JP6725206B2 - 接着性樹脂組成物、接着テープ、基材付接着テープ、および複合物品 - Google Patents

接着性樹脂組成物、接着テープ、基材付接着テープ、および複合物品 Download PDF

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本発明は、接着性樹脂組成物に関する。また、本発明は、接着性樹脂組成物を硬化させて形成される接着テープに関する。さらに、本発明は、基材層と接着性樹脂組成物を硬化させて形成される層を有する基材付接着テープに関する。さらに、本発明は、本発明の接着性樹脂組成物、接着テープ、および基材付接着テープのいずれかと繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)を含む複合物品に関する。
鉄道車両、航空機、船舶、自動車などの輸送機器においては、従来、その構成材料として、鉄やアルミニウムなどの金属が一般に用いられている。鉄やアルミニウムなどの金属を構成材料として輸送機器を製造する場合、鉄やアルミニウムなどの金属を他の被着体に十分に接着させる必要がある。特に、発熱体を備えた輸送機器という性格上、80℃程度の高温下においても十分に接着強度が発現できる接着剤を用いることが要求される。このような接着剤としては、従来、ゴムエポキシ系の硬化性樹脂組成物が汎用されている(例えば、特許文献1など)。
近年、燃費向上等のため、このような輸送機器の軽量化が求められている。輸送機器の軽量化のためには、その構成材料の軽量化が重要な鍵となる。
鉄やアルミニウムなどの金属に代わり得る軽量材料として、繊維強化プラスチック(FRP)が挙げられる。特に、輸送機器の構成材料としては、成形のし易さ等の要求から、熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂として用いた繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)が好ましい軽量材料として挙げられる。
しかしながら、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみが良く、他の被着体に対して十分な接着強度を発現できる接着剤は、従来、開発できていない。
特許第3229467号公報
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみが良く、他の被着体に対して十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る接着性樹脂組成物を提供することにある。また、そのような接着性樹脂組成物を硬化させて形成される接着テープを提供することにある。さらに、基材層と、そのような接着性樹脂組成物を硬化させて形成される層を有する基材付接着テープを提供することにある。さらに、本発明の接着性樹脂組成物、接着テープ、および基材付接着テープのいずれかと繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)を含む複合物品を提供することにある。
本発明の接着性樹脂組成物は、
ポリアミド系樹脂とエポキシ系樹脂を含む接着性樹脂組成物であって、
該ポリアミド系樹脂の含有量が、該エポキシ系樹脂100重量部に対して、15重量部以上100重量部未満である。
好ましい実施形態としては、上記ポリアミド系樹脂が脂肪酸変性ポリアミド系樹脂を含む。
好ましい実施形態としては、上記脂肪酸変性ポリアミド系樹脂の融点が180℃以下である。
好ましい実施形態としては、上記エポキシ系樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂および耐熱性エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む。
本発明の接着テープは、本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される。
本発明の基材付接着テープは、基材層と本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される層を有する。
本発明の複合物品は、本発明の接着性樹脂組成物を繊維強化熱可塑性プラスチック表面上に有する。
好ましい実施形態としては、上記複合物品は、上記接着性樹脂組成物の上記繊維強化熱可塑性プラスチック側の表面と上記繊維強化熱可塑性プラスチックの上記接着性樹脂組成物側の表面との少なくとも一方が、プライマー処理、サンドブラスト処理、およびプラズマ処理から選ばれる少なくとも1種が施されている。
本発明の複合物品は、本発明の接着テープが繊維強化熱可塑性プラスチック表面に配置されたものである。
好ましい実施形態としては、上記複合物品は、上記接着テープの上記繊維強化熱可塑性プラスチック側の表面と上記繊維強化熱可塑性プラスチックの上記接着テープ側の表面との少なくとも一方が、プライマー処理、サンドブラスト処理、およびプラズマ処理から選ばれる少なくとも1種が施されている。
本発明の複合物品は、本発明の基材付接着テープが、該基材付接着テープの基材層と反対側が繊維強化熱可塑性プラスチック表面側に向くように配置されたものである。
好ましい実施形態としては、上記複合物品は、上記基材付接着テープの上記繊維強化熱可塑性プラスチック側の表面と上記繊維強化熱可塑性プラスチックの上記基材付接着テープ側の表面との少なくとも一方が、プライマー処理、サンドブラスト処理、およびプラズマ処理から選ばれる少なくとも1種が施されている。
本発明によれば、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみが良く、他の被着体に対して十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る接着性樹脂組成物を提供することができる。また、そのような接着性樹脂組成物を硬化させて形成される接着テープを提供することができる。さらに、基材層と、そのような接着性樹脂組成物を硬化させて形成される層を有する基材付接着テープを提供することができる。さらに、本発明の接着性樹脂組成物、接着テープ、および基材付接着テープのいずれかと繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)を含む複合物品を提供することができる。
≪接着性樹脂組成物≫
本発明の接着性樹脂組成物は、ポリアミド系樹脂とエポキシ系樹脂を含む。
本発明の接着性樹脂組成物に含まれるポリアミド系樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切なポリアミド系樹脂を選択し得る。このようなポリアミド系樹脂としては、例えば、脂肪族ポリアミド系樹脂、脂環族ポリアミド系樹脂、芳香族ポリアミド系樹脂、脂肪酸変性ポリアミド系樹脂などが挙げられる。本発明の接着性樹脂組成物に含まれるポリアミド系樹脂は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明の接着性樹脂組成物に含まれるポリアミド系樹脂は、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみが一層良く、他の被着体に対して一層十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る接着性樹脂組成物を提供することができる点で、好ましくは脂肪酸変性ポリアミド系樹脂を含む。本発明の接着性樹脂組成物に含まれるポリアミド系樹脂が脂肪酸変性ポリアミド系樹脂を含むことにより、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみが一層良く、他の被着体に対して一層十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る接着性樹脂組成物を提供することができる。
ポリアミド系樹脂中の脂肪酸変性ポリアミド系樹脂の含有割合は、好ましくは50重量%〜100重量%であり、より好ましくは70重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは90重量%〜100重量%であり、特に好ましくは95重量%〜100重量%であり、最も好ましくは100重量%である。ポリアミド系樹脂中の脂肪酸変性ポリアミド系樹脂の含有割合が上記範囲内に収まることにより、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみが一層良く、他の被着体に対して一層十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る接着性樹脂組成物を提供することができる。
脂肪酸変性ポリアミド系樹脂とは、重合脂肪酸変性ポリアミド樹脂および/または重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合樹脂を意味する。
重合脂肪酸系ポリアミド樹脂および/または重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合樹脂は、いずれも重合脂肪酸をモノマー単位として含む。ここで、重合脂肪酸とは、オレイン酸を出発原料にしたダイマー酸であり、工業的には最も高分子量の二塩基酸(炭素数(C)36)である。このダイマー酸を主成分とし、副生成物としてモノマー酸およびトリマー酸を13〜17%含有する重合脂肪酸をジカルボン酸成分として得られるポリアミド樹脂が、重合脂肪酸系ポリアミド樹脂である。重合脂肪酸系ポリアミドブロック共重合樹脂は、重合脂肪酸系ポリアミドブロック以外のブロックを有し、ポリエーテルエステルアミド樹脂またはポリエステルアミド樹脂が含まれる。
脂肪酸変性ポリアミド系樹脂は、末端がアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基などの官能基によって変性されていても良い。このような官能基を有することによって、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみが一層良く、他の被着体に対して一層十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る接着性樹脂組成物を提供することができる。このような官能基を有する脂肪酸変性ポリアミド系樹脂を、官能基含有脂肪酸変性ポリアミド系樹脂と称することがある。
脂肪酸変性ポリアミド系樹脂は、市販品として入手できる。入手先としては、株式会社T&K TOKA(旧富士化成工業株式会社)などが挙げられ、例えば、PA−100(株式会社T&K TOKA製)、PA−200(株式会社T&K TOKA製)、PA−201(株式会社T&K TOKA製)などが挙げられる。また、官能基含有脂肪酸変性ポリアミド系樹脂としては、例えば、TXM−272(カルボキシル基とアミノ基の両方を有する脂肪酸変性ポリアミド系樹脂、株式会社T&K TOKA製)などが挙げられる。
脂肪酸変性ポリアミド系樹脂の融点は、好ましくは180℃以下であり、より好ましくは80℃〜180℃であり、さらに好ましくは80℃〜160℃であり、特に好ましくは80℃〜130℃である。脂肪酸変性ポリアミド系樹脂の融点が上記範囲内に収まることにより、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみが一層良く、他の被着体に対して一層十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る接着性樹脂組成物を提供することができる。
本発明の接着性樹脂組成物に含まれるエポキシ系樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切なエポキシ系樹脂を選択し得る。このようなエポキシ系樹脂としては、例えば、モノエポキシ化合物、多価エポキシ化合物などが挙げられる。本発明の接着性樹脂組成物に含まれるエポキシ系樹脂は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
モノエポキシ化合物としては、例えば、ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、p−キシリルグリシジルエーテル、グリシジルアセテート、グリシジルブチレート、グリシジルヘキソエート、グリシジルベンゾエートなどが挙げられる。
多価エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、テトラフルオロビスフェノールA等の、ビスフェノール類をグリシジル化したビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等の、その他の2価フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール等の、トリスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;1,1,2,2,−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等の、テトラキスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、臭素化フェノールノボラック、臭素化ビスフェノールAノボラック等の、ノボラック類をグリシジル化したノボラック型エポキシ樹脂;多価フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;グリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールをグリシジル化した脂肪族エーテル型エポキシ樹脂;p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸をグリシジル化したエーテルエステル型エポキシ樹脂;フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸をグリシジル化したエステル型エポキシ樹脂;4,4−ジアミノジフェニルメタンやm−アミノフェノール等のアミン化合物のグリシジル化物やトリグリシジルイソシアヌレート等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂:ジフェニルスルフォン型エポキシ樹脂;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環族エポキサイド;ジフェニルジアミノメタン型エポキシ樹脂;などが挙げられる。
本発明の接着性樹脂組成物に含まれるエポキシ系樹脂は、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみが一層良く、他の被着体に対して一層十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る接着性樹脂組成物を提供することができる点で、好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂および耐熱性エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む。エポキシ系樹脂中のビスフェノールA型エポキシ樹脂および耐熱性エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種の含有割合は、好ましくは50重量%〜100重量%であり、より好ましくは70重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは90重量%〜100重量%であり、特に好ましくは95重量%〜100重量%であり、最も好ましくは100重量%である。エポキシ系樹脂中のビスフェノールA型エポキシ樹脂および耐熱性エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種の含有割合が上記範囲内に収まることにより、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみが一層良く、他の被着体に対して一層十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る接着性樹脂組成物を提供することができる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA等の、ビスフェノールA類をグリシジル化したビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。
耐熱性エポキシ樹脂としては、例えば、高Tg骨格型エポキシ樹脂、多官能型エポキシ樹脂が挙げられる。
高Tg骨格型エポキシ樹脂としては、例えば、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂:ジフェニルスルフォン型エポキシ樹脂、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環族エポキサイド;などが挙げられる。
多官能型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、臭素化フェノールノボラック、臭素化ビスフェノールAノボラック等の、ノボラック類をグリシジル化したノボラック型エポキシ樹脂;多価フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂;グリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールをグリシジル化した脂肪族エーテル型エポキシ樹脂;4,4−ジアミノジフェニルメタンやm−アミノフェノール等のアミン化合物のグリシジル化物やトリグリシジルイソシアヌレート等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ジフェニルジアミノメタン型エポキシ樹脂;などが挙げられる。
本発明の接着性樹脂組成物において、ポリアミド系樹脂の含有量は、エポキシ系樹脂100重量部に対して、15重量部以上100重量部未満であり、好ましくは15重量部以上80重量部未満であり、より好ましくは20重量部以上70重量部未満であり、さらに好ましくは25重量部以上50重量部未満である。本発明の接着性樹脂組成物において、ポリアミド系樹脂の含有量が上記範囲内に収まることにより、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみが良く、他の被着体に対して十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る接着性樹脂組成物を提供することができる。
本発明の接着性樹脂組成物中の、ポリアミド系樹脂とエポキシ系樹脂の合計量の含有割合は、好ましくは50重量%〜99重量%であり、より好ましくは55重量%〜99重量%であり、さらに好ましくは65重量%〜97重量%であり、特に好ましくは70重量%〜97重量%である。本発明の接着性樹脂組成物中の、ポリアミド系樹脂とエポキシ系樹脂の合計量の含有割合が上記範囲内に収まることにより、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみが一層良く、他の被着体に対して一層十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る接着性樹脂組成物を提供することができる。
本発明の接着性樹脂組成物中には、ポリアミド系樹脂とエポキシ系樹脂以外に、粘着付与剤が含まれていても良い。粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、石油系樹脂、水酸基含有芳香族化合物(レゾルシン、カテコール等)などを挙げることができる。粘着付与剤の含有割合は、ポリアミド系樹脂とエポキシ系樹脂の合計量100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜20重量部であり、より好ましくは1重量部〜8重量部である。粘着付与剤の含有割合がポリアミド系樹脂とエポキシ系樹脂の合計量100重量部に対して0.1重量部未満の場合、接着力向上の効果が得難いおそれがある。粘着付与剤の含有割合がポリアミド系樹脂とエポキシ系樹脂の合計量100重量部に対して10重量部を超える場合、接着力が低下するおそれがある。
本発明の接着性樹脂組成物中には、ポリアミド系樹脂とエポキシ系樹脂以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の添加剤が含まれていても良い。このような添加剤としては、例えば、硬化剤、チクソ剤、充填剤、顔料、滑剤(例えば、ステアリン酸など)、安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、導電性付与剤、摺動性付与剤、界面活性剤、シランカップリング剤、発泡剤などが挙げられる。
本発明の接着性樹脂組成物は、それを硬化させて形成される接着テープの室温(25℃)における繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)に対するせん断接着力が、好ましくは2.0MPa〜100MPaであり、より好ましくは2.5MPa〜70.0MPaであり、さらに好ましくは3.0MPa〜50.0MPaであり、特に好ましくは3.5MPa〜30.0MPaである。本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される接着テープの室温(25℃)における繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)に対するせん断接着力が上記範囲内に収まることにより、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみが一層良く、他の被着体に対して一層十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る接着性樹脂組成物を提供することができる。
本発明の接着性樹脂組成物は、それを硬化させて形成される接着テープの室温(25℃)における炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)に対するせん断接着力が、好ましくは8.0MPa〜100MPaであり、より好ましくは8.5MPa〜70.0MPaであり、さらに好ましくは9.0MPa〜50.0MPaであり、特に好ましくは9.5MPa〜30.0MPaであり、最も好ましくは10.0MPa〜20.0MPaである。本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される接着テープの室温(25℃)における炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)に対するせん断接着力が上記範囲内に収まることにより、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)へのなじみが一層良く、他の被着体に対して一層十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る接着性樹脂組成物を提供することができる。
本発明の接着性樹脂組成物は、それを硬化させて形成される接着テープの室温(25℃)におけるガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)に対するせん断接着力が、好ましくは3.0MPa〜100MPaであり、より好ましくは3.3MPa〜70.0MPaであり、さらに好ましくは3.5MPa〜50.0MPaであり、特に好ましくは3.7MPa〜30.0MPaである。本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される接着テープの室温(25℃)におけるガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)に対するせん断接着力が上記範囲内に収まることにより、ガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)へのなじみが一層良く、他の被着体に対して一層十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る接着性樹脂組成物を提供することができる。
本発明の接着性樹脂組成物は、それを硬化させて形成される接着テープの80℃における繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)に対するせん断接着力が、好ましくは2.0MPa〜100MPaであり、より好ましくは2.2MPa〜70.0MPaであり、さらに好ましくは2.4MPa〜50.0MPaであり、特に好ましくは2.6MPa〜30.0MPaである。本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される接着テープの80℃における繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)に対するせん断接着力が上記範囲内に収まることにより、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみが一層良く、他の被着体に対して一層十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る接着性樹脂組成物を提供することができる。
本発明の接着性樹脂組成物は、それを硬化させて形成される接着テープの80℃における炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)に対するせん断接着力が、好ましくは5.0MPa〜100MPaであり、より好ましくは6.0MPa〜70.0MPaであり、さらに好ましくは7.0MPa〜50.0MPaであり、特に好ましくは8.0MPa〜30.0MPaであり、最も好ましくは9.0MPa〜20.0MPaである。本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される接着テープの80℃における炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)に対するせん断接着力が上記範囲内に収まることにより、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)へのなじみが一層良く、他の被着体に対して一層十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る接着性樹脂組成物を提供することができる。
本発明の接着性樹脂組成物は、それを硬化させて形成される接着テープの80℃におけるガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)に対するせん断接着力が、好ましくは2.0MPa〜100MPaであり、より好ましくは2.2MPa〜70.0MPaであり、さらに好ましくは2.4MPa〜50.0MPaであり、特に好ましくは2.6MPa〜30.0MPaである。本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される接着テープの80℃におけるガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)に対するせん断接着力が上記範囲内に収まることにより、ガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)へのなじみが一層良く、他の被着体に対して一層十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る接着性樹脂組成物を提供することができる。
本発明の接着性樹脂組成物は、それを硬化させて形成される接着テープの繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)に対するせん断接着力が、好ましくは、室温(25℃)で2.0MPa〜100MPaであって、且つ、80℃で2.0MPa〜100MPaであり、より好ましくは、室温(25℃)で2.5MPa〜70.0MPaであって、且つ、80℃で2.2MPa〜70.0MPaであり、さらに好ましくは室温(25℃)で3.0MPa〜50.0MPaであって、且つ、80℃で2.4MPa〜50.0MPaであり、特に好ましくは、室温(25℃)で3.5MPa〜30.0MPaであって、且つ、80℃で2.6MPa〜30.0MPaである。本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される接着テープの繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)に対するせん断接着力が、上記範囲内に収まることにより、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみがより一層良く、他の被着体に対してより一層十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る接着性樹脂組成物を提供することができる。
本発明の接着性樹脂組成物は、それを硬化させて形成される接着テープの炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)に対するせん断接着力が、好ましくは、室温(25℃)で8.0MPa〜100MPaであって、且つ、80℃で5.0MPa〜100MPaであり、より好ましくは、室温(25℃)で8.5MPa〜70.0MPaであって、且つ、80℃で6.0MPa〜70.0MPaであり、さらに好ましくは、室温(25℃)で9.0MPa〜50.0MPaであって、且つ、80℃で7.0MPa〜50.0MPaであり、特に好ましくは、室温(25℃)で9.5MPa〜30.0MPaであって、且つ、80℃で8.0MPa〜30.0MPaであり、最も好ましくは、室温(25℃)で10.0MPa〜20.0MPaであって、且つ、80℃で9.0MPa〜20.0MPaである。本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される接着テープの炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)に対するせん断接着力が、上記範囲内に収まることにより、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)へのなじみがより一層良く、他の被着体に対してより一層十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る接着性樹脂組成物を提供することができる。
本発明の接着性樹脂組成物は、それを硬化させて形成される接着テープのガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)に対するせん断接着力が、好ましくは、室温(25℃)で3.0MPa〜100MPaであって、且つ、80℃で2.0MPa〜100MPaであり、より好ましくは、室温(25℃)で3.3MPa〜70.0MPaであって、且つ、80℃で2.2MPa〜70.0MPaであり、さらに好ましくは、室温(25℃)で3.5MPa〜50.0MPaであって、且つ、80℃で2.4MPa〜50.0MPaであり、特に好ましくは、室温(25℃)で3.7MPa〜30.0MPaであって、且つ、80℃で2.6MPa〜30.0MPaである。本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される接着テープのガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)に対するせん断接着力が、上記範囲内に収まることにより、ガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)へのなじみがより一層良く、他の被着体に対してより一層十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る接着性樹脂組成物を提供することができる。
≪接着テープ≫
本発明の接着テープは、本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される。硬化の方法としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な方法を採用し得る。
本発明の接着テープは、例えば、任意の適切なセパレーター上に接着性樹脂組成物を塗布して硬化させることにより、シート状の接着テープとして得ることができる。セパレーターは使用時に剥離しても良い。
本発明の接着テープの厚みは、目的に応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。このような厚みとしては、例えば、好ましくは5μm〜5000μmであり、より好ましくは50μm〜2000μmであり、さらに好ましくは100μm〜1000μmであり、特に好ましくは200μm〜1000μmである。
≪基材付接着テープ≫
本発明の基材付接着テープは、基材層と本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される層を有する。
基材層としては、本発明の硬化を損なわない範囲で、任意の適切な基材層を採用し得る。このような基材層としては、例えば、不織布、ガラスクロス、合成樹脂不織布、プラスチック、カーボンクロスなどが挙げられる。基材層を導入することによってテープ取扱い性の向上や硬化後接着層厚みの確保などの点で有用性がある。
基材層としては、柔軟性や耐熱性の点で、ポリエステル不織布やビニロン不織布等の不織布を用いることが好ましく、ポリエステル不織布を用いることがより好ましい。基材層として不織布を用いる場合、その目付は、本発明の効果をより効果的に発現し得る点で、好ましくは10g/m〜300g/mであり、より好ましくは20g/m〜100g/mである。
基材層の厚みは、目的に応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。このような厚みとしては、例えば、好ましくは10μm〜2000μmであり、より好ましくは50μm〜1000μmであり、さらに好ましくは100μm〜500μmであり、特に好ましくは200μm〜400μmである。
本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される層は、本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される。硬化の方法としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な方法を採用し得る。
本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される層は、例えば、任意の適切なセパレーター上に接着性樹脂組成物を塗布して硬化させることにより、層として得ることができる。その後、本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される層のセパレーターが存在しない側を基材層に貼り付けることで本発明の基材付接着テープを得ることができる。セパレーターは使用時に剥離しても良い。
本発明の基材付接着テープは、基材層上に接着性樹脂組成物を塗布して硬化させることによって得ることもできる。
本発明の基材付接着テープの厚みは、目的に応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。このような厚みとしては、例えば、好ましくは10μm〜5000μmであり、より好ましくは50μm〜2000μmであり、さらに好ましくは100μm〜1000μmであり、特に好ましくは200μm〜1000μmである。
≪複合物品≫
(本発明の接着性樹脂組成物を有する複合物品)
本発明の第1の複合物品は、本発明の接着性樹脂組成物を繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)表面上に有する。この複合物品は、好ましくは、本発明の接着性樹脂組成物を繊維強化熱可塑性プラスチック表面上に形成したものであり、例えば、プレス、射出成型などによって成型した繊維強化熱可塑性プラスチックの表面の全体もしくは一部に対して該接着性樹脂組成物を塗布、貼着、ラミネート等することによって、繊維強化熱可塑性プラスチック表面上に接着樹脂組成物層を形成する。本発明の第1の複合物品が有する繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)としては、例えば、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)、ガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)などが挙げられ、本発明の効果をより一層発現し得る点で、好ましくは、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)である。炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)としては、任意の適切な炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)を採用し得る。このような炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)としては、例えば、PA66系炭素繊維強化熱可塑性プラスチック、PPS系炭素繊維強化熱可塑性プラスチック、TPU系炭素繊維強化熱可塑性プラスチック、PP系炭素繊維強化熱可塑性プラスチックなどが挙げられる。また、ガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)としては、任意の適切なガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)を採用し得る。このようなガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)としては、例えば、PP系ガラス繊維強化熱可塑性プラスチックなどが挙げられる。なお、必要に応じて、繊維強化熱可塑性プラスチック表面上に、予め、表面研磨(サンドペーパー処理、サンドブラスト処理など)、プラズマ処理、コロナ処理、プライマー処理等を施しておくこともできる。
サンドブラスト処理は、研磨剤(メディア)を処理対象に衝突させることによる表面加工方法であり、乾式、湿式などの手法がある。接着部へのサンドブラスト処理としては、作業性の観点から、乾式が好ましい。研磨剤としては、例えば、樹脂ビーズ等を用いたソフトタイプ、金属やセラミックなどを用いたハードタイプなどが挙げられる。このような研磨剤の中でも、本発明においては、加工性、耐食性の観点から、ホワイトアルミナ等のセラミック系研磨剤が好ましい。研磨剤の番手としては、好ましくは#22〜#2000である。サンドブラスト処理において、投射圧力、処理対象物との距離については、均一に加工できる条件を任意に設定できる。
プラズマは、気体状態の物質にさらにエネルギーを与えることで電離して生成される第4の状態である。プラズマ中には、荷電粒子であるイオンと電気的に中性な活性種であるラジカルが存在している。これらの粒子や活性種が固体表面と衝突し、物理的反応および化学的反応を起こすことにより、エッチングや表面改質が可能となる。これがプラズマ処理である。プラズマ処理には、低気圧プラズマ、大気圧プラズマなどが用いられる。このようなプラズマの中でも、真空容器や排気装置などの真空装置を必要としないために処理時間が短縮できる点や、複雑大型形状の部品の処理に有効な点で、大気圧プラズマが好ましい。また、大気圧プラズマは、低気圧プラズマと比較して、原料ガス分子の量が多いため、非常に高密度のプラズマの生成が可能であり、エッチングや表面改質における高速処理プロセスが期待できる。大気圧プラズマを用いるプラズマ処理の装置の例としては、例えば、富士機械製造製のFPE20大気圧プラズマ処理装置などが挙げられる。プラズマ処理速度としては、作業時間短縮のために高速での処理が望まれ、好ましくは1mm/sec〜500mm/secである。照射距離としては、処理物品に干渉しない程度の距離を安定的に確保する必要があり、好ましくは1mm〜20mmである。
本発明の第1の複合物品内においては、本発明の接着性樹脂組成物の繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみをより顕著に発現させるために、本発明の接着性樹脂組成物および/または繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)の表面(互いに接する側の表面)に、プラズマ処理、プライマー処理を行うことが好ましく、プライマー処理を行うことがより好ましい。
(本発明の接着テープを有する複合物品)
本発明の第2の複合物品は、本発明の接着テープが繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)表面に配置されたものである。この複合物品は、好ましくは、本発明の接着テープを繊維強化熱可塑性プラスチック表面上に積層したものであり、例えば、プレス、射出成型などによって成型した繊維強化熱可塑性プラスチックの表面の全体もしくは一部に対して該接着テープを貼着、ラミネート等することによって、繊維強化熱可塑性プラスチック表面上に接着テープを配置する。本発明の第2の複合物品が有する繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)としては、例えば、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)、ガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)などが挙げられ、本発明の効果をより一層発現し得る点で、好ましくは、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)である。炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)としては、任意の適切な炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)を採用し得る。このような炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)としては、例えば、PA66系炭素繊維強化熱可塑性プラスチック、PPS系炭素繊維強化熱可塑性プラスチック、TPU系炭素繊維強化熱可塑性プラスチック、PP系炭素繊維強化熱可塑性プラスチックなどが挙げられる。また、ガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)としては、任意の適切なガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)を採用し得る。このようなガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)としては、例えば、PP系ガラス繊維強化熱可塑性プラスチックなどが挙げられる。なお、必要に応じて、繊維強化熱可塑性プラスチック表面上に、予め、表面研磨(サンドペーパー処理、サンドブラスト処理など)、プラズマ処理、コロナ処理、プライマー処理等を施しておくこともできる。
本発明の第2の複合物品内においては、本発明の接着テープの繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみをより顕著に発現させるために、本発明の接着テープおよび/または繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)の表面(互いに接する側の表面)に、プラズマ処理、プライマー処理を行うことが好ましく、プライマー処理を行うことがより好ましい。
(本発明の基材付接着テープを有する複合物品)
本発明の第3の複合物品は、本発明の基材付接着テープが、該基材付接着テープの基材層と反対側が繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)表面側に向くように配置されたものである。この複合物品は、好ましくは、本発明の基材付接着テープの基材層と反対側を繊維強化熱可塑性プラスチック表面上に積層したものであり、例えば、プレス、射出成型などによって成型した繊維強化熱可塑性プラスチックの表面の全体もしくは一部に対して該基材付接着テープの基材層と反対側を貼着、ラミネート等することによって、繊維強化熱可塑性プラスチック表面上に基材付接着テープを配置する。本発明の第3の複合物品が有する繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)としては、例えば、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)、ガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)などが挙げられ、本発明の効果をより一層発現し得る点で、好ましくは、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)である。炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)としては、任意の適切な炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)を採用し得る。このような炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)としては、例えば、PA66系炭素繊維強化熱可塑性プラスチック、PPS系炭素繊維強化熱可塑性プラスチック、TPU系炭素繊維強化熱可塑性プラスチック、PP系炭素繊維強化熱可塑性プラスチックなどが挙げられる。また、ガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)としては、任意の適切なガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)を採用し得る。このようなガラス繊維強化熱可塑性プラスチック(GFRTP)としては、例えば、PP系ガラス繊維強化熱可塑性プラスチックなどが挙げられる。なお、必要に応じて、繊維強化熱可塑性プラスチック表面上に、予め、表面研磨(サンドペーパー処理、サンドブラスト処理など)、プラズマ処理、コロナ処理、プライマー処理等を施しておくこともできる。
本発明の第3の複合物品内においては、本発明の基材付接着テープの繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみをより顕著に発現させるために、本発明の基材付接着テープおよび/または繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)の表面(互いに接する側の表面)に、プラズマ処理、プライマー処理を行うことが好ましく、プライマー処理を行うことがより好ましい。
(プライマー処理)
本発明の第1、第2、第3の複合物品内において、プライマー処理のために用い得るプライマーとしては、本発明の接着性樹脂組成物の繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみ、本発明の接着テープの繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみ、本発明の基材付接着テープの繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみをより顕著に発現させ得るものであれば、任意の適切なプライマーを採用し得る。このようなプライマーの中でも、本発明の接着性樹脂組成物の繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみ、本発明の接着テープの繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみ、本発明の基材付接着テープの繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみを非常に顕著に発現させ得る点で、フェノール類を含むアルコール溶液からなるプライマー、シラン化合物とアルコールを含むプライマー、塩素化ポリプロピレンとトルエン溶液を含むプライマーが好ましい。特に、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)がPA系繊維強化熱可塑性プラスチックの場合には、フェノール類を含むアルコール溶液からなるプライマー、シラン化合物とアルコールを含むプライマーが好ましく、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)がPP系繊維強化熱可塑性プラスチックの場合には、塩素化ポリプロピレンとトルエン溶液を含むプライマーが好ましい。
フェノール類を含むアルコール溶液からなるプライマーを採用する場合、本発明の接着性樹脂組成物の繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみ、本発明の接着テープの繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみ、本発明の基材付接着テープの繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみを極めて顕著に発現させ得る点で、該プライマー中のフェノール類の含有割合が、好ましくは1重量%〜80重量%であり、より好ましくは3重量%〜60重量%であり、さらに好ましくは5重量%〜50重量%であり、特に好ましくは7重量%〜40重量%であり、最も好ましくは10重量%〜30重量%である。
フェノール類を含むアルコール溶液からなるプライマーを採用する場合、本発明の接着性樹脂組成物の繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみ、本発明の接着テープの繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみ、本発明の基材付接着テープの繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみを極めて顕著に発現させ得る点で、該プライマー中のフェノール類は、具体的には、1,3−ジヒドロキシベンゼンが好ましい。
プライマー処理の方法としては、本発明の効果を十分に発現させ得る方法であれば、任意の適切な方法を採用し得る。このような方法としては、例えば、下記のような方法が挙げられる。
本発明の第1の複合物品を得る場合、本発明の接着性樹脂組成物および/または繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)の表面(互いに接する側の表面)に、プライマーを、刷毛塗り、ワイピング、ディッピング、スプレーなどによって塗布し、必要に応じて乾燥することによって、プライマー処理を行う。その後に、少なくとも一方がプライマー処理された本発明の接着性樹脂組成物と繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)とを、塗布(この場合は、プライマー処理された繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)にプライマー処理されていない本発明の接着性樹脂組成物を塗布)、貼着、ラミネート等することによって、積層構造体とする。
本発明の第2の複合物品を得る場合、本発明の接着テープおよび/または繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)の表面(互いに接する側の表面)に、プライマーを、刷毛塗り、ワイピング、ディッピング、スプレーなどによって塗布し、必要に応じて乾燥することによって、プライマー処理を行う。その後に、少なくとも一方がプライマー処理された本発明の接着テープと繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)とを、貼着、ラミネート等することによって、積層構造体とする。
本発明の第3の複合物品を得る場合、本発明の基材付接着テープおよび/または繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)の表面(互いに接する側の表面)に、プライマーを、刷毛塗り、ワイピング、ディッピング、スプレーなどによって塗布し、必要に応じて乾燥することによって、プライマー処理を行う。その後に、少なくとも一方がプライマー処理された本発明の基材付接着テープと繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)とを、貼着、ラミネート等することによって、積層構造体とする。
<せん断接着力>
エンドレスベルト♯60を取り付けた卓上ベルトサンダーで表面研磨後、イソプロピルアルコールで清拭した25mm幅×100mm長さのFRTP板材(TEPEX dynalite201−C200(PA66系炭素繊維、2mm厚さ)、TEPEX dynalite207−C200(PPS系炭素繊維、2mm厚さ)、TEPEX dynalite208−C200(TPU系炭素繊維、1mm厚さ)、TEPEX dynalite104−RG600(PP系ガラス繊維、2mm厚さ)のいずれか)を2枚準備した。
プライマー処理をしたFRTP板材を用いる場合は、上記のFRTP板材に、紙製ウエスに含浸させた各種プライマーを塗布し、25℃雰囲気下で30分間放置した。
プライマーとしては、RC−1017(塩素化ポリプロピレンとトルエン溶液を含むプライマー、LORD FAR EAST INC.製)、AP−134(シラン化合物とアルコールを含むプライマー、LORD FAR EAST INC.製)、プライマー(1)(メタノール40重量%、エタノール20重量%、イソプロピルアルコール20重量%、1,3−ジヒドロキシベンゼン20重量%の組成で調整したアルコール溶液)を用いた。
プラズマ処理をしたFRTP板材を用いる場合は、上記のFRTP板材に、富士機械製造製のFPE20大気圧プラズマ処理装置を使用し、窒素ガス流量=30L/min、酸素ガス流量=20L/min、照射距離=10mmで、被着体端部20mmの部分を1回処理した。
プラズマ処理を実施する場合の照射速度は、TEPEX dynalite201−C200(PA66系炭素繊維、2mm厚さ)については11mm/sec、TEPEX dynalite207−C200(PPS系炭素繊維、2mm厚さ)については25mm/sec、TEPEX dynalite208−C200(TPU系炭素繊維、1mm厚さ)については66mm/sec、TEPEX dynalite104−RG600(PP系ガラス繊維、2mm厚さ)については100mm/secとした。
サンドブラスト処理をしたFRTP板材を用いる場合は、ベルトサンダーでの表面研磨の代わりに、研磨剤(フジランダムWA(ホワイトアランダム))を、圧力0.5MPa、距離100mmで噴射し、表面が均一になるまで研磨した。研磨剤のサイズによって、#24では被着体表面に最大60μm程度の凹凸が、#100では被着体表面に最大16μm程度の凹凸が、#220では被着体表面に最大12μm程度の凹凸が被着体表面に形成されていることが確認された。表面研磨後はイソプロピルアルコールで清拭した。
次に、各実施例および各比較例で得られた接着テープを25mm幅×12.5mm長さに切断した。
上記2枚のFRTP板材を、それぞれの端部から25mm幅×12.5mm長さにおいて重なるように、上記接着テープを用いて、20℃雰囲気下で2kg×5sec荷重をかけて貼着し、紙クリップで固定した。その後、150℃で20分加熱することにより、接着テープを硬化させ、試験片を作製した。
試験片を室温(25℃)まで冷却後、試験片の両側端部から40mm部分でチャックし、試験速度5mm/minで引っ張り試験を実施し、最大のせん断接着力を測定した。80℃でのせん断接着力は試験片を80℃雰囲気下に30min放置後、80℃雰囲気下で同様に測定を実施した。
〔実施例1〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(グレード:834、三菱化学製):60重量部、ポリアミド樹脂(グレード:TXM−272、カルボキシル基とアミノ基の両方を有する脂肪酸変性ポリアミド系樹脂、融点:111℃、株式会社T&K TOKA製):40重量部、硬化剤(DCMU99、保土谷化学製):2重量部、硬化剤(DDA50、CVC Thermoset Specialties製):5重量部を配合し、これをミキシングロールで混練することにより、樹脂組成物(1)を混練物として調製した。
次いで、得られた樹脂組成物(1)を、プレス成形機により剥離紙に挟んだ状態で厚さ0.2mmに圧延して樹脂層を形成した。その後、樹脂層の片面の剥離紙を剥がし、不織布基材(ポリエステル系スパンレース、目付=37.5g/m、厚さ=0.28mm)の両側に樹脂層を貼り合わせて再度プレス成型機にて0.5mmに圧延し、基材付接着テープ(1A)を得た。
結果を表1に示す。
〔実施例2〕
樹脂組成物を得るための材料の配合割合を表1のように変更した以外は、実施例1と同様に行い、樹脂組成物(2)を混練物として調製した。
次いで、得られた樹脂組成物(2)を、プレス成形機により剥離紙に挟んだ状態で厚さ0.2mmに圧延して樹脂層を形成した。その後、樹脂層の片面の剥離紙を剥がし、不織布基材(ポリエステル系スパンレース、目付=37.5g/m、厚さ=0.28mm)の両側に樹脂層を貼り合わせて再度プレス成型機にて0.5mmに圧延し、基材付接着テープ(2A)を得た。
結果を表1に示す。
〔実施例3〕
樹脂組成物を得るための材料の配合割合を表1のように変更した以外は、実施例1と同様に行い、樹脂組成物(3)を混練物として調製した。
次いで、得られた樹脂組成物(3)を、プレス成形機により剥離紙に挟んだ状態で厚さ0.2mmに圧延して樹脂層を形成した。その後、樹脂層の片面の剥離紙を剥がし、不織布基材(ポリエステル系スパンレース、目付=37.5g/m、厚さ=0.28mm)の両側に樹脂層を貼り合わせて再度プレス成型機にて0.5mmに圧延し、基材付接着テープ(3A)を得た。
結果を表1、表3に示す。
〔実施例4〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(グレード:834、三菱化学製):50重量部、ジフェニルジアミノメタン型エポキシ樹脂(グレード:JER604、三菱化学製):20重量部、ポリアミド樹脂(グレード:TXM−272、カルボキシル基とアミノ基の両方を有する脂肪酸変性ポリアミド系樹脂、融点:111℃、株式会社T&K TOKA製):30重量部、硬化剤(DCMU99、保土谷化学製):2重量部、硬化剤(DDA50、CVC Thermoset Specialties製):5重量部を配合し、これをミキシングロールで混練することにより、樹脂組成物(4)を混練物として調製した。
次いで、得られた樹脂組成物(4)を、プレス成形機により剥離紙に挟んだ状態で厚さ0.2mmに圧延して樹脂層を形成した。その後、樹脂層の片面の剥離紙を剥がし、不織布基材(ポリエステル系スパンレース、目付=37.5g/m、厚さ=0.28mm)の両側に樹脂層を貼り合わせて再度プレス成型機にて0.5mmに圧延し、基材付接着テープ(4A)を得た。
結果を表1、表4に示す。
〔実施例5〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(グレード:834、三菱化学製):50重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(グレード:YDCN704、新日鉄住金化学製):20重量部、ポリアミド樹脂(グレード:TXM−272、カルボキシル基とアミノ基の両方を有する脂肪酸変性ポリアミド系樹脂、融点:111℃、株式会社T&K TOKA製):30重量部、硬化剤(DCMU99、保土谷化学製):2重量部、硬化剤(DDA50、CVC Thermoset Specialties製):5重量部を配合し、これをミキシングロールで混練することにより、樹脂組成物(5)を混練物として調製した。
次いで、得られた樹脂組成物(5)を、プレス成形機により剥離紙に挟んだ状態で厚さ0.2mmに圧延して樹脂層を形成した。その後、樹脂層の片面の剥離紙を剥がし、不織布基材(ポリエステル系スパンレース、目付=37.5g/m、厚さ=0.28mm)の両側に樹脂層を貼り合わせて再度プレス成型機にて0.5mmに圧延し、基材付接着テープ(5A)を得た。
結果を表1、表5、表6、表7に示す。
なお、樹脂組成物(5)に粘着付与剤を加えた場合のせん断接着力の評価については、上記樹脂組成物(5)の組成にさらに5重量部の粘着付与剤(レゾルシン(住友化学製)またはカテコール(東京化成製))を加えて評価した。
〔実施例6〕
樹脂組成物を得るための材料の配合割合を表1のように変更した以外は、実施例4と同様に行い、樹脂組成物(6)を混練物として調製した。
次いで、得られた樹脂組成物(6)を、プレス成形機により剥離紙に挟んだ状態で厚さ0.2mmに圧延して樹脂層を形成した。その後、樹脂層の片面の剥離紙を剥がし、不織布基材(ポリエステル系スパンレース、目付=37.5g/m、厚さ=0.28mm)の両側に樹脂層を貼り合わせて再度プレス成型機にて0.5mmに圧延し、基材付接着テープ(6A)を得た。
結果を表1に示す。
〔実施例7〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(グレード:834、三菱化学製):70重量部、ポリアミド樹脂(グレード:PA−201、脂肪酸変性ポリアミド系樹脂、融点:122℃、株式会社T&K TOKA製):30重量部、硬化剤(DCMU99、保土谷化学製):2重量部、硬化剤(DDA50、CVC Thermoset Specialties製):5重量部を配合し、これをミキシングロールで混練することにより、樹脂組成物(7)を混練物として調製した。
次いで、得られた樹脂組成物(7)を、プレス成形機により剥離紙に挟んだ状態で厚さ0.2mmに圧延して樹脂層を形成した。その後、樹脂層の片面の剥離紙を剥がし、不織布基材(ポリエステル系スパンレース、目付=37.5g/m、厚さ=0.28mm)の両側に樹脂層を貼り合わせて再度プレス成型機にて0.5mmに圧延し、基材付接着テープ(7A)を得た。
結果を表1に示す。
〔実施例8〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(グレード:834、三菱化学製):70重量部、ポリアミド樹脂(グレード:PA−201、脂肪酸変性ポリアミド系樹脂、融点:122℃、株式会社T&K TOKA製):30重量部、硬化剤(DCMU99、保土谷化学製):2重量部、硬化剤(DDA50、CVC Thermoset Specialties製):5重量部を配合し、これをミキシングロールで混練することにより、樹脂組成物(8)を混練物として調製した。
次いで、得られた樹脂組成物(8)を、プレス成形機により剥離紙に挟んだ状態で厚さ0.5mmに圧延して、基材を有さない接着テープ(8B)を得た。
結果を表1に示す。
〔比較例1〕
樹脂組成物を得るための材料の配合割合を表2のように変更した以外は、実施例1と同様に行い、樹脂組成物(C1)を混練物として調製した。
次いで、得られた樹脂組成物(C1)を、プレス成形機により剥離紙に挟んだ状態で厚さ0.2mmに圧延して樹脂層を形成した。その後、樹脂層の片面の剥離紙を剥がし、不織布基材(ポリエステル系スパンレース、目付=37.5g/m、厚さ=0.28mm)の両側に樹脂層を貼り合わせて再度プレス成型機にて0.5mmに圧延し、基材付接着テープ(C1A)を得た。
結果を表2に示す。
〔比較例2〕
樹脂組成物を得るための材料の配合割合を表2のように変更した以外は、実施例1と同様に行い、樹脂組成物(C2)を混練物として調製した。
次いで、得られた樹脂組成物(C2)を、プレス成形機により剥離紙に挟んだ状態で厚さ0.2mmに圧延して樹脂層を形成した。その後、樹脂層の片面の剥離紙を剥がし、不織布基材(ポリエステル系スパンレース、目付=37.5g/m、厚さ=0.28mm)の両側に樹脂層を貼り合わせて再度プレス成型機にて0.5mmに圧延し、基材付接着テープ(C2A)を得た。
結果を表2に示す。
〔比較例3〕
樹脂組成物を得るための材料の配合割合を表2のように変更した以外は、実施例1と同様に行い、樹脂組成物(C3)を混練物として調製した。
次いで、得られた樹脂組成物(C3)を、プレス成形機により剥離紙に挟んだ状態で厚さ0.2mmに圧延して樹脂層を形成した。その後、樹脂層の片面の剥離紙を剥がし、不織布基材(ポリエステル系スパンレース、目付=37.5g/m、厚さ=0.28mm)の両側に樹脂層を貼り合わせて再度プレス成型機にて0.5mmに圧延し、基材付接着テープ(C3A)を得た。
結果を表2に示す。
〔比較例4〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(グレード:1004、三菱化学製):30重量部、ゴム変性エポキシ樹脂(グレード:EPR1309、ADEKA製):70重量部、硬化剤(DCMU99、保土谷化学製):2重量部、硬化剤(DDA50、CVC Thermoset Specialties製):5重量部を配合し、これをミキシングロールで混練することにより、樹脂組成物(C4)を混練物として調製した。
次いで、得られた樹脂組成物(C4)を、プレス成形機により剥離紙に挟んだ状態で厚さ0.2mmに圧延して樹脂層を形成した。その後、樹脂層の片面の剥離紙を剥がし、不織布基材(ポリエステル系スパンレース、目付=37.5g/m、厚さ=0.28mm)の両側に樹脂層を貼り合わせて再度プレス成型機にて0.5mmに圧延し、基材付接着テープ(C4A)を得た。
結果を表2に示す。
Figure 0006725206
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表1、2から判るように、本発明の接着性樹脂組成物、本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される接着テープ、基材層と本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される層を有する基材付接着テープは、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみが良く、他の被着体に対して十分な接着強度を発現できる接着剤として用い得る。そして、本発明の接着性樹脂組成物、接着テープ、および基材付接着テープのいずれかと繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)を含む複合物品を提供し得る。
また、表3〜7から判るように、プライマー処理、サンドブラスト処理、プラズマ処理を行うことや、粘着付与剤を添加することにより、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)へのなじみがより顕著に発現することが判る。
本発明の接着性樹脂組成物、本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される接着テープ、基材層と本発明の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される層を有する基材付接着テープは、例えば、鉄道車両、航空機、船舶、自動車などの輸送機器に用いられる軽量材料に対する接着剤や接着テープとして好適である。したがって、例えば、本発明の接着性樹脂組成物、接着テープ、および基材付接着テープのいずれかと近年応用範囲が広がっている炭素繊維強化熱可塑性プラスチック(CFRTP)を含む、優れた材料となり得る複合物品を提供することが可能となる。

Claims (10)

  1. ポリアミド系樹脂とエポキシ系樹脂を含む混錬物であり、圧延して硬化させることで厚みが100μm〜1000μmの接着テープを形成可能な接着性樹脂組成物であって、
    該ポリアミド系樹脂が、脂肪酸変性ポリアミド系樹脂であり、
    該脂肪酸変性ポリアミド系樹脂の融点が、80℃〜160℃であり、
    該ポリアミド系樹脂の含有量が、該エポキシ系樹脂100重量部に対して、15重量部以上100重量部未満であり、
    該接着性樹脂組成物中の、該ポリアミド系樹脂と該エポキシ系樹脂の合計量の含有割合が50重量%〜99重量%である、接着性樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ系樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂および耐熱性エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の接着性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される接着テープ。
  4. 基材層と請求項1または2に記載の接着性樹脂組成物を硬化させて形成される層を有する基材付接着テープ。
  5. 請求項1または2に記載の接着性樹脂組成物を繊維強化熱可塑性プラスチック表面上に有する複合物品。
  6. 前記接着性樹脂組成物の前記繊維強化熱可塑性プラスチック側の表面と前記繊維強化熱可塑性プラスチックの前記接着性樹脂組成物側の表面との少なくとも一方が、プライマー処理、サンドブラスト処理、およびプラズマ処理から選ばれる少なくとも1種が施されている、請求項5に記載の複合物品。
  7. 請求項3に記載の接着テープが繊維強化熱可塑性プラスチック表面に配置された複合物品。
  8. 前記接着テープの前記繊維強化熱可塑性プラスチック側の表面と前記繊維強化熱可塑性プラスチックの前記接着テープ側の表面との少なくとも一方が、プライマー処理、サンドブラスト処理、およびプラズマ処理から選ばれる少なくとも1種が施されている、請求項7に記載の複合物品。
  9. 請求項4に記載の基材付接着テープが、該基材付接着テープの基材層と反対側が繊維強化熱可塑性プラスチック表面側に向くように配置された複合物品。
  10. 前記基材付接着テープの前記繊維強化熱可塑性プラスチック側の表面と前記繊維強化熱可塑性プラスチックの前記基材付接着テープ側の表面との少なくとも一方が、プライマー処理、サンドブラスト処理、およびプラズマ処理から選ばれる少なくとも1種が施されている、請求項9に記載の複合物品。
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