JP6729281B2 - 電動車の走行制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動車の走行制御装置に関する。
電動機を駆動源とする電動車は、エンジン車と比較して運転者のアクセル操作に対する追従性が高く、きびきびとした走りが可能であるという特徴がある。一方で、純粋に運転者のアクセル操作に基づいて電動機の出力トルク値を決定すると、ショックやしゃくりが生じる可能性があり、また運転しやすさの面でも問題がある。
このため、電動機に指示するトルク値(出力指令トルク値)に対して、一定の勾配制限をかける技術が知られている。例えば、下記特許文献1には、運転者の加速要求に合致したトルクの応答性とギアバックラッシュ低減効果との両立を目的として、アクセルストロークセンサによりアクセル操作状態が非操作状態から操作状態に変更されたことが検出され、モータが制動トルクから駆動トルクへ切り替える際にモータトルク指令値に基づき駆動されるモータのトルクの単位時間当たりの増加量を検出されたアクセル操作量に対応して制限する技術が開示されている。
特開2013−121231号公報
しかしながら、このような勾配制限を実施すると、特に高速走行時などトルクの変化が大きい場合に、アクセル操作に対応する減速感や加速感を得られるまでの時間が長くなり、運転者が違和感を覚える可能性がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、電動車において加減速時のショック等を軽減しつつアクセル操作への応答性を高めることにある。
上述の目的を達成するため、本発明は、電動車を駆動する電動機への出力指令トルクを算出する走行制御装置であって、運転者による前記電動車の操作に基づく前記電動機の出力トルク値である操作トルク値を算出するとともに、前記操作トルク値の単位時間当たりの変化量である時間変化量が勾配制限閾値以下の場合には前記操作トルク値を前記出力指令トルク値とし、前記時間変化量が前記勾配制限閾値を超える場合には前記時間変化量が前記勾配制限閾値以下となるように勾配制限を実施して前記出力指令トルク値を算出するトルク値算出部と、を備え、前記トルク値算出部は、前記勾配制限時に前記出力指令トルク値と前記操作トルク値との差分が勾配制限緩和閾値を超える場合には、前記勾配制限を緩和して前記出力指令トルクを算出し、前記勾配制限緩和閾値には、前記勾配制限の緩和を開始する勾配制限緩和開始閾値と、前記勾配制限の緩和を終了する勾配制限緩和終了閾値とがあり、前記トルク値算出部は、前記出力指令トルク値と前記操作トルク値と差分が前記勾配制限緩和開始閾値を超えた場合に前記勾配制限の緩和を開始し、その後前記出力指令トルクと前記操作トルク値と差分が前記勾配制限緩和終了閾値以下となった場合に前記勾配制限の緩和を終了する、ことを特徴とする。
本発明は、前記勾配制限緩和開始閾値の方が前記勾配制限緩和終了閾値よりも大きい値である、ことを特徴とする。
本発明は、前記トルク値算出部は、前記電動車の走行速度に基づいて前記勾配制限の緩和度合いを変更する、ことを特徴とする。
本発明は、前記トルク値算出部は、低速時の前記勾配制限の緩和度合いを高速時よりも小さくする、ことを特徴とする。
本発明は、前記トルク値算出部は、前記電動車の走行速度に基づいて前記勾配制限緩和閾値を変更する、ことを特徴とする。
本発明は、前記トルク値算出部は、低速時の前記勾配制限緩和閾値を高速時よりも大きくする、ことを特徴とする。
本発明は、前記勾配制限の緩和度合いの設定入力を運転者から受け付ける入力部を更に備える、ことを特徴とする。
発明によれば、勾配制限時に出力指令トルク値と操作トルク値との差分が大きくなった(勾配制限緩和閾値を超える)場合には、勾配制限を緩和して出力指令トルクを算出するので、加減速時のショック等を低減しつつアクセル操作に対応する強さの加減速を得ることができ、電動車の特徴であるきびきびとした走りを実現する上で有利となる。
発明によれば、電動車の走行速度に基づいて勾配制限の緩和度合いを変更するので、電動車の走行速度に合わせて適切な勾配制限の緩和度合いを設定する上で有利となる。
発明によれば、低速時の勾配制限の緩和度合いを高速時よりも小さくするので、運動エネルギーや走行抵抗が小さい低速時に急激なトルク変化によるギクシャク感が発生するのを防止する上で有利となる。
発明によれば、電動車の走行速度に基づいて勾配制限緩和閾値を変更するので、電動車の走行速度に合わせて適切なタイミングで勾配制限の緩和を開始する上で有利となる。
発明によれば、低速時の勾配制限緩和閾値を大きくするので、勾配制限の緩和を開始しにくくなり、運動エネルギーや走行抵抗が小さい低速時に急激なトルク変化によるギクシャク感が発生するのを防止する上で有利となる。
発明によれば、勾配制限の緩和を開始する勾配制限緩和開始閾値と、勾配制限の緩和を終了する勾配制限緩和終了閾値とを設けたので、勾配制限の緩和を開始または終了するタイミングを適切に設定する上で有利となる。
発明によれば、勾配制限緩和開始閾値を勾配制限緩和終了閾値よりも大きい値にするので、操作トルク値が急激に変動するアクセル操作直後に十分な期間勾配制限を実施することができる。
発明によれば、勾配制限の緩和度合いを運転者が任意に設定することができ、運転者の好みにより合った運転フィーリングを実現する上で有利となる。
実施の形態にかかる走行制御装置10の構成を示す説明図である。 操作トルク値の説明図である。 勾配制限の説明図である。 勾配制限の説明図である。 制限緩和トルク値の説明図である。 勾配制限緩和閾値の説明図である。 走行速度により勾配制限の緩和度合いを変更する場合のトルク値変動を示す説明図である。 走行速度により勾配制限緩和閾値を変更する場合のトルク値変動を示す説明図である。 走行制御装置10の処理を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる電動車の走行制御装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
図1は、実施の形態にかかる走行制御装置10の構成を示す説明図である。
走行制御装置10は、電動車を駆動する電動機20への出力指令トルクを算出する。本実施の形態では、駆動源として電動機20のみを搭載した電気自動車を例にして説明するが、本発明は電動機と内燃機関とを搭載したハイブリッド自動車のEV走行モードにも適用可能である。
電動機20は、図示しないバッテリからの電力供給を受け、電動車の駆動輪を回転させるトルクを出力する。電動機20の出力トルクの大きさは、走行制御装置10からの出力指令トルク値と一致するように制御される。
走行制御装置10は、具体的にはCPU、制御プログラムなどを格納・記憶するROM、制御プログラムの作動領域としてのRAM、各種データを書き換え可能に保持するEEPROM、周辺回路等とのインターフェースをとるインターフェース部などを含んで構成されるECU(Electronic Control Unit)によって実現される。
走行制御装置10は、上記CPUが上記制御プログラムを実行することにより、操作検出部102およびトルク値算出部104(操作トルク値算出部1041、制限トルク値算出部1042、制限緩和トルク値算出部1043)として機能する。
操作検出部102は、運転者による電動車の操作を検出する。具体的には、運転者によるアクセルやブレーキの操作量・操作速度、運転者による回生力の大きさ(回生強度)の設定状態を検出する。すなわち、操作検出部102は、電動車のアクセルペダル22・ブレーキペダル23への操作状態(アクセル/ブレーキ操作量・操作速度)をそれぞれ検知するアクセルペダルセンサ24・ブレーキペダルセンサ25の検出値を取得したり、電動車の回生力の大きさの設定を受け付けるシフトレバー27やパドルスイッチ28の操作状態を取得する。
トルク値算出部104は、操作検出部102で検出された各ペダル操作量・操作速度や回生力の設定状態に基づく電動機20の出力トルク値である操作トルク値を算出する。また、トルク値算出部104は、操作トルク値の単位時間当たりの変化量(以下、「時間変化量」という)が勾配制限閾値以下の場合には操作トルク値を出力指令トルク値とし、操作トルク値の時間変化量が勾配制限閾値を超える場合には時間変化量が勾配制限閾値以下となるように勾配制限を実施して出力指令トルク値を算出する。
また、トルク値算出部104は、出力指令トルク値と操作トルク値との差分が勾配制限緩和閾値を超える場合には勾配制限を緩和して出力指令トルクを算出する。
より詳細には、トルク値算出部104は、操作トルク値算出部1041、制限トルク値算出部1042、制限緩和トルク値算出部1043を備える。
操作トルク値算出部1041は、アクセルオン状態では、操作検出部102で検出されたアクセルペダル22への操作量・操作速度に基づく操作トルク値を算出する。
例えば、図2の区間Aに示すように、アクセルペダル22の踏み込み(操作)が行われているアクセルオン状態では、操作トルク値算出部1041は、操作トルク値を力行側に増加させる。アクセルペダル22の踏み込み量が多いほど、また、アクセルペダル22の踏み込み速度が速いほど、トルク値の時間変化量(グラフの傾き)は大きくなる。
また、アクセルペダル22の踏み込み(操作)が行われていないアクセルオフ状態では、操作トルク値算出部1041は、操作検出部102で検出されたアクセルペダル22への操作量・操作速度と電動車両の回生力に基づく操作トルク値を算出する。
また、アクセルオフ状態では、操作トルク値算出部1041は、操作トルク値を回生側に増加させる。アクセルオフ直前のトルク値(力行側)が大きい(アクセルペダル22の踏み込み量が多い)ほど、また、アクセルを離す速度が速いほど、時間変化量(グラフの傾き)は大きくなる。また、アクセルオフ時の回生力が高いほど時間変化量(グラフの傾き)は大きくなる。
また、ブレーキペダルの踏み込み(操作)が行われている状態では、操作トルク値算出部1041は、操作トルク値を回生側に増加させる(協調回生を実行する)。ブレーキペダルの踏み込み量が多いほど、時間変化量(グラフの傾き)は大きくなる。
また、上述したシフトレバー27やパドルスイッチ28などを用いて回生力を運転者が任意に設定できるような電動車の場合は、車両の減速中に運転者の回生力の設定操作に基づいて、回生力が増減する。回生力の増減量が大きいほど、時間変化量(グラフの傾き)は大きくなる。
制限トルク値算出部1042は、操作トルク値算出部1041で算出した操作トルク値の時間変化量が所定の勾配制限閾値を超える場合に、当該時間変化量が勾配制限閾値以下となるように勾配制限を実施する。具体的には、時間変化量が勾配制限閾値以下である制限トルク値を算出し、制限トルク値を出力指令トルク値とする。このような勾配制限を実施するのは、上記課題に記載したように、短時間での大きなトルク変化によるショックやしゃくりを防止するためである。
図3に勾配制限の一例を示す。図3の縦軸はトルク値であり、横軸は時間である。線分Lの傾きが勾配制限閾値であり、線分T1,T2はそれぞれ操作トルク値を示す。
例えば操作トルク値T1のようにグラフの傾き(時間変化量)が勾配制限閾値グラフLの傾きよりも小さい場合(または勾配制限閾値グラフLの傾きと等しい場合)には、操作トルク値T1の時間変化量は勾配制限閾値以下であり、操作トルク値通りのトルク出力が許容される(出力指令トルク値=操作トルク値とする)。
一方、操作トルク値T2のようにグラフの傾きが勾配制限閾値グラフLの傾きよりも大きい場合には、操作トルク値の時間変化量は勾配制限閾値を超えている。よって、制限トルク値算出部1042は、当該時間変化量が勾配制限閾値以下となるように勾配制限を実施した制限トルク値を算出する。
制限トルク値は、例えば時間変化量が勾配制限閾値と一致するように、または勾配制限閾値よりも小さくなるようにする。例えば、図3の例では制限トルクT2’を勾配制限閾値グラフLと一致させた。なお、図示の便宜上、図3では制限トルクT2’と勾配制限閾値グラフLとを完全には重ねずに図示している。
図4は、図2に示した操作トルク値に対して勾配制限を実施した結果を示す。区間α、βでは操作トルク値の時間変化量が勾配制限閾値を超えているため、制限トルク値を算出し、制限トルク値を出力指令トルク値とする。一方、これ以外の区間では、操作トルク値の時間変化量が勾配制限閾値以下であるため、操作トルク値をそのまま出力指令トルク値とする。
図1の説明に戻り、制限緩和トルク値算出部1043は、出力指令トルク値と操作トルク値と差分が勾配制限緩和閾値を超える場合には勾配制限を緩和して出力指令トルクを算出する。具体的には、時間変化量が勾配制限閾値より大きい制限緩和トルク値を算出して、制限緩和トルク値を出力指令トルクとする。これは、制限トルク値と操作トルク値と差分が大きいと、車両操作に対応する加減速を運転者が実感するまでに時間がかかり、違和感を与える可能性があるためである。
なお、勾配制限の緩和度合いは、制限緩和トルク値の時間変化量の大きさによって決まる。すなわち、制限緩和トルク値の時間変化量が大きいほど(操作トルク値に近いほど)、勾配制限の緩和度合いが大きいものとする。
図5を参照して制限緩和トルク値について説明する。
図5において、初期時刻t0ではアクセル操作がオンであり、操作トルク値は力行側に略一定となっている。操作トルク値の時間変動はほぼないので、出力指令トルク値は操作トルク値とする(区間t0〜t1)。
時刻t1にアクセル操作がオフになると、操作トルク値は回生側に急速に変化し、操作トルク値の時間変化量(グラフの傾き)が大きくなる。操作トルク値の時間変化量が勾配制限閾値を超えると、トルク値算出部104は勾配制限を実施し、時間変化量を勾配制限閾値以下とした制限トルク値を出力指令トルク値とする(区間t1〜t2)。
勾配制限が実施されると、時間の経過とともに操作トルク値と出力指令トルク値との差分が大きくなる。時刻t2に操作トルク値と出力指令トルク値との差分が勾配制限緩和閾値ΔPを超えると、勾配制限が緩和される。すなわち、トルク値算出部104は、時間変化量が勾配制限閾値より大きい制限緩和トルク値を出力指令トルクとする(区間t2〜t3)。図5では制限緩和トルク値の時間変化量は操作トルク値の時間変化量と等しくしている。なお、制限緩和トルク値の時間変化量は、操作トルク値の時間変化量より小さくてもよい。
運転者のアクセル操作が終了し(アクセル開度が一定になり)、操作トルク値が一定になると、時間の経過とともに操作トルク値と出力指令トルク値との差分が小さくなる。時刻t3に操作トルク値と出力指令トルク値との差分が勾配制限緩和閾値ΔP以下になると、勾配制限の緩和が終了し、通常の勾配制限が再開される。すなわち、再び時間変化量を勾配制限閾値以下とした制限トルク値を出力指令トルクとする(区間t3〜t4)。
その後、時刻t4には制限トルク値と操作トルク値が等しくなるため、操作トルク値を出力指令トルクとする(区間t4以降)。
このように、トルク値算出部104は、操作トルク値と勾配制限後の出力指令トルク値の差が大きい場合に、勾配制限を緩和して操作に対する車両の加減速の遅れを改善する。このとき、急激に勾配制限を緩和すると、駆動系のバネ要素によってトルク変化の開始および終了の領域でショックやしゃくりが発生する恐れがある。このため、勾配制限緩和閾値を設定し、緩和の開始直前および終了直後は、通常の勾配制限に戻してショック等を防止している。
なお、図5では勾配制限の緩和を開始する際の勾配制限緩和閾値と、勾配制限の緩和を開始する際の勾配制限緩和閾値とを同じΔPとしたが、これらを別個の値としてもよい。すなわち、勾配制限緩和閾値として、勾配制限の緩和を開始する勾配制限緩和開始閾値ΔP1と、勾配制限の緩和を終了する勾配制限緩和終了閾値ΔP2を設け、トルク値算出部104は、出力指令トルクと操作トルク値と差分が勾配制限緩和開始閾値ΔP1を超えた場合に勾配制限の緩和を開始し、その後出力指令トルク値と操作トルク値と差分が勾配制限緩和終了閾値ΔP2以下となった場合に勾配制限の緩和を終了するようにしてもよい。
この場合、勾配制限緩和開始閾値ΔP1の方が勾配制限緩和終了閾値ΔP2よりも大きい値とするのが好ましい。これは、アクセル操作直後には操作トルク値が急激に変動するため、勾配制限緩和開始閾値ΔP1が小さすぎると勾配制限の実効性が低減するためである。
図6は、勾配制限緩和開始閾値ΔP1と勾配制限緩和終了閾値ΔP2をそれぞれ異なる値に設定した例であり、その大きさは勾配制限緩和開始閾値ΔP1>勾配制限緩和終了閾値ΔP2である。図6と図5とでは操作トルク値が同じであり、よって勾配制限開始タイミング(時刻t1)は同じであるが、勾配制限緩和閾値が異なる(勾配制限緩和開始閾値ΔP1>図5の勾配制限緩和閾値ΔP>勾配制限緩和終了閾値ΔP2)ため、勾配制限の緩和が開始されるタイミング(時刻t2’)および勾配制限の緩和が終了されるタイミング(時刻t3’)が異なってくる。例えば、図6の勾配制限緩和開始閾値ΔP1>図5の勾配制限緩和閾値ΔPであるため、勾配制限の緩和が開始されるタイミングは、図6の方が遅くなる。
ところで、勾配制限の緩和が車両挙動に及ぼす影響の度合いは、車両の走行速度によって異なる。例えば、高速走行時は運動エネルギーや走行抵抗により、車体が加減速しにくく、ギクシャク感を感じにくいが、低車速時に勾配制限の緩和度合いが大きいと、アクセルペダル22のオン/オフ操作で敏感にトルクが変化することになり、車速が調整しにくくギクシャク感を感じやすくなる。
このため、車速センサ26(図1参照)で検出された電動車の走行速度に基づいて勾配制限の緩和度合いを変更するようにしてもよい。具体的には、低速時の勾配制限の緩和度合いを高速時よりも小さくする。
例えば、走行速度が遅い時ほど勾配制限の緩和度合いが段階的(または連続的)に小さくなるよう勾配制限の緩和度合いをマップ化し、マップに従って緩和度合いを制御する。または、例えば所定速度未満を「低速」と定義して、低速時には走行速度が所定速度以上の時(高速時)よりも緩和度合いを下げるようにしてもよい。
なお、ここでの「低速」および「高速」とは、相対的な走行速度の大小であり、例えば同じ時速60kmであっても、時速100kmと比較においては「低速」となり、時速20kmと比較においては「高速」となる。
図7は、走行速度が所定速度未満である低速時とこれ以外(高速時)とで勾配制限の緩和度合いを変更した場合のトルク値を示す説明図である。
図7では、時刻t0からt1では操作トルク値と出力指令トルク値が一致しているが、時刻t1のアクセルオフにより操作トルク値が急速に変化し、勾配制限(出力指令トルク値=制限トルク値)が開始される。その後時刻t2に操作トルク値と出力指令トルク値との差分が勾配制限緩和開始閾値ΔP1を超えると、勾配制限の緩和が開始され、出力指令トルク値が制限緩和トルク値となる。
この時、制限緩和トルク値の時間変化量は、電動車の走行速度に基づいて決められる。例えば、図7に示すように、車両の走行速度が高速(所定速度以上)の場合には、制限緩和トルク値の時間変化量を操作トルク値と等しくする。一方、低速(所定速度未満)の場合には、制限緩和トルク値の時間変化量は操作トルク値よりも小さく、かつ制限トルク値よりも大きくする。このように、高速時には勾配制限の緩和度合いを大きくしてきびきびとした走りを実現し、低速時には勾配制限の緩和度合いを小さくしてギクシャク感が生じるのを防止する。
その後、出力指令トルク値と操作トルク値と差分が勾配制限緩和終了閾値ΔP2以下になると勾配制限の緩和が終了し、勾配制限が再開される(出力指令トルク値=制限トルク値)。図7では中高速時には時刻t3に勾配制限が再開され、低速時には時刻t4(>t3)に勾配制限が再開される。
さらに出力指令トルク値と操作トルク値とが等しくなると、勾配制限が終了して、操作トルク値が出力指令トルク値となる。
なお、このような勾配制限の緩和度合いを運転者が任意に選択できるように、勾配制限の緩和度合いの設定入力を運転者から受け付ける入力部を設けてもよい。このような入力部の一例として、例えば電動機20の回生制動力の強さを設定するパドルスイッチや車両の各種設定を受け付けるタッチパネルモニタなどを用いることができる。
また、上記低速時のギクシャク感を防止するための他の方法として、電動車の走行速度に基づいて勾配制限緩和閾値(勾配制限緩和開始閾値または勾配制限緩和終了閾値の少なくとも一方)を変更するようにしてもよい。具体的には、低速時の勾配制限緩和閾値を高速時よりも大きくして、高速時より勾配制限を継続しやすくする。
図8は、走行速度が所定速度未満である低速時とこれ以外(高速時)とで勾配制限緩和開始閾値を変更した場合のトルク値を示す説明図である。図8では勾配制限緩和終了閾値ΔP2は、走行速度に関わらず一定としているが、低速時の勾配制限緩和開始閾値をΔPL、高速時の勾配制限緩和開始閾値をΔPH(<ΔPL)としている。
時刻t0からt1までは図7と同様にトルク値が推移する。その後操作トルク値と出力指令トルク値との差分が大きくなり、差分が勾配制限緩和開始閾値ΔPHまたはΔPLを超えると、勾配制限の緩和が開始される。高速時の勾配制限緩和開始閾値ΔPHは、低速時の勾配制限緩和開始閾値ΔPLよりも小さいので、高速時にはより早いタイミングで勾配制限の緩和が開始される。一方、低速時の勾配制限緩和開始閾値ΔPLは、高速時の勾配制限緩和開始閾値ΔPHよりも大きいので、低速時には勾配制限の緩和が開始されにくくなる。
図9は、走行制御装置10による処理を示すフローチャートである。
走行制御装置10は、操作検出部102により運転者による電動車の操作状態を検出し、操作が行われると(ステップS900:Yes)、操作トルク値算出部1041は、電動車の操作に基づいて操作トルク値を算出する(ステップS902)。
操作トルク値の時間変化量が勾配制限閾値以下である場合には(ステップS904:No)、操作トルク値を電動機20の出力指令トルク値とする(ステップS906)。
一方、操作トルク値の時間変化量が勾配制限閾値を超える場合(ステップS904:Yes)、制限トルク値算出部1042は、時間変化量が勾配制限閾値以下の制限トルク値を算出し(ステップS908)、制限トルク値を電動機20の出力指令トルク値とする(ステップS910)。
操作トルク値と出力指令トルク値(=制限トルク)との差分が勾配制限緩和開始閾値以下の間は(ステップS912:No)、そのまま制限トルク値を出力指令トルク値とする。
また、操作トルク値と出力指令トルク値との差分が勾配制限緩和開始閾値を超える場合(ステップS912:Yes)、制限緩和トルク値算出部1043は、勾配制限を緩和した(時間変化量が勾配制限閾値より大きい)制限緩和トルク値を算出し(ステップS914)、トルク値算出部104は、制限緩和トルク値を電動機20の出力指令トルク値とする(ステップS916)。
操作トルク値と出力指令トルク値(=制限緩和トルク)との差分が勾配制限緩和終了閾値より大きい間は(ステップS918:No)、ステップS916に戻り、勾配制限の緩和を継続する。操作トルク値と出力指令トルク値との差分が勾配制限緩和終了閾値以下となった場合(ステップS918:Yes)、トルク値算出部104は勾配制限の緩和を終了し、制限トルク値を電動機20の出力指令トルク値とする(ステップS920)。
以上説明したように、実施の形態にかかる走行制御装置10は、勾配制限時に出力指令トルク値と操作トルク値との差分が大きくなった(勾配制限緩和閾値を超える)場合には、勾配制限を緩和して出力指令トルクを算出するので、加減速時のショック等を低減しつつアクセル操作に対応する強さの加減速を得ることができ、電動車の特徴であるきびきびとした走りを実現する上で有利となる。
また、走行制御装置10において、電動車の走行速度に基づいて勾配制限の緩和度合いを変更すれば、電動車の走行速度に合わせて適切な勾配制限の緩和度合いを設定する上で有利となる。特に、低速時の勾配制限の緩和度合いを高速時よりも小さくすれば、運動エネルギーや走行抵抗が小さい低速時に急激なトルク変化によるギクシャク感が発生するのを防止する上で有利となる。
また、走行制御装置10において、電動車の走行速度に基づいて勾配制限緩和閾値を変更すれば、電動車の走行速度に合わせて適切なタイミングで勾配制限の緩和を開始する上で有利となる。特に、低速時の勾配制限緩和閾値を大きくすれば、勾配制限の緩和が開始されにくくなり、運動エネルギーや走行抵抗が小さい低速時に急激なトルク変化によるギクシャク感が発生するのを防止する上で有利となる。
また、走行制御装置10において、勾配制限の緩和を開始する勾配制限緩和開始閾値と、勾配制限の緩和を終了する勾配制限緩和終了閾値とを設ければ、勾配制限の緩和を開始または終了するタイミングを適切に設定する上で有利となる。特に、勾配制限緩和開始閾値を勾配制限緩和終了閾値よりも大きい値にすれば、操作トルク値が急激に変動するアクセル操作直後に十分な期間勾配制限を実施することができる。
また、走行制御装置10において、勾配制限の緩和度合いを運転者が任意に設定可能な入力部を設ければ、運転者の好みにより合った運転フィーリングを実現する上で有利となる。
10 走行制御装置
102 操作検出部
104 トルク値算出部
1041 操作トルク値算出部
1042 制限トルク値算出部
1043 制限緩和トルク値算出部
20 電動機
22 アクセルペダル
24 アクセルペダルセンサ
26 車速センサ

Claims (7)

  1. 電動車を駆動する電動機への出力指令トルクを算出する走行制御装置であって、
    運転者による前記電動車の操作に基づく前記電動機の出力トルク値である操作トルク値を算出するとともに、前記操作トルク値の単位時間当たりの変化量である時間変化量が勾配制限閾値以下の場合には前記操作トルク値を前記出力指令トルク値とし、前記時間変化量が前記勾配制限閾値を超える場合には前記時間変化量が前記勾配制限閾値以下となるように勾配制限を実施して前記出力指令トルク値を算出するトルク値算出部と、を備え、
    前記トルク値算出部は、前記勾配制限時に前記出力指令トルク値と前記操作トルク値との差分が勾配制限緩和閾値を超える場合には、前記勾配制限を緩和して前記出力指令トルクを算出し、
    前記勾配制限緩和閾値には、前記勾配制限の緩和を開始する勾配制限緩和開始閾値と、前記勾配制限の緩和を終了する勾配制限緩和終了閾値とがあり、
    前記トルク値算出部は、前記出力指令トルク値と前記操作トルク値と差分が前記勾配制限緩和開始閾値を超えた場合に前記勾配制限の緩和を開始し、その後前記出力指令トルクと前記操作トルク値と差分が前記勾配制限緩和終了閾値以下となった場合に前記勾配制限の緩和を終了する、
    ことを特徴とする走行制御装置。
  2. 前記勾配制限緩和開始閾値の方が前記勾配制限緩和終了閾値よりも大きい値である、
    ことを特徴とする請求項記載の電動車の走行制御装置。
  3. 前記トルク値算出部は、前記電動車の走行速度に基づいて前記勾配制限の緩和度合いを変更する、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の電動車の走行制御装置。
  4. 前記トルク値算出部は、低速時の前記勾配制限の緩和度合いを高速時よりも小さくする、
    ことを特徴とする請求項記載の電動車の走行制御装置。
  5. 前記トルク値算出部は、前記電動車の走行速度に基づいて前記勾配制限緩和閾値を変更する、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の電動車の走行制御装置。
  6. 前記トルク値算出部は、低速時の前記勾配制限緩和閾値を高速時よりも大きくする、
    ことを特徴とする請求項5記載の電動車の走行制御装置。
  7. 前記勾配制限の緩和度合いの設定入力を運転者から受け付ける入力部を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の電動車の走行制御装置。
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