JP6728930B2 - オイルゲル組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、塗布時の延びが良く、べたつき感のない使用感が得られ、光暴露に対するゲルの安定性に優れ、さらに高温での保形性や長期保存安定性に優れるオイルゲル組成物に関する。
化粧品、医薬品、医薬部外品、生活雑貨品などの製剤を設計するためのゲル化技術は、製剤の安定性を向上させるだけでなく、製剤の高級感を演出し、使用性や嗜好性にも影響する重要な技術である。近年、水性製剤だけでなく、油性製剤においても様々なゲル化技術が開発されている。
油性製剤のゲル化技術としては、例えば、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミチン酸デキストリン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドなどのように、油剤中で燐片結晶や繊維状会合体を形成するオイルゲル化剤の使用が知られている。しかしながら、これらのオイルゲル化剤を使用して調製したオイルゲルは、塗布時の延びが悪く、べたつき感が感じられるといった課題があった。
これらの使用感における課題に対して、例えば特許文献1では、レシチンの逆紐状ミセルから成るオイルゲルが提案されている。具体的には、特許文献1では、レシチンや糖類といった人体に対して安全な成分をオイルゲル化剤として用いており、優れた使用感のオイルゲルを得ることができる。しかしながら、レシチンの含有量が通常10質量%程度と多いため、レシチンに由来する臭いが強く、また高温でゲルが崩壊し保形性に課題があった。
また特許文献2では、レシチン類、グルタミン酸ポリペプチドおよびフルクタンから選ばれる一種以上の粘性物質、水分、水溶性ポリヒドロキシ化合物、および油脂から成る含油ゲル状組成物が提案されている。特許文献2に記載のオイルゲルは、レシチン類としてリゾレシチンを利用したエマルション型オイルゲルであり、リゾレシチンの含有量を1〜2質量%程度まで低減することができる。しかしながら、リゾレシチンを用いて調製したオイルゲルは、長期保存安定性が低いという課題があった。
保存安定性が改善された組成物として、例えば特許文献3では、長鎖疎水基と親水基とを分子内に2個以上ずつ有する多鎖多親水基型化合物(ジェミニ型界面活性剤)と油性成分とを含有する油性毛髪化粧料が提案されている。特許文献3に記載のオイルゲルは、長期保存安定性は良好で改善されているものの、光に暴露された状態で長期間保存すると、ゲルの安定性が損なわれるという新たな課題があった。すなわち特許文献3に記載のオイルゲルは、光暴露に対するゲルの安定性が不十分なものであり、光暴露に対してもゲルの保存安定性を有する組成物が求められていた。
国際公開第2010/122694号 特開平11−18697号公報 特開2006−225370号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、塗布時の延びが良く、べたつき感のない使用感が得られ、光暴露に対するゲルの安定性に優れ、さらに高温での保形性や長期保存安定性に優れるオイルゲル組成物を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討した結果、ジアシル型グリセロリン脂質、脂肪酸塩、25℃で液状の油剤、炭素数3〜6の3〜6価アルコールおよび水を特定比率で組み合わせて用いたオイルゲル組成物が、上記の課題を余すところなく解決することの知見を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、下記のとおりである。
〔1〕下記の成分(a)〜成分(e)を含有し、組成物全量に占める成分(a)の含有量が0.1〜5質量%、成分(b)の含有量が0.2〜7質量%、成分(c)の含有量が45〜95質量%、成分(d)の含有量が1〜20質量%、成分(e)の含有量が0.5〜13質量%であり、成分(a)と成分(b)の質量比[a/b]が1/4〜3/1、成分(d)と成分(e)の和の含有量に占める成分(d)の質量分率[d/(d+e)×100]が55〜95質量%であるオイルゲル組成物。
成分(a)ジアシル型グリセロリン脂質
成分(b)脂肪酸塩
成分(c)25℃で液状の油剤
成分(d)炭素数3〜6の3〜6価アルコール
成分(e)水
本発明のオイルゲル組成物は、塗布時の延びが良く、べたつき感のない使用感が得られ、光暴露に対するゲルの安定性に優れ、さらに高温での保形性や長期保存安定性に優れるという効果を奏する。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明のオイルゲル組成物は、下記の成分(a)〜成分(e)を含有する。
[成分(a)]
本発明で用いられる成分(a)は、ジアシル型グリセロリン脂質であり、例えば、大豆由来の大豆リン脂質、大豆由来の水素添加大豆リン脂質、卵黄由来の卵黄リン脂質、卵黄由来の水素添加卵黄リン脂質等が挙げられる。熱や光に対する耐久性や長期保存安定性といった観点では、水添タイプがより好ましい。これらジアシル型グリセロリン脂質は、一般にフォスファチジルコリン(以下、PCと略す)、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチルジイノシトール等の混合物である。由来や精製条件によりそれらの組成は異なるが、本発明で用いられるリン脂質はPC純度が高いほうが好ましく、具体的には、30質量%以上が好ましく、40質量%以上が特に好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。
成分(a)として上記ジアシル型グリセロリン脂質のうち1種又は2種以上を用いることができる。
なお、モノアシル型グリセロリン脂質であるリゾレシチンは、ジアシル型グリセロリン脂質と組み合わせて使用した場合、オイルゲルの長期保存安定性や光暴露に対する安定性が低下することがある。
組成物全量に占める成分(a)の含有量は、質量分率で、0.1〜5質量%であり、好ましくは0.2〜4質量%、特に好ましくは0.3〜3質量%である。成分(a)の含有量が少なすぎる場合、オイルゲルの光暴露に対する安定性、そして長期保存安定性が低下することがある。また、成分(a)の含有量が多すぎる場合、レシチンに由来する臭いが強くなり、高温でのゲルの保形性が低下することがある。
[成分(b)]
本発明で用いられる成分(b)は脂肪酸塩である。脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、イソステアリン酸等が挙げられる。オイルゲルの長期保存安定性の観点から、炭素数16〜20の不飽和又は分岐飽和脂肪酸が好ましく、例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等が好ましい。
対イオンとしては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;トリエタノールアミン等の有機アミン;アルギニン、リジン、ハイドロキシリジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸が挙げられる。オイルゲルの光暴露に対する安定性や長期保存安定性の観点から、塩基性アミノ酸が好ましく、その中でも入手のし易さから、アルギニンが特に好ましい。
具体的な脂肪酸塩としては、例えば、イソステアリン酸アルギニン、オレイン酸アルギニン、パルミチン酸アルギニンなどが挙げられ、特に好ましくはイソステアリン酸アルギニンである。
成分(b)として上記脂肪酸塩のうち1種又は2種以上を用いることができる。
組成物全量に占める成分(b)の含有量は、質量分率で、0.2〜7質量%であり、好ましくは0.3〜6質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%である。成分(b)の含有量が少なすぎる場合、界面張力低下能が不充分であるため、オイルゲルが形成し難く粘稠性の溶液となり、長期保存安定性が不十分となることがある。また、成分(b)の含有量が多すぎる場合、オイルゲルの塗布時の延びが悪くなることがあり、また、べたつき感が感じられることがある。
[成分(c)]
本発明で用いられる成分(c)は25℃で液状の油剤である。本発明のオイルゲル組成物は、植物油、炭化水素油、合成エステル油、シリコーン油等のオイルの種類に依存せずゲル化できることが特徴の一つとして挙げられる。
植物油としては、例えば、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、キョウニン油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、綿実油、ヤシ油等が挙げられる。
炭化水素油としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、オレフィンオリゴマー等が挙げられる。
合成エステル油としては、例えば、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、パルミチン酸2−エチルヘキシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸ブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸ミリスチル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド等が挙げられる。
シリコーン油としては、例えば、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルポリシロキサン、エチルポリシロキサン、エチルメチルポリシロキサン等が挙げられる。
成分(c)として上記25℃で液状の油剤のうち1種又は2種以上を用いることができる。
組成物全量に占める成分(c)の含有量は、質量分率で、45〜95質量%であり、好ましくは50〜93質量%、特に好ましくは55〜90質量%である。成分(c)の含有量が少なすぎる場合、オイルゲルが形成し難く粘稠性の溶液となり、長期保存安定性が不十分となることがある。また、成分(c)の含有量が多すぎる場合、ゲルにオイルを含有させることが困難となり、相分離することがある。
[成分(d)]
本発明で用いられる成分(d)は、炭素数3〜6の3〜6価アルコールであり、炭素数が3〜6の脂肪族炭化水素における3〜6つの水素原子が水酸基に置換された構造を持つ化合物である。具体的には、例えば、グリセリン、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、ペンタエリスリトール等が挙げられ、好ましくは、グリセリン、ソルビトールであり、特に好ましくはグリセリンである。1価または2価のアルコールを用いると、オイルゲルの調製が困難となることがある。
成分(d)として上記炭素数3〜6の3〜6価アルコールのうち1種又は2種以上を用いることができる。
組成物全量に占める成分(d)の含有量は、質量分率で、1〜20質量%であり、好ましくは2〜18質量%、特に好ましくは3〜15質量%である。成分(d)の含有量が少なすぎる場合、オイルゲルが形成し難く相分離することがある。また、成分(d)の含有量が多すぎる場合、オイルゲルが形成し難く粘稠性の溶液となり、長期保存安定性が不十分となることがある。
[成分(e)]
本発明で用いられる成分(e)は水であり、化粧品や医薬品等で一般に使用されている水を使用することができる。例えば、イオン交換水や精製水などを使用することができる。
組成物全量に占める成分(e)の含有量は、質量分率で、0.5〜13質量%であり、好ましくは1〜11質量%である。成分(e)の含有量が少なすぎる場合、オイルゲルが形成し難く粘稠性の溶液となり、長期保存安定性が不十分となることがある。また、成分(e)の含有量が多すぎる場合、ゲルが硬くなり塗布時の延びが悪くなることがある。
[各成分の比率]
本発明において、成分(a)と成分(b)の質量比[a/b]は1/4〜3/1であり、好ましくは1/3〜2/1、特に好ましくは1/2〜1/1である。質量比[a/b]が小さすぎる場合、光暴露に対する安定性および長期保存安定性が低下することがあり、質量比[a/b]が大きすぎる場合、オイルゲルが形成し難く相分離することがある。
成分(d)と成分(e)の和の含有量に占める成分(d)の質量分率[d/(d+e)×100]は、55〜95質量%であり、好ましくは60〜90質量%、に好ましくは65〜85質量%である。成分(d)の質量分率が小さすぎる場合、ゲルがやや硬くなる傾向があり、成分(d)の質量分率が大きすぎる場合、オイルゲルにややべたつき感がでる傾向がある。
また、本発明のオイルゲル組成物において、成分(a)〜成分(e)の総含有量は100質量%であり、下記その他の任意成分をさらに含有する場合には、その他の任意成分の含有量は成分(a)〜成分(e)の総含有量100質量部に対する含有量で設定することができる。
[調製方法]
本発明のオイルゲル組成物は、例えば、下記の手順で調製することができる。
1)成分(c)を除く他の成分(a)、成分(b)、成分(d)および成分(e)を均一に混合して混合溶液を得る。混合の際の温度は特に限定されないが、早く溶解させるためには、温度を上げて混合することが好ましい。具体的には80±20℃、好ましくは80±10℃で混合する。
2)上記1)で調製した混合溶液を40℃±20℃まで冷却した後、混合溶液に成分(c)を徐々に投入する。成分(c)の投入速度としては、混合溶液100質量部に対して、好ましくは1〜500質量部/時であり、特に好ましくは10〜400質量部/時、さらに好ましくは50〜300質量部/時である。
本発明のオイルゲル組成物は、皮膚もしくは毛髪に適量塗布して用いられる。また、本発明のオイルゲル組成物には、発明の効果を損なわない範囲で、その他の任意成分を配合することができる。その他任意成分としては、例えば、固体脂、ワックス、アルコール類、成分(d)以外の多価アルコール、糖類、多糖類、アミノ酸、各種界面活性剤、有機塩、無機塩、pH調整剤、キレート剤、抗酸化剤、殺菌剤、血流促進剤、抗炎症剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、ビタミン類、色素、香料などを適宜配合することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1〜6、参考例1〜3および比較例1〜10]
下記の方法によりオイルゲル組成物を調製し、下記の評価を行った。表1および表2に処方および結果を示す。
なお、オイルゲル組成物は全て100gスケールで調製した。
<オイルゲル組成物の調製方法>
200mLのビーカーに、成分(a)、成分(b)、成分(d)および成分(e)を投入し、80±5℃でプロペラを用いて混合しながらレシチン溶液を調製した。レシチン溶液を40℃まで冷却後、プロペラで攪拌しながら成分(c)100質量部に対し、100質量部/時で滴下しオイルゲル組成物を調製した。
なお、数種類の成分(c)を用いる場合は、予め油剤同士を混合して用いた。
<ゲルの形成可否>
調製直後のゲルを観察し、下記の基準で判定した。◎および○を合格とした。
◎:流動性のないオイルゲル組成物が調製できた。
○:流動性のある粘稠性溶液が調製できた。
×:ゲルが調製できず、調製直後に相分離が確認された。
<使用感の評価>
専門パネラー20名による使用感テストを行った。調製したオイルゲル組成物0.2gを手に取って前腕内側部に塗布したときの、1)塗布時の延び、2)べたつき感について、パネラー各人が下記絶対評価にて4段階に評価した。そして、評点の合計からAA〜Dの5段階評価を行い、AA、AおよびBを合格とした。
(評点の合計による4段階評価)
AA:評点の合計が50〜60点
A :評点の合計が40〜49点
B :評点の合計が30〜39点
C :評点の合計が20〜29点
D :評点の合計が20点未満
1)塗布時の延び
(絶対評価基準)
(評点):(評価)
3:塗布時の延びが極めて良好である。
2:塗布時の延びが良好である。
1:塗布時の延びがやや悪い。
0:塗布時の延びが著しく悪い。
2)べたつき感
(絶対評価基準)
(評点):(評価)
3:マッサージ時に全くべたつきが感じられない。
2:マッサージ時にあまりべたつきが感じられない。
1:マッサージ時にややべたつきが感じられる。
0:マッサージ時に著しくべたつきが感じられる。
<光暴露に対する安定性>
調製したオイルゲル組成物30gを50mLのスクリュー管に充填し、照度3万Luxの条件にセットした環境試験装置BEC−II−350型(島津製作所製)に2週間放置した後、以下の判定基準で光に対する耐久性を評価し、◎および○を合格とした。
◎:外観が変わらない。
○:わずかな外観の変化が見られる。
×:明らかな外観の変化が見られる。
<高温での保形性>
調製したオイルゲル組成物30gを50mLのスクリュー管に充填し、60℃の恒温槽で24時間保管した後の状態を観察した。以下の判定基準で保形性を評価し、◎および○を合格とした。
◎:外観が調製直後と変わらない。
○:わずかな粘度の低下又は外観の変化が確認される。
×:大幅な粘度の低下又は外観の変化が確認される。
<長期保存安定性>
調製したオイルゲル組成物30gを50mLのスクリュー管に充填し、40℃の恒温槽で6ヶ月間保管し、その状態を観察した。以下の判定基準で保存安定性を評価し、◎および○を合格とした。
◎:外観が調製直後と変わらない。
○:わずかな外観の変化が見られる。
×:明らかな外観の変化が見られる。
Figure 0006728930
Figure 0006728930
上記の表1および表2に記載された符号の注釈を以下に記載する。
*1 商品名:COATSOME NC-21、日油(株)製
*2 商品名:COATSOME NC-61、日油(株)製
*3 商品名:ベイシス LP-20、日清オイリオグループ(株)製
*4 表示名称:アルギニン、商品名:L−アルギニンCグレード、味の素(株)製
表示名称:イソステアリン酸、商品名:SR PRISORINE 3505 、クローダジャパン(株)製
*5 表示名称:オレイン酸、商品名:薬添規EXTRA OS-85 、日油(株)製
*6 表示名称:パルミチン酸、商品名:NAA-160 、日油(株)製
*7 表示名称:水添ポリイソブテン、商品名:PARLEAM EX、日油(株)製
*8 商品名:精製マカデミア油、日油(株)製
*9 商品名:ユニスターMB-816、日油(株)製
*10 和名:デカメチルシクロペンタシロキサン、商品名:KF-995、信越化学工業(株)製
*11 規格成分名:濃グリセリン、商品名:RG・コ・P 、日油(株)製
*12 試薬、関東化学(株)製
*13 表示名称:水添リゾレシチン、商品名:LP70H 、日本精化(株)製
*14 規格成分名:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、商品名:パーソフト EF 、日油(株)製
*15 INCI:Fructan 、Bioland 社製
*16 商品名:1.3 ブタンジオール(化粧品用)、(株)ダイセル製
実施例1〜6、参考例1〜3については、いずれのサンプルにおいても、塗布時の延びが良く、べたつき感のない使用感が得られ、光暴露に対するゲルの安定性に優れ、さらに高温での保形性や長期保存安定性に優れるオイルゲル組成物であった。
一方、比較例1〜10については、十分な効果は得られなかった。
すなわち比較例1では、成分(a)と成分(b)の質量比[a/b]が1/4未満であるため、光および熱に対する耐久性において不十分であった。
比較例2では、質量比[a/b]が3/1を超えているため、オイルゲル化を形成しなかった。
比較例3では、成分(a)の含有量が0.1質量%未満であり、質量比[a/b]も1/4未満であるため、長期保存安定性、熱や光に対する耐久性において不十分であった。
比較例4では、成分(a)の含有量が5質量%を超えており、逆紐状ミセルを形成している。しかしながら、熱および光に対する耐久性試験において、臭気が悪化し不合格であった。また、塗布時の延びも不十分であった。
比較例5では、成分(c)の含有量が45質量%未満であるため、オイルゲルではなく粘稠性液体が調製され、長期保存安定性、熱や光に対する耐久性、塗布時の延び、べたつき感において不十分であった。
比較例6では、成分(c)の含有量が95質量%を超えているため、調製直後に相分離が確認された。
比較例7では、成分(a)のジアシル型グリセロリン脂質の代わりに、モノアシル型グリセロリン脂質である水素添加リゾレシチンを使用しているため、熱および光に対する耐久性において不十分であった。
比較例8では、成分(b)の脂肪酸のアルギニン塩の代わりに、ラウレス硫酸ナトリウムを使用しているため、光に対する安定性、塗布時の延びにおいて不十分であった。
比較例9では、成分(b)の脂肪酸のアルギニン塩の代わりに、フルクタンを使用しているため、長期保存安定性、熱や光に対する耐久性、べたつき感において不十分であった。
比較例10では、成分(d)の代わりに、2価の多価アルコールである1,3−ブチレングリコールを使用しているため、オイルゲルが形成しなかった。
次に、その他の実施例を挙げて本発明についてさらに説明を行うが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、調製方法は実施例1〜9と同様であるが、その他成分において、水溶性成分は水相に、油性成分は油相に配合した。
(実施例:ボディオイルジェリー) 配合率(質量%)
成分(a)水素添加大豆リン脂質(PC純度60%以上) 0.8
成分(b)オレイン酸アルギニン 1.2
成分(c)スクワラン 85.0
成分(d)グリセリン 10.0
成分(e)水 3.0
合計100.0(質量%)
(その他成分)
成分(a)〜成分(e)の総含有量100質量部に対する配合量(質量部)
ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)
1.0
シア脂 1.0
トコフェロール(d−δ−トコフェロール) 0.05
酢酸トコフェロール(酢酸dl−α−トコフェロール) 0.05
香料 0.2
ベタイン(トリメチルグリシン) 0.05
トレハロース 0.05
ヒアルロン酸Na(1%水溶液) 0.01
EDTA−2Na 0.01
ポリクオタニウム‐51(5%水溶液) 0.1
アスコルビルグルコシド 0.01
ペンチレングリコール 0.05
アラントイン 0.01
合計2.59(質量部)

Claims (1)

  1. 下記の成分(a)〜成分(e)を含有し、組成物全量に占める成分(a)の含有量が0.1〜5質量%、成分(b)の含有量が0.2〜7質量%、成分(c)の含有量が45〜95質量%、成分(d)の含有量が1〜20質量%、成分(e)の含有量が0.5〜13質量%であり、成分(a)と成分(b)の質量比[a/b]が1/4〜3/1、成分(d)と成分(e)の和の含有量に占める成分(d)の質量分率[d/(d+e)×100]が55〜95質量%であるオイルゲル組成物。
    成分(a)ジアシル型グリセロリン脂質
    成分(b)脂肪酸塩
    成分(c)25℃で液状の油剤
    成分(d)炭素数3〜6の3〜6価アルコール
    成分(e)水
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