JP6720007B2 - 軸受組立体およびポンプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、軸受組立体および該軸受組立体を備えたポンプ装置に関するものである。
モータとポンプとが一体的に構成されたキャンドモータポンプは、回転軸とポンプケーシングとの間の隙間を封止するための軸封装置を必要としないため、液体の漏洩は起こらない。したがって、キャンドモータポンプは、液体の漏洩を嫌う分野において広く使用されている。さらに、半導体製造装置など、装置全体を小型化する現場では、場所を取らないアキシャルギャップ型PMモータを搭載したキャンドモータポンプが好ましく使用される。
図7はモータポンプを示す断面図である。図7に示すモータポンプはアキシャルギャップ型PMモータを搭載したキャンドモータポンプである。図7に示すように、モータポンプは、複数の永久磁石105が埋設された羽根車101と、これらの永久磁石105に作用する磁力を発生するモータ固定子106と、羽根車101を収容するポンプケーシング102と、モータ固定子106を収容するモータケーシング103と、羽根車101のラジアル荷重およびスラスト荷重を支持する軸受組立体110とを備えている。モータ固定子106および軸受組立体110は、羽根車101の吸込側に配置されている。
羽根車101は単一の軸受組立体110によって回転自在に支持されている。この軸受組立体110は液体の動圧を利用したすべり軸受(動圧軸受)である。この軸受組立体110は、互いに緩やかに係合する回転側軸受111と固定側軸受112の組み合わせから構成される。回転側軸受111は羽根車101に固定されており、固定側軸受112はモータケーシング103に固定されている。
羽根車101から吐き出された液体の一部は、羽根車101とモータケーシング103との間の微小な隙間を通って軸受組立体110に導かれる。回転側軸受111が羽根車101とともに回転すると、回転側軸受111と固定側軸受112との間に液体の動圧が発生し、これにより羽根車101が軸受組立体110によって非接触に支持される。
モータポンプを長期的に運転すると、すべり軸受である軸受組立体110は摩耗してしまう。この場合、軸受組立体110を定期的に交換する必要がある。したがって、軸受組立体110として、高い硬度を有し、摩耗の少ない炭化珪素(SiC)を採用することがある。
特開2001−65487号公報
軸受組立体110に導かれた液体中には異物が含まれていることがあり、この異物が回転側軸受111と固定側軸受112との間に詰まることがある。しかしながら、永久磁石105とモータ固定子106との間には、常時(つまり、モータポンプの運転時および停止時)、磁力が発生しているため、回転側軸受111と固定側軸受112との間には、常時、引き合う力が作用する。したがって、モータポンプの運転中に、回転側軸受111と固定側軸受112との間に異物が一旦詰まると、モータポンプを停止しても、回転側軸受111と固定側軸受112との間に作用する力によって異物が除去されない場合がある。結果として、モータポンプを再度駆動することができないおそれがある。
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、回転側軸受と固定側軸受との間の隙間に異物が詰まらない構造を有する軸受組立体を提供することを目的とする。また、本発明は、このような軸受組立体を備えたポンプ装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、円筒状の固定側ラジアル面、および該固定側ラジアル面の半径方向外側に位置する固定側スラスト面を有する固定側軸受と、前記固定側ラジアル面を囲む円筒状の回転側ラジアル面、および該回転側ラジアル面の半径方向外側に位置する回転側スラスト面を有する回転側軸受と、前記回転側スラスト面と前記固定側スラスト面との間に配置された中間軸受とを備えることを特徴とする軸受組立体である。
本発明の好ましい態様は、前記固定側ラジアル面から外側に突出したストッパー端面を有するストッパーをさらに備えており、前記中間軸受は、前記ストッパーの周囲に配置されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記中間軸受は、前記固定側スラスト面に接触する第1の軸受端面と、前記回転側スラスト面に接触する第2の軸受端面とを有しており、前記第1の軸受端面から前記第2の軸受端面までの距離は、前記固定側スラスト面から前記ストッパーのストッパー端面までの距離よりも大きいことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ストッパーは、前記固定側軸受と一体的に構成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ストッパーは、前記固定側軸受とは異なる部材から構成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記中間軸受は、前記固定側軸受および前記回転側軸受よりも軟質な材料から構成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記固定側軸受および前記回転側軸受はセラミックから構成されており、前記中間軸受は樹脂から構成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記中間軸受は、前記回転側スラスト面と前記固定側スラスト面との間に回転自在に配置されており、前記中間軸受は、前記固定側スラスト面にすべり接触可能な第1の軸受端面と、前記回転側スラスト面にすべり接触可能な第2の軸受端面とを有していることを特徴とする。
本発明の他の態様は、永久磁石が埋設された羽根車と、前記羽根車を収容するポンプケーシングと、複数の固定子コイルを有するモータ固定子と、前記モータ固定子を収容するモータケーシングと、前記羽根車を支持する上記軸受組立体とを備え、前記軸受組立体の回転側軸受は前記羽根車に固定されており、前記軸受組立体の固定側軸受は前記モータケーシングに固定されていることを特徴とするポンプ装置である。
本発明の好ましい態様は、前記軸受組立体は、上記好ましい態様で示された軸受組立体であり、前記回転側軸受と前記ストッパーとの間には第1の軸方向隙間が形成されており、前記羽根車と前記モータケーシングとの間には第2の軸方向隙間が形成されており、前記第1の軸方向隙間は前記第2の軸方向隙間よりも小さいことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記モータ固定子に電流を供給するインバータ装置をさらに備え、前記インバータ装置は、前記回転側軸受が前記ストッパーに接触して、前記モータ固定子に供給される電流が所定のしきい値を超えると、前記モータ固定子への電流の供給を停止することを特徴とする。
軸受組立体は、回転側軸受の回転側スラスト面と固定側軸受の固定側スラスト面との間に配置された中間軸受とを備えている。したがって、軸受組立体に進入した異物は、回転側軸受と中間軸受との間の隙間および/または固定側軸受と中間軸受との間の隙間に詰まることはあっても、回転側軸受と固定側軸受との間に詰まることはない。
本発明の一実施形態に係るポンプ装置を示す断面図である。 軸受組立体を示す図である。 中間軸受およびストッパーの拡大図である。 中間軸受を軸方向から見た図である。 ストッパーに接触する回転側軸受を示す図である。 軸受組立体の他の実施形態を示す図である。 モータポンプを示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るポンプ装置を示す断面図である。このポンプ装置は、モータとポンプとが一体的に構成されたモータポンプを備えている。図1に示すモータポンプはアキシャルギャップ型PMモータを搭載したキャンドモータポンプである。図1に示すように、モータポンプは、複数の永久磁石5が埋設された羽根車1と、これらの永久磁石5に作用する磁力を発生するモータ固定子6と、羽根車1を収容するポンプケーシング2と、モータ固定子6を収容するモータケーシング3と、羽根車1のラジアル荷重およびスラスト荷重を支持する軸受組立体10とを備えている。
モータ固定子6および軸受組立体10は、羽根車1の吸込側に配置されている。本実施形態では、複数の永久磁石5が設けられているが、本発明は本実施形態に限定されず、複数の磁極が着磁された1つの永久磁石を用いてもよい。具体的には、S極とN極とが交互に着磁された、複数の磁極を有する1つの環状の永久磁石を用いてもよい。
ポンプケーシング2とモータケーシング3との間にはシール部材としてのOリング9が設けられている。Oリング9を設けることにより、ポンプケーシング2とモータケーシング3との間から液体が漏洩することを防止することができる。
モータケーシング3には、吸込口15aを有する吸込ポート15が連結されている。この吸込ポート15はフランジ形状を有しており、図示しない吸込ラインに接続される。吸込ポート15、モータケーシング3、および軸受組立体10の中心部には、それぞれ液体流路15b,3a,10aが形成されている。これら液体流路15b,3a,10aは一列に連結され、吸込口15aから羽根車1の液体入口まで延びる1つの液体流路を構成する。液体流路15b,3a,10aは、羽根車1の液体入口に連通している。
本実施形態に係るモータポンプは、永久磁石5およびモータ固定子6がこれら液体流路15b,3a,10aに沿って配置されるアキシャルギャップ型PMモータを搭載したキャンドモータポンプである。
ポンプケーシング2の側面には、吐出口16aを有する吐出ポート16が設けられており、回転する羽根車1によって昇圧された液体は、吐出口16aを通って吐き出される。なお、本実施形態に係るモータポンプは、吸込口15aと吐出口16aが直交する、いわゆるエンドトップ型モータポンプである。
羽根車1は、滑りやすく、かつ摩耗しにくい非磁性材料から形成されている。例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPPS(ポリフェニレンスルファイド)などの樹脂や、セラミックが好適に使用される。ポンプケーシング2およびモータケーシング3も羽根車1と同じ材料から形成することができる。
図2は軸受組立体10を示す図である。羽根車1は単一の軸受組立体10によって回転自在に支持されている。この軸受組立体10は液体の動圧を利用したすべり軸受(動圧軸受)である。この軸受組立体10は、固定側軸受12と、固定側軸受12の周囲に配置される回転側軸受11と、固定側軸受12と回転側軸受11との間に回転自在に配置される中間軸受17とを備えている。
固定側軸受12は、円筒状の固定側ラジアル面12aと、固定側ラジアル面12aの半径方向外側に位置する固定側スラスト面12bとを有している。回転側軸受11は、固定側ラジアル面12aを囲む円筒状の回転側ラジアル面11aと、回転側ラジアル面11aの半径方向外側に位置する回転側スラスト面11bとを有している。回転側軸受11は固定側軸受12を取り囲むように配置されている。中間軸受17は、回転側軸受11の回転側スラスト面11bと固定側軸受12の固定側スラスト面12bとの間に配置されている。
回転側軸受11は、羽根車1に固定されており、羽根車1の液体入口を囲むように配置されている。固定側軸受12は、モータケーシング3に固定されており、回転側軸受11の吸込側に配置されている。
回転側ラジアル面11aおよび固定側ラジアル面12aは羽根車1のラジアル荷重を支持するラジアル面であり、回転側スラスト面11bおよび固定側スラスト面12bは羽根車1のスラスト荷重を支持するスラスト面である。回転側ラジアル面11aおよび固定側ラジアル面12aは羽根車1の軸心と平行であり、回転側スラスト面11bおよび固定側スラスト面12bは羽根車1の軸心に対して垂直である。回転側ラジアル面11aおよび回転側スラスト面11bは互いに垂直であり、固定側ラジアル面12aおよび固定側スラスト面12bは互いに垂直である。なお、回転側軸受11の形状および固定側軸受12の形状は図2の例に限定されず、回転側軸受11および固定側軸受12は、テーパー面を有してもよい。
図2に示すように、軸受組立体10は、固定側ラジアル面12aから外側に突出したストッパー端面19bを有するストッパー19をさらに備えている。ストッパー19は、回転側スラスト面11bと固定側スラスト面12bとの間に配置されている。固定側ラジアル面12aおよび固定側スラスト面12bはストッパー19を介して互いに接続されている。
ストッパー19は、環状形状を有してもよく、または、固定側ラジアル面12aの周方向に沿って等間隔に配置された複数の部材から構成されてもよい。本実施形態では、ストッパー19は固定側軸受12と一体的に構成されている。
中間軸受17は、環状形状を有しており、固定側軸受12の固定側スラスト面12bに接触する第1の軸受端面17aと、回転側軸受11の回転側スラスト面11bに接触する第2の軸受端面17bと、第1の軸受端面17aと第2の軸受端面17bとを接続する内面17cとを有している。回転側軸受11、固定側軸受12、および中間軸受17は互いに同心状に配置されている。
中間軸受17は、ストッパー19の周囲に配置されている。より具体的には、中間軸受17の内面17cはストッパー19の外面19aに対向している。ストッパー19は、回転側軸受11の回転側スラスト面11bと、固定側軸受12の固定側スラスト面12bと、中間軸受17の内面17cとの間に位置している。ただし、中間軸受17およびストッパー19の位置関係はこの実施形態に限定されない。一実施形態では、ストッパー19は、羽根車1の軸心に対して垂直な方向において、中間軸受17の外側に配置されてもよい。つまり、中間軸受17は固定側軸受12の中心側に配置され、ストッパー19は中間軸受17の外側に配置されてもよい。
図3は中間軸受17およびストッパー19の拡大図である。図3に示すように、ストッパー19のストッパー端面19bは回転側スラスト面11bに対向している。中間軸受17の第1の軸受端面17aから第2の軸受端面17bまでの第1の距離D1は固定側軸受12の固定側スラスト面12bからストッパー19のストッパー端面19bまでの第2の距離D2よりも大きい。すなわち、中間軸受17の軸方向の厚さは固定側スラスト面12bからストッパー端面19bまでの距離よりも大きい。中間軸受17の第2の軸受端面17bはストッパー19のストッパー端面19bよりも回転側軸受11に近接しており、中間軸受17の内面17cの一部はストッパー19から露出している。
図2に示すように、回転側軸受11とストッパー19との間には第1の軸方向隙間G1が形成されており、羽根車1とモータケーシング3との間には第2の軸方向隙間G2が形成されており、第1の軸方向隙間G1は第2の軸方向隙間G2よりも小さい。以下、第1の軸方向隙間G1を単に第1の隙間G1と呼ぶことがあり、第2の軸方向隙間G2を単に第2の隙間G2と呼ぶことがある。
羽根車1とモータケーシング3とは第2の隙間G2を介して対向しており、羽根車1は、モータ固定子6により発生する回転磁界が永久磁石5に作用することによって回転する。羽根車1とモータケーシング3との間の第2の隙間G2は、互いに接触しない程度でできるだけ小さいことが好ましい。
羽根車1から吐き出された液体の一部は、羽根車1とモータケーシング3との間の微小な隙間G2を通って軸受組立体10に導かれる。回転側軸受11が羽根車1とともに回転すると、回転側軸受11と中間軸受17との間および/または中間軸受17と固定側軸受12との間に液体の動圧が発生し、これにより羽根車1が軸受組立体10によって非接触に支持される。このような構成により、羽根車1の傾動は軸受組立体10により制限される。
図4は中間軸受17を軸方向から見た図である。図4に示すように、中間軸受17の第1の軸受端面17aには、動圧を発生させるための複数の溝30が形成されている。これら複数の溝30は放射状に延びている。このような複数の溝30を設けることにより、中間軸受17の第1の軸受端面17aと固定側軸受12の固定側スラスト面12bとの間に動圧を均一に発生することができる。本実施形態では、3つの溝30が設けられているが、溝の数はこの実施形態に限定されない。図示しないが、中間軸受17の第2の軸受端面17bにも複数の溝が設けられている。したがって、中間軸受17の第2の軸受端面17bと回転側軸受11の回転側スラスト面11bとの間にも動圧を均一に発生することができる。第1の軸受端面17aおよび第2の軸受端面17bに複数の溝を設ける代わりに、回転側軸受11の回転側スラスト面11bや固定側軸受12の固定側スラスト面12bに複数の溝を設けてもよい。
羽根車1の回転によって移送される液体中に異物が含まれていると、軸受組立体10に異物が進入するおそれがある。本実施形態によれば、軸受組立体10は、回転側軸受11の回転側スラスト面11bと固定側軸受12の固定側スラスト面12bとの間に配置された中間軸受17を備えている。したがって、軸受組立体10に進入した異物は、回転側軸受11と中間軸受17との間の隙間および/または固定側軸受12と中間軸受17との間の隙間に詰まることはあっても、回転側軸受11と固定側軸受12との間の隙間に詰まることはない。
中間軸受17は回転側軸受11および固定側軸受12よりも軟質な材料から構成されている。一実施形態では、回転側軸受11および固定側軸受12は、高い摺動抵抗および高い耐摩耗性を有する材料、例えば、炭化珪素(SiC)や二酸化珪素(SiO)などのセラミックから構成されている。中間軸受17は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPPS(ポリフェニレンスルファイド)やナイロンなどの樹脂から構成されている。
軸受組立体10に進入した異物は、回転側軸受11と中間軸受17との間の隙間および/または固定側軸受12と中間軸受17との間の隙間に詰まることがある。本実施形態によれば、中間軸受17は回転側軸受11および固定側軸受12よりも軟質な材料から構成されているため、中間軸受17は、その内部に異物を埋めることができる。したがって、羽根車1の回転が異物によって阻害されることを防止することができ、結果的に、モータポンプの運転を継続することができる。
図1に示すように、ポンプ装置は、モータ固定子6に電流を供給するインバータ装置26をさらに備えている。モータ固定子6は、固定子コア6Aと、複数の固定子コイル6Bとを有している。これら複数の固定子コイル6Bは環状に配列されている。羽根車1およびモータ固定子6は、軸受組立体10および吸込口15aと同心状に配列されている。
固定子コイル6Bは、リード線25を介してインバータ装置26に接続されている。このインバータ装置26は、電流をモータ固定子6の固定子コイル6Bに供給して、モータ固定子6に回転磁界を発生させる。この回転磁界は羽根車1に埋設されている永久磁石5に作用し、羽根車1を回転駆動する。羽根車1のトルクはモータ固定子6に供給される電流の大きさに依存する。羽根車1にかかる負荷が一定である限り、羽根車1が予め定められた速度で回転している間は、モータ固定子6に供給される電流は概ね一定である。
羽根車1が回転すると、液体は吸込口15aから羽根車1の液体入口に導入される。液体は羽根車1の回転によって昇圧され、吐出口16aから吐き出される。羽根車1が液体を移送している間、羽根車1の背面は昇圧された液体によって吸込側に(すなわち吸込口15aに向かって)押圧される。軸受組立体10は、羽根車1の吸込側に配置されているので、羽根車1のスラスト荷重を吸込側から支持する。
図5はストッパー19に接触する回転側軸受11を示す図である。羽根車1が回転すると、回転側軸受11は中間軸受17にすべり接触し、または回転側軸受11とともに回転する中間軸受17は固定側軸受12にすべり接触する。このとき、回転側軸受11とストッパー19との間には第1の隙間G1(図2参照)が形成されているので、回転側軸受11はストッパー19には接触しない。
このように、中間軸受17は、回転側スラスト面11bと固定側スラスト面12bとの間に回転自在に配置されており、第1の軸受端面17aおよび第2の軸受端面17bは、それぞれ、固定側スラスト面12bおよび回転側スラスト面11bにすべり接触可能である。したがって、軸受端面17a,17bのうちのいずれか一方の面とスラスト面12b,11bのうちのいずれか一方の面との間の摺動性が悪化した場合は、軸受端面17a,17bのうちの他方の面とスラスト面12b,11bのうちの他方の面とが摺動する。
モータポンプの運転を継続すると、軟質な材料から構成された中間軸受17はやがて摩耗する。上述したように、回転側軸受11とストッパー19との間の第1の隙間G1は羽根車1とモータケーシング3との間の第2の隙間G2よりも小さい。したがって、中間軸受17の摩耗が進行すると、回転側軸受11は、羽根車1がモータケーシング3に接触する前にストッパー19に接触する。このような構成により、羽根車1がモータケーシング3に接触することを防止することができ、羽根車1とモータケーシング3との接触に起因する羽根車1および/またはモータケーシング3の破損を防止することができる。
回転する回転側軸受11がストッパー19にすべり接触すると、羽根車1にかかる負荷が上昇し、インバータ装置26からモータ固定子6に供給される電流が上昇する。モータ固定子6に供給される電流が所定のしきい値を超えると、インバータ装置26は、モータ固定子6への電流の供給を停止し、羽根車1の回転を停止させる。インバータ装置26は、羽根車1の回転を停止させずに、警報を発してもよく、または、羽根車1の回転を停止させるとともに警報を発してもよい。このような構成により、ユーザーは、中間軸受17の交換時期を適切に判断することができる。インバータ装置26は、羽根車1の回転を停止させたり、警報を発する機能を備えており、このような機能はインバータ装置26の過負荷保護機能と呼ばれる。
ポンプ装置の運転時において、回転する回転側軸受11が中間軸受17にすべり接触すると、または、回転側軸受11とともに回転する中間軸受17が固定側軸受12にすべり接触すると、電流は僅かに上昇する。したがって、所定のしきい値は任意に決定されるが、回転側軸受11と中間軸受17とのすべり接触(または中間軸受17と固定側軸受12とのすべり接触)によって僅かに上昇する電流の値よりも高い値であることが望ましい。
本実施形態によれば、上述した過負荷保護機能を利用することにより、軸受組立体10の異常を安価に検知することが可能となる。つまり、特許文献1の構成では、軸受摩耗検知器は、軸受の摩耗を複数の誘導型センサの誘起電圧の差に基づいて検出する。しかしながら、このような構成では、複数のセンサ部品と検知回路が必要となり、軸受の摩耗を検知するために必要な部品点数が多くなる。したがって、装置全体を小型化することは困難である。さらに、このような構成では、配線作業や組み立て作業が複雑になり、初期調整も必要となる。本実施形態によれば、このような複雑な構成は不要であるので、ポンプ装置を小型化することができ、コストを低減することができる。
さらに、一般的には、センサ部品を精度よくポンプ装置に取り付ける必要があるが、本実施形態によれば、センサ部品は不要であるため、センサ部品の配置を考慮することなくポンプ装置の寸法を容易に変更することができる。
図6は軸受組立体10の他の実施形態を示す図である。本実施形態において、上述した実施形態と同一または相当する部材には同一符号を付して重複した説明を省略する。
図6に示すように、ストッパー19は固定側軸受12とは異なる部材から構成されてもよい。本実施形態においても、ストッパー19は、高い摺動抵抗を有し、かつ高い耐摩耗性を有する材料から構成されている。上述した実施形態では、ストッパー19は固定側軸受12と同一の材料から構成されるが、本実施形態では、ストッパー19は固定側軸受12よりも高い摺動抵抗を有し、かつ高い耐摩耗性を有する部材から構成することができる。一実施形態では、ストッパー19は、炭化珪素(SiC)、アルミナ(Al)、二酸化珪素(SiO)、またはステンレス(SUS)から構成される。
ストッパー19は固定側軸受12から取り外し可能に構成されている。したがって、回転側軸受11とストッパー19とのすべり接触によるストッパー19の摩耗に起因してストッパー19を交換する必要が生じたとしても、固定側軸受12の全体を交換する必要はない。この場合、ストッパー19のみを交換すればよい。結果として、軸受組立体10の交換に必要なコストを低減することができる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 羽根車
2 ポンプケーシング
3 モータケーシング
5 永久磁石
6 モータ固定子
6A 固定子コア
6B 固定子コイル
10 軸受組立体
11 回転側軸受
11a 回転側ラジアル面
11b 回転側スラスト面
12 固定側軸受
12a 固定側ラジアル面
12b 固定側スラスト面
15 吸込ポート
16 吐出ポート
17 中間軸受
17a 第1の軸受端面
17b 第2の軸受端面
17c 内面
19 ストッパー
19a 外面
19b ストッパー端面
25 リード線
26 インバータ装置
30 溝

Claims (9)

  1. 円筒状の固定側ラジアル面、および該固定側ラジアル面の半径方向外側に位置する固定側スラスト面を有する固定側軸受と、
    前記固定側ラジアル面を囲む円筒状の回転側ラジアル面、および該回転側ラジアル面の半径方向外側に位置する回転側スラスト面を有する回転側軸受と、
    前記回転側スラスト面と前記固定側スラスト面との間に配置された中間軸受と
    前記固定側ラジアル面から外側に突出したストッパー端面を有するストッパーとを備えており、
    前記中間軸受は、前記ストッパーの周囲に配置されており、
    前記中間軸受は、前記固定側軸受および前記回転側軸受よりも軟質な材料から構成されており、
    前記中間軸受は、前記固定側スラスト面および前記回転側スラスト面にすべり接触するすべり軸受であることを特徴とする軸受組立体。
  2. 前記中間軸受は、前記固定側スラスト面に接触する第1の軸受端面と、前記回転側スラスト面に接触する第2の軸受端面とを有しており、
    前記第1の軸受端面から前記第2の軸受端面までの距離は、前記固定側スラスト面から前記ストッパーのストッパー端面までの距離よりも大きいことを特徴とする請求項に記載の軸受組立体。
  3. 前記ストッパーは、前記固定側軸受と一体的に構成されていることを特徴とする請求項またはに記載の軸受組立体。
  4. 前記ストッパーは、前記固定側軸受とは異なる部材から構成されていることを特徴とする請求項またはに記載の軸受組立体。
  5. 前記固定側軸受および前記回転側軸受はセラミックから構成されており、
    前記中間軸受は樹脂から構成されていることを特徴とする請求項に記載の軸受組立体。
  6. 前記中間軸受は、前記回転側スラスト面と前記固定側スラスト面との間に回転自在に配置されており、
    前記中間軸受は、前記固定側スラスト面にすべり接触可能な第1の軸受端面と、前記回転側スラスト面にすべり接触可能な第2の軸受端面とを有していることを特徴とする請求項1に記載の軸受組立体。
  7. 永久磁石が埋設された羽根車と、
    前記羽根車を収容するポンプケーシングと、
    複数の固定子コイルを有するモータ固定子と、
    前記モータ固定子を収容するモータケーシングと、
    前記羽根車を支持する請求項1乃至のいずれか一項に記載の軸受組立体とを備え、
    前記軸受組立体の回転側軸受は前記羽根車に固定されており、
    前記軸受組立体の固定側軸受は前記モータケーシングに固定されていることを特徴とするポンプ装置。
  8. 前記軸受組立体は、請求項乃至のいずれか一項に記載の軸受組立体であり、
    前記回転側軸受と前記ストッパーとの間には第1の軸方向隙間が形成されており、
    前記羽根車と前記モータケーシングとの間には第2の軸方向隙間が形成されており、
    前記第1の軸方向隙間は前記第2の軸方向隙間よりも小さいことを特徴とする請求項に記載のポンプ装置。
  9. 前記モータ固定子に電流を供給するインバータ装置をさらに備え、
    前記インバータ装置は、前記回転側軸受が前記ストッパーに接触して、前記モータ固定子に供給される電流が所定のしきい値を超えると、前記モータ固定子への電流の供給を停止することを特徴とする請求項に記載のポンプ装置。
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