JP6728894B2 - ソリッドタイヤ - Google Patents

ソリッドタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP6728894B2
JP6728894B2 JP2016072271A JP2016072271A JP6728894B2 JP 6728894 B2 JP6728894 B2 JP 6728894B2 JP 2016072271 A JP2016072271 A JP 2016072271A JP 2016072271 A JP2016072271 A JP 2016072271A JP 6728894 B2 JP6728894 B2 JP 6728894B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
reinforcing layer
tape
rim
width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016072271A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017178245A (ja
Inventor
正弘 ▲高▼橋
正弘 ▲高▼橋
三島 健司
健司 三島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2016072271A priority Critical patent/JP6728894B2/ja
Publication of JP2017178245A publication Critical patent/JP2017178245A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6728894B2 publication Critical patent/JP6728894B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Tyre Moulding (AREA)

Description

本発明は、ソリッドタイヤに関する。詳細には、本発明は、フォークリフト等の産業車両用のソリッドタイヤに関する。
一般にソリッドタイヤ(中実タイヤとも称される)は、フォークリフト等の産業車両に使用される。このタイヤは、高荷重下で使用されることが多い。このため、車両が発進及び制動する時に、タイヤとリムとの間には、周方向に大きな力が加わる。発進及び制動が繰り返されることにより、タイヤがリムに対して滑る、「リムスリップ」が起こりうる。リムスリップ防止の観点から、様々な検討がなされている。この検討例が、特開2014−172421公報及び特開平8−21661号公報に開示されている。
特開2014−172421公報に記載されたタイヤでは、リムスリップ防止のために、ベース層の内側に、補強層が設けられている。この補強層は、リム幅と同等の幅を有するシートが、多層に巻回された構造を有している。このシートは、並列された多数の有機繊維コードを含んでいる。
特開平8−216614号公報に記載されたタイヤでは、リムスリップ防止のために、ベース層内に、ビードコアが埋め込まれている。このビードコアは、リムのフランジの近くにある外のビードコアと、この外のビードコアよりも軸方向内側に位置する内のビードコアとから構成されている。これらのビードコアは、タイヤの周方向に延在している。
特開2014−172421号公報 特開平8−216614号公報
特開2014−172421号公報に記載のタイヤでは、上記のとおり、補強層は、リム幅と同等の幅を有するシートが多層に巻回された構造を有する。加硫時にキャビティ内でローカバーが加圧されたとき、補強層に歪みが生じることがある。この歪みにより、タイヤがリムを締め付ける力が不均一になることがある。これは、リムスリップの抑制性能を低下させうる。このタイヤでは、リムスリップの抑制性能に、改善の余地がある。
特開平8−216614号公報に記載のタイヤは、ベース層内に複数のビードコアが埋没された構造をしている。この構造は複雑である。ベース層は、ビードコアよりも柔軟である。このため、硬質なビードコアを設計通りに配置するのは、容易ではない。しかも、このタイヤ構造では、タイヤ製造時にビードコアを準備するための工程を追加しなければならない。この構造は、生産性の低下を招来する。
本発明の目的は、良好な生産性を維持しつつ、リムスリップの防止が達成されたソリッドタイヤの提供にある。
本発明に係るソリッドタイヤは、その外面が路面と接触するトレッドと、このトレッドの半径方向内側に位置する補強層とを備えている。上記補強層は、略周方向に延びるテープより構成された螺旋構造を有している。上記テープは、このテープの幅方向に並列さた複数のコードを含んでおり、それぞれのコードが有機繊維からなっている。上記テープの幅TWの、このタイヤが組み込まれるリムの幅RWに対する比(TW/RW)は、百分比で10%以上50%以下である。上記補強層の半径方向高さHrの、このタイヤの断面高さHaに対する比(Hr/Ha)は、百分比で5%以上15%以下である。
好ましくは、上記補強層の周方向に垂直な断面において、軸方向に隣接する上記テープの断面同士は重なりを有している。それぞれのテープの断面において、上記重なり部分に位置する上記コードの断面の数は、5以上10以下である。
好ましくは、上記有機繊維は、ポリエステル繊維、ナイロン繊維又はアラミド繊維である。
好ましくは、上記コードの延在方向に垂直な断面において、上記テープの1cm幅あたりに存在するコードの本数は、4本以上12本以下である。
好ましくは、このタイヤがリムに組み込まれたとき、上記補強層の内側面はリムの底面と接触する。
本発明に係るソリッドタイヤの製造方法は、その幅方向に並列さた複数のコードを備えるテープが準備される工程、ドラムにおいて上記テープを螺旋状に巻き回すことで補強層が構成される工程、上記補強層の外側にトレッドが積層されローカバーが得られる工程、
及び上記ローカバーがモールド内で加圧及び加熱される工程を含む。上記コードのそれぞれは有機繊維よりなっている。上記テープの幅TWの、このタイヤが組み込まれるリムの幅RWに対する比(TW/RW)は、百分比で10%以上50%以下である。上記補強層は、このタイヤの断面高さに対する上記補強層の半径方向高さの比が5%以上15%以下となるように構成される。
本発明に係るソリッドタイヤでは、補強層は、略周方向に延びるテープより構成された螺旋構造を有している。このテープは、その幅方向に並列された複数のコードを備える。このテープの幅TWの、リム幅RWに対する比(TW/RW)は、50%以下である。この補強層は、幅の小さいテープが巻かれた構造のため、加硫工程前の補強層を、完成品のタイヤにおける補強層に近い形状に成形することができる。これにより、加硫工程における補強層の歪みを小さくできる。このタイヤでは、加硫時に補強層での歪みが生じ難い。この補強層を備えるタイヤは、均一な力でリムを締め付ける。このタイヤでは、リムスリップが抑制されている。さらにこのタイヤでは、補強層の半径方向高さHrの、タイヤの断面高さHaに対する比(Hr/Ha)は、5%以上である。この補強層は、タイヤがリムを締め付ける力に効果的に寄与する。このタイヤでは、リムスリップが防止されている。
本発明に係るソリッドタイヤでは、補強層は、テープを螺旋状に巻き回すことで形成されうる。この補強層の形成は容易である。この補強層の半径方向高さHrの、タイヤの断面高さHaに対する比(Hr/Ha)は、15%以下である。これにより、補強層による材料コスト、製造工数及び製造期間への影響が抑えられる。さらに、前述のとおり、比(TW/RW)は、50%以下である。このテープは種々のサイズのソリッドタイヤの補強層に使用できる。これは、タイヤの生産コストの低減に寄与する。本発明によれば、タイヤの生産性への影響を抑えつつ、リムスリップの防止が達成されたソリッドタイヤが得られうる。
図1は、本発明の一実施形態に係るソリッドタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの補強層を構成するテープの一部が示された斜視図である。 図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。 図4は、図2のテープを巻回す工程が示された模式図である。 図5は、形成途中にある補強層が示された断面図である。 図6は、図1のタイヤのローカバーが示された断面図である。 図7は、図5の一部が示された拡大断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るソリッドタイヤ2が示された断面図である。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面と垂直方向がタイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道面を表す。実線BLは、赤道面CLとタイヤ2の内側面との交点から、軸方向に引いた仮想直線である。この仮想直線BLは、ベースラインと称される。符号Rで示されているのはリムである。このリムRは、正規リムである。正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は正規リムである。図1において、このタイヤ2はリムRに組み込まれている。両矢印RWはリム幅を示している。リム幅RWは半径方向に延びる一方の実線Lから他方の実線Lまでの軸方向距離により表される。左右の実線Lは、リム幅RWを規定する一組の仮想直線である。
このタイヤ2は、トレッド4と、ベース層6と、補強層8と、一対のスキン層10とを備えている。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状をしている。トレッド4は、路面と接地するトレッド面12を形成する。トレッド面12には、溝14が刻まれている。この溝14によりトレッドパターンが形成される。トレッド4は、耐摩耗性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。本実施形態では、トレッド4は単一のゴムから形成されている。このトレッド4が、二以上のゴムから形成されてもよい。
ベース層6は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ベース層6は、架橋ゴムよりなる。図示されていないが、本実施形態では、ベース層6は短繊維を含んでいる。短繊維は、有機繊維からなるコードを短く裁断したものである。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。複数種類の短繊維を混合したものが用いられてもよい。このベース層6が短繊維を含んでいなくてもよい。また、このベース層6は、二以上のゴムより形成されてもよい。
補強層8は、ベース層6の半径方向内側に位置している。補強層8は、テープより構成された螺旋構造を有している。このテープは概ね周方向に延びている。換言すれば、補強層8は、テープが略周方向に螺旋状に巻回された構造を有している。図示されないが、周方向に垂直な断面において、補強層8には、複数の「テープの断面」が、軸方向及び半径方向に並んでいる。
図2には、補強層8を構成するテープ16の一部が示されている。図2において、両矢印TWはテープ16の幅を表している。矢印Aで示された方向は、このテープ16の長さ方向である。このタイヤ2では、テープ16の幅TWの、リム幅RWに対する比(TW/RW)は、10%以上50%以下である。
図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。この図3において、左右方向はテープ16の幅方向である。この紙面に対して垂直な方向は、このテープ16の長さ方向である。図示されているように、テープ16は、複数のコード18とトッピングゴム20とからなる。これらのコード18は、トッピングゴム20で覆われている。これらのコード18は、幅方向に並列されている。これらのコード18は、テープ16の長さ方向に延在している。すなわち、補強層8は、トッピングゴム20に覆われたこれらのコード18が、螺旋状に巻かれた構造となっている。コード18は、概ね周方向に延びている。このコード18は、有機繊維からなる。好ましい有機繊維は、ポリエステル繊維、ナイロン繊維及びアラミド繊維である。
図1において、両矢印Hrは、補強層8の半径方向高さ表している。詳細には、高さHrは、赤道面CLにおける、補強層8の内側端から外側端までの半径方向の高さである。両矢印Haは、タイヤ2の断面高さを表している。詳細には、高さHaは、赤道面CLにおける、ベースラインBLからトレッド面12までの半径方向の高さである。このタイヤ2では、高さHrの高さHaに対する比(Hr/Ha)は、5%以上15%以下である。
上記高さHa、高さHr及び後述する高さHrbは、タイヤ2がリムRに組み込まれていない状態で計測される。
図1で示される通り、この実施形態では、補強層8の内側には、他のゴム層は存在しない。補強層8の内側面が、このタイヤ2の内側面を構成する。この補強層8の内側面とリムRの底面とは接触している。この補強層8は、リムRの底面の全体を覆っている。図には示されていないが、補強層8の半径方向内側にゴム層が存在してもよい。この場合、このゴム層の内側面がリムRと接触する。
一対のスキン層10は、それぞれこのタイヤ2の側面を形成している。スキン層10は、トレッド4、ベース層6及び補強層8の軸方向外側に位置している。スキン層10は、トレッド4、ベース層6及び補強層8を保護している。
以下では、本発明に係るタイヤ2の製造方法が示される。このタイヤ2の製造方法は、
(1)テープ16が準備される工程、
(2)円筒形のドラムにおいて、補強層8が積層される工程、
(3)ベース層6、トレッド4及びスキン層10が積層され、ローカバーが得られる工程
及び
(4)ローカバーがモールド内で加圧及び加熱される工程
を含んでいる。
なお、後述するとおり、上記(3)の工程においてローカバーが得られるまでに、フォーマーの外面において、補強層8、トレッド4等のタイヤ2の構成要素が組み合わされる。上記(4)の工程が実施される前までは、これらの構成要素のゴムは架橋されていない。これらの構成要素は、上記(4)の工程後の構成要素とは正確には同じものではない。例えば、上記(3)の工程で積層されたトレッド4は、未架橋のゴムからなる。上記(4)の工程により、架橋されたゴムからなるトレッド4が得られる。本明細書では、上記(4)工程の前後で同じ名称を使用する。これらは同じ「トレッド」と称される。補強層8についても同じである。補強層8を構成するテープ16についても同じである。他の構成要素についても同じである。
上記(1)の工程では、図2に示された構造のテープ16が準備される。複数のコード18がトッピングゴム20とともに押し出され、並列された複数のコード18とトッピングゴム20とを備える帯状のテープ16が得られる。これらのテープ16は、フォーマー(図示されず)に供給される。
上記(2)の工程では、円筒形のドラムにおいて上記テープ16を螺旋状に巻き回すことで、補強層8が形成される。図4には、この工程の開始の様子が示されている。図4において、符号Dで示されているのはフォーマーのドラムである。このドラムDは円筒状である。フォーマーは、このドラムDが符号Oで示された中心軸の周りに回転するように構成されている。矢印Pで示された方向が、このドラムDの回転方向である。この回転方向Pは、タイヤ2の周方向に相当する。
図4に示されるように、テープ16の始端22がドラムDに載せられる。ドラムDが、矢印Pで示された方向に回転させられる。これにより、テープ16が周方向に巻回される。テープ16の位置をずらせていくことで、テープ16は螺旋状に巻かれる。
図5は、形成途中にある補強層8が示された断面図である。図5において、上下方向がタイヤ2の半径方向に相当し、左右方向がタイヤ2の軸方向に相当し、紙面と垂直方向がタイヤ2の周方向に相当する。図5において、両矢印FWは、テープ16を螺旋状に巻き回す際のテープ16の送り量である。図5の補強層8では、送り量FWはテープ16の幅TWより小さい。従って、隣り合うテープ16の断面同士は、その一部が重なっている。テープ16の送り量FWは、テープ16の幅TWと同じであってもよい。この場合、隣り合うテープ16の断面同士は重ならない。この場合、隣り合うテープ16の断面同士は、互いに接している。テープ16の送り量FWは、テープ16の幅TWより大きくてもよい。
図5には、ドラムDの表面に、テープ16が一層巻かれた状態が示されている。テープ16が巻かれた部分の幅LWは、補強層8の内側面の幅に相当する。この幅LWは、リム幅RWとほぼ同じである。図示されないが、この後、テープ16は、この層の半径方向外側に重ねて巻かれる。テープ16は、2層以上重なるように巻かれる。テープ16は、高さHrの高さHaに対する比(Hr/Ha)が5%以上15%以下となるように、重ねて巻かれる。
補強層8は、通常一本のテープ16が巻回されることで構成される。用意したテープ16の長さが足りない等の理由で、途中から別のテープ16が巻き回されてもよい。
通常、テープ16は補強層8の軸方向の一方の端から巻き始められる。テープ16は補強層8の一方の端から他方の端に向けて、螺旋状に巻かれる。テープ16を巻き始める位置は、軸方向の一方の端に限られない。テープ16が、中央から巻き始められもよい。テープ16は、その他の位置から巻き始められてもよい。
図5では、補強層8の断面形状は矩形である。補強層8の断面形状は矩形に限られない。この工程で形成される補強層8の形状が、完成品のタイヤ2における補強層8の形状と近くなるように、補強層8が形成されてもよい。これにより、加硫工程における補強層8の歪みを小さくできる。
図示されていないが、このタイヤ2の製造方法が、上記(1)の工程と上記(2)の工程との間に、ゴム層をドラムDに積層する工程をさらに備えていてもよい。この場合、テープ16は、ゴム層の半径方向外側に巻かれる。
上記(3)の工程では、この補強層8の半径方向外側にベース層6が積層される。このベース層6の半径方向外側にトレッド4が積層される。その後、一対のスキン層10が、補強層8、ベース層6及びトレッド4からなる成形体の軸方向外側にそれぞれ貼り合わされる。これにより、図6に示されたローカバー24(未加硫タイヤと称される)が形成される。このタイヤ2では、ベース層6は積層されなくてもよい。この場合、補強層8の半径方向外側に、トレッド4が積層される。
上記(4)の工程では、図示されていないが、ローカバー24は開かれたモールドに投入される。モールドを閉じると、ローカバー24はモールドのキャビティ面に押しつけられる。ローカバー24は、モールドにて、加圧および加熱される。加圧と加熱とにより、ローカバー24のゴム組成物が流動する。加熱により、ローカバー24のゴムが架橋反応を起こす。これにより、図1に示されたソリッドタイヤ2が得られる。この工程は、加硫工程とも称される。
以下本発明による作用効果が説明される。
本発明に係るソリッドタイヤ2では、補強層8は、略周方向に延びるテープ16より構成された螺旋構造を有している。このテープ16は、並列された複数のコード18を備える。このテープ16の幅TWの、リム幅RWに対する比(TW/RW)は、50%以下である。この補強層8は、幅の小さいテープ16が巻かれた構造のため、加硫工程前の補強層8を、完成品のタイヤ2における補強層8に近い形状に成形することができる。これにより、加硫工程における補強層8の歪みを小さくできる。この補強層8を備えるタイヤ2は、均一な力でリムを締め付ける。このタイヤ2では、リムスリップが抑制されている。さらに、比(TW/RW)を50%以下とすることで、このテープ16は種々のサイズのソリッドタイヤ2の補強層8に使用できる。これは、タイヤ2の生産コストの低減に寄与する。このタイヤ2では、良好な生産性が実現されている。
このタイヤ2では、テープ16の幅TWのリムの幅RWに対する比(TW/RW)は、10%以上である。これにより、テープ16の巻回し回数が抑制され、補強層8の形成に要する時間の増大が抑えられる。このタイヤ2では、良好な生産性が実現されている。
加硫時に補強層8での歪みを効果的な抑え、さらに生産コスト低減に寄与するとの観点から、比(TW/RW)は40%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましい。補強層8の形成に要する時間を効果的に抑えるとの観点から、比(TW/RW)は、15%以上がより好ましい。
このタイヤ2では、補強層8の半径方向高さHrの、タイヤ2の断面高さHaに対する比(Hr/Ha)は、5%以上である。比(Hr/Ha)を5%以上とすることで、この補強層8は、タイヤ2がリムRの締め付ける力を向上させるのに、充分な厚さを有する。この補強層8は、タイヤ2がリムを締め付ける力に効果的に寄与する。このタイヤ2では、リムスリップが防止されている。
このタイヤ2では、補強層8は、テープ16を螺旋状に巻き回すことで形成されうる。この補強層8の形成は容易である。この補強層8の半径方向高さHrの、タイヤ2の断面高さHaに対する比(Hr/Ha)は15%以下である。これにより、補強層8による材料コスト、製造工数及び製造期間への影響が抑えられる。このタイヤ2では、良好な生産性が実現されている。
タイヤ2のリムを締め付ける力により効果的に寄与するとの観点から、比(Hr/Ha)は7%以上がより好ましく、9%以上がさらに好ましい。補強層8による材料コスト、製造工数及び製造期間への影響を効果的に抑えるとの観点から、比(Hr/Ha)は13%以下がより好ましく、11%以下がさらに好ましい。
前述したように、このタイヤ2では、補強層8は、テープ16を螺旋状に巻き回すことで構成される。補強層8は、通常一本のテープ16が巻回されて構成される。テープ16は長さ方向に延在する複数のコード18を含んでいる。即ち、この補強層8は、補強層8の軸方向の一方の端から他方の端まで螺旋状に巻き回された複数のコード18を含む。これらのコード18は、リムスリップの防止に効果的に寄与する。本発明によれば、リムスリップの防止が達成されたソリッドタイヤ2が得られる。
前述のとおり、補強層8の半径方向内側にゴム層が存在してもよい。図には示されていないが、このゴム層が存在する場合において、赤道面CLにおける、ベースラインBLから補強層8の内側端までの半径方向の高さはHrbで表される。高さHrbの、ベースラインBLからトレッド面12までの半径方向高さHaに対する比(Hrb/Ha)は、1.0%未満が好ましい。この補強層8とリムRまでの距離は短い。この補強層8は、効果的にタイヤ2がリムRを締め付ける力を向上させる。このタイヤ2がリムRを締め付ける力は強い。このタイヤ2では、リムスリップが防止されている。この観点から、比(Hrb/Ha)は、0.0%がより好ましい。換言すれば、リムRの底面が補強層8の内側面に接触するのがより好ましい。図1のタイヤ2では、比(Hrb/Ha)は0.0%とされている。
図5で示されるとおり、この補強層8では、軸方向に隣り合うテープ16の断面同士は、その一部が重なっている。図7は、このテープ16の断面の重なり部分が示された拡大断面図である。重なり部分とは、詳細には、テープ16の幅方向において、互いに重なった一方のテープ16の端26ともう一方のテープ16の端26との間の領域である。それぞれのテープ16の断面において、重なり部分に位置するコード18の断面の数CNがカウントされる。ここで、「重なり部分に位置するコード18の断面」とは、この重なり部分に、その断面積の50%以上が含まれる断面をいう。この図では、それぞれのテープ16の断面において、重なり部分に位置するコード18の断面の数CNは5である。
重なり部分に位置するコード18の断面の数CNは、5以上が好ましい。断面の数CNを5以上とすることで、この補強層8は、タイヤ2がリムを締め付ける力に効果的に寄与する。このタイヤ2では、良好なリムスリップの防止性能が達成されている。この観点から、断面の数CNは6以上がより好ましい。断面の数CNは、10以下が好ましい。断面の数CNを10以下とすることで、テープ16の巻回し回数が抑制され、補強層8形成に要する時間の増大が抑えられる。このタイヤ2では、良好な生産性が実現されている。この観点から、断面の数CNは9以下がより好ましい。
テープ16の送り量FWのテープ16の幅TWに対する比(FW/TW)は1.0以下が好ましい。比(FW/TW)が1.0以下で構成された補強層8は、タイヤ2がリムRを締め付け力の向上に効果的に寄与する。このタイヤ2がリムRを締め付ける力は強い。本発明に係るソリッドタイヤ2では、リムスリップが防止される。この観点からこの比は、0.9以下がより好ましい。比(FW/TW)は0.5以上が好ましい。比(FW/TW)を0.5以上とすることで、補強層8を構成することによる製造時間の増加は抑えられている。この補強層8による生産期間への影響は少ない。この観点からこの比は、0.6以上がより好ましい。
テープ16のコード密度TDは、テープ16の長さ方向に垂直な断面において、テープ16の1cm幅あたりに存在するコード18の本数が計測されることにより、得られる。コード密度TDは、4本/cm以上が好ましい。コード密度TDが4本/cm以上のテープ16で構成された補強層8は、タイヤ2がリムRを締め付け力の向上に効果的に寄与する。このタイヤ2がリムRを締め付ける力は強い。本発明に係るソリッドタイヤ2では、リムスリップが防止される。この観点からコード密度TDは、6本/cm以上がより好ましい。
コード密度TDは、12本/cm以下が好ましい。コード密度TDが12本/cm以下のテープ16で構成された補強層8では、タイヤ2に負荷がかかった場合にも、隣接するコード18同士の接触が抑えられる。このタイヤ2では、コード18同士の接触によるコード18の破損が防止されている。この観点からコード密度TDは、10本/cm以下がより好ましい。
コード18の撚り数は、2以上が好ましい。さらにコード18の原糸の繊度は、940dtex以上が好ましい。このようにすることで、これらのコード18は、リムスリップの防止に効果的に寄与する。コード18の撚り数は、5以下が好ましい。さらにコード18の原糸の繊度は、2100dtex以下が好ましい。このようにすることで、この補強層8がタイヤ2の質量に与える影響が抑えられている。これらの観点から、コード18の構造は、繊度が1400dtexの原糸を、2本撚りした構造であることがより好ましい。すなわち、コード18の構造は、1400dtex/2がより好ましい。
前述のとおりコード18の好ましい有機繊維は、ポリエステル繊維、ナイロン繊維及びアラミド繊維である。これらの有機繊維のコード18は、高強度である。これらの有機繊維のコード18は、耐疲労性に優れる。さらにこれらの有機繊維のコード18は、接着性に優れる。これらのコード18から、周囲のゴムから剥がれることが防止されている。これらの有機繊維のコード18は、タイヤ2の耐久性に寄与する。
前述のとおり、ベース層6は短繊維を含んでいるのが好ましい。このベース層6は、タイヤ2がリムを締め付ける力に効果的に寄与する。このタイヤ2では、リムスリップが抑制されている。
以上述べたとおり、このタイヤ2ではリムスリップが防止される。このタイヤ2では、補強層8による材料コスト、生産工数及び生産期間への影響が抑えられている。本発明によれば、生産性を悪化させることなく、リムスリップの防止が達成されたソリッドタイヤ2が得られうる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された構成を備え、下記の表1に示された仕様を備えた実施例1のソリッドタイヤを得た。タイヤのサイズは、「T.7.00−12 PL DG」とされた。このタイヤでは、ベース層は、短繊維を含んでいる。比(Hrb/Ha)は、0.0%とされた。換言すれば補強層の内側面は、リムRと接触している。このタイヤの補強層において、隣り合うテープの断面同士は、その一部が重なっている。この重なり部分に位置するコードの断面の数CNは8である。コードの繊維は、ナイロン繊維である。コードの構造は、1400dtex/2である。
[比較例1]
補強層を設けず、補強層が位置している部分をベース層で構成した他は実施例1と同様にして、比較例1のタイヤを得た。
[比較例2]
補強層がリム幅と同等の幅を有するシートが多層に巻回された構造を有していることの他は実施例1と同様にして、比較例2のタイヤを得た。
[比較例3]
ベース層にビードコアが埋め込まれていることの他は比較例1と同様にして、比較例3のタイヤを得た。
[実施例2−4及び比較例4−5]
比(TW/RW)を表2の通りに変更した他は実施例1と同様にして、実施例2−5および比較例4−5のタイヤを得た。
[実施例5−12]
比(TW/RW)及びテープの断面の重なり部分におけるコードの断面の数CNを表3及び4の通りに変更した他は実施例1と同様にして、実施例5−12のタイヤを得た。
[実施例13−18]
比(TW/RW)及び比(Hr/Ha)を表5の通りに変更した他は実施例1と同様にして、実施例13−18のタイヤを得た。
[リムスリップの評価]
試作タイヤをリム(サイズ:12×5.00S)に組み込み、このタイヤを車両(2.5t積みのフォークリフト)の駆動輪に装着した。この車両の総重量は、5670kgとされた。この車両で、平坦なアスファルト路面上において、スラローム走行を繰り返した。このときの車両の速度は8km/h、走行時間は4時間であった。その後、タイヤがリムに対してスリップした長さが測定された。その結果が比較例1を100とした指数で、表1−5に示されている。数値が小さいほど好ましい。言い換えれば、この数値が小さいほど、リムスリップ防止の性能に優れる。
[生産性の評価]
試作タイヤについて、ドラム上でローカバーが得られるまでの時間が測定された。この逆数が、比較例1を100とした指数で、表1−5に示されている。数値が大きいほど好ましい。
Figure 0006728894
Figure 0006728894
Figure 0006728894
Figure 0006728894
Figure 0006728894
表1−5に示されるように、本発明によれば、補強層の生産性への影響を抑えつつ、リムスリップの防止を達成したタイヤが得られている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るタイヤは、産業車両に装着されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・ベース層
8・・・補強層
10・・・スキン層
12・・・トレッド面
14・・・溝
16・・・テープ
18・・・コード
20・・・トッピングゴム
22・・・始端
24・・・ローカバー
26・・・テープの端

Claims (6)

  1. その外面が路面と接触するトレッドと、このトレッドの半径方向内側に位置する補強層とを備えており、
    上記補強層が、略周方向に延びるテープより構成された螺旋構造を有しており、
    上記テープが、このテープの幅方向に並列さた複数のコードを含んでおり、それぞれのコードが有機繊維からなっており、
    上記テープの幅TWの、このタイヤが組み込まれるリムの幅RWに対する比(TW/RW)が、百分比で10%以上50%以下であり、
    上記補強層の半径方向高さHrの、このタイヤの断面高さHaに対する比(Hr/Ha)が、百分比で5%以上10%以下であるソリッドタイヤ。
  2. 上記補強層の周方向に垂直な断面において、軸方向に隣接する上記テープの断面同士が重なりを有しており、
    それぞれのテープの断面において、上記重なり部分に位置する上記コードの断面の数が5以上10以下である請求項1に記載のソリッドタイヤ。
  3. 上記有機繊維が、ポリエステル繊維、ナイロン繊維又はアラミド繊維である請求項1又は2に記載のソリッドタイヤ。
  4. 上記コードの延在方向に垂直な断面において、上記テープの1cm幅あたりに存在するコードの本数が、4本以上12本以下である請求項1から3のいずれかに記載のソリッドタイヤ。
  5. このタイヤがリムに組み込まれたとき、上記補強層の内側面がリムの底面と接触する請求項1から4のいずれかに記載のソリッドタイヤ。
  6. その幅方向に並列さた複数のコードを備えるテープが準備される工程、
    ドラムにおいて、上記テープを螺旋状に巻き回すことで補強層が構成される工程、
    上記補強層の外側にトレッドが積層され、ローカバーが得られる工程、
    及び
    上記ローカバーがモールド内で加圧及び加熱される工程
    を含み、
    上記コードのそれぞれが有機繊維よりなっており、
    上記テープの幅TWの、このタイヤが組み込まれるリムの幅RWに対する比(TW/RW)が、百分比で10%以上50%以下であり、
    上記補強層が、このタイヤの断面高さに対する上記補強層の半径方向高さの比が5%以上10%以下となるように構成されるタイヤの製造方法。
JP2016072271A 2016-03-31 2016-03-31 ソリッドタイヤ Active JP6728894B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016072271A JP6728894B2 (ja) 2016-03-31 2016-03-31 ソリッドタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016072271A JP6728894B2 (ja) 2016-03-31 2016-03-31 ソリッドタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017178245A JP2017178245A (ja) 2017-10-05
JP6728894B2 true JP6728894B2 (ja) 2020-07-22

Family

ID=60008169

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016072271A Active JP6728894B2 (ja) 2016-03-31 2016-03-31 ソリッドタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6728894B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA3132800A1 (fr) * 2019-04-11 2020-10-15 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Bandage plein en materiau elastomere pour galet de roulement de telepherique

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58136429A (ja) * 1982-02-08 1983-08-13 Sumitomo Rubber Ind Ltd ソリツドタイヤの成型方法
JPH0415106A (ja) * 1990-05-02 1992-01-20 Sumitomo Rubber Ind Ltd ラジアルタイヤ
JPH0585103A (ja) * 1991-09-24 1993-04-06 Sumitomo Rubber Ind Ltd ニユーマチツク型ソリツドタイヤ
JP4219584B2 (ja) * 2001-11-12 2009-02-04 株式会社ブリヂストン ニューマチック型ソリッドタイヤ
JP2014172421A (ja) * 2013-03-06 2014-09-22 Sumitomo Rubber Ind Ltd ソリッドタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017178245A (ja) 2017-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7298622B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6445870B2 (ja) 空気入りタイヤ
EP1184204B1 (en) Pneumatic tire and method of producing the same
JP7102770B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5056150B2 (ja) 空気入りタイヤの製造方法及び空気入りタイヤ
JP6728894B2 (ja) ソリッドタイヤ
JP2002337509A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP4807976B2 (ja) 空気入りタイヤおよびその製造方法
JP5527003B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5145205B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2010116065A (ja) 空気入りタイヤ
EP3243644B1 (en) A tyre and a method for manufacturing an annular carcass for a tyre
JP2014172421A (ja) ソリッドタイヤ
JP6030623B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5115019B2 (ja) 空気入りタイヤおよび空気入りタイヤの製造方法
JP3614218B2 (ja) 空気入りタイヤ
US10189317B2 (en) Pneumatic tire having twisted bead cords
JP2018118579A (ja) 空気入りタイヤ
EP2551096B1 (en) Pneumatic tire production method and tire
WO2017200062A1 (ja) タイヤ
JP6518136B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4458836B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JPH10305711A (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP2013107518A (ja) 空気入りタイヤ
JP5355067B2 (ja) 空気入りタイヤおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200309

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20200309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200331

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200518

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200602

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200615

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6728894

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250