JP2012206574A - エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】展開膨張途中において近接乗員と接触した際に、エアバッグ本体により近接乗員を上方へ押し上げることを抑制可能なエアバッグ装置を提供すること。
【解決手段】エアバッグ装置のエアバッグ20では、エアバッグ本体21の乗員保護エリアPAの外表面側に、展開膨張時における乗員との接触時にエアバッグ本体21側を滑らせ、乗員に対する負荷を抑制可能なスリップ部材34が、配設されている。スリップ部材34が、左右両縁35a,35b側と後下縁36a側とをエアバッグ本体21側に結合される。スリップ部材34において、左右両縁35a,35b側をエアバッグ本体21側に結合させる左結合部38と右結合部39とが、乗員保護エリアPAの中央27aよりも前上側となる位置で結合され、後下縁36a側をエアバッグ本体21側に結合させる縁側結合部40が、乗員保護エリアPAの中央27aよりも、後下側となる位置で結合されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、収納部位に折り畳まれて収納され、インフレーターから吐出される膨張用ガスを内部に流入させて、収納部位から突出しつつ展開膨張し、座席に着座した乗員の上半身を保護可能に膨張するエアバッグを、備えるエアバッグ装置に関し、特に、エアバッグが、エアバッグ本体と、エアバッグ本体の外表面側に配置されるスリップ部材と、を備える構成のエアバッグ装置に関する。
従来、エアバッグ本体と、エアバッグ本体の外表面側に配置されるスリップ部材と、を有するエアバッグを備える構成のエアバッグ装置としては、乗員接触時に乗員に対するエアバッグ本体の負荷を抑制可能なスリップ部材が、エアバッグ本体において、膨張完了時に乗員を保護する乗員保護エリアの外表面側に配置されるものがあった。この従来のエアバッグ装置では、スリップ部材は、外形形状を略長方形状として、乗員保護エリアの外表面(後面)を略全面にわたって覆い可能な構成とされ、縦方向側の一方の縁部である上縁側又は下縁側の一辺、若しくは、横方向側で対向する左縁側と右縁側との二辺を、エアバッグ本体側に結合させていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−170795公報
しかし、従来のエアバッグ装置では、上縁側又は下縁側の一辺のみ、若しくは左縁側と右縁側との二辺で、スリップ部材をエアバッグ本体側に結合させていることから、以下のような問題点が生じていた。
スリップ部材を、上縁側又は下縁側の一辺のみで、エアバッグ本体側に結合させる場合、エアバッグ本体の展開膨張時に、スリップ部材が捲くれ上がったり、エアバッグ本体から垂れ下がる等して、エアバッグ本体の乗員保護エリアを確実に覆うことができない虞れがあった。また、スリップ部材を、左縁側と右縁側との二辺でエアバッグ本体側に結合させる場合、従来のエアバッグ装置では、スリップ部材をエアバッグ本体に結合させる結合部位は、縦方向(上下方向)の略全域にわたって配置されていることから、乗員との接触時に、スリップ部材のエアバッグ本体に対する縦方向側(上下方向側)へのずれ移動の自由度が低く、エアバッグ本体に対して大きくずれ移動し難く、乗員に対するエアバッグ本体の負荷を抑制する点に、改善の余地があった。そして、スリップ部材のエアバッグ本体に対するずれ移動の自由度を高めるために、単に結合部位の幅を小さくすれば、上縁側又は下縁側の一辺のみで結合させる場合と同様に、エアバッグ本体の乗員保護エリアを確実に覆うことができない場合が生じる。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、展開膨張途中において近接乗員と接触した際に、エアバッグ本体により近接乗員を上方へ押し上げることを抑制可能なエアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係るエアバッグ装置は、収納部位に折り畳まれて収納され、インフレーターから吐出される膨張用ガスを内部に流入させて、収納部位から突出しつつ展開膨張し、座席に着座した乗員の上半身を保護可能に膨張するエアバッグを、備え、
エアバッグが、
可撓性を有した袋状のエアバッグ本体と、
エアバッグ本体において、膨張完了時に乗員を保護する乗員保護エリアの外表面側に配置されて、エアバッグ本体の展開膨張時における乗員との接触時にエアバッグ本体側を滑らせ、乗員に対するエアバッグ本体の負荷を抑制可能な可撓性を有したシート材からなるスリップ部材と、
を備える構成のエアバッグ装置であって、
スリップ部材が、エアバッグ本体の膨張完了時において、横方向の両縁側となる左右両縁側と、横方向と略直交する縦方向の一方の縁部側であって乗員の頭部から離れた後下縁側と、の少なくとも三箇所を、エアバッグ本体側に結合され、
スリップ部材において、左右両縁側をエアバッグ本体側に結合させる左結合部と右結合部とが、乗員保護エリアにおける縦方向の中央よりも前上側となる位置で、結合され、後下縁側をエアバッグ本体側に結合させる縁側結合部が、乗員保護エリアにおける縦方向の中央よりも、後下側となる位置で、結合されていることを特徴とする。
通常、エアバッグ装置では、エアバッグ本体は、展開膨張時に、外表面に張力を発生させつつ、球状に膨らもうとすることとなり、膨張完了時に乗員を保護する乗員保護エリアも、縦横の略中央を最も乗員側に突出させるように、湾曲して配置されることなる。そして、本発明のエアバッグ装置では、エアバッグ本体における乗員保護エリアの外表面側に配置されるスリップ部材が、横方向の両縁側となる左右両縁側の左結合部及び右結合部と、横方向と略直交する縦方向の一方の縁部側であって乗員の頭部から離れた後下縁側の縁側結合部と、の3箇所で、エアバッグ本体側に結合される構成であるが、左結合部及び右結合部は、乗員保護エリアにおける縦方向の中央よりも、前上側となる位置に配置され、縁側結合部は、乗員側保護エリアにおける縦方向の中央よりも、後下側となる位置に配置されている。すなわち、本発明のエアバッグ装置では、スリップ部材が、左右両側と、後下側と、の三方で、エアバッグ本体側に結合され、また、スリップ部材をエアバッグ本体側に結合させる左結合部及び右結合部と、縁側結合部と、は、乗員保護エリアにおける縦方向の中央を間にして、配置されることとなる。
そのため、本発明のエアバッグ装置では、エアバッグ本体が、乗員保護エリアにおける縦方向の中央付近の部位を乗員側に突出させつつ膨張する際においても、スリップ部材の乗員保護エリアの中央から前上方に外れるような移動を抑制できて、スリップ部材により、乗員保護エリアの中央を確実に覆うことができ、エバッグの展開膨張途中における乗員の接触時に、スリップ部材を、確実に乗員保護エリアと乗員との間に介在させることができる。また、本発明のエアバッグ装置では、スリップ部材をエアバッグ本体側に結合させる左結合部及び右結合部と、縁側結合部と、は、縦方向側において、相互に離れて配置されることから、スリップ部材の左右両縁を縦方向の略全域にわたってエアバッグ本体側に結合させている従来のエアバッグ装置と比較して、スリップ部材のエアバッグ本体に対する縦方向側へのずれ移動の自由度が高く、スリップ部材の乗員との接触時に、スリップ部材がエアバッグ本体に対して縦方向側に大きくずれ移動しやすい。さらに、本発明のエアバッグ装置では、スリップ部材において、乗員の頭部側となる前上縁側を、エアバッグ本体側に結合させていないことから、エアバッグ本体の展開膨張途中において、エアバッグが乗員の頭部を受け止め、乗員の頭部がスリップ部材に接触することとなっても、スリップ部材が、乗員の頭部より前上側に位置する前上縁側の部位をエアバッグ本体に対してずれ移動させることができて、エアバッグ本体を、乗員の頭部に対する負荷を抑制して、頭部に接触しているスリップ部材に対して、前上側にすり抜けるように、展開させることができる。その結果、本発明のエアバッグ装置では、エアバッグ本体の展開膨張途中において、乗員がエアバッグに接触することとなっても、乗員とエアバッグ本体との間にスリップ部材を確実に介在させることができ、また、このスリップ部材が、前上縁側をエアバッグ本体側に結合されておらず、かつ、エアバッグ本体に対して縦方向側に大きくずれ移動可能であることから、エアバッグ本体は、スリップ部材に対して滑りつつ、前上方に向かって突出するように膨張することとなり、スリップ部材と接触している乗員が、エアバッグ本体の膨張の影響を受けて上方へ押し上げられることを、的確に防止することができる。
したがって、本発明のエアバッグ装置では、展開膨張途中において近接乗員と接触した際に、エアバッグ本体により近接乗員を上方へ押し上げることを抑制することができる。
また、本発明のエアバッグ装置において、スリップ部材における、エアバッグ本体の膨張完了時に左結合部及び右結合部より前上側となる領域に、余剰部を配置させ、
余剰部を、乗員との接触時におけるエアバッグ本体側の滑り移動を許容可能に、エアバッグ本体に対して弛んだ状態で、前上縁側を、エアバッグ本体側に結合させることが好ましい。
上記構成のエアバッグ装置では、スリップ部材が、乗員の頭部側となる前上縁側も、エアバッグ本体側に結合されることから、乗員保護エリアにおける前上縁側の領域に、左右で横断するようなスリップ部材の端縁が生じず、エアバッグ本体の膨張完了後において、乗員保護エリアが乗員を受け止めた際に、スリップ部材の端縁が乗員に干渉することを抑制できる。そして、上記構成のエアバッグ装置においても、スリップ部材が、余剰部を有しており、この余剰部をエアバッグ本体に対して弛ませた状態で、前上縁をエアバッグ本体側に結合させていることから、スリップ部材において乗員の頭部より前上側に位置する部位をエアバッグ本体に対してずれ移動させることができて、エアバッグ本体の展開膨張途中において、乗員の頭部がエアバッグ本体に接触することとなっても、エアバッグ本体を、乗員の頭部に対する負荷を抑制して、頭部に接触しているスリップ部材に対して、前上側にすり抜けるように、展開させることができて、乗員がエアバッグ本体の膨張の影響を受けて上方へ押し上げられることを、的確に抑制することができる。
具体的には、本発明のエアバッグ装置を、ステアリングホイール用のエアバッグ装置に使用することが好ましい。
ステアリングホイール用のエアバッグ装置では、エアバッグ本体が、外形形状を同一とした略円形状として、膨張完了時に乗員側に配置されて前記乗員保護エリアを構成する乗員側壁部と、膨張完了時にステアリングホイール側に配置される車体側壁部と、を備えて、乗員側壁部と車体側壁部との外周縁相互を、結合させて構成されることとなり、膨張完了時には、前後左右の中央を最も厚くした略凸レンズ状として、膨張することとなる。しかしながら、スリップ部材を、乗員側壁部において前後の中央よりも前方となる左右両側と、前後の中央よりも後方となる後縁側と、で、乗員側壁部に結合させれば、スリップ部材がエアバッグ本体の展開膨張途中に、前方にずれることを的確に防止でき、スリップ部材により、乗員保護エリアを的確に覆うことができる。
なお、本発明において、前上方向は、前方から上方にかけての方向のいずれかを含むものであり、後下方向は、後方から下方にかけての方向のいずれかを含むものである。
本発明の一実施形態であるステアリングホイール用のエアバッグ装置を示す概略平面図であり、膨張完了時のエアバッグを二点鎖線で示す図である。 図1のエアバッグ装置における車両搭載状態の概略縦断面図であり、膨張完了時のエアバッグを二点鎖線で示す図である。 図1のエアバッグ装置に使用されるエアバッグを平らに展開した状態の平面図である。 図3のエアバッグの底面図である。 図3のエアバッグを単体で膨張させた状態におけるV−V部位の概略断面図である。 図3のエアバッグを構成する布材を示す概略分解斜視図である。 実施形態のエアバッグ装置において、エアバッグの膨張過程を示す車両搭載状態の概略縦断面図である。 本発明の他の実施形態であるエアバッグの平面図である。 図8のエアバッグを単体で膨張させた状態におけるIX−IX部位の概略断面図である。 図8のエアバッグを使用したエアバッグ装置において、エアバッグの膨張過程を示す車両搭載状態の概略縦断面図である。 本発明のさらに他の実施形態であるエアバッグを単体で膨張させた状態の概略斜視図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態では、エアバッグ装置として、図1,2に示すようなステアリングホイール用のエアバッグ装置Mを例に採り、説明する。
なお、実施形態における前後・上下・左右の方向は、特に断らない限り、車両に搭載されたステアリングホイールWの直進操舵時を基準とするものであり、ステアリングホイールWを組み付けるステアリングシャフトSS(図2参照)の軸方向に沿った上下を上下方向とし、ステアリングシャフトSSの軸直交方向である車両の前後を前後方向とし、ステアリングシャフトSSの軸直交方向である車両の左右を左右方向として、前後・上下・左右の方向を示すものである。
ステアリングホイールWは、図1,2に示すように、実施形態の場合、ステアリングホイール本体1と、ステアリングホイール本体1の中央のボス部Bの上部に配置されるエアバッグ装置Mと、を備えて構成されている。ステアリングホイール本体1は、操舵時に把持する円環状のリング部Rと、リング部Rの略中央に配置されてステアリングシャフトSSに締結されるボス部Bと、ボス部Bとリング部Rとを連結する複数(実施形態の場合、4本)のスポーク部Sと、を備えて構成されている。
ステアリングホイール本体1は、図1,2に示すように、リング部R、ボス部B、スポーク部Sの各部を連結するように配置されて、アルミニウム合金等の金属からなる芯金2を、備える構成とされている。芯金2において、リング部Rの部位と、各スポーク部Sのリング部R側の部位と、には、合成樹脂製の被覆層5が、被覆されている。芯金2におけるボス部Bの部位には、ステアリングシャフトSSを挿入させてナットN止めするための鋼製のボス3が、配設されている。また、ステアリングホイール本体1の下部には、ボス部Bの下方を覆う合成樹脂製のロアカバー7が、配設されている。
実施形態のエアバッグ装置Mは、図1,2に示すように、ステアリングホイールWの中央のボス部Bに配置されるもので、折り畳まれて収納されるエアバッグ20と、エアバッグ20に膨張用ガスを供給するインフレーター10と、エアバッグ20とインフレーター10とを収納して保持する収納部位としてのケース11と、折り畳まれたエアバッグ20の上方を覆うエアバッグカバー15と、エアバッグ20とインフレーター10とをケース11に取り付けるためのリテーナ9と、を備えて構成されている。
リテーナ9は、インフレーター10の円柱状の本体部10aを下方から挿入可能な略四角環状として、四隅に、下方へ突出する図示しないボルトを備えて構成されている。このリテーナ9は、図示しないボルトを、エアバッグ20の後述する取付孔から突出させた状態で、エアバッグ20内に収納されて、ケース11への取付時、各ボルトを、ケース11の底壁部12を経て、インフレーター10のフランジ部10cから突出させて、ナット止めすることにより、エアバッグ20とインフレーター10とをケース11に取付固定している。
インフレーター10は、図2に示すように、上部に膨張用ガスを吐出するガス吐出口10bを備えた略円柱状の本体部10aと、本体部10aの外周面から突出して配置される略四角板状のフランジ部10cと、を備えている。フランジ部10cには、リテーナ9の図示しないボルトを貫通させる図示しない貫通孔が、形成されている。
収納部位を構成するケース11は、図1,2に示すように、長方形板状の底壁部12と、底壁部12の外周縁から上下に延びる側壁部13と、を備えた板金製とされている。底壁部12には、図1に示すように、インフレーター10の本体部10aを下方から挿入可能に円形に開口した挿通孔12aが形成されるとともに、その周囲に、リテーナ9の図示しないボルトを貫通させる4つの貫通孔12bが、形成されている。側壁部13の上端には、外方へ延びる取付片13aが形成され(図1参照)、取付片13aには、図示しないホーンスイッチ機構の取付基板が取り付けられている。そして、実施形態の場合、この図示しない取付基板を利用して、ケース11がステアリングホイールWの芯金2に取付固定され、エアバッグ装置Mが、ステアリングシャフトSSに装着済みのステアリングホイール本体1のボス部Bの上部に搭載されることとなる。また、ケース11の側壁部13には、リベット18等を利用して、エアバッグカバー15の側壁部17が取り付けられている(図2参照)。
エアバッグカバー15は、合成樹脂製として、ケース11に収納されたエアバッグ20の上方を覆う天井壁部16と、天井壁部16の外周縁付近から下方へ延びる略四角筒形状の側壁部17と、を備えて構成されている。天井壁部16には、膨張するエアバッグ20に押されて前後に開く2枚の扉部16aが、形成されている。
エアバッグ20は、可撓性を有した袋状のエアバッグ本体21と、エアバッグ本体21の外表面側に配置されるスリップ部材34と、を備えて構成されている。
エアバッグ本体21は、図3〜5に示すように、膨張完了形状を、ステアリングホイールWの上面側を略全面にわたって覆い可能とするとともに、中央付近を厚くして外周縁側にかけて薄くするような、外周縁を略円形状とした略凸レンズ形状として、座席に着座した乗員としての運転者MDの上半身(詳細には、胸部付近から頭部MHにかけて)を保護可能に、構成されている。実施形態の場合、エアバッグ本体21は、外形形状を同一とした略円形状として、膨張完了時に乗員側に配置される乗員側壁部27と、膨張完了時にステアリングホイールW側に配置される車体側壁部22と、を備え、この乗員側壁部27と車体側壁部22との外周縁相互を、縫着(結合)させることにより、袋状に構成されている。実施形態の場合、エアバッグ本体21は、ポリアミド糸やポリエステル糸等からなるとともに、表面にコーティング剤を塗布させていないノンコートの可撓性を有した織布から形成されている。
車体側壁部22の中央には、図4に示すように、インフレーター10の本体部10aを下方から挿入させて、インフレーター10のガス吐出口10bから吐出される膨張用ガスを、エアバッグ本体21内に流入させるための流入用開口23が、円形に開口して形成されている。また、車体側壁部22における流入用開口23の周縁には、リテーナ9に形成される図示しないボルトを挿通させるための取付孔24が、4個形成されている。また、車体側壁部22において、流入用開口23の前方の領域には、内部に流入した余剰の膨張用ガスを排気するためのベントホールが、形成されている。
乗員側壁部27は、膨張完了時に乗員としての運転者MDを保護する乗員保護エリアPAを構成する部位である。詳細には、実施形態の場合、乗員側壁部27は、膨張完了時に最も運転者MD側(上方側)に突出している前後左右(縦横)の中央(中心)27aより前方となる前側領域27bで、運転者MDの頭部MHを保護し、中央27aより後方となる後側領域27cで、運転者MDの胸部付近を保護することとなる。
また、実施形態のエアバッグ本体21には、内部に、図5に示すように、テザー29が、配設されている。このテザー29は、エアバッグ本体21の膨張完了時における車体側壁部22と乗員側壁部27との離隔距離を規制して、エアバッグ本体21の膨張完了形状を規制するもので、実施形態の場合、車体側壁部22側と乗員側壁部27側とに配置される2枚のテザー用基布30,31から、構成されている。各テザー用基布30,31は、略円形とされて各車体側壁部22,乗員側壁部27に連結される連結部30a,31aと、各連結部30a,31aの左右両縁側から延設される帯状の延設部30b,31bと、から構成されて、延設部30b,31bの先端相互を縫着されることにより、相互に連結されて、テザー29を構成している。テザー用基布30の連結部30aには、図6に示すように、流入用開口23や取付孔24に対応して、開口(図符号省略)が、形成されている。
スリップ部材34は、可撓性を有したシート材から形成されるもので、乗員保護エリアPAを構成する乗員側壁部27の外表面側に配置されている。このスリップ部材34は、エアバッグ本体21の展開膨張途中において運転者MDと接触した際に、エアバッグ本体21側を滑らせて、運転者MDに対するエアバッグ本体21の負荷を抑制させるためのものであり、エアバッグ本体21を構成する基布に対して摩擦抵抗の小さなシート材から形成することが好ましい。実施形態の場合、スリップ部材34は、エアバッグ本体21と同様に、ポリアミド糸やポリエステル糸等からなるとともに、表面にコーティング剤を塗布させていないノンコートの可撓性を有した織布から形成されている。
スリップ部材34は、実施形態の場合、乗員保護エリアPAを構成する乗員側壁部27において、中央27a付近から前側領域27bにかけての外表面側を広く覆うように構成されており、平らに展開した状態の外形形状を、底辺を前縁として、後方にかけて狭幅とされるような略台形状としている。さらに詳細には、スリップ部材34は、前後の中央を、乗員側壁部27の中央27aよりも僅かに前方に位置させるように配置されるもので、前側領域27bの外表面側を覆う前側部位35を、前側領域27bの前端付近を除いて左右の略全域にわたって覆い可能な左右に幅広な形状として、前側部位35の後縁側から乗員側壁部27における後側領域27cにかけて延びる後側部位36を、後縁側にかけて狭幅とするように、形成されており、実施形態の場合、左右対称形とされている。そして、このスリップ部材34は、平らに展開した状態のエアバッグ本体21の乗員側壁部27に対して、左右方向の中央を乗員側壁部27の左右方向の中央と一致させるようにして、平らに展開した状態で重ねられて、前側部位35における左右方向(横方向)の両縁側となる左縁35a側及び右縁35b側と、左右方向と略直交する前後方向(縦方向)の一方の縁部側であって運転者MDの頭部MHから離れた側となる後側部位36における後縁36a側と、の三箇所を、エアバッグ本体21側となる乗員側壁部27に、縫合糸を用いて縫着(結合)されている。
スリップ部材34において、前側部位35の左縁35aと右縁35bとを乗員側壁部27に縫着させる左結合部38及び右結合部39は、乗員側壁部27(乗員保護エリアPA)の前後方向(縦方向)の中央27aより前側となる位置に、配置される。詳細には、左結合部38及び右結合部39は、乗員側壁部27における前側領域27bの前後の中央より後側となる位置であって、かつ、乗員側壁部27の外周縁付近となる位置に、配置されている。また、スリップ部材34において、後側部位36の後縁36aを乗員側壁部27に縫着させる後結合部(縁側結合部)40は、乗員側壁部27(乗員保護エリアPA)の前後方向(縦方向)の中央27aより後側となる位置に、配置される。詳細には、後結合部40は、乗員側壁部27における後側領域27cの前後左右の中央付近となる位置に、配置される。
なお、運転者MDがステアリングホイールWに近接している状態(詳細には、図7に示すように、額をリング部Rに当接させ、顎をエアバッグカバー15に当接させているような状態)で、エアバッグ20が展開膨張する際には、展開膨張途中のエアバッグ20が、運転者MDと当接することとなるが、エアバッグ20(エアバッグ本体21)において、近接している運転者MDと当接する部位は、乗員側壁部27における中央27aを含んで中央27aから上方に延びる領域AA(図3の二点鎖線参照)である。そして、スリップ部材34は、換言すれば、乗員側壁部27におけるこの接触領域AAの外表面側を覆い、かつ、接触領域AAから左右両側と後方側とに延びて、それぞれ先端側(前側部位35における左縁35a,右縁35b及び後側部位36の後縁36a)を、乗員側壁部27に縫着させる構成とされている。
次に、実施形態のエアバッグ20の製造について説明をする。乗員側壁部27の内周面側と、車体側壁部22の内周面側と、に、それぞれ、予め、各テザー用基布30,31の連結部30a,31aを、縫着させておく。そして、平らに展開した状態の乗員側壁部27の外周面側に、平らに展開した状態のスリップ部材34を重ねて、左縁35a,右縁35b,後縁36aの部位で乗員側壁部に縫着させる。次いで、乗員側壁部27と車体側壁部22とを、外周面相互を対向させつつ、平らに展開した状態で、外周縁相互を一致させるように重ね、外周縁相互を縫着させる。その後、外周縁相互を縫着させている縫着部位を外部に露出させないように、流入用開口23を利用して、車体側壁部22と乗員側壁部27とを反転させる。次いで、各テザー用基布30,31の延設部30b,31bを、流入用開口23から引き出し、対応する端部相互を縫着させることにより、テザー29を形成すれば、エアバッグ20を製造することができる。
そして、実施形態のエアバッグ20を車両に搭載する場合、リテーナ9の図示しないボルトをエアバッグ20の取付孔24から突出させるように、エアバッグ20内にリテーナ9を挿入させた状態で、エアバッグ20を折り畳み、折り崩れしないように、折り畳まれたエアバッグ20の周囲を所定の折り崩れ防止材によりくるむ。なお、エアバッグ20の折り畳みは、従来のステアリングホイール用のエアバッグ装置と同様であり、エアバッグ20は、乗員側壁部27と車体側壁部22とを平らに展開した状態で相互に重ねた状態から、まず、左右方向側の幅寸法をケース11内に収納可能に縮めるように折り畳み、その後、前後方向側の幅寸法を縮めるように折り畳まれている。次いで、リテーナ9の各ボルトを貫通孔12bから突出させるように、ケース11内の底壁部12上に、エアバッグ20を収納し、さらに、インフレーター10の本体部10aを下方から底壁部12の挿通孔12aに挿入させて、フランジ部10cにリテーナ9の各ボルトを貫通させて、ナット止めすれば、収納部位としてのケース11に、エアバッグ20とインフレーター10とを収納し、かつ、リテーナ9を利用してエアバッグ20とインフレーター10とをケース11に取り付けることができる。さらに、ケース11にエアバッグカバー15を被せて、リベット18等を利用して側壁部13,17相互を連結して、ケース11にエアバッグカバー15を取り付け、さらに、ケース11の取付片13aに、図示しないホーンスイッチ機構を組み付ければ、エアバッグ装置Mを組み立てることができる。このエアバッグ装置Mは、予め、ステアリングシャフトSSに締結しておいたステアリングホイール本体1に対して、ホーンスイッチ機構の図示しない取付基板を利用して、取り付ければ、車両に搭載することができる。
エアバッグ装置Mの車両への搭載後、走行後の車両が衝突すれば、インフレーター10が、ガス吐出口10bから膨張用ガスを吐出させるように作動して、エアバッグ20が、膨張用ガスを内部に流入させて膨張し、エアバッグカバー15に形成された扉部16aを押し開き、収納部位としてのケース11から突出して、図1,2の二点鎖線に示すように、外形形状を、中央付近を厚くして外周縁側にかけて薄くするような、略凸レンズ形状として、ステアリングホイールWの上面側を略全面にわたって覆うように、膨張を完了させることとなる。
実施形態のエアバッグ装置Mでは、エアバッグ本体21は、展開膨張時に、外周壁に張力を発生させつつ、球状に近似した凸レンズ状に膨らもうとすることとなり、膨張完了時に乗員としての運転者MDを保護する乗員保護エリアPAを構成する乗員側壁部27も、前後左右(縦横)の中央27aを最も乗員側となる上方に突出させるように、湾曲して配置されることなる。そして、実施形態のエアバッグ装置Mでは、エアバッグ本体21における乗員側壁部27の外表面側に配置されるスリップ部材34が、横方向(左右方向)の両縁側となる左縁35a,右縁35b側の左結合部38及び右結合部39と、左右方向と略直交する前後方向(縦方向)の一方の縁部側であって運転者MDの頭部MHから離れた後縁36a側の後結合部40(縁側結合部)と、の3箇所で、エアバッグ本体21側に結合される構成であるが、左結合部38及び右結合部39は、乗員側壁部27における前後の中央27aよりも、前側となる位置に配置され、後結合部40は、乗員側壁部27における前後の中央27aよりも、後側となる位置に配置されている。すなわち、実施形態のエアバッグ装置Mでは、スリップ部材34が、左右両側と、後側と、の三方で、エアバッグ本体21側に結合され、また、スリップ部材34をエアバッグ本体21側に結合(縫着)させる左結合部38及び右結合部39と、後結合部40と、は、乗員側壁部27における前後の中央27aを間にして、配置されることとなる。
そのため、実施形態のエアバッグ装置Mでは、エアバッグ本体21が、乗員側壁部27における前後方向の中央27a付近の部位を運転者MD側となる上方に突出させつつ膨張する際においても、スリップ部材34の乗員側壁部27の中央27aから前上方に外れるような移動を抑制できて、スリップ部材34により、乗員側壁部27の中央27aを確実に覆うことができ、エアバッグ20の展開膨張途中における運転者MDの接触時に、スリップ部材34を、確実に乗員側壁部27と運転者MDとの間に介在させることができる。また、実施形態のエアバッグ装置Mでは、スリップ部材34をエアバッグ本体21側に結合させる左結合部38及び右結合部39と、後結合部(縁側結合部)40と、は、前後方向側において、相互に離れて配置されることから、スリップ部材の左右両縁を縦方向の略全域にわたってエアバッグ本体側に結合させている従来のエアバッグ装置と比較して、スリップ部材34のエアバッグ本体21に対する前後方向側へのずれ移動の自由度が高く、スリップ部材34の運転者MDとの接触時に、スリップ部材34がエアバッグ本体21に対して前後方向側に大きくずれ移動しやすい。さらに、実施形態のエアバッグ装置Mでは、スリップ部材34において、運転者MDの頭部MH側となる前縁35c側を、乗員側壁部27に結合させていないことから、エアバッグ本体21の展開膨張途中において、エアバッグ20が運転者MDの頭部MHを受け止め、運転者MDの頭部MHがスリップ部材34に接触することとなっても、図7に示すごとく、スリップ部材34において運転者MDの頭部MHより前側に位置する前縁45c側の部位をエアバッグ本体21に対してずれ移動させることができて、エアバッグ本体21を、運転者MDの頭部MHに対する負荷を抑制して、頭部MHに接触しているスリップ部材34に対して、前側にすり抜けるように、展開させることができる。
その結果、実施形態のエアバッグ装置Mでは、膨張完了形状を略凸レンズ状として乗員側壁部27の中央27aを上方に大きく突出させるような構成であっても、エアバッグ本体21の展開膨張途中において、運転者MDの頭部MHがエアバッグ20に受け止められる際に、運転者MDの頭部MHとエアバッグ本体21との間にスリップ部材34を確実に介在させることができ、また、このスリップ部材34が、前縁側をエアバッグ本体21側に結合されておらず、かつ、エアバッグ本体21に対して前後方向側に大きくずれ移動可能であることから、エアバッグ本体21は、スリップ部材34に対して滑りつつ、前方に向かって突出するように膨張することとなり、スリップ部材34と接触している運転者MDの頭部MHが、エアバッグ本体21の膨張の影響を受けて上方へ押し上げられることを、的確に防止することができる。
したがって、実施形態のエアバッグ装置Mでは、展開膨張途中において近接している運転者MDと接触した際に、エアバッグ本体21により運転者MDを上方へ押し上げることを抑制することができる。
また、エアバッグ20Aとして、図8,9に示す構成のものを使用してもよい。図8,9に示すエアバッグ20Aは、エアバッグ本体21と、スリップ部材43と、を備える構成であり、エアバッグ本体21は、上述のエアバッグ20におけるエアバッグ本体21と同一の構成であることから、同一の部材には同一の図符号を付して詳細な説明を省略する。
エアバッグ20Aにおいて使用されるスリップ部材43は、前述のエアバッグ20におけるスリップ部材34と外形形状を略同一として構成されるスリップ本体44と、スリップ本体44の前縁から前方に延びるように形成される余剰部51と、を備える構成とされている。スリップ本体44は、前述のスリップ部材34と同様に、乗員側壁部27において、中央27a付近から前側領域27bにかけての外表面側を広く覆うように、平らに展開した状態の外形形状を、底辺を前縁として、後方にかけて狭幅とされるような略台形状としている。スリップ本体44は、前述のスリップ部材34と同様に、乗員側壁部27における前側領域27bの外表面側を覆う前側部位45と、前側部位45の後縁側から乗員側壁部27における後側領域27cにかけて延びる後側部位46と、を備える構成とされている。このスリップ本体44は、前述のスリップ部材34と同様に、前側部位45における左右方向(横方向)の両縁側となる左縁45a側及び右縁45b側と、左右方向と略直交する前後方向(縦方向)の一方の縁部側であって運転者MDの頭部MHから離れた側となる後側部位46における後縁46a側と、の三箇所で、乗員側壁部27に、縫合糸を用いて縫着(結合)されている。そして、スリップ本体44において、前側部位45の左縁45aと右縁45bとを乗員側壁部27に縫着させる左結合部47及び右結合部48は、乗員側壁部27(乗員保護エリアPA)の前後方向(縦方向)の中央27aより前側となる位置に、配置され、後側部位46の後縁46aを乗員側壁部27に縫着させる後結合部(縁側結合部)49は、乗員側壁部27(乗員保護エリアPA)の前後方向(縦方向)の中央27aより後側となる位置に、配置される。また、スリップ本体44は、前述のスリップ部材34と同様に、左右対称形として、左右方向の中央を、エアバッグ本体21の左右方向の中央と略一致させるようにして、平らに展開した状態で乗員側壁部27に重ねられて、乗員側壁部27に縫着されている。なお、スリップ部材43におけるスリップ本体44は、左右の幅寸法を、上述のスリップ部材34の左右の幅寸法よりも僅かに小さく設定されている。
余剰部51は、スリップ本体44の前縁45c側から幅寸法を漸減させるようにして、先端(前端)側を略帯状として延びるように形成されて、前縁51a近傍を、エアバッグ本体21における乗員側壁部27の前縁近傍部位に、前結合部52の部位で、結合(縫着)させている。すなわち、余剰部51は、スリップ部材43において、エアバッグ本体21の膨張完了時に、左結合部47及び右結合部48より前側となる領域に、配置される部位である。詳細には、余剰部51は、平らに展開した状態を、前後方向に略沿った帯状として、スリップ本体44の前縁45cにおける左右の中央付近から前方に延びるように形成されている。この余剰部51は、平らに展開した状態の長さ寸法L1(スリップ本体55の前縁45cに対応した位置から前結合部52までの離隔距離)を、エアバッグ本体21におけるスリップ本体44の前縁45cに対応した位置から前縁までの離隔距離L2よりも、大きく設定されて、中間部位に弛みを生じさせた状態で、先端側となる前縁51aを、乗員側壁部27の前縁近傍部位に、前結合部52の部位で、縫着(結合)されている(図8参照)。この余剰部51の長さ寸法L1は、エアバッグ本体21の展開膨張時における運転者MDとの接触時にエアバッグ本体21側の滑り移動を許容可能な寸法に、設定されている。
上記構成のエアバッグ20Aを使用した場合、スリップ部材43が、運転者MDの頭部MH側となる前縁45c側も、エアバッグ本体21側に結合されることから、乗員保護エリアPA(乗員側壁部27)における前上縁側の領域に、左右で横断するようなスリップ部材43の端縁が生じず、エアバッグ本体21の膨張完了後において、乗員側壁部27が運転者MDを受け止めた際に、スリップ部材43の端縁が運転者MDに干渉することを抑制できる。そして、上記構成のエアバッグ20Aを使用した場合にも、スリップ部材43が、スリップ本体44の前縁45cから延びる余剰部51を有しており、この余剰部51をエアバッグ本体21に対して弛ませた状態で、前縁51aをエアバッグ本体21側に結合させていることから、スリップ部材43において運転者MDの頭部MHより前側に位置する余剰部51の部位をエアバッグ本体21に対してずれ移動させることができて、図10に示すごとく、エアバッグ本体21の展開膨張途中において、運転者MDの頭部MHがエアバッグ20Aに受け止められることとなっても、エアバッグ本体21を、運転者MDの頭部MHに対する負荷を抑制して、頭部MHに接触しているスリップ部材43に対して、前側にすり抜けるように、展開させることができて、運転者MDがエアバッグ本体21の膨張の影響を受けて上方へ押し上げられることを、的確に抑制することができる。
なお、実施形態では、エアバッグ20,20Aとして、ステアリングホイール用のエアバッグ装置に使用されるものを、例に採り説明しているが、図11に示すように、助手席の前方に配置されるインストルメントパネルの下方に折り畳まれて収納される助手席用エアバッグ装置のエアバッグ20Bに、本発明を適用してもよい。エアバッグ20Bは、頂部を前方に向けるような略四角錐形状のエアバッグ本体21Bと、エアバッグ本体21Bにおいて乗員保護エリアPAを構成する乗員側壁部27Bの外表面側(後面側)に配置されるスリップ部材34Bと、を備える構成である。エアバッグ本体21Bは、膨張完了形状を、底面を後方に向け、頂部を前方に向けるような略四角錐形状とされるもので、後面側において膨張完了時に略上下方向に沿って配置される乗員側壁部27Bが、乗員保護エリアPAを構成する部位である。また、この乗員側壁部27Bも、エアバッグ本体21Bの膨張完了時に、上下の中央27aを、最も乗員側(後方側)に突出させるように湾曲して配置されることとなる。このような助手席用エアバッグ装置に本発明を適用した場合にも、インストルメントパネルに乗員が接近している場合において、エアバッグ本体21Bが、展開膨張途中において乗員と接触した際に、エアバッグ本体により乗員を上方へ押し上げることを抑制することができる。
なお、実施形態では、スリップ部材34は、略台形状とされているが、スリップ部材34の外形形状はこれに限られるものではなく、例えば略長方形状としてもよい。実施形態では、余剰な領域を削除して、スリップ部材34を略台形状としている。また、スリップ部材34の形成材料も、実施形態に限られるものではなく、可撓性を有したシート材であればよく、例えば、不織布や合成樹脂製のフィルム材を使用してもよい。また、スリップ部材34のエアバッグ本体21側への結合も、縫合糸を用いた縫着に限られるものではなく、接着剤等を用いて接着させてもよい。
10…インフレーター、
11…ケース(収納部位)、
15…エアバッグカバー、
20,20A,20B…エアバッグ、
21,21B…エアバッグ本体、
22…車体側壁部、
27,27B…乗員側壁部、
34,34B,43…スリップ部材、
38,47…左結合部、
39,48…右結合部、
40,40…後結合部(縁側結合部)、
51…余剰部、
PA…乗員保護エリア、
W…ステアリングホイール、
M…エアバッグ装置。

Claims (3)

  1. 収納部位に折り畳まれて収納され、インフレーターから吐出される膨張用ガスを内部に流入させて、前記収納部位から突出しつつ展開膨張し、座席に着座した乗員の上半身を保護可能に膨張するエアバッグを、備え、
    該エアバッグが、
    可撓性を有した袋状のエアバッグ本体と、
    該エアバッグ本体において、膨張完了時に前記乗員を保護する乗員保護エリアの外表面側に配置されて、前記エアバッグ本体の展開膨張時における前記乗員との接触時に前記エアバッグ本体側を滑らせ、前記乗員に対する前記エアバッグ本体の負荷を抑制可能な可撓性を有したシート材からなるスリップ部材と、
    を備える構成のエアバッグ装置であって、
    前記スリップ部材が、前記エアバッグ本体の膨張完了時において、横方向の両縁側となる左右両縁側と、前記横方向と略直交する縦方向の一方の縁部側であって前記乗員の頭部から離れた後下縁側と、の少なくとも三箇所を、前記エアバッグ本体側に結合され、
    前記スリップ部材において、左右両縁側を前記エアバッグ本体側に結合させる左結合部と右結合部とが、前記乗員保護エリアにおける縦方向の中央よりも前上側となる位置で、結合され、前記後下縁側を前記エアバッグ本体側に結合させる縁側結合部が、前記乗員保護エリアにおける縦方向の中央よりも、後下側となる位置で、結合されていることを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記スリップ部材が、前記エアバッグ本体の膨張完了時において、前記左結合部及び前記右結合部より前上側となる領域に、余剰部を有し、
    該余剰部が、前記乗員との接触時における前記エアバッグ本体側の滑り移動を許容可能に、前記エアバッグ本体に対して弛んだ状態で、前上縁側を、前記エアバッグ本体側に結合させていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記エアバッグが、ステアリングホイール用のものであって、
    前記エアバッグ本体が、外形形状を同一とした略円形状として、膨張完了時に乗員側に配置されて前記乗員保護エリアを構成する乗員側壁部と、膨張完了時にステアリングホイール側に配置される車体側壁部と、を備えて、前記乗員側壁部と前記車体側壁部との外周縁相互を、結合させて構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアバッグ装置。
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