JP7544295B2 - ガス分析計 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス分析計に関する。
従来、スペクトル分析を利用したガス分析計が知られている(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)。
特許文献1 特開2001-188043号公報
非特許文献1 Quantitative Spectroscopy Radiative Transfer Vol. 56, No. 2, pp. 187-208, 1996、Johan Mellqvist and Arne Rosen「DOAS FOR FLUE GAS MONITORING - I. TEMPERATURE EFFECTS IN THE U.V./VISIBLE ABSORPTION SPECTRA OF NO, N0 2 , SO 2 AND NH 3
解決しようとする課題
ガス分析計は、ガス濃度を精度良く測定できることが好ましい。
一般的開示
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、サンプルガスに含まれる測定対象成分の濃度を測定するガス分析計を提供する。ガス分析計は、前記測定対象成分の吸収波長を含む光を出射する光源部を備えてよい。ガス分析計は、前記光を反射させる1つ以上の反射ミラーを前記サンプルガスを封止した空間に収容したセルを備えてよい。ガス分析計は、前記セルを通過した前記光の放射スペクトルを取得する受光素子を備えてよい。ガス分析計は、前記光源部から前記受光素子までの光経路のいずれかに配置され、前記光源部が出射する前記光の放射スペクトルのいずれかのピークにおける強度を減少させる制限帯域を有するノッチフィルタを備えてよい。ガス分析計は、前記受光素子の受光信号を処理し、前記測定対象成分の濃度を測定する処理部を備えてよい。
前記ノッチフィルタは、前記セルの内部に配置されていてよい。
前記セルは、前記光源部からの前記光を前記セルの内部に入射させる入射窓を有してよい。前記1つ以上の反射ミラーは、前記入射窓から入射した前記光が最初に到達する第1の反射ミラーを含んでよい。前記ノッチフィルタは、前記入射窓と、前記第1の反射ミラーとの間の前記光経路に配置されていてよい。
前記ノッチフィルタは、前記光源部と前記セルとの間の前記光経路に配置されていてよい。
前記セルは、前記光を前記セルの外部に出射させる出射窓を有してよい。前記1つ以上の反射ミラーは、前記出射窓から出射する前記光が最後に反射する第2の反射ミラーを含んでよい。前記ノッチフィルタは、前記第2の反射ミラーと前記受光素子との間の前記光経路に配置されていてよい。
ガス分析計は、前記ノッチフィルタの制限帯域の波長を調整する調整部を備えてよい。
前記調整部は、前記ノッチフィルタに対する前記光の入射角度を調整することで前記制限帯域の波長を調整してよい。
前記処理部は、前記調整部が前記入射角度を調整した場合に、前記受光信号の強度を補正してよい。
前記調整部は、前記入射角度を調整した場合に、少なくとも一つの前記反射ミラーの反射面の角度を調整してよい。
前記調整部には、前記入射角度を変更できる変更範囲が設定されてよい。
前記ノッチフィルタは、前記入射角度に応じた出射角度で前記光を出射してよい。
前記出射角度が変化した場合に、少なくとも一つの前記反射ミラーにおいて前記光が照射されるスポット位置が第1の方向に変化してよい。
前記少なくとも一つの前記反射ミラーは、前記ノッチフィルタに対する前記入射角度を前記変更範囲内の最小値から最大値まで変更させた場合の前記光の前記スポット位置が含まれる大きさの反射面を有してよい。
ガス分析計は、前記ノッチフィルタを異なる複数の位置に備えてよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
ガス分析装置200の一例を示す図である。 第1の実施例に係るガス分析計100の構成例を示す図である。 光源部120が出射する光106の放射スペクトルの一例を示す図である。 所定の波長における光106の強度と、測定誤差との関係を示す図である。 ノッチフィルタ110の透過特性の一例を示す図である。 ノッチフィルタ110を用いた場合に、受光素子126に入射する光106の放射スペクトルの一例を示す図である。 ガス分析計100の他の構成例を示す図である。 ガス分析計100の他の構成例を示す図である。 ノッチフィルタ110の制限帯域の波長を調整する例を示す図である。 ノッチフィルタ110の後段の反射ミラーを示す図である。 ノッチフィルタ110の後段の反射ミラーの反射面150を、光106の進行方向から見た図である。 ガス分析計100の他の構成例を示す図である。 第2の実施例に係るガス分析計100を説明する図である。 第1の反射ミラー114-1の凹面部151と、凹面部151の位置におけるコリメート光106のスポット192を、コリメート光106の進行方向から見た図である。 第2の反射ミラー114-2の凹面部151を、コリメート光106の進行方向から見た図である。 中央反射ミラー112の凹面部151と、凹面部151の位置におけるコリメート光106のスポット192を、コリメート光106の進行方向から見た図である。 中央反射ミラー112の凹面部151の他の形状例を示す図である。 折り返し反射ミラー115の凹面部151を、コリメート光106の進行方向から見た図である。 ガス分析計100の動作試験を説明する図である。 参考例における、受光素子126の受光量の測定値を示す図である。 第2の実施例における、受光素子126の受光量の測定値を示す図である。 第3の実施例に係るガス分析計100を示す図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、ガス分析装置200の一例を示す図である。ガス分析装置200は、煙道10を通過する測定対象ガスに含まれる測定対象成分の濃度を測定する。測定対象ガスは、例えばエンジン等の排ガスであるがこれに限定されない。測定対象成分は、硫黄酸化物(SO)、窒素酸化物(NO)またはアンモニア(NH)等であるが、これに限定されない。
ガス分析装置200は、ガス吸入管11、ガス排出管12、および、ガス分析計100を備える。ガス分析装置200は、ガスフィルタ14、予熱器15、予熱温度調節器16およびポンプ17の少なくともいずれかを更に備えてよい。
ガス吸入管11およびガス排出管12は、煙道10と接続する。ガス吸入管11は、煙道10に流れる測定対象ガスの一部であるサンプルガス30を、ガス分析計100に導入する。ガス分析計100は、サンプルガス30に含まれる測定対象ガスの濃度を測定する。ガス排出管12は、ガス分析計100で処理されたサンプルガス30を煙道10に排出する。
ガス吸入管11は、サンプルガス30中のダストを除去するガスフィルタ14と接続してよい。ガス吸入管11は、サンプルガス30を予熱する予熱器15と接続してよい。予熱器15は、予熱温度調節器16によって温度が調整されてよい。ガス排出管12は、ポンプ17と接続してよい。ポンプ17は、ガス分析計100からサンプルガス30を吸引し、煙道10にサンプルガス30を排出する。
ガス分析計100は、導入されたサンプルガス30に含まれる測定対象成分の濃度を測定する。一例としてガス分析計100は、例えば非特許文献1に開示されているような、差分吸光光度法(DOAS)により、測定対象成分の濃度を測定する。ガス成分は、ガスの種類に応じた特定の吸収波長の光を吸収する。光が吸収される度合いは、ガス成分の濃度により変化する。差分吸光光度法では、測定対象成分に応じた波長成分を含む光をサンプルガス30に通過させて、通過前後における当該波長成分の強度を比較することで、サンプルガス30に含まれる測定対象成分の濃度を測定する。このとき、サンプルガス30を通過した光を測定した波長スペクトルからブロードな変動を除去することで、光源の光量変動、または、サンプルガス30中のダストおよびミストによる影響を除去できる。これにより、測定対象成分による波長スペクトルの変動を安定して測定でき、測定対象成分の濃度を安定して測定できる。
ガス分析計100は、セル113、光源部120、受光素子126および処理部127を備える。ガス分析計100は、ヒータ118、温度調整部119および分光器122の少なくともいずれかを更に備えてよい。
光源部120は、光106を出射する。本例において光源部120は、測定対象成分の吸収波長を含む光106を出射する。光源部120は、一例として、発光時間を極短時間に制御できるフラッシュランプである。光源部120は、Xeフラッシュランプであってよい。光源部120としてXeフラッシュランプを用いることで、安定して光106を出射することができる。本例の光源部120は、一定の発光周期で発光することが好ましい。本例において、光106は、紫外線(波長範囲:200nm~400nm)領域の光である。
セル113は、サンプルガス30を封止する。サンプルガス30に含まれる測定対象成分の濃度を分析する場合、ガス吸入管11を介して、サンプルガス30をセル113に導入してよい。また分析終了後、ガス排出管12を介して、サンプルガス30をセル113から排出してよい。
セル113には光源部120からの光106が入射される。光106はセル113の内部においてサンプルガス30を通過し、セル113の外部に出射される。セル113は多重反射セルであってよい。この場合、セル113に入射された光106は、セル113の内部で反射を繰り返し、セル113の外部に出射される。
セル113には、サンプルガス30の温度を所定の温度に保つためヒータ118が設けられてもよい。セル113は、ヒータ118と接していてもよい。ヒータ118の温度は、温度調節部119によって制御されてよい。
受光素子126は、セル113を通過した光106の放射スペクトルを取得する。受光素子126は、分光器122により分光された光106の強度を測定する。分光器122は、光106を、所定の波長範囲内における複数の波長帯域に分光してよい。所定の波長範囲とは、例えば、200nm以上500nm以下の波長範囲である。波長範囲は、これに限定されない。受光素子126は、光106の強度を波長帯域毎に取得することで、光106の放射スペクトルを取得する。
受光素子126は、波長帯域ごとに光106の強度を取得する。受光素子126は、一例として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconcuctor)ラインセンサである。受光素子126が取得した光106の放射スペクトルは、受光信号として処理部127に送信される。
処理部127は、受光素子126の受光信号を処理する。処理部127は、受光信号をデジタル信号に変換してデジタル演算処理してよい。処理部127は、受光素子126の受光信号に基づいて、サンプルガス30に含まれる測定対象成分の濃度を測定する。処理部127は、測定対象成分の吸収波長における光106の強度の変化(すなわち、光源部120が出射した光106の強度に対する、セル113を通過した光106の強度の変化)を取得することにより、測定対象成分の濃度を測定してよい。本例において処理部127は受光素子126と通信線149を介して有線接続しているが、無線接続であってもよい。
図2は、第1の実施例に係るガス分析計100の構成例を示す図である。図2においては、ヒータ118および温度調整部119を省略している。また本例のガス分析計100は、コリメートレンズ142を更に備えている。コリメートレンズ142は、光源部120が出射した光106をコリメート光に変換する。コリメート光は、光源部120が出射した光106よりも平行光に近い光である。コリメート光は、完全な平行光でなくてもよい。コリメートレンズ142は、光106を集光させて光106の拡がりを抑制したコリメート光を出射する。
セル113は、サンプルガス30を封止する。セル113には、入射窓140および出射窓141が設けられている。図2においては入射窓140および出射窓141がセル113の同一の面に設けられているが、入射窓140および出射窓141は異なる面に設けられていてもよい。光106は、入射窓140を通過してセル113の内部に入射される。セル113の内部においてサンプルガス30を通過した光106は、出射窓141を通過してセル113の外部に出射される。
セル113において、サンプルガス30を封止した空間には、光106を反射させる1つ以上の反射ミラーが収容されている。反射ミラーは、セル113に導入された光106が、セル113内部において複数回反射するように配置される。例えばセル113の長手方向の両端部近傍に反射ミラーが配置されている。この場合、セル113の長手方向に沿って、光106がセル113の内部を往復する。光106がセル113の内部を往復することで、光106がサンプルガス30を通過する光路長を長くすることができ、測定対象成分が微量であっても精度良く濃度を測定することができる。
本例では、第1の反射ミラー114-1、第2の反射ミラー114-2および中央反射ミラー112がセル113の内部に設けられている。第1の反射ミラー114-1は、入射窓140を通過した光106が最初に到達する反射ミラーである。第2の反射ミラー114-2は、出射窓141を通過する光106が最後に反射した反射ミラーである。中央反射ミラー112は、第1の反射ミラー114-1で反射した光106を更に反射させる。また中央反射ミラー112は、入射されるいずれかの光106を第2の反射ミラー114-2に向けて反射する。図2の例では、中央反射ミラー112は、第1の反射ミラー114-1から入射した光106を、第2の反射ミラー114-2に向けて反射する。第2の反射ミラー114-2において反射した光106は、出射窓141からセル113の外部に出射する。
中央反射ミラー112と、第1の反射ミラー114-1および第2の反射ミラー114-2とは、互いの反射面150が向かい合うように配置されている。それぞれの反射面150において光106が反射する。図2の例では、中央反射ミラー112は、セル113の長手方向における端部のうち、入射窓140および出射窓141が設けられる側の端部に配置されている。第1の反射ミラー114-1および第2の反射ミラー114-2は、セル113の長手方向における端部のうち、中央反射ミラー112とは逆側の端部に配置されている。図2の例では、中央反射ミラー112と向かい合う位置に2つの反射ミラー114が配置されているが、他の例では、中央反射ミラー112と向かい合う位置により多くの反射ミラー114が配置されていてもよい。この場合、光106がセル113の内部を往復する回数を増大させて、光106がサンプルガス30を通過する距離を更に長くできる。なお中央反射ミラー112と向かい合う複数の反射ミラー114は、一体の反射ミラーであってもよい。この場合、当該反射ミラーのうち、入射窓140を通過した光が最初に到達する領域が第1の反射ミラー114-1であり、出射窓141を通過する光が最後に反射した領域が第2の反射ミラー114-2である。
本例のガス分析計100は、ノッチフィルタ110を備える。ノッチフィルタ110は、光源部120から受光素子126までの光106が通過する光経路のいずれかに配置される。ノッチフィルタ110は、光源部120が出射する光106の放射スペクトルのいずれかのピークにおける強度を減少させる制限帯域を有する。ノッチフィルタ110は、例えば互いに屈折率が異なる複数の誘電体膜が、光106の進行方向に沿って積層された構造を有する。
図3は、光源部120が出射する光106の放射スペクトルの一例を示す図である。図3において、横軸は波長を示し、縦軸は光106の強度を示す。光106の放射スペクトルは、複数のピークを有する。ピークは、図3に示す放射スペクトルにおいて、強度が極大値を示す部分である。例えば図3の放射スペクトルは、波長230nmの近傍においてピーク300を有する。ピーク300は、放射スペクトルの複数のピークのうち、強度が最大のピークであってよい。
本例の放射スペクトルは、ピーク300における強度が0.20以上を示す。一方で、波長が330nm近傍の領域302では、光106の強度が0.05以下を示している。つまりピーク300は、領域302に比べて4倍以上の強度である。受光素子126は測定範囲(ダイナミックレンジ)を有している。ピーク300に合わせて受光素子126のダイナミックレンジを設定すると、領域302の波長帯域では、ダイナミックレンジの一部の範囲でしか光106の強度を測定できない。このため光106の放射スペクトルの強度が小さい波長領域では、受光素子126における熱雑音または迷光等の雑音成分に対する信号成分の比が小さくなり、測定精度が低下する。
図4は、所定の波長における光106の強度と、測定誤差との関係を示す図である。横軸は、受光素子126における光106の強度の測定値を示している。本例の受光素子126は、CMOSラインセンサである。本例の受光素子126のダイナミックレンジは100dB程度である。受光素子126におけるダイナミックレンジをデジタル値に量子化すると、0~65535(96.4dB)である。ピーク300における光106の強度が、測定値の範囲の上限近傍となるようにダイナミックレンジが設定される。
図4の縦軸の値が小さいほど、測定誤差が小さいことを示す。図4に示すように、光106の強度が大きくなると、測定誤差が小さくなる。図4の例では、信号強度が20000程度あれば、測定誤差が十分小さくなっている。図3の領域302のように、光106の強度が小さい波長帯域では、受光素子126における測定値が16383.75(65535÷4)以下となってしまう。このため、領域302における測定誤差が大きくなる。つまり、複数の波長における光106の強度に差異があると、いずれかの波長における受光素子126のダイナミックレンジが小さくなり、当該波長における測定精度が悪化してしまう。このため、複数の波長において光106の強度を測定する場合、それぞれの測定波長における光106の強度の差異をできるだけ小さくすることが好ましい。
図2に示したように、本例のガス分析計100は、光106のいずれかのピーク300を含む波長帯域の強度を低減するノッチフィルタ110を備える。これにより、光106の放射スペクトルにおける強度差を小さくし、複数の波長における測定誤差を低減する。
図5は、ノッチフィルタ110の透過特性の一例を示す図である。図5の横軸はノッチフィルタ110に入射する光106の波長を示す。縦軸は、ノッチフィルタ110に入射した光106の強度に対する、ノッチフィルタ110から出射する光106の強度の比を示す。ノッチフィルタ110は、透過率が極小値を示す制限帯域RBを有する。制限帯域RBは、例えば透過率が70%以下となる帯域である。制限帯域RBにおける透過率の極小値は20%以上であってよく、30%以上であってよく、40%以上であってもよい。
制限帯域RBにピーク300の波長が含まれる。これにより、ピーク300の強度を低下させて、光106の放射スペクトルにおける強度差を低減できる。光源部120がキセノンフラッシュランプの場合、制限帯域RBの中心波長は220nmから240nmの範囲に存在してよい。制限帯域RBの幅は、10nm以上であってよく、20nm以上であってもよい。制限帯域RBの幅は、40nm以下であってよく、30nm以下であってもよい。
図6は、ノッチフィルタ110を用いた場合に、受光素子126に入射する光106の放射スペクトルの一例を示す図である。図6において、横軸は波長を示し、縦軸は光106の強度を示す。図3に示した光106の放射スペクトルに比べて、波長が230nm付近の強度が弱まっている。ノッチフィルタ110を用いることで光106の放射スペクトルの強度の差を抑えることができ、測定精度を向上することができる。
図2に示すように、ノッチフィルタ110は、セル113の内部における光経路に配置されてよい。ノッチフィルタ110は、入射窓140と、第1の反射ミラー114-1との間の光経路に配置されていてよい。
図7は、ガス分析計100の他の構成例を示す図である。本例のガス分析計100は、ノッチフィルタ110を設ける位置が、図2から図6の例と相違する。他の構造は、図2から図6において説明したいずれかの態様と同様である。
本例のノッチフィルタ110は、光源部120とセル113の入射窓140との間の光経路に配置されている。ノッチフィルタ110は、コリメートレンズ142等の光学部材と、入射窓140との間に配置されてよい。ノッチフィルタ110をセル113の外部に設けることで、ノッチフィルタ110に対する光106の入射角度の調整が容易になる。
図8は、ガス分析計100の他の構成例を示す図である。本例のガス分析計100は、ノッチフィルタ110を設ける位置が、図2から図6の例と相違する。他の構造は、図2から図6において説明したいずれかの態様と同様である。
本例のノッチフィルタ110は、第2の反射ミラー114-2と、受光素子126との間の光経路に配置されている。ノッチフィルタ110は、図8に示すように、セル113の内部において第2の反射ミラー114-2と出射窓141との間に配置されてよい。ノッチフィルタ110は、出射窓141と、受光素子126との間の光経路に配置されてもよい。ノッチフィルタ110は、出射窓141と、分光器122との間の光経路に配置されてもよい。
ノッチフィルタ110の制限帯域を調整した場合、ノッチフィルタ110より後段の反射ミラーの角度等を調整すべき場合がある。例えばノッチフィルタ110に対する光106の入射角度を調整することで制限帯域の波長帯を調整した場合、ノッチフィルタ110より後段の反射ミラーの角度を合わせて調整してよい。本例によれば、ノッチフィルタ110より後ろの光経路に反射ミラーが存在しないので、反射ミラーの角度調整をしなくてよい。
図9は、ノッチフィルタ110の制限帯域の波長を調整する例を示す図である。本例のガス分析計100は、ノッチフィルタ110の制限帯域の波長を調整する調整部190を備える。
本例のノッチフィルタ110は、屈折率が異なる複数の誘電体膜が積層されたフィルタである。この場合、ノッチフィルタ110に対する光106の入射角度θ1を調整することで、ノッチフィルタ110の制限帯域を調整できる。調整部190は、ノッチフィルタ110を回転させることで、入射角度θ1を調整してよい。
調整部190は、光源部120が出射する光106の放射スペクトルに基づいて、入射角度θ1を調整してよい。調整部190は、放射スペクトルにおいて最大のピーク300を検出し、ピーク300がノッチフィルタ110の制限帯域に含まれるように、入射角度θ1を調整してよい。調整部190は、光106の放射スペクトルのうち、ガス分析計100の測定対象の波長帯域内における最大のピーク300を検出してもよい。
光106の放射スペクトルは、受光素子126が測定してよく、使用者等からスペクトルデータが与えられてもよい。例えばセル113を真空状態にし、またはガス分析計100の測定帯域内に吸収スペクトルを有さないガスをセル113に導入した状態で、光106をセル113に入射する。受光素子126は、この状態でセル113から出射する光106の放射スペクトルを測定してよい。
ノッチフィルタ110の入射角θ1を変更すると、ノッチフィルタ110からの光106の出射角度θ2の変動し得る。光106の出射角度θ2が変動すると、ノッチフィルタ110よりも後段の光経路が変化する。
光経路が変化すると、受光素子126に入射する光106の光軸が変化するので、受光素子126が検出する光106の強度が変動する場合がある。処理部127は、調整部190が入射角度θ1を調整した場合に、受光信号の強度を補正してよい。処理部127には、入射角度θ1の調整量と、受光信号の強度の補正量とを対応付けた補正用データが予め設定されてよい。補正用データは、入射角度θ1を順次変更させた場合に、受光素子126における受光強度がどのように変化するかの実測データから生成してよい。
図10は、ノッチフィルタ110の後段の反射ミラーを示す図である。本例では、第1の反射ミラー114-1を示している。ノッチフィルタ110を通過した光106は、第1の反射ミラー114-1に最初に到達する。本例の調整部190は、ノッチフィルタ110に対する光106の入射角度θ1(図9参照)を調整した場合に、ノッチフィルタ110より後段の少なくとも一つの反射ミラーの反射面150の角度を調整する。本例の反射面150は凹面であるが、反射面150は平坦な面であってよく、凹面および平坦面の両方を含んでいてもよい。
図9において説明したように、ノッチフィルタ110における入射角度θ1を変更すると、ノッチフィルタ110からの出射角度θ2が変化してしまう。調整部190は、出射角度θ2の変化による光106の光軸の変化を相殺するように、ノッチフィルタ110よりも後段の反射ミラーの反射面150の角度θ3を調整する。角度θ3は、所定の基準面189に対する反射面150の角度である。基準面189は、例えばセル113の長手方向と直交する面である。これにより、光106の光軸がずれて、例えば後段の反射ミラーの反射面150に光106が当たらなくなることを防げる。
調整部190は、ノッチフィルタ110の直後の第1の反射ミラー114-1の反射面150の角度θ3を調整してよい。第1の反射ミラー114-1の角度の調整だけでは光106の光軸のずれを相殺できない場合、調整部190は、他の反射ミラーの反射面150の角度を更に調整してよい。第1の反射ミラー114-1の角度の調整だけで光106の光軸のずれを相殺できる場合、調整部190は、他の反射ミラーの反射面150の角度を調整しなくてよい。
図11は、ノッチフィルタ110の後段の反射ミラーの反射面150を、光106の進行方向から見た図である。本例では、第1の反射ミラー114-1の反射面150を示している。ノッチフィルタ110における入射角度θ1を調整した場合、ノッチフィルタ110から出射する光106の光軸が変化する。このため、反射ミラー114の反射面150において、光106が照射されるスポット192の位置は、ノッチフィルタ110の入射角度θ1および出射角度θ2の変更に応じて、第1の方向に移動する。
本例の調整部190には、ノッチフィルタ110における入射角度θ1を変更できる変更範囲が設定されている。ノッチフィルタ110に対する入射角度θ1を当該変更範囲内の最小値に設定した場合、例えばスポット192-1の位置に光106が照射される。またノッチフィルタ110に対する入射角度θ1を当該変更範囲内の最大値に設定した場合、例えばスポット位置192-2の位置に光106が照射される。反射ミラー114-1は、ノッチフィルタ110に対する入射角度θ1を最小値から最大値まで変更した場合の、スポット192-1およびスポット192-2が含まれる大きさの反射面150を有することが好ましい。これにより、ノッチフィルタ110における入射角度θ1を変更した場合でも、光106が反射面150で反射できる。図11では反射ミラー114-1について説明したが、ノッチフィルタ110の後段の全ての反射ミラーも同様であってよい。
それぞれの反射ミラーの反射面150は、円形であってよく、他の形状であってもよい。例えば反射面150は、第1の方向における長さが、第1の方向と直交する第2の方向における長さより大きくてもよい。ガス分析計100は、図9において説明した構成、図10において説明した構成、および、図11において説明した構成のうちの2つ以上を組み合わせて備えてもよい。
図12は、ガス分析計100の他の構成例を示す図である。本例のガス分析計100は、ノッチフィルタ110を複数設ける点で、図2から図11の例と相違する。他の構造は、図2から図11において説明したいずれかの態様と同様である。本例のノッチフィルタ110は、光経路上の異なる複数の位置に設けられている。
セル113の内部に複数のノッチフィルタ110が設けられてよく、セル113の外部に複数のノッチフィルタ110が設けられてよく、セル113の内部および外部の両方にノッチフィルタ110が設けられてもよい。図12の例では、入射窓140と第1の反射ミラー114-1との間、および、出射窓141と第2の反射ミラー114-2との間にノッチフィルタ110が設けられている。それぞれのノッチフィルタ110の通過特性は同一であってよく異なっていてもよい。調整部190は、それぞれのノッチフィルタ110の特性を調整してよく、いずれかのノッチフィルタ110の特性だけを調整してもよい。
図13は、第2の実施例に係るガス分析計100を説明する図である。図13においては、図2から図12において示した構成のうち、セル113以外の構成を省略している。セル113以外の構成は、図2から図12において説明したいずれかの態様と同様であってよい。図13のセル113は、入射窓140と出射窓141とが共通の窓である折り返し型のセルであるが、セル113は、図2から図12において説明した実施例と同様の構成であってもよい。また、図2から図12において説明した実施例におけるセル113も、図13に示す折り返し型のセルであってよい。
本例では、第1の反射ミラー114-1、第2の反射ミラー114-2、中央反射ミラー112および折り返し反射ミラー115がセル113の内部に設けられている。それぞれの反射ミラーは反射面に凹面部151を有する。折り返し反射ミラー115は、セル113の長手方向において、中央反射ミラー112と同じ側の端部に配置されている。折り返し反射ミラー115は、中央反射ミラー112に対して、入射窓140とは逆側に配置されている。
第1の反射ミラー114-1は、入射窓140を通過した光106が最初に到達する反射ミラーである。第1の反射ミラー114-1は、入射窓140からの光106を中央反射ミラー112に向けて反射する。中央反射ミラー112は、第1の反射ミラー114-1からの光106を第2の反射ミラー114-2に向けて反射する。
第2の反射ミラー114-2は、折り返し反射ミラー115と向かい合って配置され、中央反射ミラー112からの光106を折り返し反射ミラー115に向けて反射し、折り返し反射ミラー115からの光106を中央反射ミラー112に向けて反射する。中央反射ミラー112は、第2の反射ミラー114-2からの光106を、第1の反射ミラー114-1に向けて反射する。第1の反射ミラー114-1は、中央反射ミラー112からの光106を、出射窓141に向けて反射する。本例によれば、セル113のサイズを大きくせずに、光106の反射回数を容易に増大させることができる。図13の例では、中央反射ミラー112と向かい合う位置に2つの反射ミラー114が配置されているが、他の例では、中央反射ミラー112と向かい合う位置により多くの反射ミラー114が配置されていてもよい。
向かいあう2つの反射ミラーの距離は、当該反射ミラーの凹面部151の曲率半径とほぼ等しい。例えば当該距離は、当該曲率半径の90%以上、110%以下である。それぞれの反射ミラーの凹面部151の曲率半径もほぼ等しくてよい。それぞれの反射ミラーの曲率半径の最小値に対する最大値の比率は、100%以上、120%以下であってよい。
ガス分析計100の温度変動等により、受光素子126における光106の受光強度が変動する場合がある。例えば温度変動により反射ミラーの曲率が変化すると、反射ミラーの凹面部151の光軸に対する傾きが変化する。凹面部151の中央近傍における傾きの変化は小さいが、光軸から離れた反射面150の端部においては、光軸に対する傾きの変化は比較的に大きくなる。このため温度変動が生じると、光106の光軸から離れた成分が、受光素子126まで到達するか否かが変化して、受光素子126における受光量が変化する場合がある。
本例のガス分析計100は、コリメート部143を備えている。コリメート部143は、光源部120とセル113との間に配置される。コリメート部143は、光源部120が出射した光106をコリメート光に変換して入射窓140に入射する。本例のコリメート部143は、放物面鏡を用いている。これにより、収差影響の少ないコリメート光を生成できる。ただしコリメート部143は、図2等に示したレンズであってもよい。
本例においては、入射窓140から入射したコリメート光106が最初に到達する第1の反射ミラー114-1の凹面部151の幅が、コリメート光106の幅よりも小さい。凹面部151は、第1の反射ミラー114-1の反射面のうち、凹面となっている部分である。つまり凹面部151は平坦な部分を含まない。第1の反射ミラー114-1の反射面の全体が凹面部151になっていてもよい。
図14は、第1の反射ミラー114-1の凹面部151と、コリメート光106のスポット192を、コリメート光106の進行方向から見た図である。図14のスポット192は、凹面部151の位置におけるスポットを示している。コリメート光106の進行方向における凹面部151の位置は、凹面部151の中央部193の位置である。つまりスポット192は、当該位置における平面にコリメート光106が照射される範囲である。他の例では、スポット192は、コリメート部143が出射した直後のコリメート光106のスポットであってよく、入射窓140の位置におけるコリメート光106のスポットであってもよい。スポット192は、コリメート光106の進行方向と垂直な平面における光強度が、最大値P1の半分(0.5×P1)以上となる範囲であってよい。つまり当該平面の光の強度分布において、半値全幅の領域をコリメート光106のスポット192とみなしてよい。
凹面部151の幅をR1、コリメート光106のスポット192の幅をR0とする。当該幅は、凹面部151の中央部193における微小面と平行な面における幅であってよい。当該幅は、コリメート光106の進行方向と垂直な面における幅であってもよい。凹面部151が円形の場合、凹面部151の幅は円形の直径である。凹面部151が非円形の場合、凹面部151の幅は、当該面における凹面部151の幅のうち最大のものを指す。例えば凹面部151が正方形の場合、凹面部151の幅は正方形の対角線の長さである。スポット192の幅の測定方法も、凹面部151の幅と同様である。
凹面部151の幅R1は、コリメート光106のスポット192の幅R0より小さい。これによりコリメート光106のうち、凹面部151の中央部193から離れた成分については凹面部151で反射されない。このため、温度変動により凹面部151の傾きが変化した場合であっても、中央部193から離れた位置のコリメート光106は受光素子126における測定値に影響を与えない。このため、温度変動による誤差を抑制できる。また、コリメート部143により光106をコリメート光106に変化しているので、コリメート光106の進行方向と垂直な面における光強度の分布を平坦化できる。このため、コリメート光106の光軸の位置が、凹面部151の中央部193からずれた場合であっても、凹面部151の全体に照射される光量の変動を抑制でき、ガス濃度を精度よく測定できる。また、それぞれの反射ミラーが凹面部151を有することで、反射ミラーにおける反射光の平行性を維持しやすくなる。幅R1は、20mm以下であってよく、10mm以下であってもよい。
凹面部151の幅R1は、コリメート光106のスポット192の幅R0の80%以下であってよい。これにより、温度変動による測定誤差を低減しやすくなる。幅R1は、幅R0の75%以下であってよく、70%以下であってもよい。ただし、幅R1を小さくしすぎると、受光素子126に到達する光量が小さくなり、SN比が低下してしまう。幅R1は、幅Rの50%以上であってよい。幅R1は、幅Rの55%以上であってよく、60%以上であってもよい。
第1の反射ミラー114-1の反射面の全体の幅が、コリメート光106の幅R0より小さくてもよい。例えば反射面が凹面部151の周囲に平坦面を有する場合において、反射面の全体の幅が、コリメート光106の幅R0より小さくてもよい。また、反射面の全体が凹面部151になっていてもよい。この場合、反射面全体の幅は、凹面部151の幅R1である。図14においては、第1の反射ミラー114-1について説明したが、セル113の他の反射ミラーにおいても、凹面部151の幅がコリメート光の幅より小さくてよい。
図15は、第2の反射ミラー114-2の凹面部151を、コリメート光106の進行方向から見た図である。図15においては、図14と同一のスポット192を重ねて示している。第2の反射ミラー114-2の凹面部151の幅をR2とする。凹面部151の幅R2は、コリメート光106のスポット192の幅R0より小さくてよい。幅R2は、幅R1と同一であってもよい。幅R2を幅R0より小さくすることで、第1の反射ミラー114-1で反射した後に、コリメート光106の幅が広がった場合でも、第2の反射ミラー114-2において再度コリメート光106の幅を成形できる。これにより温度変動による誤差成分を更に抑制して、ガス濃度を更に精度よく測定できる。幅R2は、20mm以下であってよく、10mm以下であってもよい。
幅R2は、幅R1よりも小さくてよい。反射ミラーの幅を徐々に小さくすることで、コリメート光106の光軸が、反射ミラーの中央部193からずれた場合であっても、当該反射ミラーの全体にコリメート光106を照射しやすくなる。このため、光軸ずれによる測定誤差を抑制できる。他の例では、第1の反射ミラー114-1以外の全ての反射ミラーの幅は、第1の反射ミラー114-1の幅R1よりも大きくてよい。これにより、第1の反射ミラー114-1よりも後段で光軸ずれが生じた場合でも、各反射ミラーにおいてコリメート光106の全体を反射しやすくなる。
幅R2は、幅R1より大きくてもよい。幅R2は、幅R0より大きくてもよい。第1の反射ミラー114-1において、コリメート光106の幅がR1に成形される。このため、第2の反射ミラー114-2の幅R2を第1の反射ミラー114-1の幅R1と同一にした場合、コリメート光106の光軸が第2の反射ミラー114-2の中央部193からずれると、コリメート光106の一部が第2の反射ミラー114-2から外れてしまい、第2の反射ミラー114-2で反射されなくなる。このため、受光素子126に到達する光量が小さくなりすぎる場合がある。幅R2を幅R1より大きくすることで、受光素子126に到達する光量を確保しやすくなる。第2の反射ミラー114-2は、図2に示す構造のように、出射窓141の直前の反射ミラーであってよい。第1の反射ミラー114-1においてコリメート光106の直径を小さく成形することにより、測定誤差を効率よく低減できる。また、第2の反射ミラー114-2を比較的に大きくすることで、受光素子126に到達する光量を確保しやすくなる。
図16は、中央反射ミラー112の凹面部151と、中央反射ミラー112の凹面部151の位置におけるコリメート光106のスポット192を、コリメート光106の進行方向から見た図である。中央反射ミラー112の凹面部151の幅をR3とする。中央反射ミラー112に到達するコリメート光106は、第1の反射ミラー114-1により幅R1に成形されている。幅R3は、幅R1より大きくてよい。図13に示した構造においては、中央反射ミラー112には、第1の反射ミラー114-1からのコリメート光106(スポット192-3)と、第2の反射ミラー114-2からのコリメート光106(スポット192-4)が入射する。スポット192-3およびスポット192-4は、凹面部151の異なる場所に配置される場合がある。中央反射ミラー112は、第1の反射ミラー114-1からのコリメート光106と、第2の反射ミラー114-2からのコリメート光106との両方を反射できるように、幅R1よりも大きい幅R3を有してよい。幅R3は、幅R0より大きくてもよい。幅R3は、20mmより大きくてよく、30mm以上であってもよい。
図17は、中央反射ミラー112の凹面部151の他の形状例を示す図である。図16の例においては、中央反射ミラー112は円形である。本例の中央反射ミラー112は、非円形である。中央反射ミラー112において、スポット192-3およびスポット192-4が並ぶ方向における幅をR3とし、当該方向と直交する方向の幅をW3とする。幅W3は、幅R3より小さくてよい。幅W3は、幅R1より大きくてよく、小さくてもよい。このような構造においても、中央反射ミラー112は、第1の反射ミラー114-1からのコリメート光106と、第2の反射ミラー114-2からのコリメート光106との両方を反射できる。
図18は、折り返し反射ミラー115の凹面部151を、コリメート光106の進行方向から見た図である。図18においては、図14と同一のスポット192を重ねて示している。折り返し反射ミラー115の凹面部151の幅をR4とする。凹面部151の幅R4は、コリメート光106のスポット192の幅R0より小さくてよい。幅R4は、幅R1と同一であってもよい。幅R4は、幅R2と同一であってもよい。幅R4を幅R0より小さくすることで、第2の反射ミラー114-2で反射した後に、コリメート光106の幅が広がった場合でも、折り返し反射ミラー115において再度コリメート光106の幅を成形できる。これにより温度変動による誤差成分を更に抑制して、ガス濃度を更に精度よく測定できる。
幅R4は、幅R2よりも小さくてよい。反射ミラーの幅を徐々に小さくすることで、コリメート光106の光軸が、反射ミラーの中央部193からずれた場合であっても、当該反射ミラーの全体にコリメート光106を照射しやすくなる。このため、光軸ずれによる測定誤差を抑制できる。幅R4は、幅R1より大きくてもよい。幅R4は幅R2より大きくてもよい。幅R4は、20mm以下であってよく、10mm以下であってもよい。
図19は、ガス分析計100の動作試験を説明する図である。本例では、ガス分析計100の温度を変化させたときの、受光素子126における特定波長の受光量の測定値を検出した。図19は、ガス分析計100の温度変化パターンの一例である。
図20は、参考例における、受光素子126の受光量の測定値を示す図である。本例では、全ての反射ミラーの凹面部151の幅が、コリメート光106の幅以上である。参考例では、温度変動に伴って、受光素子126の測定値が大きく変動する。
図21は、第2の実施例における、受光素子126の受光量の測定値を示す図である。本例では、第1の反射ミラー114-1の凹面部151の幅R1が、コリメート光の幅R0より小さい。本例では、温度変動に伴う測定値の変動を抑制できている。
図22は、第3の実施例に係るガス分析計100を示す図である。本例のガス分析計100は、図2から図12の第1の実施例で説明したいずれかの態様のノッチフィルタ110を、図13から図21の第2の実施例で説明したいずれかの態様のガス分析計100に追加した構成を有する。本例のガス分析計100は、図9または図10において説明した調整部190を更に備えてよい。本例のガス分析計100は、図2から図12において説明した各機能を有してよい。本例のガス分析計100は、第1の実施例の構成と、第2の実施例の構成とを適宜組み合わせた構成を有してよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
10・・煙道、11・・ガス吸入管、12・・ガス排出管、14・・ガスフィルタ、15・・予熱器、16・・予熱温度調節器、17・・ポンプ、30・・サンプルガス、100・・・ガス分析計、106・・・光、110・・・ノッチフィルタ、112・・・中央反射ミラー、113・・・セル、114・・・反射ミラー、115・・・折り返し反射ミラー、118・・ヒータ、119・・温度調整部、120・・光源部、122・・分光器、126・・受光素子、127・・処理部、140・・・入射窓、141・・・出射窓、142・・・コリメートレンズ、143・・・コリメート部、149・・・通信線、150・・・反射面、151・・・凹面部、189・・・基準面、190・・・調整部、192・・・スポット、193・・・中央部、200・・・ガス分析装置、300・・・ピーク、302・・・領域

Claims (6)

  1. サンプルガスに含まれる測定対象成分の濃度を測定するガス分析計であって、
    前記測定対象成分の吸収波長を含む光を出射する光源部と、
    前記光を反射させる1つ以上の反射ミラーを前記サンプルガスを封止した空間に収容したセルと、
    前記セルを通過した前記光の放射スペクトルを取得する受光素子と、
    前記光源部から前記受光素子までの光経路のいずれかに配置され、前記光源部が出射する前記光の放射スペクトルのいずれかのピークにおける強度を減少させる制限帯域を有するノッチフィルタと、
    前記受光素子の受光信号を処理し、前記測定対象成分の濃度を測定する処理部と
    前記ノッチフィルタの制限帯域の波長を調整する調整部と
    を備え
    前記ノッチフィルタは、前記セルの内部に配置されており、
    前記調整部は、前記ノッチフィルタに対する前記光の入射角度を調整することで前記制限帯域の波長を調整し、
    前記調整部は、前記入射角度を調整した場合に、少なくとも一つの前記反射ミラーの反射面の角度を調整する
    ガス分析計。
  2. 前記セルは、前記光源部からの前記光を前記セルの内部に入射させる入射窓を有し、
    前記1つ以上の反射ミラーは、前記入射窓から入射した前記光が最初に到達する第1の反射ミラーを含み、
    前記ノッチフィルタは、前記入射窓と、前記第1の反射ミラーとの間の前記光経路に配置されている
    請求項に記載のガス分析計。
  3. 前記処理部は、前記調整部が前記入射角度を調整した場合に、前記受光信号の強度を補正する
    請求項に記載のガス分析計。
  4. 前記調整部には、前記入射角度を変更できる変更範囲が設定されており、
    前記ノッチフィルタは、前記入射角度に応じた出射角度で前記光を出射し、
    前記出射角度が変化した場合に、少なくとも一つの前記反射ミラーにおいて前記光が照射されるスポット位置が第1の方向に変化し、
    前記少なくとも一つの前記反射ミラーは、前記ノッチフィルタに対する前記入射角度を前記変更範囲内の最小値から最大値まで変更させた場合の前記光の前記スポット位置が含まれる大きさの反射面を有する
    請求項1から3のいずれか一項に記載のガス分析計。
  5. 前記ノッチフィルタを異なる複数の位置に備える
    請求項1からのいずれか一項に記載のガス分析計。
  6. 前記反射面は、前記第1の方向における長さが、前記第1の方向と直交する第2の方向における長さよりも大きい
    請求項4に記載のガス分析計。
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