JP6730349B2 - 車両の収納ベルト装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の収納ベルト装置は、車両の内装部材の凹部内に露出するように、一対のベルト片が設けられ、一対のベルト片の端部同士が脱着手段によって結合可能とされている。この収納ベルト装置は、内装部材の凹部に収納物品を収容し、その状態で収納物品の前面側で一対のベルト片を結合することにより、凹部からの収納物品の落下を規制する。
即ち、本発明に係る車両の収納ベルト装置は、収納物品(例えば、実施形態のヘッドレスト7)をベルト部材(例えば、実施形態のベルト部材11)で車体部材(例えば、実施形態の内装部材2)に係止させる車両の収納ベルト装置において、前記収納物品を抱持固定する物品抱持部(例えば、実施形態の物品抱持部12)と、前記車体部材に取り付けられる車体取付部(例えば、実施形態の車体取付部13)と、を備え、前記物品抱持部は、前記車体取付部から連続した前記ベルト部材の一部を、当該ベルト部材の延出方向の中途部で折り返して、重ね合わせ部を相互に縫合した第1折り返し部(例えば、実施形態の第1折り返し部14)と、前記第1折り返し部と離間した前記ベルト部材の別の一部を、当該ベルト部材の延出方向の中途部で折り返して、重ね合わせ部を相互に縫合した第2折り返し部(例えば、実施形態の第2折り返し部17)と、前記ベルト部材の前記第1折り返し部と前記第2折り返し部の間の領域によって構成され、かつ、前記ベルト部材の前記第1折り返し部の縫合部の近傍から延び、延び方向の端部に、前記ベルト部材の前記車体取付部側の端部に連結される連結部が設けられている側部覆いベルト部(例えば、実施形態の側部覆いベルト部15)と、前記第1折り返し部と前記側部覆いベルト部と前記第2折り返し部とによって前記収納物品の周囲を囲った状態で、前記第1折り返し部と前記第2折り返し部の先端部同士を引き締め固定可能な引き締め固定部(例えば、実施形態の引き締め固定部25)と、を有していることを特徴とする。
この場合、第2折り返し部の重ね合わせ部から延出した延長ベルト部の先端部を、第1折り返し部の連結リングに挿通し、その延長ベルトの先端部を、固定部材によって第2折り返し部に締め付け固定することにより、物品抱持部を引き締め固定することができる。したがって、この構成を採用した場合には、一本のベルト部材を有効利用して引き締め固定部を構成することができる。
この場合、延長ベルト部を固定部材で締め込んだときに、延長ベルト部が収納物品の角部に押し付けられなくなる。したがって、この構成を採用した場合には、延長ベルト部を固定部材によってスムーズに締め込み、物品抱持部によって収納物品を強固に固定することができる。
この場合、車両の急減速時等に収納物品が慣性力によって前方に移動したときに、その移動に伴う力が、第1折り返し部の縫合部に剥離方向の力として作用しにくくなる。したがって、この構成を採用した場合には、物品抱持部の耐久性を高め、収納物品の脱落を防止することができる。
この場合、第2引き締め固定部が引き締め固定されると、車体取付部の背部引き回し部が車体部材の凹状壁の背部側を回り込んだ状態で、側部覆いベルトに張力が付与される。このため、車体部材の凹状壁に物品を収納した状態で、第2引き締め固定部を引き締め固定することにより、凹状壁に収納された収納物品を側部覆いベルトによって固定することができる。
この場合、物品抱持部で抱持した収納物品に大きな荷重が作用すると、その荷重が背部引き回し部から第1固定部と第2固定部を通して車体部材に作用する。このとき、車体部材は、収納物品から荷重を受けたときに最も変形しにくい第1固定部と第2固定部の間の位置で車体強度部材に固定されているため、車体強度部材からの車体部材の脱落を防止することができる。
車室内の後部右側には、樹脂製の内装部材2が取り付けられている。内装部材2は、リヤ側のサイドガラス3の下方に設けられている。内装部材2は、上下方向の中央領域から車室内側に膨出する棚部4と、棚部4の車幅方向外側端から起立する側壁5と、側壁5の上部に車幅方向外側に凹状に窪んで設けられた略矩形状の物品収納凹部6と、を有している。
図3は、収納物品である二つのヘッドレスト7を内装部材2に固定したときの収納ベルト装置10の水平断面を示す図である。また、図4は、収納ベルト装置10の曲げ状態や連結状態等を説明するために、一部を誇張して示した図3と同様の図である。
収納ベルト装置10は、図3,図4に示すように、ヘッドレスト7等の収納物品を抱持固定する物品抱持部12と、内装部材2(車体部材)に取り付けられる車体取付部13と、を備えている。ベルト部材11のうちの車体取付部13を構成する部分は、内装部材2のうちの物品収納凹部6の凹状壁6aの背部に引き回され、その凹状壁6aの背部に固定されている。凹状壁6aの前端側の開口45fから車室内側に引き出されたベルト部材11(車体取付部13)の端部には、第1折り返し部14と、側部覆いベルト部15と、接続部16と、第2折り返し部17と、延長ベルト部18とが連続して形成されている。これらは物品抱持部12を構成している。
第2折り返し部17は、ベルト部材11の接続部16からの延出部の一部を中途部で折り返され、重ね合わせ部分の基端が相互に縫合されている。第2折り返し部17の基端からは、延長ベルト部18が延出している。第2折り返し部17の基端の縫合部23では、延長ベルト部18の基端がさらに重ねられ、ベルト部材11が三枚重ねの状態で縫合されている。また、第2折り返し部17の先端部(折り返し端)には、締め付け固定用の一対のD字状リング24(固定部材)が取り付けられている。
図2,図5に示すように、物品抱持部12で収納物品を係止しないときには、ベルト部材11の延長ベルト部18をD字状リング24で引き締めて、第1折り返し部14を後方側に倒し、かつ、第2折り返し部17を前方側に倒す。これにより、第1折り返し部14と第2折り返し部17の先端部が最接近した状態で、第1折り返し部14と第2折り返し部17が側部覆いベルト部15の外側面に重ね合わされる。このとき、D字状リング24から引き出された延長ベルト部18は、第1折り返し部14の基部に保持された案内リング20に挿通される。そして、案内リング20に挿通された延長ベルト部18は、案内リング20で後方側に折り返され、第2折り返し部17の基部側の外面に重ねられる。このとき、延長ベルト部18の先端側の面ファスナー42Aが第2折り返し部17の基部側の面ファスナー42Bに係止される。
図6の(A)に示す本実施形態の収納ベルト装置10の場合、車両の急減速時等に収納物品(ヘッドレスト7)が慣性力Fによって前方に移動することがある。このとき、第1折り返し部14の相互に重ね合わされたベルト片には、連結リング40を折り返し点として相反方向に向く力が作用する。この力は、縫合部19に対して揃断方向の力として働く。これに対し、図6の(B)に示す比較例の収納ベルト装置10Aでは、車両の急減速時等に収納物品(ヘッドレスト7)が慣性力Fによって前方に移動すると、第1折り返し部14に剥離方向の力が働く。これらを比較して明らかなように、本実施形態の収納ベルト装置10では、縫合部19に剥離方向の力が作用しにくくなる。
車体取付部13は、図3,図5に示すように、側部覆いベルト部15の前部から内装部材2の前側の開口45fを通して内装部材2の凹状壁6aの背部に引き回される背部引き回し部27と、背部引き回し部27の端部に連続して設けられた延長ベルト部28と、側部覆いベルト部15の後部に取り付けられた一対のD字状リング22と、を備えている。延長ベルト部28は、内装部材2の後ろ側の開口45rを通して車室内側に引き出され、その先端部が、側部覆いベルト部15の後部のD字状リング22に締め込み固定される。
本実施形態では、延長ベルト部28と一対のD字状リング22が第2引き締め固定部41を構成している。
6a…凹状壁
7…ヘッドレスト(収納物品)
8…停止表示機材(収納物品)
10…収納ベルト装置
11…ベルト部材
12…物品抱持部
13…車体取付部
14…第1折り返し部
15…側部覆いベルト部
17…第2折り返し部
18…延長ベルト部
19…縫合部
25…引き締め固定部
27…背部引き回し部
29A…第1固定部
29B…第2固定部
31…車体フレーム(車体強度部材)
32…固定部
40…連結リング
41…第2引き締め固定部
Claims (6)
- 収納物品をベルト部材で車体部材に係止させる車両の収納ベルト装置において、
前記収納物品を抱持固定する物品抱持部と、
前記車体部材に取り付けられる車体取付部と、を備え、
前記物品抱持部は、
前記車体取付部から連続した前記ベルト部材の一部を、当該ベルト部材の延出方向の中途部で折り返して、重ね合わせ部を相互に縫合した第1折り返し部と、
前記第1折り返し部と離間した前記ベルト部材の別の一部を、当該ベルト部材の延出方向の中途部で折り返して、重ね合わせ部を相互に縫合した第2折り返し部と、
前記ベルト部材の前記第1折り返し部と前記第2折り返し部の間の領域によって構成され、かつ、前記ベルト部材の前記第1折り返し部の縫合部の近傍から延び、延び方向の端部に、前記ベルト部材の前記車体取付部側の端部に連結される連結部が設けられている側部覆いベルト部と、
前記第1折り返し部と前記側部覆いベルト部と前記第2折り返し部とによって前記収納物品の周囲を囲った状態で、前記第1折り返し部と前記第2折り返し部の先端部同士を引き締め固定可能な引き締め固定部と、を有していることを特徴とする車両の収納ベルト装置。 - 前記引き締め固定部は、
前記第1折り返し部の先端部に保持された連結リングと、
前記第2折り返し部の前記重ね合わせ部から延出して前記連結リングに挿通される延長ベルト部と、
前記連結リングに挿通された前記延長ベルト部を前記第2折り返し部に締め付け固定する固定部材と、を有していることを特徴とする請求項1に記載の車両の収納ベルト装置。 - 前記連結リングと前記固定部材は、前記収納物品の同一面上に位置するように設けられていることを特徴とする請求項2に記載の車両の収納ベルト装置。
- 前記第1折り返し部は、前記側部覆いベルト部を挟んで前記第2折り返し部の車両前方側に配置され、
前記第1折り返し部の重ね合わせ部を縫合する縫合部は、前記物品抱持部で抱持固定した前記収納物品の前面に対峙する位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の収納ベルト装置。 - 前記車体取付部は、
前記側部覆いベルト部の一端から前記車体部材の物品収納可能な凹状壁の背部に引き回されて当該背部に固定される背部引き回し部と、
前記背部引き回し部の端部から車内側に引き出されて前記側部覆いベルト部の他端に引き締め固定可能な第2引き締め固定部と、を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の収納ベルト装置。 - 前記背部引き回し部は、前記車体部材の凹状壁の背部に前後に離間して設けられた第1固定部と第2固定部とに固定され、
前記車体部材の車体強度部材に対する固定部は、前記第1固定部と前記第2固定部の間に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の車両の収納ベルト装置。
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