JP6726492B2 - 内燃機関用のスパークプラグ及びこれを備えた点火装置 - Google Patents

内燃機関用のスパークプラグ及びこれを備えた点火装置 Download PDF

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Description

本発明は、中心電極に高周波電圧を印加することによって、接地電極と中心電極との間に放電を生じさせる、内燃機関用のスパークプラグ及びこれを備えた点火装置に関する。
内燃機関用のスパークプラグとして、筒状のハウジングと、ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子と、絶縁碍子の内側に保持されるとともに、絶縁碍子の先端よりも先端側へ突出した中心電極と、中心電極との間に放電ギャップを形成する接地電極と、を有するものがある。
かかるスパークプラグにおいては、例えば低温始動時等のように内燃機関内の燃焼温度が低い場合、絶縁碍子の表面にカーボン等が堆積する、いわゆるくすぶり現象が生じることがある。くすぶり現象が生じると、電極間の絶縁が不良となって正常な火花放電が得られないおそれがある。
そこで、特許文献1に開示されているように、いわゆる沿面火花放電型のスパークプラグがある。沿面火花放電型のスパークプラグは、絶縁碍子の表面を這うような沿面火花放電を、中心電極と接地電極との間に生じさせる。それゆえ、沿面火花放電型のスパークプラグにおいては、絶縁碍子の表面に付着したカーボン等を放電火花によって焼き切ることができる。そのため、絶縁碍子の表面にカーボンが堆積して、くすぶり現象が発生することを防止できる。
しかしながら、沿面放電型のスパークプラグでは、上述のごとく、絶縁碍子の表面を這うような沿面火花放電が繰り返し発生するため、絶縁碍子の表面が溝状に削られるいわゆるチャネリングが生じやすくなる。
そこで、絶縁碍子にチャネリングが生じることを防ぐべく、特許文献1に記載のスパークプラグは、中心電極がCrを含有している。これにより、放電によって発生したイオンが中心電極に衝突し、中心電極に含まれるCrが飛散する。そして、絶縁碍子の表面に、飛散したCrの酸化膜が形成される。特許文献1に記載のスパークプラグは、この酸化膜によって、絶縁碍子をチャネリングから保護しようとしている。
特開2010−212245号公報
しかしながら、上記スパークプラグにおいては、沿面火花放電によるCrの飛散量が少なく、チャネリングから保護できる程度のCrの酸化膜が絶縁碍子の表面に形成されないおそれがある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、絶縁碍子のチャネリングを抑制することができる内燃機関用のスパークプラグ及びこれを備えた点火装置を提供しようとするものである。
本発明の第一の態様は、筒状のハウジング(2)と、
該ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子(3)と、
該絶縁碍子の内側に保持されると共に、該絶縁碍子の先端よりも先端側へ突出した中心電極(4)と、
上記ハウジングの先端に設けられた接地電極(21)と、を備え、
上記中心電極に高周波電圧を印加することによって、該中心電極と上記接地電極との間に放電を生じさせるよう構成された、内燃機関用のスパークプラグ(1)であって、
上記中心電極は、電極母材(41)と、該電極母材の先端側に配されたチップ(42)と、を有し、
該チップは、Crを含有し、
上記電極母材と上記チップとの接合部(5)は、上記絶縁碍子の先端面(31)よりも基端側に収まっている、内燃機関用のスパークプラグ(1)にある。
本発明の第二の態様は、筒状のハウジング(2)と、
該ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子(3)と、
該絶縁碍子の内側に保持されると共に、該絶縁碍子の先端よりも先端側へ突出した中心電極(4)と、
上記ハウジングの先端に設けられた接地電極(21)と、を備え、
上記中心電極に高周波電圧を印加することによって、該中心電極と上記接地電極との間に放電を生じさせるよう構成された、内燃機関用のスパークプラグ(1)であって、
上記中心電極は、電極母材(41)と、該電極母材の先端側に配されたチップ(42)と、を有し、
該チップは、Crを含有し、
上記接地電極は、上記絶縁碍子の外周に沿って筒状に形成されており、
上記絶縁碍子は、上記接地電極の先端よりも先端側へ突出している、内燃機関用のスパークプラグ(1)にある。
本発明の第三の態様は、上記内燃機関用のスパークプラグと、該スパークプラグの上記中心電極に高周波電圧を印加する高周波電源部(6)と、を有する内燃機関用の点火装置(10)にある。
上記第一の態様及び第二の態様の内燃機関用のスパークプラグにおいて、チップは、Crを含有する。そして、スパークプラグは、中心電極に高周波電圧を印加することによって、中心電極と接地電極との間に放電を生じさせるよう構成されている。それゆえ、放電によって中心電極と接地電極との間の領域に発生したイオンは、高周波で振動する。そのため、上記イオンは多数回チップに衝突することとなる。それゆえ、中心電極からのCrの飛散量を増やすことができる。これにより、上記スパークプラグは、絶縁碍子の表面にCrの酸化膜が形成されやすい。
さらに、中心電極と接地電極との間に高周波電圧が印加されることにより、絶縁碍子の表面に形成されたCrの酸化膜には、高周波で振動している上記イオンが多数回衝突する。これにより、いわゆるピーニング効果によって絶縁碍子の表面に形成されたCrの酸化膜は一層強固な膜に形成される。その結果、絶縁碍子の表面が、沿面放電によって削られるチャネリングを確実に防止することができる。
また、上記内燃機関用の点火装置は、上記スパークプラグと、スパークプラグの中心電極に高周波電圧を印加する高周波電源部とを有する。それゆえ、絶縁碍子のチャネリングを抑制することができる点火装置を得ることができる。
以上のごとく、上記態様によれば、絶縁碍子のチャネリングを抑制することができる内燃機関用のスパークプラグ及びこれを備えた点火装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、内燃機関用のスパークプラグの正面一部断面図。 実施形態1における、内燃機関用のスパークプラグの先端部の拡大正面図。 図2の、III−III線矢視断面図。 図3の、チップ周辺の拡大図。 実施形態1における、接地電極、中心電極、絶縁碍子を先端側から見た図。 実施形態1における、内燃機関用の点火装置の断面図。 実施形態1における、ストリーマ放電が生じたスパークプラグの先端部の拡大正面図。 実施形態1における、グロー放電が生じたスパークプラグの先端部の拡大正面図。 実施形態1における、グロー放電が、燃焼室内の気流に引き伸ばされた様子を示す、スパークプラグの先端部の拡大正面図。 実施形態1における、絶縁碍子の表面にCrの酸化膜が形成された様子を示す模式断面図。 実験例における、耐久試験後の試料1の斜視図。 図11において、絶縁碍子周辺を拡大した拡大図。 実験例における、耐久試験後の試料2の斜視図。
(実施形態1)
内燃機関用のスパークプラグ及びこれを備えた点火装置の実施形態につき、図1〜図10を用いて説明する。
本実施形態の内燃機関用のスパークプラグ1は、図1に示すごとく、ハウジング2と絶縁碍子3と中心電極4と接地電極21とを備える。ハウジング2は、筒状を呈している。絶縁碍子3は、ハウジング2の内側に保持されている。また、絶縁碍子3は、筒状を呈している。中心電極4は、絶縁碍子3の内側に保持されている。図1〜図4に示すごとく、中心電極4は、絶縁碍子3の先端よりも先端側へ突出している。図1〜図3に示すごとく、接地電極21は、ハウジング2の先端に設けられている。
スパークプラグ1は、中心電極4に高周波電圧を印加することによって、中心電極4と接地電極21との間に放電を生じさせるよう構成されている。図1、図2に示すごとく、中心電極4は、電極母材41と、電極母材41の先端側に配されたチップ42と、を有する。チップ42は、Crを含有する。
本実施形態のスパークプラグ1は、例えば、自動車等の車両用の内燃機関における着火手段として用いることができる。スパークプラグ1は、その軸方向の一端側において後述する高周波電源部と接続され、他端側が内燃機関の燃焼室内に配される。
以下において、スパークプラグ1の軸方向をプラグ軸方向Xという。また、プラグ軸方向Xにおいて、スパークプラグ1が燃焼室に挿入される側を先端側、その反対側を基端側という。また、スパークプラグ1の径方向をプラグ径方向という。
図1に示すごとく、ハウジング2の外周面には、内燃機関に螺合するための取付ネジ部22が形成されている。そして、本実施形態においては、ハウジング2の一部が接地電極21となっている。図1、図5に示すごとく、接地電極21は、絶縁碍子3の外周に沿って筒状に形成されている。接地電極21は、プラグ軸方向Xに貫通する貫通穴を有する筒状に形成されている。接地電極21は、プラグ径方向に厚みを有し、先端側から見たときの形状が円環形状を呈している。接地電極21は、取付ネジ部22よりも先端側に形成されている。接地電極21は、絶縁碍子3を外周側から囲むように形成されている。
絶縁碍子3は、アルミナからなる。図1〜図3に示すごとく、絶縁碍子3は、接地電極21の先端よりも先端側へ突出している。絶縁碍子3の外周面と接地電極21の内周面とは、プラグ径方向に対向している。また、図2に示すごとく、絶縁碍子3の先端面30と外周面との間をつなぐ角部31は、曲面状に形成されている。図2、図3に示すごとく、絶縁碍子3の一部は、中心電極4のチップ42と接地電極21との間に介在する位置に形成されている。
図1に示すごとく、絶縁碍子3の内側における先端部に、中心電極4が挿通保持されている。中心電極4の電極母材41は、例えばCu等の金属材料の外部にNi基合金等の金属材料を配してなる。電極母材41は、全体として略円柱形状を呈している。
図3、図4に示すごとく、電極母材41の先端面に、チップ42が溶接によって接合されている。電極母材41の先端面に対するチップ42の溶接は、例えばレーザー溶接や抵抗溶接とすることができる。チップ42は円柱形状を有する。本実施形態において、チップ42は、Irを主成分とするイリジウム合金からなる。本実施形態において、チップ42は、Ir、Rh、及びCrを含有する。本実施形態において、チップ42は、4重量%のCrを含有する。Crは、チップ42全体に一様に含有されている。なお、これに限られず、Crを含有していれば、チップ42は他の金属から構成されていてもよい。また、Crの含有量も、上記のものに限られない。
図3、図4に示すごとく、電極母材41と上記チップ42との接合部5は、絶縁碍子3の先端面30よりも基端側に収まっている。本実施形態において、接合部5は、絶縁碍子3の先端面30から0.2mm以上、基端側に収まっている。すなわち、接合部5の先端50が、絶縁碍子3の先端面30よりも、0.2mm以上、基端側に配されている。また、プラグ径方向において、接合部5と絶縁碍子3の内周面32との間には、若干のクリアランスが形成されている。図4に示すごとく、プラグ軸方向Xにおける接合部5の先端50と絶縁碍子3の先端面30との間の長さL1は、プラグ径方向におけるチップ42の外周面421と絶縁碍子3の内周面32との間の長さL2よりも長い。
図1に示すごとく、絶縁碍子3の内側における中心電極4の基端側には、ステム11が挿通保持されている。ステム11は、中心電極4と導通されている。また、ステム11は、基端部111が絶縁碍子3から突出している。
次に、スパークプラグ1を備えた内燃機関用の点火装置10につき説明する。
点火装置10は、図6に示すごとく、スパークプラグ1と高周波電源部6とを有する。高周波電源部6は、スパークプラグ1の中心電極4に高周波電圧を印加する。
高周波電源部6は、例えば、交流電圧発生器と昇圧トランスとを組み合わせたものを用いることができる。交流電圧発生器は、例えば、電界効果トランジスタを備え、入力した直流電圧を、高周波の交流電圧に変換して出力するものとすることができる。交流電圧発生器の出力電圧は、昇圧トランスに入力される。そして、昇圧トランスは、例えば、100V程度の入力電圧を、20kV程度にまで昇圧し、出力する。そして、昇圧トランスから出力された高周波の高電圧は、スパークプラグ1に入力される。
高周波電源部6は、スパークプラグ1のステム11の基端部111に接続されている。高周波電源部6が中心電極4に印加する高周波電圧の周波数は、200kHz〜1MHzとすることができる。また、高周波電源部6が中心電極4に印加する高周波電圧の周波数は、300kHz〜900kHzとすることが好ましい。そして、高周波電源部6が中心電極4に印加する高周波電圧の周波数は、400kHz〜800kHzとすることがさらに好ましい。そして、高周波電源部6は、中心電極4に、5kV〜25kVのピークピーク値を持つ交流電圧を印加するものとすることができる。
スパークプラグ1は、取付ネジ部22において、エンジンヘッド101に設けられた雌ネジ孔102に螺合されている。これにより、スパークプラグ1がエンジンヘッド101に締結固定されている。さらに、スパークプラグ1の先端部分が燃焼室100内に配される。
次に、スパークプラグ1の中心電極4に高周波の高電圧を印加したときの、放電の様子について説明する。
高周波電源部6から中心電極4に高周波の高電圧を印加すると、図7に示すごとく、まず、接地電極21から、絶縁碍子3の表面を這うようなストリーマ放電71が形成される。このストリーマ放電71は、接地電極21側から中心電極4側に向って経時的に成長し、絶縁碍子3の表面に沿って延びる。そして、ストリーマ放電71は、接地電極21から中心電極4まで延びる。これにより、接地電極21と中心電極4との間に放電経路が形成される。すると、接地電極21と中心電極4との間のインピーダンスが低下し、図8に示すごとく、ストリーマ放電は、グロー放電72に移行する。そして、図9に示すごとく、グロー放電72は、燃焼室100内の気流Fによって大きく引き伸ばされ、引き伸ばされている間に、混合気が着火される。
次に、図10に示すごとく、絶縁碍子3の表面にCrの酸化膜8が形成される様子について説明する。
上述のグロー放電或いはストリーマ放電によって、接地電極21と中心電極4との間の空間に、イオンが発生する。発生したイオンは、中心電極4及び接地電極21間に印加される高周波電圧によって、高周波で振動する。そして、高周波で振動しているイオンは、チップ42に多数回衝突する。このように、チップ42にイオンが多数回衝突することにより、チップ42からイオンの衝突の回数に応じた量のCrがはじき飛ばされる。なお、当該Crのはじき飛ばしは、主にグロー放電中に生じると考えられる。
そして、上述のごとく飛散したCrは、燃焼室100内の温度に起因してただちに酸化し、絶縁碍子3の表面に付着する。これにより、絶縁碍子3の表面に、Crの酸化膜8が形成される。酸化膜8は、接地電極21と中心電極4との間における、絶縁碍子3の表面に形成される。
そして、Crの酸化膜8にも、上述のごとく高周波で振動しているイオンが多数回衝突する。これにより、酸化膜8は、いわゆるピーニング効果により、密度が高く、より強固な被膜に形成される。なお、当該ピーニング効果は、主にストリーマ放電中に生じると考えられる。以上のように、絶縁碍子3の表面に、強固なCrの酸化膜8が形成される。
次に、本実施形態の作用効果につき説明する。
内燃機関用のスパークプラグ1において、チップ42は、Crを含有する。そして、スパークプラグ1は、中心電極4に高周波電圧を印加することによって、中心電極4と接地電極21との間に放電を生じさせるよう構成されている。それゆえ、上述のごとく、放電によって中心電極4と接地電極21との間の領域に発生したイオンは、多数回チップ42に衝突することとなる。それゆえ、中心電極4からのCrの飛散量を増やすことができる。これにより、スパークプラグ1は、絶縁碍子3の表面にCrの酸化膜8が形成されやすい。
さらに、中心電極4と接地電極21との間に高周波電圧が印加されることにより、絶縁碍子3の表面に形成されたCrの酸化膜8には、高周波で振動している上記イオンが多数回衝突する。これにより、いわゆるピーニング効果によって絶縁碍子3の表面に形成されたCrの酸化膜8は一層強固な膜に形成される。特に、イオンが酸化膜8に多数回衝突することにより、ピーニング効果が一層顕著なものとなる。その結果、絶縁碍子3の表面が、沿面放電によって削られるチャネリングを確実に防止することができる。
また、電極母材41とチップ42との接合部5は、絶縁碍子3の先端面30よりも基端側に収まっている。それゆえ、接合部5を起点とした放電が生じ難い。それゆえ、接合部5が劣化しにくい。その結果、チップ42が電極母材41から剥がれ落ちることを防止することができる。
また、接合部5は、絶縁碍子3の先端面30から0.2mm以上、基端側に収まっている。それゆえ、チップ42が電極母材41から剥がれ落ちることを、一層防止することができる。
また、プラグ軸方向Xにおける接合部5の先端50と絶縁碍子3の先端面30との間の長さL1は、プラグ径方向におけるチップ42の外周面421と絶縁碍子3の内周面32との間の長さL2よりも長い。それゆえ、絶縁碍子3の表面を這うように生じ、絶縁碍子3の先端面30まで成長した放電が、絶縁碍子3の表面に沿って絶縁碍子3と中心電極4との間のクリアランスに入り込むことなく、中心電極4のチップ42に移りやすい。それゆえ、絶縁碍子3の表面を這うように生じた放電が、絶縁碍子3と中心電極4との間に成長し、接合部5に移ることを抑制することができる。その結果、接合部5が放電の起点となることを一層抑制することができる。
また、接地電極21は、絶縁碍子3の外周に沿って筒状に形成されている。また、絶縁碍子3は、接地電極21の先端よりも先端側へ突出している。それゆえ、絶縁碍子3の一部を、接地電極21と中心電極4との間に配する構成としやすい。それゆえ、絶縁碍子3の表面を這うような沿面放電を生じさせやすい。その結果、絶縁碍子3の表面周辺に、放電によるイオンが発生しやすく、当該イオンによる上記ピーニング効果を一層得やすくなる。
また、内燃機関用の点火装置10は、スパークプラグ1と高周波電源部6とを有する。それゆえ、絶縁碍子3のチャネリングを抑制することができる点火装置10を得ることができる。
以上のごとく、本実施形態によれば、絶縁碍子のチャネリングを抑制することができる内燃機関用のスパークプラグ及びこれを備えた点火装置を提供することができる。
(実験例)
本例は、図11〜図13に示すごとく、チップ42にCrを含有することによる、チャネリング抑制効果を示す実験例である。
本例においては、互いにチップが異なる試料1、試料2を用意した。試料1は、基本構成を実施形態1と同様としているが、チップ942にCrを含有していないスパークプラグである。試料2は、実施形態1に示したスパークプラグ1であり、チップ42にCrを含有したものである。そして、これらの試料を用いて、以下の耐久試験を行った。
耐久試験においては、各試料のスパークプラグを、燃焼室を模した試験装置に装着した。装置内の圧力は、0.6MPaとした。そして、スパークプラグの先端部付近に、流速20m/sの気流が形成されるように、装置内に混合気を送りこんだ。そして、放電時間0.8ms、放電周期20Hzにて、ピークピーク値30kV、周波数820kHzの高周波交流電圧をスパークプラグの中心電極に印加した。このときの推定の放電エネルギーは、150mJである。また、耐久試験時間は、100時間とした。
試験後のスパークプラグを、図11〜図13に示す。図11は、耐久試験後の試料1のスパークプラグであり、図12は、図11において絶縁碍子93周辺を拡大した拡大図であり、図13は、耐久試験後の試料2のスパークプラグ1である。図11、図12から、Crを含有しないチップ942を有する試料1は、絶縁碍子93の表面が溝状に削られていることが見て取れる。すなわち、試料1においては、チャネリング99が形成されていることが目視により確認することができる。一方、図13から、Crを含有したチップ42を有する試料2は、絶縁碍子3の表面にチャネリングが生じていないことが分かる。すなわち、チップ42にCrを含有することにより、絶縁碍子3の耐久性を向上できることが分かる。また、中心電極4に高周波電圧を印加した場合であっても、チップ42にCrを含有することにより、絶縁碍子3の表面におけるチャネリングの発生を防止することができることが分かる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1 内燃機関用のスパークプラグ
10 点火装置
2 ハウジング
21 接地電極
3 絶縁碍子
4 中心電極
41 電極母材
42 チップ
6 高周波電源部

Claims (7)

  1. 筒状のハウジング(2)と、
    該ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子(3)と、
    該絶縁碍子の内側に保持されると共に、該絶縁碍子の先端よりも先端側へ突出した中心電極(4)と、
    上記ハウジングの先端に設けられた接地電極(21)と、を備え、
    上記中心電極に高周波電圧を印加することによって、該中心電極と上記接地電極との間に放電を生じさせるよう構成された、内燃機関用のスパークプラグ(1)であって、
    上記中心電極は、電極母材(41)と、該電極母材の先端側に配されたチップ(42)と、を有し、
    該チップは、Crを含有し、
    上記電極母材と上記チップとの接合部(5)は、上記絶縁碍子の先端面(31)よりも基端側に収まっている、内燃機関用のスパークプラグ(1)。
  2. 上記接地電極は、上記絶縁碍子の外周に沿って筒状に形成されており、上記絶縁碍子は、上記接地電極の先端よりも先端側へ突出している、請求項1に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  3. 上記接合部は、上記絶縁碍子の先端面から0.2mm以上、基端側に収まっている、請求項1又は2に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  4. プラグ軸方向(X)における上記接合部の先端(50)と上記絶縁碍子の先端面との間の長さ(L1)は、プラグ径方向における上記チップの外周面(421)と上記絶縁碍子の内周面(32)との間の長さ(L2)よりも長い、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  5. 筒状のハウジング(2)と、
    該ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子(3)と、
    該絶縁碍子の内側に保持されると共に、該絶縁碍子の先端よりも先端側へ突出した中心電極(4)と、
    上記ハウジングの先端に設けられた接地電極(21)と、を備え、
    上記中心電極に高周波電圧を印加することによって、該中心電極と上記接地電極との間に放電を生じさせるよう構成された、内燃機関用のスパークプラグ(1)であって、
    上記中心電極は、電極母材(41)と、該電極母材の先端側に配されたチップ(42)と、を有し、
    該チップは、Crを含有し、
    上記接地電極は、上記絶縁碍子の外周に沿って筒状に形成されており、
    上記絶縁碍子は、上記接地電極の先端よりも先端側へ突出している、内燃機関用のスパークプラグ(1)
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグと、該スパークプラグの上記中心電極に高周波電圧を印加する高周波電源部(6)と、を有する内燃機関用の点火装置(10)。
  7. 上記高周波電源部が上記中心電極に印加する高周波電圧の周波数は、200kHz〜1MHzである、請求項6に記載の内燃機関用の点火装置。
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