JP6724347B2 - 鉄筋コンクリート梁の施工方法、スペーサ兼捨て型枠、及び鉄筋コンクリート梁 - Google Patents
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Description
図1は、鉄筋コンクリート梁1の軸方向に沿った鉛直断面図であり、図2は、鉄筋コンクリート梁1の軸方向に垂直な鉛直断面図である。この鉄筋コンクリート梁1は、集合住宅、事務所、ビルディング等の建物に適用される。この鉄筋コンクリート梁1は、立設された柱の間に水平に架け渡されるように施工されたものである。
主筋21は鉄筋コンクリート梁1の軸方向に延びているとともに、柱に定着されている。これら主筋21は上下二段に配置され、上段には4本の主筋21が配置され、下段には5本の主筋21が配置されている。せん断補強筋22は、これら主筋21を囲むようにして主筋21に組まれているとともに、主筋21の長手方向に沿って所定間隔で配列されている。そして、主筋21及びせん断補強筋22がコンクリート10に埋設されている。なお、これら主筋21の配置及び本数は適宜変更してもよい。また、せん断補強筋22以外の補強筋がコンクリート10に埋設されてもよい。
鉄筋受部32は板状に形成されており、鉄筋コンクリート梁1の軸方向に沿った向きの寸法が堰止部31の中央部31aと等しくなるように構成されている。また、鉄筋受部32の上面には互いに平行な複数(図3では、5つ)の溝32aが形成されている。これら溝32aは鉄筋受部32の側面から反対側の側面にわたって延在している。
図5及び図6を参照して、鉄筋コンクリート梁1の施工に用いる型枠構造物2について説明する。図5は、軸方向に沿った鉛直断面図であり、図6は、軸方向に垂直な鉛直断面図である。図5及び図6では、型枠構造物2とともに鉄筋組立体20も示されている。
支保工50は複数本の支柱51等を有する。これら支柱51が、下方の梁又は基礎上に立設されているとともに、施工しようとする鉄筋コンクリート梁1の軸方向に沿って所定間隔で複数列(図6では、2列)に配列されている。なお、これら支柱51が筋交いや水平材によって連結されていてもよい。
図7〜図11を参照して、鉄筋コンクリート梁1の施工方法について説明する。図7〜図11は鉄筋コンクリート梁1の施工工程を説明するための断面図であり、図7〜図11に示す断面の位置は図1及び図5に示す断面の位置と同じである。
まず、図7に示すように、施工しようとする鉄筋コンクリート梁1の軸方向に沿って支柱51を所定間隔で複数列に配列するようにして、これら支柱51を立設する。
次に、図8に示すように、スペーサ兼捨て型枠30の堰止部31を下に向けた状態で、堰止部31を幅方向に隣り合う支柱51の上端間に架け渡すようにして、堰止部31を支柱51の受板52上に設置する。
次に、図9に示すように、その鉄筋組立体20をクレーン等によって吊り上げて、鉄筋受部32上に設置する。この際、下部主筋21をそれぞれ溝32aに嵌めて、主筋21をそれぞれ溝32aに沿って敷設する。
なお、複数本の主筋21及び複数本のせん断補強筋22をスペーサ兼捨て型枠30の鉄筋受部32の上に直接配筋して、鉄筋組立体20を鉄筋受部32の上に直接組み立ててもよい。
具体的には、まず、底型枠41に開口41aを形成するようにして底型枠41を組み立てつつ、底型枠41を水平にして支柱51の上端に持ち上げることによって、堰止部31の下部を底型枠41の開口41aに嵌め込んで、開口41aを堰止部31によって閉塞する。次に、桟材44を開口41aの縁部に沿わせるようにして桟材44を底型枠41及び堰止部31の下面に当てて、桟材44及び底型枠41に釘を打ち付けることによって桟材44を底型枠41に固定するとともに、桟材44及び堰止部31に釘を打ち込むことによって桟材44を堰止部31に固定し、これにより底型枠41をスペーサ兼捨て型枠30の堰止部31に取り付ける。次に、側型枠42をそれぞれ底型枠41の両側部に立設して、側型枠42を底型枠41及びスペーサ兼捨て型枠30に固定する。型枠40の組立の際には、底型枠41を鉄筋組立体20から下方に離間させるともに、側型枠42を鉄筋組立体20から横方向に離間させる。
鉄筋組立体20がスペーサ兼捨て型枠30に支持されているので、別途スペーサを設置せずともに、型枠40の組み立ての際にかぶり厚を確保することができる。
コンクリート10が脱型できる程度に硬化した後、底型枠41及び側型枠42をコンクリート10から剥離することによって、型枠40を撤去する。スペーサ兼捨て型枠30が支柱51の上端に設置され、底型枠41がそのスペーサ兼捨て型枠30に組み付けられていたので、支保工50の解体の前に底型枠41をコンクリート10から剥離することができる。よって、取り外した底型枠41を別の場所(例えば、上階)の鉄筋コンクリート梁の施工に早期に利用することができ、建物の工期の短縮に寄与することができる。
次に、支保工50を撤去する。
(1) 上述の実施の形態では間隔保持部33が鋼材であったが、間隔保持部33がコンクリート製であってもよい。また、上述の実施の形態では堰止部31及び鉄筋受部32がコンクリート製であったが、堰止部31及び鉄筋受部32が鋼製であってもよい。堰止部31、鉄筋受部32及び間隔保持部33が同一組成物であれば、堰止部31、鉄筋受部32及び間隔保持部33を三次元プリンターによって一体成型してもよい。
上述の実施の形態では、型枠40の組立に際して、堰止部31を底型枠41の開口41aに嵌め込んで、堰止部31の下面と底型枠41の下面を面一にしていた。それに対して、図17に示すように、底型枠41に開口41aを形成するようにして底型枠41を組み立てつつ、底型枠41を水平にして持ち上げて、底型枠41の開口41aの縁部を堰止部31の下面に接触させることによって底型枠41の開口41aを堰止部31によって閉塞し、底型枠41の下面から底型枠41及び堰止部31の側部31bに釘打ちをしてもよい。これにより、底型枠41の開口41aがその上から堰止部31によって閉塞され、堰止部31が底型枠41上に設置される。
その後、型枠40の組み立て後、型枠40の内側にコンクリートを打設して、型枠40を撤去する。これにより製造された鉄筋コンクリート梁1を図18に示す。図18に示すように、堰止部31の下面とコンクリート10の下面が面一に設けられている。
Claims (5)
- 鉄筋コンクリート梁の施工方法において、
支持構造物を設ける工程と、
その後、堰止部とその堰止部の上に設けられた鉄筋受部とを有するスペーサ兼捨て型枠の前記堰止部を下に向けて、前記堰止部を前記支持構造物に支持させる工程と、
その後、主筋及びせん断補強筋を有する鉄筋組立体を前記鉄筋受部上に設置する鉄筋設置工程と、
その後、底型枠に形成された開口を前記堰止部によって塞ぐようにして前記底型枠を前記堰止部に取り付け、前記底型枠の両側の縁部に側型枠を立設する工程と、
その後、前記底型枠及び前記側型枠によって囲まれた領域にコンクリートを打設して、前記堰止部の上部及び前記鉄筋受部を前記コンクリートに埋設する打設工程と、
その後、前記底型枠及び前記側型枠を撤去する工程と、を備えることを特徴とする鉄筋コンクリート梁の施工方法。 - 前記鉄筋設置工程において、前記鉄筋受部の上面に凹設された溝に前記主筋を嵌めることを特徴とする請求項1 に記載の鉄筋コンクリート梁の施工方法。
- 前記打設工程において、前記堰止部と前記鉄筋受部との間に設けられた間隔保持部によって前記堰止部と前記鉄筋受部との間に形成された隙間に前記コンクリートを充填させることを特徴とする請求項1 又は2 に記載の鉄筋コンクリート梁の施工方法。
- 鉄筋コンクリート梁を現場打ちコンクリートによって構築するのに用いられるスペーサ兼捨て型枠であって、
前記コンクリートの下面を形作るための底型枠に形成された開口を塞ぐとともに硬化前の前記コンクリートを堰き止め、前記鉄筋コンクリート梁のコンクリートの下面において露出するようにして、前記コンクリートに埋設される堰止部と、
前記堰止部の上に設けられるとともに、前記コンクリートに埋設され、前記コンクリートに埋設された前記鉄筋コンクリート梁の最下段の複数の主筋の下面に接触し、前記複数の主筋をその下から受ける鉄筋受部と、
前記堰止部と前記鉄筋受部との間に設けられた間隔保持部と、を備え、
前記間隔保持部によって前記堰止部と前記鉄筋受部との間に隙間が形成されていること
を特徴とするスペーサ兼捨て型枠。 - コンクリートと、
複数段に設けられる複数の主筋及びせん断補強筋を有するとともに、前記コンクリートに埋設された鉄筋組立体と、
スペーサ兼捨て型枠と、を備え、
前記スペーサ兼捨て型枠が、
前記コンクリートの下面を形作るための底型枠に形成された開口を塞ぐとともに硬化前の前記コンクリートを堰き止め、前記コンクリートの下面において露出するようにして前記コンクリートに埋設された堰止部と、
前記堰止部の上に設けられるとともに、前記コンクリートに埋設され、前記複数の主筋のうち最下段の複数の主筋に接触し、前記最下段の複数の主筋をその下から受ける鉄筋受部と、
前記堰止部と前記鉄筋受部との間に設けられた間隔保持部と、を備え、
前記間隔保持部によって前記堰止部と前記鉄筋受部との間に隙間が形成され、前記コンクリートの一部が前記隙間に埋められていることを特徴とする鉄筋コンクリート梁。
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