JP6707164B1 - 超電導線材の接続構造体及び超電導線材 - Google Patents

超電導線材の接続構造体及び超電導線材 Download PDF

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Abstract

【課題】接続後の酸化物超電導層の酸素不定比性を調整することが容易な超電導線材の接続構造体及びこれを有する超電導線材を提供する。【解決手段】酸化物超電導層12,22を有する接続対象線材10,20の端部間が、酸化物超電導層32を有する接続用線材30を介して接続された超電導線材の接続構造体であって、接続対象線材10,20の酸化物超電導層12,22の厚さ方向に垂直な面内配向度Δφが4.0°以上5.5°未満であり、接続用線材30の酸化物超電導層32の厚さ方向に垂直な面内配向度Δφが接続対象線材10,20の酸化物超電導層12,22の面内配向度Δφよりも0.5°以上大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、超電導線材の接続構造体及び超電導線材に関する。
超電導線材は、電流損失が低いため、電力供給用ケーブル、磁気コイル等として使用されている。特許文献1には、金属基材上に設けられた中間層の上に酸化物超電導層を成膜し、周囲に安定化層として銅の電解めっき膜を形成した超電導線材が記載されている。
また、長尺の超電導線材を得るためには、複数本の超電導線材の端部同士を接続する必要がある。例えば特許文献2においては、超電導線材の酸化物超電導層を対向させ、酸化物超電導層間に電気的な導通を確保している。
特許第5634166号公報 特開2013−235699号公報
しかし、酸化物超電導層を対向させて超電導線材を接続した場合、酸化物超電導層が各超電導線材の金属基板間に挟まれた構造となる。この際、酸化物超電導層を接続する際に酸素が不足した状態で熱処理されることにより、酸化物超電導層から酸素が脱離して超電導特性が劣化する場合がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、接続後の酸化物超電導層の酸素不定比性を調整することが容易な超電導線材の接続構造体及び超電導線材を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、酸化物超電導層を有する接続対象線材の端部間が、酸化物超電導層を有する接続用線材を介して接続された超電導線材の接続構造体であって、前記接続対象線材の酸化物超電導層の厚さ方向に垂直な面内配向度Δφが4.0°以上5.5°未満であり、前記接続用線材の酸化物超電導層の厚さ方向に垂直な面内配向度Δφが前記接続対象線材の酸化物超電導層の面内配向度Δφよりも0.5°以上大きいことを特徴とする超電導線材の接続構造体を提供する。
前記接続対象線材及び前記接続用線材は、それぞれ基板上に前記酸化物超電導層を有する超電導線材からなり、前記接続対象線材の基板と前記接続用線材の基板との間で、前記接続対象線材の酸化物超電導層と前記接続用線材の酸化物超電導層とが対向するように配置されていてもよい。
前記接続対象線材の酸化物超電導層と前記接続用線材の酸化物超電導層とが直接接するように接続されていてもよい。
前記接続用線材は、前記接続対象線材よりも短い超電導線材から構成されてもよい。
また、本発明は、長手方向に2以上の接続対象線材が接続された超電導線材であって、前記2以上の接続対象線材の間の少なくとも1箇所が、前記超電導線材の接続構造体から構成されていることを特徴とする超電導線材を提供する。
本発明によれば、接続用線材の酸化物超電導層の厚さ方向に垂直な面内配向度Δφが相対的に大きいため、酸素拡散による酸化物超電導層の酸素不定比性の調整が容易になる。接続対象線材の酸化物超電導層の厚さ方向に垂直な面内配向度Δφが相対的に小さいため、接続対象線材の超電導特性が高く、接続された超電導線材の平均的な超電導特性の低下を抑制することができる。
実施形態の超電導線材の接続構造体を模式的に示す断面図である。 酸化物超電導体における粒界の構造を概念的に示す説明図である。 酸化物超電導体における転位群の構造を概念的に示す説明図である。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1に、本実施形態の超電導線材の接続構造体を示す。この断面図は、超電導線材の長手方向に沿う断面を模式的に表す。断面図の上下方向が超電導線材の厚さ方向であり、断面図の左右方向が超電導線材の長手方向である。紙面に垂直な方向が超電導線材の幅方向である。
図1に示すように、接続構造体を構成する超電導線材10,20,30は、長尺の接続対象線材10,20と、短尺の接続用線材30とから構成されている。接続対象線材10,20の端部間において、接続対象線材10,20の酸化物超電導層12,22が、接続用線材30の酸化物超電導層32を介して接続されている。各酸化物超電導層12,22,32は、それぞれ基板11,21,31上に積層されていてもよい。接続対象線材10,20の酸化物超電導層12,22上のうち、接続用線材30の酸化物超電導層32と対向していない部分には、保護層13,23が設けられてもよい。図1は、接続対象線材10,20のうち、接続用線材30と接続される側の端部付近のみを示し、その他の部分は図示を省略している。本実施形態の接続構造体は、接続対象線材10,20の一方の端部と、接続用線材30とを含む部分である。接続対象線材10,20の長手方向において、図示しない側の端部には、別の接続構造体が構成されてもよい。
接続対象線材10,20の端部を接続用線材30と接続する際には、接続対象線材10,20の酸化物超電導層12,22が、接続用線材30の酸化物超電導層32と対向するように各超電導線材10,20,30を配置し、酸化物超電導層12,22,32を互いに重ね合わせることができる。図1に示す実施形態では、接続対象線材10,20の長手方向の端面の間に隙間を介在させているが、この隙間は必須ではない。例えば長手方向に対向する接続対象線材10,20の間で端面間を突き合わせてもよい。
酸化物超電導層12,22,32を直接接合する場合には、例えば加熱により超電導体を拡散接合してもよい。互いに対向する酸化物超電導層12,22,32の間に、銀、銀合金、半田等の金属からなる接合層(図示せず)を設けてもよい。互いに対向する基板11,21,31の間又は周囲に溶接、金属めっき等の接合部(図示せず)を設けることにより、各超電導線材10,20,30の間を固定してもよい。
超電導接続の電気抵抗を低減するため、接続対象線材10,20と接続用線材30とが対向する領域の少なくとも一部において、接続対象線材10,20の酸化物超電導層12,22と接続用線材30の酸化物超電導層32とが直接接するように接続されていることが好ましい。互いに対向する酸化物超電導層12,22,32の間に接合層を設ける場合は、酸素拡散を可能とするように材質、膜厚等を設定することが好ましい。接続後に酸素雰囲気下の酸素熱処理(酸素アニール)をして酸化物超電導層12,22,32の劣化を回復させることが好ましい。酸素熱処理では、酸化物超電導体の金属元素に対する酸化物の比を最適化することができる。
本実施形態の接続構造体の場合、接続対象線材10,20の酸化物超電導層12,22の厚さ方向(c軸方向)に垂直な方向(a軸方向又はb軸方向)の面内配向度Δφが5.5°未満であることが好ましい。これにより、接続対象線材10,20の酸化物超電導層12,22の超電導特性を良好に保つことができる。
また、接続対象線材10,20の酸化物超電導層12,22の厚さ方向(c軸方向)に垂直な方向(a軸方向又はb軸方向)の面内配向度Δφが4.0°以上であることが好ましい。これにより、超電導線材の臨界電流Icを、熱処理を施す前に比べて熱処理を施した後に上昇させることができる。
また、接続用線材30の酸化物超電導層32の厚さ方向(c軸方向)に垂直な方向(a軸方向又はb軸方向)の面内配向度Δφが接続対象線材10,20の酸化物超電導層12,22の面内配向度Δφよりも0.5°以上大きいことが好ましい。これにより、接続用線材30の酸化物超電導層32の超電導特性を良好に保つことができる。
なお、面内配向度Δφとは、酸化物超電導層のX線解析測定を行い測定される、結晶軸分散の半値全幅(FWHM)の値である。面内配向度Δφの数値が小さいほど、結晶配向性が良好であることを示す。
酸化物超電導層の厚さ方向に垂直な方向の面内配向度Δφを、これ以降、単に面内配向度Δφという。
接続対象線材10,20の端部において酸化物超電導層12,22上に接続用線材30の酸化物超電導層32が対向し、酸化物超電導層12,22,32が互いに重なり合っていても、酸化物超電導層32の面内配向度Δφが相対的に大きいため、酸化物超電導層32の酸素拡散速度が速くなる。これにより、酸素拡散による酸化物超電導層12,22,32の酸素不定比性の調整が容易になる。また、接続対象線材10,20の酸化物超電導層12,22の面内配向度Δφが相対的に小さく、長尺の接続対象線材10,20の超電導特性が高いため、接続された超電導線材10,20,30の平均的な超電導特性の低下を抑制することができる。
面内配向度Δφが大きい酸化物超電導層32の酸素拡散速度が速くなる理由としては、例えば次のように考えられる。図2に示すように、結晶中で隣接する局所的な領域間で結晶方位41,42,43の差が大きいと粒界47ができ、各領域は粒界47で囲まれた結晶粒44,45,46となる。また、図3に示すように、結晶中で隣接する局所的な領域間で結晶方位41,42の差が小さいと粒界にならず、転位群48になる。すなわち、結晶の面内配向度Δφが大きい場合は、結晶中に結晶方位が異なる領域が増加し、酸素が拡散し得る粒界47、転位群48等の欠陥構造が増加するため、酸素拡散に有利になると考えられる。なお、図2では結晶粒44,45,46を簡略に六角形で図示しているが、これは粒子の形状を意図したものではない。
酸素熱処理は、接続対象線材10,20を接続用線材30と接続する前、または接続した後のいずれかに、少なくとも1回行うことが好ましい。接続後に酸化物超電導層12,22が露出されている場合は、少なくとも露出されている酸化物超電導層12,22の上に、銀等の保護層13,23を積層することが好ましい。保護層13,23を厚さ方向に2層以上積層することも可能である。例えば、酸素熱処理前には、高温条件下で酸素を透過可能な銀または銀合金を積層し、酸素熱処理後に、銀または銀合金の上に銅等を積層してもよい。保護層13,23が接続対象線材10,20の全長にわたり形成された接続対象線材10,20を用意して、接続用線材30と接続する前に接続対象線材10,20の端部から保護層13,23の一部をエッチング等で除去してもよい。
酸化物超電導層12,22,32は、例えば希土類元素を含む酸化物超電導体から構成される。酸化物超電導体としては、例えば一般式REBaCu7−x(RE123)等で表されるRE−Ba−Cu−O系酸化物超電導体が挙げられる。希土類元素REとしては、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうちの1種又は2種以上が挙げられる。酸化物超電導層12,22,32の厚さは、例えば0.5〜5μm程度である。
酸化物超電導層12,22,32には、人工的な結晶欠陥として、異種材料による人工ピンなどが導入されてもよい。酸化物超電導層12,22,32に人工ピンを導入するために用いられる異種材料としては、例えば、BaSnO(BSO)、BaZrO(BZO)、BaHfO(BHO)、BaTiO(BTO)、SnO、TiO、ZrO、LaMnO、ZnO等の少なくとも1種以上が挙げられる。
接続対象線材10,20の酸化物超電導層12,22の面内配向度Δφは、特に限定されないが、例えば、4.0°、4.2°、4.5°、4.8°、5.0°、5.3°、5.4°あるいはこれらの中間又は付近の値が挙げられる。ここで、酸化物超電導層12の面内配向度Δφと酸化物超電導層22の面内配向度Δφとは同程度でもよく、異なってもよい。
接続用線材30の酸化物超電導層32の面内配向度Δφは、特に限定されないが、例えば、4.5°、4.8°、5.0°、5.3°、5.4°、5.5°、6.0°、6.2°、7.0°、7.5°、8.0°、あるいはこれらの中間又は付近、さらにはそれ以上の値が挙げられる。
酸化物超電導層32の面内配向度Δφと酸化物超電導層12,22の面内配向度Δφとの差は、特に限定されないが、例えば、0.5°、0.6°、0.8°、1.0°、1.2°、1.5°、1.8°、2.0°、3.0°、5.0°、あるいはこれらの中間又は付近、さらにはそれ以上の値が挙げられる。ここで、酸化物超電導層32の面内配向度Δφと酸化物超電導層12の面内配向度Δφとの差、及び酸化物超電導層32の面内配向度Δφと酸化物超電導層22の面内配向度Δφとの差のうち、少なくとも一方が、上述の差(例えば0.5°以上の差)を有することが好ましい。
保護層13,23は、事故時に発生する過電流をバイパスしたり、酸化物超電導層12,22と保護層13,23の上に設けられる層との間で起こる化学反応を抑制したりする等の機能を有する。保護層13,23としては、銀(Ag)層又はAgを含む層(例えばAg合金層)が挙げられる。Ag合金は、モル比又は重量比で50%以上の銀を含むことが好ましい。保護層13,23の厚さは、例えば1〜30μm程度が好ましく、保護層13,23を薄くする場合は、10μm以下、5μm以下、2μm以下等でもよい。さらに超電導線材10,20,30の周囲には、銅めっき層等の安定化層(図示せず)が設けられてもよい。
超電導線材10,20,30の幅は特に限定されないが、例えば1〜20mmが挙げられる。接続対象線材10,20の長さは特に限定されないが、例えば1m以上であり、10m以上、100m以上、200m以上、500m以上、1km以上が挙げられる。複数本の超電導線材を接続して、より長尺の線材を構成することも可能である。接続用線材30の長さは、例えば1m以下の短尺でもよい。接続用線材30に対する接続対象線材10,20の長さの比は、例えば10倍以上、100倍以上、あるいは1000倍以上でもよい。接続対象線材10,20と接続用線材30との間で酸化物超電導層12,22,32が重なり合う長さは、特に限定されないが、例えば5mm以上、10mm以上、20mm以上等が挙げられる。
基板11,21,31は、例えば、厚さ方向の両側に、それぞれ主面を有するテープ状の基板である。基板11,21,31は、例えば金属基板及び中間層から構成されてもよい。金属基板を構成する金属の具体例として、ハステロイ(登録商標)に代表されるニッケル合金、ステンレス鋼、ニッケル合金に集合組織を導入した配向Ni−W合金などが挙げられる。中間層は、金属基板に酸化物超電導層を成膜する側の主面に成膜される。金属の結晶の並びを揃えて配向させた配向基板を基板11,21,31として用いる場合、中間層を形成せずに、基板11,21,31上に直接、酸化物超電導層12,22,32を形成することができる。金属基板の厚さは、目的に応じて適宜調整すれば良く、例えば10〜1000μmの範囲である。
中間層は、多層構成でもよく、例えば金属基板側から酸化物超電導層側に向かう順で、拡散防止層、ベッド層、配向層、キャップ層等を有してもよい。これらの層は必ずしも1層ずつ設けられるとは限らず、一部の層を省略する場合や、同種の層を2以上繰り返し積層する場合もある。中間層は、金属酸化物であってもよい。配向性に優れた中間層の上に酸化物超電導層を成膜することにより、配向性に優れた酸化物超電導層を得ることが容易になる。
酸化物超電導層又は中間層の面内配向度Δφの制御は、例えばイオンビームアシスト成膜(IBAD)法におけるデポジション:エッチング比の変更、温度、周波数等の変更など、成膜条件の変更により行うことができる。例えば、IBAD法では、蒸着面に対して所定の角度でアルゴン(Ar)等のイオンビームを照射することにより、結晶軸を配向させる。この際、例えば蒸着粒子とアシストイオンビームのバランス等を変更することにより、面内配向度Δφを制御することができる。また、酸化物超電導層の下に設けられる中間層などの層の面内配向度Δφを制御することにより、酸化物超電導層の面内配向度Δφを制御することができる。
中間層及び酸化物超電導層の成膜法は、金属酸化物の組成に応じて適宜の成膜が可能であれば特に限定されない。成膜法としては、例えばスパッタ法、蒸着法、イオンビームアシスト成膜法(IBAD法)等の乾式成膜法、ゾルゲル法等の湿式成膜法が挙げられる。蒸着法としては、電子ビーム蒸着法、パルスレーザ蒸着法(PLD法)、化学気相蒸着法(CVD法)等が挙げられる。
本実施形態により接続された超電導線材は、超電導接続部の少なくとも1箇所が上述の実施形態による接続構造体から構成されている。超電導接続部を介して長手方向に直列に2以上の接続対象線材が接続された超電導線材を得る場合、長手方向に離れて存在する超電導接続部がそれぞれ同一の構成でもよく、異なる構成の超電導接続部が併用されてもよい。
超電導線材の外周には、超電導線材の周囲に対する電気絶縁を確保するため、ポリイミド等の絶縁テープを巻きつけたり、樹脂層を形成したりしてもよい。なお、絶縁テープや樹脂層等の絶縁被覆層は必須ではなく、超電導線材の用途に応じて絶縁被覆層を適宜設けてもよく、あるいは絶縁被覆層を有しない構成とすることもできる。
超電導線材を使用して超電導コイルを作製するには、例えば超電導線材を巻き枠の外周面に沿って必要な層数巻き付けてコイル形状の多層巻きコイルを構成した後、巻き付けた超電導線材を覆うようにエポキシ樹脂等の樹脂を含浸させて、超電導線材を固定することができる。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。改変としては、各実施形態における構成要素の追加、置換、省略、その他の変更が挙げられる。また、2以上の実施形態に用いられた構成要素を適宜組み合わせることも可能である。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
金属基板上にCeOを含む中間層を成膜した後、中間層の上に酸化物超電導層を成膜する方法で、酸化物超電導層の面内配向度Δφが異なる超電導線材を作製し、それぞれの超電導線材に対して温度300℃、30分、酸素(O)雰囲気中で熱処理を施した。熱処理を施す前と、熱処理を施した後で、各超電導線材を液体窒素温度に冷却して臨界電流Icを測定した。熱処理を施す前のIcに比べて熱処理を施した後のIcが上昇した比率をIc上昇率として求めた。すなわち、熱処理を施す前のIcをIc0とし、熱処理を施した後のIcをIc1とするとき、Ic上昇率は、Ic1/Ic0の比率である。
Figure 0006707164
表1に示すように、面内配向度Δφが小さいときはIc上昇率が低かったが、面内配向度Δφが大きいほどIc上昇率が高く、酸素拡散速度が速いことが確認された。したがって、接続された超電導線材の本線となる接続対象線材の端部間を接続する接続用線材としては、面内配向度Δφが大きい酸化物超電導層を有する超電導線材を用いることにより、接続前または接続後の酸素熱処理を有利に行うことができる。具体例としては、超電導線材の本線となる接続対象線材の酸化物超電導層の面内配向度Δφとしては4.2°、接続用線材の酸化物超電導層の面内配向度Δφとしては5.3°が挙げられる。さらに、酸化物超電導層の面内配向度Δφを4.0°以上とした場合、熱処理を施す前に比べて熱処理を施した後にIcを上昇させることができる。なお、酸素熱処理の条件は本実施例の例示に限られず、例えばより高温で又はより長時間にわたり実施してもよい。
10,20…接続対象線材(超電導線材)、11,21…接続対象線材の基板、12,22…接続対象線材の酸化物超電導層、13,23…接続対象線材の保護層、30…接続用線材(超電導線材)、31…接続用線材の基板、32…接続用線材の酸化物超電導層、41,42,43…結晶方位、44,45,46…結晶粒、47…粒界、48…転位群。

Claims (5)

  1. 第1酸化物超電導層を有する第1接続対象線材の端部と、第2酸化物超電導層を有する第2接続対象線材の端部との間が、第3酸化物超電導層を有する接続用線材を介して接続された超電導線材の接続構造体であって、
    前記第1酸化物超電導層の厚さ方向に垂直な方向における、前記第1酸化物超電導層の面内配向度Δφが4.0°以上5.5°未満であり、
    前記第2酸化物超電導層の厚さ方向に垂直な方向における、前記第2酸化物超電導層の面内配向度Δφが4.0°以上5.5°未満であり、
    前記第3酸化物超電導層の厚さ方向に垂直な方向における、前記第3酸化物超電導層の面内配向度Δφは、前記第1酸化物超電導層の面内配向度Δφ又は前記第2酸化物超電導層の面内配向度Δφの少なくとも一方よりも0.5°以上大きいことを特徴とする超電導線材の接続構造体。
  2. 前記第1接続対象線材は、第1基板上に前記第1酸化物超電導層を有する超電導線材からなり、
    前記第2接続対象線材は、第2基板上に前記第2酸化物超電導層を有する超電導線材からなり、
    前記接続用線材は、第3基板上に前記第3酸化物超電導層を有する超電導線材からなり、
    前記第1接続対象線材の前記第1基板と前記接続用線材の前記第3基板との間で、前記第1接続対象線材の前記第1酸化物超電導層と前記接続用線材の前記第3酸化物超電導層とが対向するように配置されており、
    前記第2接続対象線材の前記第2基板と前記接続用線材の前記第3基板との間で、前記第2接続対象線材の前記第2酸化物超電導層と前記接続用線材の前記第3酸化物超電導層とが対向するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の超電導線材の接続構造体。
  3. 前記第1接続対象線材の前記第1酸化物超電導層と前記接続用線材の前記第3酸化物超電導層とが直接接するように接続されており、
    前記第2接続対象線材の前記第2酸化物超電導層と前記接続用線材の前記第3酸化物超電導層とが直接接するように接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導線材の接続構造体。
  4. 前記接続用線材は、前記第1接続対象線材及び前記第2接続対象線材よりも短い超電導線材から構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電導線材の接続構造体。
  5. 長手方向に2以上の接続対象線材が接続された超電導線材であって、
    前記2以上の接続対象線材の間の少なくとも1箇所における第1接続対象線材の端部と第2接続対象線材の端部との間が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の超電導線材の接続構造体から構成されていることを特徴とする超電導線材。
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