JP6662606B2 - 皮膚化粧料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚化粧料組成物に関する。
乳化組成物にセラミド類を配合する技術として、特許文献1および2に記載のものがある。
特許文献1(特開2007−22997号公報)には、乳化組成物中に、セラミド類と、スフィンゴシン、擬似スフィンゴシン、またはこれらの塩、アニオン界面活性剤およびカチオン界面活性剤から選ばれる化合物と、グリセリンモノ脂肪酸エステルと、高級アルコールと、水とを組み合わせて用いることが記載されている。これにより、セラミド類を含有し、保存安定性に優れ、結晶の析出が抑制されるとともに、保湿効果の高い乳化組成物が得られるとされている。
特許文献2(特開2015−13856号公報)には、肌の色ムラを見えにくくし、自然にカバーすることができ、また、べたつきがなく使用感に優れ、保存安定性も良好である水中油型乳化皮膚化粧料を提供する技術として、25℃で液状の油剤、25℃で固体状または半固体状の油剤、炭素数12〜22の直鎖アルコール、イオン性界面活性剤および/またはHLB12.5〜15の非イオン界面活性剤ならびに水を含み、乳化粒子の数平均粒子径が特定の範囲にある水中油型乳化皮膚化粧料について記載されている。そして、かかる水中油型乳化皮膚化粧料にさらにセラミドおよびセラミド類似化合物から選ばれる化合物を含有させることが記載されている。
特開2007−22997号公報 特開2015−13856号公報
しかしながら、上述した技術を用いてもなお、皮膚化粧料の製造時のダマの発生を抑制し、また、得られた皮膚化粧料中へ凝集物の発生を抑制して、保存安定性に優れ、適用時の泡立ちを抑制し、適用時に良好な使用感を付与する皮膚化粧料を提供するという点で改善の余地があった。
本発明によれば、
次の成分(A)、(B)、(C)、(D)および(E):
(A)下記一般式(1)で表されるカチオン界面活性剤
Figure 0006662606
(上記一般式(1)中、R1およびR2は同一または異なって、炭素数16以上22以下の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭化水素基を示し、R3およびR4は同一または異なって、炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、X-は、塩形成陰イオンを示す。)、
(B)セラミド脂質類、
(C)炭素数12以上22以下の高級アルコール、
(D)炭素数12以上22以下のモノ脂肪酸グリセリルエステル、ならびに、
(E)炭素数12以上22以下のポリオキシエチレンモノ脂肪酸ソルビタンエステルおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油からなる群から選ばれる少なくとも1種の非イオン性界面活性剤
を含有する皮膚化粧料組成物であって、
前記皮膚化粧料組成物中の前記成分(B)、(C)および(D)の含有量の合計((B)+(C)+(D))が前記皮膚化粧料組成物全体に対して0.9質量%以上9質量%以下であり、
前記皮膚化粧料組成物中の前記成分(B)の含有量に対する前記成分(A)の含有量の質量比((A)/(B))が0.07以上1.3以下であり、
前記皮膚化粧料組成物中の前記成分(E)の含有量に対する前記成分(A)の含有量の質量比((A)/(E))が0.4以上35以下である、皮膚化粧料組成物が提供される。
また、本発明は、上記本発明における皮膚化粧料組成物を含む皮膚化粧料を提供するものである。
また、本発明は、上記本発明における皮膚化粧料組成物を含む皮膚化粧料を皮膚に適用することを含む、保湿方法を提供するものである。
本発明によれば、皮膚化粧料の製造時のダマの発生を抑制し、また、得られた皮膚化粧料中への凝集物の発生を抑制して、保存安定性に優れ、適用時の泡立ちを抑制し、適用時に良好な使用感を付与する皮膚化粧料を提供することができる。
本実施形態における皮膚化粧料組成物は、以下の成分(A)〜(E)を含む。
以下、各成分について具体例を挙げて説明する。なお、各成分はいずれも単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本実施形態において、使用感とは、皮膚化粧料を皮膚に適用する際の泡立ちが抑制され、適用時に皮膚に適度なこく感が与えられることを意味する。
さらに、本実施形態において、ダマとは、目視で観察できる程度のマクロな大きさの凝集物を意味し、単に凝集物というときは、顕微鏡で確認できる程度のミクロな大きさのものを意味する。マクロな凝集物であるダマは、本実施形態における皮膚化粧料を製造する際、撹拌機のプロペラ等に観察され、このようなダマの発生は、皮膚化粧料を局所的に不均一にさせる懸念があり、また、これらダマの除去工程を要するため生産性を減じる懸念がある。また、ミクロな凝集物は、ダマを除去しても皮膚化粧料に存在するものであり、皮膚化粧料の保存安定性に影響を及ぼすと考えられる。
(成分(A))
成分(A)は、下記一般式(1)で表されるカチオン界面活性剤である。
Figure 0006662606
(上記一般式(1)中、R1およびR2は同一または異なって、炭素数16以上22以下の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭化水素基を示し、R3およびR4は同一または異なって、炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、X-は、塩形成陰イオンを示す。)
一般式(1)において、R1およびR2で示される炭化水素基としては、直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基が挙げられ、好ましくは炭素数16以上20以下、より好ましくは18のアルキル基またはアルケニル基であり、より好ましくは炭素数18のアルキル基である。
3およびR4で示される炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、好ましくはR3またはR4がメチル基であり、より好ましくはR3およびR4がいずれもメチル基である。
また、塩形成陰イオンであるX-としては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオンおよびヨウ化物イオンからなる群から選ばれるハロゲンイオン;リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、モノアルキル硫酸イオン等が挙げられ、好ましくはハロゲンイオンであり、より好ましくは塩化物イオンである。
一般式(1)で表されるカチオン界面活性剤の具体例としては、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジアラキルジメチルアンモニウム、塩化ジベヘニルジメチルアンモニウム等が挙げられる。これらのうち、皮膚化粧料中への凝集物発生を抑制する観点、保存安定性、好ましくは高温保存安定性を向上させる観点および乳化性を向上させる観点から、好ましくは塩化ジセチルジメチルアンモニウムおよび塩化ジステアリルジメチルアンモニウムから選ばれる1種以上である。また、これらの市販品としては、VARISOFT 432 PPG(エボニック社製)、VARISOFT TA 100(エボニック社製)等が挙げられる。
皮膚化粧料組成物中の成分(A)の含有量は、皮膚化粧料中における凝集物発生を抑制する観点、保存安定性、好ましくは高温での保存安定性を向上させる観点および乳化性を向上させる観点から、皮膚化粧料組成物全体に対して好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.08質量%以上、さらに好ましくは0.15質量%以上、さらにより好ましくは0.3質量%以上である。また、皮膚化粧料を皮膚に塗布する際の泡立ちを抑制する観点から、皮膚化粧料組成物中の成分(A)の含有量は、皮膚化粧料組成物全体に対して好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下、さらにより好ましくは0.9質量%以下である。
(成分(B))
成分(B)は、セラミド脂質類である。セラミド脂質類としては、天然セラミドおよび擬似型セラミドの両者が含まれ、具体的には、下記一般式(2)で表される。
Figure 0006662606
(上記一般式(2)中、R11はヒドロキシル基、カルボニル基もしくはアミノ基が置換していてもよい、炭素数4以上30以下の直鎖、分岐鎖もしくは環状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基または水素原子を示し;Zはメチレン基、メチン基または酸素原子を示し;X1、X2およびX3は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基またはアセトキシ基を示し、X4は水素原子、アセチル基またはグリセリル基を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Zがメチン基のとき、X1とX2のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X4がオキソ基を形成するとき、X3は存在しない。);R12およびR13は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基またはアセトキシメチル基を示し;R14はヒドロキシル基、カルボニル基またはアミノ基が置換していてもよい、主鎖にエーテル結合、エステル結合またはアミド結合を有していてもよい炭素数5以上60以下の直鎖、分岐鎖または環状の飽和または不飽和の炭化水素基を示し;R15は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基およびアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい、総炭素数1以上30以下の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭化水素基を示し(但し、R11が水素原子、Zが酸素原子のときR15は総炭素数10以上30以下の炭化水素基であり、R11が炭化水素基のときR15は総炭素数1以上8以下の炭化水素基である。);破線部は不飽和結合であってもよいことを示す。)
一般式(2)中、R11は、ヒドロキシル基、カルボニル基もしくはアミノ基が置換していてもよい、炭素数4以上30以下の、好ましくはヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7以上22以下の直鎖、分岐鎖もしくは環状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基または水素原子である。
Zはメチレン基、メチン基または酸素原子のいずれかを示す。
1、X2およびX3は、各々独立して水素原子、ヒドロキシル基またはアセトキシ基を示す。殊にX1、X2およびX3のうち0または1個がヒドロキシル基で、残余が水素原子であるのが好ましい。Zがメチン基のとき、X1とX2のいずれか一方のみが水素原子であり、他方は存在しない。また、X4は水素原子またはグリセリル基であるのが好ましい。また、X4がオキソ基を形成するとき、X3は存在しない。
12およびR13は、水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基またはアセトキシメチル基を示し、好ましいR12は水素原子またはヒドロキシメチル基であり、好ましいR13は水素原子である。
14は、ヒドロキシル基、カルボニル基またはアミノ基が置換していてもよい、主鎖にエーテル結合、エステル結合またはアミド結合を有していてもよい炭素数5以上60以下の直鎖、分岐鎖または環状の飽和または不飽和の炭化水素基を示す。好ましくは、ヒドロキシル基またはアミノ基が置換していてもよい炭素数5以上35以下の直鎖、分岐鎖または環状の飽和または不飽和の炭化水素基、または該炭化水素基のω位に、ヒドロキシル基が置換してもよい炭素数8以上22以下の直鎖、分岐または環状の飽和または不飽和の脂肪酸がエステル結合またはアミド結合したものが挙げられる。結合する脂肪酸としては、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸またはリノール酸が好ましい。
15は、水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基およびアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1以上30以下の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭化水素基である。R11が水素原子、Zが酸素原子のときR15は総炭素数10以上30以下の炭化水素基である。また、R11が炭化水素基であるときR15は総炭素数1以上8以下の炭化水素基である。このうち水素原子あるいは、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基およびアルコキシ基から選ばれるもので1個以上3個以下が置換していてもよい総炭素数1以上8以下の炭化水素基が好ましい。ここで、ヒドロキシアルコキシ基およびアルコキシ基としては炭素数1以上7以下のものが好ましい。
成分(B)としては、天然型セラミドおよび擬似型セラミド(以下、「擬似セラミド」ともよぶ。)から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。具体的には、特開2013−53146号公報に記載のセラミド類が使用できる。
天然型セラミドの具体的な例示として、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシンまたはスフィンガジエニンがアミド化されたセラミドType1〜7(たとえば、J. Lipid Res., 24:759(1983)の図2、および、J. Lipid. Res.,35:2069(1994)の図4に記載のブタおよびヒトのセラミド)が挙げられる。
さらにこれらのN−アルキル体(たとえばN−メチル体)も含まれる。
これらのセラミドは天然型(D(−)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、さらに天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでもよく、また、これらの混合物によるものでもよい。中でも、CERAMIDE1、CERAMIDE2、CERAMIDE3、CERAMIDE5、CERAMIDE6IIの化合物(以上、INCI、8th Edition)および次式で表わされるものが好ましい。
Figure 0006662606
これらは天然からの抽出物および合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。このような天然型セラミドの市販のものとしては、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、コスモファーム社製)、Ceramide TIC-001(高砂香料社製)、CERAMIDE II(Quest International社製)、DS-Ceramide VI、DS-CLA-Phytoceramide、Phytoceramide、DS-ceramide Y3S(DOOSAN社製)、CERAMIDE2(セダーマ社製)等が挙げられる。
Figure 0006662606
また、疑似型セラミドとして、下記一般式(3)に示すものが挙げられる。
Figure 0006662606
(上記一般式(3)中、R25は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10以上22以下の直鎖、分岐鎖もしくは環状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基または水素原子を示し;X19は水素原子、アセチル基またはグリセリル基を示し;R26はヒドロキシル基またはアミノ基が置換していてもよい炭素数5以上22以下の直鎖、分岐鎖もしくは環状の飽和または不飽和の炭化水素基であるか、または該炭化水素基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8以上22以下の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;R27は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基またはアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1以上30以下のアルキル基を示す。)
26は、好ましくは、ノニル、トリデシル、ペンタデシル、ω位にリノール酸がエステル結合したウンデシル基、ω位にリノール酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位に12−ヒドロキシステアリン酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位にメチル分岐イソステアリン酸がアミド結合したウンデシル基である。
25が水素原子の場合、R27はヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基またはアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数10以上30以下の、好ましくは総炭素数12以上20以下のアルキル基であり;R25がヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10以上22以下の直鎖、分岐鎖もしくは環状の飽和または不飽和の炭化水素基である場合、R27は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基またはアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1以上8以下のアルキル基を示すことが好ましい。R27のヒドロキシアルコキシ基またはアルコキシ基としては炭素数1以上7以下のものが好ましい。
上記一般式(3)に示す化合物の具体例として、下記式に示すものが挙げられる。
Figure 0006662606
一般式(3)で表されるものとしては、R25がヘキサデシル基、X19が水素原子、R26がペンタデシル基、R27がヒドロキシエチル基のもの;R25がヘキサデシル基、X19が水素原子、R26がノニル基、R27がヒドロキシエチル基のものの疑似型セラミドが好ましく、一般式(3)のR25がヘキサデシル基、X19が水素原子、R26がペンタデシル基、R27がヒドロキシエチル基のもの(N−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミド、たとえば花王社製ソフケアセラミドスフィンゴリピッド(SL)−E)が、さらに好ましい。また、次式で表わされるものも好ましい。
Figure 0006662606
皮膚化粧料組成物中の成分(B)の含有量は、塗布時のこく感を向上させる観点から、皮膚化粧料組成物全体に対して好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、さらにより好ましくは0.9質量%以上である。また、皮膚化粧料中に凝集物が発生するのを抑制する観点、および塗布時ののびのよさを向上させる観点から、皮膚化粧料組成物中の成分(B)の含有量は、皮膚化粧料組成物全体に対して好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、さらにより好ましくは3質量%以下である。
また、皮膚化粧料組成物中の成分(B)の含有量に対する成分(A)の含有量の質量比((A)/(B))は、皮膚化粧料中への凝集物の発生を抑制する観点、保存安定性、好ましくは高温での保存安定性を高める観点から、0.07以上であり、好ましくは0.09以上、より好ましくは0.15以上、さらに好ましくは0.25以上であり、また、1.3以下であり、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.6以下、さらに好ましくは0.45以下である。
(成分(C))
成分(C)は、炭素数12以上22以下の高級アルコールである。
成分(C)の炭素数は、成分(B)のセラミド脂質類の析出を抑制するとともに好ましい使用感を与える観点から、好ましくは14以上であり、より好ましくは16以上であり、また、好ましくは20以下であり、さらに好ましくは18以下である。
成分(C)は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。成分(C)の具体例として、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール等の一価アルコールが挙げられる。これらのうち、直鎖アルキル基を有するものが好ましく、より好ましくは、炭素数16以上18以下の一価アルコールであり、さらに好ましくはセチルアルコールおよびステアリルアルコールから選ばれる1種以上であり、さらにより好ましくはセチルアルコールである。
皮膚化粧料組成物中の成分(C)の含有量は、皮膚化粧料中への凝集物の発生を抑制しつつ皮膚に塗布する際のこく感を高める観点から、皮膚化粧料組成物全体に対して好ましくは0.02質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上、さらにより好ましくは0.3質量%以上である。また、皮膚化粧料中への凝集物の発生を抑制し、皮膚化粧料の保存安定性、好ましくは高温保存安定性を高めつつ、皮膚に塗布する際ののびの良さを向上させる観点から、皮膚化粧料組成物中の成分(C)の含有量は、皮膚化粧料組成物全体に対して好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3.5質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下、さらにより好ましくは1質量%以下である。
(成分(D))
成分(D)は、炭素数12以上22以下のモノ脂肪酸グリセリルエステルである。
成分(D)の炭素数は、成分(B)の析出を抑制するとともに好ましい使用感を与える観点から、好ましくは14以上であり、より好ましくは16以上である。
成分(D)の具体例として、グリセリンモノラウリン酸エステル、グリセリンモノミリスチン酸エステル、グリセリンモノパルミチン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノベヘン酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステル、グリセリンモノイソステアリン酸エステル、グリセリンモノアラキジン酸エステル、グリセリンモノリノール酸エステル等が挙げられる。これらのうち、前述した観点から、好ましくはグリセリンモノベヘン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノパルミチン酸エステルからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはグリセリンモノベヘン酸エステルである。
皮膚化粧料組成物中の成分(D)の含有量は、皮膚化粧料中への凝集物の発生を抑制しつつ皮膚に塗布する際のこく感を高める観点から、皮膚化粧料組成物全体に対して好ましくは0.02質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上、さらにより好ましくは0.2質量%以上、殊更好ましくは0.3質量%以上である。また、皮膚化粧料中への凝集物の発生を抑制し、皮膚化粧料の保存安定性、好ましくは高温保存安定性を高めつつ、皮膚に塗布する際ののびを良くする観点から、皮膚化粧料組成物中の成分(D)の含有量は、皮膚化粧料組成物全体に対して好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3.5質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下、さらにより好ましくは1質量%以下である。
また、皮膚化粧料組成物中の成分(C)および(D)の含有量の合計((C)+(D))は、皮膚化粧料中への凝集物の発生を抑制し、皮膚化粧料の保存安定性、好ましくは高温での保存安定性を高める観点から、皮膚化粧料組成物全体に対して好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.4質量%以上、さらにより好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは7質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、さらにより好ましくは2質量%以下である。
また、皮膚化粧料組成物中の成分(D)の含有量に対する成分(C)の含有量の質量比((C)/(D))は、皮膚化粧料中の凝集物の発生を抑制するとともに、保存安定性を高める観点、好ましくは高温での保存安定性を高める観点から、皮膚化粧料組成物全体に対して好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.7以上であり、また、好ましくは10以下であり、より好ましくは5以下、さらに好ましくは3以下である。
また、皮膚化粧料組成物中の成分(B)、(C)および(D)の含有量の合計((B)+(C)+(D))は、皮膚化粧料中の凝集物の発生を抑制し、保存安定性、好ましくは高温での保存安定性を高めるとともに、皮膚に塗布した際のこく感を高める観点から、皮膚化粧料組成物全体に対して0.9質量%以上であり、好ましくは1質量%以上、より好ましくは1.1質量%以上、さらに好ましくは1.5質量%以上であり、また、9質量%以下であり、好ましくは7質量%以下、より好ましくは6質量%以下である。
(成分(E))
成分(E)は、炭素数12以上22以下のポリオキシエチレンモノ脂肪酸ソルビタンエステルおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油からなる群から選ばれる少なくとも1種の非イオン性界面活性剤である。
このうち、炭素数12以上22以下のポリオキシエチレンモノ脂肪酸ソルビタンエステルにおける脂肪酸の炭素数は、製造時のダマの発生を抑性し、皮膚化粧料中への凝集物の発生を抑制する観点から、好ましくは14以上であり、より好ましくは16以上であり、また、好ましくは20以下である。
炭素数12以上22以下のポリオキシエチレンモノ脂肪酸ソルビタンエステルとして、モノミリスチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノベヘン酸ポリオキシエチレンソルビタン等が挙げられ、好ましくはモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンである。
また、炭素数12以上22以下のポリオキシエチレンモノ脂肪酸ソルビタンエステルにおけるエチレンオキサイドの付加モル数は、製造時のダマの発生を抑制し、皮膚化粧料中の凝集物の発生を抑制する観点から、好ましくは5以上であり、より好ましくは10以上であり、また、好ましくは40以下であり、より好ましくは30以下である。
皮膚化粧料組成物中の成分(E)の含有量は、製造時のダマの発生を抑制し、皮膚化粧料中への凝集物の発生を抑制する観点から、皮膚化粧料組成物全体に対して好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.02質量%以上、さらに好ましくは0.06質量%以上である。また、保存安定性、好ましくは高温での保存安定性や皮膚化粧料を塗布する際のこく感を高める観点から、皮膚化粧料組成物中の成分(E)の含有量は、皮膚化粧料組成物全体に対して好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.7質量%以下、さらにより好ましくは0.5質量%以下である。
また、皮膚化粧料組成物中の成分(E)の含有量に対する成分(A)の含有量の質量比((A)/(E))は、製造時のダマの発生を抑制し、皮膚化粧料中の凝集物の発生を抑制するとともに、保存安定性、好ましくは高温での保存安定性を高める観点から、皮膚化粧料組成物全体に対して0.4以上であり、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.8以上であり、また、35以下であり、好ましくは20以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは7以下である。
また、本実施形態における皮膚化粧料組成物は、水を含んでもよく、水の含有量は、たとえば化粧料中の水以外の成分を除いた残部とすることができる。
次に、本実施形態における皮膚化粧料組成物を含む皮膚化粧料の製造方法を説明する。本実施形態において、皮膚化粧料はその剤型に応じて製造される。
たとえば、本実施形態における皮膚化粧料は、成分(A)〜(E)および適宜他の成分を同時に配合することにより製造できる。または、以下の方法により本実施形態の皮膚化粧料を得ることもできる。
1.成分(A)〜(E)およびその他の油溶性成分を80℃程度に加熱溶解し、完全溶解し、均一になるまで撹拌して油相を得る。
2.水およびその他水溶性成分を80℃程度に加熱して水相を得る。
3.油相を撹拌しながら、油相に水相を添加して撹拌し、乳化物を得る。その後、撹拌下で室温(25℃、以下同じ。)程度まで冷却する。
本実施形態により得られる皮膚化粧料は、以上の成分(A)〜(E)を含む化粧料であり、さらに具体的には、以上の成分(A)〜(E)を含む乳化化粧料である。
本実施形態により得られる皮膚化粧料は、種々の形態、たとえローション、ジェルローション、ジェル、乳液、クリーム、ヘアクリーム、ハンドクリーム、乳化ファンデーション、美容液等とすることができる。
また、本実施形態の皮膚化粧料は、皮膚、中でも頭髪を除く皮膚、好ましくは顔、身体、手足等のいずれかに塗布することにより、使用することができる。また、本実施形態の皮膚化粧料を頭皮や髪に使用することもできる。
また、本実施形態における保湿方法は、本実施形態の皮膚化粧料組成物を含む皮膚化粧料を皮膚に適用することを含み、好ましくは上記皮膚化粧料を皮膚に塗布することを含む。
本実施形態においては、成分(A)〜(E)を組み合わせて用いるとともに、(((B)+(C)+(D)))、((A)/(B))および((A)/(E))がそれぞれ特定の範囲にある組成であるため、成分(D)のセラミド類の結晶化を抑制し、セラミド類が安定に配合されて製造安定性および保存安定性に優れるとともに、皮膚に好ましい使用感を与える皮膚化粧料を得ることができる。
具体的には、本実施形態における組成とすることにより、皮膚化粧料を製造する際のダマの発生を抑制することができ、また、皮膚化粧料中への凝集物の発生を抑制することができる。また、皮膚化粧料の保存安定性を向上させることができる。たとえば60℃程度の高温での皮膚化粧料の保存安定性を向上させること、または、−15℃程度の低温での皮膚化粧料の保存安定性を高めることもできる。
また、本実施形態により、皮膚化粧料を皮膚に塗布するなどして適用する際に泡立つことを抑制することができる。また、本実施形態により、塗布時などによる皮膚への適用時のこく感を高めることができる。
また、本実施形態における皮膚化粧料組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、上記の成分以外に通常の化粧品、医薬部外品、医薬品等に用いられる各種任意成分、たとえば成分(A)、(D)および(E)以外の界面活性剤、成分(A)〜(E)以外の油性成分、ステロール類、多糖類、アミノ酸類、植物抽出物、保湿剤、粉体、油ゲル化剤、皮膜形成剤、抗炎症剤、抗酸化剤、pH調整剤、成分(C)以外のアルコール類、紫外線吸収剤、防腐剤、色素、香料、増粘剤等を適宜配合することができる。
たとえば、本実施形態における皮膚化粧料組成物は、成分(A)〜(E)以外の油性成分として、さらに成分(F)のシリコーン油を含んでもよい。
成分(F)のシリコーン油の具体例として、ジメチルポリシロキサン等のメチルポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のジメチルシクロポリシロキサン;メチルフェニルポリシロキサン;およびその他のポリオルガノシロキサンが挙げられる。
さらに具体的には、成分(F)として、KF−96L−2cs、KF−96A−5cs、KF−96A−10cs、KF−96A−50cs、KF995(以上、信越化学工業社製)、SH200C Fluid-2cs、SH200C Fluid-5cs、SH200C Fluid-10cs、SH244、SH245、SH246(以上、東レ・ダウコーニング社製)などの市販品を使用することができる。これらのうち、皮膚化粧料の塗布時の泡立ちの抑制効果を高める観点から、メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンが好ましく、メチルポリシロキサンがより好ましい。
皮膚化粧料組成物中の成分(F)の含有量は、塗布時の泡立ちの抑制効果をさらに高める観点から、皮膚化粧料組成物全体に対して好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.15質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。
また、本実施形態の皮膚化粧料組成物は保湿剤をさらに含んでもよく、保湿剤としては、グリコール、グリセリン、グルコース、マルトース、マルチトール、ショ糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、デンプン分解糖還元アルコール、ソルビトール、エチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
また、メチルグルセス−10、メチルグルセス−20等のポリオキシエチレンメチルグルコシド、PPG−20 メチルグルコースエステル等のポリオキシプロピレンメチルグルコシドを用いてもよい。
これらの保湿剤の皮膚化粧料組成物中の含有量は、皮膚のしっとり感を高める観点から、皮膚化粧料組成物全体に対して好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。
また、本実施形態の皮膚化粧料組成物は抗炎症剤をさらに含んでもよく、抗炎症剤としては、グリチルリチン酸およびその塩、グリチルレチン酸およびその塩、イプシロンアミノカプロン酸およびその塩、アラントイン、塩化リゾチーム、グアイアズレン、サリチル酸メチル、γ−オリザノール等が挙げられる。
これらの抗炎症剤の皮膚化粧料組成物中の含有量は、皮膚の抗炎症効果を高める観点から、皮膚化粧料組成物全体に対して好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上であり、また、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下である。
また、本実施形態の皮膚化粧料組成物は防腐剤をさらに含んでもよく、防腐剤としては、メチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル(パラベン)、デヒドロ酢酸およびその塩、フェノキシエタノール等が挙げられる。
これらの防腐剤の皮膚化粧料組成物中の含有量は、化粧料の保存安定性を高める観点から、皮膚化粧料組成物全体に対して好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、また、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。
また、本実施形態の皮膚化粧料組成物は植物抽出物をさらに含んでもよく、植物抽出物としては、たとえばアシタバ、アズキ、アボガド、アマチャ、アマチャツル、アルテカ、アルニカ、アルモンド、アロエ、アンズ、イラクサ、イリス、ウイキョウ、ウコン、エイジツ、オウゴン、オウバク、オウレン、オオムギ、オクラ、オトギリソウ、オドリコソウ、オノニス、オランダカラシ、カキ、カッコン、カノコソウ、カバノキ、ガマ、カミツレ、カモミラ、カラスムギ、カンゾウ、キイチゴ、キウイ、キューカンバー、キョウニン、ククイナッツ、クチナシ、クマザサ、クルミ、ケイヒ、クワ、グンジョウ、ゲンチアナ、ゲンノショウコ、ゴボウ、ゴマ、小麦、コメ、サザンカ、サフラン、サンザシ、サンショウ、シイタケ、ジオウ、シコン、シソ、シナノキ、シモツケソウ、シャクヤク、ショウキョウ、ショウブ、シラカバ、スイカヅラ、スギナ、ステビア、セイヨウキズタ、セイヨウサンザシ、セイヨウニワトコ、セイヨウネズ、セイヨウノコギリソウ、セイヨウハッカ、セージ、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、ダイズ、ダイソウ、ダイム、チャ、チョウジ、チンピ、月見草、ツバキ、ツボクサ、テウチグルミ、トウキ、トウキンセンカ、トウニン、トウヒ、トウモロコシ、ドクタミ、トマト、ニンジン、ニンニク、ノバラ、バクガ、パセリ、ハダカムギ、ハトムギ、ハッカ、パパイヤ、ハマメリス、バラ、ヒノキ、ヒマワリ、ビワ、フキタンポポ、ブドウ、プラセンタ、ヘーゼルナッツ、ヘチマ、ベニバナ、ボダイジュ、ボタン、ホップ、マカデミアナッツ、マツ、マロニエ、メリッサ、メリロート、モモ、モヤシ、ヤグルマギク、ヤシ、ユーカリ、ユキノシタ、ユリ、ヨクイニン、ヨモギ、ライムギ、ラッカセイ、ラベンダー、リンゴ、レイシ、レタス、レモン、レンゲソウ、ローズマリー、ローマカミツレ、キンミズヒキ、キササゲ、アスナロ、ホルトソウ、ヒキオコシ、キジツ、センキシ、ハコベ、浮き草、カワラヨモギ、イチョウ、キキョウ、キク、クマザサ、ムクロジ、レンギョウ等の植物から常法により得られる抽出物が挙げられる。これらのうち、ハマメリス、ボタン、キンミズヒキ、キササゲ、アスナロ、ユーカリ、ホルトソウ、ヒキオコシまたはキジツから得られる抽出物が好ましい。
これらの植物抽出物が配合される場合には、乾燥固形分として、皮膚化粧料組成物全体に対して0.0001質量%以上10質量%以下程度配合されるのが好ましい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
(実施例1〜18および比較例1〜14)
表1〜表3に示す組成の皮膚化粧料を製造し、後述する方法で、凝集物のなさ、製造時のダマのなさ、保存安定性および使用感(塗布時の泡立ちのなさ、塗布時のこく感)について評価した。結果を表1〜表3に併せて示す。
(製造方法)
第I相の成分を、80℃から95℃で加熱混合し、これにプロペラを有する撹拌機で200rpmにて攪拌下、80℃から95℃に加熱した第II相を加えて乳化し、25℃まで徐々に冷却して、各例の皮膚化粧料を得た。
(評価方法)
(凝集物)
上記製造方法で得られた製造直後の各例の皮膚化粧料をスライドグラスに0.1mL滴下し、光学顕微鏡(20倍)にて、凝集物の有無を観察した。視野一面に凝集物が確認される場合を1、全く確認されない場合を4として、凝集物の有無を評価し、2点以上を合格とした。
(製造時のダマ)
各例の皮膚化粧料の製造終了時にプロペラに付着したダマの有無を目視にて確認した。プロペラ一面にダマが確認される場合を1、全く確認されない場合を4として、製造時のダマの発生の有無を評価し、2点以上を合格とした。
(保存安定性)
上記製造方法で得られた各例の皮膚化粧料30gを50mLの透明なスクリュー管に入れてサイクル試験(−15℃〜60℃〜−15℃のサイクル/1日、6日間)をおこなった。試験後の皮膚化粧料を試験前の皮膚化粧料と比較した。変化が大きく、増粘または減粘してそのまま製品として使用するには好ましくないレベルを1、全く変化がない場合を4として、保存安定性を評価し、2点以上を合格とした。
(使用感)
専門パネラ10名により、各例の皮膚化粧料0.5gを前腕部位に塗布した際の「こく感」および「塗布時の泡立ちのなさ」について使用感の良い順で4段階評価をおこない、10人の平均点が2点以上を合格とした。
Figure 0006662606
Figure 0006662606
Figure 0006662606
表1〜表3において、各成分として以下の原料を用いた。
*1 N−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミド:スフィンゴリピッドE、花王社製
*2 セタノール:セチルアルコールNX、高級アルコール工業社製
*3 グリセリン脂肪酸エステル:サンソフトNo.8100−C、太陽化学社製
*4 塩化ジステアリルジメチルアンモニウム:VARISOFT TA−100、エボニック社製
*5 モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン:レオドールTWS−120V、花王社製(エチレンオキサイド付加モル数20)
*6 ポリエチレン硬化ヒマシ油:エマノーンCH60、花王社製
*7 ポリオキシエチレン2−ヘキシルデシルエーテル:エマルゲン1620G、花王社製
*8 ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル:エマレックスOD−20、日本エマルジョン社製
*9 メチルポリシロキサン:シリコーン KF−96A−50CS 、信越化学工業社製
*10 グリセリン: 濃グリセリン、花王社製
*11 メチルパラベン: メッキンスM、上野製薬社製
表1〜表3より、各実施例においては、成分(A)〜(E)を組み合わせて用いており、((B)+(C)+(D))、((A)/(B))および((A)/(E))が特定の範囲にある組成であるため、皮膚化粧料の製造時のダマの発生および得られた皮膚化粧料中への凝集物の発生の抑制、保存安定性、具体的には低温から高温にわたっての保存安定性、ならびに、塗布時の適度なこく感および塗布時の泡立ちの抑制について、効果のバランスに優れていた。
(処方例1および2)
皮膚化粧料の処方例を表4に示す。
各処方例の皮膚化粧料は、以下の手順で製造された。すなわち、第I相の成分を、80℃から95℃で加熱混合し、これにプロペラ攪拌下(200rpm)、80℃〜95℃に加熱した第II相を加えて乳化し、25℃まで徐々に冷却した後、第III相を加えて製造した。
Figure 0006662606
表4において、前述した成分および以下の成分を用いた。
*12 アラントイン:S−アラントイン、川研ファインケミカル社製
*13 フェノキシエタノール:ハイソルブEPH、東邦化学工業社製
*14 ユーカリエキス:ユーカリ抽出液 EBL、天津力生製薬有限公司製
*15 アスナロエキス:アスナロリキッドK−B、一丸ファルコス社製

Claims (6)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)、(D)および(E):
    (A)塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジアラキルジメチルアンモニウムおよび塩化ジベヘニルジメチルアンモニウムからなる群から選択される1または2以上のカチオン界面活性剤、
    (B)セラミド脂質類、
    (C)炭素数1以上22以下の高級アルコール、
    (D)炭素数1以上22以下のモノ脂肪酸グリセリルエステル、ならびに、
    (E)炭素数12以上22以下のポリオキシエチレンモノ脂肪酸ソルビタンエステルおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油からなる群から選ばれる少なくとも1種の非イオン性界面活性剤
    を含有する皮膚化粧料組成物であって、
    前記皮膚化粧料組成物中の前記(D)の含有量が前記皮膚化粧料組成物全体に対して0.02質量%以上1.36質量%以下であり、
    前記皮膚化粧料組成物中の前記成分(B)、(C)および(D)の含有量の合計((B)+(C)+(D))が前記皮膚化粧料組成物全体に対して0.9質量%以上9質量%以下であり、
    前記皮膚化粧料組成物中の前記成分(B)の含有量に対する前記成分(A)の含有量の質量比((A)/(B))が0.07以上1.3以下であり、
    前記皮膚化粧料組成物中の前記成分(E)の含有量に対する前記成分(A)の含有量の質量比((A)/(E))が0.4以上35以下である、皮膚化粧料組成物。
  2. 前記皮膚化粧料組成物中の前記成分(C)および(D)の含有量の合計((C)+(D))が前記皮膚化粧料組成物全体に対して0.05質量%以上7質量%以下である、請求項1に記載の皮膚化粧料組成物。
  3. 成分(F)シリコーン油をさらに含有する、請求項1または2に記載の皮膚化粧料組成物。
  4. 前記皮膚化粧料組成物中の前記成分(D)の含有量が、前記皮膚化粧料組成物全体に対して0.05質量%以上1.36質量%以下である、請求項1乃至3いずれか1項に記載の皮膚化粧料組成物。
  5. 請求項1乃至4いずれか1項に記載の皮膚化粧料組成物を含む皮膚化粧料。
  6. 請求項5に記載の皮膚化粧料を皮膚に適用することを含む、保湿方法。
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