以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[1.実施形態]
(1−1)画像処理システムの構成
本実施形態の画像処理システム1は、図1に示すように、画像処理装置10と情報処理装置30とを備えている。画像処理装置10と情報処理装置30は、相互にデータ通信可能に構成されている。本実施形態では、一例として、画像処理装置10と情報処理装置30とがLAN3によって接続され、LAN3を通じて相互にデータ通信可能である。
なお、画像処理装置10と情報処理装置30とのデータ通信がLAN3を通じて行われることは一例であり、他の通信媒体を介して或いは他の通信方式にてデータ通信可能であってもよい。例えば、無線LAN、Bluetooth(Bluetooth SIG, Inc.の登録商標)などの無線通信を用いてデータ通信可能であってもよい。また例えば、USBケーブルを通じてUSB規格のデータ通信が可能な構成であってもよい。
画像処理装置10は、原稿の画像を読み取ってその読み取った画像の画像データを生成するスキャン機能、記録用紙の画像を印刷する印刷機能、ファクシミリデータを送受信するファクス機能などの、複数の機能を備えている。なお、印刷機能には、スキャン機能で読み取った画像を記録用紙に印刷するコピー機能が含まれる。
画像処理装置10は、制御部11、記憶部12、入力部13、表示部14、通信部15、画像読取部16、印刷部17、メディアインタフェース部(以下「メディアI/F」と称す)18、及び回線接続部19を備え、これらがバス20を介して相互に接続されている。本実施形態では、制御部11はCPUを有する。記憶部12は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、画像処理装置10は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを備えている。
制御部11は、非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部12が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。なお、制御部11により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
記憶部12には、後述する図7のワンタッチキー対応処理のプログラムが記憶されている。また、記憶部12が有する半導体メモリのうち、記憶内容を電気的に書き換え可能な不揮発性のメモリ、例えばフラッシュメモリ若しくはNVRAMには、後述する図3(a)の機能ロック管理テーブルや図3(b)のワンタッチキー登録テーブルが記憶される。
入力部13は、各種入力操作を受け付けるための入力用デバイスを有する。表示部14は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの各種の表示デバイスの少なくとも1つを有する。
本実施形態の画像処理装置10は、図2に示すような操作パネル5を備えており、この操作パネル5に、入力部13及び表示部14が有する各種構成要素が配置されている。具体的に、操作パネル5には、入力部13が有する構成要素として、電源キー6、タッチパネル7、ダイヤルキー8、及びワンタッチ入力部9が配置されている。タッチパネル7は、表示部14が有する構成要素の1つでもある。
電源キー6は、画像処理装置10の電源をオン、オフさせるためのキーである。タッチパネル7は、各種情報が表示される表示デバイスと、入力操作を受け付ける位置入力装置とを有する。ダイヤルキー8は、ダイヤル時や各種設定値の入力時などの数値入力を行う際に使用するキーである。
ワンタッチ入力部9は、後述するワンタッチ機能を実行させるためのキーである。ワンタッチ入力部9は、第1キー21、第2キー22、第3キー23、第4キー24、及びシフトキー25を有する。第1キー21〜第4キー24の4つのキーは、それぞれ、物理的には1つのキーであるが、シフトキー25との組合せによって2種類のキーとして機能する。
即ち、第1キー21は、当該第1キー21が単独で押下された場合には第1ワンタッチキーとして機能し、シフトキー25が押下された状態で当該第1キー21が押下された場合には第5ワンタッチキーとして機能する。よって、以下の説明で、「第1ワンタッチキー」について「押下」されるとは第1キー21が単独で押下されることを意味し、「第5ワンタッチキー」について「押下」されるとはシフトキー25が押下された状態で第1キー21が押下されることを意味する。
第2キー22は、当該第2キー22が単独で押下された場合には第2ワンタッチキーとして機能し、シフトキー25が押下された状態で当該第2キー22が押下された場合には第6ワンタッチキーとして機能する。よって、以下の説明で、「第2ワンタッチキー」について「押下」されるとは第2キー22が単独で押下されることを意味し、「第6ワンタッチキー」について「押下」されるとはシフトキー25が押下された状態で第2キー22が押下されることを意味する。
第3キー23は、当該第3キー23が単独で押下された場合には第3ワンタッチキーとして機能し、シフトキー25が押下された状態で当該第3キー23が押下された場合には第7ワンタッチキーとして機能する。よって、以下の説明で、「第3ワンタッチキー」について「押下」されるとは第3キー23が単独で押下されることを意味し、「第7ワンタッチキー」について「押下」されるとはシフトキー25が押下された状態で第3キー23が押下されることを意味する。
第4キー24は、当該第4キー24が単独で押下された場合には第4ワンタッチキーとして機能し、シフトキー25が押下された状態で当該第4キー24が押下された場合には第8ワンタッチキーとして機能する。よって、以下の説明で、「第4ワンタッチキー」について「押下」されるとは第4キー24が単独で押下されることを意味し、「第8ワンタッチキー」について「押下」されるとはシフトキー25が押下された状態で第4キー24が押下されることを意味する。
通信部15は、画像処理装置10をLAN3に接続するための通信インタフェースである。画像読取部16は、イメージセンサを備え、原稿の画像を読み取り、読み取った画像の画像データを生成する。画像読取部16は、1枚の原稿に対して片面の画像のみスキャンする片面スキャン、及び両面の画像を個別にスキャンする両面スキャンを実行可能に構成されている。印刷部17は、インクジェット方式や電子写真方式の印刷機構を有し、シート状の記録用紙に画像を印刷することが可能である。
メディアI/F18は、各種の記憶メディアが装着されるインタフェース部であり、装着された記憶メディアに対するデータの書き込み及び読み出しを制御する。回線接続部19は、通信回線を通じて外部機器とデータ通信を行うためのインタフェース部である。回線接続部19に接続される通信回線は、本実施形態では例えば公衆電話網である。ファクス機能におけるファクシミリデータの送受信は、回線接続部19を介して行われる。
情報処理装置30は、制御部31、記憶部32、入力部33、表示部34、及び通信部35を備え、これらがバス36を介して相互に接続されている。本実施形態では、制御部31はCPUを有する。記憶部32は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、情報処理装置30は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを備えている。記憶部32は、ハードディスクドライブ、光ディスクなどの、半導体メモリ以外の他の記憶媒体を有していてもよい。
制御部31は、非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部32が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。なお、制御部31により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
入力部33は、各種入力操作を受け付けるための各種の入力用デバイスを有する。本実施形態の入力部13は、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネルを有する。表示部34は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの各種の表示デバイスの少なくとも1つを有する。通信部35は、情報処理装置30をLAN3に接続するための通信インタフェースである。
LAN3は、インターネット100に接続されている。画像処理装置10及び情報処理装置30は、LAN3を通じて相互にデータ通信可能であり、且つ、インターネット100に接続されている各種の情報処理装置とデータ通信可能である。
(1−2)機能ロックモードの説明
画像処理装置10は、セキュリティ機能を備えている。セキュリティ機能は、ユーザ毎に個別に使用可能な機能に制限をかけることが可能な機能である。具体的に、画像処理装置10は、動作モードとしての機能ロックモードのオン、オフを切り替え可能に構成されている。
機能ロックモードがオフに設定されている場合は、全てのユーザが制限なく画像処理装置10の機能を利用できる。機能ロックモードがオンに設定されている場合は、ユーザ毎に、そのユーザに対して制限されていない機能の範囲内で画像処理装置10の機能を利用できる。機能ロックモードのオン、オフの切り替えは、画像処理装置10でできるのに加え、情報処理装置30からも可能である。
機能ロックモードのオン時に画像処理装置10を利用可能なユーザ、及びそのユーザが利用できない機能は、予め登録しておくことができる。この登録は、画像処理装置10本体で直接行えるようにしてもよいが、本実施形態では、情報処理装置30から行うことができるように構成されている。
具体的に、情報処理装置30において例えばウェブブラウザを立ち上げ、画像処理装置10内の特定のアドレスにアクセスすると、管理者確認画面が表示される。その管理者確認画面に対し、特定の管理者情報を入力すると、管理用のメイン管理画面が表示される。そのメイン管理画面から、機能ロックモードのオン、オフの切り替え、及び、機能ロックモードオン時におけるユーザ毎の機能制限を行うための、機能ロック管理画面に遷移することができる。
機能ロック管理画面において、管理者は、登録したいユーザ名を入力し且つパスワードを設定することで、機能ロックモードオン時に画像処理装置10を使用可能なユーザを登録することができる。ユーザ登録は、例えば最大10人まで可能である。ただし勿論、登録可能なユーザ数が10人であることはあくまでも一例である。また、機能ロック管理画面においては、登録ユーザ毎に、機能ロックモードオン時に制限をかけたい機能を任意に設定することができる。
また、機能ロックモードのオン時においては、ユーザモードとして、特定の登録ユーザがログインした状態であるパーソナルモードの他に、登録ユーザがログインしておらず不特定のユーザが使用可能なパブリックモードを設定することも可能である。そして、パブリックモードに対しても、機能ロック管理画面において使用可能な機能を制限することができる。
機能ロックモードオン時における、ユーザ毎に制限されている機能の情報は、機能ロック管理テーブルとして、記憶部12における、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリに記憶される。機能ロック管理テーブルの一例を図3(a)に示す。
図3(a)に例示する機能ロック管理テーブルにおいては、機能ロックモードオン時におけるユーザモードとして、ログインが不要なパブリックモードが予め設定されている他、パーソナルモードとして、二人の登録ユーザ、即ちユーザA及びユーザBが登録されている。そして、パブリックモードに対しては、例えばスキャン機能やファクス機能などが制限されていてコピー機能のみ使用可能に設定されている。ユーザAに対しては、ファクス機能が制限されていてコピー機能及びスキャン機能が使用可能に設定されている。ユーザBに対しては、コピー機能が制限されていてスキャン機能及びファクス機能が使用可能に設定されている。
従って、機能ロックモードがオンに設定されている場合であって、ユーザモードがパブリックモードである場合、即ち登録ユーザがログインしていない場合は、使用可能な機能はコピーであって、スキャン機能やファクス機能は使用できない。一方、機能ロックモードオン時において、例えば登録ユーザのうちユーザAがログインしたパーソナルモードになると、使用可能な機能がコピー機能及びスキャン機能となり、ファクス機能が使用できない状態となる。なお、機能ロックモードをオフにすれば、画像処理装置10の機能を制限なく使用できる。
(1−3)ワンタッチ機能の説明
画像処理装置10が備える各種機能を利用する際には、通常、ユーザは複数の手順を踏んで実行させる必要がある。例えば、原稿の画像をスキャンしてその画像データを情報処理装置30へ送信する機能を利用したい場合、送信先として情報処理装置30を指定するための入力操作や、スキャン時の各種設定値の設定・確認作業等が必要となる。そのため、各種機能を通常の手順で実行させようとすると手間がかかる。
これに対し、本実施形態の画像処理装置10は、予め決められた特定の機能を、第1ワンタッチキー〜第8ワンタッチキーの何れかにワンタッチ機能として予め登録しておくことにより、その特定の機能を、対応するワンタッチキーを押下することによって容易に実行させることが可能に構成されている。
ユーザは、第1ワンタッチキー〜第8ワンタッチキーに対し、ワンタッチキーとして登録したい特定の機能について、その特定の機能の実行に用いられる各種設定値を設定することにより、その特定の機能をワンタッチ機能として登録することができる。ワンタッチ機能を登録すると、以後、その登録した機能については、対応するワンタッチキーを押下することで、予め設定された各種設定値に基づき、ユーザの手間を要することなく、或いは通常よりも少ない手間で、迅速に実行させることができる。
例えば、両面コピーを行いたい場合、通常は、コピー機能の選択画面から両面コピーを選択し、さらに、例えば画質、記録用紙サイズ、コピー濃度、拡大/縮小の有無、などの各種設定項目の設定値をそれぞれ設定する必要がある。これに対し、それら各設定値を予め設定してワンタッチ機能として登録しておくことで、ワンタッチキーを押下することによってそれら設定値に基づく両面コピーを実行させることができる。
本実施形態では、1つのワンタッチキーに対して、複数のワンタッチ機能を登録することができる。より具体的には、1つのワンタッチキーに対し、パブリックワンタッチ機能と、パーソナルワンタッチ機能とを登録できる。パーソナルワンタッチ機能は、さらに、登録ユーザ毎に個別に登録することができる。つまり、本実施形態では、1つのワンタッチキーに対し、1つのパブリックワンタッチ機能と、登録ユーザ毎の個別のパーソナルワンタッチ機能とを登録することができる。
パブリックワンタッチ機能は、機能ロックモードがオフにされているときには無条件に実行させることができる。また、パブリックワンタッチ機能は、機能ロックモードがオンにされている場合にも、条件付きで実行可能である。具体的に、機能ロックモードがオンされていてユーザモードがパブリックモードである場合、パブリックワンタッチ機能として登録されている実行対象機能がパブリックモードに対して制限されていない場合は、そのパブリックワンタッチ機能を実行させることができる。また、機能ロックモードがオンされている場合であって、ユーザモードが例えばユーザAがログインしているパーソナルモードである場合、パブリックワンタッチ機能として登録されている実行対象機能がユーザAに対して制限されていない場合は、そのパブリックワンタッチ機能を実行させることができる。
ワンタッチキーに対するパブリックワンタッチ機能の登録は、機能ロックモードがオフにされているとき、及び機能ロックモードがオンであって且つユーザモードがパブリックモードのときに行うことができる。ただし、機能ロックモードがオンのときにパブリックワンタッチ機能として登録可能な機能は、パブリックモードに対して制限されていない機能に限定される。
ワンタッチキーに対するパーソナルワンタッチ機能の登録は、機能ロックモードがオンであって且つ何れかの登録ユーザがログインしているときに、そのログインしているユーザ(以下、「ログインユーザ」という。)に対して制限されていない機能の範囲内で行うことができる。
各ワンタッチキーに対するワンタッチ機能の登録情報は、ワンタッチキー登録テーブルとして、記憶部12における、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリに記憶される。記憶部12における前述の不揮発性メモリにおいては、第1ワンタッチキー〜第8ワンタッチキーの8つのワンタッチキー毎に、パブリックワンタッチ機能を実行させるための機能実行情報が記憶されるパブリック記憶領域と、パーソナルワンタッチ機能を実行させるための機能実行情報が記憶されるパーソナル記憶領域とが割り当てられる。ワンタッチキー登録テーブルの実体は、パブリック記憶領域及びパーソナル記憶領域に記憶されている、ワンタッチキー毎の各機能実行情報である。
ワンタッチキー登録テーブルの一例を図3(b)に示す。図3(b)に例示するワンタッチキー登録テーブルにおいて、例えば第1ワンタッチキーに対しては、パブリックワンタッチ機能として、特定の態様で両面コピーを実行させることが登録されている。さらに、第1ワンタッチキーに対しては、登録ユーザのうちユーザA及びユーザBに対してそれぞれパーソナルワンタッチ機能が登録されている。
図3(b)に例示するワンタッチキー登録テーブルにおいて、第2ワンタッチキーに対しては、パブリックワンタッチ機能として両面コピーが登録され、ユーザBに対するパーソナルワンタッチ機能として、×××さんへファクスするように設定されたファクス機能が登録されている。よって、機能ロックモードオン時であってユーザBがログインしているときに、第2ワンタッチキーを押下することで、×××さんのファクシミリ番号を手入力することなく、×××さんへのファクシミリデータの送信を実行させることができる。
(1−4)画面遷移例
画像処理装置10の電源キー6を押下して画像処理装置10を起動させると、特定の初期処理が行われた後、タッチパネル7に待機画面が表示される。待機画面には、主に、機能ロックモードのオン、オフの状態に応じて二種類がある。機能ロックモードがオフに設定されている場合は、図4(a)に示す待機画面(以下「第1の待機画面」ともいう)40が表示される。
機能ロックモードオフ時の第1の待機画面40には、図4(a)に示すように、画面中の左上に、「基本機能」というテキストが表示される。このテキストは、画面の種類を示していると共に、機能ロックモードがオフに設定されていることも示している。
第1の待機画面40には、複数の機能選択画像41,42,43が表示される。ユーザは、何れかの機能選択画像に対する入力操作(例えば画像のタップ)を行うことで、対応する機能を実行させることができる。また、第1の待機画面40には、メニューキー45が表示される。メニューキー45がタップされると、画像処理装置10の各種設定を行うためのメニュー画面が表示される。
機能ロックモードがオンの場合、待機画面として、図4(b)の左側に示す待機画面(以下「第2の待機画面」ともいう)46が表示される。この第2の待機画面46が第1の待機画面40と異なるのは、画面左上において、「基本機能」のテキストに代えて、ユーザモード表示画像46aが表示されることである。
ユーザモード表示画像46aは、主に2つの情報を示している。1つは、機能ロックモードがオンに設定されていることを示している。もう一つは、ユーザモードを示している。機能ロックモードがオフからオンに切り替えられた直後の初期状態は、機能ロックモードがオンに設定されているものの登録ユーザがログインしていない状態、即ちユーザモードがパブリックモードに設定されている状態である。そのため、この場合は、ユーザモード表示画像46aとして、ユーザモードがパブリックモードであることを示す「パブリックモード」というテキストが表示される。
ユーザモードがパブリックモードである場合に例えば第1ワンタッチキーを押下すると、第1ワンタッチキーに登録されているパブリックワンタッチ機能が開始される。ただし、パブリックワンタッチ機能として登録されている機能の種類がパブリックモードにおいて制限されていない場合に、そのパブリックワンタッチ機能が開始される。本実施形態では、図3(b)に例示したように第1ワンタッチキーにはパブリックワンタッチ機能として両面コピーが登録されており、コピー機能は図3(a)に例示したようにパブリックモードに対して使用可能な機能に設定されている。
そのため、ユーザモードがパブリックモードである場合に例えば第1ワンタッチキーを押下することで、パブリックワンタッチ機能として登録されている両面コピーを実行させることができる。具体的に、第1ワンタッチキーを押下すると、図4(b)に例示するように、タッチパネル7には、パブリックワンタッチ機能として登録されている両面コピーが開始されることを示す機能呼出画面49が表示される。そして、一定時間経過後、登録されている両面コピーを実行させるためのスタート画面50が表示される。
両面コピーのスタート画面50には、登録されている両面コピーの各種設定値が表示される。また、スタート画面50には、スタートキー51と、設定変更キー52と、キャンセルキー53とが表示される。スタートキー51をタップすると、登録されている両面コピーを実際に実行させることができる。設定変更キー52をタップすると、各種設定値の設定変更を行うことが可能な画面に遷移し、そこで設定値を変更することができる。キャンセルキー53をタップすると、ワンタッチ機能の実行が停止され、第2の待機画面46に戻る。
第2の待機画面46において、ユーザモード表示画像46aをタップすると、登録ユーザのログイン用の画面が表示される。その画面において、特定の登録ユーザのユーザ名およびパスワードを入力すると、その登録ユーザのログインが成功する。いずれかの登録ユーザがログインすると、第2の待機画面46には、ユーザモード表示画像46aとして、ログインユーザを示すテキストが表示される。図5の左側に示す第2の待機画面46は、ユーザAがログインしていることを示しており、図6の左側に示す第2の待機画面46は、ユーザBがログインしていることを示している。
ここで、ユーザAがログインしている場合の画面遷移例について図5を用いて説明する。第1ワンタッチキーに対しては、図3(b)に例示したように、パブリックワンタッチ機能及びユーザAのパーソナルワンタッチ機能が登録されている。そのため、ユーザAがログインしている状態において第1ワンタッチキーを押下すると、図5に示すように、実行機能選択画面55が表示される。
実行機能選択画面55には、押下された第1ワンタッチキーに対して登録されている、ログイン中のユーザAのパーソナルワンタッチ機能及びパブリックワンタッチ機能の内容がそれぞれ表示される。また、実行機能選択画面55には、ログイン中のユーザAのパーソナルワンタッチ機能を実行させるためのパーソナル指定キー56と、パブリックワンタッチ機能を実行させるためのパブリック指定キー57とが表示される。
パーソナル指定キー56がタップされると、第1ワンタッチキーに登録されているユーザAのパーソナルワンタッチ機能が実行される。具体的には、登録されているメディアスキャンを実行させるためのスタート画面65が表示される。メディアスキャンのスタート画面65には、登録されているメディアスキャンの各種設定値が表示される。また、スタート画面65には、スタートキー66と、設定変更キー67とが表示される。スタートキー66をタップすると、登録されているメディアスキャンを実際に実行させることができる。設定変更キー67をタップすると、各種設定値の設定変更を行うことが可能な画面に遷移し、そこで設定値を変更することができる。
実行機能選択画面55において、パブリック指定キー57がタップされると、第1ワンタッチキーに登録されているパブリックワンタッチ機能が実行される。具体的には、登録されている両面コピーを実行させるためのスタート画面50が表示される。このスタート画面50に表示されているスタートキー51をタップすると、登録されている両面スキャンを実際に実行させることができる。
つまり、ユーザAは、第1ワンタッチキーを押下した場合、パブリックワンタッチ機能及び自身が登録しているパーソナルワンタッチ機能の何れか一方を選択的に実行させることができる。ただし、パブリックワンタッチ機能については、ユーザAに実行する権限がある場合、即ちパブリックワンタッチ機能として登録されている機能がユーザAに対して制限されていない場合に、実行可能である。
一方、第2ワンタッチキーに対しては、図3(b)に例示したように、パブリックワンタッチ機能は登録されているもののユーザAのパーソナルワンタッチ機能はまだ登録されていない。そのため、ユーザAがログインしている状態において第2ワンタッチキーを押下すると、図5に示すように、登録・実行選択画面60が表示される。
登録・実行選択画面60には、押下された第2ワンタッチキーに対して登録されているパブリックワンタッチ機能の内容と、ログイン中のユーザAのパーソナルワンタッチ機能が未登録状態であることが表示される。また、登録・実行選択画面60には、ログイン中のユーザAのパーソナルワンタッチ機能を新規登録させるためのパーソナル登録キー61と、パブリックワンタッチ機能を実行させるためのパブリック指定キー62とが表示される。
パブリック指定キー62がタップされると、第2ワンタッチキーに登録されているパブリックワンタッチ機能が実行される。具体的には、登録されている両面コピーを実行させるためのスタート画面50が表示される。このスタート画面50に表示されているスタートキー51をタップすると、登録されている両面スキャンを実際に実行させることができる。
登録・実行選択画面60において、パーソナル登録キー61がタップされると、ログイン中のユーザAのパーソナルワンタッチ機能を新規登録するための画面に遷移する。具体的に、まず、登録機能選択画面70が表示され、ユーザは、ワンタッチ機能として登録したい機能を選択できる。
また、登録機能選択画面70には、ワンタッチ機能として登録可能な機能が一覧表示されるが、その中で、ログイン中のユーザに対して制限がかけられている機能については、グレーアウト表示され、選択できないようになっている。本実施形態では、ユーザAに対してはファクス機能及びクラウド機能は実行できない機能として制限されているため、登録機能選択画面70において、ファクス機能及びクラウド機能はグレーアウト表示されている。そして、ユーザAは、コピー機能及びスキャン機能のうちいずれかを選択できる。
登録機能選択画面70において何れかの機能が選択されると、その選択された機能についてより詳細な設定を行うための設定画面に遷移し、そこで各種設定項目の設定値を設定することができる。そして、最終的に、第2ワンタッチキーに対するユーザAのパーソナルワンタッチ機能として新規登録することができる。
次に、ユーザBがログインしている場合の画面遷移例について図6を用いて説明する。第1ワンタッチキーに対しては、図3(b)に例示したように、パブリックワンタッチ機能及びユーザBのパーソナルワンタッチ機能が登録されている。しかし、パブリックワンタッチ機能として登録されている両面コピーは、ユーザBに対して制限がかけられている機能であって、ユーザBのログイン中には実行させることができない。
そのため、ユーザBがログインしている状態において第1ワンタッチキーを押下すると、第1ワンタッチキーに対して登録されている、ユーザBのパーソナルワンタッチ機能が実行される。具体的には、まず、ユーザBのパーソナルワンタッチ機能として登録されている○○○さんへのファクスが開始されることを示す機能呼出画面49が表示される。そして、一定時間経過後、その○○○さんへのファクシミリデータ送信を実行させるためのスタート画面80が表示される。このスタート画面80には、送信先のファクシミリ番号を含む、登録されている各種設定値が表示される。また、スタート画面80には、スタートキー81と、設定変更キー82とが表示される。スタートキー81をタップすると、登録されている○○○さんへのファクシミリデータの送信を実際に実行させることができる。設定変更キー82をタップすると、各種設定値の設定変更を行うことが可能な画面に遷移し、そこで設定値を変更することができる。
一方、第3ワンタッチキーに対しては、図3(b)に例示したように、パブリックワンタッチ機能は登録されているもののユーザBのパーソナルワンタッチ機能はまだ登録されていない。また、登録されているパブリックワンタッチ機能はレイアウトコピーであり、ユーザBに対しては制限がかけられている機能である。
そのため、ユーザBがログインしている状態において第3ワンタッチキーを押下すると、図6に示すように、登録機能選択画面70が表示される。ユーザBは、この登録機能選択画面70を起点として、図5で説明したユーザAのパーソナルワンタッチ機能の新規登録と全く同様の要領で、ユーザBのパーソナルワンタッチ機能を新規登録することができる。
なお、図6の登録機能選択画面70においても、ユーザBに対して制限がかけられている機能についてはグレーアウト表示され、選択できないようにされている。
(1−5)ワンタッチキー対応処理
次に、ワンタッチキーが押下された場合に実行されるワンタッチキー対応処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。画像処理装置10の制御部11は、第1ワンタッチキー〜第8ワンタッチキーのいずれかが押下されると、記憶部12に記憶されている図7のワンタッチキー対応処理のプログラムを読み込んで実行する。図4(b)、図5、図6に例示した画面遷移は、制御部11が図7のワンタッチキー対応処理を実行することにより実現される。
画像処理装置10の制御部11は、何れかのワンタッチキーが押下されたことにより図7のワンタッチキー対応処理を開始すると、S110で、機能ロックモードがオンに設定されているか否か判断する。
機能ロックモードがオンに設定されている場合は、S120で、ユーザモードがパブリックモードであるか否か判断する。ユーザモードがパブリックモードである場合、即ち登録ユーザがログインしていない場合は、S130のパブリックモード時キー処理を実行する。ユーザモードが、何れかの登録ユーザがログインしているパーソナルモードである場合は、S140のパーソナルモード時キー処理を実行する。
S130のパブリックモード時キー処理の詳細は、図8に示す通りである。図8に示すように、パブリックモード時キー処理に進むと、S210で、押下されたワンタッチキーに対してパブリックワンタッチ機能が登録されているか否か判断する。具体的には、記憶部12が有する前述の不揮発性メモリにおける、押下されたワンタッチキーに割り当てられたパブリック記憶領域に、パブリックワンタッチ機能の内容を示す機能実行情報が記憶されているか否かを判断する。
押下されたワンタッチキーに対してパブリックワンタッチ機能が登録されている場合は、S220に進む。S220では、押下されたワンタッチキーに登録されているパブリックワンタッチ機能が、パブリックモードにおいて使用可能な機能であるか否か判断する。
登録されているパブリックワンタッチ機能がパブリックモードにおいて制限がかけられている機能である場合は、S250で、機能制限によりワンタッチ機能を使用できない旨の報知を行って、ワンタッチキー対応処理を終了する。S250における報知の具体的態様としては、例えば、タッチパネル7に特定のメッセージを表示させることや、音声により報知を行うことなどが考えられる。
S220で、押下されたワンタッチ機能に登録されているパブリックワンタッチ機能がパブリックモードにおいて使用可能な機能であると判断した場合は、S230に進む。S230では、登録されているパブリックワンタッチ機能のスタート画面を表示させる。なお、スタート画面の表示の前に、図4(b)に例示した機能呼出画面49を一時的に表示させる。
S230では、具体的には、記憶部12が有する前述の不揮発性メモリにおける、押下されたワンタッチキーに割り当てられたパブリック記憶領域から、パブリックワンタッチ機能の機能実行情報を取得する。そして、その取得した機能実行情報に基づき、パブリックワンタッチ機能の実行用のスタート画面を表示させる。
そして、スタート画面において例えばスタートキーが押下されるなど、最終的に機能を実行させる旨の入力操作が行われた場合は、S240で、登録されているワンタッチ機能を実行する。
S210で、押下されたワンタッチキーに対してパブリックワンタッチ機能が登録されていない場合は、S260に進む。S260では、パブリックワンタッチ機能の新規登録用の登録機能選択画面を表示させる。このとき、機能の選択肢のうち、パブリックモードに対して制限がかけられている機能については、グレーアウト表示させて選択できないようにする。
S270では、登録機能選択画面に表示されている、選択可能な機能の選択肢の中から、いずれかが選択されたか否か判断する。そしていずれかの機能が選択された場合は、S280に進む。S280では、選択された機能の実行に必要な各種設定項目の設定値を入力させるための設定値入力画面を表示させる。ユーザは、設定値入力画面に対して、S270で選択した機能の実行に必要な各種設定値を入力することができる。
S290では、設定値が入力されたか否か判断する。設定値が入力された場合は、その入力された設定値を記憶部12に一時的に記憶して、S290に戻る。設定値が入力されていない場合は、S310で、ユーザにより登録指示が行われたか否か判断する。登録指示の具体例としては、設定値入力画面に表示されているOKキーがタップされること、が挙げられる。
登録指示が行われていない場合は、S290に戻る。登録指示が行われた場合は、S320に進む。S320では、S270で選択された機能、及びS280〜S310の一連の処理で入力された設定値に基づいて、押下されたワンタッチキーに対するパブリックワンタッチ機能の新規登録を行う。具体的に、選択された機能及び入力された設定値を示す情報を、押下されたワンタッチキーに対応したパブリックワンタッチ機能の実行用の機能実行情報として、記憶部12が有する前述の不揮発性メモリにおける、押下されたワンタッチキーに割り当てられたパブリック記憶領域に、記憶する。
次に、S140のパーソナルモード時キー処理の詳細について、図9、図10を用いて説明する。図9に示すように、パーソナルモード時キー処理に進むと、S410で、押下されたワンタッチキーに対して、ログインユーザのパーソナルワンタッチ機能が登録されているか否か判断する。具体的には、記憶部12が有する前述の不揮発性メモリにおける、押下されたワンタッチキーに割り当てられたログインユーザのパーソナル記憶領域に、パーソナルワンタッチ機能の内容を示す機能実行情報が記憶されているか否かを判断する。
ログインユーザのパーソナルワンタッチ機能が登録されている場合は、S420に進む。S420では、図8のS210と全く同様に、押下されたワンタッチキーに対してパブリックワンタッチ機能が登録されているか否か判断する。
パブリックワンタッチ機能が登録されていない場合は、S500に進む。S500では、押下されたワンタッチキーに登録されているログインユーザのパーソナルワンタッチ機能のスタート画面を表示させる。具体的には、記憶部12が有する前述の不揮発性メモリにおける、押下されたワンタッチキーに割り当てられたログインユーザのパーソナル記憶領域から、ログインユーザのパーソナルワンタッチ機能の機能実行情報を取得する。そして、その取得した機能実行情報に基づき、ログインユーザのパーソナルワンタッチ機能の実行用のスタート画面を表示させる。そして、スタート画面において例えばスタートキーが押下されるなど、最終的に機能を実行させる旨の入力操作が行われた場合は、S470で、ログインユーザのパーソナルワンタッチ機能を実行する。
S420で、押下されたワンタッチキーに対してパブリックワンタッチ機能が登録されている場合は、S430に進む。S430では、押下されたワンタッチキーに登録されているパブリックワンタッチ機能が、ログインユーザの権限で使用可能な機能であるか否か判断する。
登録されているパブリックワンタッチ機能が、ログインユーザに対して制限がかけられていてログインユーザ権限で使用できない機能である場合は、S500に進み、前述の通り、押下されたワンタッチキーに登録されているログインユーザのパーソナルワンタッチ機能を実行させるための処理を進める。
S430で、押下されたワンタッチ機能に登録されているパブリックワンタッチ機能が、ログインユーザに対して制限がかけられておらずログインユーザ権限で使用可能な機能であると判断した場合は、S440に進む。S440では、実行機能選択画面55を表示させる。この実行機能選択画面55は、図5に例示したように、実行させるワンタッチ機能としてパブリックワンタッチ機能及びログインユーザのパーソナルワンタッチ機能のうち何れかを選択させるための画面である。
S450では、実行機能選択画面55に対してログインユーザのパーソナルワンタッチ機能が選択されたか否か、即ちパーソナル指定キー56がタップされたか否かを判断する。ログインユーザのパーソナルワンタッチ機能が選択された場合は、S460で、S500と同様、押下されたワンタッチキーに登録されているログインユーザのパーソナルワンタッチ機能のスタート画面を表示させる。そして、スタート画面において例えばスタートキーが押下されるなど、最終的に機能を実行させる旨の入力操作が行われた場合は、S470で、ログインユーザのパーソナルワンタッチ機能を実行する。
S450で、ログインユーザのパーソナルワンタッチ機能が選択されない場合は、S480で、パブリックワンタッチ機能が選択されたか否か、即ちパブリック指定キー57がタップされたか否か判断する。パブリックワンタッチ機能が選択されない場合はS450に戻る。パブリックワンタッチ機能が選択された場合は、S490で、押下されたワンタッチキーに登録されているパブリックワンタッチ機能のスタート画面を表示させる。そして、スタート画面において例えばスタートキーが押下されるなど、最終的に機能を実行させる旨の入力操作が行われた場合は、S470で、パブリックワンタッチ機能を実行する。
S410で、押下されたワンタッチキーに対してログインユーザのパーソナルワンタッチ機能が登録されていない場合は、図10のS610に進む。S610では、S420と同様、押下されたワンタッチキーに対してパブリックワンタッチ機能が登録されているか否か判断する。
パブリックワンタッチ機能が登録されていない場合はS680に進み、パブリックワンタッチ機能が登録されている場合はS620に進む。S620では、S430と同様、押下されたワンタッチキーに登録されているパブリックワンタッチ機能が、ログインユーザの権限で使用可能な機能であるか否か判断する。
登録されているパブリックワンタッチ機能がログインユーザ権限で使用できない機能である場合はS680に進み、ログインユーザ権限で使用できる機能である場合はS630に進む。
S630では、登録・実行選択画面60を表示させる。この登録・実行選択画面60は、図5に例示したように、登録されているパブリックワンタッチ機能を実行させるか、それともログインユーザのパーソナルワンタッチ機能を新規登録するかを選択させるための画面である。
S640では、登録・実行選択画面60に対してログインユーザのパーソナルワンタッチ機能の登録が選択されたか否か、即ちパーソナル登録キー61がタップされたか否か判断する。ログインユーザのパーソナルワンタッチ機能の登録が選択されない場合は、S650に進む。S650では、登録・実行選択画面60に対してパブリックワンタッチ機能の実行が選択されたか否か、即ちパブリック指定キー62がタップされたか否か判断する。
パブリックワンタッチ機能の実行が選択されない場合は、S640に戻る。パブリックワンタッチ機能の実行が選択された場合は、S660に進む。S660では、押下されたワンタッチキーに登録されているパブリックワンタッチ機能のスタート画面を表示させる。そして、スタート画面において例えばスタートキーが押下されるなど、最終的に機能を実行させる旨の入力操作が行われた場合は、S670で、パブリックワンタッチ機能を実行する。
S640で、ログインユーザのパーソナルワンタッチ機能の登録が選択された場合は、S680に進む。S680では、ログインユーザのパーソナルワンタッチ機能の新規登録用の登録機能選択画面を表示させる。このとき、機能の選択肢のうち、ログインユーザに対して制限がかけられている機能については、グレーアウト表示させて選択できないようにする。
S690〜S730の処理は、図8のS270〜S310の処理と基本的に同じである。即ち、S690〜S730の処理によって、ログインユーザのパーソナルワンタッチ機能の新規登録に必要な各種入力操作を受け付ける。そして、S730で、ユーザにより登録指示が行われた場合は、S740に進む。
S740では、S320では、S690で選択された機能、及びS700〜S730の一連の処理で入力された設定値に基づいて、押下されたワンタッチキーに対する、ログインユーザのパーソナルワンタッチ機能の新規登録を行う。具体的に、選択された機能及び入力された設定値を示す情報を、押下されたワンタッチキーに対応したログインユーザのパーソナルワンタッチ機能の実行用の機能実行情報として、記憶部12が有する前述の不揮発性メモリにおける、押下されたワンタッチキーに割り当てられたパーソナル記憶領域に、記憶する。
図7のS110で、機能ロックモードがオフに設定されている場合は、S150で、ロックオフ時キー処理を実行する。S150のロックオフ時キー処理の内容はおおよそ次の通りである。即ち、押下されたワンタッチキーに対してパブリックワンタッチ機能が登録されている場合は、そのパブリックワンタッチ機能を実行させるための処理を行う。具体的には、図8のS230〜S240と同様の処理を行う。一方、押下されたワンタッチキーに対してパブリックワンタッチ機能が登録されていない場合は、パブリックワンタッチ機能を新規登録するための処理を行う。具体的には、図8のS260以降の処理と同様の処理を行う。
(1−6)実施形態の効果
以上説明した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
1つのワンタッチキーに対し、パブリックワンタッチ機能とパーソナルワンタッチ機能とを登録できる。しかも、パーソナルワンタッチ機能については、登録ユーザ毎に個別に登録できる。また、パーソナルワンタッチ機能は、登録ユーザ毎に、機能ロックモードオン時に実行可能な機能の範囲内で登録される機能である。
そのため、登録ユーザは、ワンタッチキーに対してパーソナルワンタッチ機能を登録しておくことで、機能ロックモードオン時であっても、少なくとも登録してあるパーソナルワンタッチ機能を実行させることができる。したがって、本実施形態の画像処理装置10によれば、機能ロックモードオン時であっても各ワンタッチキーのワンタッチ機能をユーザ毎に有効に利用することができる。
また、機能ロックモードオン時且つ何れかの登録ユーザがログインしている状態において、パブリックワンタッチ機能とログインユーザのパーソナルワンタッチ機能が登録されているワンタッチキーが押下された場合は、実行機能選択画面55が表示される。より詳しくは、ログインユーザにパブリックワンタッチ機能の実行権限がある場合に、実行機能選択画面55が表示される。そして、ユーザは、パブリックワンタッチ機能とパーソナルワンタッチ機能の何れかを選択して実行させることができる。
そのため、ログインユーザは、自身のパーソナルワンタッチ機能とパブリックワンタッチ機能が登録されたワンタッチキーを押下した場合、両機能のうちいずれかを選択的に実行させることができ、実行可能なワンタッチ機能のバリエーションを増やすことができる。
なお、パブリックワンタッチ機能とログインユーザのパーソナルワンタッチ機能の双方が登録されている場合に、ログインユーザにパブリックワンタッチ機能の使用権限がなくても、少なくともパーソナルワンタッチ機能は実行させることができる。
逆に、ログインユーザは、自身のパーソナルワンタッチ機能が登録されていないワンタッチキーにパブリックワンタッチ機能が登録されている場合は、ログインユーザにその機能の使用権限があれば、ログイン中にそのパブリックワンタッチ機能を実行させることができる。
また、機能ロックモードオン時且つ何れかの登録ユーザがログインしている状態において、ログインユーザのパーソナルワンタッチ機能は登録されておらずパブリックワンタッチ機能は登録されているワンタッチキーが押下された場合は、登録・実行選択画面60が表示される。そして、ログインユーザは、押下したワンタッチキーに登録されているパブリックワンタッチ機能を実行させるか、それとも押下したワンタッチキーに対して当該ログインユーザのパーソナルワンタッチ機能を新規登録するか、を選択することができる。そのため、既に登録されているパブリックワンタッチ機能の内容を確認しつつ、パーソナルワンタッチ機能の新規登録を必要に応じて効率的に行うことができる。
また、パブリックワンタッチ機能及びログインユーザのパーソナルワンタッチ機能のいずれも登録されていないワンタッチキーがある場合、登録ユーザは、ログインしてそのワンタッチキーを押下することで、そのワンタッチキーに対して自身のパーソナルワンタッチ機能を効率良く新規登録することができる。
(1−7)特許請求の範囲の文言との対応関係
ここで、実施形態の文言と特許請求の範囲の文言との対応関係について説明する。
画像処理装置10は機能実行装置の一例に相当する。画像処理装置10の記憶部12は記憶媒体に相当する。機能ロックモードがオフにされている状態は通常モードに相当し、機能ロックモードがオンにされている状態は制限モードに相当する。実行機能選択画面55は機能選択画面に相当し、登録・実行選択画面60は処理選択画面に相当する。機能ロックモードがオンに設定されている状態において、ユーザモードとして設定されているユーザは、有効ユーザに相当し、このうちパブリックモードはパブリックユーザに相当する。
また、図9において、S410、S420、S440は機能選択表示処理に相当し、S430は複数登録時判断処理に相当し、S450〜S490は選択実行処理及び第1の選択実行処理に相当し、S500及びS470はパーソナル実行処理に相当する。また、図10において、SS610はパブリック判断処理に相当し、S620は単登録時判断処理に相当し、S630は処理選択表示処理に相当し、S660〜S670は第2の選択実行処理に相当し、S740は新規登録処理に相当する。また、図8において、S220はパブリックユーザ判断処理に相当し、S230〜S240はパブリック実行処理に相当する。
[2.他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
例えば、図5に示した登録機能選択画面70において、上記実施形態では、ログインユーザに対して制限されている機能はグレーアウトさせて選択できないように構成されているが、制限されている機能については他の表示態様を採用してもよい。
例えば、制限されている機能についても制限されていない機能と同じように表示させ、制限されている機能が選択された場合に、その機能は登録できない旨をログインユーザに報知するようにしてもよい。また例えば、制限されている機能についてははじめから表示させないようにしてもよい。その際、例えば画面中の任意の位置に、機能制限によって選択できない機能があることや、その機能の名称などを適宜表示するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第1キー21〜第4キー24の4つのキーが、それぞれ、シフトキー25との組合せによって異なる2種類のワンタッチキーとして機能する構成であったが、第1ワンタッチキー〜第8ワンタッチキーに対してそれぞれ個別にキーが設けられていてもよい。
また、ワンタッチキーの数が8個であることは一例であって、7個以下であってもよいし、9個以上であってもよい。また、1つのワンタッチキーに対して複数のパブリックワンタッチ機能を登録可能であってもよい。ログインユーザのパーソナルワンタッチ機能についても、1つのワンタッチキーに対して、同じログインユーザのパーソナルワンタッチ機能を複数登録可能であってもよい。
図4〜図6に示した画面遷移例における各画面の表示内容は、あくまでも一例であって、目的とする内容が表示される限り他の種々の画像を採用してもよい。
また、画像処理装置10は、本発明の機能実行装置の一例であり、複数の機能を実行可能に構成された各種の機能実行装置に対して本発明を適用可能である。
その他、上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。