインメント条件下でさえ、ビームがセル300を首尾よく出射し得ることを意味する。図4A、4B、および4Cの各々で、x次元における最大4°の入射ミスアライメント角度-2°~+2°)を有するビームが示されている。これは、すべての反射が単一の平面上にある整列されたケースに対して、光路が傾斜するという結果をもたらす。それにもかかわらず、これらの境界内で、ビームは、マルチパスセル内に定在モードを生成し、検出システム309での検出のために首尾よく出射することができる。
図5は、この実施形態の形状の安定性に関するさらなる研究を示し、ここでは、x次元におけるミスアライメントが、球面ミラー307に適用されている。シミュレーションが、図5(a)、5(b)、および5(c)に示されている。ミラー307は、その中心が、光源301を起源とし、(プリズム305Aとプリズム305Bとの間の)スリット306の中心を通過する同じセグメント上にある場合、整列していると見なされる。ミラー307は、このセグメントから正の方向に10mm、次に負の方向に10mm離れる方向に移動される。システムの安定性は、プリズムミラー305A上の光の衝突位置を、これらのミスアライメントの関数としてシミュレートすることによって実証される。プリズムミラー305B上の挙動は、類似している。
図5(b)は、ミスアライメントが発生しない場合に対応する。この場合、空洞315内の定在モードは、プリズムミラー305A上の単一の線上に位置する。10mmの負(図5(a))または正(図5(b))のミスアライメントが発生すると、定在モードは、単一の線から移動し、2つの放物線のセットを形成する。光は、2つの放物線を順に相次いでトラバースする。これは、重要であり、光の入射点および出射点が一致することを可能にし、この一致は、セル300の安定性にとって重要である。
高度に安定したマルチパスセル300を提供することの利点は、セル300内で光によってトラバースされる光路長が、球面ミラー307と、2つのプリズムミラー305Aおよび305Bとの間の距離dを変えることによって、容易に調整可能であることである。図6に示されるように、吸収分光法のために光路長を増大させることの利点は、様々なガス濃度のベール・ランバート方程式(式(1))を様々な光路長の関数として考慮することにより理解され得る。
図6では、直径1mmのコヒーレントビームを仮定して、水蒸気によるコヒーレントレーザービームの吸収を光路長の関数として示す、シミュレートされた透過率グラフを提供している。ビームは、ビーム自体の断面に、移動した光学距離を掛けたものに比例する体積を通過する。この例では、820nmにおける水蒸気(H2O)の弱い大気の回転振動吸収遷移(weak atmospheric rotational-vibrational absorption transition)が考慮されている。20℃の温度および105Paの圧力を仮定している。図6(a)は、104vpm(体積百万分率)、すなわち1%volの濃度に対する水蒸気の吸収を示す。この場合、ビームがガスを通って移動するため、コヒーレントビーム強度を10%未満に大幅に低下させるには、長さが1m未満の短い光路長で十分である。したがって、シングルパス吸収セットアップは、ガス状の水によるレーザー光の大幅な吸収をもたらし得る。
しかしながら、図6(b)から分かるように、10vpmのより低い水蒸気濃度の場合、同じ感度(10%未満に減少したビーム強度)を得るには、30mの光路長が必要である。これには、より長い経路長を使用する必要がある。本開示で提示されるマルチパス構造は、そのような光路長を容易に得るために理想的である。
それでも、セルが水蒸気で満たされないことを単に確実にすることにより、(例えば、ガスによる吸収を避ける必要があるダブルパルスレーザーシステムが必要な場合)レーザーパルス強度の大幅な低下を簡単に避けることができる。例えば、セルが、室内圧力および室温の空気または別の乾燥ガス(水蒸気を含まない)を収容している場合、約100mの光路長が使用される場合でも、セルを使用して、吸収によるパルス強度の大幅な低下なしに、ダブルパルス発生器を提供することができる。代替的に、セルを(真空ポンプを使用して)排気するか、または、例えば、アルゴン、ヘリウム、窒素などの非吸収性ガス(入射光の波長で透明)で充填もしくはフラッシングすることができる。
したがって、図4A~4Cおよび図5から、第1の実施形態のマルチパスセル300は、光学構成要素間のミスアライメントが存在する場合でも、長い光路長を提供し得る安定したシステムを提供することが分かる一方、図6は、レーザー吸収分光法におけるそのようなマルチパスセル300の実用性を実証している。しかしながら、図3A~3Dのマルチパスセルのいくつかの特徴は、これらの利点を維持しながら省略または変更され得る。
例えば、セルは、吸収分光計としてではなく、光遅延線として使用され得、したがって、ガス状サンプルを保管する必要がない場合、密閉容器302、入口303Aおよび出口303B、ならびに光学窓304は、省略され得る。さらに、向上した安定性の利点は、プリズム305Aおよび305Bではなく、実質的に垂直である2つの平面ミラーを使用して達成され得る。そのような装置は、それに入射する光に対して部分的再帰反射性である同じ効果を提供するであろう。さらに、光が空洞315に入るアパーチャ306は、第1の反射器装置ではなく、第2の反射器装置内に配置され得る。追加的に、球面ミラー307は、球面である必要はなく、部分的再帰反射性のプリズム305Aおよび305Bの恩恵を受けながら、他の様々な形態を有し得る。したがって、この実施形態のマルチパスセル300は、有利な装置の一具体例であるが、様々な変更および変形が行われ得ることが分かる。
したがって、以前に使用された一般化された用語に戻ると、本開示の第1の反射器装置は、好ましくは、反射性である第1および第2の表面を備える。第1の反射器装置は、それに入射する光が、第1の表面から第2の表面に、かつ第2の反射器装置に反射されるように構成され得る。第2の表面から反射された光は、第1の反射器装置の第3の表面に入射した後、第2の反射器装置に反射されるか、または第2の表面から反射された光は、任意のさらなる表面によって反射されることなく、第2の反射器装置に直接反射され得る。
第1および第2の表面は、好ましくは、実質的に垂直である。第1および第2の表面は、好ましくは、実質的に平面である。この装置を使用して、光に対して再帰反射作用を提供し、マルチパスセルの機械的安定性を向上させることができる。完全に平面の垂直表面は、完全な再帰反射性を示すであろうが、完全に平面の垂直表面からの多少の逸脱は、許容され得る。例えば、(少なくとも)部分的再帰反射性の効果が依然として達成されるという条件で、表面は、完全に平面および/または完全に垂直であることから逸脱してもよい。光が、第2の反射器装置(例えば、球面ミラー)の表面に垂直でないいくつかの成分を有する場合、この光は、空洞に入り、図4A~4Cおよび図5に示されるように、定在波様のパターンのセットを形成し得る。
さらに、第1または第2の表面全体が完全に平面である必要はない。例えば、表面のうちの一方または両方は、平面部分に加えて、湾曲部分(例えば、1つまたは複数の縁部において)を有してもよい。この場合、第1および第2の表面の実質的に平面の部分が互いに実質的に垂直であるならば、それらは依然として一緒に働いて、それらに入射する光を部分的または完全に再帰反射することができる。
したがって、本開示は、第1の反射器装置と、第2の反射器装置とを備えるマルチパスセルであって、第1の反射器装置が、反射性である第1および第2の表面を備え、第1および第2の表面が、実質的に垂直および/または実質的に平面である、マルチパスセル、を提供する。
第1および第2の表面の平面は、共通の軸を画定し得、第1の反射器装置は、共通の軸に垂直に入射する光に対して再帰反射性であり得る。平面表面の文脈において、共通の軸は、平面表面を含む平面によって画定される交線である。任意の2つの非平行平面が、交線を画定する。したがって、2つの平面表面が実際に交差していない場合でも、表面が存在する平面が、交差軸を画定する。交差軸は、もし平面が無限の空間範囲を有すると、平面表面が交差するであろう線と見なされ得る。
好ましくは、第1の反射器装置は、第1および第2のプリズムを備え、第1および第2の表面は、それぞれ第1および第2のプリズムの面である。プリズムミラーは、前述の有利な実施形態が、正確かつ容易に製造されることを可能にする、広く入手可能な光学構成要素である。例えば、プリズムミラーは、直角二等辺三角形である(すなわち、90°、45°、および45°の内角を有する)断面を有し得る。この場合、2つのそのようなプリズムを、両方のプリズムがより短い(非斜辺の)面に載った状態で、互いに隣接して配置することにより、(この装置内で垂直になるプリズムの2つの表面によって画定される)部分的再帰反射性の表面が、簡単に製造され得る。したがって、この実施形態は、安価で市販の構成要素を有利に使用して、安定したマルチパスセルを製造するための費用効果が高く信頼性の高い方法を提供する。
第2の反射器装置は、好ましくは、それに入射する光が、第1の反射器装置に向かって反射されるように構成される。例えば、第2の反射器装置は、第1の反射器装置から受光された光が第1の反射器装置に反射されるように構成され得、第1の反射器装置は少なくとも部分的に再帰反射性であるので、光は、第1の反射器装置と第2の反射器装置との間を繰り返し跳ね返るようにされ得る。これは、第1および第2の反射器装置が互いに対向することを確実にすることによって、達成され得る。例えば、第1の反射器装置は、少なくとも部分的に再帰反射性であり、したがって、ある範囲の方向から受光される光に対して再帰反射性である。したがって、第2の反射器装置は、第1の反射器装置が再帰反射性である方向の範囲内に位置付けられ得る。第2の反射器装置が凹面を有する場合、この面は、第1の反射器装置の少なくとも部分的再帰反射性の部分に対向し得る。このようにして、第1および第2の反射器装置は、安定した光空洞を画定し得る。
第2の反射器装置は、好ましくは、それに入射する光が、第1の反射器装置に向かって集束されるように構成される。第2の反射器装置の集束作用は、第1の反射器装置の再帰反射作用と一緒に作用して、光の拡散を抑制し、安定性を向上する。反射器装置の間隔と、第2の反射器装置の焦点距離との間の関係は、セル内で光によってトラバースされるパスの数に影響を与えるであろう。
第2の反射器装置は、反射性である凹面を備え得る。凹面は、楕円面、回転楕円面、または球面であり得る。例えば、2つの反射平面表面によって画定される交線に平行な1つの細長い軸を有する楕円反射器が、使用され得る。そのような場合、ミスアライメントを補正するための有用な表面が一方向に伸長され、他の方向に短縮されるため、細長い軸は、機械的公差に影響を及ぼすであろう。したがって、より高度な空間対称性を有する表面は、向上した安定性を提供し、その結果、球面(すなわち、光が入るのを可能にする開口部を有する球の表面の一部分)が、最も好ましい。球形からのわずかな逸脱は、許容され得る。2つの平面プリズムミラーと球面(つまり中央対称)ミラーとの組み合わせは、球面ミラーのわずかなミスアライメントが、それ以上増幅されず、光路が、空洞のミラー内の体積の間に依然としてあることを意味するため、最も向上した安定性を提供する。
有利には、本開示では、第1の反射器装置と第2の反射器装置との間の分離は、調整可能である。したがって、マルチパスセルは、光によってトラバースされる光路長が調整可能であるように、構成される。簡単にするために図3A~3Dには示されていないが、第1および第2の反射器装置305および307は、相対的に移動可能である(例えば、一方または両方を移動することによって)。これにより、分離が制御されること、したがって、光路長が調整されることが可能にある。相対運動は、例えば、反射器装置の一方または両方を作動させることによって、提供され得る。光路長は、光がマルチパスセルをトラバースする回数を変更することによって、調整され得る。例えば、分離を増大させることは、単一のパス内で光によってトラバースされる距離の増加をもたらし得るが、分離を増大させることはまた、光をセル内で異なるパス数トラバースさせて、光路長をさらに増大させ得る。本開示の向上した安定性は、光路長の制御を提供しながら、比較的長い光路長が得られることを可能にする。
本開示のセルを使用して、光路長は、30cm以上(かつ好ましくは、1m、5m、15m、25m、40m、50m、または100m以下)、1m以上(かつ好ましくは、5m、15m、25m、40m、50m、または100m以下)、5m以上(かつ好ましくは、15m、25m、40m、50m、または100m以下)、15m以上(かつ好ましくは、25m、40m、50m、または100m以下)、25m以上(かつ好ましくは、40m、50m、または100m以下)、40m以上(かつ好ましくは、50m、または100m以下)、50m以上(かつ好ましくは、100m以下)、または100m以上(かつ好ましくは、150m以下)に調整可能である。これらは、光速が約3x108ms-1であることに留意することにより、等価な時間値に変換され得る。
説明された実施形態は、振動に耐え、産業実装における機械的整列を簡単にするのに適したマルチパスセルを提供するために、予想外に高い機械的公差を示す。以前のマルチパスセルと比較したこの開示の利点は、多数あり、最大4°(約70ミリラジアン)のミスアライメントの向上した安定性、容易に調整可能な長い光路長、および高い信頼性で効率的に製造するための簡単なアーキテクチャが含まれる。
図3A~3D、図4A~4C、および図5の実施形態では、光が光空洞315に入るアパーチャ306は、第1の反射器装置305の2つのプリズム305Aおよび305Bの間に位置付けられている。また一方、図7は、プリズム705Aとプリズム705Bとの間ではなく、第2の反射器装置707内にアパーチャ706を提供することによって、前述の利点の多くが達成可能である第2の実施形態を示す。
図7の実施形態は、2つのプリズム反射器705Aおよび705Bを備える第1の反射器装置705を備えるマルチパスセル700を示し、2つのプリズム反射器705Aおよび705Bは、プリズム705Aおよび705Bの2つの面が、垂直であり、部分的再帰反射性の表面を提供するように位置付けられている。球面ミラー707の形態の第2の反射器装置が、プリズム705Aおよび705Bに対向して提供されている。球面ミラー707は、光が、マルチパスセル700の光空洞715に入ること、および光空洞715から出ることを可能にするための中央アパーチャ706を備える。セル700に入る光701は、出射光708の方向に沿ってアパーチャ706を介して空洞715を出る前に、第1の反射器装置705と第2の反射器装置707との間で繰り返し反射される。高度な幾何学的類似性のために、第1の反射器装置705および第2の反射器装置707によって提供される定在モードは、第1の実施形態の装置305および307と同様である。次に、セルから出てくる光は、図7にミラーとレンズとを備えるものとして示されている光学装置712を介して、その光の目的地に向けられる。第2の実施形態は、第1の実施形態が提供する向上した安定性および調節可能性の利点を提供する。
次に図8に目を向けると、相互に垂直である3つの平面反射面805A、805B、および805Cを備える反射器装置805が、示されている。3つの表面805A、805B、および805Cは、再帰反射性であるコーナー反射器を画定する。光が、コーナー反射器を通過することを可能にするために、アパーチャ806が、コーナー反射器805のコーナーに提供されている。コーナー反射器805の裏側を通過する光801が、描かれている。
図8の反射器装置805は、プリズム305Aおよび305Bの代わりに、またはプリズム705Aおよび705Bの代わりに、第1および第2の実施形態で説明されたもののようなマルチパスセルで使用され得る。図8の反射器装置805が、図7の実施形態で使用される場合、アパーチャ806は、省略され得る。反射器装置805もまた、光空洞内での光の拡散を抑制するための再帰反射器の使用により、向上した機械的安定性を提供する。
したがって、以前に使用された一般化された言語に戻ると、本開示のマルチパスセルでは、第1の反射器装置は、反射性である第3の表面をさらに備え得、第1、第2、および第3の表面は、実質的に相互に垂直である。したがって、コーナー反射器を提供して、機械的安定性を向上させることができる。
第1および第2の反射器装置は、光空洞を画定し得、第1および第2の反射器装置のうちの少なくとも一方は、好ましくは、光が、光空洞に入ること、および/または光空洞を出ることを可能にするためのアパーチャを備える。アパーチャのサイズは、空洞に入る光ビームまたはパルスのサイズの制御を提供するように調整可能であり得る。アパーチャは、多くの形態を取り得る。
第1の反射器装置が、第1および第2のプリズムを備える場合、第1および第2のプリズムの縁の間のスリットが、アパーチャを画定し得る。この装置の特定の利点は、(例えば、損傷またはミラーの不完全性を引き起こす可能性がある、球形反射器またはコーナー反射器内にアパーチャを作成することによって)反射器内にアパーチャを作成する必要なしに、プリズムの間にスリットが存在するようにプリズムを装着することによって、2つのプリズムの間にアパーチャを提供することが簡単であることである。したがって、この装置は、正確に、および精巧な光学構成要素に損傷を与えるリスクを冒すことなく、簡単に作製できる。アパーチャのサイズは、プリズムを作動させて互いに近づけたり、遠ざけたりすることによって、調整され得る。プリズムは、そのような調整を提供するように、相対的に移動可能であり得る。
第1の反射器装置が、第1、第2、および第3の表面を備える場合、第1、第2、および第3の表面のコーナーの開口部(例えば、3つの表面の平面が交差する点)が、アパーチャを画定し得る。同様に、第2の反射器装置の中心(例えば、セルの長手方向軸と実質的に整列している、第2の反射器表面上の点)の開口部が、アパーチャを画定し得る。これは、例えば、凹反射面の中心にある小さな穴であり得る。そのようなアパーチャは、光が、機械的に安定した装置の光空洞に入ること、および/または光空洞を出ることを可能にする。そのような場合、アパーチャのサイズは、アパーチャを不透明な材料(移動可能であり得る)で部分的に覆うことによって、調整され得る。
次に図9Aおよび9Bに目を向けると、2つのプリズム905Aおよび905Bを備える反射器装置905のための2つの装着構造913aおよび913bが、示されている。プリズム905Aおよび905Bは、それぞれ、マルチパスセル300または700のプリズム305A、305Bまたは705A、705Bであり得る。したがって、装着構造913aおよび913bは、図3A~3Dおよび図7のマルチパスセル300および700で使用され得る。
図9Aの装着構造913aは、プリズム905Aおよび905Bを保持するように構成されているフレームである。図9Aの装着構造913aは、一対のプリズム905Aおよび905Bの一端から示されている。装着構造は、プリズムの長辺に沿って(ページ内に、プリズム軸に沿って)延在し得、装着構造913aの反対側の端部は、プリズム905Aおよび905Bの反対側の端部を同じように保持する。装着構造913aは、プリズム905Aおよび905Bを所定の位置にしっかりと保持するように、プリズム905Aおよび905Bの非反射縁を保持し得るように寸法決めされる。装着構造のごく一部分が、反射面(すなわち、プリズム905Aおよび905Bの斜辺)を覆っているが、プリズム905Aおよび905Bが、セル内で光を反射することが可能なように、反射面の大部分は、露出している。
装着構造913aは、プリズム905Aおよび905Bが所定の位置にしっかりと保持されることを確実にするために、摩擦コーティング(例えば、ゴム)を有し得る。プリズム905Aおよび905Bは、締まりばめを使用して、装着構造913a内に勘合し得る。代替的に、プリズム905Aおよび905Bは、接着剤で装着構造913aに保持され得る。いずれの場合でも、装着構造は、プリズム905Aおよび905Bの反射面が、合同して部分的に再帰反射性の面を提供するように、実質的に垂直であることを確実にする。
図9Bは、図9Aの装着構造913aに加えて、またはその代わりに使用され得るさらなる装着構造913bを示す。図9Bの装着構造913bは、図9Aの装着構造913aのベースとして機能し得るか、または装着構造913bは、それ自体が独立した構成要素であり得る。図9Bの装着構造913bは、プリズム905Aおよび905Bが取り付けられ得る、材料の平坦な部分を備える。装着構造913bは、光が通過することを可能にするためのスリット906を備える。プリズム905Aおよび905Bは、プリズム905Aおよび905Bの面が実質的に垂直であるように、スリット906のいずれかの側に取り付けられ得る。したがって、部分的に再帰反射性の反射器装置は、内部にスリットを有する単一の材料シートと、標準的な光学構成要素である2つのプリズム905Aおよび905Bとを使用して、容易に提供され得る。
図9Aおよび9Bの装着構造913aおよび913bを使用して、2つのプリズムミラー905Aおよび905Bの間の相対角度がゼロまたは実質的にゼロ(例えば、少なくとも部分的再帰反射性が得られることを確実にするためにゼロに十分に近い)であることを確実にすることができる。そのような場合、2つのミラーは、約+/-1°まで一緒に回転し、かつ依然として、前述のマルチパスセルで使用され場合に、安定したマルチパスパターンを提供し得る。しかしながら、2つのプリズムミラーの間の相対角度が0.1°より大きい場合、パターンは、悪影響を受ける可能性がある。そのような装着構造の使用は、プリズム905Aとプリズム905Bとの間の相対角度がゼロであるか、またはゼロに十分に近くて、良好な性能を提供することを確実にし得る。図9Aおよび9Bの装着構造913aおよび913bは、様々な材料(例えば、アルミニウムなどの金属)から、および様々な構築技術(例えば、溶接、成形、または3D印刷)を使用して形成され得る。
したがって、以前に使用された一般化された言語では、第1の反射器装置は、好ましくは、第1および第2の表面が実質的に垂直であるように、第1および第2のプリズムを装着するように構成された装着構造を備える。装着構造の使用は、表面が、許容可能な程度のミスアライメント内で正しく位置付けられることを確実にするのに役立ち得る。
図3A~図9Bに示される実施形態は、主に吸収分光法で使用されるマルチパスセルを参照して説明された。そのような場合、前述の一般化された用語を使用すると、マルチパスセルは、好ましくは、ガス状サンプルを収容するためのハウジングを備え、第1および第2の反射器装置は、ハウジング内にある。これにより、分析対象のサンプルがセル内に保持されることが、確実になる。そのような場合、ハウジングは、好ましくは、光がマルチパスセルに入ることを可能にするための光学窓を備える。光学窓は、好ましくは、光が、セルのハウジングの外側から光空洞に入ることができるように、アパーチャ(例えば、反射器装置内のアパーチャ)と整列される。材料が、使用される光源の波長を有する光に対して透明であるという条件で、光学窓用の任意の材料が、使用され得る。マルチパスセルは、好ましくは、ガス状サンプル用の入口および/または出口をさらに備える。様々な入口および出口機構が、使用され得る。マルチパスセルがダブルパルスレーザーシステムで使用される実施形態では、入口および/または出口は、レーザー光の波長を有する光に対して透過性であるパージガス(例えば、アルゴン)用に使用され得る。
図10には、そのような吸収分光システムの一例が、概略的に示されている。システムは、光がサンプルと相互作用する光路を提供するために、前述のいずれかのマルチパスセルであり得るマルチパスセル1000を備える。セルは、サンプルがセルに入ること、およびセルから出ることを可能にするための入口1003aおよび出口1003bを有する。システムはまた、レーザーであり得る光源1010を備える。光源は、光源1010からの光の少なくとも一部が、マルチパスセル1000に向けられてサンプルと相互作用することを確実にする光学装置1012に向けられる光のビーム1001を提供する。システムは、マルチパスセル1000を通過し、サンプルと相互作用し、マルチパスセル1000から出てくる光を検出するように配置された検出器1011をさらに備える。光学装置1012は、一部の光を、マルチパスセル1000に入ることなく、検出器1011に向ける。
光学装置は、4つのミラー1012b、1012c、1012d、および1012eを備え、これらのミラーは、一部の光を、検出器1011で受容されるように、セル1000の外側の周りに向ける。光学装置は、ビームスプリッタ1012aも備え、ビームスプリッタ1012aは、一部の光が、マルチパスセル1000に入ることを可能にする一方で、一部の光が、マルチパスセル1000に入らず、代わりに、検出器1011による検出のために、ミラー1012bからミラー1012cに、ミラー1012dに、ミラー1012eに反射することを確実にする。
ビーム分割を使用して、セル1000を通過しない光の強度によって示される、光源1010のベースライン強度レベルI0を得ることができる。これを、セルを通過して検出器に到達した光の強度IDと比較して、どれだけの光が、セル1000内のサンプルによって吸収されたかの尺度を得ることができる。検出器1011は、複数の検出素子、すなわち、I0を測定するための1つ以上の素子と、IDを測定するための1つ以上の素子とを備え得る。代替的に、検出器1011は、I0およびIDを交互に測定するための単一の検出器要素を備えてもよい(例えば、2つの光ビームは、一度に1つのビームをブロックするビームチョッパを通過し、その結果、検出器は、チョッパと同期して、I0ビームの測定とIDビームの測定との間で交互する)。
光源1010は、例えば、チューナブルダイオードレーザー、波長安定化レーザーダイオード、分布帰還型レーザーダイオード、または外部空洞ダイオードレーザーを含む任意のタイプのレーザーであり得る。チューナブルダイオードレーザーが好ましいが、任意の固体、気体、液体、化学、金属蒸気、染料、または半導体レーザーが、使用されてもよい。検出器1011は、光源1010によって生成された光1001を検出するための任意のタイプの1つ以上のフォトダイオードを備え得る。極めて低い発散を示す他のタイプのビーム(すなわち、ほぼコリメートされたビーム)が使用されてもよい。例えば、場合によっては、数度の発散を示すLEDまたは他の発光体を提供することが(例えば、コリメート光学要素を使用することによって)可能であるが、レーザーは、典型的には、10分の1度程度の発散を示すため、本開示では好ましい。
前述のように、光が、第1および第2の実施形態のマルチパスセル300および700に入る角度を使用して、光が、セルの反射器装置をトラバースする回数、したがって光路長を制御することができる。したがって、図10に示される実施形態では、光源1010は、(例えば、回転可能であることによって、または回転可能に装着されることによって)光がセル1000に入る方向を変えることが可能であり得る。代替的に、セルに入る光の角度を変化させることが可能なように、さらなる光学要素(例えば、調整可能なミラー)が、提供されてもよい。例えば、光1001がセル1000に入る角度を変化させるために、調整可能なミラーが、スプリッタ1012aとセル1000との間に位置付けられ得る。
一般的に言えば、本開示は、前述のマルチパスセルのうちのいずれかと、光をマルチパスセル内に向けるように構成された光学装置とを備えるシステムを提供する。光学装置は、好ましくは、光がマルチパスセルに向けられる角度が調整可能であるように構成される。この角度は、マルチパスセルによって画定される軸(例えば、第1および第2の反射器装置の中心/中点の間に延びる軸などの長手方向軸)に対して定義され得る。光がマルチパスセル内に向けられる方向と、マルチパスセルによって画定される長手方向軸との間の角度は、0°~20°、1°~15°、または2°~10°であり得る。セルのアパーチャおよび/またはセルの光学窓が、セルによって画定される軸に垂直である場合、光がセルに入る角度は、そのような場合にはアパーチャの法線は、セルの長手方向軸に平行であろうため、代わりに、アパーチャの法線に対して表現され得る。
調整可能な角度を提供することにより、安定した構成およびそのような安定性に関連付けられる利点を維持しながら、光路長を制御することが可能になる。そのような光学装置は、検出器または光源とは独立して提供され得る。光学要素は、マルチパスセルに取り付けられる(例えば、セルの外側に取り付けられる)か、またはセルハウジングと一体的に形成され得る。
システムは、光を光学装置に向けるように構成された光源をさらに備え得る。システムはまた、マルチパスセルからの光を検出するように構成された検出器を備え得る。セル、レーザー、および検出器が組み合わせて使用されると、改善されたレーザー吸収分光計が、提供される。光学装置は、好ましくは、光をマルチパスセルから検出器に向けるように構成される。
本開示のマルチパスセルは、光吸収分光法以外の文脈で使用され得る。例えば、図11A、11B、11C、および11Dには、第1および第2のレーザーパルスを生成するためのダブルパルスレーザーシステムの4つの構成が示されている。マルチパスセルは、既存のマルチパスセルと比較して、比較的長い光路長を提供するため、セルは、2つのレーザーパルスの間に比較的長い時間的遅延を導入する遅延線として効果的に機能する。さらに、セルの形状が、セルから出てくる光1108が、セルの外面1114から反射された光と同一直線上にあることを確実にする。
図11A~11Dのダブルパルスレーザーシステムは、光空洞1115を画定する、2つのプリズム1105Aおよび1105Bと、球面反射器1107とを有するマルチパスセルを備える点で、前述のシステムと同様である。前述のように、光1101は、わずかな角度でセルに入る。ダブルパルスレーザーシステムはまた、セルから出てくる光1108を、サンプルであり得る標的目的地1116に向けて案内するための光学装置1112を備える。光学装置は、ミラー1112bを備える。ダブルパルスレーザーシステムと、前述のマルチパスセルとの間の重要な違いは、プリズム1105Aおよび1105Bの外面が、反射性であり、光1101がセルに入るのを可能にするための小さなアパーチャ(プリズム1105Aとプリズム1105Bとの間のスリットと整列されている)を備えることである。アパーチャを有するこの反射面は、光を分割するための光分割デバイス1112aとして機能し、光学装置1112の一部を形成する。
より具体的には、図11A~11Dのダブルパルスシステムの概略構成では、コリメートおよびパルス化されたレーザービーム1101は、プリズム1105Aおよび1105Bの外部(背面)上の平面ミラー1112aに向けられる。パルスレーザービームの経路は、図11A~11Dでは実線で表されているが、これらの線を連続波レーザー放射と間違えてはならない。パルスビーム1101の角度は、ミラー1112aの法線に対してわずかに傾斜しており、典型的には2~6°である。ミラー1112aの法線は、セルの軸(すなわち、プリズム1105Aと1105Bとの間のスリットと、球面ミラー1107の中心との間に延びる長手方向軸)に平行である。
ミラー1112aは、直径1mmの中央の円形アパーチャを備え、レーザーパルス1101の一部が、ミラーを通してサンプリングされ、かつレーザーパルス1101の一部が、経路1108に沿ってミラーから反射されることを可能にする。前述の実施形態と同様に、セルから出てくる光1108の角度(アパーチャの法線に対する)は、同じ大きさであるが、入射光1101の角度とは反対の方向であり、これは、セルの形状に起因して起こる。
光分割デバイス1112aのアパーチャは、入射光パルス1101が分割される(例えば、2つの別個のパルスに分割される)ように寸法決定され、光の約半分は、外面1114から光学装置1112bに向かって反射され、かつ光の半分は、セルに入り、そこで複数回反射された後、最終的にセルを出て光学装置1112bに到達する。図11A~11Dでは、アパーチャは、直径1mmであるが、使用されるレーザービームの幅に応じて、他の幅(例えば、0.5mm、1.5mm、2mm、2.5mmなどの直径)が、使用され得る。図11A~11Dに示される特定のシステムでは、パルスレーザービーム1101は、1mmの半値全幅(FWHM)を有する。
システムは、パルス1101が、ミラー1112aのアパーチャの縁を中心とし、ミラー1112aが、25mm(すなわち、プリズム1105Aおよび1105Bと同様のサイズ)の半径を有するように構成される。このようにして、パルス1101をミラー1112aに向けるために、様々な光学要素が、使用され得る。パルスの半分が、ミラー1112aの表面によって反射される一方、残りの半分は、アパーチャを通過する。反射パルスは、平面ミラー1112bに、次いで、サンプル1116の表面に向けられる。透過パルスは、曲率半径r=1000mmおよび50mmの直径を有するセルの球形凹ミラー1107に向けられる。このミラー1107は、図11A~11Dに示されるように、2つの直角プリズムミラー1105Aおよび1105Bに向かってパルスを反射および集束させて戻す。2つの直角プリズムミラー1105Aおよび1105Bは、25mmのセグメントサイズを有する。この文脈において、セグメントサイズは、直角に交わる直角三角形の2つの辺の長さ(すなわち、プリズム1105Aおよび1105Bの三角形断面の非斜辺長さの長さ)である。ミラー1105A、1105B、および1107の組み合わせが、空洞1115システムを形成し、ミラー1112aを通って入るパルスは、何度も反射されて往復した後、最終的にミラー1112aのアパーチャから出る。
図11A~11Dのシステムによって提供される総光路長差(OPD)は、a)ミラー1107を通過し、空洞1115内で反射された後、ミラー1112aの中央アパーチャから出てサンプル1116に到達するパルスによってカバーされる距離と、b)ミラー1112aで反射された後、サンプル1116に到達するパルスの一部によって移動された距離との間の差として定義される。有利には、OPDは、(直角)プリズムミラー1105Aおよび1105Bを備える第1の反射器装置1105と、この場合はミラー1107である第2の反射器装置との間の距離dを調整することによって、容易に調整され得る。OPDは、他の構成要素の形状を変更せずに、間隔dだけを調整することによって制御され得る。OPDを調整することにより、第1のパルス(ミラー1112aによって反射される)と、第2のパルス(ミラー1112aを透過する)との間の時間的遅延Δtが、調整され得る。
図11Aのシステムは、図11B、11C、および11Dに示されるように、様々な構成に調整され得、シミュレーションして、達成可能なOPDおよび時間的遅延を調査することができる。シミュレーションでは、レーザーパルスは、ガウス形で、コリメートされ、非偏光であり、532nmの波長を有し、統計的有意性を達成するために104に等しい数の光線で構成されると考えられる。図11Aでは、距離d=150mmにより、透過パルスが4回反射され、それにより、1.13mのOPDおよび対応するΔt=3.8nsがもたらされる。図11Bでは、距離d=300mmにより、透過パルスが21回反射され、6.75mのOPDおよび対応するΔt=22.5nsをもたらす。図11Cでは、距離d=400mmにより、透過パルスが28回反射され、12.46mのOPDおよびΔt=41.5nsをもたらす。
距離dが増加し、反射の数が増加するにつれて、光学システムの機械的整列に必要な公差が、より厳しくなる。これは、およそ、図11Aに示されるレイアウトの場合、約1.5mmおよび約2°の回転角(x、y)、図11Bに示されるレイアウトの場合、約1mmおよび約1°の角度、および図11Cに示されるレイアウトの場合、約0.5mmおよび約0.5°の角度である。必要な整列により、達成され得るOPDが制限される。それにもかかわらず、そのような整列は、本開示のシステムを使用して容易に達成可能であり、したがって、約50nsの時間的遅延Δtが、達成され得る。したがって、マルチパスセルを使用して達成される時間的遅延は、1ns以上(例えば、最大10ns、最大50ns、最大80ns、最大100ns、最大150ns、または150ns超)、もしくは5ns以上(例えば、最大10ns、最大50ns、最大80ns、最大100ns、最大150ns、または150ns超)、もしくは10ns以上(例えば、最大最大50ns、最大80ns、最大100ns、最大150ns、または150ns超)、もしくは50ns以上(例えば、最大80ns、最大100ns、最大150ns、または150ns超)、もしくは80ns以上(例えば、最大100ns、最大150ns、または150ns超)、もしくは100ns以上(例えば、最大150ns、または150ns超)であり得る。セルの設計パラメータによっては、より短い遅延、例えば、0.1ns以上が得られ得る。
整列要件の厳しさを低減するために、直角ミラー1105Aおよび1105Bのサイズを、それらのセグメントサイズ(非斜辺の寸法)が50mmであるように増大させ、かつ球面ミラー1107のサイズを75mmの直径に増大させることが可能である。これにより、機械的公差の要件が緩和され、同等の距離dでより高いOPDを得ることが可能になる。そのようなレイアウトの例が、図11Dに示されており、距離d=400mmにより、透過パルスは、31回反射されて、25.30mのOPDおよび対応するΔt=84.3nsをもたらす。このレイアウトの公差は、約1mmおよび1°(x、y)である。したがって、約100ns(およびそれ以上)の時間的遅延が、容易に達成可能である。
前述のように、図11A~11Dは、レーザーパルス1101が、アパーチャを有する反射面1112aによって分割されるシステムを示す。図11A、11B、11C、および11Dには、第1および第2のレーザーパルスを生成するためのダブルパルスレーザーシステムの4つの構成が示されている。マルチパスセルは、既存のマルチパスセルと比較して、比較的長い光路長を提供するため、セルは、2つのレーザーパルスの間に比較的長い時間的遅延を導入する遅延線として効果的に機能する。さらに、セルの形状が、セルから出てくる光1108が、セルの外面1114から反射された光と同一直線上にあることを確実にする。
図12Aには、機械的なビーム分割の原理が示されている。上のグラフは、ある瞬間におけるガウスレーザーパルスの一次元空間セクションを表す。下のグラフは、上のパルスを分割することから形成された2つのパルスの時間プロファイルを示し、2つのパルスは、時間的遅延によって分離されている。本開示は、パルスレーザーによって生成された単一のパルスを2つのパルスの二重(好ましくは同一直線上)のセットに機械的に分割するため、およびマルチパスセルを使用して遅延を導入するために、反射面の使用を提案する。パルスの透過部分(すなわち、図12Aの上のグラフに示されているパルスの左側の部分)は遅延を受けず、したがって、図12Aの下のグラフの時間軸に沿って左側に位置付けられている。反射パルス(すなわち、上のグラフに示されているパルスの最も右側の部分)は遅延を受け、したがって、図12Aの下のグラフの時間軸上で右側に位置付けられている。このように、時間的遅延Δtが、単一のレーザーパルスを機械的に分割することによって生成された2つのレーザーパルスの間に導入され得ることが分かる。したがって、ダブルパルスレーザーアーキテクチャが、提供され得る。
多くの用途(例えば、ダブルパルスLIBS実験)で、2つのパルスが同じ位置(例えば、サンプルの表面)に入射することが重要である。ダブルパルスシステムの有効性を検証するために、ビームプロファイルの研究が実行され得、この研究は、第1および第2のレーザーパルスを生成するために円形アパーチャが使用されると、パルスは、サンプルとの衝突点において円形のガウスプロファイルを提供することを示す。非円形のアパーチャは、重ね合わされたパルスの品質の低下をもたらす。したがって、機械的な分割が使用される場合、単一のレーザーパルスを分割するための円形アパーチャが好ましい。
図12Bは、レーザーパルスを分割するためのマルチパスセル1200および光学装置1212の代替例を示す。図12B(i)、(ii)、および(iii)では、単一のレーザーパルス1201は、光をマルチパスセル1200内に、およびサンプルに向けて誘導するためのビームスプリッタ1212a~eを備える光学装置1212に入射するように示されている。図12Bのマルチパスセル1200は、本明細書に記載のそれらにマルチパスセルのいずれかであり得る。図12B(i)は、第1および第2のレーザーパルスを生成するが、両方のパルスを所望の目的地に向けることができない光学装置1212を示す。図12B(ii)および12B(iii)は、相対的な時間的遅延を有する第1および第2のレーザーパルスを首尾よく生成する光学装置1212を示す。図12B(ii)では、単一のレーザーパルスの入射した全エネルギーの75%が、最終的にサンプルに向けられる。図12B(iii)では、単一のレーザーパルスの入射した全エネルギーの100%が、最終的にサンプルに向けられる。
図12Bの光学装置1212は、ビームスプリッタを利用している。ビームスプリッタは、非偏光性(無偏光性と呼ばれることもある)または偏光性であり得る。偏光ビームスプリッタは、光を直交偏光状態の2つのビームに分割する。ビームスプリッタに加えて、光学装置1212はまた、パルスを適切なビームスプリッタに向けるための反射要素(例えば、ミラー)を備える。ビームスプリッタのタイプとしては、半透鏡、互いに接着した三角プリズムの対、ウォラストンプリズム、および(ダイクロイック光学コーティングを使用する)ダイクロイックミラープリズムアセンブリが挙げられる。
図12B(i)には、単一の非偏光ビームスプリッタ1212aが、示されている。図12B(i)に示されるように、レーザーパルス1201が、1つの非偏光ビームスプリッタを通過する場合、50%が(サンプルに向かって)透過され、50%が、反射される。図12B(i)では、これは、入射パルスの伝搬軸に対して時計回りに90°の角度にあるとして示されている。光の反射部分は、マルチパスセル1200に入り、パルスが、出射光1208の方向に沿ってセル1200を出ると、パルスは、再び同じビームスプリッタ1212aに入射する。そこで、このパルスの50%(すなわち、全初期パルスエネルギーの25%)が、入射光1201の方向に沿ってレーザー光源に向かって反射されて戻され(これは、光源を損傷する可能性があるため危険である)、50%が、ビームスプリッタ1212aを真っ直ぐ通過し、サンプルに到達しないであろう。これは、破壊的な干渉を伴ってレーザーに戻るビームの一部を「相殺する」ために、連続放射に依存するマイケルソン干渉計に似ている。図12Bは(マイケルソン干渉計におけるような連続波ではなく)時間的遅延を伴うパルスシステムを示しているため、干渉は発生しないこの装置を使用すると、ダブルレーザーパルスは不可能である。
図12B(ii)は、2つの非偏光ビームスプリッタ1212bおよび1212cを備える光学装置1212を示す。図12B(ii)は、第1のビームスプリッタ1212bに対して180°回転した第2のビームスプリッタ1212cを追加することにより、構成(i)を改善している。第1のビームスプリッタ1212aは、単一のレーザーパルスを第1および第2のレーザーパルスに分割する。第1のレーザーパルスは、第2のビームスプリッタ1212cに向かって真っ直ぐ通過し、第1のレーザーパルスは、第2のビームスプリッタ1212cも真っ直ぐ通過する。したがって、第1のレーザーパルスは、サンプルの方向に進む。第2のレーザーパルス(すなわち、遅延パルス)は、マルチパスセル1200に入り、セルを1回以上トラバースし、出射光1208の方向に沿って出てきた後、第2のビームスプリッタ1212cに誘導される。第2のレーザーパルスの50%は、第2のビームスプリッタ1212cを真っ直ぐ通過し、第2のレーザーパルスの50%は、サンプルに向けられる。このようにして、レーザー光源への後方反射が回避され、元のレーザーエネルギーの75%が、サンプルに到達し、元のレーザーパルスエネルギーの25%が、第1のレーザーパルスに対して時間的遅延を有する第2のレーザーパルスである。レーザーエネルギーの25%が失われるため、これは、最適なシナリオではない。
図12B(iii)は、2つの偏光ビームスプリッタ1212dおよび1212eを備える光学装置1212を示す。第1のビームスプリッタ1212eは、その偏光に従ってパルスを分割する。したがって、円偏光光がビームスプリッタ1212eに当たると、水平成分と垂直成分とが分離される。元のパルスが円偏光されるので、各成分は、パルスエネルギーの50%に対応する。したがって、パルスの50%が、サンプルに向かって透過され、50%が、マルチパスセル1200へ反射される。図(i)と同じシナリオを避けるために、第2の偏光ビームスプリッタ1212e(第1の偏光ビームスプリッタ1212dに対して180°回転している)が、2つのパルスにサンプルを目標とさせる。このシナリオの利点は、入射レーザー光の100%が保存され、図12B(ii)と比較して向上した効率をもたらすことである。
したがって、一般的に言えば、本開示は、光学装置が、第2のレーザーパルスをマルチパスセル内に向けるように構成されている実施形態を提供する。光学装置は、好ましくは、(例えば、単一パルスを2つに分割することによって)単一のレーザーパルスから第1および第2のレーザーパルスを生成するように構成される。本開示は、時間的遅延を伴う第1および第2のレーザーパルスを生成するための装置を提供し、時間的遅延の程度は、使用されるマルチパスセルの特性(例えば、光路長)に依存し、それによって制御可能である。本開示の光学装置は、1つまたは複数の非偏光ビームスプリッタを備え得る。追加的または代替的に、光学装置は、1つまたは複数の偏光ビームスプリッタを備え得る。光は、使用されるビームスプリッタの組み合わせに応じて、偏光されるか、または偏光されなくてもよい。そのような装置は、レーザー光と光空洞との間の特に厳密な整列を必要としない点で、有利である。さらに、そのような装置は、効率的かつ効果的に製造され得る。
代替的に、一般的に言えば、光学装置は、単一のレーザーパルスを分割することによって第1および第2のレーザーパルスを生成するための光分割デバイスを備え得る。この分割は、機械的に実行され得る。光分割デバイスは、マルチパスセルに取り付けられるか、またはそれと一体であり得る。例えば、光分割デバイスは、マルチパスセルの外面上にあり得る。マルチパスセルは、光空洞を画定する第1および第2の反射器装置を備え得、光分割デバイスは、第1および第2の反射器装置のうちの一方の外面上にあり得る。
光分割デバイスは、レーザーパルスの少なくとも一部分が通過し得るアパーチャを有する反射面を備え得る。光分割デバイスの反射面は、実質的に平面であり得る。プリズムが、第1の反射器装置に使用される場合、反射面を背面に取り付けることが簡単であり、本明細書に開示される有利なデバイスの容易な製造を促進する。光分割デバイスのアパーチャは、反射面の中心に、または実質的に中心に(例えば、縁よりも中心に近く)位置付けられ得る。反射面の中心は、アパーチャと一致し得る。したがって、プリズムが使用される場合、分割デバイスは、光の半分が、プリズムの間のスリットを通ってセルに入ることを可能にする一方で、光の残りの半分をセルから離れる方向にそらす。光分割デバイスのアパーチャは、好ましくは円形である。円形のアパーチャは、後続のレーザーパルスが、高度な空間コヒーレンスを示すことを可能にする。光分割デバイスのアパーチャは、好ましくは、マルチパスセルのアパーチャ(例えば、光がセルに入ることを可能にするアパーチャ)と整列される。
したがって、一般的に言えば、光学装置は、好ましくは、単一のレーザーパルスの一部分が、光分割デバイスのアパーチャを通過してマルチパスセルに入り、それにより、第2のレーザーパルスを生成し、かつ単一のレーザーパルスの一部分が、光分割デバイスの反射面によって反射され、それにより、第1のレーザーパルスを生成するように、単一のレーザーパルスを光分割デバイスのアパーチャに向けるように構成される。これにより、光が反射面から反射するとき、または光がアパーチャを通過するときに、最小限のエネルギーが失われるため、光のエネルギーの大部分が、保存され得る。したがって、そのような装置は、非常に効率的である。さらに、2つのパルスが生成され、パルス間の時間的遅延(調整可能であり得る)が、セルに入るパルスに容易に適用され得る。光学装置は、光の半分がアパーチャを通過するように、単一のレーザーパルスをアパーチャの縁に向けるように構成され得る。
図13には、前述の原理に従って動作するダブルパルスレーザー誘起ブレークダウン分光システムが示されている。図13のLIBSシステムは、図11A~11Dに示されているものなどのダブルパルスレーザーシステムを使用する。図13のシステムは、セル1300を備え、セル1300は、前述のいずれかのセルであり得、空洞1315を画定する、2つのプリズム1305Aおよび1305Bを備える第1の反射器装置1305と、球面ミラー1307とを備える。
システムは、単一のレーザーパルス1314を放出することができるレーザー源1310を備える。システムはまた、光をセル1300に、次いで、セル1300からサンプル1316に導くためのいくつかの光学要素1312b~dを備える光学装置1312を備える。光学装置はまた、セル1300の第1の反射器装置1305上にアパーチャを有する反射面である光分割デバイス1312aによって、単一のレーザーパルス1314から第1および第2のレーザーパルスを生成するように構成される。光分割デバイス1312aは、セル1300の第1の反射器装置1305と一体的に形成されている。光学装置1312はまた、セル1300からサンプル1316にレーザーパルスを誘導および集束するための回転可能なミラー1312cおよびレンズ1312dを備える。
図13において、レーザーパルス1314がレーザー源1310によって放出されると、レーザーパルス1314は、光学装置のミラー1312bによって、セル1300に導かれることが分かる。前述のように、単一パルス1314の一部は、光分割デバイス1312aによって反射されて第1のレーザーパルスを形成し、単一パルス1314の一部は、セル1300の空洞1315に入り、第1のパルスに対して遅延され、それにより、第2のレーザーパルスを形成する。
第1および第2のパルスが、それぞれ、分割デバイス1312aから反射される、およびセル1300から出てくると、それらのパルスは、光学装置のさらなるミラー1312bによって、回転可能なミラー1312cに導かれ、回転可能なミラー1312cは、パルスがレンズ1312dに向けられるように、パルスの方向を微調整し得る。次に、パルスがサンプル1316上の点に衝突するように、レンズ1312dが、パルスを集束させる。
第1のレーザーパルスが、サンプル1316に衝突して、サンプル1316の表面からプラズマ1317を生成し、次いで、第2のレーザーパルスが、プラズマ1317に衝突してその温度を上昇させ、さらに表面に衝突して、さらなるプラズマを生成する。このようにして、第1および第2のパルスが、プラズマ1317の生成、およびそれに続くプラズマ1317からのプラズマ光1318の放出を引き起こす。プラズマ光は、サンプルの近くに位置付けられているミラー1312eによって反射される。ミラー1312eは、発光の分析のために、プラズマ光を検出器(例えば、分光器)1319に導く。ミラー1317は、光学装置1312の一部であると見なされ得るか、または別個の光学装置であり得る。
図13に示される具体例では、ミラー1312cは、(例えば、サンプルの表面マッピングを可能にするために、例えば、表面全体でレーザーパルスの位置を二次元でスキャンすることを可能にする電動二軸ガルボシステムの)ガルボミラーであり、レンズ1312dは、fシータレンズである。しかしながら、他のタイプの調整可能なミラーおよび集束要素が、使用されてもよい。さらに、任意の数のミラーおよび/またはレンズが、光学装置1312内で使用され得、追加のプラズマミラー1312eが、(例えば、プラズマから放出された光1318を、検出器1319とは異なるタイプであり得る1つ以上のさらなる検出器に向けるために)使用され得る。さらに、光学装置1312の光分割デバイス1312aは、図12Bに示される装置などのビームスプリッタ装置によって置き換えられてもよい。
したがって、本開示は、一般的に言えば、第1および第2のレーザーパルスをサンプルに衝突させることによってサンプルを分析するためのダブルパルスレーザー誘起ブレークダウン分光計であって、該分光計が、第1および第2のレーザーパルスを生成するための前述のダブルパルスレーザーシステムのいずれかと、サンプルによって放出された光を検出するための検出器とを備える、ダブルパルスレーザー誘起ブレークダウン分光計、を提供することが分かる。
前述のように、光が、本開示のマルチパスセルに入る角度を使用して、光が、セルの反射器装置をトラバースする回数、したがって光路長を制御することができる。したがって、説明された実施形態では、光源は、(例えば、回転可能であることによって、または回転可能に装着されることによって)光がセルに入る方向を変えることが可能であり得る。代替的に、セルに入る光の角度を変化させることが可能なように、さらなる光学要素(例えば、調整可能なミラー)が、提供されてもよい。光学装置は、第1および第2のレーザーパルスを同一直線上の経路に沿ってサンプルに導くように構成され得る。検出器は、分光器、フォトダイオード、電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化物半導体(CMOS)カメラ、強化電荷結合素子(ICCD)、電子増倍CCD、または1つ以上のマイクロチャネルプレート検出器など、任意のタイプの検出器であり得る。
したがって、一般的に言えば、本開示のシステムは、前述のマルチパスセルのいずれかを備え得、光学装置は、光がマルチパスセル内に向けられる角度が、調整可能であるように構成される。この角度は、マルチパスセルによって画定される軸(例えば、第1および第2の反射器装置の中心の間に延びる軸などの長手方向軸)に対して定義され得る。光がマルチパスセル内に向けられる方向と、マルチパスセルによって画定される軸との間の角度は、0°~20°、1°~15°、または2°~10°であり得る。セルのアパーチャが、セルによって画定される軸に垂直である場合、光がセルに入る角度は、そのような場合にはアパーチャの法線は、セルの長手方向軸に平行であろうため、代わりに、アパーチャの法線に対して表現され得る。
調整可能な角度を提供することにより、安定した構成およびそのような安定性に関連付けられる利点を維持しながら、光路長を制御することが可能になる。そのような光学装置は、検出器または光源とは独立して提供され得る。言い換えれば、本開示の光学装置およびマルチパスセルは、任意の検出器および/または光源と共に使用するために、一緒に提供され得る。光学要素は、マルチパスセルに取り付けられる(例えば、セルの外側に取り付けられる)か、またはセルハウジングと一体的に形成され得る。
前述のLIBSシステム内でダブルレーザーパルスを生成するためのシステムは、複数のレーザーパルスが必要なシナリオで使用され得る。したがって、本開示はまた、第1および第2のレーザーパルスを生成するためのダブルパルスレーザーシステムを提供し、このシステムは、第1のレーザーパルスに対して第2のレーザーパルスを遅延させるように構成された、本明細書に記載のマルチパスセルのいずれかを備える。光学装置は、単一のレーザーパルスから第1および第2のレーザーパルスを生成することと、第1のレーザーパルスに対して第2のレーザーパルスを遅延させるために、第2のレーザーパルスをマルチパスセル内に向けることとを行うように構成され得る。光学装置は、(例えば、アパーチャを有する反射面を使用して)単一のレーザーパルスを分割することによって第1および第2のレーザーパルスを生成するための光分割デバイス、および/または第1および第2のレーザーパルスを生成するための1つまたは複数の非偏光ビームスプリッタ、および/または第1および第2のレーザーパルスを生成するための1つまたは複数の偏光ビームスプリッタを含む、第1および第2のレーザーパルスを生成するための前述の機構のいずれかを備え得る。
本開示のマルチパスセルは、レーザー加工にも使用され得る。例えば、マルチパスセルが、マルチパスレーザープリアンプとして使用され得ることを示すことができる。そのようなレーザープリアンプが、図14に示されている。利得媒体は、各々が、典型的には1~10ナノ秒のポンピングパルス持続時間を有する一連のパルスによって励起される。利得媒体は、典型的には、ガラスおよびレーザー結晶である。ポンピングの間、エネルギーは、マイクロ秒またはミリ秒の間、そのような利得媒体内に保存され、その後、非常に短い時間(フェムト秒~ナノ秒程度)内に放出される。
レーザープリアンプは、光源1410を備え、光源1410は、光を経路1401に沿って、前述のマルチパスセルのいずれかであり得るマルチパスセル1400に向ける。光は、セル1400をトラバースし、経路1408に沿って出てくる。光の増幅を得るために、フェムト秒レジームでゲインジェットを使用して、光パルスを増幅することが可能である。例えば、マルチパスセルを使用して、光源1410からの光が、利得媒体を繰り返し通過することを確実にすることができる。増幅される1つ以上の光パルスは、光源1410からセル内に(任選択で、前述の光学装置を介して)導かれる。利得媒体は、光のパルスによって励起され得る。増幅の全体の程度は、セル1400内の総パス数に依存し得るので、本開示のセルは、多数のパスで示される驚くほど高い安定性のために、そのようなシナリオにおいて特に有利であり得る。そのような用途では、利得媒体がセルのプリズムの近く(例えば、第1の反射器装置がアパーチャを備える場合、プリズム間のスリットの近く)に保持されることを確実にすることが、ビームパスの密度がこの領域で最も高いので、有利であり得る。
したがって、一般的に言えば、本開示はまた、レーザー用プリアンプであって、本明細書に記載のマルチパスセルのいずれかを備え、マルチパスセルが、利得媒体を収容するように構成され、かつマルチパスセルが、光を増幅するために、利得媒体を通して光を導くように構成されている、レーザー用プリアンプ、も提供する。プリアンプを備えるレーザーも、提供される。本明細書に記載のセルは、その安定性により、長い経路長を提供し得るため、レーザー加工での使用に効果的である。
本開示は、本明細書に記載のシステム、デバイス、マルチパスセル、および光学装置を製造するための方法も提供する。例えば、マルチパスセルを製造するための方法は、第1の反射器装置と、第2の反射器装置とを提供することを含み得、第1の反射器装置は、第1の反射器装置に入射する光が、少なくとも部分的に第2の反射器装置に向かって再帰反射されるように構成される。製造方法は、本明細書に記載のマルチパスセルの特徴(例えば、任意の構造的特徴)のいずれかを提供することをさらに含み得る。システムおよびデバイスを製造するための方法は、本明細書に記載の任意の構造的特徴を提供することを含み得る。
前述の利点を保持しながら、多くの変形が、上記の装置および方法に対して行われ得ることが理解されよう。例えば、上記の実施形態は、再帰反射面または部分的再帰反射面を提供するという文脈で、主に平面反射面を参照して説明されてきたが、再帰反射性を示す任意の材料が使用され得ることが理解されよう。さらに、本開示における任意の反射面は、完全に反射性であるか、または部分的に反射性であり得る。
本開示は、一般的なレーザーを参照して説明されており、任意のレーザーが、本明細書に記載のシステムおよびセルと共に使用されることが理解されよう。例えば、調整可能なダイオードレーザーが好ましいが、任意の固体、気体、液体、化学、金属蒸気、染料、または半導体レーザーが、使用されてもよい。他の好ましい例としては、Nd:YAGレーザー、CO2レーザー、エキシマレーザー、およびルビーレーザーが挙げられる。
本開示は、特定のタイプのデバイスおよび用途を参照して説明されてきたが、本明細書で論じられるように、本開示は、そのような場合に特定の利点を提供する一方で、本開示は、他のタイプのデバイスおよび用途に適用され得ることも理解されよう。例えば、本開示のマルチパスセルは、光の光路長の正確な制御が必要とされる任意のシナリオで使用され得る。
本明細書に開示される各特徴は、別段の指定のない限り、同一、同等または類似の目的を果たす代替の特徴と置き換えられてもよい。したがって、別段の指定のない限り、開示される各特徴は、一般的な一連の同等または類似の特徴の単なる一例である。
特許請求の範囲内を含む、本明細書において使用される場合、文脈が別様に示さない限り、本明細書における用語の単数形は、複数形を含むものとして解釈され、文脈により可能な場合、その逆も同様である。例えば、文脈が別様に示さない限り、(レーザーパルス(a laser pulse)または反射器(a reflector)などの)「a」または「an」などの、特許請求の範囲を含む本明細書における単数形の言及は、「1つ以上」を意味する(例えば、1つ以上のレーザーパルス、または1つ以上の反射器)。本開示の明細書および特許請求の範囲を通じて、「含む(comprise)」、「含む」(including)、「有する(having)」、および「含む(contain)」などの語、ならびに、語の変形、例えば、「含んでいる(comprising)」および「含む(comprises)」または同様のものは、「~を含むが、これに限定されない」ことを意味し、他の構成を排除することを意図したものではない。
本明細書において提供されるありとあらゆる例、または例示的な文言(「例えば(for instance)」、「~など(such as)」、「例えば(for example)」、および同様の文言)の使用は、単に、発明をより良く例示することを意図され、特に特許請求されない限り、本開示の範囲への限定を示すものではない。本明細書におけるいずれの文言も、本開示の実施に不可欠なものとして主張されていないいかなる要素をも示すものとして解釈されるべきではない。
本明細書に記載された任意のステップは、異なるように記載されていない限り、または文脈により別の意味が必要とされない限り、任意の順序で、または同時に実行され得る。さらに、あるステップがあるステップの後に実行されると説明されている場合、これは、介在ステップが実行されていることを排除するものではない。例えば、レーザーパルスが、第1の表面から第2の表面に反射されると記載される場合、これは、レーザーパルスが、第2の表面に到達する前に追加の表面によって反射されることを排除しない。
本明細書で開示される態様および/または特徴の全ては、そのような特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。特に、本開示の好ましい特徴は、本開示の全ての態様および実施形態に適用可能であり、任意の組み合わせで使用され得る。同様に、必須ではない組み合わせで記述された特徴は、(組み合わせてではなく)別々に使用されてもよい。

Claims (28)

  1. マルチパスセルであって、
    第1の反射器装置と、
    第2の反射器装置と、を備え、前記第1および第2の反射器装置が、それらの間の光空洞および前記セルを画定し、
    前記第1の反射器装置は、前記第1の反射器装置に入射する光が、少なくとも部分的に前記第2の反射器装置に向かって再帰反射されるように構成され、前記第2の反射器装置が、反射性である凹面を備え、前記第1の反射器装置は、光が前記光空洞に入る、および前記光空洞を出ることを可能にするためのアパーチャを備える、マルチパスセル。
  2. 前記第1の反射器装置が、反射性である第1および第2の表面を備え、前記第1の表面は、前記第2の表面に対して実質的に垂直である、請求項1に記載のマルチパスセル。
  3. 前記第1の反射器装置に入射する光が、前記第1の表面から前記第2の表面に、かつ前記第2の反射器装置に反射されるように、前記第1の反射器装置が構成されている、請求項2に記載のマルチパスセル。
  4. 前記第1および第2の表面が、実質的に平面である、請求項2または3に記載のマルチパスセル。
  5. 前記第1および第2の表面の前記平面が、共通軸を画定し、
    前記第1の反射器装置が、前記共通軸に垂直に入射する光に対して再帰反射性である、請求項に記載のマルチパスセル。
  6. 前記第1の反射器装置が、第1および第2のプリズムを備え、前記第1および第2の表面が、それぞれ前記第1および第2のプリズムの面であり、好ましくは、前記プリズムの断面が、直角二等辺三角形である、請求項2~5のいずれか一項に記載のマルチパスセル。
  7. 前記第1の反射器装置が、前記第1の表面が前記第2の表面に対して実質的に垂直であるように、前記第1および第2のプリズムを装着するように構成された装着構造を備える、請求項に記載のマルチパスセル。
  8. 前記第1の反射器装置が、反射性である第3の表面を備え、前記第1、第2、および第3の表面が、実質的に相互に垂直である、請求項2~7のいずれか一項に記載のマルチパスセル。
  9. 前記第2の反射器装置に入射する光が、前記第1の反射器装置に向かって反射されるように、前記第2の反射器装置が構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のマルチパスセル。
  10. 前記第2の反射器装置に入射する光が、前記第1の反射器装置に向かって集束されるように、前記第2の反射器装置が構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のマルチパスセル。
  11. 前記凹面が、楕円面、回転楕円面、または球面である、請求項1~10のいずれか一項に記載のマルチパスセル。
  12. 前記第1および/または第2の反射器装置の前記アパーチャのサイズが、調整可能である、請求項1~11のいずれか一項に記載のマルチパスセル。
  13. 前記第1の反射器装置が、第1および第2のプリズムを備え、前記第1および第2のプリズムの縁間のスリットが、前記第1の反射器装置のアパーチャを画定する、請求項1~12のいずれか一項に記載のマルチパスセル。
  14. 前記第1の反射器装置が、第1、第2、および第3の表面を備え、前記第1の表面と、前記第2の表面と、前記第3の表面は、実質的に互いに垂直であり、前記アパーチャが、前記第1、第2、および第3の表面のコーナーにある、請求項1~13のいずれか一項に記載のマルチパスセル。
  15. 前記アパーチャが、前記第2の反射器装置内にある、請求項1~14のいずれか一項に記載のマルチパスセル。
  16. ガス状サンプルを収容するためのハウジングをさらに備え、前記第1および第2の反射器装置が、前記ハウジング内にある、請求項1~15のいずれか一項に記載のマルチパスセル。
  17. 前記ハウジングが、光が前記マルチパスセルに入ることを可能にするための光学窓を備える、請求項16に記載のマルチパスセル。
  18. ガス状サンプル用の入口および/または出口をさらに備える、請求項1~17のいずれか一項に記載のマルチパスセル。
  19. 前記第1の反射器装置と前記第2の反射器装置との間の分離が、調整可能である、請求項1~18のいずれか一項に記載のマルチパスセル。
  20. 光によってトラバースされる光路長が調整可能であるように、前記マルチパスセルが構成されている、請求項1~19のいずれか一項に記載のマルチパスセル。
  21. システムであって、
    請求項1~20のいずれか一項に記載のマルチパスセルと、
    光を前記マルチパスセル内に向けるように構成された光学装置と、を備える、システム。
  22. 光が前記マルチパスセルに向けられる角度が調整可能であるように、前記光学装置が構成されている、請求項21に記載のシステム。
  23. 前記マルチパスセルが、長手方向軸を有し、前記光学装置が、レーザーパルスを
    0°~20°、
    1°~15°、または
    2°~10°の前記長手方向軸に対する角度で前記マルチパスセル内に向けるように構成されている、請求項22に記載のシステム。
  24. 前記光学装置が、光をある角度で前記マルチパスセル内に向けて、前記光を前記第1の反射器装置と前記第2の反射器装置との間で複数回反射されて往復させるように構成されている、請求項21~23いずれか一項に記載のシステム。
  25. 光を前記光学装置に向けるように構成された光源をさらに備える、請求項21~24のいずれか一項に記載のシステム。
  26. 前記マルチパスセルからの光を検出するように構成された検出器をさらに備える、請求項21~25のいずれか一項に記載のシステム。
  27. 前記光学装置が、光を前記マルチパスセルから前記検出器に向けるようにさらに構成されている、請求項26に記載のシステム。
  28. 請求項1~20のいずれか一項に記載のマルチパスセル、または請求項21~27のいずれか一項に記載のシステムを備える吸収分光計。
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