JP7485237B2 - ガス分析計および多重反射セル - Google Patents

ガス分析計および多重反射セル Download PDF

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Description

本発明は、ガス分析計および多重反射セルに関する。
従来、試料セルとして多重反射セルを備えるガス分析計が知られている(例えば、特許文献1参照)。また紫外線(波長範囲:200nm~400nm)領域の光を用いたガス分析計が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1 特開平9-49793号公報
特許文献2 特開平11-374106号公報
解決しようとする課題
ガス分析計において、多重反射セルを小型化することが好ましい。
一般的開示
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、サンプルガスに含まれる測定対象成分の濃度を測定するガス分析計を提供する。ガス分析計は、入射窓を備えてよい。入射窓は、光が入射されてよい。ガス分析計は、中央ミラーを備えてよい。ガス分析計は、2つ以上の反射ミラーを備えてよい。反射ミラーは、中央ミラーと向かい合って配置されてよい。ガス分析計は、折り返しミラーを備えてよい。折り返しミラーは、中央ミラーに対して、入射窓と逆側に配置されてよい。ガス分析計は、出射窓を備えてよい。出射窓は、中央ミラーに対して、入射窓と同じ側に配置されてよい。折り返しミラーは、入射窓に入射された光を出射窓に戻るように折り返してよい。
入射窓と出射窓は、共通の部材であってよい。
折り返しミラーは、反射ミラーから当該反射ミラーの曲率半径の85%以上115%以下離れた範囲に設けられてよい。
折り返しミラーは、中央ミラーより反射ミラーと離れて配置されていてよい。
入射窓の出射面の中央点を中央ミラーの鏡面の中心線を基準として線対称に配置した点を基準点とし、中心線と平行で基準点を通る線を基準線とした場合、基準線より入射窓と逆側の折り返しミラーの鏡面の長さは、基準線より入射窓側の折り返しミラーの鏡面の長さより大きくてよい。
折り返しミラーは、凹面鏡であってよい。
折り返しミラーの曲率半径は、反射ミラーまたは中央ミラーの曲率半径と同じであってよい。折り返しミラーの曲率半径は、反射ミラーまたは中央ミラーの曲率半径と異なってよい。
折り返しミラーの反射特性は、反射ミラーまたは中央ミラーの反射特性と異なってよい。
ガス分析計は、光学フィルタを備えてよい。光学フィルタは、折り返しミラーと、反射ミラーの間に配置され、折り返しミラーの反射特性を変更してよい。
反射ミラーの反射特性は、中央ミラーの反射特性と異なってよい。
ガス分析計は、ファイバを備えてよい。ファイバは、入射窓に光を入射してよい。入射窓は、ファイバが出射した光に対して角度を有して配置されてよい。入射窓は、ファイバが出射した光に対して70°以上75°以下の角度を有するように配置されてよい。
ファイバは、光を出射する出射面および光を受光する受光面を有してよい。
ファイバは、光が通過する複数の経路を有してよい。ファイバは、測定対象成分の濃度に応じて、複数の経路のうち、ファイバから出射する光が通過する経路の本数と、ファイバに入射した光が通過する経路の本数とを制御してよい。
ファイバの出射面と反射ミラーの距離は、反射ミラーの曲率半径に対して予め定められたデフォーカス距離ずれて配置されてよい。デフォーカス距離は、ファイバの受光面の幅以下であってよい。
本発明の第2の態様においては、入射される光を多重反射して出射する多重反射セルを提供する。多重反射セルは、入射窓を有してよい。入射窓は、光が入射されてよい。多重反射セルは、中央ミラーを有してよい。多重反射セルは、2つ以上の反射ミラーを有してよい。反射ミラーは、中央ミラーと向かい合って配置されてよい。多重反射セルは、折り返しミラーを有してよい。折り返しミラーは、中央ミラーに対して、入射窓と逆側に配置されてよい。多重反射セルは、出射窓を有してよい。出射窓は、中央ミラーに対して、入射窓と同じ側に配置されてよい。折り返しミラーは、入射窓に入射された光を出射窓に戻るように折り返してよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
比較例に係るガス分析計100の一例を示す図である。 比較例に係る多重反射セル13の一例を示す図である。 比較例に係る多重反射セル13において成立する光学関係式を説明する図である。 実施例に係るガス分析計200の一例を示す図である。 実施例に係る多重反射セル113の一例を示す図である。 ファイバ52と反射ミラー47の位置関係を示す図である。 第1部分54における受光面85および出射面86の配置の一例を示す図である。 ファイバ52を詳細に説明する図である。 第2部分56における受光面87の配置の一例を示す図である。 第3部分58における出射面88の配置の一例を示す図である。 ファイバ52と窓49の位置関係を示す図である。 折り返しミラー42と反射ミラー48の位置関係を示す図である。 実施例に係る多重反射セル113の他の例を示す図である。 折り返しミラー42の反射特性の一例を示す図である。 実施例に係る多重反射セル113の他の例を示す図である。 折り返しミラー42の反射特性の他の例を示す図である。 実施例に係るガス分析計300の一例を示す図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
本明細書では、X軸、Y軸およびZ軸の直交座標軸を用いて技術的事項を説明する場合がある。直交座標軸は、構成要素の相対位置を特定するに過ぎず、特定の方向を限定するものではない。例えば、Z軸は地面に対する高さ方向を限定して示すものではない。なお、+Z軸方向と-Z軸方向とは互いに逆向きの方向である。正負を記載せず、Z軸方向と記載した場合、+Z軸および-Z軸に平行な方向を意味する。
図1は、比較例に係るガス分析計100の一例を示す図である。ガス分析計100は、煙道10、ガス吸入管11、ガス排出管12、多重反射セル13、ガスフィルタ14、予熱器15、予熱温度調節器16、ポンプ17、ヒータ18、セル温度調節器19、光源部20、分光器22、検出素子26、演算装置27および通信線51を備える。ガス分析計100は、サンプルガス30に含まれる測定対象成分の濃度を測定する。本例において、ガス分析計100は、光源部20の変動を除去できる差分吸光光度法(DOAS)により、測定対象成分の濃度を測定する。差分吸光光度法を用いることにより、吸光スペクトルの細かな変動成分のみで測定対象成分の濃度を測定でき、安定した測定が可能である。
サンプルガス30は、測定対象成分が含まれるガス試料である。本例において、サンプルガス30は、煙道10中を流れる排気ガスである。測定対象成分は、ガス分析計100の測定の対象であり、例えば、NO、NOである。測定対象成分は、SO、SO3、SO、NO、NHまたはNOであってもよい。
煙道10は、ガス吸入管11およびガス排出管12と接続する。また、多重反射セル13は、ガス吸入管11およびガス排出管12と接続する。ガス吸入管11は、煙道10からサンプルガス30を多重反射セル13に導入する。多重反射セル13においてサンプルガス30の濃度を測定した後、ガス排出管12は、多重反射セル13からサンプルガス30を煙道10に排出する。
ガス吸入管11は、サンプルガス30中のダストを除去するガスフィルタ14と接続してよい。ガス吸入管11は、サンプルガス30を予熱する予熱器15と接続してよい。予熱器15は、予熱温度調節器16によって温度が調整されてよい。ガス排出管12は、ポンプ17と接続してよい。ガス排出管12をポンプ17と接続することによって、ガス吸入管11を介して多重反射セル13にサンプルガス30を導入し、また多重反射セル13からサンプルガス30を煙道10に排出することができる。
光源部20は、光43を出射する。本例において、光源部20は、測定対象成分の吸収波長を含む光43を出射する。光源部20は、一例として、発光時間を極短時間に制御できるフラッシュランプである。光源部20は、Xeフラッシュランプであってよい。光源部20としてXeフラッシュランプを用いることで、安定して光43を出射することができる。本例の光源部20は、一定の発光周期で発光することが好ましい。本例において、光43は、紫外線(波長範囲:200nm~400nm)領域の光である。
多重反射セル13は、サンプルガス30を封止する。サンプルガス30に含まれる測定対象成分の濃度を分析する場合、ガス吸入管11を介して、サンプルガス30を多重反射セル13に導入してよい。また分析終了後、ガス排出管12を介して、サンプルガス30を多重反射セル13から排出してよい。多重反射セル13に入射された光43は、多重反射セル13の内部で反射を繰り返し、多重反射セル13の外部に射出される。多重反射セル13は、入射される光43を多重反射して出射する。多重反射セル13の詳細は、後述する。
多重反射セル13には、サンプルガス30の温度を所定の温度に保つためヒータ18が設けられてもよい。多重反射セル13は、ヒータ18と接していてもよい。ヒータ18は、セル温度調節器19によって制御されてよい。
分光器22は、紫外線中の所定の範囲の波長の光43を分光する。所定の範囲とは、例えば、200nm以上500nm以下の波長範囲である。波長範囲は、これらに限定されない。分光器22は、分光した光43を検出素子26に入射する。分光器22は、光43を複数の波長帯域に分光してもよい。この場合、検出素子26は、光43の強度を波長帯域毎に取得できる。
検出素子26は、多重反射セル13を通過した光43の放射スペクトルを取得する。検出素子26は、波長ごとに光43の放射スペクトルの強度を取得する。検出素子26は、一例として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconcuctor)ラインセンサである。検出素子26が取得した光43の放射スペクトルは、受光信号として演算装置27に送信される。
演算装置27は、検出素子26の受光信号を処理する。演算装置27は、検出素子26の受光信号に基づいて、サンプルガス30の測定対象成分の濃度を測定する。演算装置27は、測定対象成分の吸収波長における光43の強度の変化(すなわち、光源部20が出射した光43の強度に対する、多重反射セル13を通過した光43の強度の変化)を取得することにより、測定対象成分の濃度を測定してよい。本例において演算装置27は検出素子26と通信線51を介して有線接続しているが、無線接続であってもよい。
図2は、比較例に係る多重反射セル13の一例を示す図である。多重反射セル13は、入射窓44、出射窓45、中央ミラー46、反射ミラー47および反射ミラー48を有する。なお説明のため図2において、多重反射セル13の長手方向をX軸方向、多重反射セル13の短手方向をY軸方向とする。
入射窓44は、多重反射セル13に光43を導入する窓である。入射窓44は、ガラス等で形成されてよい。入射窓44は、入射面71および出射面72を有する。光源部20は、光43を入射窓44の入射面71に出射する。入射窓44は、入射窓44の出射面72から光43を反射ミラー47に出射する。
出射窓45は、多重反射セル13から光43を出射する窓である。出射窓45は、ガラス等で形成されてよい。出射窓45は、入射面73および出射面74を有する。反射ミラー48は、光43を出射窓45の入射面73に出射する。出射窓45は、出射窓45の出射面74から光43を分光器22に出射する。
多重反射セル13には、光43を多重反射するためにミラーが設けられている。多重反射セル13には、複数のミラーが設けられてよい。本例では、多重反射セル13は、中央ミラー46および複数の反射ミラー(反射ミラー47、反射ミラー48)を有する。
中央ミラー46は、反射ミラー47および反射ミラー48と向かい合って配置される。向かい合って配置されるとは、中央ミラー46の鏡面75が反射ミラーの鏡面と向かい合って配置されることであってよい。ミラーの鏡面とは、光43が反射される面である。向かい合って配置されるとは、中央ミラー46の鏡面75の少なくとも一部と反射ミラーの鏡面の少なくとも一部が向かい合っていることであってよい。なお中央ミラー46は、一部の面のみが鏡面であってよく、全ての面が鏡面であってもよい。中央ミラー46は、入射窓44および出射窓45と向かい合わず配置されてよい。中央ミラー46の鏡面75は、入射窓44の出射面および出射窓45の入射面と向かい合わず配置されてよい。中央ミラー46は、Y軸方向において入射窓44と出射窓45に挟まれて配置されてよい。中央ミラー46、入射窓44および出射窓45は、Y軸方向に並んで配置されてよい。
反射ミラー47は、中央ミラー46と向かい合って配置される。反射ミラー47の鏡面76は、中央ミラー46の鏡面75と向かい合って配置されてよい。反射ミラー47は、入射窓44と向かい合って配置される。反射ミラー47の鏡面76は、入射窓44の出射面72と向かいあって配置されてよい。なお反射ミラー47は、一部の面のみが鏡面であってよく、全ての面が鏡面であってもよい。反射ミラー47は、中央ミラー46に対して、X軸方向正側に設けられてよい。
反射ミラー48は、中央ミラー46と向かい合って配置される。反射ミラー48の鏡面77は、中央ミラー46の鏡面75と向かい合って配置されてよい。反射ミラー48は、出射窓45と向かい合って配置される。反射ミラー48の鏡面77は、出射窓45の入射面73と向かいあって配置されてよい。なお反射ミラー48は、一部の面のみが鏡面であってよく、全ての面が鏡面であってもよい。反射ミラー48は、中央ミラー46に対して、X軸方向正側に設けられてよい。
中央ミラー46、反射ミラー47および反射ミラー48は、それぞれ凹面鏡であってよい。つまり、中央ミラー46、反射ミラー47および反射ミラー48は、それぞれ曲率半径を有する。中央ミラー46、反射ミラー47および反射ミラー48は、同一の曲率半径を有していてよい。ミラーの曲率半径とは、鏡面の曲率半径であってよい。中央ミラー46、反射ミラー47および反射ミラー48が同一の曲率半径を有することにより、光43を多重反射させることができる。つまり多重反射セル13は、ホワイトセルであってよい。ホワイトセルを使用することにより、光路長を大きくすることができ、測定対象成分が微量であっても精度良く濃度を測定することができる。
光43の結像について順に説明する。反射ミラー47は、入射窓44の像を直接中央ミラー46上に結像する。次に中央ミラー46は、反射ミラー47上に結像した入射窓44の像を反射ミラー48上に結像する。そして反射ミラー48は、中央ミラー46上に結像した入射窓44の像を再度中央ミラー46上に結像させる。さらに中央ミラー46は、反射ミラー48上に結像した入射窓44の像を反射ミラー47上に結像する。次に反射ミラー47は、中央ミラー46上に結像された入射窓44の像を再度中央ミラー46上に結像する。同様の手順を繰り返し、反射ミラー48は、最後に中央ミラー46上に結像された入射窓44の像を出射窓45に結像する。図2の例では、中央ミラー46は、光43が7回反射されるように配置されている。また図2の例では、反射ミラー47および反射ミラー48のそれぞれは、光43が4回反射されるように配置されている。反射回数の例は、これらに限定されない。
図3は、比較例に係る多重反射セル13において成立する光学関係式を説明する図である。図3の寸法は、図2の寸法と必ずしも一致しない。なお説明のため図3において、多重反射セル13の長手方向をX軸方向、多重反射セル13の短手方向をY軸方向とする。図3において、中央ミラー46、反射ミラー47および反射ミラー48の曲率半径をRとする。
一般的に,曲率半径がRである凹面鏡の収差が無視しうる光軸付近に置かれた物体とその像の間には、幾何光学原理に基づく下記数1の結像公式が成立している。ここで、aを凹面鏡の中心から物点までの距離、bを凹面鏡の中心から像点までの距離、Rを凹面鏡の曲率半径、fを凹面鏡の焦点距離とする。凹面鏡の中心から物点までの距離aを凹面鏡の曲率半径Rと等しくすると、数1より凹面鏡の中心から像点までの距離bもRとなり、凹面鏡の光軸に関し物点と対称の位置に物点の像が結像されることとなる。
(数1)
1/a+1/b=2/R=1/f
多重反射セル13では、入射窓44は、向かい合って配置される反射ミラー47の鏡面76から反射ミラー47の曲率半径Rに等しい距離離れた位置に配置されるため、入射窓44の像は反射ミラー47から反射ミラー47の曲率半径Rに等しい距離離れた位置、つまり中央ミラー46の鏡面75上に結像する。ミラー間の距離とは、例えば、ミラーの鏡面の中心間の距離であってよい。そして、中央ミラー46の鏡面75上に結像された像は、反射ミラー48によって再度中央ミラー46の鏡面75上の反射ミラー48の配置によって定まる位置に結像される。同様の手順を繰り返し、入射窓44の像は、中央ミラー46の鏡面75上に複数結像される。中央ミラー46の鏡面75上に結像される複数の入射窓44の像は、反射ミラー47の曲率中心C31と反射ミラー48の曲率中心C32の配置間隔dに依存して配列される。また中央ミラー46の曲率中心を、C23とする。反射ミラーの曲率中心とは、反射ミラーの曲率円の中心である。中央ミラー46の鏡面75上に複数の入射窓44の像が結像された後、出射窓45から入射窓44の像が多重反射セル13の外部に射出される。この時光43のパス回数をn、ミラーの反射回数をn-1とすると、下記数2、数3が成り立つ。光43のパス回数とは、例えば、多重反射セル13のX軸方向における中心線Oを横切った回数であってよい。また必要光路長をL、中央ミラー46の中心と入射窓44の中心間の距離をhとする。
(数2)
R≒L/n
(数3)
h=nd/4
また中央ミラー46上には、入射窓44の像がn/2-1個、配置間隔d離れて配置される。入射窓44と出射窓45の配置間隔wは、下記の数4が成り立つ。
(数4)
w=nd/2
以上の関係式が成り立つので、パス回数nを4の倍数に設定し、出射窓45は中央ミラー46を挟んで入射窓44と対称の位置に配置すればよい。図2、図3では、パス回数nを16に設定しているので、入射窓44から射出された光43は、15回の反射を繰り返して、中央ミラー46に7個の像を結像する。その後光43は、出射窓45を介して多重反射セル13の外部に射出される。
以上のように、小型小寸法でデッドスペースの少ない小容積な構造であっても必要な光路長を確保することができることがホワイトセルの利点である。したがって、ホワイトセル形式である多重反射セル13を備えることで測定対象成分が微量であっても精度良く濃度を測定することができる。
しかし、本例において測定対象成分はNO、NOであり、紫外線領域の光の吸収は赤外線(波長範囲:5μm~8μm)領域の光の吸収より小さくなり、また低濃度の測定が求められるため、必要な光路長が長くなる傾向になる。赤外線領域の光を用いる場合、一般的な光路長は1mほどであるが、紫外線領域の光を用いる場合、2~5mの光路長が必要となる。従来の赤外線領域の光を用いるガス分析計と同等の筐体(19インチラックサイズ、内寸奥行約400mm)に収まる多重反射セル13を設計する場合、光路長5mでは数2よりn=5000/400となり、パス回数は12回または16回となる。配置間隔dは最低でも入射窓44の幅以上に設定する必要があるため、例えば光源部20に用いられる光学素子の直径を10mmとすると、数4より入射窓44と出射窓45の配置間隔wは、16×10/2=80mm(従来配置間隔とする)となる。したがって、多重反射セル13の大きさは概ね100mm×400mmとなる。ここで高さを従来の赤外線領域の光を用いるガス分析計と同等にした場合、容積は100mm×400mm×25mm=1000ml(従来容積とする)で1L程度となる。ガス分析計のサンプリング流量は1~2L毎分であり、ガス試料の置換に30秒~1分かかることになる。信号処理時間や内部のガス吸着などの影響を考慮すると、比較例ではガス分析の応答時間が60秒以上かかる可能性がある。そのため、応答時間を短くするために多重反射セル13を小型化することが好ましい。
図4は、実施例に係るガス分析計200の一例を示す図である。ガス分析計200は、ガス吸入管11、ガス排出管12、光源部20、分光器22、検出素子26、演算装置27、通信線51、ファイバ52および多重反射セル113を備える。図4において、図1と同一の符号は説明を省略する。なお図4において、ガス吸入管11の接続およびガス排出管12の接続を一部省略している。ガス吸入管11およびガス排出管12は、煙道と接続してよい。ガス分析計200は、ヒータやセル温度調節器を備えてもよい。
多重反射セル113は、サンプルガス30を封止する。サンプルガス30に含まれる測定対象成分の濃度を分析する場合、ガス吸入管11を介して、サンプルガス30を多重反射セル113に導入してよい。また分析終了後、ガス排出管12を介して、サンプルガス30を多重反射セル113から排出してよい。多重反射セル113に入射された光43は、反射を繰り返し、多重反射セル113の外部に射出される。本例において、多重反射セル113に入射された光43は、入射窓と同一の出射窓を介して多重反射セル113の外部に射出される。
ファイバ52は、光を分岐する手段である。ファイバ52は、受光面および出射面を有する。ファイバ52は、入射窓に光43-1を入射する。ファイバ52の出射面から出射された光43-1は、多重反射セル113の入射窓に入射される。多重反射セル113の出射窓から出射された光43-2は、ファイバ52の受光面で受光される。受光された光43は、分光器22において分光される。ファイバ52の代わりに、ビームスプリッタ等が配置されていてもよい。
図5は、実施例に係る多重反射セル113の一例を示す図である。多重反射セル113は、折り返しミラー42、中央ミラー46、反射ミラー47および反射ミラー48および窓49を有する。なお説明のため図5において、多重反射セル113の長手方向をX軸方向、多重反射セル113の短手方向をY軸方向とする。図5において、図2、図3と同一の符号は説明を省略する。図2において折り返しミラー42に到達する前の光43を光43-1とし、太い点線で示している。また折り返しミラー42に到達した後の光43を光43-2とし、太線で示している。本例において光43-1のパス回数および光43-2のパス回数を4とする。
窓49は、多重反射セル113に光43を導入する窓である。窓49は、ガラス等で形成されてよい。窓49は、面81および面82を有する。光源部20(ファイバ52)は、光43-1を窓49の面81に出射する。つまり、窓49に光が入射される。窓49は、窓49の面82から光43-1を反射ミラー47に出射する。また窓49は、多重反射セル113から光43を出射する窓である。反射ミラー47は、光43-2を窓49の面82に出射する。窓49は、窓49の面81から光43-2を分光器22(ファイバ52)に出射する。つまり、窓49は入射窓および出射窓として機能する。本例において、入射窓および出射窓は、共通の部材である。本例において、出射窓は、中央ミラー46に対して、入射窓と同じ側に配置されている。
折り返しミラー42は、反射ミラー48と向かい合って配置される。折り返しミラー42の鏡面83は、反射ミラー48の鏡面77と向かい合って配置されてよい。なお折り返しミラー42は、一部の面のみが鏡面であってよく、全ての面が鏡面であってもよい。折り返しミラー42は、中央ミラー46に対して、窓49と逆側に配置される。本例において折り返しミラー42は、中央ミラー46に対して、Y軸負側に配置される。
折り返しミラー42は、入射窓に入射された光43-1を出射窓に戻るように折り返す。本例において折り返しミラー42は、窓49に入射された光43-1を光43-2として窓49に戻るように折り返す。本例の折り返しミラー42は、反射ミラー48から入射した光43-1を、光43-2として反射ミラー48に折り返す。折り返しミラー42に入射する光43-1が通過する経路と、折り返しミラー42から出射する光43-2が通過する経路とは同一であってよい。本例の折り返しミラー42は、光43-1が通過してきた経路を光43-2が逆向きに進むように、光43-2を出射する。光43-2は、反射ミラー48、中央ミラー46および反射ミラー47により反射されて窓49に到達する。本例において、光43-1のパス回数は4であるため、光43-2のパス回数は同様に4となる。したがって、光43はパス回数8で窓49から射出される。折り返しミラー42を設けることにより、光43のパス回数を2倍にすることができる。したがって、数4のパス回数を半分にすることができ、光学素子の直径を10mmとすると、数4と同様に計算することにより、折り返しミラー42と窓49の配置間隔は8×10/2=40mmとなり、従来配置間隔に比べ配置間隔を小さくできる。この場合、容積は60mm×400mm×25mm=600mlで従来例と比べ容積を削減することができる。したがって、多重反射セル113を小型化することができ、更に応答時間を短くすることができる。
折り返しミラー42は、少なくとも1つの反射ミラーから、当該反射ミラーの曲率半径の85%以上115%以下離れた範囲に設けられる。本例では、折り返しミラー42は、反射ミラー48の曲率半径の85%以上115%以下の距離だけ反射ミラー48の反射面から離れた範囲に設けられる。なお、ミラーどうしの距離として、ミラーの鏡面の中心間の距離を用いてよい。折り返しミラー42が、反射ミラー48に対して、反射ミラー48の曲率半径の85%以上115%以下離れた範囲に設けられることにより、光43-2を反射ミラー48に効率よく戻すことができる。折り返しミラー42と反射ミラー48の配置に関しては、図12で説明する。
本例では折り返しミラー42は、中央ミラー46より反射ミラー48と離れて配置されている。つまり、折り返しミラー42と反射ミラー48との距離が、中央ミラー46と反射ミラー48との距離より大きい。本例では折り返しミラー42は、反射ミラー48から、反射ミラー48の曲率半径の100%より大きくかつ115%以下離れた範囲に設けられる。折り返しミラー42が中央ミラー46より反射ミラー48と離れて配置されているため、折り返しミラー42と反射ミラー48との距離と、中央ミラー46と反射ミラー48との距離との差分の倍の長さだけ光43の光路長を長くすることができる。
折り返しミラー42は、凹面鏡であってよい。つまり、折り返しミラー42は、曲率半径を有する。折り返しミラー42の曲率半径は、中央ミラー46、反射ミラー47または反射ミラー48の曲率半径と同一であってよい。曲率半径を同一にすることで、多重反射セル113を製造しやすくなる。本明細書で「同一」と称した場合、±10%以下の誤差を含んでよい。折り返しミラー42の曲率半径は、中央ミラー46、反射ミラー47または反射ミラー48の曲率半径と異なってもよい。曲率半径を異ならせることにより、光43-2を反射ミラー48に効率よく戻すように調整可能である。
図6は、ファイバ52と反射ミラー47の位置関係を示す図である。ファイバ52の受光面85および出射面86が設けられ部分を第1部分54とする。図6において、ファイバ52の受光面85および出射面86が設けられる面を、YZ面とする。
図7は、第1部分54における受光面85および出射面86の配置の一例を示す図である。図7において、図6の第1部分54をX軸正側から見た受光面85および出射面86の配置を示している。ファイバ52の受光面85は、出射面86より外側に設けられる。またファイバ52の受光面85は、複数設けられる。ファイバ52の出射面86は、受光面85より外側に設けられてもよい。ファイバ52の出射面86は、複数設けられてもよい。受光範囲φは、ファイバ52の受光面85が設けられる範囲であってよい。受光範囲φは、図7に示すように複数の受光面85と外接する円の直径であってよい。
本例では、ファイバ52の出射面86と反射ミラー47の距離は、反射ミラー47の曲率半径Rに対して予め定められたデフォーカス距離Dfずれて配置される。図6では、ファイバ52の出射面86と反射ミラー47の距離は、反射ミラー47の曲率半径Rに対して予め定められたデフォーカス距離Df離れて配置される。反射ミラー47の曲率半径Rに対して予め定められたデフォーカス距離Dfずれて配置されるため、受光効率のばらつきを低減することができる。
デフォーカス距離Dfは、ファイバ52の受光範囲φ以下であってよい。デフォーカス距離Dfをファイバ52の受光範囲φ以下に設定することにより、受光効率のばらつきを低減しつつ、受光効率を上げることができる。デフォーカス距離Dfは、ファイバ52の受光範囲φの半分以上であってよい。またデフォーカス距離Dfは、ファイバ52の受光範囲φの2倍以下であってもよい。
戻り光(光43-2)の受光面85における照射範囲をaとする。照射範囲aの直径は、デフォーカス距離をDf、反射ミラー47の曲率半径をR、反射ミラー47の有効径をαとすると、下記数5で表せる。照射範囲aは、ファイバ52の受光範囲φに、製造公差により考えられるズレ量と、温度による照射範囲のズレ分を足した範囲に設定することが好ましい。照射範囲aをこのような範囲に設定することにより、温度の影響を受けず安定した測定が可能である。まとめると、デフォーカス距離を設けることで製造の許容公差が大きくなるため、製造が容易になる。また温度特性や受光効率のばらつきも改善されるため、ガス分析計200の温度特性や振動等による経時変化も緩和されることが期待でき、長期間にわたって安定した測定性能を実現できる。
Figure 0007485237000001
図8は、ファイバ52を詳細に説明する図である。ファイバ52は、第1部分54、第2部分56および第3部分58を有する。本例においてファイバ52は、光43が通過する複数の経路を有する。図8において、ファイバ52の受光面85および出射面86が設けられる面を、YZ面とする。
図9は、第2部分56における受光面87の配置の一例を示す図である。図9において、図8の第2部分56をX軸負側から見た受光面87の配置を示している。第2部分56には、受光面87が設けられる。第1部分54の出射面86と第2部分56の受光面87はそれぞれ接続している。したがって、光源部20から出射された光43は、第2部分56の受光面87で受光され、出射面86で多重反射セル113(窓49)に出射される。図9においてファイバ52から出射する光43が通過する経路の本数は、1本である。
図10は、第3部分58における出射面88の配置の一例を示す図である。図10において、図8の第3部分58をX軸負側から見た出射面88の配置を示している。第3部分58には、出射面88が設けられる。第1部分54の受光面85と第3部分58の出射面88は接続している。したがって、多重反射セル113(窓49)から出射された光43は、第1部分54の受光面85で受光され、出射面88で分光器22に出射される。図10においてファイバ52に入射した光43が通過する経路の本数は、6本である。
本例においてファイバ52から出射する光43が通過する経路の本数が1本で、ファイバ52に入射した光43が通過する経路の本数が6本であるが、ファイバ52から出射する光43が通過する経路の本数やファイバ52に入射した光43が通過する経路の本数は制御されてよい。例えば、測定対象成分の濃度に応じて、複数の経路のうち、ファイバ52から出射する光43が通過する経路の本数と、ファイバ52に入射した光43が通過する経路の本数とを制御してよい。一例として、測定対象成分の濃度が低い場合、ファイバ52から出射する光43が通過する経路の本数が1本にし、ファイバ52に入射した光43が通過する経路の本数を6本にする。測定対象成分の濃度が低い場合、ファイバ52への受光量を増やすため、ファイバ52に入射した光43が通過する経路の本数を増やしてよい。また反対に測定対象成分の濃度が高い場合、ファイバ52から出射する光43が通過する経路の本数が6本にし、ファイバ52に入射した光43が通過する経路の本数を1本にしてよい。
図11は、ファイバ52と窓49の位置関係を示す図である。図11では、ファイバ52の第1部分54のみを示している。
本例では、窓49はファイバ52が出射した光43-1に対して角度を有して配置される。窓49がファイバ52によって出射された光43-1に対して角度を有して配置されるとは、ファイバ52によって出射された光43-1と窓49の面81と成す角度θ(90°以下)が0°より大きく90°より小さいことであってよい。つまり、窓49がファイバ52によって出射された光43-1に対して角度を有して配置されるとは、窓49の面81がファイバ52によって出射された光43-1に対して平行でも垂直でもないことであってよい。同様に49がファイバ52によって出射された光43-1に対して角度を有して配置されるとは、ファイバ52によって出射された光43-1と窓49の面82と成す角度θ(90°以下)が0°より大きく90°より小さいことであってよい。窓49がファイバ52によって出射された光43-1に対して角度を有して配置されるため、出射された光43-1が面81や面82によって反射された反射光の光軸と戻り光(光43-2)の光軸をずらすことができる。したがって、出射された光43-1が面81や面82によって反射された反射光が戻り光と混入することを防ぐことができる。
本例において窓49は、ファイバ52が出射した光43に対して70°以上75°以下の角度θを有するように配置される。角度θが小さすぎると窓49を通過する距離が大きくなるため、角度θは小さすぎないことが好ましい。
図12は、折り返しミラー42と反射ミラー48の位置関係を示す図である。折り返しミラー42の鏡面83の中心をC41とし、反射ミラー48の鏡面77の中心をC42とする。折り返しミラー42と反射ミラー48の距離L1は、折り返しミラー42の鏡面83の中心C41と反射ミラー48の鏡面77の中心C42の距離であってよい。したがって、折り返しミラー42と反射ミラー48の距離L1は、反射ミラー48の曲率半径の85%以上115%以下であってよい。
図13は、実施例に係る多重反射セル113の他の例を示す図である。図13の多重反射セル113は折り返しミラー42の構成が、図5の多重反射セル113と異なる。図13のそれ以外の構成は、図5の多重反射セル113と同一であってよい。なお図13において光43を省略している。
本例において、中央ミラー46の鏡面75の中心線をD1とし、窓49の面82の中央点をC43とする。中心線D1を基準として、中央点C43を線対称に配置した点を基準点C44とする。基準点C44を通り、中心線D1と平行な線を基準線D2とする。この場合、基準線D2より窓49と逆側の折り返しミラー42の鏡面83の長さL2は、基準線D2より窓49側の折り返しミラー42の鏡面83の長さL3より大きくてよい。折り返しミラー42の鏡面83の長さとは、Y軸方向の鏡面83の長さであってよい。折り返しミラー42の鏡面83の長さとは、鏡面83に沿った長さであってもよい。折り返しミラー42の鏡面83の長さL2は、折り返しミラー42の鏡面83の長さL3の2倍以上であってもよい。折り返しミラー42の鏡面83の長さL2を折り返しミラー42の鏡面83の長さL3より大きくすることで、反射ミラー48からの光43をより多く反射することができる。
図14は、折り返しミラー42の反射特性の一例を示す図である。図14において、折り返しミラー42の波長毎の反射率を示している。本例では折り返しミラー42において紫外線(波長範囲:200nm~400nm)領域の光の反射率は、波長に依存せず一定である。中央ミラー46、反射ミラー47および反射ミラー48の鏡面も同様に、図14の反射特性を有してよい。
図15は、実施例に係る多重反射セル113の他の例を示す図である。図15の多重反射セル113は光学フィルタ60を備える点で、図5の多重反射セル113と異なる。図15のそれ以外の構成は、図5の多重反射セル113と同一であってよい。なお図15において光43を省略している。
光学フィルタ60は、折り返しミラー42と反射ミラー48の間に配置される。光学フィルタ60は、X軸方向において反射ミラー48より折り返しミラー42側に設けられてよい。本例では、折り返しミラー42の鏡面83上に光学フィルタ60が設けられる。
光学フィルタ60は、折り返しミラー42の反射特性を変更する。光学フィルタ60は、一例として誘電体多層膜である。折り返しミラー42の反射特性は、折り返しミラー42に誘電体多層膜を成膜することによって調整することができる。誘電体多層膜の膜厚、材料、層構造等を調整し、特定波長の反射率以外の反射率を向上させることにより、特定波長の反射率を相対的に低くすることができる。誘電体多層膜は、折り返しミラー42の鏡面83に部分的に設けられてもよい。
図16は、折り返しミラー42の反射特性の他の例を示す図である。図16において、折り返しミラー42の波長毎の反射率を示している。図16に示す通り本例では、折り返しミラー42は、特定波長λ1の反射率が、所定の波長範囲における平均反射率より低い。
折り返しミラー42の反射特性は、中央ミラー46、反射ミラー47または反射ミラー48の反射特性と異なってよい。例えば、折り返しミラー42は図16の反射特性を有し、中央ミラー46、反射ミラー47および反射ミラー48は図14の反射特性を有する。折り返しミラー42は、中央ミラー46、反射ミラー47および反射ミラー48と比較して、光43の反射回数が少ない。したがって、特定波長の反射率を容易に調整することができる。
また反射ミラー47または反射ミラー48の反射特性は、中央ミラー46の反射特性と異なってよい。例えば、反射ミラー47および反射ミラー48は図16の反射特性を有し、中央ミラー46は図14の反射特性を有する。反射ミラー47および反射ミラー48は、中央ミラー46と比較して、光43の反射回数が少ない。したがって、特定波長の反射率を容易に調整することができる。
図17は、実施例に係るガス分析計300の一例を示す図である。図17のガス分析計300はファイバ52の代わりにコリメート手段70を有する点で、図4のガス分析計200と異なる。図17のそれ以外の構成は、図4のガス分析計200と同一であってよい。
コリメート手段70は、光源部20からの光43-1を平行光に変換してよい。コリメート手段70によって変換された平行光は多重反射セル113内を伝搬し、再びコリメート手段70に集光する。再びコリメート手段70に集光した光43-2は、分光器22に射出される。光源部20から射出される光43-1は拡散光であり、図4のガス分析計200のように拡散光のまま多重反射セル113に射出する場合と比べ、多重反射セル113の壁面やミラー等のケラレを減らすことができる。
コリメート手段70は、収差影響の少ない放物面鏡が好ましい。コリメート手段70は、放物面鏡に限られない。コリメート手段70は、レンズ等であってもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
10・・煙道、11・・ガス吸入管、12・・ガス排出管、13・・多重反射セル、14・・ガスフィルタ、15・・予熱器、16・・予熱温度調節器、17・・ポンプ、18・・ヒータ、19・・セル温度調節器、20・・光源部、22・・分光器、26・・検出素子、27・・演算装置、30・・サンプルガス、42・・折り返しミラー、43・・光、44・・入射窓、45・・出射窓、46・・中央ミラー、47・・反射ミラー、48・・反射ミラー、49・・窓、51・・通信線、52・・ファイバ、54・・第1部分、56・・第2部分、58・・第3部分、60・・光学フィルタ、70・・コリメート手段、71・・入射面、72・・出射面、73・・入射面、74・・出射面、75・・鏡面、76・・鏡面、77・・鏡面、81・・面、82・・面、83・・鏡面、85・・受光面、86・・出射面、87・・受光面、88・・出射面、100・・ガス分析計、113・・多重反射セル、200・・ガス分析計、300・・ガス分析計

Claims (17)

  1. サンプルガスに含まれる測定対象成分の濃度を測定するガス分析計であって、
    光が入射される入射窓と、
    中央ミラーと、
    前記中央ミラーと第1方向において向かい合って配置された2つ以上の反射ミラーと、
    前記中央ミラーに対して、前記第1方向と垂直な第2方向において前記入射窓と逆側に配置された折り返しミラーと、
    前記中央ミラーに対して、前記第2方向において前記入射窓と同じ側に配置された出射窓と
    前記出射窓から出射される前記光を検出する検出素子と
    を有し、
    前記折り返しミラーは、前記入射窓に入射された光を前記出射窓に戻るように折り返し、
    前記入射窓の出射面の中央点を前記中央ミラーの鏡面の中心線を基準として線対称に配置した点を基準点とし、前記中心線と平行で前記基準点を通る線を基準線とした場合、
    前記基準線より前記入射窓と逆側の前記折り返しミラーの鏡面の長さは、前記基準線より前記入射窓側の前記折り返しミラーの鏡面の長さより大きい
    ガス分析計。
  2. サンプルガスに含まれる測定対象成分の濃度を測定するガス分析計であって、
    光が入射される入射窓と、
    中央ミラーと、
    前記中央ミラーと第1方向において向かい合って配置された2つ以上の反射ミラーと、
    前記中央ミラーに対して、前記第1方向と垂直な第2方向において前記入射窓と逆側に配置された折り返しミラーと、
    前記中央ミラーに対して、前記第2方向において前記入射窓と同じ側に配置された出射窓と、
    前記出射窓から出射される前記光を検出する検出素子と
    を有し、
    前記折り返しミラーは、前記入射窓に入射された光を前記出射窓に戻るように折り返し、
    光を出射する出射面および光を受光する受光面を有するファイバを更に備え、
    前記ファイバは、
    光が通過する複数の経路を有し、
    前記測定対象成分の濃度に応じて、前記複数の経路のうち、前記ファイバから出射する光が通過する経路の本数と、前記ファイバに入射した光が通過する経路の本数とを制御する
    ガス分析計。
  3. サンプルガスに含まれる測定対象成分の濃度を測定するガス分析計であって、
    光が入射される入射窓と、
    中央ミラーと、
    前記中央ミラーと第1方向において向かい合って配置された2つ以上の反射ミラーと、
    前記中央ミラーに対して、前記第1方向と垂直な第2方向において前記入射窓と逆側に配置された折り返しミラーと、
    前記中央ミラーに対して、前記第2方向において前記入射窓と同じ側に配置された出射窓と、
    前記出射窓から出射される前記光を検出する検出素子と
    を有し、
    前記折り返しミラーは、前記入射窓に入射された光を前記出射窓に戻るように折り返し、
    光を出射する出射面および光を受光する受光面を有するファイバを更に備え、
    少なくとも1つの前記出射面および少なくとも1つの前記受光面は、前記ファイバの1つの面に設けられる
    ガス分析計。
  4. 前記ファイバの前記出射面と前記反射ミラーの距離は、前記反射ミラーの曲率半径に対して予め定められたデフォーカス距離ずれて配置される
    請求項またはに記載のガス分析計。
  5. 前記デフォーカス距離は、前記ファイバの前記受光面の幅以下である
    請求項に記載のガス分析計。
  6. 前記入射窓と前記出射窓は、共通の部材である
    請求項1から5のいずれか一項に記載のガス分析計。
  7. 前記折り返しミラーは、前記反射ミラーから当該前記反射ミラーの曲率半径の85%以上115%以下離れた範囲に設けられる
    請求項1から6のいずれか一項に記載のガス分析計。
  8. 前記折り返しミラーは、前記中央ミラーより前記反射ミラーと離れて配置されている
    請求項1からのいずれか一項に記載のガス分析計。
  9. 前記折り返しミラーは、凹面鏡である
    請求項1からのいずれか一項に記載のガス分析計。
  10. 前記折り返しミラーの曲率半径は、前記反射ミラーまたは前記中央ミラーの曲率半径と同じである
    請求項に記載のガス分析計。
  11. 前記折り返しミラーの曲率半径は、前記反射ミラーまたは前記中央ミラーの曲率半径と異なる
    請求項に記載のガス分析計。
  12. 前記折り返しミラーの反射特性は、前記反射ミラーまたは前記中央ミラーの反射特性と異なる
    請求項1から11のいずれか一項に記載のガス分析計。
  13. 前記折り返しミラーと、前記反射ミラーの間に配置され、前記折り返しミラーの反射特性を変更する光学フィルタを備える
    請求項12に記載のガス分析計。
  14. 前記反射ミラーの反射特性は、前記中央ミラーの反射特性と異なる
    請求項12または13に記載のガス分析計。
  15. 前記入射窓に光を入射するファイバを備え、
    前記入射窓は、前記ファイバが出射した光に対して角度を有して配置される
    請求項1から14のいずれか一項に記載のガス分析計。
  16. 前記入射窓は、前記ファイバが出射した光に対して70°以上75°以下の角度を有するように配置される
    請求項15に記載のガス分析計。
  17. 入射される光を多重反射して出射する多重反射セルであって、
    光が入射される入射窓と、
    中央ミラーと、
    前記中央ミラーと第1方向において向かい合って配置された2つ以上の反射ミラーと、
    前記中央ミラーに対して、前記第1方向と垂直な第2方向において前記入射窓と逆側に配置された折り返しミラーと、
    前記中央ミラーに対して、前記第2方向において前記入射窓と同じ側に配置された出射窓と
    を有し、
    前記折り返しミラーは、前記入射窓に入射された光を前記出射窓に戻るように折り返し、
    前記入射窓の出射面の中央点を前記中央ミラーの鏡面の中心線を基準として線対称に配置した点を基準点とし、前記中心線と平行で前記基準点を通る線を基準線とした場合、
    前記基準線より前記入射窓と逆側の前記折り返しミラーの鏡面の長さは、前記基準線より前記入射窓側の前記折り返しミラーの鏡面の長さより大きい
    多重反射セル。
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