JP2577382B2 - 定着装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、静電記録装置の熱ロール定着装置に関す
る。

従来技術 電子写真複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の
静電記録装置では、所定の静電写真プロセスにより感光
体上に形成されたトナー像は転写紙に転写され、定着さ
れて記録が完成する。

この定着装置としては、第２図に示す如く、ヒータ１
を内蔵する定着ロール２とこれに圧接する加圧ロール３
とのニップ部に未定着トナー像を担持する転写紙４を通
紙し、トナーを転写紙に融着して定着する熱ロール定着
装置が広く使用されている。

転写紙を定着ロール対のニップ部に挿入するために、
入口ガイド板５と、これに対向する上ガイド板６とが設
けられている。

第３図は定着装置における入口ガイドと定着ロールを
示す図であり、この場合転写紙４は第４図に示すように
中央基準で搬送される。すなわち、転写紙４は搬送方向
と直交する方向である幅方向の中央が定着ロールの幅方
向中央と一致するように搬送される。定着ロール２は両
端部の直径が中央の直径よりも僅かに大きくなった鼓形
となっている。この形状の定着ロールが円筒状の加圧ロ
ール３に圧接することにより、この間を通る転写紙には
中央より外側方に引かれる力F1が働らきシワの発生を防
止することができる。しかし、同時に定着ロールの面に
垂直方向にも押圧力の反力F2が作用し、上記の外側方に
働らく力との合力F3のベクトルにより、転写紙には斜上
方に向う力が作用し、転写紙の後端部にストレスが溜り
転写紙の後端部両側で上方に跳ね上る方向にカールが発
生し、上ガイド板６の折角部で未定着の画像面が擦られ
て像が乱れる結果となる。この対策として、上ガイド板
６の折角部を転写紙の画像面に当らないように逃がすこ
とが考えられるが、上カール紙を定着ローラ対のニップ
部に案内すると云う本来の目的を阻害するおそれがあ
る。又、転写紙の画像面が擦られる部分に歯車状の拍車
をつけ転写紙の画像面が当った時に転動して歯車の先端
で接触し画像を乱さないようにすることも提案されてい
るが、経時的に拍車の歯の先端にトナーが付着すれば画
像が汚れる欠点がある。

そこで、定着ロールを鼓形にすることによりシワの発
生を防止するとともに転写紙後端の跳上りを防止する対
策として、第４図に示す如く、入口ガイド板５の案内面
の中央に高さ0.5乃至1.5mmのリブ７を設け、ローラ対2,
3により搬送される転写紙４がリブ７上を通過すること
により、転写紙４に搬送方向に延びるひだをつけて腰を
つけ跳上り力に抵抗して跳上りを防止することが行なわ
れている。その場合、リブを設けた中央部に対し両側部
を図に示すように先端が２〜4mm後退するように切欠け
ばひだが付き易く、跳上り防止効果が大きくなり、切欠
かなければその効果は30乃至50％減少することが経験的
に判っている。

しかし、入口ガイド板をこのような形状にした場合、
両側端部が垂下るようにしたカールした大サイズの転写
紙や両面コピー、合成コピーで１度目のコピーが済んだ
転写紙等を定着ローラ対のニップ部に挿入する場合、両
側端部はニップ部に向って直進せず、加圧ロールの周面
に当った後その周面に沿ってニップ部に入るので、両側
端部は中央部に比べてニップ部に遅れ気味で進入し、転
写紙の側端部にシワが生ずる傾向がある。

目的 本発明は、従来の熱ロール定着装置の入口ガイド板の
上記の欠点にかんがみ、定着ロールを鼓形にしてシワの
発生を防止し、入口ガイド板中央部にリブを設けて後端
の跳上りを防止した熱ロール定着装置において、両端側
部がカールした大サイズ等の転写紙を定着する場合にも
転写紙を定着する場合にも用紙にシワが発生することの
ない定着装置を提供することを目的とする。

構成 本発明は、上記の目的を達成させるため、上記構成の
熱ロール定着装置において、入口ガイド板の前端面が、
上記のリブを設けた中央部の両端側で後退した後、両側
方に行くに従って前方への突出量が漸次増加する如き傾
斜を有することを特徴とする。

以下に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。

第１図は本発明の実施例の定着装置の入口ガイド板定
着ロール及び加圧ロールを示す図である。

定着ロール２はシワ防止効果が得られる鼓形となって
おり、その下部に加圧ロール３が圧接している。上記の
両ロールのニップ部に未定着転写紙を案内する入口ガイ
ド板５の案内面中央部には転写紙後端の跳上りを防止す
るため転写紙に腰をつけるひだを形成するリブ７が設け
られている。入口ガイド板５の、上記リブを設けた中央
部の両側は前端縁が後退する如く切欠かれている。

こゝ迄に述べた構成は第４図で説明した従来の定着装
置の構成と異なるところがなく、転写紙４も中央基準で
搬送される。

然しながら、本実施例の装置では、入口ガイド板の前
端縁の上記のリブ７を設けた中央部の両側の切欠部の形
状は、中央部の両側で一端後退した後、両側方に行くに
従って前方への突出量が漸次増加するような傾斜を有す
る。

入口ガイド板５の形状を上記の如くしたことにより、
リブ７とその両側のガイド板前縁後退部とにより転写紙
には、腰を付けるめのひだが形成される。これにより、
未定着画像面と上ガイド板との擦れを防止することがで
きる。しかも、リブを設けた中央部両側のガイド板前端
縁は両側に行くに従って前方への突出量が増加するよう
な傾斜がつけられているので、両端部では定着ローラ対
2,3のニップ部に接近し、転写紙の両側が垂下がる如く
カールしている場合でも、従来の如く、両端部が中央に
遅れてニップ部に進入することが防止され、その結果カ
ール紙の端部に発生するシワを防止することができる。

上記の入口ガイド板５の前端縁の傾斜部の両端の中央
部両側後退部からの突出量Ｓは、加圧ロールへの接触
等、レイアウト上の配慮から１〜5mmとするのが適当で
ある。

実験によれば画像面の擦れ防止については、第４図に
示す装置と何ら変る所はなく、大サイズ転写紙を通紙し
た場合の両側のシワの発生率については第４図に示す従
来の装置では５〜10％であったのに対して１％以下に減
少した。

効果 以上の如く、本発明によれば、簡単な構成でコストの
上昇を招くことなく、転写紙後端の跳上りを防止し、し
かも大サイズの転写紙等両端部の垂下った転写しに対し
ても両側部のシワの発生率を著しく低減することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す斜視図、第２図は熱ロー
ル定着装置の一般的な構成を示す側断面図、第３図は従
来の入口ガイド板と鼓形定着ロールとを有する定着装置
の一例を示す斜視図、第４図は中央部にリブを設けた従
来の入口ガイド板の一例を示す斜視図である。 ２……定着ロール ３……加圧ロール ４……転写紙 ５……入口ガイド板 ６……上ガイド板 ７……リブ

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】転写紙の案内面の幅方向の中央部に転写紙
   後端跳ね上り防止用リブが突設された入口ガイド板と、
   これに対設された上ガイド板とにより中央基準で搬送さ
   れる未定着転写紙を熱ロールとこれに圧接する加圧ロー
   ルとのニップ部に導く定着装置において、上記の入口ガ
   イド板の前端縁が上記のリブを設けた中央部の両側で後
   退した後両側方に行くに従って前方への突出量が漸次増
   加する如き傾斜を有することを特徴とする定着装置。
2. 【請求項２】上記の入口ガイド板前端縁の傾斜がリブを
   設けた中央部の両側の後退部に比して両側端部で１乃至
   5mm前方に突出するような傾斜であることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項に記載の定着装置。