JP6727969B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
(画像形成装置)
本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を、図1を用いて説明する。なお、後述する定着入口ガイドの形状以外は、一般的なCパス構成の画像形成装置と同じ構成である。
本願明細書で、定着ニップ部などにおいて、記録材の搬送方向に直交する方向である長手方向における中央部とは、長手方向で均等に3等分するとき中央の均等領域あるいはその領域内の所定位置とする。また、長手方向における端部とは、長手方向で均等に3等分するとき端部側の均等領域あるいはその領域内の所定位置(例えば、最も端部側の位置)とする。
上述したように、定着装置6の定着ニップ部Nfは、記録材搬送方向から見て長手方向中央部をほぼ頂点として、加圧ローラ23とヒータホルダ241の付勢方向の加圧ローラ側へ湾曲した形状を成している。
本実施形態における定着入口ガイド271は、転写ニップ部Ntを通過してトナー像を保持した用紙Pを、次工程である定着装置6の定着ニップ部Nfへ導くためのガイドである。以下、本発明に係る定着入口ガイド271について説明する。
Hnipc…定着ニップ部Nfの長手方向中央部における付勢方向位置(基準位置)
Hnipe…定着ニップ部Nfの長手方向両端部における付勢方向位置
Hgc…定着入口ガイド271の先端Sの長手方向中央部における付勢方向位置
Hge…定着入口ガイド271先端Sの長手方向端部における付勢方向位置
ΔHm…基準位置からヒータホルダ側への突出量が記録材搬送方向の中で最大となる部分(凸部M)の突出量
(ΔHm=Hgc−Hge)
以下、定義したパラメータを用いて、定着入口ガイド271の位置、凸部Mの突出量ΔHmについて以下に説明する。定着入口ガイド271の位置は、用紙P先端が定着ニップ部Nfに入り込む際にジャムや紙シワ等が発生することのないよう、長手方向全域に渡って、定着ニップ部Nfの付勢方向位置HnipcおよびHnipeと離れ過ぎない位置に設置される必要がある。本実施形態においては、定着入口ガイド271は、長手方向両端部における先端Sの付勢方向位置Hgeが、基準位置である長手方向中央部における定着ニップ部Nfの付勢方向位置Hnipcと同じとなる位置に設置した。
以下、本実施形態の評価方法について説明する。本実施形態の凸部Mを有する定着入口ガイド271と、従来の定着入口ガイドとで、後端コバ汚れの有無を確認した。評価条件としては、「カブリ」が厳しい温度35℃、湿度80%の高温多湿環境で1枚通紙を500回繰り返し、出力された用紙P後端へのトナー付着状態を確認した。これにより、転写ローラ5に蓄積したカブリトナーが、用紙P後端によって掻き取られ用紙P後端に付着する度合いについて比較することができる。
本実施形態の評価結果(従来の定着入口ガイドと本実施形態の定着入口ガイドの後端コバ汚れレベルを比較した結果)を表1に示す。
本実施形態の定着入口ガイド271を用いることで、後端コバ汚れを抑制できた2つの効果について、以下にそれぞれ説明する。
1つ目の効果は、用紙P後端が長手方向(幅方向)の全域に渡って転写ローラ5と当たるように、用紙P後端の形状を変えることができる点である。この点について、図4および図5を用いて説明する。図4は、本実施形態の画像形成装置100における、転写ニップ部Nt及び定着ニップ部Nfの模式図である。従来構成の転写ニップ部Nt及び定着ニップ部Nfを表した図12、図13と対比させて示してある。
2つ目の効果としては、用紙Pの後端が、転写ニップ部Ntを抜けた瞬間の用紙Pの復元力を低減することができる点である。この点について、図6を用いて説明する。同図は、転写ニップ部Ntと定着装置6の定着ニップ部Nfを構成する部材と、定着入口ガイド271を示した画像形成装置の断面模式図を示す。本実施形態の特徴である長手方向中央部における定着入口ガイド271の凸部Mは編みかけ部である。加圧ローラ23や用紙Pの軌道について、中央部の様子は実線、端部の様子は点線で示す。
次に、記録材が薄紙等のコシの弱い用紙の場合、発生し易くなる用紙先端の角折れ(後に詳述)を抑制することで、第1の実施形態を更に改良した第2の実施形態について、図7乃至図10を用いて説明する。本実施形態は、図7に示すように定着入口ガイドのみが第1の実施形態と異なり、その他の構成は、第1の実施形態と同じであるため説明を省略する。
以下、図8を用いて薄紙の用紙先端の角折れを説明する。図8は最大通紙幅であるLTRサイズの用紙Pを通紙した場合の様子を示し、図8(a)は用紙Pの先端が定着入口ガイドの先端Sを通過した後の様子を表し、図8(b)は定着ニップ部Nfに突入する直前の様子を表している。なお、図8(b)において定着入口ガイド272は図7(b)のSx位置での切断した状態を示している。
以下、本実施形態の定着入口ガイド272について、図7(b)および図9を用いて説明する。定着入口ガイド272は、第1の実施形態の定着入口ガイドの長手方向両端領域U部の先端を定着ニップ部Nfに向かって図中Suまで伸ばしている。つまり、長手方向中央部における先端Sの用紙P搬送方向における定着ニップ部Nfの中央線(図9の線Z)からの距離sが、長手方向両端部における先端Suとの距離suよりも長い。以下、距離sと距離suの差をΔSとし、定着入口ガイド272に設けたU部の長さΔSと称することとする。
以下、本実施形態の評価方法について説明する。本実施形態の凸部M及び定着ニップ部方向に伸びた部分Uを有する定着入口ガイド272と、第1の実施形態で用いた凸部Mを有する定着入口ガイド271と、凸部Mを有さない従来の定着入口ガイドとで、後端コバ汚れの有無、及び先端角折れの有無を確認した。
後端コバ汚れレベル及び先端角折れの比較結果を表2に示す。
以上、定着ニップ部の湾曲方向とは逆方向の凸部Mを有する定着入口ガイド271を用い、定着ニップ部の湾曲で定着ニップ部の幅の長手方向におけるばらつきを抑制すると共に、転写ニップ部における記録材後端へのトナー付着(後端コバ汚れ)を抑制できる。そして、記録材搬送路として転写−定着間距離の短い(Cパス)画像形成装置の場合においても、用紙P後端と転写ローラ5表面との当接圧力を小さくすることができ、用紙Pの後端コバ汚れを抑制することができる。
第1及び第2の実施形態では、用紙Pが転写ニップ部Ntを抜けて、定着ニップ部Nfのみに挟持された状態での用紙Pの姿勢が、定着ニップ部Nfの接線に倣う構成について説明をした。本実施形態では、用紙Pが転写ニップ部Ntを抜けて、定着ニップ部Nfのみに挟持された状態での用紙Pの姿勢が、定着ニップ部Nfの接線ではない点が前述の実施形態と異なる。即ち、本実施形態では、用紙Pが転写ニップ部Ntを抜けて、定着ニップ部Nfのみに挟持された状態での用紙Pの姿勢が、ヒータホルダ241に設けられた上流突出形状部(上流側突出部)Gに倣う。
上述した通り、転写ニップ部Ntの接線、及び、用紙P後端が転写ニップ部を抜けた瞬間の用紙Pの姿勢が作る角度θが大きくなると、用紙Pの復元力による用紙P後端と転写ローラ表面との当接圧力が大きくなるため、後端コバ汚れが増す。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
上述した実施形態では、定着ニップ部の形状を湾曲させる手段として、バックアップ部材としてのヒータホルダの断面形状を湾曲形状とする構成について説明をしたが、これに限定されるものではない。定着ニップ部を加圧ローラ側に湾曲させる手段であれば、いずれの手段であっても良く、例えば、紙シワを防止するために、加圧ローラの外径が、長手方向中央部よりも両端部の方が大きい形状となっている構成でも良い。
上述した実施形態では、定着入口ガイドの形状について、定着ニップ部の湾曲形状と逆方向に突出した凸部を設けた矩形状の構成について説明をしたが、これに限定されるものではない。例えば、滑らかに湾曲した形状や、長手方向両端部から中央部に掛けて階段状に徐々に突出量が増える形状でも良い。
上述した実施形態および変形例では、長手方向に長い入口ガイドについて述べたが、本発明はこれに限られない。即ち、記録材の搬送方向に直交する長手方向で均等に3等分するとき、当接部材として長手方向における中央の均等領域の領域内で加熱部材の側に突出する形状を備えるスポット状(点状)の当接部材であっても良い。
Claims (15)
- トナー画像を記録材に転写する転写ニップ部を形成する転写部材と、
前記トナー画像が転写された前記記録材を加熱する加熱部材と、
前記加熱部材に対向し、前記加熱部材と共に前記記録材を挟持搬送する定着ニップ部を形成する対向部材と、
前記転写ニップ部と前記定着ニップ部の間の記録材搬送路に設けられ、前記記録材における前記トナー画像が設けられる面と反対側の面に当接する当接部材と、
を有し、
前記記録材の搬送方向から見るとき、前記定着ニップ部は前記記録材の搬送方向に直交する長手方向における端部よりも中央部が前記対向部材の側に突出する形状を備え、かつ、前記当接部材は前記長手方向における中央部において前記定着ニップ部の突出する方向と反対側に突出する形状を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記当接部材は、前記記録材を前記定着ニップ部へガイドする前記長手方向に渡って設けられるガイド部材であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記ガイド部材は、前記定着ニップ部の突出する方向と反対側に突出する領域が前記ガイド部材の全体領域における一部領域として設けられることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記ガイド部材は、前記定着ニップ部の突出する方向と反対側に突出する領域が前記長手方向において前記全体領域に対して1/5〜3/5の割合で設けられることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記ガイド部材は、前記長手方向における中央部で前記定着ニップ部に最も近い位置と前記定着ニップ部の記録材搬送方向の中心部との距離が、前記長手方向における両端部で前記定着ニップ部に最も近い位置と前記定着ニップ部の前記記録材搬送方向の中心部との距離と等しいことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記ガイド部材は、前記長手方向における中央部で前記定着ニップ部に最も近い位置と前記定着ニップ部の記録材搬送方向の中心部との距離が、前記長手方向における両端部で前記定着ニップ部に最も近い位置と前記定着ニップ部の前記記録材搬送方向の中心部との距離よりも長いことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記転写ニップ部から前記定着ニップ部への前記記録材搬送路がC字状に設けられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記記録材搬送路は、前記転写ニップ部を抜けた前記記録材の後端が前記定着ニップ部の接線に倣う搬送路を備えることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記加熱部材によって加熱される円筒状の回転体と、前記長手方向に設けられ前記回転体を保持するバックアップ部材と、を有し、
前記記録材搬送路は、前記転写ニップ部を抜けた前記記録材の後端が前記定着ニップ部の記録材搬送方向の中心部と、前記バックアップ部材の上流側突出部によって規制された規制部とを結ぶ直線に倣う搬送路を備えることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。 - 前記ガイド部材は、前記定着ニップ部の突出する方向と反対側に突出する領域から前記長手方向の端部に向かって連続的に傾斜した形状を備えることを特徴とする請求項2乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 可撓性を有し前記加熱部材によって加熱される円筒状の回転体と、前記長手方向に設けられ前記回転体を保持するバックアップ部材と、を有し、
前記バックアップ部材は、前記長手方向における両端部で前記対向部材の側に加圧されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記バックアップ部材は、前記記録材の搬送方向から見て、前記長手方向における端部よりも中央部が前記対向部材の側に突出する形状を備えることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
- 前記対向部材は加圧ローラであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記加圧ローラは、前記長手方向における中央部での外径よりも両端部での外径の方が大きいことを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
- 前記転写部は、トナー像を担持する像担持体と、前記トナー像を前記記録材に転写する転写ローラと、を有し、前記像担持体と前記転写ローラとの間で前記転写ニップ部を形成することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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