JP6718033B2 - 変性ビニルアルコール系重合体及びその製造方法、並びに懸濁重合用分散安定剤及びビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

変性ビニルアルコール系重合体及びその製造方法、並びに懸濁重合用分散安定剤及びビニル系重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、けん化度及び粘度平均重合度が特定の範囲にあり、さらに側鎖に特定の変性基を有し、高速液体クロマトグラフィーで測定した際に特定のピーク幅を有する変性ビニルアルコール系重合体及びその製造方法に関する。また本発明は、該変性ビニルアルコール系重合体を用いたビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤、及びビニル系重合体の製造方法に関する。
ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略記することがある)は従来、ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤、コーティング剤、接着剤、偏光フィルム、水溶性フィルム、医薬品、化粧品など様々な製品や用途に用いられている。また、PVAにエチレン性二重結合等の反応性基が存在することで各種性能が向上すること、あるいは特殊な効果を奏することが知られている。
エチレン性二重結合は反応性が高いため、エチレン性二重結合を有するPVAの製造時や長期保管中にエチレン性二重結合が反応してゲル化するおそれがある。そのため、PVA水溶液として使用する際にゲルが配管等に詰まり、生産性が悪化する場合がある。また、ゲル等の水不溶解分はフィルム等の用途において欠陥の原因になるため、水不溶解分の低減が求められていた。
PVAの保存安定性及び水不溶解分の低減が要求される用途として、ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤が挙げられる。エチレン性二重結合を有するPVAを、ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤に用いると、ビニル化合物の重合反応が安定するとされている(特許文献1及び2)。
特許文献1には、オレフィン系不飽和二重結合を有するモノアルデヒドによりポリビニルアルコール系重合体をアセタール化して得られる、側鎖に二重結合を有するポリビニルアルコール系重合体を含有する懸濁重合用分散安定剤が記載されている。
特許文献2には、不飽和二重結合を有するカルボン酸又はその塩によりポリビニルアルコール系重合体をエステル化して得られる、側鎖に二重結合を有するポリビニルアルコール系重合体からなる分散安定剤が記載されている。
しかしながら、これらの分散安定剤を用いてビニル化合物の懸濁重合を行った場合、重合安定性の点で満足すべき効果が得られなかった。また、分散安定剤の保存安定性も十分とはいえず水不溶解分も多かった。なお、本明細書において重合安定性とは、懸濁重合時にビニル化合物からなる液滴の分散性が良好であるため、結果として、粗粒化が抑制され径が均一なビニル系重合体の粒子が得られることを意味する。
国際公開第2015/182567号 国際公開第2007/119735号
本発明は、製造直後及び長期保管後も水不溶解分が少ない変性ビニルアルコール系重合体を提供することを目的とする。また、本発明は、ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤として用いると、重合安定性に優れ、得られるビニル系重合体は粗大粒子の形成が少なく、かさ比重が高く、可塑剤吸収性に優れ、さらに当該ビニル系重合体からなる成形品のフィッシュアイを低減できる変性ビニルアルコール系重合体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、けん化度及び粘度平均重合度が特定の範囲にあり、側鎖に特定の官能基を有し、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した際のピーク幅が特定の範囲にある変性ビニルアルコール系重合体が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1]けん化度が68モル%以上99.9モル%未満であり、粘度平均重合度が200以上3000未満であり、側鎖にエステル化剤由来の二重結合を0.01モル%以上0.50モル%未満有し、前記エステル化剤が、(i)イタコン酸及び/又はその誘導体、及び(ii)メタクリル酸及び/又はその誘導体からなる群より選ばれる1種以上であり、高速液体クロマトグラフィーで測定されるピークにおける、ベースラインから5%の高さ位置でのピーク幅W0.05hが2.85分以上3.70分未満である、変性ビニルアルコール系重合体(A)。
[2]溶媒、及びエステル化剤の存在下、けん化度が68モル%以上99.9モル%未満であり、粘度平均重合度が200以上3000未満であるビニルアルコール系重合体(B)を熱処理し変性させる熱処理変性工程を含み、
前記溶媒が、アセトン、メタノール、及び酢酸メチルからなる群より選ばれる1種以上であり、前記エステル化剤が、(i)イタコン酸及び/又はその誘導体、及び(ii)メタクリル酸及び/又はその誘導体からなる群より選ばれる1種以上である、[1]に記載の変性ビニルアルコール系重合体(A)の製造方法。
[3]前記溶媒がメタノール及び酢酸メチルからなる群より選ばれる1種以上である、[2]に記載の変性ビニルアルコール系重合体(A)の製造方法。
[4]前記溶媒がメタノール及び酢酸メチルである、[2]に記載の変性ビニルアルコール系重合体(A)の製造方法。
[5]前記溶媒の使用量がビニルアルコール系重合体(B)100質量部に対し1質量部以上100質量部未満である、[2]〜[4]のいずれかに記載の変性ビニルアルコール系重合体(A)の製造方法。
[6][1]の変性ビニルアルコール系重合体(A)を含有する、ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤。
[7][6]の懸濁重合用分散安定剤の存在下で、ビニル化合物の懸濁重合を行う工程を含む、ビニル系重合体の製造方法。
本発明の変性ビニルアルコール系重合体(A)は製造直後及び長期保管後の水不溶解分が少ない。また、本発明の変性ビニルアルコール系重合体(A)はビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤として用いると、重合安定性に優れ、得られるビニル系重合体は粗大粒子の形成が少なく、かさ比重が高く、可塑剤吸収性に優れ、さらに当該ビニル系重合体からなる成形品のフィッシュアイも低減できる。
[変性ビニルアルコール系重合体(A)]
本発明の変性ビニルアルコール系重合体(A)(以下、「変性PVA(A)」と略記することがある)は、けん化度が68モル%以上99.9モル%未満であり、粘度平均重合度が200以上3000未満であり、側鎖にエステル化剤由来の二重結合を0.01モル%以上0.50モル%未満有し、前記エステル化剤が、(i)イタコン酸及び/又はその誘導体、及び(ii)メタクリル酸及び/又はその誘導体からなる群より選ばれる1種以上であり、高速液体クロマトグラフィー(以下、「HPLC」と略記することがある)で測定されるピークにおける、ベースラインから5%の高さ位置でのピーク幅W0.05hが2.85分以上3.70分未満であることを特徴とする。
変性PVA(A)の粘度平均重合度は200以上3000未満であることが重要であり、300以上2500未満が好ましい。粘度平均重合度が200未満の場合は、生産性が低く変性PVA(A)の水不溶解分が多くなる。また、ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤として用いた際に重合安定性が低下し、得られるビニル系重合体における粗大粒子が増える。一方、粘度平均重合度が3000以上の場合は、変性PVA(A)の水不溶解分が増加したり、ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤として用いた際に得られるビニル系重合体からなる成形品のフィッシュアイが増加する。
変性PVA(A)の粘度平均重合度はJIS K 6726:1994に準じて測定して得られる値である。具体的には、けん化度が99.5モル%未満の場合には、けん化度99.5モル%以上になるまでけん化した変性PVA(A)について、水中、30℃で測定した極限粘度[η](L/g)を用いて下記式により粘度平均重合度(P)を求める。
P=([η]×10/8.29)(1/0.62)
変性PVA(A)のけん化度は、68モル%以上99.9モル%未満であることが重要であり、70モル%を超え99.7モル%未満が好ましい。けん化度が68モル%未満の場合は、変性PVA(A)の水溶性が低下し、水不溶解分が増加したり、ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤として用いた際に重合安定性が低下し、得られるビニル系重合体における粗大粒子が増える。一方、けん化度が99.9モル%以上の場合は、変性PVA(A)の水不溶解分が増加したり、ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤として用いた際に重合安定性が低下し、得られるビニル系重合体における粗大粒子が増えたり、得られるビニル系重合体からなる成形品のフィッシュアイが増加したりする。けん化度はJIS K 6726:1994に準じて測定して得られる値である。
変性PVA(A)は側鎖に所定のエステル化剤由来のエチレン性二重結合(以下、「側鎖の変性基」ともいう)を有するので、その反応性から様々な用途で特異な性能を発揮する。例えば接着剤やフィルム等における当該エチレン性二重結合を利用した架橋反応や、疎水性化合物への吸着力の高さを生かした分散剤用途に有用である。特にビニル化合物への吸着力が高いため、ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤として用いた際に重合安定性に優れ、得られるビニル系重合体は粗大粒子の形成が少なく、かさ比重が高く、可塑剤吸収性に優れ、さらに得られるビニル系重合体からなる成形品のフィッシュアイも低減できる。側鎖の変性基の含有率は、全単量体単位に対して0.01モル%以上0.50モル%未満であることが重要であり、0.03モル%以上0.45モル%以下が好ましく、0.08モル%以上0.40モル%以下がより好ましい。側鎖の変性基の含有率が0.01モル%未満の場合は、その変性基に由来する効果が小さく、特にビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤として用いた際に重合安定性が低下し、得られるビニル系重合体における粗大粒子が増える。一方、0.50モル%以上の場合は、変性PVA(A)の水不溶解分が増加したり、ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤として用いた際に重合安定性が不十分となったり、得られるビニル系重合体からなる成形品のフィッシュアイが増加する。
本発明の効果を奏する限り、変性PVA(A)はその側鎖に他の変性基を含んでいてもよいが、他の変性基の含有率は、全単量体単位に対して5モル%未満が好ましく、1モル%未満がより好ましく、0.1モル%未満がさらに好ましく、0.01モル%未満が特に好ましい。
HPLCで測定される変性PVA(A)のピークにおける、ベースラインから5%の高さ位置でのピーク幅を表すW0.05hは2.85分以上3.70分未満であることが重要であり、2.90分以上3.60分未満が好ましく、2.95分以上3.50分未満がより好ましく、2.99分以上3.40分未満がさらに好ましい。当該ピーク幅W0.05hは変性PVA(A)における側鎖の変性基の変性ムラを示しており、幅が広いほど変性ムラが大きいことを示す。なお、本明細書において変性ムラとは、それぞれの変性PVA(A)鎖に導入された側鎖の変性基量の偏りを意味し、側鎖の変性基がそれぞれの変性PVA(A)鎖に均一に導入されている場合に変性ムラが小さいことを示す。言い換えると、それぞれの変性PVA(A)鎖において側鎖の変性基の含有率が同等である場合に変性ムラが小さいことを示す。ピーク幅W0.05hが上記した範囲内にあることで変性PVA(A)の製造直後及び長期保管後の水不溶解分が少なく、特にビニル化合物への吸着性が向上し、側鎖のエチレン性二重結合との相乗効果によりビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤として用いた際の重合安定性がより一層向上する。また、ピーク幅W0.05hが上記した範囲内にあることで、得られるビニル系重合体は、かさ比重が高く、可塑剤吸収性に優れる。W0.05hが2.85分未満であると非常に変性ムラが小さいことを意味する。例えば、後述のように、変性PVA(A)を原料であるビニルアルコール系重合体(B)(以下、「PVA(B)」と略記することがある)にエステル化剤として特定の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体(イタコン酸及び/又はその誘導体、メタクリル酸及び/又はその誘導体)をエステル化して製造する場合、変性ムラを最小化するために、製造時にPVA(B)を溶液状で反応させること、すなわち均一系での反応が必須となり、PVA(B)をDMSO等溶解可能な溶媒で溶解しエステル化させることになる。しかしながら、この場合、その後溶媒を除去回収する工程では溶媒が高沸点のため、工業スケールでの生産性、経済性が非常に悪いという問題が生じ製造が困難である。また、変性ムラが少なすぎると、同じ構造、変性率のPVA鎖の割合が多くなることに起因してPVA鎖同士の会合体が生じやすくなり、結果として変性PVA(A)中の水不溶解分が増加する。W0.05hが3.70分以上であると変性ムラが多いことを示し、局所的にエステル化が進行していることを意味するため、変性PVA(A)の水不溶解分が増加しビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤として用いた際のビニル化合物の重合安定性が低下し、得られるビニル系重合体は粗大粒子が増え、かさ比重が低く、可塑剤吸収性が低下し、さらに得られるビニル系重合体からなる成形品のフィッシュアイも増加する。
0.05hはJIS K 0124:2011中のシンメトリー係数の算出の際に用いられる値で定義される。W0.05hは、HPLCにおける測定ピークのベースラインからピーク高さの1/20の高さにおけるピーク幅を表す。
本発明における変性PVA(A)のW0.05hの具体的な測定条件は、以下のとおりである。
試料濃度:5mg/mL
試料溶媒:水
注入量:30μL
検出器:蒸発光散乱検出器ELSD−LTII(株式会社島津製作所製)
カラム温度:45℃
移動相:A;イオン交換水、B;エタノール(99.5%)
移動相流量:0.4mL/分
カラム:Shimpack G−ODS(4)、内径4mm×長さ1cm、粒径5μm、株式会社島津製作所製
グラジエント条件:移動相Aとしてイオン交換水、及び移動相Bとしてエタノールを使用し、試料溶液注入前の時点においては、HPLCシステムのカラム内部は移動相A/移動相Bが体積比で95/5の混合溶媒で満たされた状態である。この状態で試料溶液を注入する。そして、試料溶液注入の直後から5分間、移動相A/移動相Bが体積比で95/5の液を流し、それから20分かけて移動相における移動相Bの割合を一定速度で増加させ、試料溶液注入から25分後に移動相Bの割合が100%となるようにする。
[変性PVA(A)の製造方法]
本発明の変性PVA(A)は、例えば、前記所定のけん化度、及び粘度平均重合度を有する市販のPVA(B)を、溶媒、及びエステル化剤の存在下、熱処理し変性させる熱処理変性工程を含み、前記溶媒が、アセトン、メタノール及び酢酸メチルからなる群より選ばれる1種以上であり、前記エステル化剤が、(i)イタコン酸及び/又はその誘導体、及び(ii)メタクリル酸及び/又はその誘導体からなる群より選ばれる1種以上である製造方法によって製造できる。また、原料として用いるPVA(B)は、例えば、ビニルエステル系単量体を重合してビニルエステル系重合体を得る重合工程、得られたビニルエステル系重合体をけん化してPVAを得るけん化工程を含む製造方法により製造できる。
重合方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等の公知の方法が挙げられ、工業的観点から、溶液重合法、乳化重合法及び分散重合法が好ましい。重合操作にあたっては、回分法、半回分法及び連続法のいずれの方式も採用できる。
ビニルエステル系単量体としては、例えば酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプリル酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられ、中でも工業的観点から酢酸ビニルが好ましい。
重合工程において、本発明の趣旨を損なわない範囲で、ビニルエステル系単量体以外の他の単量体を共重合してもよい。他の単量体をビニルエステル系単量体と共重合することによって、得られる重合体の主鎖中に他の単量体単位の構造を有することができる。当該他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;(メタ)アクリル酸及びその塩;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸及びその塩、(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルアミン及びその塩又はその4級塩、N−メチロール(メタ)アクリルアミド及びその誘導体等の(メタ)アクリルアミド誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類;塩化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン類;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその塩又はそのエステル;ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニル等が挙げられる。このような他の単量体を共重合する場合、その含有率は通常5モル%以下である。なお、本明細書において、メタクリルとアクリルとを「(メタ)アクリル」と総称する。
重合工程に用いる溶媒としては、アルコール系溶媒が好ましい。アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等が挙げられ、中でもメタノールが好ましい。これらは、1種を単独で、又は2種以上を併用できる。
重合工程に用いる重合開始剤は特に限定されず、重合方法に応じて公知の重合開始剤から選択できる。重合開始剤としては、例えば、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤、レドックス系重合開始剤等が挙げられる。アゾ系重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。過酸化物系重合開始剤は、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート化合物;t−ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート等のパーエステル化合物;アセチル(シクロヘキシルスルホニル)パーオキサイド;2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテート等が挙げられる。レドックス系重合開始剤としては、酸化剤と還元剤を組み合わせたものを使用できる。酸化剤としては、過酸化物が好ましい。還元剤としては、金属イオン、還元性化合物等が挙げられる。酸化剤と還元剤の組み合わせとしては、過酸化物と金属イオンとの組み合わせ;過酸化物と還元性化合物との組み合わせ;過酸化物と、金属イオン及び還元性化合物との組み合わせ等が挙げられる。過酸化物としては、過酸化水素、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド等のヒドロパーオキサイド、過硫酸塩(カリウム、ナトリウム又はアンモニウム塩)、過酢酸t−ブチル、過酸エステル(過安息香酸t−ブチル)等が挙げられる。金属イオンとしては、Fe2+、Cr2+、V2+、Co2+、Ti3+、Cu+等の1電子移動を受けることのできる金属イオンが挙げられる。還元性化合物としては、亜硫酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酒石酸、フルクトース、デキストロース、ソルボース、イノシトール、ロンガリット、アスコルビン酸が挙げられる。これらの中でも、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム及び過硫酸アンモニウムからなる群より選択される1種以上の過酸化物と、亜硫酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酒石酸、ロンガリット及びアスコルビン酸からなる群より選択される1種以上の還元剤との組み合わせが好ましく、過酸化水素と、亜硫酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酒石酸、ロンガリット及びアスコルビン酸からなる群より選択される1種以上の還元剤との組み合わせがより好ましい。また、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、クメンヒドロパーオキサイド等の水溶性の重合開始剤を上記重合開始剤に組み合わせて重合開始剤としてもよい。これらの重合開始剤は、1種を単独で、又は2種以上を併用できる。
重合工程において、必要に応じて重合度調整剤を用いてもよい。重合度調整剤としては、アルデヒド類が好ましく、例えばアセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ペンチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、オクチルアルデヒド等が挙げられる。中でも、得られる変性PVA(A)の水溶性、及び変性PVA(A)をビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤として用いた際の重合安定性の観点から、炭素数2〜4のアルデヒドが好ましく、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド又はブチルアルデヒドがより好ましく、入手性の面からアセトアルデヒドがさらに好ましい。重合度調整剤の使用量はビニルエステル系単量体に対して、0.5質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
重合工程におけるビニルエステル系単量体の重合率は特に限定されないが、20%以上90%未満が好ましく、25%以上80%未満がより好ましく、30%以上60%未満がさらに好ましい。重合率が20%未満では生産性が悪く、90%以上では得られる変性PVA(A)の色相が悪化したり、変性PVA(A)をビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤として用いた際の性能が低下する傾向がある。
重合工程で得られたビニルエステル系重合体をけん化する方法は特に限定されず、公知のけん化方法を採用できる。例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド等の塩基性触媒やp−トルエンスルホン酸等の酸性触媒を用いた、加アルコール分解反応又は加水分解反応が挙げられる。この反応に使用できる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類:ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で、又は2種以上を併用できる。中でも、メタノール又はメタノール/酢酸メチル混合溶液を溶媒とし、水酸化ナトリウムを触媒としてけん化する方法が簡便であり好ましい。
けん化工程によって得られるPVA(B)を、特定の溶媒及び特定のエステル化剤の存在下、熱処理し変性させる熱処理変性工程を経ることで、側鎖にエステル化剤由来の二重結合が導入され、かつHPLCで測定されるピークにおける、ベースラインから5%の高さ位置でのピーク幅W0.05hが特定の範囲内の値である変性PVA(A)を得ることができる。エステル化剤としては、イタコン酸及び/又はその誘導体、メタクリル酸及び/又はその誘導体が挙げられ、具体的には、イタコン酸又はその塩、イタコン酸無水物、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、メタクリル酸又はその塩、メタクリル酸無水物、メタクリル酸モノアルキルエステル等が挙げられる。エステル化剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、PVA(B)との反応性の観点から、イタコン酸、イタコン酸無水物、メタクリル酸、メタクリル酸無水物が好ましい。エステル化剤の使用量はPVA(B)100質量部に対して、0.2質量部以上10質量部以下が好ましく、0.5質量部以上6質量部以下がより好ましい。
熱処理する温度はPVA(B)とエステル化剤の反応を促進する観点から、通常50℃〜200℃であり、70〜180℃が好ましく、80〜160℃がより好ましい。反応時間は通常10分〜24時間である。
また、PVA(B)は粉末状であることがW0.05hの値を前述の範囲に調整することが容易となるため好ましい。熱処理変性工程を特定の溶媒の存在下で行うことでW0.05hの値を前述の範囲に調整することが容易となるため好ましい。溶媒としては、アセトン、メタノール、及び酢酸メチルが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。溶媒としては、製造直後及び長期保管後も水不溶解分がより少なく、変性PVA(A)をビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤として用いると、得られるビニル系重合体は粗大粒子の形成がより少なく、かさ比重がより高く、可塑剤吸収性にも優れ、さらにビニル系重合体からなる成形品のフィッシュアイをより低減できる点から、メタノール及び酢酸メチルからなる群より選ばれる1種以上が好ましく、製造直後及び長期保管後の水不溶解分が顕著に少ない点から、メタノール及び酢酸メチルの混合溶媒がより好ましい。PVA(B)をメタノール及び酢酸メチルにより適度に可塑化することがW0.05hの値の調整に特に寄与する。
熱処理変性工程における溶媒の使用量に特に制限はないが、PVA(B)100質量部に対し1質量部以上100質量部未満であることが好ましく、3質量部以上70質量部未満がより好ましく、5質量部以上50質量部未満がさらに好ましく、5質量部以上30質量部未満が特に好ましい。溶媒の使用量がPVA(B)100質量部に対して1質量部未満では局所的な反応が起こることで変性ムラが生じ、W0.05hの値が大きくなったり、水不溶解分が増加したりする場合があり、100質量部以上ではPVA(B)同士が熱処理時に融着し熱の伝わり方が不均一になることで変性ムラが生じ、W0.05hの値が大きくなったり、水不溶解分が増加したりする場合がある。
変性PVA(A)は、側鎖に特定のエステル化剤に由来するエチレン性二重結合を有していながらも、W0.05hにより表される変性ムラが特定の範囲にあるため、水溶液とした場合の水不溶解分が少ない。具体的には、変性PVA(A)の水不溶解分(ppm)は、2000ppm以下が好ましく、1000ppm以下がより好ましく、500ppm以下がさらに好ましい。変性PVA(A)の水不溶解分(ppm)は、少なければ少ないほどよいが、0ppm以上であってもよく、0ppmを超えるものであってもよい。水不溶解分の測定方法は、後記する実施例に記載の通りである。
[用途]
本発明の変性PVA(A)は種々の用途に使用される。以下にその例を挙げるがこれに限定されるものではない。
(1)分散剤用途:塗料、接着剤等に含まれる顔料の分散安定剤、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等の各種ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤及び分散助剤
(2)被覆剤用途:紙のコーティング剤、サイズ剤、繊維加工剤、皮革仕上剤、塗料、防曇剤、金属腐食防止剤、亜鉛メッキ用光沢剤、帯電防止剤、医薬被覆剤
(3)接着剤用途:接着剤、粘着剤、再湿接着剤、各種バインダー、セメントやモルタル用添加剤
(4)乳化剤用途:乳化重合用乳化剤、ビチュメン等の後乳化剤
(5)凝集剤用途:水中懸濁物及び溶存物の凝集剤、金属凝集剤
(6)紙加工用途:紙力増強剤、耐油性・耐溶剤性付与剤、平滑性向上剤、表面光沢改良助剤、目止剤、バリア剤、耐光性付与剤、耐水化剤、染料・顕色剤分散剤、接着力改良剤、バインダー
(7)農業用途:農薬用バインダー、農薬用展着剤、農業用被覆剤、土壌改良剤、エロージョン防止剤、農薬用分散剤
(8)医療・化粧品用途:造粒バインダー、コーティング剤、乳化剤、貼付剤、結合剤、フィルム製剤基材、皮膜形成剤
(9)粘度調整剤用途:増粘剤、レオロジー調整剤
(10)フィルム用途:水溶性フィルム、偏光フィルム、バリアフィルム、繊維製品包装用フィルム、種子養生シート、植生シート、シードテープ、吸湿性フィルム
(11)成形品用途:繊維、パイプ、チューブ、防漏膜、ケミカルレース用水溶性繊維、スポンジ
(12)ゲル用途:医薬用ゲル、工業用ゲル
(13)後反応用途:低分子有機化合物、高分子有機化合物、無機化合物との後反応用途
中でも、本発明の変性PVA(A)は後述の通り、分散剤用途に好適に用いられる。
[ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤]
本発明の変性PVA(A)の好適な用途は、ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤である。本発明の変性PVA(A)は、側鎖にイタコン酸又はメタクリル酸に由来するエチレン性二重結合を有していながらも製造直後及び長期保管後の水不溶解分が少なく、変性ムラが特定の範囲にある。従って、ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤として用いると重合反応が安定し、得られるビニル系重合体の粗大粒子の形成を抑制でき、かさ比重がより高く、可塑剤吸収性にも優れ、さらにビニル系重合体からなる成形品のフィッシュアイをより低減できる。本発明のビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤は、変性PVA(A)を含有するが、変性PVA(A)からなるものが好ましい。
上記懸濁重合用分散安定剤は、本発明の趣旨を損なわない範囲で、各種添加剤を含有してもよい。上記添加剤としては、例えば、アルデヒド類、ハロゲン化炭化水素類、メルカプタン類等の重合度調整剤;フェノール化合物、イオウ化合物、N−オキサイド化合物等の重合禁止剤;pH調整剤;架橋剤;防腐剤;防黴剤;ブロッキング防止剤;消泡剤;相溶化剤等が挙げられる。懸濁重合用分散安定剤における各種添加剤の含有量は、懸濁重合用分散安定剤全体に対して10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
[ビニル系重合体の製造方法]
本発明の他の好適な実施形態としては、本発明の変性PVA(A)を含有する懸濁重合用分散安定剤の存在下で、ビニル化合物を懸濁重合するビニル系重合体の製造方法が挙げられる。かかる製造方法では、粒子状のビニル系重合体が得られる。
変性PVA(A)を含有する本発明の懸濁重合用分散安定剤を重合槽へ仕込む方法としては、例えば(i)水溶液にして重合槽に仕込む方法、(ii)粉末状態のまま仕込む方法等が挙げられる。重合槽内での均一性の観点から、上記(i)の方法が好ましい。
ビニル化合物としては、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、これらのエステル及び塩;マレイン酸、フマル酸、これらのエステル及び無水物;スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、ビニルエーテル等が挙げられる。中でも、塩化ビニルを単独で、又は塩化ビニル及び塩化ビニルと共重合できる単量体を併用することが好ましい。塩化ビニルと共重合できる単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン;無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニリデン、ビニルエーテル等が挙げられる。
ビニル化合物の懸濁重合には、従来から塩化ビニルの重合に使用される、油溶性又は水溶性の重合開始剤を使用できる。油溶性の重合開始剤としては、例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート化合物;t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、クミルパーオキシネオデカノエート等のパーエステル化合物;アセチル(シクロヘキシルスルホニル)パーオキサイド、2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤等が挙げられる。水溶性の重合開始剤としては、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、クメンヒドロパーオキサイド等が挙げられる。これらの重合開始剤は1種を単独で、又は2種以上を併用できる。
ビニル化合物の懸濁重合に際し、重合温度は特に制限はなく、20℃程度の低い温度でも、90℃を超える高い温度でもよく、中でも20〜60℃程度が好ましい。また、重合反応系の除熱効率を高めるために、還流冷却器が付属した重合器を用いてもよい。
得られたビニル系重合体は、適宜可塑剤(ジオクチルフタレート等のフタル酸エステル、リン酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、クエン酸エステル等)等を配合して各種の成形品用途に使用できる。
ビニル化合物の懸濁重合において、本発明の懸濁重合用分散安定剤の使用量(濃度)は、ビニル化合物に対して、1000ppm以下であってもよく、800ppm以下であってもよく、600ppm以下であってもよく、400ppm以下であってもよい。前記ppmは、質量ppmを意味する。
ビニル化合物の懸濁重合に際して、変性PVA(A)の他に、ビニル化合物を水性媒体中で懸濁重合する際に通常使用されるメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの水溶性セルロースエーテル;ゼラチンなどの水溶性ポリマー;ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレート、グリセリントリステアレート、エチレンオキシドプロピレンオキシドブロックコポリマーなどの油溶性乳化剤;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレングリセリンオレート、ラウリン酸ナトリウムなどの水溶性乳化剤等を併用してもよい。その添加量は特に制限されず、ビニル化合物100質量部あたり0.01質量部以上1.0質量部以下が好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。以下の実施例及び比較例において、特に断りがない場合、「部」及び「%」はそれぞれ質量部及び質量%を示し、ppmは質量ppmを示す。
[変性PVA(A)及びPVA(B)の粘度平均重合度]
変性PVA(A)及びPVA(B)の粘度平均重合度はJIS K 6726:1994に準じて測定した。具体的には、PVAのけん化度が99.5モル%未満の場合には、けん化度99.5モル%以上になるまでけん化したPVAについて、水中、30℃で測定した極限粘度[η](L/g)を用いて下記式により粘度平均重合度(P)を求めた。
P=([η]×10/8.29)(1/0.62)
[変性PVA(A)及びPVA(B)のけん化度]
変性PVA(A)及びPVA(B)のけん化度は、JIS K 6726:1994に準じて測定した。
[変性PVA(A)の側鎖の変性基の含有率]
変性PVA(A)の側鎖の変性基の含有率の測定及び算出は以下の方法で行った。まず、変性PVA(A)の10質量%水溶液を調製した。次に、この水溶液を、500gの酢酸メチル/水=95/5の溶液中に5g滴下し変性PVA(A)を析出させ、回収し乾燥させ、単離された変性PVA(A)をDMSO−dに溶解し、400MHzのH−NMRを用いて測定することで、ビニルアルコール単位のメチン由来のピークは3.2〜4.0ppm(積分値〔P〕)、側鎖の変性基由来のプロトンのピークは5.0〜6.5ppm付近に何箇所か帰属され、任意のものを使用することができ(積分値〔Q〕)、各ピークから以下の式により側鎖の変性基の含有率を求めた。
側鎖の変性基の含有率(モル%)=〔Q〕/〔P〕×100
[変性PVA(A)の水溶液における水不溶解分(a)]
変性PVA(A)を製造後、空気中60℃下に1時間放置したのちに、変性PVA(A)の4質量%水溶液を100g作製し、200メッシュ(JIS標準篩のメッシュ換算では、目開き75μm;前記篩の目開きは、JIS Z 8801−1−2006の公称目開きWに準拠)の金網で全量ろ過し(ろ過前の金網の質量をa(g)とする)、金網ごと105℃で3時間乾燥した(絶乾後の金網と金網上に残存した物質の合計質量をb(g)とする)。下記式を用いて水不溶解分(ppm)を求めた。
水不溶解分(ppm)=1000000×(b−a)/4
[変性PVA(A)の水溶液における水不溶解分(b)]
変性PVA(A)を製造後、空気中60℃下に6ヶ月間放置したのちに、変性PVA(A)の4質量%水溶液を100g作製し、200メッシュ(JIS標準篩のメッシュ換算では、目開き75μm;前記篩の目開きは、JIS Z 8801−1−2006の公称目開きWに準拠)の金網で全量ろ過し(ろ過前の金網の質量をa(g)とする)、金網ごと105℃で3時間乾燥した(絶乾後の金網と金網上に残存した物質の合計質量をb(g)とする)。下記式を用いて水不溶解分(ppm)を求めた。
水不溶解分(ppm)=1000000×(b−a)/4
[変性PVA(A)のHPLCで測定されるW0.05h
本発明における変性PVA(A)のW0.05hは以下のように測定した。
試料溶液調製:
耐圧試験管(φ18mm、長さ18cm)に試料25mgに水5mLを正確に加えて蓋を閉め、アルミブロック式マグネティックスターラーで撹拌した。このとき、変性PVA(A)のけん化度が80モル%未満の場合は1時間、20℃下で撹拌し溶解した。変性PVA(A)のけん化度が80モル%以上の場合は2時間、90℃下で撹拌し溶解した。
HPLC測定条件:
試料濃度:5mg/mL
試料溶媒:水
注入量:30μL
検出器:蒸発光散乱検出器ELSD−LTII(株式会社島津製作所製)
カラム温度:45℃
移動相:A;イオン交換水、B;エタノール(99.5%)
移動相流量:0.4mL/分
カラム:Shimpack G−ODS(4)、内径4mm×長さ1cm、粒径5μm、株式会社島津製作所製
グラジエント条件:移動相Aとしてイオン交換水、及び移動相Bとしてエタノールを使用し、試料溶液注入前の時点においては、HPLCシステムのカラム内部は移動相A/移動相Bが体積比で95/5の混合溶媒で満たされた状態である。この状態で試料溶液を注入する。そして、試料溶液注入の直後から5分間、移動相A/移動相Bが体積比で95/5の液を流し、それから20分かけて移動相における移動相Bの割合を一定速度で増加させ、試料溶液注入から25分後に移動相Bの割合が100%となるようにした。
[実施例1]
PVA(A1)の製造
1Lのナスフラスコに粘度平均重合度800、けん化度72モル%の粉体のPVA(B)100部にメタノール5部、酢酸メチル15部、エステル化剤としてイタコン酸4部を加えた後、よく振り混ぜた後、110℃下4時間熱処理を行った。その結果、変性PVA(A)として粘度平均重合度が800であり、けん化度が72モル%であり、イタコン酸由来の二重結合を0.10モル%有し、W0.05hの値が3.20分であるPVA(A1)を得た。また、PVA(A1)の水不溶解分(a)は200ppmであり、水不溶解分(b)は450ppmであった。
[実施例2〜8及び比較例1〜4]
PVA(A2)〜PVA(A12)の製造
使用するPVA(B)の粘度平均重合度及びけん化度、使用溶媒の種類及び使用量、エステル化剤の種類及び使用量、及び熱処理温度を表1に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様にしてPVA(A2)〜PVA(A12)を製造した。製造条件を表1に、水不溶解分の測定結果を表2に示す。
[比較例5]
PVA(A13)の製造
熱処理時に溶媒を使用しなかった以外は実施例1と同様にしてPVA(A13)を製造した。製造条件を表1に、水不溶解分の測定結果を表2に示す。
[比較例6]
PVA(A14)の製造
イタコン酸1部をメタノール200部に溶解させた溶液に、粘度平均重合度700、けん化度70モル%のPVA(B)100部を加えて膨潤させた後、減圧下40℃の温度で24時間乾燥を行った。次いで窒素雰囲気下にて120℃で4時間加熱処理を行った後、テトラヒドロフランを用いてソックスレー洗浄し、PVA(A14)を得た。製造条件を表1に、水不溶解分の測定結果を表2に示す。
比較例1ではけん化度が低すぎたため、水不溶解分(a)、(b)ともに100000ppmを超えており、水溶性が非常に悪かった。比較例2では粘度平均重合度が高すぎたため、水不溶解分(a)、(b)ともに100000ppmを超えており、水溶性が非常に悪かった。比較例3では熱処理時の溶媒にヘキサンを用いたところW0.05hの値が大きくなりすぎ、水不溶解分(a)、(b)ともに高い結果となり水溶性が悪く、特に水不溶解分(b)が高く、水溶液の保存安定性が悪かった。比較例4では熱処理時の溶媒にブタノール及び酢酸ブチルを用いたところW0.05hの値が大きくなりすぎ、水不溶解分(a)、(b)ともに高い結果となり水溶性が悪く、特に水不溶解分(b)が高く、水溶液の保存安定性が悪かった。比較例5では熱処理時に溶媒を用いなかったためW0.05hの値が大きくなりすぎ、水不溶解分(a)、(b)ともに高い結果となり水溶性が悪く、特に水不溶解分(b)が高く、水溶液の保存安定性が悪かった。比較例6ではメタノールを溶媒として大量に用いたことによって熱処理変性時に変性ムラが生じたことに起因しW0.05hの値が大きくなりすぎ、水不溶解分(a)、(b)ともに高い結果となり水溶性が悪かった。
Figure 0006718033
Figure 0006718033
[実施例9]
変性PVA(A)としてPVA(A4)を懸濁重合用分散安定剤として脱イオン水に溶解させて、オートクレーブにPVA(A4)の水溶液を100部仕込んだ。仕込んだPVA(A4)の量は、塩化ビニルの仕込み量に対して450ppmであった。次いで、脱イオン水の合計が1200部となるように脱イオン水を添加した。次いで、クミルパーオキシネオデカノエートの70%トルエン溶液0.65部及びt−ブチルパーオキシネオデカノエートの70%トルエン溶液1.05部をオートクレーブに添加し、オートクレーブ内に圧力0.2MPaとなるように窒素を導入した。その後窒素のパージを行う操作を計5回行い、オートクレーブ内を十分に窒素置換して酸素を除いた後、塩化ビニル940部を添加した。オートクレーブ内の内容物を57℃に昇温して撹拌下で塩化ビニルの懸濁重合を開始した。重合開始時におけるオートクレーブ内の圧力は0.80MPaであった。重合開始から約3.5時間経過後、オートクレーブ内の圧力が0.70MPaとなった時点で重合を停止し、未反応の塩化ビニルを除去して、重合反応物を取り出し、65℃にて16時間乾燥を行い、塩化ビニル重合体粒子を得た。そして、以下に示す方法で得られた塩化ビニル重合体粒子を評価した。PVA(A4)を懸濁重合用分散安定剤として用いた場合には得られる塩化ビニル重合体の粒子径は粗大になることなく、良好な重合安定性を示し、かつ塩化ビニル重合体から得られる成形品のフィッシュアイ数が少なかった。
(塩化ビニル重合体粒子の評価)
得られた塩化ビニル重合体粒子について、(1)平均粒子径、(2)粒度分布、(3)フィッシュアイ、(4)かさ比重及び(5)可塑剤吸収性を以下の方法に従って評価した。評価結果を表3に示す。
(1)平均粒子径
タイラー(Tyler)メッシュ基準の篩を使用して、JIS Z 8815:1994に記載の乾式篩法により粒度分布を測定した。その結果をロジン・ラムラー(Rosin−Rammler)分布式にプロットして平均粒子径(dp50)を算出した。
(2)粒度分布
目開き355μmの篩(JIS標準篩のメッシュ換算では、42メッシュ)を通過しなかった塩化ビニル重合体粒子の含有量(質量%)を下記評価基準で評価した。前記含有量は、篩上累積(%)を意味する。また、前記篩の目開きは、JIS Z 8801−1−2006の公称目開きWに準拠する。
A:0.5%未満
B:0.5%以上1.0%未満
C:1.0%以上
目開き355μmの篩を通過し、目開き250μmの篩(JIS標準のメッシュ換算では、60メッシュ)を通過しなかった塩化ビニル重合体粒子の含有量(質量%)を下記評価基準で評価した。前記含有量は、篩上累積(%)を意味する。また、前記篩の目開きは、JIS Z 8801−1−2006の公称目開きWに準拠する。
A:5%未満
B:5%以上10%未満
C:10%以上
なお、目開き355μmの篩を通過しなかった塩化ビニル重合体粒子の含有量及び目開き250μmの篩を通過しなかった塩化ビニル重合体粒子の含有量は共に、値が小さいほど粗大粒子が少なくて粒度分布がシャープであり、重合安定性に優れていることを示す。
(3)フィッシュアイ
得られた塩化ビニル重合体粒子100部、ジオクチルフタレート50部、三塩基性硫酸鉛5部及びステアリン酸亜鉛1部を150℃で7分間ロール混練して0.1mm厚のシートを作製し1000cm当たりのフィッシュアイの数を目視で測定した。フィッシュアイの数が少ないほどシート上の欠陥が少ないことを示す。
(4)かさ比重
JIS K 6720−2:1999に従って塩化ビニル重合体のかさ比重を測定した。評価結果を表3に示す。
(5)可塑剤吸収性
脱脂綿を0.02g詰めた容量5mLのシリンジの質量を量り(A(g)とする)、次いで塩化ビニル重合体粒子0.5gを入れて質量を量り(B(g)とする)、さらに可塑剤としてジオクチルフタレート1gを入れて15分静置後、3000rpm、40分遠心分離して質量を量った(C(g)とする)。そして、下記の計算式より可塑剤吸収性(%)を求めた。
可塑剤吸収性(%)=100×[{(C−A)/(B−A)}−1]
[比較例7〜8]
PVA(A4)に代えてPVA(A11)又は(A13)をそれぞれ用いた以外は実施例9と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行った。得られた塩化ビニル重合体粒子の評価結果を表3に示す。PVA(A11)又は(A13)はW0.05hの値が大きすぎるため、得られる塩化ビニル重合体粒子の平均粒子径が大きく、粗大粒子の割合も多く、重合安定性が不十分となり、フィッシュアイも多い結果となった。
Figure 0006718033
実施例で示されるように、本発明の特定の変性PVA(A)はエチレン性二重結合を有していながらも水不溶解分が少なく水溶液の保存安定性に優れる。また、本発明の変性PVA(A)をビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤に用いると重合安定性に優れ、得られるビニル系重合体は平均粒子径が小さく、粗大粒子の生成も少なく、かさ比重が高く、可塑剤吸収性に優れ、さらにビニル系重合体からなる成形品のフィッシュアイを低減できるため加工性に優れる。従って、本発明の工業的な有用性は極めて高い。

Claims (7)

  1. けん化度が68モル%以上99.9モル%未満であり、粘度平均重合度が200以上3000未満であり、側鎖にエステル化剤由来の二重結合を0.01モル%以上0.50モル%未満有し、前記エステル化剤が、(i)イタコン酸及び/又はその誘導体、及び(ii)メタクリル酸及び/又はその誘導体からなる群より選ばれる1種以上であり、高速液体クロマトグラフィーで測定されるピークにおける、ベースラインから5%の高さ位置でのピーク幅W0.05hが2.85分以上3.70分未満である、変性ビニルアルコール系重合体(A)。
  2. 溶媒、及びエステル化剤の存在下、けん化度が68モル%以上99.9モル%未満であり、粘度平均重合度が200以上3000未満であるビニルアルコール系重合体(B)を熱処理し変性させる熱処理変性工程を含み、
    前記溶媒が、アセトン、メタノール、及び酢酸メチルからなる群より選ばれる1種以上であり、前記エステル化剤が、(i)イタコン酸及び/又はその誘導体、及び(ii)メタクリル酸及び/又はその誘導体からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1に記載の変性ビニルアルコール系重合体(A)の製造方法。
  3. 前記溶媒がメタノール及び酢酸メチルからなる群より選ばれる1種以上である、請求項2に記載の変性ビニルアルコール系重合体(A)の製造方法。
  4. 前記溶媒がメタノール及び酢酸メチルである、請求項2に記載の変性ビニルアルコール系重合体(A)の製造方法。
  5. 前記溶媒の使用量がビニルアルコール系重合体(B)100質量部に対し1質量部以上100質量部未満である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の変性ビニルアルコール系重合体(A)の製造方法。
  6. 請求項1に記載の変性ビニルアルコール系重合体(A)を含有する、ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤。
  7. 請求項6に記載の懸濁重合用分散安定剤の存在下で、ビニル化合物の懸濁重合を行う工程を含む、ビニル系重合体の製造方法。
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