JP6726502B2 - 外用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、イソプロピルメチルフェノールをセルロース系繊維を含む不織布に含浸させてなるシート状外用組成物に関する。より具体的には、本発明は、イソプロピルメチルフェノールの当該不織布への吸着が抑制されたシート状外用組成物に関する。
昨今、清潔意識の高まりやニキビ予防等の効果を期待して殺菌剤入りの外用組成物が求められている。一般的にニキビ予防や改善等の効果を付与したいわゆるアクネ化粧品では、殺菌効果や角質剥離効果を優先させると皮膚に対する刺激が高くなり、配合量を抑えると効果が低下することが知られている(特許文献1)。
皮膚外用剤に配合される殺菌剤としては種々のものがあるが、とりわけ低刺激性のイソプロピルメチルフェノールは広く用いられている。しかしながら、イソプロピルメチルフェノールは樹脂製の容器の内壁や、セルロース系繊維等に非常に吸着されやすく、その結果、薬液中のイソプロピルメチルフェノール含有量が低下してしまう問題がしばしば起こる。そのため、皮膚外用剤にイソプロピルメチルフェノールを配合する場合、その樹脂製容器やセルロース系シート等への吸着による減量を考慮して、必要量以上に使用されることがあり、皮膚刺激性が比較的低いイソプロピルメチルフェノールといえども問題であった。
上記問題の解決策として、例えば、イソプロピルメチルフェノールとともに、特定量のN−アシル酸性アミノ酸、ジプロピレングリコールを含有する組成物が知られている(特許文献2)。この方法はイソプロピルメチルフェノールの吸着抑制効果に優れているが、多様な処方設計に対応するためには、特許文献2の製剤化技術とは異なる手法によって、イソプロピルメチルフェノールの吸着抑制を図る技術開発が望まれている。
特開2011−98901号公報 特開2012−107146号公報
本発明の目的は、イソプロピルメチルフェノールのセルロース系繊維を含む不織布に対する吸着が抑制されたシート状外用組成物を提供することである。また本発明の目的は、イソプロピルメチルフェノールを含みながらも皮膚刺激性が低く抑制されたシート状外用組成物を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、セルロース系繊維を含む不織布に含浸させる薬液において、イソプロピルフェノールとともに、5〜30重量%の炭素数1〜4の低級アルコールを含有させることによって、イソプロピルメチルフェノールの当該不織布への吸着を効果的に抑制できることを見出した。また、その結果、イソプロピルメチルフェノールの使用量を低減することができ、イソプロピルメチルフェノールに起因する皮膚刺激性を低く抑えることができることを確認した。
本発明は、これらの知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. イソプロピルメチルフェノール及び5〜30重量%の炭素数1〜6の低級アルコールを含有する薬液を、セルロース系繊維を含む不織布に含浸させてなるシート状外用組成物。
項2. イソプロピルメチルフェノールが0.001〜0.05重量%である項1記載のシート状外用組成物。
項3. 前記セルロース系繊維を含む不織布が、コットン、パルプ、レーヨン、キュプラ、リヨセル及びテンセルからなる群から選択される少なくとも1種以上のセルロース系繊維を含む不織布である項1又は2記載のシート状外用組成物。
項4. さらに、フェノキシエタノールを含有する項1〜3のいずれかに記載のシート状外用組成物。
項5. 薬液を40〜100gを、目付け30〜70g/mである不織布0.2〜0.5mに含浸させてなる項1〜4のいずれかに記載のシート状外用組成物。
項6. 上記不織布がセルロース系繊維からなる不織布である項1〜5のいずれかに記載のシート状外用組成物。
項7. セルロース系繊維を含む不織布に含浸させる薬液に、イソプロピルメチルフェノールと共に5〜30重量%の低級アルコールを配合することを特徴とする、イソプロピルメチルフェノールの当該不織布への吸着抑制方法。
本発明によれば、イソプロピルメチルフェノールの、セルロース系繊維を含む不織布への吸着を抑制することができる。そのため、本発明によれば、当該不織布に含浸させる薬液におけるイソプロピルメチルフェノールの含有量がより少ない場合であっても、殺菌効果を効果的に発揮し得るシート状外用組成物の提供が可能となる。このため、本発明によれば、薬液に配合するイソプロピルメチルフェノールの量を殺菌効果を発揮し得ることを限度として低く抑えることができるため、当該イソプロピルメチルフェノールに起因する皮膚刺激性の低い、シート状外用組成物を提供することが可能となる。
1.シート状外用組成物
本発明のシート状外用組成物は、イソプロピルメチルフェノール及び5〜30重量%の炭素数1〜6の低級アルコールを含有する薬液を、セルロース系繊維を含む不織布に含浸させてなることを特徴とする。以下、本発明のシート状外用組成物について詳述する。
(A)イソプロピルメチルフェノール
本発明のシート状外用組成物における薬液は、殺菌効果を備えさせるために、イソプロピルメチルフェノール(3−メチル−4−イソプロピルフェノール、シメン−5−オール)((A)成分と表記することもある)を含有する。
(A)成分は殺菌やニキビ予防等を目的とした殺菌剤としての効果に優れ、かつ低刺激性の成分である。(A)成分は難水溶性(水に対する溶解度:約0.015g)であり、セルロース系繊維からなる不織布と接触させると吸着されやすく、特に、外用組成物中の水含有量が多い場合や、長期に亘る高温保存のような環境下では、より顕著に吸着される。しかしながら、本発明によれば、セルロース系繊維を含む不織布への吸着を抑制することができる。以下、当該不織布を単に「本不織布」と称する場合がある。
本発明におけるシート状外用組成物における薬液100重量%中の(A)成分の含有量は、特に制限されないが、例えば、0.001重量%以上であり、好ましくは0.001〜0.05重量%、更に好ましくは0.005〜0.05重量%、より好ましくは0.01〜0.05重量%が挙げられる。一般に、(A)成分の吸着対象物への吸着量は、当該吸着対象物の表面積に依存して変動する。しかし、単位面積あたりの吸着量には上限がある為、イソプロピルメチルフェノールを当該吸着量上限を超えて多量に配合することでイソプロピルメチルフェノールの減量割合を小さくすることができる。しかしながら、本発明によれば、(A)成分の本不織布への吸着を効果的に抑制できることから、(A)成分が上記のように低含有量であっても、吸着による減量を10%以下に抑制することができるため、十分な殺菌効果が期待できる。
(B)炭素数1〜6の低級アルコール
本発明のシート状外用組成物における薬液は、5〜30重量%の炭素数1〜6の低級アルコール((B)成分と表記することもある)を含有する。(B)成分としては、特に限定されないが、炭素数1〜6のアルキルアルコールやベンジルアルコールが挙げられ、具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、及びベンジルアルコール等の一価のアルコールが挙げられる。なかでも、本不織布に対するイソプロピルメチルフェノールの吸着抑制の点から、エタノール、プロパノール及びイソプロパノールがより好ましい。これらの低級アルコールは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明において、薬液100重量%中の(B)成分の含有量は5〜30重量%であり、好ましくは5〜25重量%、更に好ましくは8〜15重量%が挙げられる。この範囲内であれば、イソプロピルメチルフェノールの本不織布に対する吸着を有意に抑制することができる。さらに、これに加えて薬液100重量%中の(A)成分の含有量を、上記のように0.05重量%以下、好ましくは0.001〜0.05重量%とすることで、低い皮膚刺激性を実現できる。
本発明において、薬液中の(A)成分と(B)成分の比率については、特に制限されないが、(A)成分の本不織布に対する吸着をより一層効果的に抑制させるという観点から、(A)成分100重量部当たり、(B)成分が、好ましくは10000重量部以上であり、好ましくは10000〜300000重量部、更に好ましくは20000〜150000、より好ましくは30000〜120000重量部が挙げられる。
(C)セルロース系繊維を含む不織布
本発明のシート状外用組成物は、前記(A)及び(B)成分を含有する薬液を、セルロース系繊維を含む不織布(本不織布)に含浸させてなる。セルロース系繊維としては、特に制限されないが、例えば、天然セルロース系繊維及び再生セルロース系繊維が挙げられる。天然セルロース系繊維としては、例えば、コットン、パルプ等が挙げられ、また、再生セルロース系繊維としては、例えば、レーヨン、キュプラ、リヨセル、テンセル等が挙げられる。これらのセルロース系繊維は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。また、本発明において本不織布は上記するセルロース系繊維からなるものあってもよいし、その他、セルロース系繊維と熱可塑性樹脂繊維の複合繊維でもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリアミド系樹脂等が挙げられる。セルロース系繊維と熱可塑性樹脂繊維との複合繊維とする場合、その割合は特に制限されないが、セルロース系繊維100重量部当たり、熱可塑性樹脂繊維が好ましくは100重量部以下、更に好ましくは10〜80重量部、より好ましくは10〜70重量部が挙げられる。イソプロピルメチルフェノールは、特にポリオレフィン系樹脂に吸着しやすい傾向があるが、本発明において、複合繊維におけるセルロース系繊維と熱可塑性樹脂繊維との割合を、このような範囲とすることで、当該複合繊維に対するイソプロピルメチルフェノールの吸着を抑制する効果が期待できる。
本発明において、不織布は上記するようにセルロース系繊維を含むものであればよく、その製造方法は特に制限されないが、例えば、ポイントボンド不織布、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、エアレイド不織布、スパンレース不織布等が挙げられる。なお、皮膚に適用されることから、不織布を構成する繊維間結合には接着剤が用いられないことが好ましく、熱(自己融着を含む)や水流により繊維どうしが結合または交絡された不織布を用いることが好ましい。従って、不織布は、ポイントボンド不織布、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、またはスパンレース不織布であることが好ましい。
本発明において、不織布の目付けは、特に制限されないが、例えば、好ましくは30g/m以上70g/m以下であり、更に好ましくは40g/m以上70g/m以下であり、より好ましくは50g/m以上70g/m以下が挙げられる。また、空孔率は、好ましくは500μm以下、更に好ましくは300μm以下、より好ましくは150μm以下が挙げられる。本発明において、このような範囲を満たす場合、イソプロピルメチルフェノールの吸着抑制効果が特に発揮されやすい。
本発明において、不織布は従来公知の方法により製造し得るが、市販品を使用してもよい。不織布の市販品としては、例えば、商品名「コットエース」(コットン100%、ユニチカ株式会社製)、商品名「オイコス」(コットン100%、日清紡テキスタイル株式会社製)等が挙げられる。
(D)フェノキシエタノール
本発明において、薬液中は、前記(A)成分及び(B)成分に加えて、更にフェノキシエタノール((D)成分と表記することもある)を含有することが好ましい。フェノキシエタノールは、通常、医薬品、化粧品等の外用組成物において汎用されている成分であるが、本発明者は、5〜30重量%の(B)成分に加えて、フェノキシエタノールを含有する薬液によれば、イソプロピルメチルフェノールの本不織布への吸着抑制効果が向上することを見出した。本発明において、薬液100重量%中のフェノキシエタノールの含有量は、特に制限されないが、好ましくは0.001〜1重量%、更に好ましくは0.01〜1重量%が挙げられる。また、薬液中の(A)成分と(D)成分の比率については、特に制限されないが、(A)成分の吸着をより一層効果的に抑制させるという観点から、(A)成分100重量部当たり、(D)成分が、好ましくは100重量部以上であり、好ましくは100〜20000重量部、更に好ましくは100〜15000、より好ましくは100〜10000重量部が挙げられる。

本発明において、薬液は水を基剤とすることが好ましい。イソプロピルメチルフェノールは、一般に、薬液中の水の含有量が多い場合には、前記不織布への吸着が顕著になる傾向がある。しかし、本発明によれば、そのような吸着を抑制することが可能となる。本発明において、薬液中の水の含有量については、適宜設定すればよいが、例えば30〜90重量%、好ましくは40〜90重量%、更に好ましくは40〜85重量%が挙げられる。
その他の成分
本発明のシート状外用組成物において、薬液には、前述する成分の他に、必要に応じて、生理学的に有用な機能性を示す機能性成分が含まれていてもよい。このような機能性成分としては、化粧料や外用医薬品等に配合可能なものであることを限度として特に制限されないが、例えば、水溶性のビタミン類、油溶性のビタミン類、酵素、ペプチド、アミノ酸、ホルモン、各種サイトカイン、各種動植物抽出物、ステロイド剤、保湿剤、美白剤、生薬、抗ヒスタミン剤、収斂剤、細胞賦活剤、角質軟化剤、局所麻酔剤、抗炎症剤、酸化防止剤、抗菌剤、鎮痒剤、皮膚保護剤、血行促進剤、ステロール類等が挙げられる。
また、本発明のシート状外用組成物において、前述する成分の他に、薬液を所望の剤型に調製するために、他の基剤や添加剤が含まれていてもよい。このような基剤や添加剤としては、化粧料や外用医薬品等に配合可能でものであることを限度として特に制限されないが、例えば、油性成分、低級アルコール、界面活性剤、防腐剤、増粘剤、香料、顔料、緩衝剤、pH調整剤等が挙げられる。
製造方法
本発明のシート状外用組成物は、前記(A)及び(B)と共に、必要に応じて添加される(D)成分、他の機能性成分、基剤、添加剤等を混合、溶解して得た薬液を、所定の大きさに切断、必要に応じて折り畳んだ不織布に含浸させることにより得ることができる。含浸方法としては、特に制限はなく、例えば、不織布に薬液を滴下又は噴霧することにより含浸させる方法、薬液中に不織布を浸漬することにより含浸させる方法、不織布をアルミパウチ等の包装具に収納した後、薬液を充填し密封する方法などが挙げられる。ここで、(A)成分を含有する薬液と(B)成分を含有する薬液とを別々に調製し、(B)成分を含有する薬液を不織布に含浸させた後、(A)成分を含有する薬液を含浸させる方法を採用してもよい。不織布における薬液の含浸量は合計で、例えば、不織布の重量の3〜6倍程度が好ましく、3.5〜5.5倍程度がより好ましい。
例えば、本発明においては、目付け30g/m以上70g/m以下の不織布を面積0.02〜0.05mに切断したもの10枚(合計で0.2〜0.5m)をアルミパウチ(7cm×13cm)に収納し、薬液を40〜100g含浸させる場合のように、製品中に吸着対象物である不織布が多く存在する場合であっても、イソプロピルメチルフェノールが不織布に吸着するのを効果的に抑制できる。
用途
本発明のシート状外用組成物において、薬液は、イソプロピルメチルフェノールが溶解していれば特にその形態は制限されず、例えば、液状(水溶液、乳液)、クリーム状、ジェル状等のいずれの剤形であってもよい。本発明のシート状外用組成物は、例えば、顔用化粧料含浸シート、顔用汗拭きシート、身体用汗拭きシート、身体用デオドラントシート、足用拭き取りシート、介護用清拭シート、皮脂拭き取り用シート、眠気覚まし用シート等に用いることができる。
2.イソプロピルメチルフェノールのセルロース系繊維からなる不織布への吸着抑制方法
前述するように、セルロース系繊維を含む不織布に含浸させる薬液において、イソプロピルメチルフェノールと共に5〜30重量%の低級アルコールを含有させることで、イソプロピルメチルフェノールの当該不織布への吸着を抑制することができる。したがって、本発明は、更に、不織布に含浸させる薬液に、イソプロピルメチルフェノールと共に5〜30重量%の低級アルコールを配合することによる、イソプロピルメチルフェノールの当該不織布への吸着抑制方法を提供する。
本発明の吸着抑制方法において、使用する(A)成分、(B)成分、(D)成分、そして不織布等については、前記「1.シート状外用組成物」の欄に記載の通りである。
本発明の吸着抑制方法において、薬液中の(A)成分の最終濃度については、特に制限されず、例えば、0.001重量%以上であり、好ましくは0.001〜0.05重量%、更に好ましくは0.005〜0.05重量%、より好ましくは0.01〜0.05重量%が挙げられる。
また、本発明の吸着抑制方法において、薬液中の(B)成分の最終濃度については、特に制限されず、例えば、5〜30重量%であり、好ましくは5〜25重量%、更に好ましくは8〜15重量%が挙げられる。
本発明の吸着抑制方法において、(A)成分と(B)成分の比率については、特に制限されないが、例えば、(A)成分100重量部当たり、(B)成分が、好ましくは10000重量部以上であり、好ましくは10000〜300000重量部、更に好ましくは20000〜150000、より好ましくは30000〜120000重量部が挙げられる。
また、(A)成分の不織布への吸着をより一層抑制させるという観点から、更に(D)成分を配合することが好ましい。薬液中の(D)成分の最終濃度については、特に制限されず、例えば、好ましくは0.001〜1重量%であり、より好ましくは0.01〜1重量%が挙げられる。また、薬液中の(A)成分と(D)成分の比率については、特に制限されないが、(A)成分の吸着をより一層効果的に抑制させるという観点から、(A)成分100重量部当たり、(D)成分が、好ましくは100重量部以上であり、好ましくは100〜20000重量部、更に好ましくは100〜15000、より好ましくは100〜10000重量部が挙げられる。
本発明の吸着抑制方法において、(A)成分の不織布への吸着を抑制する手段としては、具体的には、(A)及び(B)成分を配合した薬液を不織布に含浸させる方法、(B)成分を配合した薬液を不織布に含浸させた後、(A)成分を配合した薬液を含浸させる方法等が挙げられる。
本発明の吸着抑制方法は、医薬品や化粧料等のあらゆる分野における、(A)成分を含有するシート状製品を製造する際に、(A)成分を含有する薬液を不織布に含浸させる工程に用いることができる。とりわけ前記「1.シート状外用組成物」の欄に示すシート状外用組成物の製造時に、(A)成分を含有する薬液を不織布に含浸させる工程において、好適に用いられる。
本発明の吸着抑制方法において、薬液には、(A)成分及び(B)成分以外の成分が含まれていてもよい。例えば、本発明の吸着抑制方法を、前記「1.シート状外用組成物」の欄に示すシート状の外用組成物の製造時に、(A)成分を含有する薬液を不織布に含浸させる工程に用いる場合であれば、薬液には、前記「1.シート状外用組成物」の欄に記載の(D)成分、他の機能性成分、基剤、添加剤等が含まれていてもよい。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例:イソプロピルメチルフェノールの吸着抑制、及び皮膚刺激性の評価
以下の試験により、低級アルコールによるイソプロピルメチルフェノールの吸着抑制効果、及び皮膚刺激性の低減効果を評価した。
(1)被験試料の調製
表1〜4に示す組成に従い薬液を調製した。室温の水に成分を所定量添加し、混合、溶解して調製した。
表1〜4の枠外のうえに記載する不織布(5cm×5cm)12枚をスクリュー管(型番:No.6、容量:30ml、株式会社マルエム製)に収納し、そこに、それぞれ対応する各表に記載する組成からなる前記調製の薬液25mlを充填し、シート状外用組成物を調製した(表1:実施例1〜6、比較例1〜4;表2:実施例7〜12、比較例5〜8;表3:実施例13〜18、比較例9〜12;表4:実施例19〜22、比較例13)。
(2)試験方法
(2−1)イソプロピルメチルフェノールの吸着抑制効果の評価
上記で調製した各シート状外用組成物を40℃で12時間保管した後、薬液中に残存しているイソプロピルメチルフェノールの含有量を分析した。薬液中のイソプロピルメチルフェノールの含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC、検出器:LC−2010A HT、株式会社島津製作所製)により分析した。分析は、イソプロピルメチルフェノールの279nmの吸収に基づいて行った。カラムには、Inertsil ODS−3、5μm、4.6×150mm(ジーエルサイエンス株式会社製)を使用し、溶離液にはリン酸バッファー(0.01mmol/L)/アセトニトリル=3/2を使用した。
薬液中のイソプロピルメチルフェノール含有量の分析後、以下の式に基づき、保存前後でのイソプロピルメチルフェノールの減少率(%)を算出した。
(数1)
減少率(%)=[(a−b)/a]×100
a:保存前の薬液中のイソプロピルメチルフェノール含有量(%)
b:保存後の薬液中のイソプロピルメチルフェノール含有量(%)
算出した減少率について、実施例1〜6及び比較例2〜4については、薬液中にエタノールを含まない比較例1を基準「100」として、その相対値を算出した。また、同様に、実施例7〜12及び比較例6〜8については比較例5を基準「100」として、実施例13〜18及び比較例10〜12については比較例9を基準「100」として、実施例19〜22については比較例13を基準「100」として、それぞれ相対値を算出した。
(2−2)皮膚刺激性の評価
表1〜4に示す組成からなる薬液について、手荒れ(鱗屑や浅いひび割れ)があるモニター10名によって、皮膚刺激性を評価した。具体的には、各薬液1gを両手に乗せて、30秒間軽く手を擦り、この間の手の刺激性を官能評価してもらった。評価は、刺激を感じる「1」点、刺激を感じない「10」点で評点化したVisual Analogue Scale(以下、VASと記載する)によるアンケートを実施することにより行った。アンケート結果を平均し、小数点第二位を四捨五入し、下記の評価基準に従って、皮膚刺激性を評価した。
<評価基準>
◎:平均点が8点以上である。
○:平均点が6点以上8点未満である。
△:平均点が4点以上6点未満である。
×:平均点が4点未満である。
(3)試験結果
試験結果を表1〜4に示す。
この結果から、薬液中にエタノールを含有しない場合(比較例1、5、9及び13)に比べて、エタノールを5重量%以上含有する場合には、イソプロピルメチルフェノールのセルロース系繊維を含む不織布に対する吸着抑制効果に優れていることが確認された(実施例1〜18)。特に薬液中のイソプロピルメチルフェノールの減少率は、薬液に配合した初期の含有量が0.01重量%と非常に少ないにも関わらず、いずれも10%以下に抑えることができた。一方、薬液中のエタノール含有量が30重量%を超える場合には、イソプロピルメチルフェノールの吸着抑制効果が頭打ちし、エタノールの含有量当たりの吸着抑制の改善効果が低くなるとともに、皮膚に対する低刺激効果も低下した(比較例2〜4、6〜8及び10〜12)。また、薬液中にエタノールに加えてフェノキシエタノールを含有させた場合には、本不織布に対するイソプロピルメチルフェノールの吸着を更に抑制できることが分かった(実施例19〜22)。
(実施例23〜26及び比較例14)
スパンレース不織布(コットン100%、目付け:50g/m2、空孔径:約500μm、日清紡テキスタイル株式会社製)を面積0.03m(15cm×20cm)に切断したもの10枚(合計で0.3m)をアルミパウチ(7cm×13cm)に収納し、上記実施例13、14、15及び16と同じ組成で調製した薬液を60g含浸させた後、密封してシート状外用組成物を製造した(実施例23〜26)。
この製品を25℃で48時間保管したが、薬液中のイソプロピルメチルフェノールの減少率は10%以下に抑制されていた。一方、比較例9と同じ組成で調製した薬液を用いて上記方法に従って作製したシート状外用組成物についても同様に試験を行ったところ、減少率は10%を超えていた(比較例14)。
(実施例27〜29)
上記実施例25と同じ薬液を用い、またそれを含浸させる不織布として(1)ビスコースレーヨン100%、目付け:50g/m、空孔径:100μm未満の再生セルロース系繊維からなるスパンレース不織布、(2)キュプラレーヨン100%、目付け:50g/m、空孔径:約200μmの再生セルロース系繊維からなるスパンレース不織布、又は(3)レーヨン40%、ポリエチレンテレフタレート樹脂60%、目付け:50g/m、空孔径:100μm未満の複合繊維からなるスパンレース不織布を用いて、実施例25と同様に、アルミパウチに収納したシート状外用組成物を製造した。いずれも薬液中のイソプロピルメチルフェノールの減少率は10%以下に抑制されていた。
処方例1〜10
表5に示す組成物の薬液を調製した。以下のスパンレース不織布を15cm×20cmに切断したもの10枚をアルミパウチ(7cm×13cm)に収納し、調製した薬液を60g含浸させた後、密封してシート状外用組成物製品を製造した。製品を25℃にて72時間保管したが、いずれにおいてもイソプロピルメチルフェノールの減少率は10%以下に抑制されていた。
(1)コットン100%、目付け30g/m、空孔径:約200μm
(2)コットン100%、目付け70g/m、空孔径:約200μm
(3)コットン100%、目付け50g/m、空孔径:約100μm
(4)ビスコースレーヨン100%、目付け30g/m、空孔径:約200μm
(5)ビスコースレーヨン100%、目付け70g/m、空孔径:約200μm

Claims (5)

  1. イソプロピルメチルフェノール5〜30重量%の炭素数1〜6の低級アルコール、及びフェノキシエタノールを含有する薬液を、セルロース系繊維を含む不織布に含浸させてなるシート状外用組成物。
  2. 薬液中のイソプロピルメチルフェノールの含有量が0.001〜0.05重量%である請求項1記載のシート状外用組成物。
  3. 前記セルロース系繊維を含む不織布が、コットン、パルプ、レーヨン、キュプラ、リヨセル及びテンセルからなる群から選択される少なくとも1種以上のセルロース系繊維を含む不織布である請求項1又は2記載のシート状外用組成物。
  4. 薬液を40〜100gを、目付け30〜70g/m2である不織布0.2〜0.5m2に含浸させてなる請求項1〜のいずれかに記載のシート状外用組成物。
  5. セルロース系繊維を含む不織布に含浸させる薬液に、イソプロピルメチルフェノールと共に5〜30重量%の低級アルコール及びフェノキシエタノールを配合することを特徴とする、イソプロピルメチルフェノールの当該不織布への吸着抑制方法。
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