JP6722839B1 - フライアッシュの改質方法 - Google Patents

フライアッシュの改質方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6722839B1
JP6722839B1 JP2020520328A JP2020520328A JP6722839B1 JP 6722839 B1 JP6722839 B1 JP 6722839B1 JP 2020520328 A JP2020520328 A JP 2020520328A JP 2020520328 A JP2020520328 A JP 2020520328A JP 6722839 B1 JP6722839 B1 JP 6722839B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fly ash
powder
fluidized bed
heating device
unburned carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020520328A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2020189109A1 (ja
Inventor
昂平 大村
昂平 大村
関 卓哉
卓哉 関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority claimed from PCT/JP2020/005521 external-priority patent/WO2020189109A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6722839B1 publication Critical patent/JP6722839B1/ja
Publication of JPWO2020189109A1 publication Critical patent/JPWO2020189109A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Abstract

未燃カーボンを含むフライアッシュ原粉を加熱して未燃カーボン含量を低減させるフライアッシュの改質方法において、(a)前記フライアッシュ原粉を加熱する手段として、加熱された媒体流動層を通すことにより加熱が行われる加熱装置を使用し、(b)前記加熱装置内に高温ガス流を通すことにより、加熱された前記媒体流動層の形成と該媒体流動層内に投入された前記フライアッシュ原粉の流動搬送とを行い、(c)前記加熱装置に投入された前記フライアッシュ原粉の全量が、前記媒体流動層で加熱され且つ該加熱装置上部に設けられた取出口から取り出されるが、前記媒体流動層を形成している媒体粒子は該取出口から排出されないように、前記高温ガス流の流量を設定し、(d)前記加熱装置の取出口から排出された加熱後のフライアッシュ粉を、空気分級機に導入して微粉と粗粉とに分離し、(e)前記空気分級機により回収された微粉を改質フライアッシュとして回収し、(f)前記空気分級機により回収された粗粉は、未燃カーボン含有量を測定し、該測定値が予め設定した閾値よりも大きい場合には、前記加熱装置に再度導入して再加熱を行い、該測定値が閾値よりも小さい場合には、改質フライアッシュとして回収すること、を特徴とする。

Description

本発明は、フライアッシュの未燃カーボン含有量を低減させるフライアッシュの改質方法に関する。
フライアッシュをセメント混合材またはコンクリート混合材(以下、あわせて混合材と記す)として使用する場合、一般にフライアッシュに含まれる未燃カーボンが少ないものが好適とされる。
しかし、一般に石炭火力発電所から発生したフライアッシュの未燃カーボン含有量は様々であり、多いもので15質量%ほど存在し、混合材として好適なものは一部に限られるのが現状である。
フライアッシュに含まれる未燃カーボンを減らす方法は種々提案されており、未燃カーボンの燃焼性を利用した燃焼法、粒子の大きさや密度差を利用した分級法、粒子の帯電極性を利用した静電分離法などがある。
例えば、燃焼法ではロータリーキルンを使用する方法(特許文献1)やサイクロンを使用する方法(特許文献2)、流動層加熱(fluidized bed heating)を使用した方法(特許文献3)などがある。
流動層加熱では、加熱された流動媒体(例えば粒径の大きなアルミナ)により形成されている媒体流動層(以下、単に流動層と呼ぶ)にフライアッシュを供給することによりフライアッシュを加熱し、その未燃カーボン含量を低減させる。特許文献3の実施例に示されているように、この方法によれば、流動媒体を多く充填して流動層を形成することにより、フライアッシュが流動層内に滞留する時間を長くし、未燃カーボンの除去効率を高めることができる。また、流動媒体を加熱すると同時に、フライアッシュを流動させて流動層から排出させるための高温のガス(流動化ガス)の流速(空塔速度)を大きくすると、処理するフライアッシュ粉の回収率が増加するが、反面、未燃カーボンの除去効率は低下することとなる。
特許第6038548号 特許第3205770号 特開2000−213709号
上記の説明から理解されるように、流動層加熱によりフライアッシュの未燃カーボン含量を低減させる方法では、未燃カーボンの除去効率を高めることができ、また、フライアッシュの処理効率を高めることもできるのであるが、未燃カーボンの除去効率とフライアッシュの処理効率とを両立させることが困難であった。即ち、流動層内でのフライアッシュの滞留時間を長くすれば、当然、フライアッシュの処理効率が低下してしまい、流動化ガスの空塔速度を大きくしてフライアッシュの処理効率を高めれば、流動層内でのフライアッシュの滞留時間が短くなり、未燃カーボンの除去効率が低下してしまうこととなる。
また、流動層を形成している流動媒体の充填量を多くすることにより、フライアッシュの流動層内での滞留時間を長くすることができるが、流動媒体の充填量にも限界があり、必要以上に充填量を多くすると、この流動媒体が流動層外に溢れ出て、処理されたフライアッシュ粉に混入してしまったり、流動層内での流動媒体の流動化が正常に行われなかったりするという問題が生じる。
従って、本発明の目的は、フライアッシュに含まれる未燃カーボンを効率よく低減させることが可能なフライアッシュの改質方法を提供することにある。
本発明者らは、フライアッシュに含まれる未燃カーボンは大小様々な粒子として存在し、その中で径の小さなものは比較的短時間で燃焼し、径の大きなものほど燃焼するのに長い時間を要することに着目し、効率よくフライアッシュに含まれる未燃カーボン量を低減することに成功した。
本発明によれば、未燃カーボンを含むフライアッシュ原粉を加熱して未燃カーボン含量を低減させるフライアッシュの改質方法において、
a:前記フライアッシュ原粉を加熱する手段として、加熱された媒体流動層(media−fluidized bed)を通すことにより加熱が行われる加熱装置を使用し、
b:前記加熱装置内に高温ガス流を通すことにより、加熱された前記媒体流動層の形成と該媒体流動層内に投入された前記フライアッシュ原粉の流動搬送とを行い、
c:前記加熱装置に投入された前記フライアッシュ原粉の全量が、前記媒体流動層で加熱され且つ該加熱装置上部に設けられた取出口から取り出されるが、前記媒体流動層を形成している媒体粒子は該取出口から排出されないように、前記高温ガス流の流量を設定し、
d:前記加熱装置の取出口から排出された加熱後のフライアッシュ粉を、空気分級機に導入して微粉と粗粉とに分離し、
e:前記空気分級機により回収された微粉を改質フライアッシュとして回収し、
f:前記空気分級機により回収された粗粉は、未燃カーボン含有量を測定し、該測定値が予め設定した閾値よりも大きい場合には、前記加熱装置に再度導入して再加熱を行い、該測定値が閾値よりも小さい場合には、改質フライアッシュとして回収すること、
を特徴とするフライアッシュの改質方法が提供される。
本発明においては、
(1)未燃カーボン含有量の測定値が予め設定した閾値よりも小さい粗粉を、前記空気分級により回収された微粉と混合して回収すること、
(2)未燃カーボン含有量の前記閾値が0.5〜4質量%の範囲内に設定されていること、
(3)前記空気分級機の分級点は、50〜150μmの範囲に設定されること、
(4)前記フライアッシュ原粉は、前記媒体流動層で600〜1100℃の温度に加熱されること、
が好適である。
本発明によれば、フライアッシュに含まれる未燃カーボンを十分に低減しつつ、低減化処理に供したフライアッシュ原粉の全量を連続的に回収することが可能である。
本発明のフライアッシュの改質方法のフローの概略を示す図である。 空塔速度と流動層加熱装置外への排出率(取り出し率)の関係を示すグラフである。
本発明において、未燃カーボン量の低減化処理に供するフライアッシュ原粉は、石炭火力発電所などの石炭を燃焼する設備において発生する一般的なフライアッシュを指す。また、石炭と併せて、石炭以外の燃料や可燃系廃棄物が混焼され発生したフライアッシュも含む。かかるフライアッシュは、一般に、シリカ(SiO)とアルミナ(Al)を主成分とし(これら無機成分が全体の70〜80%を占める)、その他の成分として、酸化第二鉄(Fe)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)などを含んでいる。
このようなフライアッシュは、炭素分の燃え残りとされる未燃カーボンを含有しており、その含有量は多いもので15質量%ほどである。この未燃カーボン量(以下、LOIと記す場合がある)が多いと、フライアッシュを混合材として使用した場合に問題を生じる。例えば、モルタルやコンクリートに混合したとき、これらの表面に未燃カーボンが浮き出し、黒色部が発生する可能性が高い。さらに、化学混和剤などの薬剤が未燃カーボンに吸着すると言った問題も生じる可能性がある。
本発明においては、このような未燃カーボン量を、媒体流動層を有する流動層加熱装置を用いての加熱により行い、得られた改質フライアッシュ、即ち、未燃カーボン量が低減されたフライアッシュを、効率よく回収する。
なお、未燃カーボン量の測定方法としては、種々の方法が知られており、例えば、燃焼させて発生したCO・COガスを赤外線検出する方法、強熱減量を測定し、該強熱減量から未燃カーボン量を推定する方法;メチレンブルー吸着量に基づいて算出する方法;密かさ比重試験;マイクロ波を照射して未燃カーボン量を推定する方法等が知られており、本発明においては、何れの方法も採用することができる。
このような未燃カーボン量は、以下、LOI(Loss on Ignition)と呼ぶことがある。
図1には、流動層加熱装置を用いた本発明方法の一例が示されている。
図1において、全体として1で示す流動層加熱装置は、直立した筒状形態を有しており、下から上方に向かって、燃焼室3、分散板5によって燃焼室3と仕切られている媒体流動層7(以下、流動層と呼ぶ)及び空頭部9が形成されている。
燃焼室3は、炭化水素などの燃料をバーナー11で燃焼させて高温ガスを生成する領域である。燃料を完全燃焼させるに必要な理論酸素量とフライアッシュ原粉に含まれる未燃カーボンを燃焼させる酸素量を含むガス(一般には空気)が燃料と共に燃焼室3に供給され、バーナー11での燃焼により高温ガスが生成する。この高温ガスの上昇流によって、所定の温度に加熱された流動層7が形成され、さらに、この加熱装置1に供給されたフライアッシュ原粉の加熱と流動搬送とが行われる。この高温ガスを、以下、流動化ガスと呼ぶ。
例えば、この実施態様においては、燃料を完全に燃焼させるに必要な理論酸素量の1.05〜5.0倍の酸素を供給することが好ましい。1.05倍未満だと、燃料の燃焼にほとんどすべての酸素が消費されてしまい、その後の未燃カーボンの燃焼に必要な酸素を残すことができない。
本発明において、コストや安全性の観点から、流動化ガスとして空気もしくは窒素を用いることが好ましいが、この場合、この流動化ガスには、上記燃料の燃焼により生じた燃焼ガス(二酸化炭素等)、燃焼では消費されなかった過剰の酸素ガス(過剰酸素ガス)に加えて、窒素が含まれる。
なお、図1において、流動化ガスの流れは、白矢印で示され、加熱装置1に供給されたフライアッシュ粉の流れは黒矢印で示されている。
また、流動化ガス(高温ガス)は、上述した方法以外で生成することも可能であり、例えば、燃焼以外の方法で流すガスを昇温させたり、あるいは加熱装置の外周部から電気ヒーターや火炎を使用して加熱する方式(外熱式)を採用したりすることも可能である。
流動層7は、加熱され且つ流動している媒体粒子13により形成されているものであり、流動層7の下部に形成されている原料供給口15からフライアッシュ原粉が供給される。即ち、上記の流動化ガスにより、分散板5上に保持された固体の媒体粒子を加熱し且つ浮遊させることにより、流動層7が形成される。また、流動化ガスによってフライアッシュ原粉の流動搬送が行われるが、流動層7の下部に原料供給口15が形成されているため、この原料供給口15から導入されたフライアッシュ原粉が流動化ガス及び流動層7によって十分に加熱される。
さらに、上記の流動層7の上部には、媒体粒子13が浮遊していない空塔部9が形成されている。即ち、流動層7を形成している媒体粒子13は、流動化ガスによって加熱装置1外に排出されないように設定されている。
上記の媒体粒子13としては、フライアッシュに混入したと場合にもフライアッシュの特性低下を生じさせないように、その化学組成がフライアッシュに類似したもの、例えば、SiO、Al、Fe、CaOなどの酸化物粒子や、これら酸化物を主成分として含む粒子などが好適に使用される。
また、媒体粒子13の粒子径は、原料供給口15から導入されるフライアッシュ原粉よりも大きいことが必要である。この粒子径がフライアッシュ原粉の粒径以下であると、流動化ガスの流れに同伴して、媒体粒子13も装置外に排出されてしまうからである。即ち、空頭部7は形成されないこととなる。一般に、フライアッシュ原粉の粒径は、その最大径が約300μm以下であり、媒体粒子13の好ましい粒子径は、0.5〜5mm程度である。
本発明においては、流動層7に導入されたフライアッシュ原粉は、この流動層7を形成している媒体粒子13及び流動化ガスと接触して加熱されるが、この加熱温度は未燃カーボンが燃焼する温度であり、一般的には600℃〜1100℃、好ましくは750℃〜1000℃である。この加熱温度が低いと、未燃カーボンを十分に燃焼除去することが困難となり、必要以上に加熱温度が高いと、フライアッシュが溶融する可能性がある。従って、このような加熱温度にフライアッシュ原粉が加熱されるように、流動化ガスの温度を高温に調整することとなる。
なお、フライアッシュ原粉の加熱温度は、流動層7(或いは空頭部9)に熱電対を挿入して測定することができる。
本発明では、上記のようにして供給される高温の流動化ガス(及び流動層7)によって、フライアッシュ原粉が加熱され、該フライアッシュ原粉中の未燃カーボン量(LOI)が低減され、加熱されたフライアッシュは、流動化ガスと共に、加熱装置1の塔頂部に形成されている取出口17から排出される。即ち、流動化ガスの流量、流速は、加熱装置1に導入されたフライアッシュ原粉の実質的に全量が、取出口17から取り出されるように設定される。要するに、加熱装置1に投入されるフライアッシュ原粉と、取出口17から取り出される加熱後のフライアッシュ量が均衡した状態に維持されるということである。この場合、加熱装置1の構造等の事情により、装置内に一定量のフライアッシュが滞留すること等を排除するものではない。
なお質量で比較すると、取出口17から取り出される加熱後のフライアッシュは、少なくとも燃焼したカーボン量分は、フライアッシュ原粉よりも質量が小さくなっている。
フライアッシュの全量が取り出されるようにするには、用いる加熱装置1の形態等に応じて適宜設定を行えば良いが、一般的には、加熱装置1内(燃焼室3)に供給する流動化ガス量を、空塔速度が0.5m/秒以上となるように設定すればよい。なお空塔速度とは、流動化ガス量(m/秒)を、媒体流動層加熱装置の内径最大部における断面積(m)で除した値である。流動化ガス量は、前述した加熱温度での値を用いて算出する。
本発明者らの知見によれば、空塔速度を0.5m/秒以上、好ましくは0.6m/秒以上とすることで、フライアッシュの全量を加熱装置1外へ排出可能であり、フライアッシュ原粉を連続供給しても、該加熱装置1内に溜まり続けることなく、連続排出することができる(図2の実験結果参照)。
なお、流動化ガスの空塔速度が過度に大きくなると、空頭部9が形成されず、媒体粒子13がフライアッシュと共に取出口17から排出されてしまう。このような不都合を回避するため、流動化ガスの空塔速度は、通常、大きくとも3m/秒程度とすることが好ましい。
ところで、本発明においては、加熱装置1の取出口17から排出されたフライアッシュ粉(加熱後のフライアッシュ)は、流動化ガスによって空気分級機21に導入され、微粉と粗粉とに分けられる。
即ち、上述したフライアッシュ原粉の加熱過程で未燃カーボン粒子は酸素と反応して燃焼し消失するか、燃焼しきらなかった未燃カーボン粒子は灰分と加熱後のフライアッシュ粉と共に取出口17排出される。
本発明者らの研究によれば、未燃カーボン粒子の内、比較的大きな粒子については、前述した加熱条件では燃焼が十分に進行しないおそれがあり、この加熱装置1から燃焼することなく排出される可能性がある。一方で小さな未燃カーボン粒子は、上記加熱条件下でほとんどが燃焼してしまう。
このため、本発明では、加熱装置1から取り出されたフライアッシュを空気分級機21に導入し、微粉と粗粉とに分離する。
即ち、微粉では未燃カーボンが燃焼により十分に除去されている。従って、空気分級機21で分離された微粉は、流動ガスと共に集塵機23に供給され、ここで、流動化ガスは廃棄され、微粉は、改質フライアッシュとして回収される。
一方、粗粉には、燃焼不十分な大粒径の未燃カーボン粒子が多く含まれている恐れがあるため、上記の微粉と分離する。分離された粗粉は、一時貯蔵サイロ25に供給され、このサイロ25に取り付けられているLOI測定器27により、未燃カーボン量(LOI)が測定され、LOIがあらかじめ設定された閾値以下である場合には(LOI≦閾値)、改質フライアッシュとして回収する。また、LOIがあらかじめ設定された閾値を超えている場合には(LOI>閾値)、加熱装置1(流動層7)に戻し、再び加熱してLOIの低減を図るものとする。勿論、この場合、LOIが閾値と同じであったとき(LOI=閾値)、その粗粉を加熱装置1に戻して再度熱処理することもできる。
上記閾値は、セメントやコンクリートの混合材などとして使用されるフライアッシュに求められるLOIに応じて適宜設定すればよい。例えば、0.5〜4質量%、特に0.5〜3質量%の範囲で設定することが好ましい。
なお、LOIが低いため、一時貯蔵サイロ25から改質フライアッシュとして回収される粗粉は、当然のことながら、前述した集塵機23から回収された改質フライアッシュ(微粉)と混合して回収することもできる。
従来、未燃カーボンを含むフライアッシュに含まれる未燃カーボンは粒子径が大きいことを利用し、空気分級により該大粒径の未燃カーボンを除去することが検討されている。しかし、未燃カーボン粒子は比重が軽いために微粉側にも多量に分配され、実質的に空気分級により未燃カーボン含有量の異なる粗粒と微粒に分けることはできなかったのが実情である。しかるに、本発明では、フライアッシュを一旦加熱したのちに、空気分級を行っているため、大粒径の未燃カーボンは粗粒側へ分配されることとなり、該粗粒のLOIに応じて再度加熱装置1内に導入して熱処理を行うことにより、効率的に未燃カーボン含有量を減らすことが可能となる。
上述した本発明において、空気分級における分級点は、50〜150μm、特に100〜150μmの範囲も設定することがより好ましい。分級点を小さくするほど粗粉として回収される未燃カーボンの割合が多くなるが、一方で、分級点が小さいほど粗粉として回収する必要のない粒子までも回収してしまう傾向が高まる。よって、効率的な運転という観点から上記範囲とすることが好適である。
空気分級機21は特に限定されず、例えば、遠心力場を利用した気流分級機、重力場を利用した分級機、慣性力場を利用した分級機などが使用可能である。
また、空気分級機21で分級された微粉の捕集に使用される集塵機23としては、特に制限されず、電気集塵機、重力式集塵機、遠心力式集塵機など、様々なタイプのものを使用することができる。
さらに、一時貯留サイロ25に取り付けられているLOI測定器27によるLOI測定は、既に述べたように、公知の如何なる方法によって行われてもよい。
本発明を次の実験例で説明する。
<実験>
LOIが10.0質量%のフライアッシュ原粉を用意した。平均粒径は44μm、最大粒径は約300μmであった。
図1に示されている加熱装置1にフライアッシュ原粉を供給し、空塔速度0.64m/秒、加熱温度850℃で流動化ガス(空気)を供給して熱処理を行い、空気分級機21で粗粉と微粉に分級した。分級点をおよそ50μmに設定したところ、回収された微粉と粗粉の割合は、フライアッシュ原粉に対してそれぞれ63質量%、37質量%であり、微粉と粗粉の合計量は100質量%となっていた。
また、上記微粉のLOIが1.1質量%、粗粉のLOIが5.0質量%であった。微粉のLOIは充分に低く、そのまま改質フラアッシュとして使用可能である。一方、粗粉のLOIは高く、多くの用途では再加熱に供する必要のあるレベルである。
なおLOIは、JIS A 6201に記載の強熱減量試験法にて測定した。
さらに、流動化ガスの空塔速度を種々変更して、上記フライアッシュ原粉の熱処理を行い、空塔速度と加熱装置1から排出されるフライアッシュの排出率(供給されるフライアッシュ原粉に対する割合)を測定した。その結果を図2に示す。
図2の結果から理解されるように、空塔速度を0.5m/秒以上、特に0.6m/秒以上とすることで、フライアッシュ原粉のほぼ全量を滞留させずに装置外に排出することができる。
1:加熱装置
3:燃焼室
5:分散板
7:流動層
9:空頭部
11:バーナー
13:媒体粒子
15:原料供給口
17:取出口
21:空気分級機
23:集塵機
25:一時貯蔵サイロ
27:LOI測定器

Claims (5)

  1. 未燃カーボンを含むフライアッシュ原粉を加熱して未燃カーボン含量を低減させるフライアッシュの改質方法において、
    a:前記フライアッシュ原粉を加熱する手段として、加熱された媒体流動層を通すことにより加熱が行われる加熱装置を使用し、
    b:前記加熱装置内に高温ガス流を通すことにより、加熱された前記媒体流動層の形成と該媒体流動層内に投入された前記フライアッシュ原粉の流動搬送とを行い、
    c:前記加熱装置に投入された前記フライアッシュ原粉の全量が、前記媒体流動層で加熱され且つ該加熱装置上部に設けられた取出口から取り出されるが、前記媒体流動層を形成している媒体粒子は該取出口から排出されないように、前記高温ガス流の流量を設定し、
    d:前記加熱装置の取出口から排出された加熱後のフライアッシュ粉を、空気分級機に導入して微粉と粗粉とに分離し、
    e:前記空気分級機により回収された微粉を改質フライアッシュとして回収し、
    f:前記空気分級機により回収された粗粉は、未燃カーボン含有量を測定し、該測定値が予め設定した閾値よりも大きい場合には、前記加熱装置に再度導入して再加熱を行い、該測定値が閾値よりも小さい場合には、改質フライアッシュとして回収すること、
    を特徴とするフライアッシュの改質方法。
  2. 未燃カーボン含有量の測定値が予め設定した閾値よりも小さい粗粉を、前記空気分級により回収された微粉と混合して回収する請求項1に記載のフライアッシュの改質方法。
  3. 未燃カーボン含有量の前記閾値が0.5〜4質量%の範囲内に設定されている請求項1に記載のフライアッシュの改質方法。
  4. 前記空気分級機の分級点は、50〜150μmの範囲に設定される請求項1に記載のフライアッシュの改質方法。
  5. 前記フライアッシュ原粉は、前記媒体流動層で600〜1100℃の温度に加熱される請求項1に記載の改質方法。
JP2020520328A 2019-03-18 2020-02-13 フライアッシュの改質方法 Active JP6722839B1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019050270 2019-03-18
JP2019050270 2019-03-18
PCT/JP2020/005521 WO2020189109A1 (ja) 2019-03-18 2020-02-13 フライアッシュの改質方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6722839B1 true JP6722839B1 (ja) 2020-07-15
JPWO2020189109A1 JPWO2020189109A1 (ja) 2021-04-01

Family

ID=71523901

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020520328A Active JP6722839B1 (ja) 2019-03-18 2020-02-13 フライアッシュの改質方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6722839B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115025751A (zh) * 2022-06-23 2022-09-09 国能国华(北京)电力研究院有限公司 一种二氧化碳吸收剂废液与粉煤灰制备吸附材料的系统以及方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5885011A (ja) * 1981-11-17 1983-05-21 Sumitomo Cement Co Ltd フライアツシユの改質方法およびその装置
JPH07155740A (ja) * 1993-12-08 1995-06-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 石炭灰の処理方法
JP2000213709A (ja) * 1999-01-20 2000-08-02 Idemitsu Kosan Co Ltd 低未燃炭素灰の製造方法
JP2017148762A (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 太平洋セメント株式会社 フライアッシュの改質方法及び改質装置
WO2018180680A1 (ja) * 2017-03-30 2018-10-04 株式会社トクヤマ 改質フライアッシュの製造方法
JP2019107619A (ja) * 2017-12-19 2019-07-04 太平洋セメント株式会社 改質フライアッシュの製造方法、及び、改質フライアッシュの製造装置
JP2019107620A (ja) * 2017-12-19 2019-07-04 太平洋セメント株式会社 改質フライアッシュの製造方法、及び、改質フライアッシュの製造装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5885011A (ja) * 1981-11-17 1983-05-21 Sumitomo Cement Co Ltd フライアツシユの改質方法およびその装置
JPH07155740A (ja) * 1993-12-08 1995-06-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 石炭灰の処理方法
JP2000213709A (ja) * 1999-01-20 2000-08-02 Idemitsu Kosan Co Ltd 低未燃炭素灰の製造方法
JP2017148762A (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 太平洋セメント株式会社 フライアッシュの改質方法及び改質装置
WO2018180680A1 (ja) * 2017-03-30 2018-10-04 株式会社トクヤマ 改質フライアッシュの製造方法
JP2019107619A (ja) * 2017-12-19 2019-07-04 太平洋セメント株式会社 改質フライアッシュの製造方法、及び、改質フライアッシュの製造装置
JP2019107620A (ja) * 2017-12-19 2019-07-04 太平洋セメント株式会社 改質フライアッシュの製造方法、及び、改質フライアッシュの製造装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115025751A (zh) * 2022-06-23 2022-09-09 国能国华(北京)电力研究院有限公司 一种二氧化碳吸收剂废液与粉煤灰制备吸附材料的系统以及方法
CN115025751B (zh) * 2022-06-23 2023-10-27 国能国华(北京)电力研究院有限公司 一种二氧化碳吸收剂废液与粉煤灰制备吸附材料的系统以及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2020189109A1 (ja) 2021-04-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Fidaros et al. Numerical modelling of flow and transport processes in a calciner for cement production
US8309052B2 (en) Carbon heat-treatment process
JPH01144493A (ja) 固体炭素質材料をガス化もしくは燃焼させる方法及び装置
JP4825994B2 (ja) 粉体状炭酸カルシウムの焼成方法
WO2020189109A1 (ja) フライアッシュの改質方法
WO2019181619A1 (ja) フライアッシュの改質方法
JP2010163509A (ja) バイオマス燃料の製造方法及びバイオマス燃料
US10899663B2 (en) Process for producing modified fly ash
JP2008106270A (ja) 固体原燃料の製造方法
JP6722839B1 (ja) フライアッシュの改質方法
JP4539417B2 (ja) 可燃性廃棄物の処理方法およびその装置
JP4474533B2 (ja) 粉体状炭酸カルシウムの焼成方法
KR102574057B1 (ko) 플라이 애시의 개질 방법 및 장치
HU229528B1 (en) Process and apparatus for making mineral fibres
JP6224903B2 (ja) 微粉炭燃焼装置における硫黄分の除去方法
TW200944493A (en) Cement manufacturing method
JP7471893B2 (ja) 石炭灰の改質方法及び改質装置
JP2016079332A (ja) 流動床装置及びこれを用いた石炭の乾燥分級方法
JP2008247676A (ja) 可燃性廃棄物の処理方法およびその装置
CN108947285A (zh) 大颗粒旋流沸腾循环快速煅烧水泥熟料的新方法
US20230331574A1 (en) Calcination Process
JP2001214166A (ja) コークス乾式消火装置でのコークスダストの燃焼方法
JP2629117B2 (ja) 廃棄物の溶融炉
JP2771114B2 (ja) 廃棄物焼却方法
JP2005114325A (ja) 廃棄物の溶融処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200420

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200420

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200609

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200622

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6722839

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150