JPH10127516A - 清拭液組成物および湿潤清拭繊維集合体 - Google Patents

清拭液組成物および湿潤清拭繊維集合体

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JPH10127516A
JPH10127516A JP8293822A JP29382296A JPH10127516A JP H10127516 A JPH10127516 A JP H10127516A JP 8293822 A JP8293822 A JP 8293822A JP 29382296 A JP29382296 A JP 29382296A JP H10127516 A JPH10127516 A JP H10127516A
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wiping
antibacterial
acid
wet
composition
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JP8293822A
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Kenjiyo Kaku
健 如 郭
Yoshio Hoshina
科 喜 男 保
Yoshimitsu Araya
谷 義 光 荒
Yoichi Nakada
田 洋 一 仲
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Original Assignee
Pigeon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の清拭液組成物は、水性媒体と、こ
の水性媒体中に含有される防菌防黴剤およびキレート剤
とからなることを特徴としている。また、湿潤清拭繊維
集合体は、水性媒体と、この水性媒体中に含有される防
菌防黴剤およびキレート剤とからなる清拭液組成物が、
繊維集合体中に含浸されていることを特徴としている。 【効果】本発明によれば、繊維に吸着する防菌防黴剤の
量が少なくなり有効に作用する防菌防黴剤の量は増加す
る。この清拭液組成物が含浸されている湿潤清拭繊維集
合体は、優れた防菌性および防黴性を有しているにも拘
わらず、刺激性が少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、例えばウエットティッシ
ュのような湿潤清拭繊維集合体を製造するのに好適な清
拭液組成物およびこの清拭液組成物が含浸された湿潤清
拭繊維集合体に関する。
【0002】
【従来技術】化粧の拭き取り、身体の清拭、特に乳幼
児、老人あるいは病人の身体の清拭に、水溶性媒体を含
浸させた湿潤清拭繊維集合体が使用されている。これら
の湿潤清拭繊維集合体には、ウエットティッシュ、ウエ
ットワイパー、化粧品濡れティッシュなどがある。ま
た、人体に対して使用するものの他に、除菌トイレ用ク
リーナー、除菌台所用クリーナー、シミ抜き用ティッシ
ュなど、身の回り品の除菌用として水性媒体が含浸した
繊維集合体が使用されている。
【0003】このような湿潤清拭繊維集合体は、紙、コ
ットン、ならびに、レーヨン系不織布およびポリエステ
ル系不織布等の不織布に、水性媒体を主成分とする清拭
剤組成物を含浸させて包装したものであり、長期間放置
すると清拭剤組成物が腐敗し、あるいは、黴が繁殖する
ことから、この清拭剤組成物には防腐防黴剤が含有され
ている。
【0004】水溶液である清拭剤組成物の防腐防黴のた
めに必要な防腐防黴剤の量は、非常に微量であり、例え
ば同様に水溶液である点眼剤の場合には、0.003%
以下の量で防腐防黴剤(塩化ベンザルコニウム)が使用
されている(例えば、特公昭7-5456号参照)。こ
のように水溶液の場合には、防菌防黴剤は、配合した全
量が有効に作用するので、非常に微量の防菌防腐剤を配
合するだけで水溶液が腐敗し、黴が発生することを防止
することができる。
【0005】ところが、清拭液を紙あるいはコットン等
に含浸させて、こうした清拭剤の含浸された紙あるいは
コットン等について防菌防黴性能を測定すると、水溶液
では充分な防菌防黴が可能な濃度の防菌防黴剤を配合し
ても、清拭剤の含浸された紙あるいはコットン等では、
腐敗あるいは黴の発生を防止することができない。
【0006】こうした現象について、日本清浄紙綿類工
業会技術委員会が、平成6年10月に発行した「ウエッ
トワイパー類に使用する各薬剤の担体に対する吸着につ
いて」と題する技術資料には、「汎用的に使用される薬
剤(防菌防腐剤)の各種担体への吸着を調べるために薬
剤の濃度及び含浸量を変え、担体に対する経時的な薬剤
の吸着について試験した結果、グルコン酸クロルヘキシ
ジン、塩化ベンザルコニウム及び塩化セチルピリジニウ
ムは、0.02%〜0.2%の濃度でポリプロピレン不織
布以外の担体では、ほとんど吸着された。etc.」と記載
されており、防菌防黴剤が不織布等にほとんど吸着され
ることが記載されている。
【0007】このように防菌防黴剤を含有する水溶液を
紙あるいは不織布等に含浸させると、防菌防黴剤は、ほ
とんどが繊維に吸着される結果、この紙あるいは不織布
の防菌防黴性能は著しく低下する。従って、ウエットテ
ィッシュ、ウエットワイパー、ウエット綿等に含浸させ
る水性の清拭剤組成物には、上記のように繊維に吸着さ
れる分を見越して多量の防菌防黴剤が配合されていた。
【0008】ところで、防菌防黴剤は、細菌および黴の
繁殖を抑制するという作用を有するものであるが、こう
した防菌防黴剤は、人の皮膚に対しても刺激性を有して
いる。従って、こうした防菌防黴剤の使用量はできるだ
け少ないことが好ましい。特にウエットワイパー等は、
乳幼児、老人あるいは病人等が使用することが多く、ま
たウエット綿は、顔面に使用することが多いことから、
その含有率をできるだけ低く抑えることが好ましい。
【0009】しかしながら、上記のように紙、不織布等
に含浸された清拭液中の防菌防腐剤は、ほとんどが繊維
に吸着されるために、こうして吸着されることにより防
菌防黴剤の防菌防黴作用は著しく減退する。ところが、
このように吸着された防菌防黴剤の皮膚刺激性は、吸着
によってもほとんど減退することがないので、ウエット
ティッシュ、ウエットワイパー、ウエット綿等の皮膚刺
激性が相当高くなる。
【0010】
【発明の目的】本発明は、ウエットティッシュ、ウエッ
トワイパー、ウエット綿等の湿潤清拭繊維集合体の清拭
剤として好適な清拭剤組成物を提供することを目的とし
ている。
【0011】また、本発明は、繊維に対する防菌防黴剤
の吸着が少ない清拭剤組成物を提供することを目的とし
ている。さらに、本発明は、防菌防黴剤の含有率が低い
にも拘わらず、防菌性および防黴性に優れると共に、皮
膚に対する刺激の少ない湿潤清拭繊維集合体を提供する
ことを目的としている。
【0012】
【発明の概要】本発明の清拭液組成物は、水性媒体と、
該水性媒体中に含有される防菌防黴剤およびキレート剤
とからなることを特徴としている。
【0013】また、本発明の湿潤清拭繊維集合体は、水
性媒体と、該水性媒体中に含有される防菌防黴剤および
キレート剤とからなる清拭液組成物が、繊維集合体中に
含浸されていることを特徴としている。
【0014】本発明の清拭液組成物には、水性媒体中に
防菌防黴剤とキレート剤とが含有されている。このよう
にキレート剤を含有することにより、この清拭液組成物
を紙あるいは不織布等に含浸させた際に、防菌防黴剤が
繊維に吸着することを抑制することができる。従って、
本発明の清拭液組成物では、防菌防黴剤の含有率を低減
することができる。さらに、防菌防黴剤が繊維に吸着す
ることを抑制することができることよりこの清拭剤組成
物の含浸倍率を減らすこともできる。
【0015】
【発明の具体的説明】次に本発明の清拭液組成物および
この清拭液組成物が含浸された湿潤清拭繊維集合体につ
いて具体的に説明する。
【0016】本発明の清拭液組成物は、水性媒体と、防
腐防黴剤と、キレート剤とを含有している。本発明の清
拭液組成物を形成する水性媒体の主成分は、水、好まし
くは滅菌精製水であり、さらに、保湿剤、アルコール類
およびpH調整剤を含有していてもよい。
【0017】本発明で使用される保湿剤としては、通常
はアルキレングリコールが好ましく、このようなアルキ
レングリコールの例としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール等を挙げることができる。その他の保湿
剤としてはグリセリン、ポリグリセリン、モノアルキル
エーテル、ソルビトール、乳酸ナトリウム、2-ピロリド
ン-カルボン酸ナトリウムおよびヒアルロン酸ナトリウ
ム等を挙げることができる。これらの中でもプロピレン
グリコール、1,3-ブチレングリコールが好ましい。これ
らは単独であるいは組み合わせて使用することができ
る。また、本発明で使用されるアルコールの例として
は、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールを
挙げることができ、これらの中でもエタノールが好まし
い。これらのアルコールは単独であるいは組み合わせて
使用することができる。本発明で使用されるpH調整剤
の例としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム等の有機
系pH調整剤および燐酸アンモニウムのような無機系p
H調整剤を挙げることができる。これらのpH調整剤は
単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0018】さらに本発明の清拭液組成物中には、消炎
剤、皮ふ賦活剤、収れん剤等の薬効成分を配合すること
ができる。本発明で使用することができる薬効成分の中
で消炎剤の例としては、グリチルリチン酸二ナトリウ
ム、アラントイン、グリチルリチン酸とその誘導体、お
よび、グアイアズレン等を挙げることができる。このよ
うに消炎剤を配合することにより、本発明の清拭液組成
物を過敏症の人、あるいは皮膚疾患のある人が使用して
も新たな炎症を引き起こすことなく、さらに既存の炎症
を治癒することも可能である。
【0019】本発明の清拭液組成物中には、上記のほか
に、さらに任意成分として、香料、界面活性剤、酸化防
止剤、植物エキス、褪色防止剤、柔軟剤等を配合するこ
とができる。
【0020】本発明の清拭液組成物では、上記のような
水性媒体中に、防菌防黴剤およびキレート剤が含有され
ている。本発明で防菌防黴剤としては、従来ウエットテ
ィッシュ、ウエットワイパー、ウエット綿等に通常使用
されている防菌防黴剤を用いることができる。
【0021】即ち、本発明で使用される防菌防黴剤の例
としては、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザル
コニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトリウ
ム、アルキル基の炭素数が1〜4であるパラ安息香酸エ
ステル(例:パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安
息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル)、安定化
二酸化塩素、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、
安息香酸、安息香酸塩、ソルビン酸、ソルビン酸塩、デ
ヒドロ酢酸およびデヒドロ酢酸塩、サリチル酸及びその
塩類、石炭酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロ
ロフェン、ホウ酸、レゾルシン、トリブロムサラン、イ
ソプロピルメチルフェノール、オルトフェニルフェノー
ル、塩酸クロルヘキシジン、クロルヘキシジン、臭化ア
ルキルイソキノリニウム、トリクロロカルバニリド、ハ
ロカルバン、チラム、感光素101号、感光素201
号、感光素301号、感光素401号、フェノキシエタ
ノール、トリクロサン、クロルブタノール、クロロクレ
ゾール、パレクロル、メタキシレノール、クレゾール、
塩化デカリニウム、酢酸デカリニウム、ウンデシレン
酸、ウンデシレン酸モノエタノールアミド、パラフェノ
ールスルホン酸ナトリウム、パラフェノールスルホン酸
亜鉛、ヨウ化パラジメチルアミノスチリルヘプチルレチ
ルチアゾリウム等を挙げることができる。このような防
菌防黴剤は単独で使用することもできるし組み合わせて
使用することもできる。
【0022】特に本発明では、塩化ベンザルコニウム、
塩化セチルピリジン、塩化ベンゼトリウム、パラオキシ
安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチルおよびパラ
オキシ安息香酸プロピルを単独であるいは組み合わせて
使用することが好ましい。これらの化合物は、良好な防
菌防黴作用を有すると共に、人体に対する安全性が高
い。従って、本発明の清拭剤組成物を含浸させたウエッ
トワイパーあるいはウエットティッシュを乳幼児、老
人、病人等のような抵抗力の比較的低い人に使用する場
合にも炎症などを起こしにくい。
【0023】紙あるいは不織布のような拭繊維集合体に
上記のような成分を含浸させた湿潤清拭繊維集合体(ウ
エットワイパー、ウエットティッシュ、化粧品濡れティ
ッシュ等)には、細菌あるいは黴などの繁殖を防止する
ために上記のような防菌防黴剤が配合されているのが一
般的である。人の皮膚を清拭するための清拭剤組成物に
配合される防菌防黴剤は、人体への影響を少なくするよ
うに改良され、現在使用されている上記例示した防菌防
黴剤の安全性は非常に高いが、この防菌防黴剤は細菌あ
るいは黴等の繁殖を抑制するという作用を有することか
ら、人体に対して全く無害であるとはいえない。即ち、
こうした防菌防黴剤の濃度が高くなるほど皮膚に対する
刺激も大きくなる。従って、ウエットワイパー、ウエッ
トティッシュ、化粧品濡れティッシュ等のように直接皮
膚に接触して皮膚を清拭する湿潤清拭繊維集合体に含浸
されている清拭剤組成物中の防菌防黴剤の含有率は低い
ことが望ましい。ところが、液体の状態における清拭剤
組成物の防菌性および防黴性に関しては、充分な防菌性
および防黴性を有する液体状の清拭剤組成物であって
も、紙、コットン、不織布等の担体に含浸させると防菌
性および防黴性が低下する。こうした防菌性および防黴
性の低下について検討してみると、ウエットワイパー、
ウエットティッシュ、化粧品濡れティッシュ等では、相
当量の防菌防黴剤が、紙、コットン、不織布等の担体繊
維に吸着していることが判明した。そして、こうして吸
着している防菌防黴剤は、防菌性および防黴性が著しく
低下しており、防菌防黴剤の種類によっては、配合した
防菌防黴剤の100%近くが繊維に吸着して、防菌防黴
作用がほとんど滅殺されることがある。このためウエッ
トワイパー、ウエットティッシュ、化粧品濡れティッシ
ュ等に含浸させるの清拭剤組成物では、繊維に吸着され
てその作用効果が減退する分を見越して多量を防菌防黴
剤を配合することを余儀なくされていた。一方、繊維に
吸着された防菌防黴剤の人体に対する影響について検討
してみると、防菌性および防黴性とは異なり、人体に対
する影響(例えば刺激性)は、ほとんど減衰しないこと
がわかった。
【0024】従って、ウエットワイパー、ウエットティ
ッシュ、化粧品濡れティッシュ等の湿潤清拭繊維集合体
の人体に対する刺激性を低減するためには、防菌防黴剤
の繊維に対する吸着量を低減することが最も有効な方法
であるが、防菌防黴剤の種類を変えてみても、吸着性に
ついては有効に作用しない。
【0025】本発明者は、こうした状況下に、繊維に対
する防菌防黴剤の吸着率を低下させる方法について検討
した結果、微量のキレート剤を配合すると防菌防黴剤の
繊維への吸着率が著しく低下することを見いだした。そ
して、防菌防黴剤の繊維への吸着率を低減するのに必要
なキレート剤の配合量が極めて微量であり、このキレー
ト剤が新たな皮膚刺激剤となる虞が極めて低い。さら
に、こうしたキレート剤の配合によって、防菌防黴剤が
本質的に有している防菌性および防黴性が低下すること
もない。キレート剤には種々のものがあり、医薬品原
料、香粧品原料として公に使用が認められているものも
数多くあり、このように既に医薬品原料、香粧品原料と
して認められているキレート剤、あるいは将来認められ
るであろうキレート剤について検討した結果、これらの
キレート剤を用いることにより、防菌防黴剤の吸着防止
について同等の効果が認められた。
【0026】本発明で使用されるキレート剤は、多価金
属が存在するとこの多価金属とキレート結合して金属キ
レート化合物を形成し得る化合物である。このようなキ
レート剤の代表的な例としてコンプレキサンを挙げるこ
とができる。コンプレキサンは、通常、置換されたアミ
ノ基とカルボキシル基を持つ多塩基酸の総称であり、両
性(amphoteric)であり、中性ないしアルカリ性溶液、
および鉱酸溶液に可溶である。
【0027】本発明で使用することができるコンプレキ
サンの例としては、アミノ二酢酸(IDA)、N-メチルイミ
ノ二酢酸(MIDA)、N-シクロヘキシルイミノ二酢酸、N-フ
ェニル二酢酸、ベンジルアミノ-N,N-二酢酸、N-(2-フリ
ルメチル)イミノ二酢酸、N-(2-テトラヒドロピラニル
メチル)イミノ二酢酸、2-アミノメチルピリジン-N,N-
二酢酸、N-(2-メトキシエチル)イミノ二酢酸、N-(2-メ
チルチオエチル)イミノ二酢酸、N-2-ヒドロキシエチル
イミノ二酢酸、N-(3-ヒドロキシプロピル)イミノ二酢
酸、N-(2-ヒドロシクロヘキシル)イミノ二酢酸、N-(o-
ヒドロキシフェニル)イミノ二酢酸、o-ヒドロキシベン
ジルアミン-N,N-二酢酸、N-2-メルカプトエチルイミノ
二酢酸、N-(o-メルカプトフェニル)イミノ二酢酸、N-
シアノメチルイミノ二酢酸、N-(2-アミノエチル)イミ
ノ二酢酸;[(U-EDDA)エチレンジアミン-N,N-二酢酸]、
N-(カルバモイルメチル)イミノ二酢酸;[(AADA) N-
(アセトアミド)イミノ二酢酸]、アミノアセトン-N,N
-二酢酸;[1-アミノプロパン-2-オン-N,N-二酢酸]、ω
-アミノアセトフェノン-N,N-二酢酸、N-(o-カルボキシ
フェニル)イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、ニト
リロ二酢酸メチレンスルホン酸;[N-ホスホノメチルイ
ミノ二酢酸]、および、ニトリロ酢酸-ジ(メチレンス
ルホン酸);[N,N-ジ(ホスホノメチル)グリシン]な
どのN1化合物およびこれらのアルカリ金属塩:エチレ
ンジアミン-N,N'-二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン-N,
N'-ジ-α-プロピオン酸;[(EDDMA) エチレンジアミン-
N,N'-ジ-C-メチル酢酸]、エチレンジアミン-N,N'-ジ-
プロピオン酸(EDDP)、N,N-エチレン-ビス(α-o-ヒドロ
キシフェニル)グリシン(EHPG)、N,N'-ジ(2-ヒドロキシ
ベンジル)エチレンジアミン-N,N'-二酢酸;[(HBED) エ
チレンジニトリロ-N,N'-ビス(2-ヒドロキシベンジル)-
N,N'-二酢酸]、N,N'-エチレン-ビス(2-アミノメチル
ピリジン)-N,N'-二酢酸;[エチレンジニトリロ-N,N'-
ビス(2'-ピリジンメチル)-N,N'-二酢酸]、エチレン
ジアミン-N,N'-二酢酸-N,N'-ジアセトヒドロキサム酸
(EDTA-DX)、N-ブチルエチレンジアミン-N,N',N'-三酢
酸、N-シクロヘキシルエチレンジアミン-N,N',N'-三酢
酸、N-オクチルエチレンジアミン-N,N',N'-三酢酸、N-
エイコシルエチレンジアミン-N,N',N'-三酢酸、N-ベン
ジルエチレンジアミン-N,N',N'-三酢酸、N-ヒドロキシ
エチルエチレンジアミン-N,N',N'-三酢酸(HEDTA)とそ
の塩類 エチレンジアミン-N,N,N',N'-四酢酸(EDTA)、1,2-プ
ロピレンジアミン-N,N,N',N'-四酢酸;[1,2-ジアミノプ
ロピン-N,N,N',N'-四酢酸](C-MeEDTA)、d,l-2,3-ジア
ミノブタン-N,N,N',N'-四酢酸(d,l-DIMEDTA)、meso-
2,3-ジアミノブタン-N,N,N',N'-四酢酸(meso-DIMEDT
A)、1-フェニルエチレンジアミン-N,N,N',N'-四酢酸
(C-PhEDTA)、d,l-1,2-ジフェニルエチレンジアミン-
N,N,N',N'-四酢酸(d,l-DPEDTA)、1,3-ジアミノプロパ
ン-N,N,N',N'-四酢酸、1,4-ジアミノブタン-N,N,N',N'-
四酢酸;[テトラメチレンジアミン四酢酸](TETA)、1,5
-ジアミノペンタン-N,N,N',N'-四酢酸、1,6-ジアミノヘ
キサン-N,N,N',N'-四酢酸、1,8-ジアミノオクタン-N,N,
N',N'-四酢酸、trans-シクロブタン-1,2-ジアミン-N,N,
N',N'-四酢酸(CBDTA)、trans-シクロペンタン-1,2-ジ
アミン-N,N,N',N'-四酢酸(trans-CPDTA)、trans-シク
ロヘキサン-1,2-ジアミン-N,N,N',N'-四酢酸(trans-Cy
DTA)、cis-シクロヘキサン-1,2-ジアミン-N,N,N',N'-
四酢酸(cis-CyDTA)、シクロヘキサン-1,3-ジアミン-
N,N,N',N'-四酢酸(1,3-CyDTA)、シクロヘキサン-1,4-
ジアミン-N,N,N',N'-四酢酸(1,4-CyDTA)、o-フェニレ
ンジアミン-N,N,N',N'-四酢酸(o-PDTA)、cis-1,4-ジ
アミノブテン-N,N,N',N'-四酢酸(cis-BDTA)、trans-
1,4-ジアミノブテン-N,N,N',N'-四酢酸(trans-BDT
A)、α,α'-ジアミノ-o-キシレン-N,N,N',N'-四酢酸
(o-XyDTA)、2-ヒドロキシ-1,3-プロパンジアミン-N,
N,N',N'-四酢酸(HPDTA)、2,2'-オキシ-ビス(エチル
イミノ二酢酸);[エチルエーテルジアミン-N,N,N',N'-
四酢酸](EEDTA)、2,2'-エチレンジオキシ-ビス(エチ
ルイミノ二酢酸);[グリコールエーテルジアミン-N,N,
N',N'-四酢酸](GEDTA)、3,3'-オキシ-ビス(プロピル
イミノ二酢酸);[プロピルエーテルジアミン-N,N,N',N'
-四酢酸]、2,2'-チオ-ビス(エチルイミノ二酢酸);[エ
チルチオエーテルジアミン-N,N,N',N'-四酢酸]、2,2'-
エチレン-ビス-チオ(エチルイミノ二酢酸);[グリコー
ルチオエーテルジアミン-N,N,N',N'-四酢酸]、N,N'-グ
リシルエチレンジアミン-N'',N'',N''',N'''-四酢酸、
エチレンジアミン-N,N'-二酢酸-N,N'-ジ-α-プロピオン
酸(EDDADP)、エチレンジアミン-N,N'-二酢酸-N,N'-ジ
-β-プロピオン酸(EDPA)、エチレンジアミン-N,N,N',
N'-テトラプロピオン酸(EDTP)、エチレンジアミン-N,
N'-ジ(アセチルグリシン)-N,N'-二酢酸、および、エ
チレンジアミン-N,N'-二酢酸-N,N'-ジ(メチレンホスホ
ン酸)などのN2化合物およびこれらのアルカリ金属
塩:ならびにジエチレントリアミン-N,N,N',N'',N''-五
酢酸(DTPA)とその塩類 トリエチレンテトラミン-N,N,N',N'',N''',N'''-六酢酸
(TTHA)、1,2,3-トリアミノプロパン-N,N,N',N',N'',
N''-六酢酸(TAPHA)、ニトリロトリ(メチレンホスホ
ン酸) エチレンジアミン-N,N'-ジ(メチレンホスフィン酸)
(EDDPI)、エチレンジアミン-N,N'-ジ(メチレンホス
ホン酸)(EDDPO)、エチレンジアミン-N,N,N',N'-テト
ラ(メチレンホスフィン酸)(EDTPI)、エチレンジア
ミン-N,N,N',N'-テトラ(メチレンホスホン酸)(EDTP
O)、エチレンジアミンテトラキス(2-ヒドロキシイソ
プロピル)ジオレイン酸塩、シクロヘキサン-1,2-ジア
ミン-N,N,N',N'-テトラ(メチレンホスホン酸)、N,N'-
ビス(2-ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン-N,N'-
ビス(メチレンホスホン酸)、3-(ジフェニルホスフィ
ン)プロピオン酸、3-(ジフェニルアルシン)プロピオ
ン酸、As-フェニルアルシン二酢酸、As-(p-クロロフェ
ニル)アルシンジプロピオン酸などのN3以上の化合物
およびこれらのアルカリ金属塩を挙げることができる。
【0028】さらに、上記コンプレキサン以外のキレー
ト剤の例としては、ヒドロキシエタンジスルホン酸およ
びこのアルカリ金属塩(例:ヒドロキシエタンジスルホン
酸4ナトリウム)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン
三酢酸とその塩類を挙げることができる。
【0029】さらに、上記以外のキレート剤の例として
は、有機酸およびこの金属塩(例:クエン酸、クエン酸ナ
トリウム、クエン酸アンモニウム塩、コハク酸とその塩
類、ピロリン酸とその塩類、メタリン酸とその塩類、フ
ィチン酸とその塩類、ポリリン酸とその塩類、グルコン
酸とその塩類を挙げることができる。なお、この有機酸
およびその塩は、上述のように本発明の清拭剤組成物の
pH値調整剤として使用されることもある。
【0030】特に、本発明では、キレート剤として、ヒ
ドロキシエタンジスルホン酸4ナトリウム、ヒドロキシ
エタンジスルホン酸、上記N1化合物およびN2化合物、
特にエチレンジアミン-N,N,N',N'-四酢酸(EDTA)(エ
デト酸)、エチレンジアミン-N,N,N',N'-四酢酸4ナト
リウム(エデト酸ナトリウム)、ならびにクエン酸、ク
エン酸ナトリウムを使用することが好ましい。これらの
キレート剤は単独であるいは組み合わせて使用すること
ができる。
【0031】本発明の清拭剤組成物中に上記キレート剤
は、通常は0.001〜2.00重量%、好ましくは0.
02〜0.12重量%、さらに好ましく0.04〜0.1
1重量%の量で含有されている。キレート剤の量が0.
001重量%より少ないとキレート剤の配合効果が発現
せず、防菌防黴剤の繊維に対する吸着率の低減をするこ
とができない。また2.00重量%より多量に配合する
ことは可能であるが、多量に配合しても配合量の増加に
よる防菌防黴剤の吸着率が低下の割合が低くなると共
に、キレート剤による皮膚への刺激が発現する可能性が
高くなる。
【0032】上記のようにキレート剤を配合しているた
めに、本発明の清拭剤組成物では、防菌防黴剤の使用量
を低減することができる。防菌防黴剤の配合量は、使用
する化合物により著しく異なるが、力価に低い防菌防黴
剤を使用した場合であっても、本発明の清拭剤組成物中
における防菌防黴剤の配合量を3.00重量%以下、好
ましくは1.00重量%以下にすることができる。さら
に、本発明における好適な防菌防黴剤であるパラオキシ
安息香酸エステルと塩化ベンザルコニウムとを組み合わ
せて使用する場合にはパラオキシ安息香酸エステルを
2.00重量%以下、好ましくは0.50〜0.005重
量%、塩化ベンザルコニウムを0.10重量%以下、好
ましくは0.05〜0.001重量%の量で使用すること
ができ、パラオキシ安息香酸エステルと塩化セチルピリ
ジニウムとを組み合わせて使用する場合にはパラオキシ
安息香酸エステルを2.00重量%以下、好ましくは0.
50〜0.005重量%、塩化セチルピリジニウムを1.
00重量%以下、好ましくは0.01〜0.5重量%の量
で使用することができ、パラオキシ安息香酸エステルと
塩化ベンゼトニウムとを組み合わせて使用する場合には
パラオキシ安息香酸エステルを2.00重量%以下、好
ましくは0.50〜0.005重量%、塩化ベンゼトニウ
ムを0.40重量%以下、好ましくは0.01〜0.1重
量%の量で使用することができる。また、塩化ベンザル
コニウムを単独で使用する場合には、0.001〜0.2
重量%、好ましくは0.005〜0.1重量%の範囲内の
量で使用することができる。
【0033】上記のような防菌防黴剤の使用量は、キレ
ート剤を使用しない場合に通常使用される量の30〜9
0%、好ましくは50〜80%に相当する。即ち、10
0%から上記の上記値を減じて得られた値が、防菌防黴
剤に及ぼすキレート剤の配合作用である。
【0034】本発明の清拭液組成物において、上記のキ
レート剤および防菌防黴剤以外の成分の配合量は次の通
りである。本発明の清拭剤において、保湿剤は、通常は
1.00〜20重量%、好ましくは5.00〜15重量%
の量で使用することができる。また、アルコール類は、
通常は0.05〜75重量%、好ましくは0.5〜40重
量%の量で使用することができる。さらに消炎剤を使用
する場合には、通常は0.001〜3重量%、好ましく
は0.01〜0.1重量%の量で使用することができる。
pH調整剤は、本発明の清拭剤組成物のpH値が3〜1
1の範囲内になるように適宜配合される。さらに、その
他の成分は、通常清拭剤組成物に配合される範囲内の量
で適宜配合することができる。本発明の清拭剤組成物に
おいて、100重量%から上記のように各成分の合計量
を減じた量が水(好ましくは滅菌水)の量である。
【0035】本発明の清拭剤組成物を製造する方法に特
に制限はないが、通常は、少量の水に上記の各成分を配
合して溶解した後、残部の水を加えて100重量%とす
ることにより製造される。
【0036】本発明の湿潤清拭繊維集合体は、上述した
清拭液組成物中が繊維集合体に含浸されてなる。ここで
繊維集合体としては、紙、自然繊維あるいは人工繊維か
らなる不織布、コットン、布、絹、パルプ、海綿、ガー
ゼ等を挙げることができる。
【0037】このような繊維集合体100重量部に対し
て、上記清拭液組成物を通常は100〜500重量部、
好ましくは200〜300重量部含浸させることにより
本発明の湿潤清拭繊維集合体を製造することができる。
【0038】そして、本発明の湿潤清拭繊維集合体は、
繊維集合体中にキレート剤を含有する清拭液組成物が含
浸されてなるために、繊維集合体に吸着して防菌性、防
黴性が減失した防菌防黴剤の量が少ない。従って、湿潤
清拭繊維集合体全体に含有される防菌防黴剤の量は通常
よりも少ないけれども、防菌防黴剤が有効に作用するの
で、優れた防菌性および防黴性を示す。
【0039】本発明の湿潤清拭繊維集合体は、通常は、
含浸している清拭剤組成物が蒸散しなように、樹脂フィ
ルム等により密閉されて保存、移送され、使用前に開封
されて使用される。
【0040】このように本発明の湿潤清拭繊維集合体
は、全体として防菌防黴剤の含有率は低いにも拘わら
ず、キレート剤を含有することにより、防菌防黴剤が有
効に作用するので、防菌性、防黴性に優れると共に、皮
膚に対する刺激は低くなる。
【0041】従って、本発明の湿潤清拭繊維集合体は、
ウエットワイパー、ウエットティッシュ、化粧品濡れテ
ィッシュ、おしぼり、おてふき、洗浄綿、ウエットナッ
プ、濡れタオル、各種除菌クリーナーなどとして使用す
ることができる。特に本発明の湿潤清拭繊維集合体は、
上記のように刺激性が低いので、乳幼児、老人、病人、
過敏症の人のように従来の湿潤清拭繊維集合体を使用す
ることにより何らかの影響を受ける蓋然性の高い人であ
っても使用することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明の清拭液組成物には、キレート剤
が配合されている。このキレート剤を配合することによ
り、繊維に吸着する防菌防黴剤の量が少なくなる。この
ため、本発明の清拭液組成物に配合する防菌防黴剤の量
が少なくなるので、この清拭液組成物が含浸されている
湿潤清拭繊維集合体は、優れた防菌性および防黴性を有
しているにも拘わらず、刺激性が少ない。
【0043】
【実施例】次に本発明の清拭液組成物および湿潤清拭繊
維集合体について実施例を示して説明するが、本発明は
これによって限定されるものではない。
【0044】
【実施例1】表8に示すように、1,3-ブチレングリコー
ル2.0重量部とプロピレングリコール5.0重量部との
混合物7.0重量部に、パラオキシ安息香酸メチル0.1
2重量部、パラオキシ安息香酸エチル0.06重量部を
加えた後、少量の滅菌精製水を加え均一に溶解させた。
さらにこの溶液に塩化ベンザルコニウム0.04重量部
を加えた後、ヒドロキシエタンジホスホン酸0.05重
量部を加え、さらにグリチルリチン酸二カリウム0.0
1重量部を加えて混合した。
【0045】さらにこの混合物に滅菌精製水を加えて全
量を100重量部にして本発明の清拭剤組成物(処方
1)を調製した。上記のようにして得られた清拭剤組成
物を、不織布重量の三倍量分取し、清拭剤組成物を不織
布に均一に含浸させた。こうして得られた湿潤清拭繊維
集合体を、室温、密閉状態で1週間放置した後、この湿
潤清拭繊維集合体を専用容器に入れ、50kgの圧力で、
5分間圧搾して、含浸されている清拭剤組成物を絞り出
した。
【0046】こうして得られた絞り液に含有されている
防菌防黴剤を高速液体クロマトグラフィーを用いて定量
し、絞り液中の濃度を測定した。
【0047】
【比較例1】実施例1において、キレート剤であるヒド
ロキシエタンジスルホン酸を配合しなかった以外は同様
にして清拭剤組成物を製造し、この清拭剤組成物を不織
布に含浸させた、実施例1と同様にして清拭剤組成物を
圧搾して絞り液を得、この絞り液中の防菌防黴剤の濃度
を高速液体クロマトグラフィーを用いて定量した。この
値と実施例1における防菌防黴剤の濃度の差からキレー
ト剤による吸着率低減効果を求めた。
【0048】結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【実施例2】表8に示すように、1,3-ブチレングリコー
ル2.00重量部とプロピレングリコール5.00重量部
との混合物7.00重量部に、パラオキシ安息香酸メチ
ル0.12重量部、パラオキシ安息香酸エチル0.06重
量部を加えた後、少量の滅菌精製水を加え均一に溶解さ
せた。さらにこの溶液に塩化ベンザルコニウム0.04
重量部を加えた後、コハク酸0.20重量部を加え、さ
らにグリチルリチン酸二カリウム0.01重量部を加え
て混合した。
【0051】さらにこの混合物に滅菌精製水を加えて全
量を100重量部にして本発明の清拭剤組成物(処方
2)を調製した。上記のようにして得られた清拭剤組成
物を、不織布重量の三倍量分取し、清拭剤組成物を不織
布に均一に含浸させた。こうして得られた湿潤清拭繊維
集合体を、室温、密閉状態で1週間放置した後、この湿
潤清拭繊維集合体を専用容器に入れ、50kgの圧力で、
5分間圧搾して、含浸されている清拭剤組成物を絞り出
した。
【0052】こうして得られた絞り液に含有されている
防菌防黴剤を高速液体クロマトグラフィーを用いて定量
し、絞り液中の濃度を測定した。
【0053】
【比較例2】実施例2において、キレート剤であるコハ
ク酸を配合しなかった以外は同様にして清拭剤組成物を
製造し、この清拭剤組成物を不織布に含浸させた、実施
例2と同様にして清拭剤組成物を圧搾して絞り液を得、
この絞り液中の防菌防黴剤の濃度を高速液体クロマトグ
ラフィーを用いて定量した。この値と実施例2における
防菌防黴剤の濃度の差からキレート剤による吸着率低減
効果を求めた。
【0054】結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
【実施例3】表8に示すように、プロピレングリコール
5.00重量部に、パラオキシ安息香酸メチル0.12重
量部を加えた後、少量の滅菌精製水を加え均一に溶解さ
せた。さらにこの溶液に塩化セチルピリジニウム0.0
5重量部を加えた後、EDTA0.10重量部を加え、
さらにアラントイン0.01重量部を加えて混合した。
【0057】さらにこの混合物に滅菌精製水を加えて全
量を100重量部にして本発明の清拭剤組成物(処方
3)を調製した。上記のようにして得られた清拭剤組成
物を、不織布重量の三倍量分取し、清拭剤組成物を不織
布に均一に含浸させた。こうして得られた湿潤清拭繊維
集合体を、室温、密閉状態で1週間放置した後、この湿
潤清拭繊維集合体を専用容器に入れ、50kgの圧力で、
5分間圧搾して、含浸されている清拭剤組成物を絞り出
した。
【0058】こうして得られた絞り液に含有される防菌
防黴剤を高速液体クロマトグラフィーを用いて定量し、
絞り液中の濃度を測定した。
【0059】
【比較例3】実施例3において、キレート剤であるED
TAを配合しなかった以外は同様にして清拭剤組成物を
製造し、この清拭剤組成物を不織布に含浸させた、実施
例3と同様にして清拭剤組成物を圧搾して絞り液を得、
この絞り液中の防菌防黴剤の濃度を高速液体クロマトグ
ラフィーを用いて定量した。この値と実施例3における
防菌防黴剤の濃度の差からキレート剤による吸着率低減
効果を求めた。
【0060】結果を表3に示す。
【0061】
【表3】
【0062】
【実施例4】表8に示すように、1,3-ブチレングリコー
ル3.50重量部とプロピレングリコール3.50重量部
との混合物7.00重量部に、パラオキシ安息香酸メチ
ル0.12重量部、パラオキシ安息香酸エチル0.06重
量部、パラオキシ安息香酸プロピル0.02重量部を加
えた後、少量の滅菌精製水を加えて均一に溶解させた。
さらにこの溶液に塩化セチルピリジニウム0.05重量
部を加えた後、EDTA二ナトリウム0.10重量部を
加え、さらにアラントイン0.01重量部を加えて混合
した。
【0063】さらにこの混合物に滅菌精製水を加えて全
量を100重量部にして本発明の清拭剤組成物(処方
4)を調製した。上記のようにして得られた清拭剤組成
物を、不織布重量の三倍量分取し、清拭剤組成物を不織
布に均一に含浸させた。こうして得られた湿潤清拭繊維
集合体を、室温、密閉状態で1週間放置した後、この湿
潤清拭繊維集合体を専用容器に入れ、50kgの圧力で、
5分間圧搾して、含浸されている清拭剤組成物を絞り出
した。
【0064】こうして得られた絞り液に含有されている
防菌防黴剤を高速液体クロマトグラフィーを用いて定量
し、絞り液中の濃度を測定した。
【0065】
【比較例4】実施例4において、キレート剤であるED
TA二ナトリウムを配合しなかった以外は同様にして清
拭剤組成物を製造し、この清拭剤組成物を不織布に含浸
させた、実施例4と同様にして清拭剤組成物を圧搾して
絞り液を得、この絞り液中の防菌防黴剤の濃度を高速液
体クロマトグラフィーを用いて定量した。この値と実施
例4における防菌防黴剤の濃度の差からキレート剤によ
る吸着率低減効果を求めた。
【0066】結果を表4に示す。
【0067】
【表4】
【0068】
【防菌防黴試験例】不織布重量の3倍量の清拭液組成物
(実施例1、2、3、4で製造した組成物および比較例
1、2、3、4で製造した組成物)を不織布に均一に含
浸させ、24時間放置した後、上記と同様にして清拭液
組成物を圧搾して、得られた絞り液をそれぞれ別の試験
管に分取して検体とした。
【0069】前培養した菌(細菌の生菌数は1.0×1
5〜1.0×107に、真菌の生菌数は1.0×104
1.0×106に調整した)の菌液を検体に0.1ml入れ
撹拌し、1分後、5分後、10分後、20分後、30分
後、1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、5時間
後、6時間後、7時間後、8時間後、24時間後に、1
ml抜き取り、LP希釈液9mlに入れ、そこから1ml取
り、細菌はSCDLP培地、真菌はGPLP培地に混釈
して培養した。このときの培養条件は、細菌:37℃、
24時間、真菌:25℃、1週間に設定した。培養した
細菌の成長状況を1日後、(真菌は1週間後)に目視で
判断した。液が濁ったものは菌が生存し、濁ってないも
のは菌が死滅しているものと判断した。菌が早く死滅し
た検体は防菌防黴効果が高いことを意味し、清拭剤組成
物中の防菌防黴剤への吸着が少ないことを意味する。
【0070】供試菌株:Aspergillus niger IF06342、Ps
eudomonas aeruginosa P2 塩化ベンザルコニウム系の処方の結果を表6に示し、塩
化セチルピリジニウム系の処方の結果を表7に示す。
【0071】なお、表7、表6、表5に示すウエットワ
イパーにおける標準と考えられる処方(標準処方1、標
準処方2)に従って、上記と同様にして防菌防黴効果を
測定し、その結果を併せて記載する。
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】
【0074】上記の表6から明らかなようにキレート剤
であるヒドロキシエタンジホスホン酸、コハク酸などを
配合しなかった清拭剤組成物を不織布に含浸させた後圧
搾して採取した液では、Aspergillus niger は、n+5
時間経過した時点で死滅していないのに対して、キレー
ト剤を配合した液では、n+5時間後にはAspergillus
niger は完全に死滅したことから、キレート剤を配合す
ることにより、不織布に吸着されない防菌防黴剤の量が
多いことがわかる。また、Pseudomonas aeruginosa
は、キレート剤であるヒドロキシエタンジホスホン酸、
コハク酸などを配合しなかった清拭剤組成物を不織布に
含浸させた後圧搾して採取した液では、m+1時間を経
過した時点で死滅していないのに対して、キレート剤を
配合した液では、m+1時間後に Pseudomonas aerugin
osa は完全に死滅したことから、キレート剤を配合する
ことにより、不織布に吸着されない防菌防黴剤の量が多
いことがわかる。
【0075】
【表7】
【0076】また、上記の表7から明らかなようにキレ
ート剤であるEDTA、EDTA二ナトリウムなどを配
合しなかった清拭剤組成物を不織布に含浸させた後圧搾
して採取した液では、Aspergillus niger は、n+5時
間経過した時点で死滅していないのに対して、キレート
剤を配合した液では、n+5時間後にはAspergillusnig
er は完全に死滅したことから、キレート剤を配合する
ことにより、不織布に吸着されない防菌防黴剤の量が多
いことがわかる。また、Pseudomonas aeruginosa は、
キレート剤であるEDTA、EDTA二ナトリウムを配
合しなかった清拭剤組成物を不織布に含浸させた後圧搾
して採取した液では、m+1時間を経過した時点では死
滅していないのに対して、キレート剤を配合した液で
は、m+1時間後に Pseudomonas aeruginosa は完全に
死滅したことから、キレート剤を配合することにより、
不織布に吸着されない防菌防黴剤の量が多いことがわか
る。
【0077】
【実施例5〜10】以下に示す表8に示す組成で、実施
例1と同様にして、本発明の清拭剤組成物を製造した。
製造した清拭剤組成物は、実施例1〜4と同等の効果を
有している。なお、表8に、実施例1、実施例2、実施
例3及び実施例4で製造した清拭剤組成物の組成も併せ
て記載する。
【0078】また、表8に実施例1に記載した方法と同
様にして行った防菌防黴剤の不織布への実施例1、実施
例2、実施例3及び実施例4の吸着低減量を示す。
【0079】
【表8】
【0080】上記表1〜表8から明らかなように、キレ
ート剤を配合することにより、不織布への防菌防黴剤の
吸着量が低下する。従って、防菌防黴剤の使用量を少な
くすることができ、刺激性が少なくなる。このように本
発明の湿潤清拭繊維集合体は、防菌防黴剤の使用量が少
ないにも拘わらず、防菌防黴剤の有効量は実質的には減
少しないので、防菌性および防黴性が低下することがな
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仲 田 洋 一 東京都千代田区神田富山町5番地1 ピジ ョン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性媒体と、該水性媒体中に含有される防
    菌防黴剤およびキレート剤とからなることを特徴とする
    清拭液組成物。
  2. 【請求項2】水性媒体と、該水性媒体中に含有される防
    菌防黴剤およびキレート剤とからなる清拭液組成物が、
    繊維集合体中に含浸されていることを特徴とする湿潤清
    拭繊維集合体。
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