JP2020094035A - 固形整髪剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗布後のアレンジ力に優れ、且つべたつきを抑制することができる固形整髪剤組成物を提供する。【解決手段】成分(A):25℃で固形の植物ロウ及び/又はミツロウ、成分(B):ヒマシ油、成分(C):25℃で固形の炭化水素ワックス、並びに成分(D):25℃で液状のエステル油を含有し、前記成分(A)の含有割合が3.0〜20.0質量%、前記成分(B)の含有割合が1.0〜40.0質量%、前記成分(C)の含有割合が5.0〜30.0質量%、前記成分(D)の含有割合が15.0〜60.0質量%である、固形整髪剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、固形整髪剤組成物に関する。
従来より、前髪等の毛髪を流した状態で固定する、うなじやまとめ髪から跳ね出た毛髪や浮いた毛髪をおさえて固定するなど、部分的な整髪を目的として、ヘアスティック等の固形整髪剤が用いられることがある。このような固形整髪剤としては、例えば特許文献1に開示されている。
特開2011−144119号公報
上記のように、前髪等の毛髪を流した状態で固定したり、毛髪の浮きをおさえたりするためには、固形整髪剤には、塗布した後、毛髪を所望の方向に曲げて固定する力であるアレンジ力が求められる。しかしながら、例えば、多量の油分を配合してアレンジ力を向上させると、整髪後の毛髪にべたつきが生じる傾向があった。このため、塗布後のアレンジ力とべたつきの抑制性が両立する固形整髪剤組成物が求められている。
従って、本発明の目的は、塗布後のアレンジ力に優れ、且つべたつきを抑制することができる固形整髪剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、25℃で固形の植物ロウ及び/又はミツロウ、ヒマシ油、25℃で固形の炭化水素ワックス、及び25℃で液状のエステル油をそれぞれ特定の範囲内の含有割合で含有する固形整髪剤組成物によれば、塗布後のアレンジ力に優れ、且つべたつきを抑制することができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、下記成分(A)、下記成分(B)、下記成分(C)、及び下記成分(D)を含有し、上記成分(A)の含有割合が3.0〜20.0質量%、上記成分(B)の含有割合が1.0〜40.0質量%、上記成分(C)の含有割合が5.0〜30.0質量%、上記成分(D)の含有割合が15.0〜60.0質量%である、固形整髪剤組成物を提供する。
成分(A):25℃で固形の植物ロウ及び/又はミツロウ
成分(B):ヒマシ油
成分(C):25℃で固形の炭化水素ワックス
成分(D):25℃で液状のエステル油
上記固形整髪剤組成物は、さらに、下記成分(E)を含有することが好ましい。
成分(E):シリカ
上記固形整髪剤組成物は、さらに、下記成分(F)を含有することが好ましい。
成分(F):界面活性剤
上記成分(F)はグリセリン脂肪酸エステルを含むことが好ましい。
上記成分(F)はソルビタン脂肪酸エステルを含むことが好ましい。
上記成分(A)及び上記成分(C)の合計の含有割合は、15.0〜40.0質量%であることが好ましい。
上記固形整髪剤組成物は、炭化水素油を含有しないか、又は炭化水素油の含有割合が10.0質量%以下であることが好ましい。
本発明の固形整髪剤組成物によれば、塗布後のアレンジ力に優れ、且つべたつきを抑制することができる。
本発明の固形整髪剤組成物は、25℃で固形の植物ロウ及び/又はミツロウ、ヒマシ油、25℃で固形の炭化水素ワックス、及び25℃で液状のエステル油を少なくとも含む。なお、本明細書において、25℃で固形の植物ロウ及び/又はミツロウを「成分(A)」と称する場合がある。また、ヒマシ油を「成分(B)」と称する場合がある。また、25℃で固形の炭化水素ワックスを「成分(C)」と称する場合がある。また、25℃で液状のエステル油を「成分(D)」と称する場合がある。
すなわち、本発明の固形整髪剤組成物は、成分(A)、成分(B)、成分(C)、及び成分(D)を少なくとも含む。本発明の固形整髪剤組成物は、上記成分(A)〜(D)以外の成分を含んでいてもよい。また、本発明の固形整髪剤組成物に含まれる各成分、例えば、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、及び他の成分などの各成分は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
本発明の固形整髪剤組成物は、25℃において固体状であり、流動性を有しない。なお、本明細書において、「固形」や「液状」とは、所謂「ペースト状」を含まないものとする。
[成分(A)]
成分(A)は、25℃で固形の植物ロウ(植物由来のロウ(ワックス))及び/又はミツロウである。成分(A)は本発明の固形整髪剤組成物において固形とするための賦形剤として作用しつつ、成分(B)と組み合わせて用いることでアレンジ力を発揮することができる。成分(A)は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
成分(A)の融点は、特に限定されないが、50℃以上(例えば、50〜100℃)が好ましく、より好ましくは55℃以上、さらに好ましくは60℃以上である。上記融点であることにより、成分(A)が25℃において固形の性状をとりやすい。
成分(A)としては、例えば、カルナウバロウ(カルナバロウ)、キャンデリラロウ、ミツロウ、ヒマワリ種子ロウ(ヒマワリワックス)、コメヌカロウ、モクロウなどが挙げられる。
上記ミツロウとは、ミツバチの巣から蜂蜜をとった残渣より、加温圧搾法や溶剤抽出法等によって得られるロウである。本明細書においては、上記「ミツロウ」には、ミツロウを日光漂白法、化学的漂白法、吸着等により漂白したものである「サラシミツロウ」が含まれる。
本発明の固形整髪剤組成物中の成分(A)の含有割合は、本発明の固形整髪剤組成物100質量%に対して、3.0〜20.0質量%であり、好ましくは3.0〜17.0質量%、より好ましくは5.0〜15.0質量%である。上記含有割合が3.0質量%以上であることにより、固形整髪剤組成物のアレンジ力に優れる。上記含有割合が20.0質量%を越える場合には、固形整髪剤組成物が硬くなりすぎ、毛髪に塗布しにくく使用性が低下したり、毛髪への付着量が低下してアレンジ力が低下したりする。また、べたつきが生じたりする。上記成分(A)の含有割合は、本発明の固形整髪剤組成物の全ての成分(A)の含有割合の合計である。
[成分(B)]
成分(B)はヒマシ油であり、トウダイグサ科のトウゴマの種子から採取される植物油の一種である。上記ヒマシ油は、INCI名:Ricinus Communis (Castor) Seed Oilで表記される化合物である。成分(B)は、べたつきを増加させずに、成分(A)と組み合わせて用いることでアレンジ力を発揮することができる。成分(B)は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
成分(B)の市販品としては、例えば、商品名「ヒマシ油マルトクA」、商品名「RICOS CO−EX」(以上、伊藤製油株式会社製)などが挙げられる。
本発明の固形整髪剤組成物中の成分(B)の含有割合は、本発明の固形整髪剤組成物100質量%に対して、1.0〜40.0質量%であり、好ましくは2.0〜30.0質量%、より好ましくは5.0〜30.0質量%である。上記含有割合は、1.0〜25.0質量%であってもよく、2.0〜20.0質量%であってもよく、5.0〜20.0質量%であってもよい。上記含有割合が1.0質量%以上であることにより、固形整髪剤組成物のアレンジ力が優れたものとなる。上記含有割合が40.0質量%を越えると、べたつきが生じる。さらに、アレンジ力が低下する傾向がある。上記成分(B)の含有割合は、本発明の固形整髪剤組成物中の全ての成分(B)の含有割合の合計である。
[成分(C)]
成分(C)は、25℃で固形の炭化水素ワックスである。成分(C)は、成分(A)とともに本発明の固形整髪剤組成物を固形とするための賦形剤として作用しつつ、成分(D)と組み合わせて使用することでべたつきを抑制することができる。成分(C)は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
成分(C)の融点は、特に限定されないが、50℃以上(例えば、50〜100℃)が好ましく、より好ましくは55℃以上、さらに好ましくは60℃以上である。上記融点であることにより、成分(C)が25℃において固形の性状をとりやすい。
成分(C)としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン、フィッシャー・トロプシュワックス、セレシンなどが挙げられる。
本発明の固形整髪剤組成物中の成分(C)の含有割合は、本発明の固形整髪剤組成物100質量%に対して、5.0〜30.0質量%であり、好ましくは7.0〜30.0質量%、より好ましくは10.0〜25.0質量%、さらに好ましくは15.0〜25.0質量%である。上記含有割合が5.0質量%以上であることにより、充分な硬さの固形整髪剤組成物を得ることができ、さらにべたつきを抑制することができる。上記含有割合が30.0質量%を越える場合には、固形整髪剤組成物が硬くなりすぎ、毛髪に塗布しにくく使用性が低下する。上記成分(C)の含有割合は、本発明の固形整髪剤組成物中の全ての成分(C)の含有割合の合計である。
本発明の固形整髪剤組成物中の成分(A)及び成分(C)の合計の含有割合は、特に限定されないが、本発明の固形整髪剤組成物100質量%に対して、15.0〜40.0質量%であることが好ましく、より好ましくは20.0〜40.0質量%、さらに好ましくは25.0〜35.0質量%である。上記含有割合を上記範囲内とすることにより、固形整髪剤組成物を適度な硬さに制御しやすくなる。
[成分(D)]
成分(D)は、25℃で液状のエステル油である。成分(D)は、本発明の固形整髪剤組成物において基剤として作用する成分であり、成分(C)と組み合わせて用いることでべたつきを抑制することができる。成分(D)は、一種のみを使用してもよく、二種以上を使用してもよい。
成分(D)の25℃における粘度は、特に限定されないが、100000mPa・s以下(例えば、1〜100000mPa・s)が好ましく、より好ましくは10000mPa・s以下である。上記粘度は、粘度計を用いて、25℃で、No.2ローターを使用して回転速度30rpm、回転時間1分間の条件で測定される。上記粘度計としては、東機産業株式会社製のTV−22型粘度計等を使用可能である。
成分(D)としては、例えば、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸プロピレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル(トリオクタノイン)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、アジピン酸ジイソプロピル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、パルミチン酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
本発明の固形整髪剤組成物中の成分(D)の含有割合は、本発明の固形整髪剤組成物100質量%に対して、15.0〜60.0質量%であり、好ましくは20.0〜50.0質量%、より好ましくは25.0〜50.0質量%である。上記含有割合が上記範囲内であることにより、固形整髪剤組成物をある程度の硬さに維持でき使用性に優れ、またべたつきを抑制することができる。上記成分(D)の含有割合は、本発明の固形整髪剤組成物の全ての成分(D)の含有割合の合計である。
本発明の固形整髪剤組成物は、シリカを含有することが好ましい。また、本発明の固形整髪剤組成物は、界面活性剤を含有することが好ましい。なお、本明細書において、シリカを「成分(E)」と称する場合がある。また、界面活性剤を「成分(F)」と称する場合がある。
[成分(E)]
成分(E)はシリカである。成分(E)を用いることでアレンジ力がより向上する。さらに、塗布後の毛髪のべたつきやぎらつきを抑制できる。成分(E)は、一種のみを使用してもよく、二種以上を使用してもよい。
成分(E)としては、特に限定されず、化粧料に一般的に用いられているシリカ(無水ケイ酸)を使用することができる。上記シリカは、疎水化処理されていない無水ケイ酸(親水性のシリカ)であってもよいし、疎水化無水ケイ酸であってもよい。また、上記シリカは、アミノ酸、エステル、又はレシチンなどで表面処理されたシリカであってもよい。
成分(E)は、湿式法で製造されたシリカ(湿式シリカ)、乾式法で製造されたシリカ(乾式シリカ)が挙げられるが、乾式シリカが好ましい。乾式シリカを用いると、アレンジ力により一層優れ、界面活性剤を用いた際にべたつきが生じにくく、また製造時に凝集体が生成しにくい。さらに、固形整髪剤組成物の表面に液状油分が浸み出す現象(所謂、発汗現象)の抑制にも寄与する。
成分(E)の市販品としては、例えば、商品名「AEROSIL 50」、商品名「AEROSIL 130」、商品名「AEROSIL 200」、商品名「AEROSIL 300」、商品名「AEROSIL 380」(以上、日本アエロジル株式会社製)などが挙げられる。
本発明の固形整髪剤組成物中の成分(E)の含有割合は、特に限定されないが、本発明の固形整髪剤組成物100質量%に対して、0.5〜5.0質量%であることが好ましく、より好ましくは1.0〜5.0質量%、さらに好ましくは1.0〜4.0質量%である。上記含有割合が0.5質量%以上であると、固形整髪剤組成物のアレンジ力、べたつきやぎらつきを抑える力により優れる。上記含有割合が5.0質量%以下であると、固形整髪剤組成物内に良好に配合しやすくなる。上記成分(E)の含有割合は、本発明の固形整髪剤組成物の全ての成分(E)の含有割合の合計である。
[成分(F)]
成分(F)は界面活性剤である。成分(F)を用いることで本発明の固形整髪剤組成物の洗い落ち性が向上する。成分(F)は、一種のみを使用してもよく、二種以上を使用してもよい。
成分(F)としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、及びこれらのアルキレンオキシド付加物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンステロール及びその誘導体、ポリオキシエチレンラノリン及びその誘導体、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、シュガーエステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油などが挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタンなどが挙げられる。また、ソルビタン脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物としては、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどが挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルは、モノグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルのいずれも含む。モノグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノエルカ酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、ジアラキン酸グリセリルなどが挙げられる。上記ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノカプリル酸ジグリセリル、モノカプリル酸デカグリセリル、モノカプリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノラウリン酸ポリ(4〜10)グリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸ポリ(2〜10)グリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、セスキオレイン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ポリ(2〜10)グリセリル、ジステアリン酸ポリ(6〜10)グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリステアリン酸ポリ(10)グリセリル等の上記モノグリセリン脂肪酸エステルの重合度2〜10のポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。また、グリセリン脂肪酸エステルのアルキレンオキシド付加物としては、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノ(カプリル/カプリン酸)ポリオキシエチレングリセリルなどが挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシプロピレンイソセチルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンオレイルエーテルなどが挙げられる。
ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルは、ポリオキシアルキレンモノ脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレンジ脂肪酸エステルのいずれも含む。ポリオキシアルキレンモノ脂肪酸エステルとしては、例えば、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコールモノ脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコールモノ脂肪酸エステルなどが挙げられる。
ポリオキシアルキレンジ脂肪酸エステルとしては、例えば、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ジミリスチン酸ポリエチレングリコール、ジパルミチン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール、ジベヘン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコールジ脂肪酸エステルが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸石鹸、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグリシン塩、N−アシルグルタミン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルカルボン酸塩、アルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸及びその塩、N−アシルサルコシン及びその塩、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩などが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有第3級アミン塩などのアミン塩、モノアルキル型第4級アンモニウム塩、ジアルキル型第4級アンモニウム塩、トリアルキル型第4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型第4級アンモニウム塩などのアルキル第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などの環式第4級アンモニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどが挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルグリシン塩、カルボキシメチルグリシン塩、N−アシルアミノエチル−N−2−ヒドロキシエチルグリシン塩などのグリシン型両性界面活性剤、アルキルアミノプロピオン酸塩、アルキルイミノジプロピオン酸塩などのアミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤、アルキルヒドロキシスルホベタインなどのスルホベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
成分(F)は、洗い落ち性により優れる観点から、ノニオン性界面活性剤を含むことが好ましく、グリセリン脂肪酸エステルを含むことがより好ましい。また、成分(F)は、さらに、ソルビタン脂肪酸エステルを含むことが好ましく、特にセスキイソステアリン酸ソルビタンを含むことが好ましい。ソルビタン脂肪酸エステル(特に、セスキイソステアリン酸ソルビタン)を用いることで、成分(E)の沈降を抑制し、成分(E)の分散性をより一層向上させることができる。
本発明の固形整髪剤組成物中の成分(F)の含有割合は、特に限定されないが、本発明の固形整髪剤組成物100質量%に対して、2.0〜20.0質量%であることが好ましく、より好ましくは3.0〜15.0質量%、さらに好ましくは5.0〜10.0質量%である。上記含有割合が2.0質量%以上であると、固形整髪剤組成物の洗い落ち性により優れる。上記含有割合が20.0質量%以下であると、固形整髪剤組成物の性状を損ねることなく配合することができる。上記成分(F)の含有割合は、本発明の固形整髪剤組成物の全ての成分(F)の含有割合の合計である。本発明の固形整髪剤組成物中のノニオン性界面活性剤の含有割合も上記範囲を満たすことが好ましい。
本発明の固形整髪剤組成物中のソルビタン脂肪酸エステルの含有割合は、特に限定されないが、成分(E)の分散性向上の観点から、本発明の固形整髪剤組成物100質量%に対して、0.3〜7.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5.0質量%である。
本発明の固形整髪剤組成物において、成分(E)の分散性向上の観点から、ソルビタン脂肪酸エステルに対する成分(E)の質量割合[成分(E)/ソルビタン脂肪酸エステル]は、2.0以下が好ましく、より好ましくは1.5以下である。
本発明の固形整髪剤組成物は、さらに、(エチルヘキサン酸/ステアリン酸/アジピン酸)グリセリル、テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、及びヒドロキシステアリン酸水添ヒマシ油からなる群から選ばれる1以上(以下、「成分(G)」と称する場合がある)を含んでもよい。成分(G)を配合することにより、より一層アレンジ力を向上させることができる。一方、成分(G)を配合することにより、べたつきが生じるため、べたつきをより一層低減する観点からは、成分(G)の含有量は少ない方がよい。成分(G)は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
成分(G)は、市販品を用いることもできる。例えば、(エチルヘキサン酸/ステアリン酸/アジピン酸)グリセリルとしては、商品名「ノムコートLAH」;テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチルとしては、商品名「コスモール168EV」;ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチルとしては、商品名「コスモール168ARV」;ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチルとしては、商品名「コスモール168M」(以上、日清オイリオグループ株式会社製);ヒドロキシステアリン酸水添ヒマシ油としては、商品名「テクノールMH」(横関油脂工業株式会社製)が挙げられる。
本発明の固形整髪剤組成物中の成分(G)の含有割合は、特に限定されないが、より一層アレンジ力を向上させる観点から、本発明の固形整髪剤組成物100質量%に対して、0.2〜4.0質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜3.0質量%である。一方、べたつきを特に低減する観点からは、本発明の固形整髪剤組成物中の成分(G)の含有割合は、2.0質量%以下(例えば、0〜2.0質量%)が好ましく、より好ましくは0.1質量%以下である。成分(G)は、含まなくてもよい。上記成分(G)の含有量は、本発明の固形整髪剤組成物中の全ての成分(G)の含有量の合計である。
本発明の固形整髪剤組成物中の成分(G)の含有割合が、本発明の固形整髪剤組成物100質量%に対して、2.0質量%以下である場合(好ましくは、本発明の固形整髪剤組成物中の成分(G)の含有割合が0.1質量%以下である場合、特に、本発明の固形整髪剤組成物が成分(G)を含まない場合)には、本発明の固形整髪剤組成物中の成分(B)の含有割合は、本発明の固形整髪剤組成物100質量%に対して、25.0〜40.0質量%が好ましく、より好ましくは25.0〜30.0質量%である。上記含有割合の範囲であることにより、べたつきの抑制効果とアレンジ力の高さを特に優れたレベルで両立することができる。
本発明の固形整髪剤組成物は、油性の整髪剤組成物であり、水を実質的に含有しないことが好ましい。なお、実質的に含有しないとは、積極的に配合しないことをいい、例えば不可避的に存在する場合を除くものとする。本発明の固形整髪剤組成物は、水を含有しないか、又は、本発明の固形整髪剤組成物中の水の含有割合は、本発明の固形整髪剤組成物100質量%に対して、0.05質量%以下が好ましく、より好ましくは0.01質量%以下、さらに好ましくは0.005質量%以下である。
本発明の固形整髪剤組成物は、炭化水素油の含有割合が10.0質量%以下であることが好ましい。すなわち、本発明の固形整髪剤組成物は、炭化水素油を含有しないか、又は、本発明の固形整髪剤組成物中の炭化水素油の含有割合が、本発明の固形整髪剤組成物100質量%に対して、10.0質量%以下であることが好ましい。本発明の固形整髪剤組成物中の炭化水素油の含有割合は、より好ましくは3.0質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以下である。炭化水素油が10.0質量%以下であると、成分(C)の可塑化を抑制し、べたつきの発生や固形整髪剤組成物の硬さの低下をより抑制することができる。
さらに、25℃で液状の炭化水素油の含有割合が上記範囲内であることが好ましい。特に、25℃における粘度が100000mPa・s以下(例えば、1〜100000mPa・s、より好ましくは10000mPa・s以下)の炭化水素油の含有割合が上記範囲内であることが好ましい。
上記炭化水素油としては、例えば、α−オレフィンオリゴマー、ワセリン、イソパラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、水添ポリイソブテン、水添(テトラデセニル/メチルペンタデセン)、イソドデカンなどが挙げられる。
[その他の成分]
本発明の固形整髪剤組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲内で、上記成分(A)〜(G)以外の成分(その他の成分)を含んでいてもよい。上記その他の成分としては、特に限定されないが、例えば、多価アルコール;成分(A)〜(G)以外の油性成分;カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム等の増粘剤;保湿剤;殺菌剤;パール化剤;グリチルリチン酸及びその塩等の抗炎症剤;メントール等の清涼剤;リン酸及びその塩類、クエン酸及びその塩類、乳酸及びその塩類、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン等のpH調整剤;香料;紫外線吸収剤;酸化防止剤;金属イオン封鎖剤(キレート剤);ピリビニルピロリドン等の皮膜形成性高分子化合物;成分(E)以外の粉体;色素;顔料;ビタミン類;アミノ酸類;収斂剤;美白剤;動植物抽出物;酸;アルカリなどが挙げられる。
本発明の固形整髪剤組成物は、髪型や毛髪を部分的に固定する力に優れる観点から、スティック状の固形整髪剤組成物(ヘアスティック)であることが特に好ましい。上記スティック状の固形整髪剤組成物の形状は、例えば、円柱状、楕円柱状、円錐台状、楕円錐台状、四角柱、四角錐台状などが挙げられる。
本発明の固形整髪剤組成物は、特に限定されず、公知乃至慣用の方法により製造することができる。例えば、加熱しながら上記各成分を混合し、ディスパーミキサー、パドルミキサー等の公知の撹拌装置を用いて撹拌する方法などで各成分を均一化し、冷却固化する方法が挙げられる。
本発明の固形整髪剤組成物は、特に限定されないが、例えば、容器に充填された形態で用いることができる。上記容器としては、スティック容器、ジャー容器、繰り出し容器などが挙げられる。中でも、毛髪に直接塗布して整髪しやすい観点からスティック容器であることが好ましい。
本発明の固形整髪剤組成物は、賦形性を付与する成分として25℃で固形の炭化水素ワックス[成分(C)]を特定の割合で用い、そして整髪成分として25℃で固形の植物ロウ[成分(A)]とヒマシ油[成分(B)]とを特定の割合で用いることにより、塗布後のアレンジ力を発揮することができ、且つ整髪後のべたつきの発生を抑制することができる。なお、成分(A)は賦形性にも寄与する。また、固形整髪剤組成物の基剤として25℃で液状のエステル油[成分(D)]を用いることで、成分(C)を可塑化しにくく、べたつきの発生を抑制することができる。
さらに、シリカ[成分(E)](特に、乾式シリカ)を配合すると、塗布後のアレンジ力、及びべたつき・ぎらつきの抑制性により優れ、発汗現象の抑制にも優れる。そして、成分(E)と組み合わせてソルビタン脂肪酸エステルを用いることで、固形整髪剤組成物製造時の成分(E)のシロキサン結合形成による増粘及び凝集体の生成を抑制し、成分(E)の沈降を防止して分散性を向上させることができる。
本発明の固形整髪剤組成物の使用方法は、特に限定されないが、例えば、成形した固形整髪剤組成物(例えば、スティック状の固形整髪剤組成物)を、整髪したい部分の毛髪に直接塗布する方法などが挙げられる。これにより、例えば、前髪をななめ後方に流して、毛髪の浮きがないように整髪することができる。また、ポニーテールなどのまとめ髪において、おくれ毛が出ないように整髪したり、側頭部をタイトに整髪したりすることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、表に記載の配合量は、各成分の配合量(すなわち、各原料中の有効成分の配合量。所謂純分)であり、特記しない限り「質量%」で表す。
実施例1〜29、比較例1〜7
表に記した各成分(成分(A)〜(G)など)を用い、実施例及び比較例の各固形整髪剤組成物(スティック状の固形整髪剤組成物)を調製した。
表に記載の主な成分は、以下の通りである。
<成分(A)>
サラシミツロウ:商品名「コウサンダッシュウミツロウ」、三木化学工業株式会社製
ヒマワリワックス:商品名「精製ヒマワリワックス」、横関油脂工業株式会社製
コメヌカロウ:商品名「TOWAX−3P3」、東亜化成株式会社製
カルナバロウ:商品名「TOWAX−1F8」、東亜化成株式会社製
<成分(B)>
ヒマシ油:商品名「RICOS CO−EX」、伊藤製油株式会社製
<成分(C)>
高融点パラフィン:商品名「SP−0165」、日本精蝋株式会社製
マイクロクリスタリンワックス:商品名「MULTIWAX W−835」、Sonneborn社製
高融点マイクロクリスタリンワックス:商品名「HI−MIC−1090」、日本精蝋株式会社製
<成分(D)>
2−エチルヘキサン酸セチル:商品名「CIO−N」、日本サーファクタント工業株式会社製
パルミチン酸2−エチルヘキシル:商品名「コーヨーPOC」、交洋ファインケミカル株式会社製
<成分(E)>
シリカA:商品名「AEROSIL 200」、日本アエロジル株式会社製
シリカB:商品名「AEROSIL 300」、日本アエロジル株式会社製
<成分(F)>
セスキイソステアリン酸ソルビタン:商品名「コスモール 182V」、日清オイリオグループ株式会社製
イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(8E.O.):商品名「ブラウノンRGL−8MISE」、青木油脂工業株式会社製
<成分(G)>
ジペンタエリトット脂肪酸エステル:商品名「コスモール 168ARV」、日清オイリオグループ株式会社製、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル
(アジピン酸・2−エチルヘキサン酸・ステアリン酸)グリセリルオリゴエステル:商品名「ノムコート LAH」、日清オイリオグループ株式会社製、(エチルヘキサン酸/ステアリン酸/アジピン酸)グリセリル
<その他の成分>
ホホバ油:商品名「NIKKOL ホホバ油 S」、日光ケミカルズ株式会社製
流動パラフィン:商品名「CARNATION #70」(Sonneborn Inc.製)
(評価)
実施例及び比較例で得られた各固形整髪剤組成物について以下の通り評価した。評価結果は表に記載した。
(試験例1)アレンジ力
実施例及び比較例で得られた各固形整髪剤組成物を、ヘアウィッグ(レッスンマネキン:株式会社ユーカリジャパン製)に、前髪をななめ後方へ固定するように、15回塗布して整髪した。上記整髪直後に、髪型を目視にて観察し、以下の判定基準で判定した。なお、評価は、専門パネル5人が行った。
[ななめ前髪を固定する力の判定基準]
○(良好):ななめ前髪を固定した毛髪は、浮きがなく頭の形状に沿って密着していた。
△(使用可能):ななめ前髪を固定した毛髪は、わずかに浮きがあるが、その形状を維持していた。
×(不良):前髪を後方に固定して保持することができなかった。
(試験例2)べたつきのなさ
上記試験例1の評価後に、整髪されたヘアウィッグを両手で触り、べたつきのなさについて、以下の判定基準で判定した。なお、評価は、専門パネル5人が行った。
[べたつきのなさの判定基準]
○(良好):べたつきを感じない。
△(使用可能):べたつきを僅かに感じる。
×(不良):べたつきを明らかに感じる。
(試験例3)賦形性
上記試験例1の評価において、各固形整髪剤組成物のウィッグへの塗布性より、賦形性を以下の判定基準で判定した。
[賦形性の判定基準]
○(良好):塗布性が良好であり、ヘアスティックとして使用可能である。
×(不良):軟らかすぎて又は硬すぎて、ヘアスティックとして均一塗布ができない。
Figure 2020094035
Figure 2020094035
Figure 2020094035
本発明の固形整髪剤組成物(実施例)を用いた場合、塗布後のアレンジ力に優れ、且つべたつきを抑制することができたと評価された。また、賦形性も良好であり、使用性にも優れていた。一方、成分(A)を配合せず、その代わりに成分(D)を増量した場合(比較例1)、成分(A)を配合せず、その代わりに成分(C)を増量した場合(比較例2)のいずれも、アレンジ力が劣っていた。また、成分(B)を配合せず、その代わりに成分(D)を増量した場合(比較例3)、成分(B)の代わりにホホバ油を用いた場合(比較例4)のいずれも、アレンジ力が劣っており、さらに、べたつきが明らかに感じられた。また、成分(C)を配合せず、その代わりに成分(D)を増量した場合(比較例5)、アレンジ力に劣っていた。また固形整髪剤組成物が軟らかすぎて賦形性にも劣っていた。また、成分(C)を配合せず、その代わりに成分(A)を増量した場合(比較例6)、アレンジ力に劣っていた。また、比較例6の固形整髪剤組成物は、硬すぎて充分に塗布ができなかった。また、成分(D)の代わりに流動パラフィンを用いた場合(比較例7)、べたつきが明らかに感じられ、固形整髪剤組成物が軟らかすぎて賦形性にも劣っていた。
なお、実施例1〜8、10、11、13、14、及び16〜29の各固形整髪剤組成物は、塗布後のぎらつきがなく、自然な仕上がりであった。一方、実施例9、12、及び15の各固形整髪剤組成物は、ややぎらつきが見られた。
さらに、以下に、本発明の固形整髪剤組成物の処方例を示す。
(処方例:ヘアスティック)
サラシミツロウ 4.0質量%
ヒマワリ種子ロウ 4.0質量%
マイクロクリスタリンワックス 4.0質量%
高融点マイクロクリスタリンワックス 3.0質量%
高融点パラフィン 3.0質量%
ヒマシ油 10.0質量%
シリカ 3.0質量%
セスキイソステアリン酸ソルビタン 3.0質量%
イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(8E.O.)
5.0質量%
ジペンタエリトリット脂肪酸エステル 2.0質量%
(アジピン酸・2−エチルヘキサン酸・ステアリン酸)グリセリル
オリゴエステルズ 10.0質量%
パルミチン酸2−エチルヘキシル 残 部
香料 適 量
酢酸トコフェロール 適 量
合計 100質量%
(処方例:ヘアスティック)
サラシミツロウ 5.0質量%
コメヌカロウ 5.0質量%
カルナウバロウ 1.0質量%
マイクロクリスタリンワックス 2.0質量%
高融点マイクロクリスタリンワックス 3.0質量%
高融点パラフィン 4.0質量%
シア脂 2.0質量%
ヒマシ油 15.0質量%
シリカ 2.0質量%
セスキイソステアリン酸ソルビタン 2.0質量%
イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(8E.O.)
2.0質量%
(カプリル酸/カプリン酸)ポリオキシエチレングリセリル(8E.O.)
2.0質量%
ジペンタエリトリット脂肪酸エステル 2.0質量%
(アジピン酸・2−エチルヘキサン酸・ステアリン酸)グリセリル
オリゴエステルズ 8.0質量%
2−エチルヘキサン酸セチル 10.0質量%
パルミチン酸2−エチルヘキシル 残 部
香料 適 量
酢酸トコフェロール 適 量
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 適 量
合計 100質量%
(処方例:ヘアスティック)
サラシミツロウ 5.0質量%
ヒマワリ種子ロウ 2.0質量%
コメヌカロウ 3.0質量%
カルナウバロウ 1.0質量%
マイクロクリスタリンワックス 5.0質量%
高融点マイクロクリスタリンワックス 3.0質量%
高融点パラフィン 9.0質量%
アルガンオイル 1.0質量%
ヒマシ油 15.0質量%
シリカ 2.5質量%
セスキイソステアリン酸ソルビタン 3.0質量%
イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(8E.O.)
5.0質量%
ジペンタエリトリット脂肪酸エステル 2.0質量%
(アジピン酸・2−エチルヘキサン酸・ステアリン酸)グリセリル
オリゴエステルズ 8.0質量%
イソノナン酸イソノニル 10.0質量%
パルミチン酸2−エチルヘキシル 残 部
香料 適 量
酢酸トコフェロール 適 量
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 適 量
合計 100質量%
(処方例:ヘアスティック)
サラシミツロウ 6.0質量%
ヒマワリ種子ロウ 5.0質量%
マイクロクリスタリンワックス 4.0質量%
高融点マイクロクリスタリンワックス 3.0質量%
高融点パラフィン 6.5質量%
ヒマシ油 30.0質量%
シリカ 3.5質量%
セスキイソステアリン酸ソルビタン 2.5質量%
イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(8E.O.)
2.0質量%
パルミチン酸2−エチルヘキシル 残 部
シア脂 0.5質量%
香料 適 量
酢酸トコフェロール 適 量
合計 100質量%
(処方例:ヘアスティック)
サラシミツロウ 10.0質量%
ヒマワリ種子ロウ 4.0質量%
キャンデリラワックス 1.0質量%
マイクロクリスタリンワックス 8.0質量%
高融点マイクロクリスタリンワックス 3.0質量%
高融点パラフィン 6.5質量%
ヒマシ油 28.0質量%
シリカ 3.0質量%
セスキイソステアリン酸ソルビタン 3.5質量%
イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(8E.O.)
5.0質量%
パルミチン酸2−エチルヘキシル 残 部
香料 適 量
酢酸トコフェロール 適 量
合計 100質量%

Claims (7)

  1. 下記成分(A)、下記成分(B)、下記成分(C)、及び下記成分(D)を含有し、前記成分(A)の含有割合が3.0〜20.0質量%、前記成分(B)の含有割合が1.0〜40.0質量%、前記成分(C)の含有割合が5.0〜30.0質量%、前記成分(D)の含有割合が15.0〜60.0質量%である、固形整髪剤組成物。
    成分(A):25℃で固形の植物ロウ及び/又はミツロウ
    成分(B):ヒマシ油
    成分(C):25℃で固形の炭化水素ワックス
    成分(D):25℃で液状のエステル油
  2. さらに、下記成分(E)を含有する、請求項1に記載の固形整髪剤組成物。
    成分(E):シリカ
  3. さらに、下記成分(F)を含有する、請求項1又は2に記載の固形整髪剤組成物。
    成分(F):界面活性剤
  4. 前記成分(F)がグリセリン脂肪酸エステルを含む請求項3に記載の固形整髪剤組成物。
  5. 前記成分(F)がソルビタン脂肪酸エステルを含む請求項3又は4に記載の固形整髪剤組成物。
  6. 前記成分(A)及び前記成分(C)の合計の含有割合が15.0〜40.0質量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の固形整髪剤組成物。
  7. 炭化水素油を含有しないか、又は炭化水素油の含有割合が10.0質量%以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の固形整髪剤組成物。
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