JP6720862B2 - 樹脂溶液、それを用いてなる樹脂層および粘着シート - Google Patents
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Description
アクリル系粘着剤を形成する粘着剤組成物には、乾燥適正や粘着物性の観点から有機溶剤で希釈されたアクリル系樹脂溶液が用いられており、かかる樹脂溶液を基材等に塗布・乾燥することで、粘着剤層が得られる。
また、グラビアコーティングは薄膜の塗工に適しているものの、塗工液の種類によってはグラビアロールのセルの模様が塗膜に転写してしまうという問題があった。また、厚みを変更する際に、塗工液の固形分を調整するために都度グラビアロールの変更が必要であり、そのたびに塗工液や基材をロスしてしまうという問題があった。
しかしながら、本発明の樹脂溶液は、低固形分濃度であっても高粘度となる樹脂溶液であるため、厚塗り塗工が可能であり、厚み精度の高い薄膜の樹脂層を得ることができるのである。
更に、本発明においては、樹脂溶液を用いてなる樹脂層および粘着シートにも関するものである。
かかる粘度が低すぎると、塗膜のはじきや面荒れが発生しやすくなったり、厚塗り塗工が困難となる傾向がある。かかる粘度の上限は作業性や塗工適正の点から20,000mPa・sである。
なお、本発明において、固形分濃度が5重量%の時の25℃におけるB型粘度計で測定した粘度が500mPa・s以上である樹脂溶液は、架橋構造を有するポリマーを含有する樹脂溶液を含まないものである。即ち、例えば樹脂溶液に含まれるポリマー(A)が、架橋剤等により架橋されてゲル化することにより規定の粘度を満たしているような樹脂溶液を除くものである。
以下、25℃におけるB型粘度計で測定した粘度の単位を「mPa・s/25℃」と表記することがある。
かかる固形分濃度が低すぎると、厚塗り塗工が困難になり、厚み精度の高い樹脂層が得られにくくなる傾向があり、高すぎると塗工性が低下する傾向がある。
本発明で用いられるポリマー(A)としては、少なくとも構成単位の繰り返しが3以上である高分子を指し、アクリル系樹脂(a1)、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の有機高分子から選ばれる少なくとも1種であり、2種以上を含有していてもよい。
中でも、本発明においては、組成の自由度の高さ、有機溶剤との相溶性の点でアクリル系樹脂(a1)である。
Tg:共重合体のガラス転移温度(K)
Tga:モノマーAのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wa:モノマーAの重量分率
Tgb:モノマーBのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wb:モノマーBの重量分率
Tgn:モノマーNのホモポリマーのガラス転移温度(K) Wn:モノマーNの重量分率
(Wa+Wb+・・・+Wn=1)
なお、アクリル系樹脂を構成するモノマーのホモポリマーとした際のガラス転移温度は、通常、示差走査熱量計(DSC)により測定されるものである。
本発明で用いられるポリマー(A)として、これまであまり用いられてこなかったほど重量平均分子量の高いものを用いることにより、低固形分濃度であっても粘度が高い樹脂溶液とすることができるため、塗工厚を厚くすることができ、厚み精度の高い薄膜の樹脂層を得ることができるのである。
なお、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
アクリル系樹脂(a1)は、少なくとも1種の(メタ)アクリレート系モノマーを含む重合成分を重合して得られる樹脂である。
なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーを主成分とするとは、共重合成分全体に対して、通常50重量%以上含有することを意味する。
その他の窒素含有モノマーとしては、アクリロイルモルホリン、ビニルイミダゾール等の環状構造を有する窒素含有モノマーが挙げられる。
これらの官能基含有モノマーは、単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
これらのその他の共重合性モノマーは、単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
これらの有機溶剤の中でも、重合反応のしやすさや連鎖移動の効果や樹脂溶液塗工時の乾燥のしやすさ、安全上から、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、トルエン、メチルイソブチルケトンが好ましく、特に好ましくは、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトンである。
かかるアクリル系樹脂(a1)の重量平均分子量は、300万〜800万であることが好ましく、特に好ましくは340万〜500万である。かかる重量平均分子量が小さすぎると樹脂溶液の粘度が低くなる傾向があり、高すぎると粘度が高くなりすぎるためハンドリング性が低下する傾向がある。
本発明の有機溶剤(B)は、水を除く有機物からなる液体であればよく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を併用していてもよい。
これらの有機溶剤(B)の中でも、ポリマー(A)との相溶性に優れ、かつ乾燥の際、揮発しやすい点から、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、トルエンが好ましい。
かかる含有量が少なすぎると、樹脂溶液を粘着剤組成物として使用した際に、得られる粘着剤の再剥離性が低下する傾向があり、多すぎると粘着剤層が剥がれやすくなる傾向がある。
本発明においては、ポリマー(A)、とりわけアクリル系樹脂(a1)を含有する樹脂溶液を、粘着剤組成物として用いることが好ましい。
また、下記実施例中におけるアクリル系樹脂(a1)の重量平均分子量、分散度、および樹脂溶液の粘度は、前述の方法に従って測定した。
アクリル系樹脂(a1)のガラス転移温度については前述のFoxの式を用いて算出し、アクリル系樹脂(a1)を構成するモノマーのホモポリマーとした際のガラス転移温度は通常DSCにより測定されてなる文献値およびカタログ記載値を用いた。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸ブチル48.5部、アクリル酸メチル50部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1.0部、アクリル酸0.5部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.004部を仕込み、内温を沸点まで上昇させ反応を開始した。沸点のまま反応を継続し50分間反応させたのち酢酸エチルにて希釈して、アクリル系樹脂(a1−1)(重量平均分子量358万、分散度2.0、ガラス転移温度−27℃)溶液(A−1)(固形分6.3%、粘度3300mPa・s/25℃)を得た。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸ブチル68.5部、アクリル酸メチル30部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1.0部、アクリル酸0.5部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.004部を仕込み、内温を沸点まで上昇させ反応を開始した。沸点のまま反応を継続し50分間反応させたのち酢酸エチルにて希釈して、アクリル系樹脂(a1−2)(重量平均分子量319万、分散度1.9、ガラス転移温度−39℃)溶液(A−2)(固形分6.8%、粘度2,100mPa・s/25℃)を得た。
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸ブチル68.5部、アクリル酸メチル30部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1部、アクリル酸0部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.004部を仕込み、内温を沸点まで上昇させ反応を開始した。更にAIBNの酢酸エチル溶液を1時間にわたって滴下し、3.25時間反応を継続させたのち酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(a1−3)(重量平均分子量208万、分散度3.9、ガラス転移温度−39℃)溶液(A−3)(固形分12.9%、粘度7800mPa・s/25℃)を得た。
次に、上記で得られた樹脂溶液(A−1)〜(A−3)の塗工適正について下記方法にて評価した。
まず、各樹脂溶液を、酢酸エチルにて固形分濃度を7%、3%、2%に調製した。なお、アクリル系樹脂溶液(A−1)、(A−2)の固形分濃度7%溶液は、有機溶剤を揮発させた後、均一に撹拌することにより調製した。
得られた各固形分濃度の樹脂溶液を、セパレーター(三井東セロ社製、軽剥離PET SP03−38BU)にクリアランス100μmのアプリケーターを用いて塗工した後、100℃×3分間乾燥して樹脂層の状態を目視で確認し、下記の通り評価した。結果を表1に示す。
(評価基準)
○・・・表面状態が均一な樹脂層が得られた。
△・・・ハジキや樹脂層表面の荒れが、部分的に発生した。
×・・・ハジキや樹脂層表面の荒れが、全面的に発生した。
(評価基準)
○・・・表面状態が均一な樹脂層が得られた。
△・・・樹脂層表面にわずかな揺らぎが発生した。
×・・・ハジキや樹脂層表面の荒れが、全面的に発生した。
また、固形分濃度7%で塗工厚み100μmで塗工した場合に対して、固形分濃度2%で塗工厚み350μmで塗工した場合においても塗工適正に優れるものであることがわかる。即ち、目標塗膜厚みが同一である場合に、より厚塗り塗工することができるため、厚み精度に優れた塗膜を形成することができるものであることがわかる。
Claims (6)
- ポリマー(A)と有機溶剤(B)を含む樹脂溶液であって、ポリマー(A)がアクリル系樹脂(a1)であり、固形分濃度が5重量%の時の25℃におけるB型粘度計で測定した粘度が500mPa・s以上、20,000mPa・s以下であることを特徴とする樹脂溶液。
- 固形分濃度が0.1〜10重量%であることを特徴とする請求項1記載の樹脂溶液。
- 樹脂溶液の全固形分に対するポリマー(A)の含有割合が90重量%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂溶液。
- アクリル系樹脂(a1)の重量平均分子量が300万以上、500万以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の樹脂溶液。
- 請求項1〜4いずれか記載の樹脂溶液からなることを特徴とする樹脂層。
- 請求項1〜4いずれか記載の樹脂溶液からなる粘着剤層を有することを特徴とする粘着シート。
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