JP6724125B2 - 酸化物超電導線材及びその製造方法 - Google Patents

酸化物超電導線材及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6724125B2
JP6724125B2 JP2018243592A JP2018243592A JP6724125B2 JP 6724125 B2 JP6724125 B2 JP 6724125B2 JP 2018243592 A JP2018243592 A JP 2018243592A JP 2018243592 A JP2018243592 A JP 2018243592A JP 6724125 B2 JP6724125 B2 JP 6724125B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
oxide superconducting
superconducting
superconducting wire
thickness direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018243592A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020107445A (ja
Inventor
智 羽生
智 羽生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2018243592A priority Critical patent/JP6724125B2/ja
Priority to PCT/JP2019/050519 priority patent/WO2020138035A1/ja
Publication of JP2020107445A publication Critical patent/JP2020107445A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6724125B2 publication Critical patent/JP6724125B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G1/00Methods of preparing compounds of metals not covered by subclasses C01B, C01C, C01D, or C01F, in general
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B12/00Superconductive or hyperconductive conductors, cables, or transmission lines
    • H01B12/02Superconductive or hyperconductive conductors, cables, or transmission lines characterised by their form
    • H01B12/06Films or wires on bases or cores
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B13/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing conductors or cables
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F6/00Superconducting magnets; Superconducting coils
    • H01F6/06Coils, e.g. winding, insulating, terminating or casing arrangements therefor
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

Description

本発明は、酸化物超電導線材及びその製造方法に関する。
超電導線材は、電流損失が低いため、電力供給用ケーブル、磁気コイル等として使用されている。特許文献1には、金属の基材を有する基板上に中間層、酸化物超電導層を成膜し、周囲に安定化層として銅の電解めっき膜を形成した超電導線材が記載されている。
特許第5634166号公報
超電導線材をケーブル、コイル等として応用する場合、多数本の超電導線材を並列させたり、超電導線材を多数回巻回したりする等、超電導線材が断面方向に多数集積された状態で使用される。しかし、結晶配向性に優れた酸化物超電導層を形成するためには、厚い金属基板を用意し、その金属基板を土台にして中間層、酸化物超電導層を積層する必要がある。このため、酸化物超電導層の断面積に比べて、金属基板を含む超電導線材全体の断面積が大きいという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、単位断面積当たりの特性が優れた酸化物超電導線材及びその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、希土類元素を含む酸化物超電導層を有する超電導線材であって、前記酸化物超電導層は、厚さ方向に平行な面内の配向度Δφが6.0°以下であり、前記酸化物超電導層の厚さ方向の両面に、それぞれ金属層が積層されており、少なくとも前記酸化物超電導層の厚さ方向の両面に接する前記金属層がAg層又はAgを含む層であり、前記酸化物超電導層の厚さ方向の少なくとも片側において、前記Ag層又はAgを含む層に接する金属層がCu層又はCuを含む層であることを特徴とする超電導線材を提供する。
前記酸化物超電導層の厚さ方向の両側において、前記Ag層又はAgを含む層に接してCu層又はCuを含む層を有してもよい。
前記酸化物超電導層の幅方向の両側が前記金属層で覆われていてもよい。
前記酸化物超電導層の厚さ方向における前記超電導線材の総厚さが50μm以下であってもよい。
また、本発明は、希土類元素を含む酸化物超電導層を有する超電導線材の製造方法であって、基板上に、前記酸化物超電導層を積層する工程と、前記酸化物超電導層の厚さ方向のうち前記基板とは反対側において前記酸化物超電導層上に金属層を積層する工程と、前記基板を除去する工程と、前記酸化物超電導層の厚さ方向のうち前記基板が除去された側において前記酸化物超電導層上に金属層を積層する工程と、を有することを特徴とする超電導線材の製造方法を提供する。
少なくとも前記酸化物超電導層の厚さ方向の両面に接する前記金属層がAg層又はAgを含む層であってもよい。
前記酸化物超電導層の厚さ方向の少なくとも片側において、前記Ag層又はAgを含む層に接してCu層又はCuを含む層を積層してもよい。
本発明によれば、結晶配向性を有する酸化物超電導層の厚さ方向の両面に接してAg層又はAgを含む層を有する金属層が積層されているため、従来の超電導線材が酸化物超電導層の厚さ方向の片側に成膜に用いた基板が残されているのと比べて、単位断面積当たりの特性が優れた超電導線材を提供することができる。
第1実施形態の超電導線材を示す断面図である。 第2実施形態の超電導線材を示す断面図である。 第3実施形態の超電導線材を示す断面図である。 第4実施形態の超電導線材を示す断面図である。 基板を有する超電導線材の一例を示す断面図である。 基板を有する超電導線材から側面部を除去した例の断面図である。 基板を有する超電導線材から基板を除去した例の断面図である。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。これらの断面図は、超電導線材の長手方向に垂直な断面を模式的に表す。断面図の上下方向が超電導線材の厚さ方向であり、断面図の左右方向が超電導線材の幅方向である。
図1に、第1実施形態の超電導線材を示す。第1実施形態の超電導線材10では、酸化物超電導層11の厚さ方向の両面に、それぞれ保護層12,14が積層されている。また、片側の保護層12の外側には安定化層13が積層されている。なお、それぞれの保護層12,14を区別して、第1保護層12、第2保護層14という場合がある。第1保護層12と第2保護層14とは、厚さ、材料等が同一でもよく、これらの少なくとも1つの観点で互いに異なってもよい。
図2に、第2実施形態の超電導線材を示す。第2実施形態の超電導線材10Aは、酸化物超電導層11の厚さ方向の片面に積層された第1保護層12と、第1保護層12の外側に積層された安定化層13と、酸化物超電導層11の第1保護層12とは反対側の面と側面に積層された第2保護層14とを有する。
図3に、第3実施形態の超電導線材を示す。第3実施形態の超電導線材10Bは、酸化物超電導層11の厚さ方向の両面にそれぞれ積層された保護層12,14と、それぞれの保護層12,14の外側に積層された安定化層13,15とを有する。なお、それぞれの安定化層13,15を区別して、第1安定化層13、第2安定化層15という場合がある。第1安定化層13と第2安定化層15とは、厚さ、材料等が同一でもよく、これらの少なくとも1つの観点で互いに異なってもよい。
図4に、第4実施形態の超電導線材を示す。第4実施形態の超電導線材10Cは、酸化物超電導層11の厚さ方向の片面に積層された第1保護層12と、第1保護層12の外側に積層された第1安定化層13と、酸化物超電導層11の第1保護層12とは反対側の面と側面に積層された第2保護層14と、超電導線材10Cの外周に積層された第2安定化層15とを有する。
上記実施形態の超電導線材10,10A,10B,10Cにおいて、酸化物超電導層11は、希土類元素を含む酸化物超電導体から構成される。酸化物超電導体としては、例えば一般式REBaCu7−x(RE123)等で表されるRE−Ba−Cu−O系酸化物超電導体が挙げられる。希土類元素REとしては、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうちの1種又は2種以上が挙げられる。酸化物超電導層11の厚さは、例えば0.5〜5μm程度である。
酸化物超電導層11は、面方向に配向した超電導層である。例えば酸化物超電導層11の厚さ方向に平行な面内の配向度Δφが6.0°以下であることが好ましい。酸化物超電導層11が幅方向の全体にわたって配向した超電導層であってもよい。酸化物超電導層11が、幅方向の一部において間隙部を介して2本以上の超電導層に分割されていてもよい。間隙部としては、非配向部、溝等の空隙部、金属等の導体部、樹脂等の電気絶縁部等が挙げられる。非配向部は、超電導層と同様な組成を有する酸化物であってもよい。この場合、2本以上の超電導層のそれぞれは、配向した超電導層が長手方向に連続した構造であることが好ましい。
酸化物超電導層11には、人工的な結晶欠陥として、異種材料による人工ピンなどが導入されてもよい。酸化物超電導層11に人工ピンを導入するために用いられる異種材料としては、例えば、BaSnO(BSO)、BaZrO(BZO)、BaHfO(BHO)、BaTiO(BTO)、SnO、TiO、ZrO、LaMnO、ZnO等の少なくとも1種以上が挙げられる。
保護層12,14は、事故時に発生する過電流をバイパスしたり、酸化物超電導層11と保護層12、14の上に設けられる層との間で起こる化学反応を抑制したりする等の機能を有する。保護層12、14としては、銀(Ag)層又はAgを含む層(例えばAg合金層)が挙げられる。Ag合金は、モル比又は重量比で50%以上の銀を含むことが好ましい。上記実施形態では、保護層12,14はそれぞれ酸化物超電導層11の厚さ方向の各面に接している。保護層12,14の厚さは、例えば1〜30μm程度が好ましく、保護層12,14を薄くする場合は、10μm以下、5μm以下、2μm以下等でもよい。
安定化層13,15は、事故時に発生する過電流をバイパスしたり、酸化物超電導層11及び保護層12,14を機械的に補強したりする等の機能を有する。安定化層13,15としては、銅(Cu)層又はCuを含む層(例えばCu合金層)が挙げられる。Cu合金は、モル比又は重量比で50%以上の銀を含むことが好ましい。上記実施形態では、安定化層13,15は、酸化物超電導層11の厚さ方向において、それぞれ保護層12,14の片面に接している。安定化層13,15の厚さは特に限定されないが、例えば1〜300μm程度が好ましく、例えば200μm以下、100μm以下、50μm以下、20μm等でもよい。
上記実施形態の超電導線材10,10A,10B,10Cは、酸化物超電導層11の厚さ方向の両面に金属層12,13,14,15として保護層12,14及び安定化層13,15が積層された構造であるため、線材全体としての断面積を小さくすることができる。線材全体としての断面積を小さくすることが可能となれば、超電導線材の曲げ変形が容易となり、従来よりも小径に巻回した超電導コイルを形成することができる。その他、超電導線材の軽量化、細線加工が容易、という利点も得られる。保護層12,14及び安定化層13,15は、それぞれ蒸着法、スパッタ法、めっき法(電解めっき、無電解めっき等)の1種又は2種以上の組み合わせにより形成することができる。
酸化物超電導層11の厚さ方向における超電導線材10,10A,10B,10Cの総厚さは、例えば10〜1000μmとしてもよく、500μm以下、300μm以下、200μm以下、100μm以下、70μm以下、50μm以下等でもよい。ここで、超電導線材の総厚さとは、超電導線材に付属し得る全ての構成を包含する必要はなく、例えば、酸化物超電導層11の厚さ方向両側における金属層13,14,15の外面間の最大距離としてもよい。例えば、超電導線材10,10Aの総厚さは、安定化層13の外面と第2保護層14の外面との距離としてもよい。超電導線材10Bの総厚さは、第1安定化層13の外面と第2安定化層15の外面との距離としてもよい。超電導線材10Cの総厚さは、第2安定化層15の厚さ方向両側の外面間距離としてもよい。
超電導線材の幅は特に限定されないが、例えば1〜20mmが挙げられる。超電導線材の長さは特に限定されないが、例えば1m以上であり、10m以上、100m以上、200m以上、500m以上、1km以上が挙げられる。複数本の超電導線材を接続して、より長尺の線材を構成することも可能である。長尺の超電導線材の端部を長手方向に接続する間に、短尺の超電導線材を介在させてもよい。接続用の超電導線材は、例えば1m以下の短尺でもよい。酸化物超電導層11に対する水分等の影響を抑制するため、酸化物超電導層11の幅方向の両側が保護層12,14又は安定化層13,15等の金属層で覆われていることが好ましい。
本実施形態の超電導線材を製造する場合、例えば図5に示すように、基板を有する超電導線材20を製造してから、基板を除去する方法を採用してもよい。本実施形態の製造方法において、酸化物超電導層11の成膜に使用される基板は、金属基板21及び中間層22から構成される。金属基板21は、厚さ方向の両側に、それぞれ主面を有するテープ状の金属基板21である。金属基板21を構成する金属の具体例として、ハステロイ(登録商標)に代表されるニッケル合金、ステンレス鋼、ニッケル合金に集合組織を導入した配向Ni−W合金などが挙げられる。金属基板21の厚さは、目的に応じて適宜調整すれば良く、例えば10〜1000μmの範囲である。
中間層22は、多層構成でもよく、例えば基板側から超電導層側に向かう順で、拡散防止層、ベッド層、配向層、キャップ層等を有してもよい。これらの層は必ずしも1層ずつ設けられるとは限らず、一部の層を省略する場合や、同種の層を2以上繰り返し積層する場合もある。中間層22は、金属酸化物であってもよい。配向性に優れた中間層22の上に酸化物超電導層11を成膜することにより、配向性に優れた酸化物超電導層11を得ることが容易になる。
拡散防止層は、金属基板21の成分の一部が拡散し、不純物として酸化物超電導層11側に混入することを抑制する機能を有する。拡散防止層は、例えば、Si、Al、GZO(GdZr)等から構成される。拡散防止層の厚さは、例えば10〜400nmである。
ベッド層は、金属基板21と酸化物超電導層11との界面における反応を低減し、その上に形成される層の配向性を向上する等の機能を有する。ベッド層の材質としては、例えばY、Er、CeO、Dy、Eu、Ho、La等が挙げられる。ベッド層の厚さは、例えば10〜100nmである。
配向層は、キャップ層の結晶配向性を制御するために2軸配向する物質から形成される。配向層の材質としては、例えば、GdZr、MgO、ZrO−Y(YSZ)、SrTiO、CeO、Y、Al、Gd、Zr、Ho、Nd等の金属酸化物を例示することができる。この配向層はIBAD法で形成することが好ましい。
キャップ層は、配向層の表面に成膜されて、結晶粒が面内方向に自己配向し得る材料からなる。キャップ層の材質としては、例えば、CeO、Y、Al、Gd、ZrO、YSZ、Ho、Nd、LaMnO等が挙げられる。キャップ層の厚さは、50〜5000nmの範囲が挙げられる。
中間層22及び酸化物超電導層11の成膜法は、金属酸化物の組成に応じて適宜の成膜が可能であれば特に限定されない。成膜法としては、例えばスパッタ法、蒸着法、イオンビームアシスト成膜法(IBAD法)等の乾式成膜法、ゾルゲル法等の湿式成膜法が挙げられる。蒸着法としては、電子ビーム蒸着法、パルスレーザ蒸着法(PLD法)、化学気相蒸着法(CVD法)等が挙げられる。
図5に示す超電導線材20は、金属基板21上に酸化物超電導層11を積層する工程の後、酸化物超電導層11の厚さ方向のうち金属基板21とは反対側において酸化物超電導層11上に保護層12及びめっき層23からなる金属層を積層する工程により製造することができる。酸化物超電導層11上に保護層12を積層した段階で、酸素アニール等の熱処理を施してもよい。保護層12がAg層又はAgを含む層からなる場合、熱処理時に酸素ガスを通過させ、酸化物超電導層11に酸素を供給することができる。
めっき層23は、保護層12上に積層される表面部23Aと、金属基板21の裏面に積層される裏面部23Bと、超電導線材20の側面に設けられる側面部23Cとを有してもよい。基板を除去する工程に先立って、側面部23Cを除去してもよい。これにより、図6に示すように、積層体24の側面に金属基板21、酸化物超電導層11等、各層の幅方向における端面が露出されてもよい。側面部23Cを除去する際に、酸化物超電導層11の一部が除去されることもあり得る。側面部23Cを除去する方法としては、例えば、研削などの機械加工、レーザー加工が挙げられる。
図7に示すように金属基板21を除去する場合、中間層22の少なくとも一部又は全部が除去されてもよい。また、金属基板21を除去した後の酸化物超電導層11の面上で、幅方向又は長手方向の少なくとも一部の領域に、中間層22が残留することもあり得る。また、金属基板21を除去する際に、酸化物超電導層11の一部(例えば厚さ方向の一部)が除去されることもあり得る。金属基板21を除去する方法としては、例えば、金属基板21とめっき層の表面部23Aとの間に剥離力を加える剥離法が挙げられる。あるいは研削などの機械加工、レーザー加工等によって基板を除去してもよい。超電導線材20から基板を除去することにより、酸化物超電導層11の片面に保護層12及びめっき層の表面部23Aを有する構成の積層体25が得られる。積層体25に残された表面部23Aは、上記実施形態の超電導線材における第1安定化層13の一部又は全部となってもよい。
酸化物超電導層11の厚さ方向のうち、金属基板21が除去された側において、酸化物超電導層11上に金属層として、上述の第2保護層14、第2安定化層15を積層することにより、上記実施形態の超電導線材10,10A,10B,10Cを製造することができる。酸化物超電導層11上に第2保護層14を積層した段階で、酸素アニール等の熱処理を施してもよい。第2保護層14がAg層又はAgを含む層からなる場合、熱処理時に酸素ガスを通過させ、酸化物超電導層11に酸素を供給することができる。
超電導線材の外周には、超電導線材の周囲に対する電気絶縁を確保するため、ポリイミド等の絶縁テープを巻きつけたり、樹脂層を形成したりしてもよい。なお、絶縁テープや樹脂層等の絶縁被覆層は必須ではなく、超電導線材の用途に応じて絶縁被覆層を適宜設けてもよく、あるいは絶縁被覆層を有しない構成とすることもできる。
超電導線材を使用して超電導コイルを作製するには、例えば超電導線材を巻き枠の外周面に沿って必要な層数巻き付けてコイル形状の多層巻きコイルを構成した後、巻き付けた超電導線材を覆うようにエポキシ樹脂等の樹脂を含浸させて、超電導線材を固定することができる。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。改変としては、各実施形態における構成要素の追加、置換、省略、その他の変更が挙げられる。また、2以上の実施形態に用いられた構成要素を適宜組み合わせることも可能である。
上記実施形態の超電導線材は、金属等の基板を要しない構造であるが、場合により、酸化物超電導層の厚さ方向の少なくとも片側の金属層の外側に、基板を積層することもできる。金属層の外側に基板を積層する場合は、超電導線材の全長又は全幅にわたって基板を積層してもよく、あるいは超電導線材の長手方向又は幅方向の一部の領域に限って基板を積層してもよい。あるいは、超電導線材の幅方向の端部等に補強用の線材、光ファイバセンサー等の検知用線材等を縦添え(長手方向に沿って並設)することもできる。
10,10A,10B,10C…超電導線材、11…酸化物超電導層、12,14…保護層(金属層)、13,15…安定化層(金属層)、20…基板付き超電導線材、21…金属基板、22…中間層、23…めっき層、23A…表面部、23B…裏面部、23C…側面部、24,25…積層体。

Claims (7)

  1. 希土類元素を含む酸化物超電導層を有する超電導線材であって、
    前記酸化物超電導層は、厚さ方向に平行な面内の配向度Δφが6.0°以下であり、
    前記酸化物超電導層の厚さ方向の両面に、それぞれ金属層が積層されており、
    少なくとも前記酸化物超電導層の厚さ方向の両面に接する前記金属層がAg層又はAgを含む層であり、
    前記酸化物超電導層の厚さ方向の少なくとも片側において、前記Ag層又はAgを含む層に接する金属層がCu層又はCuを含む層であることを特徴とする超電導線材。
  2. 前記酸化物超電導層の厚さ方向の両側において、前記Ag層又はAgを含む層に接してCu層又はCuを含む層を有することを特徴とする請求項1に記載の超電導線材。
  3. 前記酸化物超電導層の幅方向の両側が前記金属層で覆われていることを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導線材。
  4. 前記酸化物超電導層の厚さ方向における前記超電導線材の総厚さが50μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の超電導線材。
  5. 希土類元素を含む酸化物超電導層を有する超電導線材の製造方法であって、
    基板上に、前記酸化物超電導層を積層する工程と、
    前記酸化物超電導層の厚さ方向のうち前記基板とは反対側において前記酸化物超電導層上に金属層を積層する工程と、
    前記基板を除去する工程と、
    前記酸化物超電導層の厚さ方向のうち前記基板が除去された側において前記酸化物超電導層上に金属層を積層する工程と、
    を有することを特徴とする超電導線材の製造方法。
  6. 少なくとも前記酸化物超電導層の厚さ方向の両面に接する前記金属層がAg層又はAgを含む層であることを特徴とする請求項5に記載の超電導線材の製造方法。
  7. 前記酸化物超電導層の厚さ方向の少なくとも片側において、前記Ag層又はAgを含む層に接してCu層又はCuを含む層を積層することを特徴とする請求項6に記載の超電導線材の製造方法。
JP2018243592A 2018-12-26 2018-12-26 酸化物超電導線材及びその製造方法 Active JP6724125B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018243592A JP6724125B2 (ja) 2018-12-26 2018-12-26 酸化物超電導線材及びその製造方法
PCT/JP2019/050519 WO2020138035A1 (ja) 2018-12-26 2019-12-24 酸化物超電導線材及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018243592A JP6724125B2 (ja) 2018-12-26 2018-12-26 酸化物超電導線材及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020107445A JP2020107445A (ja) 2020-07-09
JP6724125B2 true JP6724125B2 (ja) 2020-07-15

Family

ID=71127040

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018243592A Active JP6724125B2 (ja) 2018-12-26 2018-12-26 酸化物超電導線材及びその製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6724125B2 (ja)
WO (1) WO2020138035A1 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5622195B2 (ja) * 2010-08-05 2014-11-12 国立大学法人九州大学 RE1Ba2Cu3O7−z超電導体
JP2013136815A (ja) * 2011-12-28 2013-07-11 Fujikura Ltd レーザーアブレーション用ターゲットとそれを用いた酸化物超電導線材の製造方法および酸化物超電導線材
JP5622778B2 (ja) * 2012-03-23 2014-11-12 株式会社東芝 酸化物超電導体、及び、配向酸化物薄膜

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020107445A (ja) 2020-07-09
WO2020138035A1 (ja) 2020-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5847009B2 (ja) 酸化物超電導線材
JP2014154320A (ja) 酸化物超電導線材の接続構造体及び超電導機器
JP6688914B1 (ja) 酸化物超電導線材及び超電導コイル
JP6724125B2 (ja) 酸化物超電導線材及びその製造方法
JP5405069B2 (ja) テープ状酸化物超電導体及びそれに用いる基板
US9570215B2 (en) Method for manufacturing precursor, method for manufacturing superconducting wire, precursor, and superconducting wire
JP6904875B2 (ja) 酸化物超電導線材の接続構造および酸化物超電導線材の接続方法
JP6743233B1 (ja) 酸化物超電導線材
JP6349439B1 (ja) 超電導コイル
WO2018207727A1 (ja) 超電導線材および超電導コイル
JP6707164B1 (ja) 超電導線材の接続構造体及び超電導線材
US11710583B2 (en) Oxide superconducting wire and superconducting coil
JP6743232B1 (ja) 酸化物超電導線材
JP6869868B2 (ja) 酸化物超電導線材の接続構造
JP6318284B1 (ja) 超電導線材
JP6775407B2 (ja) 酸化物超電導線材
JP2018073698A (ja) 超電導線材及び超電導コイル
JP2023032076A (ja) 超電導コイル
JP6031494B2 (ja) 超電導線材及びこれを使用した超電導コイル
JP6214196B2 (ja) 酸化物超電導コイルおよびそれを備えた超電導機器
JP2021012828A (ja) 酸化物超電導線材、酸化物超電導コイル、酸化物超電導線材の製造方法
JP2018163733A (ja) 酸化物超電導線材及び超電導コイル
JP2020135988A (ja) 酸化物超電導線材及びその製造方法
JP2018106839A (ja) 酸化物超電導線材およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200421

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200421

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200428

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200526

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200624

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6724125

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250