JP2017221901A - 多重反射セル - Google Patents

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貴史 神邊
健大 五十嵐
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健大 五十嵐
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政輝 石井
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Abstract

【課題】複数の凹面ミラーを有する多重反射セルを用いて光反応を行うにあたり、レーザー光の光路長を増加した多重反射セルを提供する。
【解決手段】本発明に係る多重反射セル1は、試料ガスの供給を受ける容器3と、容器3内に収容されて対向して配設した複数の凹面ミラー5及び7を有し、容器3内に入射したレーザー光により光反応を行うものであって、容器3の内壁面にコーティングされた反射材9と、容器3の周壁に設けられ、凹面ミラー5及び7間で複数回反射したレーザー光を透過して容器3外に導出するレーザー光透過窓11と、レーザー光透過窓11に向かうレーザー光の光路を切り替えるレーザー光路切替手段13とを備え、レーザー光路切替手段13は、レーザー光透過窓11に向かうレーザー光を反射する反射物15と、反射物15を前記光路上の位置と該光路上でない位置との間で移動させる移動機構17を有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、向かい合わせに配置された複数の凹面ミラーの間でレーザー光を複数回反射させる多重反射セルに関し、特に、光反応に用いる多重反射セルに関する。
近年、容器内のガスに特定の波長のレーザー光を照射し、特定のエネルギー準位間の光学遷移を誘起することで光反応を引き起こす技術が広く用いられている。例えば、同位体の分離などで行われている。
この技術においては、レーザー光が光反応にどれだけ用いられたかを示す「光利用率」を高めることにより、投入エネルギーに対する成果を示す「エネルギー収率」が向上する。
「光利用率」を高める代表的な方法として、レーザー光と反応対象ガスが接する経路の長光路化が挙げられる。
長光路化の方法としては、単純に反応が行われる容器の長さをレーザー光の照射方向に沿って直線上に延長することが挙げられるが、この場合、容器の大きさや、設置スペース等の観点から限度がある。
また、長光路化の他の方法としては、特許文献1及び2に開示されるように、容器内表面を高反射材でコーティングし、容器内でレーザー光を複数回反射させる技術が挙げられる。しかしながら、特許文献1及び2に開示されている技術においては、容器内表面のレーザー光の反射面を微調整することができないことから、レーザーの反射位置をコントロールすることができず、必要な距離を得るための長光路化が困難であった。
そのため、反射面の微調整が可能な複数枚の凹面ミラーを向い合せに設置し、当該凹面ミラー間で複数回反射させて長光路化を達成する方法が用いられるようになった。このように、容器内に複数枚の凹面ミラーを配置し、前記容器内に導入したレーザー光を前記凹面ミラー間で複数回反射させる構造は、一般に、多重反射セルと呼ばれる。
そして、容器内に導入したレーザー光は、凹面ミラー間を所定回数反射した後、レーザー光透過窓等を通して前記容器の外に導かれ、検出器で検出される。
特許文献3には、容器内に複数の凹面鏡が配置された多重反射セルが開示されている。
通常、凹面ミラーの表面(反射面)に入射したレーザー光の一部が拡散するため、凹面ミラー表面におけるレーザー光の反射点が光点となってカメラ等で観察することができる。そのため、多重反射セルにおいても、図3に示すように、凹面ミラー表面に複数の光点が観察され、これらの光点群をスポットパターンと呼ぶ。そして、多重反射セルにおいては、このスポットパターンを確認しつつ、凹面ミラーの位置及び向き等の微調整を行うことができる。
特許第5632770号公報 特許第5715473号公報 特開平08−35926号公報
近年、ガス中のさらなる光反応による同位体分離の収率向上のため、多重反射セルにおいてはより一層の長光路化が求められている。具体的には、凹面ミラー間の距離を延長し、かつ凹面ミラー間におけるレーザー光の往復回数を増やすことが求められている。
しかしながら、特許文献3に開示されているような多重反射セルにおいては、容器や凹面ミラーの大きさから、凹面ミラー間の距離を延長したり、凹面ミラー間におけるレーザー光の往復回数を増やすことによる長光路化には限度があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、さらなる長光路化を可能とした多重反射セルを提供することを目的とする。
(1)本発明に係る多重反射セルは、試料ガスの供給を受ける容器と、該容器の内部に収容されて対向して配設した複数の凹面ミラーを有し、前記容器内に入射したレーザー光により光反応を行う多重反射セルであって、前記容器の内壁面にコーティングされた反射材と、前記容器の周壁に設けられ、前記凹面ミラー間で複数回反射したレーザー光を透過して前記容器外に導出するレーザー光透過窓と、該レーザー光透過窓に向かうレーザー光の光路を切り替えるレーザー光路切替手段とを備え、該レーザー光路切替手段は、前記レーザー光透過窓に向かうレーザー光を前記反射材に向けて反射する反射物と、該反射物を支持するとともに該反射物を前記レーザー光透過窓に向かうレーザー光の光路上の位置と光路上でない位置との間で移動させる移動機構を有することを特徴とするものである。
(2)上記(1)に記載のものであって、前記反射物は、ミラーであることを特徴とするものである。
(3)上記(1)又は(2)に記載のものであって、前記反射材は、硫酸バリウムであることを特徴とするものである。
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記移動機構は、前記反射物を支持する反射物支持部と、前記容器の周壁に貫通して設けられ、前記反射物支持部を支持するとともに軸周りに回転可能な回転軸を有することを特徴とするものである。
本発明においては、光反応の対象となる試料ガスの供給を受ける容器と、該容器の内部に収容されて対向して配設した複数の凹面ミラーを有し、前記容器内にレーザー光を入射し、該入射したレーザー光を前記凹面ミラー間で複数回反射させて光反応を行うものであって、前記容器の内壁面にコーティングされた反射材と、前記容器の周壁に設けられ、前記凹面ミラー間で複数回反射したレーザー光を透過して前記容器外に導出するレーザー光透過窓と、該レーザー光透過窓に向かうレーザー光の光路を切り替えるレーザー光路切替手段とを備え、該レーザー光路切替手段は、前記レーザー光透過窓に向かうレーザー光を前記反射材に向けて反射する反射物と、該反射物を支持し、前記レーザー光透過窓に向かうレーザー光の光路上の位置と光路上でない位置との間で移動させる移動機構を有することにより、前記凹面ミラー間で所定の回数反射した後のレーザー光を前記容器内壁面の反射材でさらに反射させることができ、前記容器内におけるレーザー光の光路長が増加し、レーザー光の光反応に対する光利用率を向上させることができる。さらに、前記反射物を前記レーザー光透過窓に向かうレーザー光の光路上でない位置に移動させることで、前記レーザーレーザー光を前記容器外に導出し、前記容器内におけるレーザー光の減衰を容易に調べることができる。
本実施の形態に係る多重反射セルの概要を説明する説明図である。 本実施の形態に係る多重反射セルの動作態様を説明する説明図である。 多重反射セルの凹面ミラーに照射されたレーザー光のスポットパターンの一例を示す図である。
本発明の実施の形態に係る多重反射セル1は、図1に示すように、光反応の対象とする試料ガスの供給を受けて内部に試料ガスを満たす容器3と、容器3の内部に収容されて対向して配設した複数の凹面ミラー5及び7と、容器3の内壁面にコーティングされた反射材9と、容器3の周壁に設けられ、凹面ミラー5及び7間で複数回反射したレーザー光を透過して容器3の外に導出するレーザー光透過窓11と、レーザー光透過窓11に向かうレーザー光の光路を切り替えるレーザー光路切替手段13とを備えたものである。
以下、多重反射セル1の各構成を詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示されている場合があるが、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
<容器>
容器3は、光反応の対象とする試料ガスの供給を受ける筒状のものであり、ガス導入管19及びガス導出管21がそれぞれ接続されている。
多重反射セル1を用いて光反応を行う場合、多重反射セル1に供給される試料ガスは、ガス導入管19を経て容器3内に導入される。そして、光反応した後の試料ガスは、ガス導出管21を経て導出される。
本実施の形態において、容器3には、外径300mm、厚さ4mm、長さ1100mmのSUS304製の鋼管を用いているが、容器3のサイズ及び材質はこれに限定されることではなく、任意に選択することができる。
<凹面ミラー>
凹面ミラー5及び7は、凹形状の反射面をそれぞれ有し、該反射面においてレーザー光を複数回反射させるため、凹面ミラー5と凹面ミラー7とが対向して容器3内に収容されている。
凹面ミラー5及び7は、ミラー固定部材23及び25によりそれぞれの背面側が保持され、容器3に固定される。
ミラー固定部材23及び25は、凹面ミラー5及び7の位置(ミラー間方向、鉛直方向)及び向き(あおり方向及び首振り方向)を調整するミラー調節機構を有するものであることがより好ましい。
この場合、凹面ミラー5及び7の位置及び向きは、常温常圧時に、ミラー調節機構により調整することができる。
凹面ミラー5及び7間におけるレーザー光の反射回数は、凹面ミラー7の反射面におけるレーザー光のスポットパターンを容器3の周壁に設置された観察窓27を通してカメラ29により撮影することにより、確認することができる。
本実施の形態において、凹面ミラー5及び7には、直径200mm、厚さ23mmの合成石英製のものを用い、凹面ミラー5及び7の間の凹面ミラー間距離は1000mmとした。また、凹面ミラー5及び7の反射率は99.9%である。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、任意の形状(直径、厚さ等)と距離を選択することができる。
また、凹面ミラー5及び7を設置する枚数には限定はなく、レーザー光を所定の回数、反射することができるものであれば良い。
さらに、本実施の形態において、観察窓27には直径137mm、厚さ8mmのコバール製を用いているが、これに限定されるものではなく、任意のサイズと材質を選択することができる。
<反射材>
反射材9は、容器3の内壁面にコーティングされたものであり、凹面ミラー5及び7間で所定の回数反射した後のレーザー光を容器3内でさらに反射させるものである。
図1においては、容器3の内壁面だけでなく、凹面ミラー5及び7の側面などにも反射材9がコーティングされている。
本実施の形態において、反射材9には、硫酸バリウム(反射率99.0%)を用いたが、本発明は、これに限定されるものではなく、反射材9は、反射率が非常に高い金属(金や銀)や誘電体多層膜であってもよい。
<レーザー光透過窓>
レーザー光透過窓11は、容器3の周壁に設けられ、レーザー光源31から出射したレーザー光を透過して容器3内に導入するともに、凹面ミラー5及び7の間で複数回反射した後のレーザー光を透過して容器3外に導出するものである。
図1に示す多重反射セル1において、レーザー光透過窓11を透過して容器3内に導入したレーザー光は、ガイドミラー33によって凹面ミラー7に向かって反射される。
凹面ミラー7に入射したレーザー光は、凹面ミラー5に向かって反射し、凹面ミラー5及び7の間で反射を繰り返す。そして、凹面ミラー5及び7との間で所定の回数反射した後のレーザー光は、ガイドミラー33に入射し、レーザー光透過窓11に向かって反射する。
本実施の形態において、レーザー光透過窓11には直径34mm、厚さ2mmのコバール製を、ガイドミラー33には直径5mm、反射角度45度の合成石英製を用いたが、本発明は、これらに限定されるものではなく、任意のサイズと材質を選択することができる。
<レーザー光路切替手段>
レーザー光路切替手段13は、凹面ミラー5及び7の間で所定の回数反射した後にガイドミラー33で反射してレーザー光透過窓11に向かうレーザー光の光路を切り替えるものであり、レーザー光透過窓11に向かうレーザー光を反射材9に向けて反射する反射物15と、反射物15を支持するとともに反射物15をレーザー光透過窓11に向かうレーザー光の光路上の位置と光路上でない位置との間で移動させる移動機構17を有している。
そして、移動機構17としては、図1に示すように、反射物15を支持する反射物支持部17aと、容器3の周壁に貫通して設けられ、反射物支持部17aの背面側に取りつけられるとともに軸周りに回転可能な回転軸17bを有するものを用いることができる。
ここで、反射物支持部17aは板状体からなり、反射物15は反射物支持部17aの片方(図中左側)に寄った位置にて支持され、回転軸17bの先端部は上記と反対側(図中右側)に片寄った位置に取り付けられている。
これにより、回転軸17bを回転させると、反射物15は反射物支持部17aとともに回転軸17bの軸周りに回転してその位置が移動するため、レーザー光路切替手段13によりレーザー光透過窓11に向かうレーザー光の光路を、素早く容易に切り替えることができる。
すなわち、図1に示すように、回転軸17bを回転させて反射物15が前記光路上の位置に移動したとき、レーザー光透過窓11に向かうレーザー光に対してレーザー光透過窓11は少なくともその一部が遮蔽される。そのため、レーザー光透過窓11に向かうレーザー光は、反射物15の表面において容器3の内壁面の反射材9に向けて反射する。
これに対し、図2に示すように、回転軸17bを回転させて反射物15が前記光路上でない位置に移動したとき、レーザー光透過窓11に向かうレーザー光に対してレーザー光透過窓11は遮蔽されない。そのため、レーザー光透過窓11に向かうレーザー光は、反射物15で反射されずにレーザー光透過窓11を透過して容器3外に導出し、容器3外に設置した検出器35に入射する。
本実施の形態において、反射物15には、直径10mm、厚さ5mmのミラーを用いているが、これに限るものではなく、レーザー光を効率よく反射できるものであればよい。また、任意のサイズと材質を選択することができる。
次に、本実施の形態に係る多重反射セル1を用いてレーザー光反応を行う場合の動作態様を、図1及び図2に基づいて以下に説明する。
まず、多重反射セル1の外部に、レーザー光源31、カメラ29及び検出器35を設置する。本実施の形態では、レーザー光源31には半導体レーザーを用い、レーザー光源31から出射されるレーザー光の強度は0.1Wとした。
次に、ミラー調節機構を有するミラー固定部材23及び25により凹面ミラー5及び7が対向するように容器3内に固定する。
そして、凹面ミラー5及び7の位置及び向きをミラー固定部材23及び25のミラー調節機構により厳密に調節する。本実施の形態では、凹面ミラー間距離を1000mmに設定し、この時の凹面ミラー5及び7の間におけるレーザー光の回数は約100回である。
そして、レーザー光源31から出射したレーザー光を、レーザー光透過窓11を通して容器3の内部に導入する。
容器3の内部に導入したレーザー光は、ガイドミラー33により凹面ミラー7側に反射される。そして、凹面ミラー5及び7の間を約100回反射したレーザー光は、再びガイドミラー33に入射し、レーザー光透過窓11に向かって反射する。
このとき、図1に示すように、回転軸17bを回転させて反射物15を移動し、反射物15がレーザー光透過窓11に向かうレーザー光の光路上に位置するように調整する。
反射物15に入射したレーザー光は、容器3の内壁面に設けられた反射材9に向かって反射し、反射材9によってさらに反射される。そして、反射材9によって反射したレーザー光は、容器3外に導出せずに、レーザー光が減衰するまで反射材9による反射を繰り返す。
凹面ミラー5及び7の間におけるレーザー光の反射回数は、凹面ミラー7の反射面に照射されたレーザー光のスポットパターン(図3参照)をカメラ29により撮影することにより計測することができる。
凹面ミラー7におけるスポットパターンから凹面ミラー5及び7の位置及び向きが調整されていることを確認した後、レーザー光を停止する。そして、図示しない真空ポンプにより、ガス導出管21を経て容器3内を真空引きした後、容器3内にガス導入管19から光反応の試料ガスを供給する。
最後に、レーザー光源31からレーザー光を出射し、レーザー光透過窓11を通してレーザー光を容器3内に導入することで試料ガスの光反応を行うことができる。
さらに、本実施の形態に係る多重反射セル1においては、図2に示すように、回転軸17bにより反射物15の位置をガイドミラー33からレーザー光透過窓11に向かうレーザー光の光路上でない位置に移動し、レーザー光透過窓11を通してレーザー光を容器3外に導出し、容器3の外に設けられた検出器35に入射させることにより、容器3内におけるレーザー光の減衰や理想光路からのズレなどを定期的かつ容易に調べることができる。
なお、上記の説明において、レーザー光透過窓11は、容器3の外部に配設したレーザー光源31から出射したレーザー光を容器3内に導入するととともに、凹面ミラー5及び7間で複数回反射した後のレーザー光を容器3外に導出するものであるが、本発明は、このように一つのレーザー光透過窓11でレーザー光の導入と導出を行うものに限るわけではなく、例えば、容器3内にレーザー光を導入するレーザー光導入窓を別途設けたものであってもよい。
また、反射物15の移動機構17は、回転軸17bを軸周りに回転させることで反射物15の位置を移動するものであり、回転軸17bのみが容器3の内外を貫通するので、容器3内部への外気侵入などの影響を少なくすることができる。
ただし、本発明に係る移動機構は、容器3の気密性を保ったまま反射物15を素早く容易に移動可能なものであれば、その態様には特に限定はなく、例えば、反射物15を保持して横方向へスライドするスライド式のものや、反射部材で構成した回転シャッターをレーザー光透過窓11の前に配置したものであってもよい。
さらに、レーザー光路切替手段13は、反射物15を容器3内に設けたものであるが、本発明は、反射物15の設置位置は容器3内に限るものではない。容器3内に設置できない場合は、レーザー光透過窓11の外側であってもよい。
[光路長の比較]
本実施の形態に係る多重反射セル1における光路長は、以下のとおり概算される。
まず、本実施形態においては、凹面ミラー5及び7の間での光路長は、凹面ミラー間距離1000mm及び反射回数約100回より、約100mである。
ここで、レーザー光の強度を0.1W、凹面ミラー5及び7の反射率を99.9%とすると、凹面ミラー5及び7間で約100回の反射後のレーザー光の強度は約0.09Wである。この反射後のレーザー光は光反応に十分に活用できるものであったが、従来では容器の外に導出するか、もしくは容器内で壁面に当てることで大きく減衰し、光反応に活用できていなかった。
本実施の形態に係る多重反射セル1においては、凹面ミラー5及び7間で約100回反射した後のレーザー光を反射物15により反射材9に向かって反射し、反射材9によりレーザー光が減衰するまで反射させることにより、さらなる光路長を得ることができる。
このときの光路長の増加分Ldは、容器3を、直径300mmの積分球と考え、式(1)を用いて概算することができる。
Ld=4×r/(3×(1−R)) ・・・(1)
ここで、Ld:光路長[m]、r:積分球の半径[m]、R:容器3内の反射材9の反射率[-]、である。
式(1)に、r=0.15、R=0.99(99.0%)を代入することで、Ld=20mが得られる。
つまり、従来の多重反射セルでは100mの光路長であったが、本実施の形態に係る多重反射セル1では少なくとも120mの光路長が得られることが示された。
以上より、本発明に係る多重反射セル1は、凹面ミラー5及び7の間で規定回数反射されたレーザー光を、容器3内で減衰するまで反射させることができるため、本発明に係る多重反射セル1を用いたガスのレーザー光反応方法は、凹面ミラー5及び7において所定回数反射させただけの場合に比べてさらなる長光路化したレーザー光により、光反応を効率良く行うことができる。
1 多重反射セル
3 容器
5 凹面ミラー
7 凹面ミラー
9 反射材
11 レーザー光透過窓
13 レーザー光路切替手段
15 反射物
17 移動機構
17a 反射物支持部
17b 回転軸
19 ガス導入管
21 ガス導出管
23 ミラー固定部材
25 ミラー固定部材
27 観察窓
29 カメラ
31 レーザー光源
33 ガイドミラー
35 検出器

Claims (4)

  1. 試料ガスの供給を受ける容器と、該容器の内部に収容されて対向して配設した複数の凹面ミラーを有し、前記容器内に入射したレーザー光により光反応を行う多重反射セルであって、
    前記容器の内壁面にコーティングされた反射材と、
    前記容器の周壁に設けられ、前記凹面ミラー間で複数回反射したレーザー光を透過して前記容器外に導出するレーザー光透過窓と、
    該レーザー光透過窓に向かうレーザー光の光路を切り替えるレーザー光路切替手段とを備え、
    該レーザー光路切替手段は、前記レーザー光透過窓に向かうレーザー光を前記反射材に向けて反射する反射物と、該反射物を支持するとともに該反射物を前記レーザー光透過窓に向かうレーザー光の光路上の位置と光路上でない位置との間で移動させる移動機構を有することを特徴とする多重反射セル。
  2. 前記反射物は、ミラーであることを特徴とする請求項1記載の多重反射セル。
  3. 前記反射材は、硫酸バリウムであることを特徴とする請求項1又は2記載の多重反射セル。
  4. 前記移動機構は、前記反射物を支持する反射物支持部と、前記容器の周壁に貫通して設けられ、前記反射物支持部を支持するとともに軸周りに回転可能な回転軸を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の多重反射セル。
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