JP6726489B2 - 金属箔の洗浄方法、金属箔の製造方法及び機能水生成装置 - Google Patents

金属箔の洗浄方法、金属箔の製造方法及び機能水生成装置 Download PDF

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Description

本発明は、銅やアルミなどの金属箔の表面状態を良好な状態に調整する金属箔の製造方法、金属箔の洗浄方法及び洗浄液生成装置に関するものである。
従来より圧延銅箔はフレキシブルプリント配線板の回路材料や電池電極板の集電体の用途に使用されている。これらの用途では圧延銅箔が単体として使用されることはなく、圧延銅箔上に接着剤、塗料、樹脂、溶剤あるいはこれらの混合物をコーティングして使用される。フレキシブルプリント配線板の回路材料の用途では、圧延銅箔に接着剤をコーティングして樹脂フィルムを貼り合わせて配線板を形成し、さらに圧延銅箔に紫外線硬化塗料をコーティングして電気配線回路を形成する。また、電池電極板の集電体の用途では、電池の活物質、接着剤および溶剤を混合したスラリーを圧延銅箔上にコーティングして電極板を作製する。しかしながら、圧延銅箔の表面には圧延油などの油分が存在するため、密着性が悪く剥離やコーティングむらといった問題が生じる。
圧延銅箔の製造方法は、銅を溶解して鋳造した鋳塊を熱間圧延、冷間圧延および中間焼鈍を繰り返して厚さを減少させ、最終的に冷間圧延で所定の厚さになるように仕上げる。このようにして製造された圧延銅箔に表面には、冷間圧延で使用した圧延油や表面の酸化を抑制する防錆油などの油分が付着している。また、銅箔の製造過程において不可避的に混入する機械油が表面に付着している。これら表面に付着した圧延油などの油分は、圧延銅箔を界面活性剤を含む洗浄液によって洗浄除去する。さらに水洗や乾燥を行い、洗浄液を除去する(例えば特許文献1参照)。
特開2000−313980号
ところで、かかる洗浄方法では、油分や界面活性剤を完全に除去することができないなど、表面に残る残留物が多いという問題があった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、表面の残留物を低減できる金属箔の洗浄方法、金属箔の製造方法及び機能水生成装置を提供するものである。
かかる課題を解決するため、本発明の金属箔の洗浄方法では、
電解質が溶解した電解質水溶液を電気分解することにより陽極から生成された酸性電解水によって金属箔を洗浄する酸性電解水洗浄ステップと、
pH7.0以上〜9.0未満であり、EC(Electrical Conductivity)値が20.0mS/m未満であり、酸化還元電位が−300mV未満の水素水によって前記金属箔を洗浄する水素水洗浄ステップと、
前記水素水によって洗浄された金属箔を乾燥させる乾燥ステップと、
を有することを特徴とする金属箔の洗浄方法。
また、本発明の金属箔の製造方法では、
固形の金属を圧延する圧延ステップと、
電解質が溶解した電解質水溶液を電気分解することにより陽極から生成された酸性電解水によって金属箔を洗浄する酸性電解水洗浄ステップと、
pH7.0以上〜9.0未満であり、EC(Electrical Conductivity)値が20.0mS/m未満であり、酸化還元電位が−300mV未満の水素水によって前記金属箔を洗浄する水素水洗浄ステップと、
前記水素水によって洗浄された金属箔を乾燥させる乾燥ステップと
を有することを特徴とする。
さらに、本発明の機能水生成装置では、
電解質が溶解した電解質水溶液を電気分解することにより陽極から酸性電解水を、陰極からアルカリ性電解水を生成する電解槽と、
前記アルカリ性電解水をろ過して加熱蒸発によって揮発しない塩などの不純物を除去するフィルタ部と、
前記電解槽によって生成された前記酸性電解水を供給する酸性電解水供給部と、
前記フィルタ部によってろ過されたアルカリ性電解水を水素水として供給する水素水供給部とを有することを特徴とする。
本発明は、表面の残留物を低減できる金属箔の洗浄方法、金属箔の製造方法及び機能水生成装置を実現できる。
洗浄方法を示すフローチャートである。 洗浄工程を説明する略線図である。 他の実施の形態による機能水生成装置の構成を示す略線図である。
次に本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
<実施の形態>
一般的に、電解水としては酸性を呈する酸性電解水、アルカリ性を呈するアルカリ性電解水、ほぼ中性を呈する中性電解水が知られており、用途に応じた種類の電解水が選択されて使用されている。
油汚れには、アルカリ性電解水が用いられることが多い。アルカリの性質により、油汚れを乳化することができるためである。
しかしながら、本願発明人は、金属箔の洗浄において、酸性電解水の洗浄後に水素水によって洗浄することにより、金属箔の表面にスケールを形成することなく油汚れを効果的に除去できることを見出した。
図1に示すように、本発明の洗浄方法は、2種類の洗浄水(酸性電解水及び水素水)が使用される2段階の洗浄工程を有する。すなわち、ステップSP1において酸性電解水による洗浄が行われ、ステップSP2において水素水による洗浄が行われる。そしてステップSP3において、残留洗浄水が乾燥により除去される。
すなわち、酸性電解水洗浄ステップ(ステップSP1)では、酸性電解水によって金属箔に付着する油の大部分を除去すると共に酸化スケールを除去する。続く水素水洗浄ステップ(ステップSP2)では、金属箔に残る油を除去すると共に、水素水が有する還元力を利用して酸性電解水洗浄ステップで使用された酸性電解水を中和し、さらに金属箔の表面が酸化されないように保護する。そして乾燥ステップ(ステップSP3)において、金属箔表面に残留する水分が除去される。
金属箔は、圧延などにより薄い箔に加工された後、本発明の洗浄方法を用いた洗浄工程へと移行する。金属箔としては、銅箔やアルミニウム箔などの酸化しやすい金属でできた箔(厚さ1〜300μm程度)に適用されるが、10μm特に20μm以上の金属箔に好適に使用される。金属箔にある程度のコシ(剛性)があるため、洗浄工程においてしわの混入などが生じにくいからである。本発明の洗浄方法は、種々の方法で製造された金属箔に対して適用することが可能であるが、固形の金属を圧延することによって薄くした圧延法によって製造される際に使用されることが好ましい。金属を圧延する際に、多量の油が使用されるからである。
洗浄方法としては、金属箔の箔形成工程の後に、ライン上を流れる金属箔の両面に対して所定時間に亘って(例えば3〜10秒間)洗浄水が噴射されたり、貯留した洗浄水中をくぐらせたりすることにより実行される。また、これらの方法を洗浄水に応じて組み合わせても良い。乾燥工程では、金属箔を40℃〜130℃程度の温風又は熱風によって乾燥させる。
例えば本発明の洗浄方法は、、銅箔を製造する製造工場などで使用される。もちろん、別の工場で製造した銅箔を本発明を用いて洗浄することも可能である。図2に示すように、銅箔製造工場では、圧延工程FLによって銅箔が任意の厚さに圧延された後、洗浄工程WSに移る。洗浄工程WSでは、電解水洗浄工程WS1と、水素水洗浄工程WS2と、乾燥工程WS3とを有している。
電解水洗浄工程WS1では、電解水生成装置1が生成した酸性電解水が洗浄槽2に供給される。洗浄槽2では、酸性電解水が貯留されると共に、浸漬された銅箔に対して衝突するように衝突流が形成されている。洗浄槽2には、随時新しく生成された酸性電解水が供給されると共に、洗浄槽2内部の酸性電解水を抽出してフィルタ又は浮上分離などによって油分を除去することにより、酸性電解水が循環され再利用されている。
酸性を呈する酸性電解水が洗浄水として使用されることにより、銅箔の表面が酸化して腐食する。電解水洗浄工程WS1では、酸性電解水の水浴中において洗浄を行うことにより、酸化により銅箔が溶解し酸化スケールを除去する効果が期待できる。
電解水洗浄工程WS1の後、銅箔は速やかに水素水洗浄工程WS2へと送られる。水素水洗浄工程WS2では、水素水生成装置3によって生成された水素水が噴射部3Aから銅箔の表面に対して噴射される。常に新しい洗浄水(水素水)が供給される噴射方式によって洗浄が行われることにより、残留する少量の油を除去すると共に、酸性電解水を中和する。また、乾燥工程WS3によって乾燥されるまでの間、銅箔表面を還元状態に維持し、銅箔表面の腐食を防止する。また、還元作用を示す還元種が水素(H)であるため、乾燥工程において気化し、金属表面に残留してスケールを形成することがない。
乾燥工程WS3では、温風又は熱風による乾燥が行われる。乾燥温度に制限はなく、40℃〜130℃程度の温風が使用される。この温風の温度は、乾燥装置5の長さやライン速度(すなわち乾燥時間)、風量、酸化皮膜の形成の有無などに応じて適宜選択される。
次に、本発明の洗浄方法で使用される洗浄水について説明する。
電解水洗浄工程WS1では、酸性電解水が使用される。酸性電解水としては、原水に対して電解質を溶解させた溶解水を電気分解することにより、陽極側で発生した酸素(酸素ガス及びオゾンガス)を含む電解水が使用される。原水としては、RO(Reverse Osmosis)膜フィルタなどのフィルタによってろ過されることにより不純物が取り除かれた高純度水が用いられることが好ましい。
電解質としては、特に制限は無く、種々の物質を使用することが可能であるが、酸性電解水として酸性を呈することが好ましく、食塩、塩酸、炭酸ナトリウムなどが好適に用いられる。電解槽としては特に制限はないが、酸性電解水のみを分離可能な2槽式又は3槽式のものが好適に用いられる。
酸性電解水としては、pH2.0〜pH4.0(pH2.0以上pH4.0未満。以下、同様の意味で〜を使用する)、より好ましくはpH2.5〜pH3.5であることが好ましい。pHが小さすぎると、酸化作用が強くなってしまい、洗浄後の金属箔が過剰に酸化されるため好ましくない。また、pHが大きすぎると、十分な洗浄力が得られないため、好ましくない。
酸性電解水としては、酸化還元電位が500mV〜1500mV、より好ましくは700mV〜1200mVであることが好ましい。酸化還元電位が大きすぎると、洗浄後の金属箔が過剰に酸化されるため好ましくない。また、酸化還元電位が小さすぎると十分な洗浄力が得られないため、好ましくない。
酸性電解水としては、EC(Electrical Conductivity)値が好ましくは20mS/m以上、より好ましくは40mS/m以上である。電解質に起因する塩素や炭酸などの酸性物質により、酸化スケールを除去する効果が高まるからである。また、酸性物質の増大により、金属表面へのぬれ性向上効果も期待される。
酸性電解水として、ナノオーダー(10〜1000nm程度)の直径を有する、いわゆるファインバブルを含有させても良い。酸性電解水を製造後、高速旋回方式や圧力解放方式によるファインバブル発生装置を用いることによって、酸性電解水にファインバブルを含有させることができる。ファインバブル発生装置については、例えば非特許文献1(
https://staff.aist.go.jp/m.taka/takahashi2.pdf)や特許文献2(特願2015−34628号)に記載されている。ファインバブルとしては、十分な効果を得るため、0.2×10個/ml以上含有されることが好ましい。
これにより、酸性電解水としての表面張力を低下させ、金属箔表面の微細な傷にも入り込むことができ、洗浄力を向上させることができる。ファインバブルの材料としては、特に限定されないが、空気や特定のガスを適宜選択して使用することができる。また、ファインバブルとして、電解槽において陽極で発生した気体(酸素及び塩素など)を静置などにより一旦分離し、再び酸性電解水に混合することにより、酸性電解水としての効果を高めることも可能である。この電解水生成装置の構成は、特許文献3(特許登録5628403号)に記載されている。
水温については特に限定されないが、0℃〜80℃程度、より好ましくは20℃〜60℃程度のものが好適に使用される。使用される油の種類や洗浄対象となる金属の種類によって適宜選択される。
水素水洗浄工程WS2では、水素水が使用される。水素水としては、原水に対し固形電解質などを使用して電気分解することにより、陰極側で発生した水素を含む水が使用される。原水としては、RO(Reverse Osmosis)膜フィルタなどのフィルタによってろ過されることにより不純物が取り除かれた高純度水が用いられることが好ましい。電解槽としては特に制限はないが、固定電解質が詰められた電解質槽を有する3槽式のものが好適に用いられる。
水素水としては、pH7.0〜pH9.0の値を示すことが好ましい。pHが小さすぎると、還元作用が小さくなってしまい、pHが大きすぎると、水及び水素以外の不純物の濃度が高いことを意味し、好ましくない。
水素水としては、酸化還元電位が−300mV未満、より好ましくは−400mV未満であることが好ましい。酸化還元電位が大きい(絶対値が小さい)と、還元作用が低いため好ましくない。
酸性電解水としては、EC(Electrical Conductivity)値が好ましくは20mS/m未満、より好ましくは10mS/m未満である。EC値が大きいと、水及び水素以外の不純物の濃度が高いことを意味し、好ましくない。
水素水として、ファインバブルを含有させても良い。水素水を製造後、高速旋回方式や圧力解放方式によるファインバブル発生装置を用いることによって、水素水にファインバブルを含有させることができる。これにより、水素水としての表面張力を低下させ、金属箔表面の微細な傷にも入り込むことができ、洗浄力を向上させることができる。また、ファインバブルとして、電解槽において陰極で発生した気体(水素など)を分離し、再び水素に混合することにより、水素含有量を高めることも可能である。ファインバブルとしては、十分な効果を得るため、0.2×10個/ml以上含有されることが好ましい。
水温については特に限定されないが、0℃〜80℃程度、より好ましくは20℃〜60℃程度のものが好適に使用される。使用される油の種類や洗浄対象となる金属の種類によって適宜選択される。
金属箔として、銅箔(100μm)を用い、150cm✕50cmにカットしたものを洗浄対象とした。洗浄対象に対して、表2に示す洗浄水を5秒間噴射後、ドライヤーで熱風乾燥させた。洗浄水の温度は50〜55℃に設定した。2種類の洗浄水を用いた試験7〜試験12では、洗浄水1を5秒間に亘って噴射した後、洗浄水2を5秒間に亘って噴射し、その後ドライヤーで熱風乾燥した。
洗浄効果は、「1〜5」の5段階評価とし、最も良好な物を「5」、良くない物を「1」と評価した。結果を表2に示す。なお、「+ファインバブル」とは、ファインバブルを含有させたことを示している。また、「RO水」とは、RO膜を使用してろ過した高純度水のことである。
なお、表1における不純物濃度は、EC値に8を乗算して算出している。水温は、測定を行ったときの温度であり、洗浄時の温度とは相違する。以下に、測定に使用された装置を示す。
pH・酸化還元電位・EC測定器:WM−32EP(東亜ディーケーケー社製)
塩素濃度計:RC−2Z(笠原理化学工業社製)
気泡数測定計・粒子測定器:ナノサイト NS500(Malvern社製)
Figure 0006726489
Figure 0006726489
表2の試験1〜6に示すように、RO水、RO水+ファインバブル、アルカリ性電解水、アルカリ性電解水+ファインバブル、酸性電解水及び酸性電解水+ファインバブルの1段階洗浄を比較すると、酸性電解水が優れていた。ただし、酸性電解水では、銅箔表面が酸化してしまった。なお、備考欄において、銅箔表面に形成された酸化スケールを「酸化ドット」、洗浄水由来の残留物スケールを「スケール」と区別して表記している。
試験7〜12に示すように、2段階洗浄では、試験9及び10の結果が良好であった。なお、本実験ではサンプル量が小さく、かつ目視での評価であるため、洗浄結果においては、ファインバブルを含有させたことによる差異は殆どみられなかったが、ファインバブルを含有させることによって乾燥時間が短縮された。また、洗剤を用いた試験12では、他のサンプルと比較してかなり長い(2倍以上)の乾燥時間を要した。
以上の構成によれば、本発明の金属箔の洗浄方法では、電解質が溶解した電解質水溶液を電気分解することにより陽極から生成された酸性電解水によって金属箔を洗浄する酸性電解水洗浄ステップと、
pH7.0以上9.0未満であり、EC(Electrical Conductivity)値が20.0mS/m未満であり、酸化還元電位が−300mV未満の水素水によって前記金属箔を洗浄する水素水洗浄ステップと、
前記水素水によって洗浄された金属箔を乾燥させる乾燥ステップと、を有することを特徴とする。
これにより、平坦で表面積が大きい金属箔上において、酸性電解水によって効果的に油を除去しつつ、水素水によって残留物スケールを残さず中和することができるため、金属箔表面をきれいに洗浄することができる。
なお、圧延工程において金属箔に付着した油は、圧延によって金属箔に対して加圧する際に、金属箔に密着し、深く浸透しているものと考えられる。アルカリ電解水の場合、油に対してなじみが良く乳化作用があるため、油膜表面からアクションが開始され、油が多くて最後まで除去が難しいのではないかと考えられる。これに対して、酸性電解水は、油とはなじみが良くなく逆に金属となじみが良いため、金属表面にアクションし、その結果油膜と金属箔との間に入り込んで油膜そのものを剥がすことができるのではないかと考えられる。
前記水素水洗浄ステップにおいて、
前記水素水は、
0.2×10個/ml以上のファインバブルを含有することを特徴とする。
これにより、水素水は、金属箔の細かい凹凸に入り込むことができ、洗浄力を向上させ得ると共に、乾燥時間を短縮できる。
前記酸性電解水は、
酸化還元電位が600mV以上であることを特徴とする。
これにより、酸性電解水は、酸化によって金属を溶解させることにより、金属箔表面の酸化スケールを除去することができる。
前記酸性電解水洗浄ステップにおいて、
前記酸性電解水は、
0.2×10個/ml以上のファインバブルを含有することを特徴とする。
これにより、酸性電解水は、金属箔の細かい凹凸に入り込むことができ、洗浄力を向上させ得る。
前記酸性電解水洗浄ステップでは、
貯留した酸性電解水中に前記金属箔を浸漬し、
前記水素水洗浄ステップでは、
前記水素水を前記金属箔に噴射することを特徴とする。
これにより、酸性電解水洗浄ステップでは、酸化スケールを除去して金属箔の表面を効果的に洗浄する一方、水素水洗浄ステップでは、常に新しい水素水を噴射して金属箔表面の残留物を最小限にすることができる。
以上の構成によれば、本発明の金属箔の製造方法では、固形の金属を圧延する圧延ステップと、
電解質が溶解した電解質水溶液を電気分解することにより陽極から生成された酸性電解水によって金属箔を洗浄する酸性電解水洗浄ステップと、
pH7.0以上〜9.0未満であり、EC(Electrical Conductivity)値が20.0mS/m未満であり、酸化還元電位が−300mV未満の水素水によって前記金属箔を洗浄する水素水洗浄ステップと、
前記水素水によって洗浄された金属箔を乾燥させる乾燥ステップとを有することを特徴とする。
これにより、圧延工程において使用された油を効果的に除去できるため、表面に残留物が殆ど無いがきれいな状態の金属箔を製造することができる。
<他の実施の形態>
上述した実施の形態においては、電解水生成装置1で酸性電解水を生成し、別構成でなる水素水生成装置3で水素水を生成するようにした場合について述べた。本発明はこれに限らず、1つの装置で生成することも可能である。
図4に示すように、機能水生成装置20の電解槽21は、アノード電極を有するアノード室21Aと、カソード電極を有するカソード室21Bと、とを有している。なお、電解槽の構成に制限はなく、1槽型・2槽型・3槽型の電解槽など、種々の構成の電解槽を使用することが可能である。
アノード室21Aは、生成した酸性電解水を電解水貯留部22に供給する。電解水貯留部22は、酸性電解水提供部23からの要求に応じ、酸性電解水提供部23に対して酸性電解水を供給する。
カソード室21Bは、生成したアルカリ性電解水をフィルタ部25に供給する。フィルタ部25は、例えばRO膜などのフィルタ構成でなり、アルカリ性電解水からイオン性物質を除去し、水素水として水素水貯留部26に供給する。水素水貯留部26は、水素水提供部27からの要求に応じ、水素水提供部27に対して水素水を供給する。
なお、アノード室21A及びカソード室21Bで生成した酸性電解水及び水素水から生成した気体を気液分離部(図示せず)によって分離し、各気体をファインバブル発生装置(図示せず)に供給することにより、酸性電解水及び水素水、又はいずれか一方にファインバブルを含有させても良い。その場合、フィルタ部25によってろ過後の水素水をファインバブル発生装置に供給することが好ましい。
かかる構成の機能水生成装置20は、金属箔の洗浄だけでなく、一般的な金属部品に対する洗浄水生成装置として使用することができる。また、洗浄以外にも、酸性電解水と水素水との両方が必要となるような全ての用途に機能水生成装置20を使用することができる。例えば、酸性電解水を用いてカット野菜などの食品を殺菌した後、水素水によって中和することにより、食品から塩素臭を除去することが可能となる。
以上の構成によれば、本発明の機能水生成装置は、電解質が溶解した電解質水溶液を電気分解することにより陽極から酸性電解水を、陰極からアルカリ性電解水を生成する電解槽と、
前記アルカリ性電解水をろ過して加熱蒸発によって揮発しない塩などの不純物を除去するフィルタ部と、
前記電解槽によって生成された前記酸性電解水を供給する酸性電解水供給部と、
前記フィルタ部によってろ過されたアルカリ性電解水を水素水として供給する水素水供給部とを有することを特徴とする。
これにより、本来廃棄していたアルカリ性電解水を水素水として利用できるため、酸性電解水と水素水とを同時に生成できる。
前記電解槽と酸性電解水供給部との間に、ファインバブルを発生させる第1のファインバブル生成部を有することを特徴とする。
これにより、酸性電解水にファインバブルを含有させることができ、洗浄力を向上できる。
前記フィルタ部と水素水供給部との間に、ファインバブルを発生させる第2のファインバブル生成部を有することを特徴とする。
これにより、水素水にファインバブルを含有させることができ、洗浄力を向上できる。
前記アルカリ性電解水から気体を分離し、分離した気体を前記第2のファインバブル生成部に対して供給する気液分離部を有することを特徴とする。
これにより、ファインバブルとして水素を補うことができるため、水素水中の水素濃度を担保できる。
本発明は、例えば金属箔製造工場に使用される洗浄工程に適用することができる。
1 :電解水生成装置
2 :洗浄槽
3 :水素水生成装置
5 :乾燥装置
20 :機能水生成装置
FL :圧延工程
WS :洗浄工程
WS1 :電解水洗浄工程
WS2 :水素水洗浄工程
WS3 :乾燥工程

Claims (6)

  1. 電解質が溶解した電解質水溶液を電気分解することにより陽極から生成された酸性電解水によって金属箔を洗浄する酸性電解水洗浄ステップと、
    pH7.0以上〜9.0未満であり、EC(Electrical Conductivity)値が20.0mS/m未満であり、酸化還元電位が−300mV未満の水素水によって前記金属箔を洗浄する水素水洗浄ステップと、
    前記水素水によって洗浄された前記金属箔を乾燥させる乾燥ステップと、
    を有することを特徴とする金属箔の洗浄方法。
  2. 前記水素水洗浄ステップにおいて、
    前記水素水は、
    0.2×10個/ml以上のファインバブルを含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の金属箔の洗浄方法。
  3. 前記酸性電解水は、
    酸化還元電位が600mV以上である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金属箔の洗浄方法。
  4. 前記酸性電解水洗浄ステップにおいて、
    前記酸性電解水は、
    0.2×10個/ml以上のファインバブルを含有する
    ことを特徴とする請求項2〜請求項3のいずれかに記載の金属箔の洗浄方法。
  5. 前記酸性電解水洗浄ステップでは、
    貯留した酸性電解水中に前記金属箔を浸漬し、
    前記水素水洗浄ステップでは、
    前記水素水を前記金属箔に噴射する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の金属箔の洗浄方法。
  6. 固形の金属を圧延する圧延ステップと、
    電解質が溶解した電解質水溶液を電気分解することにより陽極から生成された酸性電解水によって金属箔を洗浄する酸性電解水洗浄ステップと、
    pH7.0以上〜9.0未満であり、EC(Electrical Conductivity)値が20.0mS/m未満であり、酸化還元電位が−300mV未満の水素水によって前記金属箔を洗浄する水素水洗浄ステップと、
    前記水素水によって洗浄された金属箔を乾燥させる乾燥ステップと
    を有することを特徴とする金属箔の製造方法。
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