JP6723945B2 - フォトマスクブランクス基板収納容器、フォトマスクブランクス基板の保管方法、及びフォトマスクブランクス基板の輸送方法 - Google Patents
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Description
前記フォトマスクブランクス基板を収容可能なインナーカセットと、該インナーカセットに収納した前記フォトマスクブランクス基板を上方から固定するリテイナー部材とを有するインナー部材と、
前記インナーカセットを収容可能な下箱と、前記リテイナー部材を内側に嵌合可能な上蓋とを有する容器本体と、
該容器本体を封止する封止テープとを有し、
前記容器本体及び前記インナー部材は、0.1gのサンプリング時40℃で60分保持の下で放出されるアウトガス成分中、ガスクロマトグラフィー質量分析計にて検出されるアウトガスの総量が、n−テトラデカン換算で1.9×103ng以下である高分子系材料からなり、
前記封止テープは、10mm×10mm大にサンプリング時150℃で10分保持の下で放出されるアウトガス成分中、ガスクロマトグラフィー質量分析計にて検出されるアウトガスの総量が、n−テトラデカン換算で1.8×103ng以下のものであることを特徴とするフォトマスクブランクス基板収納容器を提供する。
前記封止テープは、10mm×10mm大にサンプリング時150℃で10分保持の下で放出されるアウトガス成分中、ガスクロマトグラフィー質量分析計にて検出されるアウトガスの総量が、n−テトラデカン換算で1.0×103ng以下のものであることが好ましい。
前記封止テープは、ポリエチレンテレフタラート、ポリプロピレン、ポリエチレンのいずれかからなる基材と、ポリアクリル酸エステルからなる粘着面とを有するものであることが好ましい。
前記容器本体を封止する封止テープから発生するアウトガス成分によるアウトガスの総量(テープのアウトガス総量)が、1.4×102μg未満のものであることが好ましい。
上記したように、近年、レジストに要求される解像性、コントラスト性能は増々高まっており、従来のフォトマスクブランクス基板収納容器では、寸法変動制御が不十分であるという問題があった。
なお、容器本体8とインナー部材5の材料は、同じ高分子系材料とすることもできるし、異なる高分子系材料とすることもできる。さらには、容器本体8の下箱6と上蓋7の材料は、同じ高分子系材料とすることもできるし、異なる高分子系材料とすることもできる。また、インナー部材5のインナーカセット3とリテイナー部材4の材料は、同じ高分子系材料とすることもできるし、異なる高分子系材料とすることもできる。
そして、本発明において、上記複数の部品の材料が異なる場合、それらの材料のそれぞれは、上記条件を満たす高分子系材料である。サンプリングは、材料の種類ごとに行うものとする。
(容器本体とインナー部材)
容器本体8の上蓋7の一部から0.1gを立方体形状に切削したサンプルを、精秤後にサンプルセル内に入れ、高純度ヘリウム雰囲気下で40℃×60minの加熱脱離を行う。発生したガス成分をガスクロマトグラフィー質量分析計(GC−MS, Agilent GC7890A)により分析し、検出されたピークの面積値をn−テトラデカンにて作成した検量線により換算することで、容器本体8を構成する高分子系材料のアウトガス総量(サンプルからのアウトガス量:x(ng))を求めることができる。これを容器本体のアウトガス総量と定義する。
また容器本体を構成する高分子系材料が複数存在する場合には、そのそれぞれの高分子系材料よりなる容器本体のアウトガス総量を求めることとする。
例えば、容器本体8の上蓋7と下箱6の高分子系材料が異なる場合には、それぞれの高分子系材料について上述の分析を行い、それぞれの高分子系材料よりなる容器本体のアウトガス総量(上蓋7から切削したサンプルからの容器本体のアウトガス総量をx1(ng)、下箱6から切削したサンプルからの容器本体のアウトガス総量をx2(ng)とする)を求めることとする。
同様にインナー部材5の一部から0.1gを立方体形状に切削したサンプルを、精秤後にサンプルセル内に入れ、高純度ヘリウム雰囲気下で40℃×60minの加熱脱離を行う。発生したガス成分をガスクロマトグラフィー質量分析計(GC−MS, Agilent GC7890A)により分析し、検出されたピークの面積値をn−テトラデカンにて作成した検量線により換算することで、インナー部材5を構成する高分子系材料のアウトガス総量(サンプルからのアウトガス量:y(ng))を求めることができる。これをインナー部材のアウトガス総量と定義する。
またインナー部材を構成する高分子系材料が複数存在する場合には、そのそれぞれの高分子系材料よりなるインナー部材のアウトガス総量を求めることとする。
例えば、インナー部材5のインナーカセット3とリテイナー部材4の高分子系材料が異なる場合には、それぞれの高分子系材料について上述の分析を行い、それぞれの高分子系材料よりなるインナー部材のアウトガス総量(インナーカセット3から切削したサンプルからのインナー部材のアウトガス総量をy1(ng)、リテイナー部材4から切削したサンプルからのインナー部材のアウトガス総量をy2(ng)とする)を求めることとする。
次にインナー部材の表面積(D(mm2))をサンプルの表面積(C(mm2))で割り、上記サンプルからのアウトガス量をかけることにより、インナー部材の表面からのアウトガス総量を算出する((D/C)×y(ng))。
これらの和{(B/A)×x+(D/C)×y}(ng)により、容器内のアウトガス総量を得ることができる。
一般的に容器本体が複数の高分子系材料で構成され、さらにインナー部材も複数の高分子系材料で構成されている場合には、容器内のアウトガス総量は以下のような式となる。
{Σn k=1(Bk/Ak)×xk+Σm l=1(Dl/Cl)×yl}(ng)
ここで容器本体8は、n種の高分子系材料で構成され、インナー部材5は、m種の高分子系材料で構成されていることを示す。
インナー部材5から2gを採取し、キュリーポイント・パージ&トラップ・サンプラー(日本分析工業 JHS−100A)を用い、100℃×20min、キャリアガスHeを流通させながらアウトガス成分を吸着管TENAX−TAに吸着採取する。吸着したアウトガス成分を、ガスクロマトグラフィー質量分析計(GC−MS, Agilent 5975C−MSD)により分析し、検出されたピークの面積値をn−テトラデカンにて作成した検量線により換算することで、インナー部材5のアウトガス総量を求めることができる。
封止テープ9を10mm×10mmの大きさに切削したサンプルを、キュリーポイント・パージ&トラップ・サンプラー(日本分析工業 JHS−100A)を用いて150℃×10min、キャリアガスHeを流通させながらアウトガス成分を吸着採取した。吸着したアウトガス成分を、ガスクロマトグラフィー質量分析計(GC−MS, Agilent 5975C−MSD)により分析し、検出されたピークの面積値をn−テトラデカンにて作成した検量線により換算することで、封止テープのアウトガス総量(サンプルからのアウトガス量:z(ng))を求めることができる。これを封止テープのアウトガスの総量と定義する。
[GC−MS測定条件(容器本体、インナー部材)]
測定方法 :ダイナミックヘッドスペース法
カラム :DB−1(30m×0.32mmφ×0.25μm)
温度 :50℃3min(10℃/min)250℃12min
測定方法 :パージ&トラップ法
カラム :DB−5MS(30m×0.25mmφ×0.25μm)
温度 :40℃5min(10℃/min)300℃5min
容器本体として、図1に示すような、152mm角のフォトマスクブランクス基板2を複数枚林立可能なインナーカセット3を収納可能な、上蓋7及び下箱6の2点を、ポリカーボネート系樹脂Aを用いて、射出成型により製造した。
測定方法 :ダイナミックヘッドスペース法
カラム :DB−1(30m×0.32mmφ×0.25μm)
温度 :50℃3min(10℃/min)250℃12min
測定方法 :パージ&トラップ法
カラム :DB−5MS(30m×0.25mmφ×0.25μm)
温度 :40℃5min(10℃/min)300℃5min
封止テープとして、基材がポリプロピレン系かつ粘着面がポリアクリル酸エステルである封止テープBを使用した以外、実施例1と同条件にてフォトマスクブランクス基板収納容器を製造した。
封止テープとして、基材がポリエチレン系かつ粘着面がポリアクリル酸エステルである封止テープCを使用した以外、実施例1と同様にしてフォトマスクブランクス基板収納容器を製造した。
実施例1と同様にしてフォトマスクブランクス基板収納容器を製造した。
実施例2と同様にしてフォトマスクブランクス基板収納容器を製造した。
容器本体の高分子系材料として、上蓋及び下箱の材料にポリカーボネート系樹脂Bを使用した以外、実施例1と同条件にてフォトマスクブランクス基板収納容器を製造した。
容器本体の高分子系材料として、上蓋及び下箱の材料にポリカーボネート系樹脂Cを使用した以外、実施例1と同条件にてフォトマスクブランクス基板収納容器を製造した。
容器本体の高分子系材料として、上蓋及び下箱の材料にポリプロピレン系樹脂Dを使用した以外、実施例1と同条件にてフォトマスクブランクス基板収納容器を製造した。
容器本体として、上蓋及び下箱の材料にメタクリル酸メチル系樹脂Eを使用した以外、実施例1と同条件にてフォトマスクブランクス基板収納容器を製造した。
封止テープとして、基材がポリ塩化ビニル系かつ粘着面が天然ゴム系である封止テープDを使用した以外、実施例1と同条件にてフォトマスクブランクス基板収納容器を製造した。
封止テープとして、基材がポリエチレン系かつ粘着面がポリアクリル酸エステルである封止テープEを使用した以外、実施例1と同条件にてフォトマスクブランクス基板収納容器を製造した。
封止テープとして、基材がポリエチレン系かつ粘着面がポリアクリル酸エステルである封止テープFを使用した以外、実施例1と同条件にてフォトマスクブランクス基板収納容器を製造した。
比較例2と同様にしてフォトマスクブランクス基板収納容器を製造した。
容器本体として、上蓋及び下箱の材料にアクリロニトリルブタジエンスチレン系樹脂Fを使用した以外、実施例1と同条件にてフォトマスクブランクス基板収納容器を製造した。
容器本体として、上蓋及び下箱の材料にアクリロニトリルブタジエンスチレン系樹脂Gを使用した以外、実施例1と同条件にて実施例1と同条件にてフォトマスクブランクス基板収納容器を製造した。
3…インナーカセット、 4…リテイナー部材、 5…インナー部材、
6…下箱、 7…上蓋、 8…容器本体、 9…封止テープ。
Claims (5)
- フォトマスクブランクス基板を収納するためのフォトマスクブランクス基板収納容器であって、
前記フォトマスクブランクス基板を収容可能なインナーカセットと、該インナーカセットに収納した前記フォトマスクブランクス基板を上方から固定するリテイナー部材とを有するインナー部材と、
前記インナーカセットを収容可能な下箱と、前記リテイナー部材を内側に嵌合可能な上蓋とを有する容器本体と、
該容器本体を封止する封止テープとを有し、
前記容器本体は、0.1gのサンプリング時40℃で60分保持の下で放出されるアウトガス成分中、ガスクロマトグラフィー質量分析計にて検出されるアウトガスの総量が、n−テトラデカン換算で1.9×103ng以下である高分子系材料からなり、
前記インナー部材は、0.1gのサンプリング時40℃で60分保持の下で放出されるアウトガス成分中、ガスクロマトグラフィー質量分析計にて検出されるアウトガスの総量が、n−テトラデカン換算で1.9×10 3 ng以下であり、かつ、
2gのサンプリング時100℃で20分保持の下で放出されるアウトガス成分中、ガスクロマトグラフィー質量分析計にて検出されるアウトガスの総量が、n−テトラデカン換算で1.0×10 3 ng以下である高分子系材料からなり、
前記封止テープは、10mm×10mm大にサンプリング時150℃で10分保持の下で放出されるアウトガス成分中、ガスクロマトグラフィー質量分析計にて検出されるアウトガスの総量が、n−テトラデカン換算で1.8×103ng以下のものであることを特徴とするフォトマスクブランクス基板収納容器。 - 前記容器本体及び前記インナー部材は、0.1gのサンプリング時40℃で60分保持の下で放出されるアウトガス成分中、ガスクロマトグラフィー質量分析計にて検出されるアウトガスの総量が、n−テトラデカン換算で500ng以下である高分子系材料からなり、
前記封止テープは、10mm×10mm大にサンプリング時150℃で10分保持の下で放出されるアウトガス成分中、ガスクロマトグラフィー質量分析計にて検出されるアウトガスの総量が、n−テトラデカン換算で1.0×103ng以下のものであることを特徴とする請求項1に記載のフォトマスクブランクス基板収納容器。 - 前記容器本体の内面から発生するアウトガス成分によるアウトガスの総量と、前記インナー部材の表面から発生するアウトガス成分によるアウトガスの総量との和が、3.0×103μg未満のものであり、
前記容器本体を封止する封止テープから発生するアウトガス成分によるアウトガスの総量が、1.4×102μg未満のものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフォトマスクブランクス基板収納容器。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のフォトマスクブランクス基板収納容器内に収納して前記フォトマスクブランクス基板を保管することを特徴とするフォトマスクブランクス基板の保管方法。
- 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のフォトマスクブランクス基板収納容器内に収納して前記フォトマスクブランクス基板を輸送することを特徴とするフォトマスクブランクス基板の輸送方法。
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