JP6724886B2 - 虚像表示装置 - Google Patents

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Description

この明細書による開示は、虚像を表示する虚像表示装置に関する。
従来、車両の前景に虚像を重畳表示するヘッドアップディスプレイ装置の一種として、例えば特許文献1には、車両に生じる姿勢変化を特定し、液晶パネル及びバックライト等の向きを回転機構によって変更する構成が開示されている。特許文献1に開示の構成は、車両の姿勢変化に基づき上り坂及び下り坂等を特定し、上り坂及び下り坂にて虚像の表示位置を上下に移動させることができる。加えて、特許文献1のヘッドアップディスプレイ装置は、姿勢変化の周波数等に基づき車両が悪路を走行中か否かを特定し、車両が悪路を走行中であると特定した場合には、虚像の表示を禁止する。
特開2015‐132352号公報
上述したように、特許文献1のヘッドアップディスプレイ装置では、悪路の走行中に伴う高周波帯域の姿勢変化が車両に生じる場合に、虚像の表示の中断により、乗員へ向けた情報提示が継続されなくなる。そのため、悪路を走行中であっても、虚像表示による情報提示を継続する構成が検討された。
しかし、特許文献1の回転機構は、上り坂及び下り坂等にて生じる低周波帯域の姿勢変化に起因する虚像の位置ずれ低減を目的とした構成である。故に、悪路を走行中に虚像の表示を継続させても、回転機構は、虚像の表示位置を高周波帯域の姿勢変化に追従させる作動を行うことが困難となる。その結果、虚像の表示位置の補正が適切に機能せず、虚像の正しい重畳表示が、実現され得なかった。
本開示は、高周波帯域の姿勢変化が車両に生じる場合でも、虚像の正しい重畳表示を継続可能な虚像表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、開示された一つの態様は、車両(A)に規定された投影領域(PA)への表示光像(Oi)の投影によって車両の前景に虚像(Vi)を重畳表示する虚像表示装置であって、車両に生じる姿勢変化のうちで低周波帯域(LBA)の姿勢変化情報を取得する低周波情報取得部(61)と、車両の生じる姿勢変化のうちで低周波帯域よりも周波数の高い高周波帯域(HB)の姿勢変化情報を取得する高周波情報取得部(32)と、表示光像の映像データ(PS)であり、低周波帯域の姿勢変化に起因する虚像の位置ずれを低減させる補正が施された映像データを、低周波帯域の姿勢変化情報を用いて描画する映像描画部(67)と、映像データから生成された表示光像を、投影領域に投影する投影光学ユニット(50)と、高周波帯域の姿勢変化に起因する虚像の位置ずれが低減されるように、投影光学ユニットに含まれる少なくとも一部の光学要素(54,351)を、高周波帯域の姿勢変化情報に基づき変位させる光学補正機構(55)と、を備える虚像表示装置とされる。
また開示された一つの態様は、車両(A)に規定された投影領域(PA)への表示光像(Oi)の投影によって車両の前景に虚像(Vi)を重畳表示する虚像表示装置であって、車両の生じる姿勢変化のうちで高周波帯域(HB)の姿勢変化情報を取得する高周波情報取得部(32)と、車両の生じる姿勢変化のうちで高周波帯域よりも周波数の低い低周波帯域(LBA)の姿勢変化情報を用いて描画される映像データ(PS)であって、低周波帯域の姿勢変化に起因する虚像の位置ずれを低減させる補正が施された映像データ、を取得する映像取得部(41)と、映像データから生成された表示光像を、投影領域に投影する投影光学ユニット(50)と、高周波帯域の姿勢変化に起因する虚像の位置ずれが低減されるように、投影光学ユニットに含まれる少なくとも一部の光学要素(54,351)を、高周波帯域の姿勢変化情報に基づき変位させる光学補正機構(55)と、を備える虚像表示装置とされる。
これらの態様では、車両に生じる姿勢変化のうちで、低周波帯域の姿勢変化に起因する虚像の位置ずれは、映像データを描画する段階において予め補正される。故に、投影光学ユニットの光学要素を変位させる光学補正機構は、低周波帯域の姿勢変化に起因する虚像の位置ずれを実質的に補正しなくてもよい。以上によれば、光学補正機構は、高周波帯域の姿勢変化に起因する虚像の位置ずれ低減に好適な構成となり得る。そのため、光学補正機構は、高周波帯域の姿勢変化に、光学要素を変位させる光学的な補正を追従させて、虚像の位置ずれを効果的に低減できる。したがって、高周波帯域の姿勢変化が車両に生じる場合でも、虚像表示装置は、虚像の正しい重畳表示を継続できる。
尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
本開示の第一実施形態による虚像表示装置を含む車載システムの全体像を示すブロック図である。 車両に生じる姿勢変化の振動特性を示す図であって、高周波帯域及び低周波帯域の各範囲の一例を示す図である。 各周波数帯域を計測する信号について、周波数とゲインとの相関の一例を模式的に示す図である。 HUDの詳細を示す図であって、光学補正機構及び補正光学素子の協働による光学的な補正処理を説明する図である。 車両に姿勢変化が生じていない場合での虚像表示の一例を示す図である。 光学補正機構による虚像の位置ずれ低減補正の効果を示す図である。 第二実施形態による虚像表示装置を示す図である。 DLP制御基板及びDLPプロジェクタの詳細を示す図である。 第三実施形態による虚像表示装置を示す図である。
以下、本開示の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。
(第一実施形態)
図1に示す本開示の第一実施形態による虚像表示装置100は、車両Aにおいて用いられる。虚像表示装置100は、車両Aの前景に重畳表示される虚像Viを用いたAR(Augmented Reality)表示により、車両Aに関連する種々の情報を運転者に提示する。虚像表示装置100は、車載ネットワークの通信バス29を介して、他の車載構成と相互に通信可能である。通信バス29には、外界センサ21、ロケータ22、3次元地図データベース23、ハイトセンサ24、車両制御ユニット26等が直接的又は間接的に電気接続されている。
外界センサ21は、歩行者及び他の車両等の移動物体、さらに路上の縁石、道路標識、道路標示、及び区画線等の静止物体を検出する。これら移動物体及び静止物体の少なくとも一部は、虚像Viの重畳表示による注意喚起の対象とされる。外界センサ21には、例えばカメラユニット、ライダ及びミリ波レーダ等が含まれている。外界センサ21は、検出した移動物体及び静止物体の相対位置及び種別等を示す物体情報を、通信バス29に逐次出力する。
ロケータ22は、GPS、GLONASS、Galileo、IRNSS、QZSS、Beidou等の衛星測位システムのうちで、少なくとも一つの衛星測位システムの各測位衛星から、測位信号を受信可能である。ロケータ22は、受信した測位信号に基づき、車両Aの位置を計測する。ロケータ22は、計測した車両Aの位置情報を通信バス29へ向けて逐次出力する。尚、ロケータ22は、位置情報を補正するための慣性センサを有していてもよい。
3次元地図データベース(以下、「3次元地図DB」)23は、多数の3次元地図データを格納した大容量の記憶媒体を主体とする構成である。3次元地図データは、例えば自動運転を可能にするような高精度な地図データであって、道路の緯度、経度、高度を示す情報を含んでいる。3次元地図DB23は、ネットワークを通じて、3次元地図データを最新の情報に更新可能である。3次元地図DB23は、虚像表示装置100からの要求に応じて、車両Aの周辺及び進行方向の3次元地図データを虚像表示装置100に提供可能である。
ハイトセンサ24は、車両Aが置かれた路面からボディまでの高さを計測するため、車両Aに生じる上下方向の変位を検出するセンサである。ハイトセンサ24は、例えば左右いずれか一方のリヤサスペンションに設置されている。ハイトセンサ24は、ボディに懸架されたサスペンションアームの動作によって上下方向に変位する特定の車輪について、ボディに対する沈み込み量を計測する。具体的に、ハイトセンサ24は、ボディとサスペンションアームとの間の相対距離を計測し、通信バス29に計測結果を逐次出力する。
車両制御ユニット26は、マイクロコントローラを主体に構成された演算装置である。車両制御ユニット26は、外界センサ21にて検出される物体情報、及び運転者の運転操作等に基づいて、車両Aの挙動を制御する。車両制御ユニット26には、アクセルポジションセンサ及びブレーキ踏力センサ等を含むペダルセンサ25が電気的に接続されている。車両制御ユニット26は、ペダルセンサ25の検出信号に基づき、車両Aに発生させる前後方向の加速度、即ち、車軸トルク及びブレーキ力を制御する。加えて車両制御ユニット26は、運転者の加減速操作及び路面の凹凸等の外乱に伴う車両Aの振動が抑制されるように、車軸トルク及びブレーキ力をフィードフォワード制御する。車両制御ユニット26は、フィードフォワード制御における車軸トルク及びブレーキ力の各目標値を、制御情報として通信バス29に逐次出力する。
虚像表示装置100は、描画ECU(Electronic Control Unit)60及びHUD(Head-Up Display)30等によって構成されている。虚像表示装置100は、車両AのウィンドシールドWSに規定された投影領域PAへの表示光像Oiの投影によって、前景中の重畳対象に虚像Viを重畳させた表示を行う。例えば虚像表示装置100は、走行中の車線の範囲を示す虚像Viを、前景中における左右の区画線の間に重畳表示する(図5参照)。
加えて虚像表示装置100は、車両Aの姿勢変化があった場合でも、運転者からの見た目上にて、重畳対象に虚像Viを重畳させた状態が維持されるように、表示の制御を行う(図6参照)。詳記すると、ピッチ、ロール及びヒーブ等の姿勢変化が車両Aに生じた場合、重畳対象と、投影領域PAと、運転者のアイポイントとの位置関係が変化する。故に、表示光像Oiの投影位置が維持された場合、運転者からの見た目上にて、虚像Viは、重畳対象に対してずれて表示される。そのため虚像表示装置100は、車両Aの姿勢変化に応じて、虚像Viの位置ずれが低減されるように、表示光像Oiの投影位置を補正する。
ここで、車両Aの姿勢変化の振動は、一定の周波数で生じるわけではなく、図2及び図3に示すように、例えば主に2Hz程度までの周波数帯域で生じている。虚像表示装置100では、便宜的に0から0.5Hz程度までの周波数帯域が、低周波帯域LBAとされ、低周波帯域LBAよりも周波数の高い0.5〜2Hzまでの周波数帯域が、高周波帯域HBとされている。そして、図1〜図3に示すように、低周波帯域LBAの姿勢変化による虚像Viの位置ずれを低減する機能が描画ECU60に搭載されており、高周波帯域HBの姿勢変化による虚像Viの位置ずれを低減する機能がHUD30に搭載されている。以下、描画ECU60及びHUD30の詳細を順に説明する。
描画ECU60は、HUD30を含む複数の車載表示器と接続された演算装置である。描画ECU60は、各車載表示器の表示を統合的に制御する。描画ECU60は、各車載表示器によって表示される映像の映像データPSを個別に生成し、各車載表示器に逐次出力する。
描画ECU60は、処理部、RAM、メモリ装置及び入出力インターフェースを有するコンピュータを主体に構成された電子制御ユニットである。処理部は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)及びFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の少なくとも一つを含む構成である。メモリ装置には、処理部によって実行される種々のプログラムが格納されている。メモリ装置に記憶された複数のプログラムには、映像データPSを描画する描画プログラム及び車両Aの姿勢変化を推定する姿勢推定プログラム等が含まれている。描画ECU60は、描画プログラム及び姿勢推定プログラムを処理部によって実行することにより、センサ値取得部61、対象情報取得部65、低周波補正量算出部66及び3D描画部67等の機能ブロックを有する。
センサ値取得部61は、通信バス29と通信可能に接続されており、通信バス29に出力された種々の情報を取得可能である。センサ値取得部61は、ハイトセンサ24及び車両制御ユニット26から出力される出力信号であって、車高の計測結果、並びに車軸トルク及びブレーキ力についての制御情報を受信する。センサ値取得部61は、これらの出力信号を、低周波帯域LBAのうちで互いに異なる帯域の姿勢変化に関連する情報として処理し、車両Aに生じる姿勢変化のうちで低周波帯域LBAの姿勢変化情報を、これらの出力信号から取得する。以上のハイトセンサ24及び車両制御ユニット26の出力信号がセンサ値取得部61に取得されるまでの遅延時間(以下、「通信遅延時間」)は、通信バス29に採用されている通信規格に依存している。例えば、CAN(登録商標)を通信規格として採用した車載ネットワークでは、通信遅延時間は、概ね数10m秒程度となる。
センサ値取得部61には、勾配取得部62、DC成分処理部63及びAC成分処理部64が、サブ機能ブロックとして設けられている。勾配取得部62は、ロケータ22から取得する車両Aの位置情報に基づき、現在地周辺の3次元地図データの提供を、3次元地図DB23に要求する。勾配取得部62は、3次元地図DB23から取得した3次元地図データを用いて、車両Aが走行する道路の路面勾配を算出する。路面勾配は、道路の縦断勾配を示す値であって、上りの坂道では正の値をとり、下りの坂道では負の値をとる。勾配取得部62は、3次元地図データに示された複数箇所の緯度、経度及び高度の各情報を用いて、幾何計算によって坂道の路面勾配を取得する。
DC成分処理部63及びAC成分処理部64は、車両Aの姿勢変化量(主にピッチ角)を推定する機能部である。DC成分処理部63及びAC成分処理部64は、低周波帯域LBAのうちで、互いに異なる帯域の姿勢変化情報を取得する。具体的に、低周波帯域LBAのうちで、周波数の低い側の帯域が第一帯域LB1とされ、周波数の高い側の帯域が第二帯域LB2とされる。第一帯域LB1の帯域幅は、第二帯域LB2の帯域幅よりも狭い。第一帯域LB1に属する姿勢変化は、乗員の増減及び積載重量の変化、並びに実質的に一定の加速及び減速によって生じる。一方、第二帯域LB2に属する姿勢変化は、通常の運転操作(ペダル操作)に伴う加速及び減速によって生じる。以下の説明では、便宜的に、第一帯域LB1に含まれる姿勢変化を振動のDC(Direct Current)成分といい、第二帯域LB2に含まれる姿勢変化を振動のAC(Alternate Current)成分という。
DC成分処理部63は、ハイトセンサ24による車高の計測結果を用いて、第一帯域LB1の姿勢変化情報を取得する。DC成分処理部63は、ローパスフィルタを含む構成である。ローパスフィルタは、第一帯域LB1の信号を概ね通過させる一方で、第二帯域LB2以上の信号を減衰させる。ローパスフィルタのカットオフ周波数は、第一帯域LB1及び第二帯域LB2の境界値となるように設定されている。
DC成分処理部63は、ハイトセンサ24の計測結果に含まれる高周波ノイズをローパスフィルタによって減衰させ、第一帯域LB1に属する姿勢変化(主にピッチ角変化等)の振動成分(DC成分)を推定する。以上のDC成分処理部63の処理によれば、ハイトセンサ24は、第一帯域LB1の姿勢変化に関連する出力信号を出力可能な姿勢出力部20であって、車両Aに作用する加速度のDC成分を計測するためのセンサとして機能する。尚、高周波ノイズは、路面不整に起因する振動成分であって、上述したように第二帯域LB2以上の振動成分である。
AC成分処理部64は、車軸トルク及びブレーキ力の制御情報を用いて、第二帯域LB2の姿勢変化情報を取得する。AC成分処理部64は、バンドパスフィルタを含む構成である。バンドパスフィルタは、第二帯域LB2の信号を概ね通過させる一方で、第一帯域LB1以下の信号と、高周波帯域HB以上の信号とを減衰させる。バンドパスフィルタの高周波数側のカットオフ周波数は、低周波帯域LBA及び高周波帯域HBの境界値となるように設定されている。加えて、バンドパスフィルタの低周波数側のカットオフ周波数は、第一帯域LB1及び第二帯域LB2の境界値となるように設定されている。こうした設定により、バンドパスフィルタは、ハイトセンサ24にて検出される第一帯域LB1の信号と、後述する慣性センサ31にて検出される高周波帯域HBの信号との重複領域を除去する。
AC成分処理部64は、車軸トルク及びブレーキ力の制御情報をバンドパスフィルタに通す処理により、第二帯域LB2に属する姿勢変化(主にピッチ角変化等)の振動成分(AC成分)を推定する。こうしたAC成分処理部64の処理によれば、車両制御ユニット26は、第一帯域LB1の姿勢変化に関連する出力信号を出力可能な姿勢出力部20であって、車両Aに作用する加速度のAC成分を確定させる構成として機能する。
対象情報取得部65は、センサ値取得部61と同様に、通信バス29と通信可能に接続されている。対象情報取得部65は、外界センサ21から通信バス29に出力された物体情報を取得し、移動物体及び静止物体の中から、虚像Viを重畳させる対象を選別する。対象情報取得部65は、選別した重畳対象の相対位置を3D描画部67に提供する。
低周波補正量算出部66は、勾配取得部62にて取得される路面勾配、DC成分処理部63にて取得される第一帯域LB1の姿勢変化情報、及びAC成分処理部64にて取得される第二帯域LB2の姿勢変化情報を統合し、車両Aの姿勢を特定する。低周波補正量算出部66は、特定した車両姿勢から、低周波帯域LBAの姿勢変化による虚像Viの補正量(以下、「低周波補正量」)を算出する。
3D描画部67は、HUD30によって投影領域PAに投影される表示光像Oiの映像データPSを描画する。映像データPSを構成する個々のフレームには、虚像Viに対応する描画物が描画されている。描画物の描画位置及び描画形状は、表示光像Oiが投影領域PAに投影されたときに、描画物に基づく虚像Viが、重畳対象に正しく重なって視認されるように制御される(図5及び図6参照)。
詳記すると、3D描画部67は、予め設定されたアイポイント及び投影領域PAの各設定位置を、メモリ装置等から読み出す。以上により、3D描画部67は、対象情報取得部65から提供される重畳対象の相対位置、並びにアイポイント及び投影領域PAの各設定位置の関係を把握する。3D描画部67は、重畳対象、アイポイント及び投影領域PAの位置関係に基づき、表示光像Oiの投影領域PA内での投影位置、換言すれば、描画物に基づく虚像Viの結像位置を、幾何学的な演算によって算出する。
加えて3D描画部67は、低周波帯域LBAの姿勢変化情報を用いて生成された低周波補正量を、低周波補正量算出部66から取得する。3D描画部67は、低周波帯域LBAの姿勢変化に起因する虚像Viの位置ずれが低減(相殺)されるように、映像データPSの各フレームにおける描画物の描画位置及び描画形状を、低周波補正量に基づき逐次補正する。3D描画部67は、虚像Viの位置ずれを低減させる補正が予め実施された映像データPSを、予め規定された映像フォーマットにて、HUD30へ向けて逐次出力する。
図1及び図4に示すHUD30は、ウィンドシールドWSの下方にて、インスツルメントパネルに設けられた収容空間に収容される車載表示器である。HUD30からウィンドシールドWSへ向けて射出された表示光像Oiの光は、投影領域PAによってアイポイント側へ向けて反射され、運転者によって知覚される。運転者は、投影領域PAを通して見える前景中の重畳対象に、虚像Viが重畳された表示を視認する。HUD30は、虚像表示のための構成として、慣性センサ31、フィルタ回路32、投影光学ユニット50、光学補正機構55、及びレーザモジュール制御基板(以下、「LSM制御基板」)40を有している。
慣性センサ31は、車両Aの姿勢変化を計測する計測部であって、ジャイロセンサ及び加速度センサを組み合わせた構成である。慣性センサ31は、ハイトセンサ24及び車両制御ユニット26とは別に車両Aに搭載されている。慣性センサ31は、車両Aにおけるピッチ方向及びロール方向の各角速度と、車両Aのヨー軸に沿った上下方向の加速度とを計測する。
慣性センサ31には、ローパスフィルタ及びAD変換部が設けられている。ローパスフィルタは、ジャイロセンサ及び加速度センサの各出力から、高周波ノイズを除去する。AD変換部は、ローパスフィルタを通過したアナログ信号を、デジタル信号に変換する。慣性センサ31は、例えばI2C(Inter-Integrated Circuit:登録商標)及びSPI(Serial Peripheral Interface)等の通信規格にて、フィルタ回路32に信号を送信できる。慣性センサ31は、上記の通信規格に従うデジタル形式とされた計測信号を、フィルタ回路32に出力する。
フィルタ回路32は、慣性センサ31から出力される計測信号を取得する。計測信号がフィルタ回路32に取得されるまでの遅延時間(以下、「計測遅延時間」)は、通信バス29にて生じる通信遅延時間よりも短くなっている。フィルタ回路32は、ハイパスフィルタ及び積分処理部等を少なくとも含む構成である。
ハイパスフィルタは、高周波帯域HBの信号を概ね通過させ、低周波帯域LBA以下の信号を減衰させる(図3参照)。ハイパスフィルタのカットオフ周波数は、高周波帯域HB及び低周波帯域LBAの境界値となるように設定されている。こうした設定により、ハイパスフィルタは、計測信号に含まれる周波帯域のうちで低周波帯域LBAと重複する帯域の信号を減衰させる。加えて、ハイパスフィルタの通過により、慣性センサ31のジャイロセンサに生じるドリフト成分が計測信号から除去される。
積分処理部は、例えばローパスフィルタを主体とした構成である。積分処理部は、姿勢変化の角速度を示す計測信号を時間積分する信号処理により、車両姿勢(ピッチ角,ロール角等)を示す信号を生成する。フィルタ回路32は、ハイパスフィルタ及び積分処理部を順に通過した信号を、高周波帯域HBの姿勢変化情報として取得し、LSM制御基板40に逐次提供する。
投影光学ユニット50は、映像データPSから生成された表示光像Oiを、投影領域PAに投影する光学的な構成である。投影光学ユニット50は、レーザモジュール51、スクリーン52、凸面鏡53a及び凹面鏡53bを含む反射光学系53、並びに補正光学素子54等とよって構成されている。これらの光学要素は、HUD30の筐体30aに収容されている。筐体30aは、各光学要素の相対的な位置関係を高精度に規定している。
レーザモジュール51は、例えばレーザ光源及びMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)スキャナ等を含む構成である。レーザモジュール51は、レーザ光源の発光と、MEMSスキャナのミラー部の走査とを、LSM制御基板40によって制御される。レーザモジュール51は、スクリーン52へ向けて照射するレーザ光の走査により、スクリーン52に元画像Piを描画する。
スクリーン52は、例えばガラス等の無色透明な材料によって横長の矩形板状に形成されている。スクリーン52は、例えばマイクロミラーアレイである。スクリーン52には、レーザ光を反射するスクリーン反射面52aが設けられている。スクリーン反射面52aには、アルミニウム等の金属の蒸着によって形成された多数の微小な反射凸面が2次元配列されている。スクリーン反射面52aには、映像データPSに基づく元画像Piがレーザモジュール51の走査によって表示される。
凸面鏡53a及び凹面鏡53bは、合成樹脂又はガラス等からなる無色透明な基材の表面に、アルミニウム等の金属を蒸着させた反射鏡である。凸面鏡53a及び凹面鏡53bは、スクリーン52に表示された元画像Piを投影領域PAに投影する。凸面鏡53aは、スクリーン52にて反射されたレーザ光を、凹面鏡53bへ向けて反射する。凹面鏡53bは、凸面鏡53aから入射するレーザ光を、投影領域PAへ向けて反射する。以上により、元画像Piを拡大してなる表示光像Oiが、投影領域PAに投影される。尚、凹面鏡53bは、例えば回折によって元画像Piを拡大する回折光学素子(Diffractive Optical Element:DOE)等であってもよい。
補正光学素子54は、例えばガラス等の無色透明な材料によって形成されたレンズである。補正光学素子54は、光学補正機構55に保持された状態で、レーザモジュール51とスクリーン52との間の光路に配置されている。補正光学素子54は、レーザモジュール51からスクリーン52へ向かう光軸LAに対して、位置及び姿勢を変化させる。補正光学素子54の位置及び姿勢の変化によれば、投影領域PAにおける表示光像Oiの投影位置、ひいては虚像Viの結像位置が変化する。
光学補正機構55は、例えばヨーク、コイル、磁石等によって構成された電磁アクチュエータを含む構成である。電磁アクチュエータの作動は、LSM制御基板40によって制御される。光学補正機構55は、電磁アクチュエータの作動によって、補正光学素子54の位置及び姿勢を変化させる。具体的に光学補正機構55は、光軸LAと直交する平面方向に沿って、補正光学素子54を変位(シフト)させることができる。加えて光学補正機構55は、光軸LAに対する補正光学素子54の姿勢を傾斜(チルト)させることができる。
LSM制御基板40は、投影光学ユニット50による虚像表示を制御する電気構成である。LSM制御基板40に形成された制御回路は、処理部、RAM、メモリ装置及び入出力インターフェースを有するマイクロコントローラ等を主体に構成されている。LSM制御基板40には、映像取得部41、レーザ制御部47、高周波補正量算出部44及び補正制御部45が設けられている。これらの構成は、プログラム等のソフトウェアによって実現された機能部であってもよく、或いは複数の電気素子等を組み合わせてなるハードウェア(電気回路部)によって実現された機能部であってもよい。さらに、上記の各構成は、ソフトウェア及びハードウェアの組み合わせによって実現された機能部であってもよい。
映像取得部41は、映像伝送用のケーブル等を介して描画ECU60と接続されている。映像取得部41には、虚像表示のための映像データPSが、3D描画部67から伝送される。上述したように、映像取得部41の取得する映像データPSには、低周波帯域LBA(図2等参照)の姿勢変化に起因する虚像Viの位置ずれを低減させる補正処理が、予め施されている。
レーザ制御部47は、レーザモジュール51におけるレーザ光源の発光と、MEMSスキャナの走査を統合的に制御する。レーザ制御部47は、映像取得部41にて取得された映像データPSの各フレームの画像を再生し、レーザモジュール51の制御により、元画像Piとしてスクリーン反射面52aに描画する。
ここで、スクリーン反射面52aに表示される元画像Piの画像サイズは、HUD30によって投影される表示光像Oiの画像サイズよりも大きい。即ち、3D描画部67にて描画される映像データPSの画像サイズは、表示光像Oiの画像サイズよりも大きくされている。故に、光学補正機構55による補正光学素子54のシフト又はチルトにより、スクリーン反射面52aにおける元画像Piの位置が移動した場合でも、所定の画像サイズを確保された表示光像Oiが、反射光学系53によって投影領域PAに投影される。
高周波補正量算出部44は、高周波帯域HB(図2及び図3参照)の姿勢変化情報を、フィルタ回路32から取得する。高周波補正量算出部44は、取得した高周波帯域HBの姿勢変化情報に基づき、高周波帯域HBの姿勢変化による虚像Viの補正量(以下、「高周波補正量」)を算出する。
補正制御部45は、高周波帯域HBの姿勢変化に起因する虚像Viの位置ずれが低減(相殺)されるように、高周波補正量算出部44から取得する高周波補正量に基づき、光学補正機構55の作動を制御する。補正制御部45は、高周波補正量に関連付けられた補正光学素子54のシフト変化及びチルト変化の少なくとも一方を、光学補正機構55によって生じさせる。例えば、加速に伴いリヤ側を沈ませるピッチ変化が車両Aに生じた場合、補正光学素子54のシフトによって、スクリーン反射面52aでの元画像Piの描画位置を実質的に平行移動させる。以上の元画像Piの移動によれば、図6に示すように、運転者の見かけ上で投影領域PAと重なる前景の範囲が変化しても、元画像Piのうちで前景に対応した画像部分が反射光学系53によって投影領域PAに投影される。その結果、前景中の重畳対象に正しく重畳された虚像Viが表示される。
図1及び図4に示す補正制御部45は、車両Aに生じる姿勢変化の内容に応じて、補正光学素子54に異なる動きを生じさせる。例えば補正制御部45は、車両Aにピッチ又はヒーブの姿勢変化が生じている場合に、表示光像Oiの投影位置が投影領域PAに沿って平行移動するように、補正光学素子54を変位させる。以上によれば、虚像Viは、見かけ上での重畳対象の動きに追従するようになる。また補正制御部45は、車両Aにロールの姿勢変化が生じている場合に、表示光像Oiの向きが投影領域PAに沿って回転するように補正光学素子54を変位させる。以上によれば、虚像Viは、車両Aの傾きを相殺するように傾き、重畳対象に対する姿勢を維持するようになる。
ここまで説明した第一実施形態の虚像表示装置100は、ハイトセンサ24、ペダルセンサ25及び慣性センサ31等を相補的に組みわせ、0〜2Hzの姿勢変化(主にピッチング)の補正を実現している。具体的に、虚像表示装置100では、車両Aに生じる姿勢変化のうちで、低周波帯域LBAの姿勢変化に起因する虚像Viの位置ずれは、描画ECU60での映像データPSを描画する段階において、予め補正される。そのため、投影光学ユニット50の補正光学素子54を変位させる光学補正機構55は、低周波帯域LBAの姿勢変化に起因する虚像Viの位置ずれを実質的に補正しなくてもよくなる。
以上によれば、光学補正機構55は、高周波帯域HBの姿勢変化に起因する虚像Viの位置ずれ低減に好適な構成となり得る。具体的に、高周波帯域HBの姿勢変化は、低周波帯域LBAの姿勢変化と比較して、振幅が小さく、且つ、動きが速い。そのため、光学補正機構55は、補正のためのストローク量を犠牲にしつつ、振動に対して高応答な構成とされる。以上によれば、光学補正機構55は、高周波帯域HBの姿勢変化に、補正光学素子54を変位させる光学的な補正を追従させて、虚像Viの位置ずれを効果的に低減できる。したがって、高周波帯域HBの姿勢変化が車両Aに生じる場合でも、虚像表示装置100は、虚像Viの正しい重畳表示を継続できる。
加えて第一実施形態では、高周波帯域HBの姿勢変化に対する補正は、3D描画部67による描画段階では実施されない。換言すると、高周波帯域HBの姿勢変化に対する補正は、情報の取得から虚像Viの表示に至るまでの表示処理の過程において、虚像Viの表示直前の段階で実施される。故に、高周波帯域HBでの姿勢変化の補正については、3D描画部67による描画処理の演算に起因する補正の遅延が実質的に生じない。その結果、高周波帯域HBでの姿勢変化が生じた場合でも、虚像Viは、見かけ上での重畳対象の動きに追従できる。
さらに第一実施形態では、低周波帯域LBAの姿勢変化に対する補正が、3D描画部67による描画段階で実施される。低周波帯域LBAの姿勢変化は、高周波帯域HBの姿勢変化と比較して、動きが遅いものの、振幅が大きい。故に、光学補正機構55で補正光学素子54を動かすだけの補正では、低周波帯域LBAの姿勢変化分を補正し切ることが困難となり得る。加えて、慣性センサ31のジャイロセンサの出力には、不可避的にドリフト成分が含まれる。故に、低周波帯域LBAの姿勢変化情報をジャイロセンサの出力から生成する処理は、困難となる。
こうした理由により、HUD30での低周波帯域LBAの補正実施は好ましくなく、低周波帯域LBAの姿勢変化の補正は、3D描画部67で行われるのが望ましい。3D描画部67の描画段階で低周波帯域LBに対する補正が行われれば、低周波帯域LBAの姿勢変化が車両Aに生じる場合でも、虚像表示装置100は、虚像Viの正しい重畳表示を継続できる。
以上のように、低周波帯域LBAの補正を3D描画部67にて実施し、高周波帯域HBの補正を光学補正機構55にて実施する虚像表示装置100であれば、走行中の車両Aにおいて、虚像Viは、継続的に重畳対象に重畳され続ける。
さらに第一実施形態では、HUD30に慣性センサ31が設けられている。故に、フィルタ回路32は、例えば通信バス29を介した通信による遅延の影響を受けることなく、実質的にリアルタイムに近い周期で慣性センサ31の計測信号を受信し、高周波帯域HBの姿勢変化情報を取得できる。以上によれば、補正制御部45及び光学補正機構55は、高周波帯域HBの姿勢変化に実質遅延することなく、補正光学素子54の動きを追従させることができる。したがって、光学補正機構55による光学的な補正は、虚像Viの位置ずれを適確に低減できる。
加えて第一実施形態では、慣性センサ31の計測信号に含まれる周波数帯域のうちで、低周波帯域LBAと重複する帯域の信号が、フィルタ回路32にて減衰される。故に、光学補正機構55の光学的な補正処理にて、映像データPSの描画段階での補正と重複する補正が実施されてしまう事態は、実質的に回避される。以上によれば、虚像表示装置100は、3D描画部67での低周波帯域LBAに対する補正と、光学補正機構55での高周波帯域HBに対する補正とを、それぞれ正しく機能させて、虚像Viの正しい重畳表示を継続できる。
また第一実施形態では、映像データPSの各フレームにおける画像サイズが、虚像表示に必要とされる表示光像Oiの画像サイズよりも大きくなるように、予め規定されている。その結果、スクリーン反射面52aには、投影領域PAに対して余裕代が確保された元画像Piが描画される。故に、補正光学素子54のシフト又はチルトにより、スクリーン52における元画像Piの描画位置がずらされた場合でも、表示可能な虚像Viの大きさは、姿勢変化をしていない状態と実質的に同等となる(図5及び図6参照)。以上のように、映像データPSに余裕代が設けられていれば、部分的に欠損したような虚像Viが表示されてしまう事態は、回避される。尚、上記の画像サイズは、画像データのピクセルサイズを示しており、画像データにおける縦横の画素数を示している。
さらに第一実施形態では、慣性センサ31及びフィルタ回路32間に生じる計測遅延時間は、通信バス29を介して通信するセンサ値取得部61の通信遅延時間よりも短くされている。以上によれば、光学補正機構55及び補正光学素子54による光学的な補正は、高周波帯域HBの姿勢変化に実質的に遅延なく追従し、虚像Viの位置ずれを適確に低減できる。
加えて第一実施形態では、低周波帯域LBAが、加減速のDC成分に対応する第一帯域LB1と、加減速のAC成分に対応する第二帯域LB2に切り分けられている。こうした切り分けによれば、センサ値取得部61は、第一帯域LB1及び第二帯域LB2の各姿勢変化情報を、既存のセンサ及び演算装置を活用して取得可能となる。したがって、低周波帯域LBAの姿勢変化を計測する車載センサ等の追加が不要になるため、構成の複雑化を回避しつつ、虚像Viの正確な重畳表示が実現できる。
また第一実施形態では、車両Aにピッチ又はヒーブの姿勢変化が生じている場合に、光学補正機構55は、表示光像Oiの光の投影位置が平行移動するように補正光学素子54を変位させる。一方、車両Aにロールの姿勢変化が生じている場合に、光学補正機構55は、表示光像Oiの向きが投影領域PAに沿って回転するように補正光学素子54を変位させる。以上のように、車両Aの姿勢変化の内容に応じて補正光学素子54の動かし方を変更すれば、姿勢変化に起因する位置ずれの補正は、視認者の違和感を惹起させることなく実施可能となる。
尚、第一実施形態において、計測遅延時間が「第一遅延時間」に相当し、通信遅延時間が「第二遅延時間」に相当する。また、ハイトセンサ24が「第一出力部」に相当し、車両制御ユニット26が「第二出力部」に相当し、ハイトセンサ24及び車両制御ユニット26が「姿勢出力部」に相当する。さらに、慣性センサ31が「姿勢計測部」に相当し、フィルタ回路32が「高周波情報取得部」に相当し、補正光学素子54が「光学要素」に相当し、センサ値取得部61が「低周波情報取得部」に相当し、3D描画部67が「映像描画部」に相当する。
(第二実施形態)
図7及び図8に示す第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態のHUD230は、DLP(Digital Light Processing,登録商標)制御基板240及びDLPプロジェクタ251を備えている。
DLP制御基板240は、第一実施形態のLSM制御基板40(図1参照)に相当する構成である。DLP制御基板240は、第一実施形態と実質同一の映像取得部41、高周波補正量算出部44及び補正制御部45に加えて、DLP制御部247を有している。DLP制御部247は、DLPプロジェクタ251と電気的に接続されている。DLP制御部247は、DLPプロジェクタ251による画像の描画を制御する。
DLPプロジェクタ251は、第一実施形態のレーザモジュール51(図1参照)に相当する構成である。DLPプロジェクタ251は、多数のマイクロミラーが設けられたDMD(Digital Micromirror Device)251aと、DMD251aに向けて光を投射する投射光源251bとを有している。DMD251a及び投射光源251bは、DLP制御部247に電気的に接続されている。DMD251aによる光の走査と投射光源251bの発光とは、DLP制御部247によって統合的に制御される。DLPプロジェクタ251は、DLP制御部247の制御により、映像データPS(図1参照)に基づく元画像Piを、スクリーン52に描画する。スクリーン52に表示された元画像Piの光は、反射光学系53により表示光像Oiとして投影領域PAに投影される。
ここまで説明した第二実施形態でも、補正制御部45は、高周波補正量算出部44から取得する高周波補正量に基づき、光軸LAに対する補正光学素子54のシフト変化及びチルト変化の少なくとも一方を、光学補正機構55によって生じさせる。こうした光学補正機構55の作動によれば、第一実施形態と同様の効果を奏し、高周波帯域HB(図2参照)の姿勢変化に起因する虚像Viの位置ずれが低減される。加えて、低周波帯域LBA(図2参照)の姿勢変化に対する補正は、第一実施形態と同様に、3D描画部67による映像データPSの描画段階で実施される。したがって、低周波帯域LBA及び高周波帯域HBの各姿勢変化が車両Aに生じる場合でも、虚像Viの正しい重畳表示が継続される。
(第三実施形態)
図9に示す第三実施形態は、第一実施形態の別の変形例である。第三実施形態のHUD330は、第一実施形態のLSM制御基板40及びレーザモジュール51(それぞれ図1参照)に相当する構成として、表示制御基板340及び液晶ディスプレイ351を備えている。
表示制御基板340は、第一実施形態と実質同一の映像取得部41、高周波補正量算出部44及び補正制御部45に加えて、LCD(Liquid Crystal Display)制御部347を有している。LCD制御部347は、液晶ディスプレイ351と接続されている。LCD制御部347は、液晶ディスプレイ351による画像の表示を制御する。
液晶ディスプレイ351は、液晶パネル及びバックライトを有している。液晶パネルは、表示画面に沿って2次元配列された複数の液晶画素を有している。液晶パネルの各液晶画素における光の透過率は、LCD制御部347によって制御される。各液晶画素の制御により、映像データPS(図1参照)に基づく元画像Piが、液晶パネルの表示画面に連続的に表示される。バックライトは、液晶パネルの背面側に配置されている。バックライトは、液晶パネルを透過照明する。
液晶ディスプレイ351は、光学補正機構55によって保持されている。光学補正機構55は、液晶ディスプレイ351から凸面鏡53a(反射光学系53)へ向かう光軸LAに対して、光軸LAの直交方向に液晶ディスプレイ351をスライド変位させることができる。加えて光学補正機構55は、光軸LAを中心とした周方向に液晶ディスプレイ351を回転変位させることができる。以上によれば、投影領域PAにおける表示光像Oiの投影位置、ひいては虚像Viの結像位置が変化する。
ここまで説明した第三実施形態でも、光学補正機構55は、高周波補正量算出部44から取得する高周波補正量に基づき、液晶ディスプレイ351をスライド変位又は回転変位させる。その結果、第一実施形態と同様の効果を奏し、高周波帯域HB(図2参照)の姿勢変化に起因する虚像Viの位置ずれが低減される。加えて、低周波帯域LBA(図2参照)の姿勢変化に対する補正は、第一実施形態と同様に、3D描画部67による映像データPSの描画段階で実施される。したがって、低周波帯域LBA及び高周波帯域HBの各姿勢変化が車両Aに生じる場合でも、虚像Viの正しい重畳表示が継続される。尚、第三実施形態では、液晶ディスプレイ351が「光学要素」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本開示の複数の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記第一,第二実施形態では、光学補正機構による補正光学素子の位置及び姿勢制御により、高周波帯域の振動による虚像に位置ずれが低減されていた。こうした光学補正機構による補正光学素子の動きは、シフト及びチルトのいずれか一方であってもよい。同様に、光学補正機構による液晶ディスプレイの動きは、シフト及びチルトのいずれか一方であってもよい。さらに、光学補正機構によって動かされる光学要素は、上記の補正光学素子に限定されない。
例えば、上記第一実施形態の変形例1では、補正光学素子に相当するレンズが省略されている。光学補正機構は、反射光学系である凸面鏡及び凹面鏡の姿勢を変化させる。このように光学補正機構によって反射光学系がチルトされる変形例1でも、高周波帯域の姿勢変化の起因する虚像の位置ずれが低減可能である。
また、上記第一実施形態の変形例2による光学補正機構は、HUDの筐体30a(図1参照)の姿勢を変化させる。即ち、変形例2の光学補正機構は、HUDの全ての光学要素を一体的にチルトさせる。こうした変形例2であっても、高周波帯域の姿勢変化の起因する虚像の位置ずれが低減可能となる。
さらに、上記第二実施形態の変形例3でも、変形例1と同様に、補正光学素子が省略されている。変形例3の光学補正機構は、DMDを支持する支持部に設けられており、DMDをシフトさせる。DMDのシフトによれば、元画像は、スクリーン反射面上を移動する。このような光学的な補正を行う変形例3でも、高周波帯域の姿勢変化の起因する虚像の位置ずれが低減可能となる。
また上記第三実施形態の光学補正機構は、バックライト及び液晶パネルを一体的に変位させていた。しかし、上記第三実施形態の変形例4では、液晶パネルがバックライトに対して相対変位可能である。そして、光学補正機構は、液晶パネル及びバックライトのうちで、液晶パネルだけを表示画面に沿ってスライド変位させる。
さらに、上記第三実施形態の変形例5では、液晶ディスプレイに相当する表示器として、EL(Electro Luminescence)パネルが設けられている。ELパネルには、有機EL及び無機EL等が採用可能である。光学補正機構は、ELパネルのスライド変位又は回転変位を制御する。以上の変形例4,5でも、虚像の位置ずれを低減する効果が獲得可能となる。以上のように、元画像を表示するためのプロジェクタの構成は、上記実施形態及び変形例に限定されず、適宜変更可能である。例えば、液晶ディスプレイ及びELパネルに替えて、プラズマディスプレイパネル、ブラウン管及びLED等の表示器を用いたプロジェクタが採用可能である。加えて、LSM及びDLP等に替えて、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)等を用いたプロジェクタが採用されてもよい。
上記実施形態では、各周波数帯域を連続的に設定するため、DC成分処理部のローパスフィルタ、AC成分処理部のバンドパスフィルタ、及びフィルタ回路のハイパスフィルタの各カットオフ周波数が、互いに一致するように設定されていた(図3参照)。こうした設定により、複数のセンサを相補的に組み合わせて0〜2Hzの姿勢変化を補正する制御が可能にされていた。しかし、補正処理が適切に実施可能であれば、低周波帯域の第一帯域及び第二帯域、並びに高周波帯域は、厳密に連続していなくてもよい。例えば、低周波数帯と高周波帯域とが、僅かに離れた帯域に設定されていてもよい。或いは、低周波数帯と高周波帯域とが、僅かに重複した設定であってもよい。
上記実施形態では、表示光像が投影される投影領域は、ウィンドシールドに規定されていた。しかし、表示光像を投影される投影部材(例えばコンバイナ等)が、ウィンドシールドとは別体で設けられていてもよい。さらに、虚像は、前景に重ねられる表示であれば、上記のようなAR表示を実現する表示物でなくてもよい。
上記実施形態の慣性センサは、ジャイロセンサ及び加速度センサを組み合わせた構成であった。しかし、慣性センサの構成は、適宜変更可能である。例えば慣性センサは、ジャイロセンサは、ヨー方向、ピッチ方向、ロール方向の各角速度を検出する3軸のジャイロセンサと、車両の前後方向、上下方向、左右方向の各加速度を検出する3軸の加速度センサとを備えた6軸のモーションセンサであってもよい。さらに、慣性センサは、ジャイロセンサ及び加速度センサのうちで、加速度センサのみを備える構成であってもよく、又はジャイロセンサのみを備える構成であってもよい。
さらに、計測遅延時間が通信遅延時間よりも短くできれば、慣性センサは、HUDに内蔵されたセンサ構成でなくてもよい。慣性センサは、通信バスに接続されずに、フィルタ回路又はLSM制御基板等に直接的に接続された構成であれば、車両に搭載された既存の構成であってもよい。
上記実施形態では、ハイトセンサ及び車両制御ユニットが「姿勢出力部」に相当していた。しかし、「姿勢出力部」に相当する構成は、適宜変更可能である。例えばロケータ22(図1参照)に設けられた慣性センサが、「姿勢出力部」に相当してもよい。さらに、低周波帯域の振動を検出するMEMSセンサ等が、例えば描画ECUに直接的に接続されていてもよい。こうした形態であれば、通信遅延時間が実質的に解消可能になる。また通信バスに出力信号を出力する「姿勢出力部」は、慣性センサ31(図1参照)とは別の構成でなくてもよい。慣性センサ31の計測信号が、直接的又は間接的にセンサ値取得部に入力されてもよい。
上記実施形態では、映像データの画像サイズが、投影領域に投影される表示光像の画像サイズ(投影サイズ)よりも大きく規定されていた。また、スクリーン又は表示画面上の元画像の画像サイズも、表示光像の投影サイズより大きくされていた。こうした映像データの余裕代は、HUDにて実施される補正での元画像の最大変位量と同一か又は最大変位量を超える程度に規定されるのが望ましい。さらに、映像データに余裕代を持たせる設定は、適用されなくてもよい。
上記実施形態の虚像表示装置は、HUD及び描画ECUを含む構成であった。しかし、上記実施形態のHUDであって、補正済みの映像データを取得するHUDが「虚像表示装置」に相当してもよい。さらに、HUD及び描画ECUが一体的に設けられていてもよい。即ち、HUDの制御回路に、センサ値取得部、対象情報取得部、低周波補正量算出部及び3D描画部等に相当する機能部が設けられていてもよい。
描画ECU及び制御基板に設けられたメモリ装置には、フラッシュメモリ及びハードディスク等の種々の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)が採用可能である。加えて、虚像表示に関連するプログラムを記憶する記憶媒体は、車載された各構成の記憶媒体に限定されず、当該記憶媒体へのコピー元となる光学ディスク及び汎用コンピュータのハードディスクドライブ等であってもよい。
A 車両、HB 高周波帯域、LBA 低周波帯域、LB1 第一帯域、LB2 第二帯域、Oi 表示光像、PA 投影領域、PS 映像データ、Vi 虚像、20 姿勢出力部、24 ハイトセンサ(第一出力部)、26 車両制御ユニット(第二出力部)、30,230,330 HUD(虚像表示装置)、31 慣性センサ(姿勢計測部)、32 フィルタ回路(高周波情報取得部)、41 映像取得部、50 投影光学ユニット、351 液晶ディスプレイ(光学要素)、54 補正光学素子(光学要素)、55 光学補正機構、61 センサ値取得部(低周波情報取得部)、67 3D描画部(映像描画部)、100 虚像表示装置

Claims (9)

  1. 車両(A)に規定された投影領域(PA)への表示光像(Oi)の投影によって前記車両の前景に虚像(Vi)を重畳表示する虚像表示装置であって、
    前記車両に生じる姿勢変化のうちで低周波帯域(LBA)の姿勢変化情報を取得する低周波情報取得部(61)と、
    前記車両の生じる姿勢変化のうちで前記低周波帯域よりも周波数の高い高周波帯域(HB)の姿勢変化情報を取得する高周波情報取得部(32)と、
    前記表示光像の映像データ(PS)であり、前記低周波帯域の姿勢変化に起因する前記虚像の位置ずれを低減させる補正が施された前記映像データを、前記低周波帯域の姿勢変化情報を用いて描画する映像描画部(67)と、
    前記映像データから生成された前記表示光像を、前記投影領域に投影する投影光学ユニット(50)と、
    前記高周波帯域の姿勢変化に起因する前記虚像の位置ずれが低減されるように、前記投影光学ユニットに含まれる少なくとも一部の光学要素(54,351)を、前記高周波帯域の姿勢変化情報に基づき変位させる光学補正機構(55)と、を備える虚像表示装置。
  2. 前記車両の姿勢変化を計測した計測信号を前記高周波情報取得部へ向けて出力する姿勢計測部(31)、をさらに備える請求項1に記載の虚像表示装置。
  3. 前記高周波情報取得部は、前記姿勢計測部の前記計測信号に含まれる周波数帯域のうちで、前記低周波帯域と重複する帯域の信号を減衰させることで、前記高周波帯域の姿勢変化情報を取得する請求項2に記載の虚像表示装置。
  4. 前記低周波情報取得部は、前記姿勢計測部とは別に前記車両に搭載された姿勢出力部(20)から出力される姿勢変化を示した出力信号を取得する請求項2又は3に記載の虚像表示装置。
  5. 前記姿勢計測部による計測信号が前記高周波情報取得部に取得されるまでの第一遅延時間は、前記姿勢出力部の出力信号が前記低周波情報取得部に取得されるまでの第二遅延時間よりも短い請求項4に記載の虚像表示装置。
  6. 前記姿勢出力部には、前記低周波帯域のうちで互いに異なる帯域の姿勢変化に関連する出力信号を出力可能な第一出力部(24)及び第二出力部(26)が含まれており、
    前記低周波情報取得部は、
    前記低周波帯域のうちの第一帯域(LB1)の姿勢変化情報を、前記第一出力部の出力信号を用いて取得し、
    前記低周波帯域のうちで前記第一帯域よりも周波数の高い第二帯域(LB2)の姿勢変化情報を、前記第二出力部の出力信号を用いて取得する請求項4又は5に記載の虚像表示装置。
  7. 前記映像描画部にて描画される前記映像データの画像サイズは、前記投影光学ユニットによって投影される前記表示光像の画像サイズよりも大きい請求項1〜6のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
  8. 前記光学補正機構は、
    前記車両にピッチ又はヒーブの姿勢変化が生じている場合に、前記表示光像の投影位置が前記投影領域に沿って平行移動するように前記光学要素を変位させ、
    前記車両にロールの姿勢変化が生じている場合に、前記表示光像の向きが前記投影領域に沿って回転するように前記光学要素を変位させる請求項1〜7のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
  9. 車両(A)に規定された投影領域(PA)への表示光像(Oi)の投影によって前記車両の前景に虚像(Vi)を重畳表示する虚像表示装置であって、
    前記車両の生じる姿勢変化のうちで高周波帯域(HB)の姿勢変化情報を取得する高周波情報取得部(32)と、
    前記車両の生じる姿勢変化のうちで前記高周波帯域よりも周波数の低い低周波帯域(LBA)の姿勢変化情報を用いて描画される映像データ(PS)であって、前記低周波帯域の姿勢変化に起因する前記虚像の位置ずれを低減させる補正が施された前記映像データ、を取得する映像取得部(41)と、
    前記映像データから生成された前記表示光像を、前記投影領域に投影する投影光学ユニット(50)と、
    前記高周波帯域の姿勢変化に起因する前記虚像の位置ずれが低減されるように、前記投影光学ユニットに含まれる少なくとも一部の光学要素(54,351)を、前記高周波帯域の姿勢変化情報に基づき変位させる光学補正機構(55)と、を備える虚像表示装置。
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