JP6717471B2 - 逐次比較型ad変換装置 - Google Patents

逐次比較型ad変換装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6717471B2
JP6717471B2 JP2016147004A JP2016147004A JP6717471B2 JP 6717471 B2 JP6717471 B2 JP 6717471B2 JP 2016147004 A JP2016147004 A JP 2016147004A JP 2016147004 A JP2016147004 A JP 2016147004A JP 6717471 B2 JP6717471 B2 JP 6717471B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reference voltage
input
voltage
power supply
potential
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016147004A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018019197A (ja
Inventor
貴弘 羽生
貴弘 羽生
晃 玉越
晃 玉越
雅典 夏井
雅典 夏井
望月 明
明 望月
大野 英男
英男 大野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Original Assignee
Tohoku University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2016147004A priority Critical patent/JP6717471B2/ja
Publication of JP2018019197A publication Critical patent/JP2018019197A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6717471B2 publication Critical patent/JP6717471B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Analogue/Digital Conversion (AREA)

Description

本発明は、逐次比較型AD変換装置に関する。
アナログデジタル変換装置(ADC)として、フラッシュ(Flash)型、デルタシグマ(ΔΣ)型、パイプライン型、逐次比較型(SAR)など、様々な方式の装置がある。このうち、逐次比較型AD変換装置は、フラッシュ型のものより速度が劣り、デルタシグマ型のものより精度が劣るが、速度と精度とのバランスが良く、低消費電力で多入力(多チャネル)にしやすいことから、制御、家電、自動車など、多くの分野で使用されている。
従来の逐次比較型AD変換装置は、例えば、図12に示すように、一端が共通端子Cnに接続され、他端にそれぞれ入力電圧VINと正側基準電圧Vと負側基準電圧Vとを選択的に入力可能に設けられた、容量がそれぞれC、C/2、・・・、C/2n−1、C/2n−1の複数のコンデンサ(nは2以上の整数)と、共通端子Cnの電位VCnと基準電圧VREFとを比較する比較部CMPと、比較部CMPの前段で、共通端子Cnに対して基準電圧VREFの入力をON/OFF可能に設けられたスイッチSW1とを有している。
図12に示す逐次比較型AD変換装置でAD変換を行う際には、まず、サンプルモードとして、スイッチSW1をONにした状態で、各コンデンサの他端を入力電圧VINに接続し、各コンデンサに入力電圧VINを充電(サンプリング)する。これにより、共通端子Cnに、電荷量Q=2C(VREF−VIN)が保存される。次に、その電荷量を再分配する電荷再分配モードを行う。電荷再分配モードでは、スイッチSW1をOFFの状態に維持する。
電荷再分配モードの第1変換ステップとして、最上位の容量Cのコンデンサを正側基準電圧Vに接続し、それより下位の各コンデンサを負側基準電圧Vに接続する。このとき、共通端子Cnの電荷量Qは不変であるため、
Q=2C(VREF−VIN)=C(VCn−V)+C(VCn−V
であり、
Cn=(V+V)/2+VREF−VIN
となる。
比較部CMPで、共通端子Cnの電位VCnと基準電圧VREFとを比較し、VREF>VCnのとき、VIN>(V+V)/2となり、比較部CMPの出力cout=1とし、最上位の容量Cのコンデンサを正側基準電圧Vに接続する。また、VREF<VCnのとき、VIN<(V+V)/2となり、cout=0とし、最上位の容量Cのコンデンサを負側基準電圧Vに接続する。なお、最上位の容量Cのコンデンサは、以降の電荷再分配モードの全ての変換ステップで、そのまま正側基準電圧Vまたは負側基準電圧Vに接続し続ける。
次に、電荷再分配モードの第2変換ステップとして、2番目の容量C/2のコンデンサを正側基準電圧Vに接続し、それより下位の各コンデンサを負側基準電圧Vに接続する。第1変換ステップと同様に、比較部CMPで、共通端子Cnの電位VCnと基準電圧VREFとを比較し、VREF>VCnのとき、cout=1とし、2番目の容量C/2のコンデンサを正側基準電圧Vに接続する。また、VREF<VCnのとき、cout=0とし、2番目の容量C/2のコンデンサを負側基準電圧Vに接続する。なお、2番目の容量C/2のコンデンサは、以降の電荷再分配モードの全ての変換ステップで、そのまま正側基準電圧Vまたは負側基準電圧Vに接続し続ける。
以下同様に、第3変換ステップから第n(最終)変換ステップまで行い、各コンデンサを正側基準電圧Vまたは負側基準電圧Vに接続する。このようにして、各コンデンサに対応するcoutの値(1または0)により、AD変換されたデジタル信号を得ることができる。
サンプルモードおよび電荷再分配モードの第1変換ステップから第n変換ステップにおける、基準電圧VREFに対する、共通端子Cnの電位VCnが取り得る値の範囲を、図13(a)に示す。また、一般的に、正側基準電圧V=VDD(電源電位)とし、負側基準電圧V=0Vとし、VREF=VDD/2とすることが多いため、そのときの基準電圧VREFに対する、共通端子Cnの電位VCnが取り得る値の範囲を、図13(b)に示す。図13(a)および(b)に示すように、変換ステップを進めるたびに、共通端子Cnの電位VCnが基準電圧VREFに収束し、AD変換が進む様子が確認できる。
しかし、このような従来の逐次比較型AD変換装置では、サンプルモードから電荷再分配モードの第1変換ステップに切り替わる際に、共通端子Cnの電位VCnが最大電位[図13(a)では、VREF+(V−V)/2、図13(b)では、VDD]を超えるオーバーシュートや、共通端子の電位VCnが最小電位[図13(a)では、VREF−(V−V)/2、図13(b)では、0V]を下回るアンダーシュートが発生することがある。オーバーシュートやアンダーシュートは、スイッチSW1における共通端子Cnからの電荷抜けや、共通端子Cnへの電荷注入により発生し、AD変換誤差を引き起こしてしまうという問題があった。
そこで、オーバーシュートやアンダーシュートによるAD変換誤差を低減するために、最上位のコンデンサを2分割して第1変換モードの比較動作を2回行うことにより、最上位のコンデンサのcoutを得るようにしたもの(例えば、特許文献1参照)や、第1変換モードを行わず、最上位のコンデンサのcoutを、入力電圧が負側基準電圧付近のとき0とし、入力電圧が正側基準電圧付近のとき1とするもの(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
なお、現段階で高性能とされている12bitの逐次比較型AD変換装置として、例えば、非特許文献1および2に記載のものがある。
特開平11−17543号公報 特開2007−259224号公報
Wenbo Liu, Phigli Huang, Yun Chiu, "A 12b 22.5/45MS/s 3.0mW 0.059mm2 CMOS SAR ADC achieving over 90dB SFDR", 2010 IEEE ISSCC, p.380-381 松澤 昭、「アナログ・ADC開発の今後」、[online]、2013年3月15日、[平成28年6月24日検索]、インターネット〈URL: http://www.ssc.pe.titech.ac.jp/publications/2013/RFanalog/matsu_open_130315.pdf〉
特許文献1に記載の逐次比較型AD変換装置では、第1変換モードでの比較動作が2回になるため、変換時間が長くなるという課題があった。また、特許文献2に記載の逐次比較型AD変換装置では、入力電圧が負側基準電圧付近であるか否か、および、入力電圧が正側基準電圧付近であるか否かを判定するための入力電圧判定回路が必要であるため、回路構成が複雑になるとともに、消費電力も大きくなるという課題があった。なお、特許文献1および2に記載の逐次比較型AD変換装置は、オーバーシュートおよびアンダーシュートを防ぐものであるが、オーバーシュートおよびアンダーシュートの発生を許容して対策を行ったものは存在しない。
また、従来の逐次比較型AD変換装置では、正側基準電圧V=VDDとし、負側基準電圧V=0Vとし、VREF=VDD/2とすることが多く、基準電位VREFを正確にVDD/2とするために、VREF=(V+V)/2に設定している。しかし、VREFが正確にVDD/2でないと、第1変換ステップで振幅が最大に振れた場合、オーバーシュートやアンダーシュートが発生しなくても、電荷抜けや注入が起きてしまう。また、変換途中でVREFがノイズ等で変動してしまうと、精度が悪化してしまう。そこで、安定したVREFを生成する必要があるが、そのためには、低出力インピーダンスを持つ高ゲインのアンプを使用しなければならず、高電力になってしまうという課題があった。また、低電力のアンプを使用することも可能ではあるが、ノイズ等の変動を受けやすいため、高精度でAD変換を行うためには、低速になってしまうという課題があった。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、比較的簡単な回路構成で、高速かつ低消費電力でAD変換を行うことができ、オーバーシュートやアンダーシュートによる変換誤差を抑制可能な逐次比較型AD変換装置を提供することを目的とする。また、基準電位を内部で生成したり、外から供給したりする必要がなく、安定した基準電位を用いて、低電力で、高速かつ高精度でAD変換を行うことができる逐次比較型AD変換装置を提供することも目的とする。
上記目的を達成するために、第1の本発明に係る逐次比較型AD変換装置は、一端が共通端子に接続され、他端にそれぞれ入力電圧(VIN)と正側基準電圧(V)と負側基準電圧(V)とを選択的に入力可能に設けられたた複数のコンデンサと、前記共通端子の電位(VCn)と基準電圧(VREF)とを比較する比較部と、前記比較部の前段で、前記共通端子に対して前記基準電圧の入力をON/OFF可能に設けられたスイッチとを有する逐次比較型AD変換装置であって、前記基準電圧は、{(V+V)/2}−ΔV [ここで、ΔV>0]であり、前記スイッチは、MOSトランジスタを有し、前記入力電圧をサンプリングするとき、ONになって前記共通端子に前記基準電圧を入力するとともに、前記MOSトランジスタの基板電圧(VPS)が所定の電位(V≦VREF)となり、前記比較部により逐次比較を行うとき、OFFになるとともに、前記基板電圧が、V−(ΔV+VFP) [ここで、VFP>0]となるよう構成されており、V FP は、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記基板電圧が、前記共通端子が取り得る最低電位よりも小さくなるよう設定されており、前記スイッチは、前記入力電圧をサンプリングするとき、前記基板電圧を前記所定の電位にし、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記基板電圧を前記所定の電位から開放するよう設けられた第1スイッチ回路と、前記入力電圧をサンプリングするとき、前記共通端子に前記基準電圧を接続し、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記共通端子への前記基準電圧の接続を解除するよう設けられた第2スイッチ回路と、一端が前記基板電圧に接続され、他端が前記正側基準電圧に接続された第1の蓄電部と、一端が前記基板電圧に接続され、前記第1の蓄電部よりも大きい容量を有する第2の蓄電部と、前記入力電圧をサンプリングするとき、前記第2の蓄電部の他端に前記正側基準電圧を接続し、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記第2の蓄電部の他端に前記負側基準電圧を接続するよう設けられた第3スイッチ回路とを有し、前記第1スイッチ回路および前記第2スイッチ回路に、前記MOSトランジスタがそれぞれ1または複数含まれていることを特徴とする。
第1の本発明に係る逐次比較型AD変換装置は、基準電圧を正側基準電圧(V)と負側基準電圧(V)の中央の値(V+V)/2よりもΔV(>0)だけ低い値にすることにより、入力電圧をサンプリングするサンプルモードおよび比較部により逐次比較を行う電荷再分配モードのときの、基準電圧に対する共通端子の電位が取り得る値の範囲を、正側基準電圧よりΔV低い電圧から負側基準電圧よりΔV低い電圧までの範囲に下げることができる。また、電荷再分配モードのとき、比較部の前段のスイッチに含まれるMOSトランジスタの基板電圧が、V−ΔVよりもさらにVFP(>0)低い電圧になり、マイナスになることもできるため、基準電圧に対する共通端子の電位が取り得る値の範囲の下限の電位がたとえマイナスになったときでも、誤作動等を起こすことなく、正常に作動することができる。
また、電荷再分配モードのとき、共通端子が取り得る最低電位、すなわちアンダーシュート発生時の最低電位よりも、基板電圧が小さくなるようVFPを設定しておくことにより、アンダーシュートが発生しても正常に作動することができ、アンダーシュートによる変換誤差を抑制することができる。また、基準電圧に対する共通端子の電位が取り得る値の範囲の上限の電位が、正側基準電圧よりも低いため、オーバーシュートが発生しても正常に作動することができ、オーバーシュートによる変換誤差を抑制することもできる。このように、第1の本発明に係る逐次比較型AD変換装置は、オーバーシュートおよびアンダーシュートの発生を許容して対策を行うものであり、特許文献1や特許文献2に記載のような特殊な回路構成を追加することなく、比較的簡単な回路構成で、高速かつ低消費電力でAD変換を行うことができる。
第1の本発明に係る逐次比較型AD変換装置は、基準電圧に対する共通端子の電位が取り得る値の範囲が、その下限の電位よりもさらにVFPだけ低くなるため、共通端子での寄生容量が低減され、変換精度を高めることができる。第1の本発明に係る逐次比較型AD変換装置で、MOSトランジスタの基板電圧をマイナスにするためには、例えば、Deep−Nwellを利用して、Nチャネル型のMOSトランジスタのPwellの電位をマイナスにすることにより設定することができる。
第1の本発明に係る逐次比較型AD変換装置で、ΔV=(V−V)/2であり、前記基準電圧は前記負側基準電圧であることが好ましい。この場合、基準電圧を生成する回路が不要であるため、基準電位VREFを内部で生成したり、外から供給したりする必要がなく、より簡単な回路構成にすることができる。また、基準電圧のバラツキがなくなるため、安定した基準電位VREFを用いて、低電力で、高速かつ高精度でAD変換を行うことができる。
第1の本発明に係る逐次比較型AD変換装置は、前記負側基準電圧を0Vにすることにより、回路構成をさらに簡単にすることができる。また、前記所定の電位は前記負側基準電圧であってもよい。また、V≧0V、ΔV=(V+V)/2であり、前記基準電圧は0Vであってもよい。
第1の本発明に係る逐次比較型AD変換装置は、スイッチにより、サンプルモードのとき、共通端子に基準電圧を入力するとともに、基板電圧を所定の電位Vにし、電荷再分配モードのとき、基板電圧を、V−(ΔV+VFP)にすることができる。
この第1〜第3スイッチ回路を有する場合、前記第1の蓄電部の容量を C−ΔC、前記第2の蓄電部の容量を C+ΔCとすると[ここで、C>0、ΔC>0]、
ΔC=2×C×VFP/(V−V
であることが好ましい。これにより、第1の蓄電部の容量および第2の蓄電部の容量を調節して、VFPを所望の値に設定することができる。
この第1〜第3スイッチ回路を有する場合、前記入力電圧のサンプリングの状態から前記比較部による逐次比較の状態に切り換えるとき、前記第1スイッチ回路、前記第3スイッチ回路、前記第2スイッチ回路の順に切り換えるよう構成されていることが好ましい。これにより、共通端子の電位を電荷再分配モードの直前まで基準電圧に保持しておくことができ、誤差の発生を防ぐことができる。
この第1〜第3スイッチ回路を有する場合、前記第1スイッチ回路は、所定の電源電位で稼働し、前記電源電位を入力したとき前記電源電位を出力し、接地電位を入力したとき前記基板電圧を出力するよう設けられた第1レベルシフト回路と、ゲートに前記第1レベルシフト回路の出力が接続され、ドレインが前記所定の電位に接続され、ソースに前記基板電圧が接続された第1のMOSトランジスタとを有し、前記入力電圧をサンプリングするとき、前記第1レベルシフト回路の入力を前記電源電位とし、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記第1レベルシフト回路の入力を前記接地電位とするよう構成されていてもよい。これにより、第1スイッチ回路により、サンプルモードのとき、基板電圧を接地電位にし、電荷再分配モードのとき、基板電圧を接地電位から開放することができる。
また、この場合、前記第1レベルシフト回路は、前記電源電位より低い低電源電位により稼働し、前記電源電位を入力したとき接地電位を出力し、接地電位を入力したとき前記低電源電位を出力するよう設けられたインバータ部と、前記インバータ部の出力を入力とし、前記接地電位を入力したとき前記基板電圧を出力し、前記低電源電位を入力したとき前記低電源電位を出力するよう設けられた第1シフト部と、前記第1シフト部の出力を入力とし、前記基板電圧を入力したとき前記電源電位を出力し、前記低電源電位を入力したとき前記基板電圧を出力するよう設けられた第2シフト部とを、有していてもよい。これにより、第1レベルシフト回路で使用するMOSトランジスタなどの素子として、許容電圧が低いものを使用することができ、低価格かつ低消費電力にすることができる。
第1〜第3スイッチ回路を有する場合、前記第2スイッチ回路は、所定の電源電位で稼働し、前記電源電位を入力したとき前記電源電位を出力し、接地電位を入力したとき前記基板電圧を出力するよう設けられた第2レベルシフト回路と、ゲートに前記第2レベルシフト回路の出力が接続され、ドレインに前記共通端子が接続され、ソースに前記基準電圧が接続された第2のMOSトランジスタとを有し、前記入力電圧をサンプリングするとき、前記第2レベルシフト回路の入力を前記電源電位とし、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記第2レベルシフト回路の入力を前記接地電位とするよう構成されていてもよい。これにより、第2スイッチ回路により、サンプルモードのとき、共通端子に基準電圧を接続し、電荷再分配モードのとき、共通端子への基準電圧の接続を解除することができる。
また、この場合、前記第2レベルシフト回路は、前記電源電位より低い低電源電位により稼働し、前記電源電位を入力したとき接地電位を出力し、接地電位を入力したとき前記低電源電位を出力するよう設けられたインバータ部と、前記インバータ部の出力を入力とし、前記接地電位を入力したとき前記基板電圧を出力し、前記低電源電位を入力したとき前記低電源電位を出力するよう設けられた第1シフト部と、前記第1シフト部の出力を入力とし、前記基板電圧を入力したとき、前記第3スイッチ回路が前記第2の蓄電部の他端に前記正側基準電圧を接続している間は、前記電源電位を出力し、前記第3スイッチ回路が前記第2の蓄電部の他端に前記負側基準電圧を接続している間は、前記低電源電位を出力し、前記低電源電位を入力したとき前記基板電圧を出力するよう設けられた第2シフト部とを、有していてもよい。これにより、第2レベルシフト回路で使用するMOSトランジスタなどの素子として、許容電圧が低いものを使用することができ、低価格かつ低消費電力にすることができる。
この第1〜第3スイッチ回路を有する場合、ゲートに前記第2レベルシフト回路の入力が接続され、ドレインに前記共通端子が接続され、ソースに前記基準電圧が接続された第3のMOSトランジスタを有し、前記入力電圧をサンプリングするとき、前記共通端子に前記基準電圧を接続し、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記第2のMOSトランジスタと同期して、前記共通端子への前記基準電圧の接続を解除するよう設けられた第4スイッチ回路を有していてもよい。これにより、第4スイッチ回路が、第2スイッチ回路と同じ動作をするため、共通端子と基準電圧との間の接続動作や接続解除動作を、より確実に行うことができる。
また、ゲートに前記電源電位と前記低電源電位と接地電位とを選択的に接続可能であり、ドレインに前記共通端子が接続され、ソースに前記基準電圧が接続された第3のMOSトランジスタを有し、前記入力電圧をサンプリングするとき、前記第3スイッチ回路が前記第2の蓄電部の他端に前記正側基準電圧を接続している間は、前記ゲートに接地電位を接続して前記共通端子に前記基準電圧を接続し、前記第3スイッチ回路が前記第2の蓄電部の他端に前記負側基準電圧を接続している間は、前記ゲートに前記低電源電位を接続して前記共通端子に前記基準電圧を接続し、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記第2のMOSトランジスタと同期して、前記ゲートに前記電源電位を接続して前記共通端子への前記基準電圧の接続を解除するよう設けられた第4スイッチ回路を有していてもよい。これにより、第3のMOSトランジスタをONからOFFに切り換えるとき、そのゲート電圧を接地電位→低電源電位→電源電位とすることができ、共通端子が受けるノイズを抑制することができる。
また、前記第4スイッチ回路は、前記共通端子と前記基準電圧との間に、前記第3のMOSトランジスタと直列に接続された第4のMOSトランジスタを有していてもよい。これにより、第4のMOSトランジスタや、第3のMOSトランジスタなどの素子に、大きな電圧がかからなくなるため、これらの素子として、さらに許容電圧が低いものを使用することができる。
第2の本発明に係る逐次比較型AD変換装置は、一端が共通端子に接続され、他端にそれぞれ入力電圧(VIN)と正側基準電圧(V)と負側基準電圧(V)とを選択的に入力可能に設けられたた複数のコンデンサと、前記共通端子の電位(VCn)と基準電圧(VREF)とを比較する比較部と、前記比較部の前段で、前記共通端子に対して前記基準電圧の入力をON/OFF可能に設けられたスイッチとを有する逐次比較型AD変換装置であって、前記基準電圧は、{(V+V)/2}+ΔV[ここで、ΔV>0]であり、前記スイッチは、MOSトランジスタを有し、前記入力電圧をサンプリングするとき、ONになって前記共通端子に前記基準電圧を入力するとともに、前記MOSトランジスタの基板電圧(VPS)が所定の電位(V≧VREF)となり、前記比較部により逐次比較を行うとき、OFFになるとともに、前記基板電圧が、V+ΔV+VFP [ここで、VFP>0]となるよう構成されており、V FP は、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記基板電圧が、前記共通端子が取り得る最高電位よりも大きくなるよう設定されており、前記スイッチは、前記入力電圧をサンプリングするとき、前記基板電圧を前記所定の電位にし、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記基板電圧を前記所定の電位から開放するよう設けられた第1スイッチ回路と、前記入力電圧をサンプリングするとき、前記共通端子に前記基準電圧を接続し、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記共通端子への前記基準電圧の接続を解除するよう設けられた第2スイッチ回路と、一端が前記基板電圧に接続され、他端が前記負側基準電圧に接続された第1の蓄電部と、一端が前記基板電圧に接続され、前記第1の蓄電部よりも大きい容量を有する第2の蓄電部と、前記入力電圧をサンプリングするとき、前記第2の蓄電部の他端に前記負側基準電圧を接続し、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記第2の蓄電部の他端に前記正側基準電圧を接続するよう設けられた第3スイッチ回路とを有し、前記第1スイッチ回路および前記第2スイッチ回路に、前記MOSトランジスタがそれぞれ1または複数含まれていることを特徴とする。
第2の本発明に係る逐次比較型AD変換装置は、基準電圧を正側基準電圧(V)と負側基準電圧(V)の中央の値(V+V)/2よりもΔV(>0)だけ高い値にすることにより、入力電圧をサンプリングするサンプルモードおよび比較部により逐次比較を行う電荷再分配モードのときの、基準電圧に対する共通端子の電位が取り得る値の範囲を、正側基準電圧よりΔV高い電圧から負側基準電圧よりΔV高い電圧までの範囲に上げることができる。また、電荷再分配モードのとき、比較部の前段のスイッチに含まれるMOSトランジスタの基板電圧が、V+ΔVよりもさらにVFP(>0)高い電圧になるため、基準電圧に対する共通端子の電位が取り得る値の範囲の上限の電位が正側基準電圧よりも高くなったときでも、誤作動等を起こすことなく、正常に作動することができる。
また、電荷再分配モードのとき、共通端子が取り得る最高電位、すなわちオーバーシュート発生時の最高電位よりも、基板電圧が大きくなるようVFPを設定しておくことにより、オーバーシュートが発生しても正常に作動することができ、オーバーシュートによる変換誤差を抑制することができる。また、基準電圧に対する共通端子の電位が取り得る値の範囲の下限の電位が、負側基準電圧よりも高いため、アンダーシュートが発生しても正常に作動することができ、アンダーシュートによる変換誤差を抑制することもできる。このように、第2の本発明に係る逐次比較型AD変換装置は、オーバーシュートおよびアンダーシュートの発生を許容して対策を行うものであり、特許文献1や特許文献2に記載のような特殊な回路構成を追加することなく、比較的簡単な回路構成で、高速かつ低消費電力でAD変換を行うことができる。
第2の本発明に係る逐次比較型AD変換装置では、Deep−Nwellを利用しなくとも、下地がP基板の一般的なMOS構造により、MOSトランジスタの基板電圧を高くすることができる。
第2の本発明に係る逐次比較型AD変換装置で、ΔV=(V−V)/2であり、前記基準電圧は前記正側基準電圧であることが好ましい。この場合、基準電圧を生成する回路が不要であるため、基準電位VREFを内部で生成したり、外から供給したりする必要がなく、より簡単な回路構成にすることができる。また、基準電圧のバラツキがなくなるため、安定した基準電位VREFを用いて、低電力で、高速かつ高精度でAD変換を行うことができる。
第2の本発明に係る逐次比較型AD変換装置は、前記正側基準電圧を電源電位(VDD)にすることにより、回路構成をさらに簡単にすることができる。また、前記所定の電位は前記正側基準電圧であってもよい。また、V≦VDD、前記基準電圧は電源電位(VDD)であってもよい。
第2の本発明に係る逐次比較型AD変換装置は、スイッチにより、サンプルモードのとき、共通端子に基準電圧を入力するとともに、基板電圧を所定の電位Vにし、電荷再分配モードのとき、基板電圧を、V+ΔV+VFP にすることができる。
この第1〜第3スイッチ回路を有する場合、前記第1の蓄電部の容量を C−ΔC、前記第2の蓄電部の容量を C+ΔCとすると[ここで、C>0、ΔC>0]、
ΔC=2×C×VFP/(V−V
であることが好ましい。これにより、第1の蓄電部の容量および第2の蓄電部の容量を調節して、VFPを所望の値に設定することができる。
この第1〜第3スイッチ回路を有する場合、前記入力電圧のサンプリングの状態から前記比較部による逐次比較の状態に切り換えるとき、前記第1スイッチ回路、前記第3スイッチ回路、前記第2スイッチ回路の順に切り換えるよう構成されていることが好ましい。これにより、共通端子の電位を電荷再分配モードの直前まで基準電圧に保持しておくことができ、誤差の発生を防ぐことができる。
この第1〜第3スイッチ回路を有する場合、前記第1スイッチ回路は、前記電源電位で稼働し、前記電源電位を入力したとき前記基板電圧を出力し、接地電位を入力したとき前記接地電位を出力するよう設けられた第1レベルシフト回路と、ゲートに前記第1レベルシフト回路の反転出力が接続され、ドレインが前記所定の電位に接続され、ソースに前記基板電圧が接続された第1のMOSトランジスタとを有し、前記入力電圧をサンプリングするとき、前記第1レベルシフト回路の入力を前記電源電位とし、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記第1レベルシフト回路の入力を前記接地電位とするよう構成されていてもよい。これにより、第1スイッチ回路により、サンプルモードのとき、基板電圧を電源電位にし、電荷再分配モードのとき、基板電圧を電源電位から開放することができる。
この第1〜第3スイッチ回路を有する場合、前記第2スイッチ回路は、前記電源電位で稼働し、前記電源電位を入力したとき前記基板電圧を出力し、接地電位を入力したとき前記接地電位を出力するよう設けられた第2レベルシフト回路と、ゲートに前記第2レベルシフト回路の出力が接続され、ドレインに前記共通端子が接続され、ソースに前記基準電圧が接続された第2のMOSトランジスタとを有し、前記入力電圧をサンプリングするとき、前記第2レベルシフト回路の入力を前記電源電位とし、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記第2レベルシフト回路の入力を前記接地電位とするよう構成されていてもよい。これにより、第2スイッチ回路により、サンプルモードのとき、共通端子に基準電圧を接続し、電荷再分配モードのとき、共通端子への基準電圧の接続を解除することができる。
この第1〜第3スイッチ回路を有する場合、ゲートに前記第2レベルシフト回路の反転出力が接続され、ドレインに前記共通端子が接続され、ソースに前記基準電圧が接続された第3のMOSトランジスタを有し、前記入力電圧をサンプリングするとき、前記共通端子に前記基準電圧を接続し、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記第2のMOSトランジスタと同期して、前記共通端子への前記基準電圧の接続を解除するよう設けられた第4スイッチ回路を有していてもよい。これにより、第4スイッチ回路が、第2スイッチ回路と同じ動作をするため、共通端子と基準電圧との間の接続動作や接続解除動作を、より確実に行うことができる。
第1および第2の本発明に係る逐次比較型AD変換装置で、前記比較部は、MOSトランジスタを有するチョッパ型比較器を有し、そのチョッパ型比較器のMOSトランジスタの基板電圧が、前記スイッチの基板電圧と等しくなるよう構成されていてもよい。
本発明によれば、比較的簡単な回路構成で、高速かつ低消費電力でAD変換を行うことができ、オーバーシュートやアンダーシュートによる変換誤差を抑制可能な逐次比較型AD変換装置を提供することができる。また、基準電位を内部で生成したり、外から供給したりする必要がなく、安定した基準電位を用いて、低電力で、高速かつ高精度でAD変換を行うことができる逐次比較型AD変換装置を提供することもできる。
本発明の第1の実施の形態の逐次比較型AD変換装置を示す(a)全体の回路図、(b)スイッチS1の回路図である。 図1に示す逐次比較型AD変換装置の(a)スイッチS1の概念を示す断面図、(b)サンプルモードおよび電荷再分配モードの第1変換ステップから第n変換ステップにおける、基準電圧VREFに対する、共通端子Cnの電位VCnが取り得る値の範囲を示すグラフである。 図1に示す逐次比較型AD変換装置の、第1レベルシフト回路LS1の回路図である。 図1に示す逐次比較型AD変換装置の、スイッチS1の動作を示すシーケンス図である。 図1に示す逐次比較型AD変換装置の、第1レベルシフト回路LS1の変形例の回路図である。 図1に示す逐次比較型AD変換装置の、第2レベルシフト回路LS2の変形例の回路図である。 図1に示す逐次比較型AD変換装置の、(a)図6に示す第2レベルシフト回路LS2の変形例、(b)図3に対応する第2レベルシフト回路LS2の、第2のMOSトランジスタNS1のゲート電位および共通端子Cnの電位VCnの変化を示すシーケンス図である。 図1に示す逐次比較型AD変換装置の、第4スイッチ回路の第1の変形例の回路図である。 図1に示す逐次比較型AD変換装置の、第4スイッチ回路の第2の変形例の回路図である。 本発明の第2の実施の形態の逐次比較型AD変換装置を示す(a)全体の回路図、(b)スイッチS1の回路図である。 本発明の第1および第2の実施の形態の逐次比較型AD変換装置の、チョッパ型比較器を有する変型例の回路図である。 従来の逐次比較型AD変換装置を示す回路図である。 図12に示す従来の逐次比較型AD変換装置の、(a)サンプルモードおよび電荷再分配モードの第1変換ステップから第n変換ステップにおける、基準電圧VREFに対する、共通端子Cnの電位VCnが取り得る値の範囲を示すグラフ、(b) (a)において、正側基準電圧V=VDD(電源電位)、負側基準電圧V=0V、VREF=VDD/2としたときのグラフである。
[第1の実施の形態の逐次比較型AD変換装置]
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図9は、本発明の第1の実施の形態の逐次比較型AD変換装置を示している。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態の逐次比較型AD変換装置10は、基準電圧VREFを有するシングルエンド型入力のAD変換装置であり、容量がそれぞれC、C/2、・・・、C/2n−1、C/2n−1のn+1個のコンデンサ(nは2以上の整数)と、各コンデンサに対応して設けられたn+1個の切替スイッチS[n-1]、S[n-2]、・・・、S[0]、Sdと、比較部CMPとスイッチS1とを有している。
各コンデンサは、一端がそれぞれ共通端子Cnに接続され、他端が対応する切替スイッチに接続されている。各切替スイッチS[n-1]、S[n-2]、・・・、S[0]は、対応するコンデンサの他端を、入力電圧VINと正側基準電圧Vと負側基準電圧Vとに選択的に接続可能に設けられている。また、切替スイッチSdは、対応するコンデンサの他端を、入力電圧VINと負側基準電圧Vとに選択的に接続可能に設けられている。
比較部CMPは、比較器から成り、共通端子Cnの電位VCnと基準電圧VREFとを比較するよう設けられている。スイッチS1は、比較部CMPの前段で、共通端子Cnと基準電圧VREFとに接続されており、共通端子Cnに対して基準電圧VREFの入力をON/OFF可能に設けられている。
以下では、基準電圧VREFは、{(V+V)/2}−ΔV [ここで、ΔV>0]であり、ΔV=(V−V)/2に設定し、VREF=V としている。さらに、負側基準電圧V=0V に設定し、VREF=0V としている。また、正側基準電圧Vは、電源電位VDDに設定している。
[スイッチS1の構成]
図1(b)に示すように、スイッチS1は、第1スイッチ回路11と第2スイッチ回路12と第1の蓄電部13と第2の蓄電部14と第3スイッチ回路15と第4スイッチ回路16とを有している。また、図2(a)に示すように、スイッチS1は、Deep−Nwellを利用して、Pwellの電位をマイナスにすることにより、内蔵するMOSトランジスタ(nMOSおよびpMOS)の基板電圧VPSをマイナスに設定している。具体的には、基板電圧VPSを、−V=−(ΔV+VFP) [ここで、VFP>0]に設定している。
図1(b)に示すように、第1スイッチ回路11は、第1レベルシフト回路LS1と第1のMOSトランジスタNS0とを有している。図3に示すように、第1レベルシフト回路LS1は、2つのpMOSトランジスタP10、P11と2つのnMOSトランジスタN10、N11とインバータIV1とを有している。P10は、ゲートにスイッチSW0aからの入力端子Iが接続され、ソースに電源電位VDDが接続されている。P11は、ゲートにインバータIV1を介して入力端子Iが接続され、ソースに電源電位VDDが接続されている。N10は、ゲートにP11のドレインが接続され、ソースに基板電圧VPSが接続され、ドレインにP10のドレインが接続されている。N11は、ゲートにP10のドレインが接続され、ソースに基板電圧VPSが接続され、ドレインにP11のドレインが接続されている。第1レベルシフト回路LS1は、P11のドレインに出力端子Yが接続されている。
第1レベルシフト回路LS1は、スイッチSW0aにより、電源電位VDDと接地電位0Vとを選択的に切り換えて入力可能になっている。第1レベルシフト回路LS1は、電源電位VDDを入力したとき電源電位VDDを出力し、接地電位0Vを入力したとき基板電圧VPSを出力するようになっている。
図1(b)に示すように、第1のMOSトランジスタNS0は、nMOSから成り、ゲートに第1レベルシフト回路LS1の出力が接続され、ドレインに所定の電位Vが接続され、ソースに基板電圧VPSが接続されている。
第1スイッチ回路11は、スイッチSW0aにより、第1レベルシフト回路LS1の入力を電源電位VDDとしたとき、第1レベルシフト回路LS1が電源電位VDDを出力し、第1のMOSトランジスタNS0により、基板電圧VPSが所定の電位Vとなるよう構成されている。また、スイッチSW0aにより、第1レベルシフト回路LS1の入力を接地電位0Vとしたとき、第1レベルシフト回路LS1が基板電圧VPSを出力し、第1のMOSトランジスタNS0により、基板電圧VPSが所定の電位Vから開放されるよう構成されている。なお、以下では、所定の電位Vを接地電位0Vに設定している。
図1(b)に示すように、第2スイッチ回路12は、第2レベルシフト回路LS2と第2のMOSトランジスタNS1とを有している。第2レベルシフト回路LS2は、図3に示す第1レベルシフト回路と同じ構成を有している。第2レベルシフト回路LS2は、スイッチSW1により、電源電位VDDと接地電位0Vとを選択的に切り換えて入力可能になっている。第2レベルシフト回路LS2は、電源電位VDDを入力したとき電源電位VDDを出力し、接地電位0Vを入力したとき基板電圧VPSを出力するようになっている。
第2のMOSトランジスタNS1は、nMOSから成り、ゲートに第2レベルシフト回路LS2の出力が接続され、ドレインに共通端子Cnが接続され、ソースに基準電圧VREF(=V=0V)が接続されている。
第2スイッチ回路12は、スイッチSW1により、第2レベルシフト回路LS2の入力を電源電位VDDとしたとき、第2レベルシフト回路LS2が電源電位VDDを出力し、第2のMOSトランジスタNS1により、共通端子Cnに基準電圧VREF(=V=0V)を接続するよう構成されている。また、スイッチSW1により、第2レベルシフト回路LS2の入力を接地電位0Vとしたとき、第2レベルシフト回路LS2が基板電圧VPSを出力し、第2のMOSトランジスタNS1により、共通端子Cnへの基準電圧VREFの接続を解除するよう構成されている。
図1(b)に示すように、第1の蓄電部13は、コンデンサから成り、一端が基板電圧VPSに接続され、他端が正側基準電圧Vに接続されている。第2の蓄電部14は、第1の蓄電部13よりも大きい容量を有するコンデンサから成り、一端が基板電圧VPSに接続されている。なお、第1の蓄電部13の容量と第2の蓄電部14の容量の平均値をC(>0)、その平均値Cからの第1の蓄電部13の容量および第2の蓄電部14の容量のずれをΔC(>0)とすると、第1の蓄電部13の容量はC−ΔC、第2の蓄電部14の容量はC+ΔCと表される。なお、Cは、C/8程度の値が好ましい。第3スイッチ回路15は、スイッチSW0bから成り、第2の蓄電部14の他端を、正側基準電圧Vと負側基準電圧Vとに選択的に接続可能に設けられている。
図1(b)に示すように、第4スイッチ回路16は、インバータIV2と第3のMOSトランジスタPS1とを有している。第3のMOSトランジスタPS1は、pMOSから成り、ゲートにインバータIV2を介してスイッチSW1(第2レベルシフト回路LS2の入力)が接続され、ドレインに共通端子Cnが接続され、ソースに基準電圧VREF(=V=0V)が接続されている。
第4スイッチ回路16は、スイッチSW1により電源電位VDDが入力されたとき、第3のMOSトランジスタPS1により、共通端子Cnに基準電圧VREF(=V=0V)を接続するよう構成されている。また、スイッチSW1により接地電位0Vが入力されたとき、第3のMOSトランジスタPS1により、第2のMOSトランジスタNS1と同期して、共通端子Cnへの基準電圧VREFの接続を解除するよう構成されている。
逐次比較型AD変換装置10は、図12に示す従来の逐次比較型AD変換装置と同様にしてAD変換を行うことができる。すなわち、サンプルモードとして、スイッチS1をONにした状態で、容量がそれぞれC、C/2、・・・、C/2n−1、C/2n−1の各コンデンサの他端を入力電圧VINに接続し、各コンデンサに入力電圧VINを充電(サンプリング)する。次に、電荷再分配モードとして、スイッチS1をOFFの状態に維持して、第1変換ステップから第n(最終)変換ステップまで行う。このようにして、容量がそれぞれC、C/2、・・・、C/2n−1の各コンデンサに対応する比較部CMPの出力coutの値(1または0)により、AD変換されたデジタル信号を得ることができる。
[スイッチS1の動作]
図4に示すように、スイッチS1は、入力電圧VINをサンプリングするサンプルモードのとき(スイッチS1がONの状態のとき)、第1スイッチ回路11のスイッチSW0aを電源電位VDDに、第2スイッチ回路12のスイッチSW1を電源電位VDDにしておく。これにより、サンプルモードのとき、基板電圧VPSが接地電位0Vとなり、共通端子Cnに基準電圧VREF(=V=0V)が接続される。また、スイッチS1は、サンプルモードのとき、第3スイッチ回路15のスイッチSW0bを正側基準電圧V(=VDD)にしておく。これにより、サンプルモードのとき、基板電圧VPSに接続された第1の蓄電部13および第2の蓄電部14の総電荷量が、Q=−2Cとなる。
図4に示すように、サンプルモードから、比較部CMPにより逐次比較を行う電荷再分配モードに切り換えるとき、スイッチS1は、まず、第1スイッチ回路11のスイッチSW0aを電源電位VDDから接地電位0Vに切り換える(図4中の丸数字1)。これにより、基板電圧VPSが接地電位0Vから開放される。
次に、スイッチS1は、第3スイッチ回路15のスイッチSW0bを正側基準電圧V(=VDD)から負側基準電圧V(=0V)に切り換える(図4中の丸数字2)。このとき、総電荷量Q=−2Cは保存されるため、
−2C=(C+ΔC)(VPS−V)+(C−ΔC)(VPS−V
となり、基板電圧VPSが、
PS=−V=−(V−V)/2−ΔC(V−V)/(2C
=−(ΔV+VFP
となる。ここで、
ΔC=2CFP/(V−V)=2CFP/VDD (1)
である。
次に、スイッチS1は、第2スイッチ回路12のスイッチSW1を電源電位VDDから接地電位0Vに切り換える(図4中の丸数字3)。これにより、共通端子Cnへの基準電圧VREFの接続が解除される。これにより、電荷再分配モードに切り換えることができる。
[逐次比較型AD変換装置10の作用効果]
逐次比較型AD変換装置10は、図2(b)に示すように、基準電圧VREFを負側基準電圧V=0Vにすることにより、入力電圧VINをサンプリングするサンプルモードおよび比較部CMPにより逐次比較を行う電荷再分配モードのときの、基準電圧VREFに対する共通端子Cnの電位VCnが取り得る値の範囲を、(V−V)/2=ΔV(=V/2=VDD/2)から、−(V−V)/2=−ΔV(=−V/2=−VDD/2)までの範囲に下げることができる。このため、基準電圧VREFに対する共通端子Cnの電位VCnが取り得る値の範囲の下限の電位がマイナスになったときでも、誤作動等を起こすことなく、正常に作動することができる。また、電荷再分配モードのとき、スイッチS1の基板電圧VPSを、−ΔVよりもさらにVFP低いマイナスの電圧にすることができる。
図2(b)に示すように、逐次比較型AD変換装置10は、電荷再分配モードのとき、共通端子Cnが取り得る最低電位、すなわちアンダーシュート発生時の最低電位よりも、基板電圧VPSが小さくなるようVFPを設定しておくことにより、アンダーシュートが発生しても正常に作動することができ、アンダーシュートによる変換誤差を抑制することができる。VFPは、(1)式により、第1の蓄電部13の容量および第2の蓄電部14の容量を調節して、所望の値に設定することができる。
逐次比較型AD変換装置10は、基準電圧VREFに対する共通端子Cnの電位VCnが取り得る値の範囲の上限の電位が、正側基準電圧Vよりも低いため、オーバーシュートが発生しても正常に作動することができ、オーバーシュートによる変換誤差を抑制することもできる。このように、逐次比較型AD変換装置10は、オーバーシュートおよびアンダーシュートの発生を許容して対策を行うものであり、特許文献1や特許文献2に記載のような特殊な回路構成を追加することなく、比較的簡単な回路構成で、高速かつ低消費電力でAD変換を行うことができる。
逐次比較型AD変換装置10は、基準電圧VREFに対する共通端子Cnの電位VCnが取り得る値の範囲が、その下限の電位よりもさらにVFPだけ低くなるため、共通端子Cnでの寄生容量が低減され、変換精度を高めることができる。逐次比較型AD変換装置10は、基準電圧VREFを負側基準電圧V=0Vにしているため、基準電圧VREFを生成する回路が不要であり、基準電位VREFを内部で生成したり、外から供給したりする必要がなく、より簡単な回路構成にすることができる。また、基準電圧VREFのバラツキがなくなるため、安定した基準電位VREFを用いて、低電力で、高速かつ高精度でAD変換を行うことができる。
逐次比較型AD変換装置10は、図4に示すように、サンプルモードから電荷再分配モードに切り換えるとき、第1スイッチ回路11のスイッチSW0a、第3スイッチ回路15のスイッチSW0b、第2スイッチ回路12(および第4スイッチ回路16)のスイッチSW1の順に切り換えることにより、共通端子Cnの電位VCnを電荷再分配モードの直前まで基準電圧VREFに保持しておくことができ、誤差の発生を防ぐことができる。具体的には、第2スイッチ回路12のスイッチSW1を、第3スイッチ回路15のスイッチSW0bより先に切り換えると、オーバーシュートやアンダーシュートがなくても、共通端子Cnが基板電圧VPSの変化を受けてしまい、誤差が発生してしまうが、図4に示す順に切り換えることにより、その誤差の発生を防ぐことができる。
[逐次比較型AD変換装置10の動作の検証]
アナログシュミレータを用いて、逐次比較型AD変換装置10の動作の検証を行った。アナログシュミレータは、シノプシス(Synopsys)社製「HSPICE」を用いた。検証により得られた、逐次比較型AD変換装置10の各種の性能を、表1に示す。なお、表1には、非特許文献1および非特許文献2に記載の12bitの逐次比較型AD変換装置の性能も示す。非特許文献1および2に記載の装置は、オーバーシュートやアンダーシュートに対する対策は行われていない。
Figure 0006717471
表1に示すように、逐次比較型AD変換装置10は、入力電圧(VDD)として3Vまでの電圧を扱えるよう設計しているため、面積(Technology)が大きくなっており、非特許文献1および非特許文献2のものと単純に比較することできない。このため、変換速度(Fs)や変換精度(INL)で若干劣っているように見えるが、高電圧にもかかわらず、消費電力(Power)が小さくなっていることが確認できる。
[第1レベルシフト回路LS1の変形例]
電荷再分配モードのとき、図3に示す第1レベルシフト回路LS1のP10のゲート電圧は0V、P11のゲート電圧はVDD、N10のゲート電圧はVPS、N11のゲート電圧はVDDとなる。基板電圧VPSの取り得る最低電位は、−V=−(ΔV+VFP)=−(VDD/2+VFP)であるため、P11のゲート−ドレイン間およびドレイン−ソース間、N10のゲート−ドレイン間およびドレイン−ソース間、N11のゲート−ソース間およびゲート−ドレイン間には、最大で(3/2)VDD+VFPの電圧がかかる。このため、例えば、VDD=3Vとすると、上記の最大の電圧は4.5V+VFPとなり、耐圧が3VのMOSトランジスタを使用することができず、耐圧が5Vのものを使用する必要がある。
そこで、図5に示すように、第1レベルシフト回路LS1が、スイッチSW0aを入力するインバータIV3と、インバータIV3の出力を入力とし、図3に示す第1レベルシフト回路LS1と同様の構成を有する第1シフト部21と、第1シフト部21の出力を入力とする第2シフト部22とを有していてもよい。このとき、インバータIV3は、電源電位VDDより低い低電源電位VDDLにより稼働し、電源電位VDDを入力したとき接地電位0Vを出力し、接地電位0Vを入力したとき低電源電位VDDLを出力するよう構成されている。
第1シフト部21は、第1レベルシフト回路LS1のP10、P11、N10、N11にそれぞれ対応するP12、P13、N12、N13のMOSトランジスタを有している。P12およびP13のソースには、電源電位VDDではなく、低電源電位VDDLが接続されている。第1シフト部21は、インバータIV3から接地電位0Vを入力したとき基板電圧VPSを出力し、低電源電位VDDLを入力したとき低電源電位VDDLを出力するよう構成されている。
第2シフト部22は、スイッチSW0aに接続されたインバータIV4と、互いに直列に接続された2つのpMOSトランジスタP14、P15と、nMOSトランジスタN14とを有している。P15は、ゲートにインバータIV4の出力が接続され、ソースに電源電位VDDが接続されている。P14は、ゲートに接地電位0Vが接続され、ソースにP15のドレインが接続されている。N14は、ゲートに第1シフト部21の出力が接続され、ソースに基板電圧VPSが接続され、ドレインにP14のドレインが接続されている。第2シフト部22は、P14およびN14のドレインに出力端子Yが接続されている。第2シフト部22は、第1シフト部21から基板電圧VPSを入力したとき電源電位VDDを出力し、低電源電位VDDLを入力したとき基板電圧VPSを出力するよう構成されている。
これにより、第1シフト部21のP12、P13、N12、N13にかかる最大電圧は、VDDL+VDD/2+VFPとなる。このため、例えば、VDDL=1V、VDD=3Vとすると、上記の最大電圧は、2.5V+VFPとなり、耐圧が3VのMOSトランジスタを使用することができる。
また、サンプルモードで、スイッチSW0aからの入力がVDDのとき(図4の丸数字1より前の期間)、第2シフト部22の出力端子Yからの出力がVDD、基板電圧VPSが0Vであるため、第2シフト部22のP14、P15、N14にかかる最大電圧は、VDDである。このため、例えば、VDD=3Vとすると、耐圧が3VのMOSトランジスタを使用することができる。
また、サンプルモードで、スイッチSW0aからの入力が0Vのとき(図4の丸数字1〜2の期間)、出力端子Yおよび基板電圧VPSが0Vであるため、N14にかかる最大電圧はVDDL、P15にかかる最大電圧はVDD、P14にかかる最大電圧はしきい値電圧VPT(約0.7V)程度である。このため、例えば、VDDL=1V、VDD=3Vとすると、耐圧が3VのMOSトランジスタを使用することができる。
また、スイッチSW0bが負側基準電圧V(図4の丸数字2以降の期間)のとき、P15にかかる最大電圧はVDDのままである。また、出力端子Yおよび基板電圧VPSが−V=−(ΔV+VFP)=−(VDD/2+VFP)であるため、N14にかかる最大電圧は、ゲート−ソース間およびゲート−ドレイン間で、VDDL+VDD/2+VFPとなる。また、P14にかかる最大電圧は、ドレイン−ソース間で、VPT+VDD/2+VFPとなる。このため、例えば、VDDL=1V、VDD=3Vとすると、上記の最大電圧は、それぞれ、2.5V+VFPおよび約2.2V+VFPとなり、耐圧が3VのMOSトランジスタを使用することができる。
このように、図5に示す第1レベルシフト回路LS1を用いることにより、第1レベルシフト回路LS1で使用するMOSトランジスタとして、許容電圧が低いものを使用することができ、低価格かつ低消費電力にすることができる。
[第2レベルシフト回路LS2の変形例]
第2レベルシフト回路LS2も、図5に示す第1レベルシフト回路LS1と同じものを使用することができるが、インバータIV3の入力にスイッチSW1が接続されているため、サンプルモードで、スイッチSW0bが負側基準電圧V、スイッチSW1が電源電位VDD(図4の丸数字2〜3の期間)のとき、基板電圧VPSが−V=−(ΔV+VFP)=−(VDD/2+VFP)になり、N14のゲート−ドレイン間およびドレイン−ソース間に、最大で(3/2)VDD+VFPの電圧がかかる。このため、例えば、VDD=3Vとすると、上記の最大の電圧は4.5V+VFPとなり、耐圧が3VのMOSトランジスタを使用することができず、耐圧が5Vのものを使用する必要がある。
そこで、図6に示すように、第2シフト部22にpMOSトランジスタP16とNAND回路NA1とを追加する。また、インバータIV4の入力にスイッチSW0bを接続する。P16は、ゲートにNAND回路NA1の出力が接続され、ソースに低電源電位VDDLが接続され、ドレインにP15のドレインが接続されている。NAND回路NA1は、入力として、スイッチSW0bの反転信号と、スイッチSW1とが接続されている。第2シフト部22は、第1シフト部21から基板電圧VPSを入力したとき、スイッチSW0bが正側基準電圧Vを接続している間(図4の丸数字2より前の期間)は、電源電位VDDを出力し、スイッチSW0bが負側基準電圧Vを接続している間(図4の丸数字2〜3の期間)は、低電源電位VDDLを出力し、低電源電位VDDLを入力したとき(図4の丸数字3以降の期間)、基板電圧VPSを出力するよう構成されている。
これにより、サンプルモードで、スイッチSW0bが負側基準電圧V、スイッチSW1が電源電位VDD(図4の丸数字2〜3の期間)のとき、P15がOFF、P16がONとなり、P14のソースに低電源電位VDDLが接続され、N14にかかる最大電圧は、VDDL+VDD/2+VFPとなる。このため、例えば、VDDL=1V、VDD=3Vとすると、上記の最大電圧は、2.5V+VFPとなり、耐圧が3VのMOSトランジスタを使用することができる。
このように、図6に示す第2レベルシフト回路LS2を用いることにより、第2レベルシフト回路LS2で使用するMOSトランジスタとして、許容電圧が低いものを使用することができ、低価格かつ低消費電力にすることができる。
図6に示す第2レベルシフト回路LS2を用いたときの、スイッチSWb0およびスイッチSW1の動作に対する、第2のMOSトランジスタNS1のゲート電位および共通端子Cnの電位VCnの変化を、図7(a)に示す。また、比較のため、第2レベルシフト回路LS2として図3に対応する回路を用いたときの、第2のMOSトランジスタNS1のゲート電位および共通端子Cnの電位VCnの変化を、図7(b)に示す。なお、図7の丸数字は、図4の丸数字と対応している。
第2のMOSトランジスタNS1のゲートは、第2レベルシフト回路LS2の出力端子Yに接続されているため、図7(a)に示すように、図6に示す第2のMOSトランジスタNS1のゲート電位は、丸数字2より前の期間ではVDDであり、丸数字2〜3の期間ではVDDLであり、丸数字3以降の期間では−Vである。また、図7(b)に示すように、図3に対応する第2のMOSトランジスタNS1のゲート電位は、丸数字3より前の期間ではVDDであり、丸数字3以降の期間では−Vである。いずれの場合も、丸数字3のタイミングで第2のMOSトランジスタNS1がONからOFFに切り替わり、このスイッチングにより共通端子Cnが受ける変位は、第2のMOSトランジスタNS1のゲート電位の変位量に依存する。ゲート電位の変位量は、図7(a)の場合、VDDL+V、図7(b)の場合、VDD+Vであるため、共通端子Cnが受ける変位は図7(a)の場合、すなわち図6に示す第2レベルシフト回路LS2を用いたときの方が小さくなり、ノイズを抑制することができる。
[第4スイッチ回路16の変形例]
図8に示すように、第4スイッチ回路16は、共通端子Cnと基準電圧VREF(=V=0V)との間に、第3のMOSトランジスタPS1と直列に接続された第4のMOSトランジスタPS1aを有していてもよい。このとき、第4のMOSトランジスタPS1aは、ゲートに接地電位0Vが接続され、ドレインに共通端子Cnが接続され、ソースに第3のMOSトランジスタPS1のドレインが接続されている。
これにより、サンプルモードで、スイッチSW0bが負側基準電圧V、スイッチSW1が電源電位VDD(図4の丸数字2〜3の期間)のときでも、第4のMOSトランジスタPS1aのソースの電位がしきい値電圧VPTに保たれる。このため、第3のMOSトランジスタPS1にかかる最大電圧はVDD、第4のMOSトランジスタPS1aにかかる最大電圧は、VPT+VDD/2+VFPとなる。このため、例えば、VDDL=1V、VDD=3Vとすると、上記の最大電圧は、それぞれ、3Vおよび約2.2V+VFPとなり、耐圧が3VのMOSトランジスタを使用することができ、低価格かつ低消費電力にすることができる。
また、図9に示すように、第4スイッチ回路16は、インバータIV2を有さず、互いに直列に接続されたpMOSトランジスタP17およびnMOSトランジスタN15と、pMOSトランジスタP18とNAND回路NA2とを有していてもよい。P17は、ゲートにスイッチSW1が接続され、ソースに電源電位VDDが接続されている。N15は、ゲートにスイッチSW0bが接続され、ソースにP17のドレインが接続され、ドレインに接地電位0Vが接続されている。P18は、ゲートにNAND回路NA2の出力が接続され、ソースに低電源電位VDDLが接続され、ドレインにP17のドレインおよび第3のMOSトランジスタPS1のゲートが接続されている。NAND回路NA2は、入力として、スイッチSW0bの反転信号と、スイッチSW1とが接続されている。
第4スイッチ回路16は、サンプルモードで、スイッチSW0bが正側基準電圧Vを接続している間(図4の丸数字2より前の期間)は、第3のMOSトランジスタPS1のゲートに接地電位0Vを接続して共通端子Cnに基準電圧VREF(=V=0V)を接続し、スイッチSW0bが負側基準電圧Vを接続している間(図4の丸数字2〜3の期間)は、第3のMOSトランジスタPS1のゲートに低電源電位VDDLを接続して共通端子Cnに基準電圧VREFを接続し、電荷再分配モードのとき(図4の丸数字3以降の期間)、第3のMOSトランジスタPS1のゲートに電源電位VDDを接続して、第2のMOSトランジスタNS1と同期して共通端子Cnへの基準電圧VREFの接続を解除するよう構成されている。
これにより、第4スイッチ回路16は、第3のMOSトランジスタPS1をONからOFFに切り換えるとき、そのゲート電圧を0V→VDDL→VDDとすることができ、共通端子Cnが受けるノイズを抑制することができる。なお、図9に示す場合でも、図8に示す第4スイッチ回路16と同様に、許容電圧が低いMOSトランジスタを使用することができ、低価格かつ低消費電力にすることができる。
[第2の実施の形態の逐次比較型AD変換装置30]
図10は、本発明の第2の実施の形態の逐次比較型AD変換装置30を示している。
図10に示すように、本発明の第2の実施の形態の逐次比較型AD変換装置30は、容量がそれぞれC、C/2、・・・、C/2n−1、C/2n−1のn+1個のコンデンサ(nは2以上の整数)と、各コンデンサに対応して設けられたn+1個の切替スイッチS[n-1]、S[n-2]、・・・、S[0]、Sdと、比較部CMPとスイッチS1とを有している。なお、以下の説明では、本発明の第1の実施の形態の逐次比較型AD変換装置10と同一の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
スイッチS1は、比較部CMPの前段で、共通端子Cnと基準電圧VREFとに接続されており、共通端子Cnに対して基準電圧VREFの入力をON/OFF可能に設けられている。以下では、基準電圧VREFは、{(V+V)/2}+ΔV [ここで、ΔV>0]であり、ΔV=(V−V)/2に設定し、VREF=V としている。さらに、負側基準電圧V=0V に設定し、正側基準電圧Vは、電源電位VDDに設定している。
[スイッチS1の構成]
図10(b)に示すように、スイッチS1は、第1スイッチ回路31と第2スイッチ回路32と第1の蓄電部33と第2の蓄電部34と第3スイッチ回路35と第4スイッチ回路36とを有している。また、スイッチS1は、下地がP基板の一般的なMOS構造により、内蔵するnMOSおよびpMOSの基板電圧VPSを高く設定している。具体的には、基板電圧VPSを、V=ΔV+VFP [ここで、VFP>0]に設定している。
図10(b)に示すように、第1スイッチ回路31は、第1レベルシフト回路LS3と第1のMOSトランジスタPS0とを有している。第1レベルシフト回路LS3は、スイッチSW0aにより、電源電位VDDと接地電位0Vとを選択的に切り換えて入力可能になっている。第1レベルシフト回路LS3は、電源電位VDDを入力したとき基板電圧VPSを出力し、接地電位0Vを入力したとき接地電位0Vを出力するようになっている。第1のMOSトランジスタPS0は、pMOSから成り、ゲートに第1レベルシフト回路LS3の反転出力が接続され、ドレインに所定の電位Vが接続され、ソースに基板電圧VPSが接続されている。
第1スイッチ回路31は、スイッチSW0aにより、第1レベルシフト回路LS3の入力を電源電位VDDとしたとき、第1レベルシフト回路LS3が基板電圧VPSを出力し、第1のMOSトランジスタPS0により、基板電圧VPSが所定の電位Vとなるよう構成されている。また、スイッチSW0aにより、第1レベルシフト回路LS3の入力を接地電位0Vとしたとき、第1レベルシフト回路LS3が接地電位0Vを出力し、第1のMOSトランジスタPS0により、基板電圧VPSが所定の電位Vから開放されるよう構成されている。なお、以下では、所定の電位Vを電源電位VDDに設定している。
図10(b)に示すように、第2スイッチ回路32は、第2レベルシフト回路LS4と第2のMOSトランジスタNS1とを有している。第2レベルシフト回路LS4は、第1レベルシフト回路LS3と同じ構成を有している。第2レベルシフト回路LS4は、スイッチSW1により、電源電位VDDと接地電位0Vとを選択的に切り換えて入力可能になっている。第2レベルシフト回路LS4は、電源電位VDDを入力したとき基板電圧VPSを出力し、接地電位0Vを入力したとき接地電位0Vを出力するようになっている。
第2のMOSトランジスタNS1は、nMOSから成り、ゲートに第2レベルシフト回路LS4の出力が接続され、ドレインに共通端子Cnが接続され、ソースに基準電圧VREF(=V=VDD)が接続されている。
第2スイッチ回路32は、スイッチSW1により、第2レベルシフト回路LS4の入力を電源電位VDDとしたとき、第2レベルシフト回路LS4が基板電圧VPSを出力し、第2のMOSトランジスタNS1により、共通端子Cnに基準電圧VREF(=V=VDD)を接続するよう構成されている。また、スイッチSW1により、第2レベルシフト回路LS2の入力を接地電位0Vとしたとき、第2レベルシフト回路LS4が接地電位0Vを出力し、第2のMOSトランジスタNS1により、共通端子Cnへの基準電圧VREFの接続を解除するよう構成されている。
図10(b)に示すように、第1の蓄電部33は、コンデンサから成り、一端が基板電圧VPSに接続され、他端が負側基準電圧Vに接続されている。第2の蓄電部34は、第1の蓄電部33よりも大きい容量を有するコンデンサから成り、一端が基板電圧VPSに接続されている。なお、第1の蓄電部33の容量と第2の蓄電部34の容量の平均値をC(>0)、その平均値Cからの第1の蓄電部33の容量および第2の蓄電部34の容量のずれをΔC(>0)とすると、第1の蓄電部33の容量はC−ΔC、第2の蓄電部34の容量はC+ΔCと表される。なお、Cは、C/8程度の値が好ましい。第3スイッチ回路35は、スイッチSW0bから成り、第2の蓄電部34の他端を、正側基準電圧Vと負側基準電圧Vとに選択的に接続可能に設けられている。
図10(b)に示すように、第4スイッチ回路36は、第3のMOSトランジスタPS1を有している。第3のMOSトランジスタPS1は、pMOSから成り、ゲートに第2レベルシフト回路LS4の反転出力が接続され、ドレインに共通端子Cnが接続され、ソースに基準電圧VREF(=V=VDD)が接続されている。
第4スイッチ回路36は、スイッチSW1により電源電位VDDが入力されたとき、第3のMOSトランジスタPS1により、共通端子Cnに基準電圧VREF(=V=VDD)を接続するよう構成されている。また、スイッチSW1により接地電位0Vが入力されたとき、第3のMOSトランジスタPS1により、第2のMOSトランジスタNS1と同期して、共通端子Cnへの基準電圧VREFの接続を解除するよう構成されている。
[スイッチS1の動作]
スイッチS1は、入力電圧VINをサンプリングするサンプルモードのとき(スイッチS1がONの状態のとき)、第1スイッチ回路31のスイッチSW0aを電源電位VDDに、第2スイッチ回路32のスイッチSW1を電源電位VDDにしておく。これにより、サンプルモードのとき、基板電圧VPSが電源電位VDDとなり、共通端子Cnに基準電圧VREF(=V=VDD)が接続される。また、スイッチS1は、サンプルモードのとき、第3スイッチ回路35を負側基準電圧V(=0V)にしておく。これにより、サンプルモードのとき、基板電圧VPSに接続された第1の蓄電部33および第2の蓄電部34の総電荷量が、Q=−2Cとなる。
サンプルモードから、比較部CMPにより逐次比較を行う電荷再分配モードに切り換えるとき、スイッチS1は、まず、第1スイッチ回路31のスイッチSW0aを電源電位VDDから接地電位0Vに切り換える。これにより、基板電圧VPSが電源電位VDDから開放される。
次に、スイッチS1は、第3スイッチ回路35を負側基準電圧V(=0V)から正側基準電圧V(=VDD)に切り換える。このとき、総電荷量Q=−2Cは保存されるため、
−2C=(C+ΔC)(VPS−V)+(C−ΔC)(VPS−V
となり、基板電圧VPSは、
PS=V=(V−V)/2+ΔC(V−V)/(2C
=ΔV+VFP
となる。ここで、
ΔC=2CFP/(V−V)=2CFP/VDD (2)
である。
次に、スイッチS1は、第2スイッチ回路32のスイッチSW1を電源電位VDDから接地電位0Vに切り換える。これにより、共通端子Cnへの基準電圧VREFの接続が解除される。
[逐次比較型AD変換装置30の作用効果]
逐次比較型AD変換装置30は、基準電圧VREFを正側基準電圧V=VDDにすることにより、入力電圧VINをサンプリングするサンプルモードおよび比較部CMPにより逐次比較を行う電荷再分配モードのときの、基準電圧VREFに対する共通端子Cnの電位VCnが取り得る値の範囲を、(V−V)/2+VDD=ΔV+VDD(=3V/2=3VDD/2)から、VDD−(V−V)/2=VDD−ΔV(=V/2=VDD/2)までの範囲に上げることができる。このため、基準電圧VREFに対する共通端子Cnの電位VCnが取り得る値の範囲の上限の電位が正側基準電圧V(=VDD)よりも高くなったときでも、誤作動等を起こすことなく、正常に作動することができる。また、電荷再分配モードのとき、スイッチS1の基板電圧VPSが、ΔVよりもさらにVFP高い電圧にすることができる。
逐次比較型AD変換装置30は、電荷再分配モードのとき、共通端子Cnが取り得る最高電位、すなわちオーバーシュート発生時の最高電位よりも、基板電圧VPSが大きくなるようVFPを設定しておくことにより、オーバーシュートが発生しても正常に作動することができ、オーバーシュートによる変換誤差を抑制することができる。VFPは、(2)式により、第1の蓄電部33の容量および第2の蓄電部34の容量を調節して、所望の値に設定することができる。
逐次比較型AD変換装置30は、基準電圧VREFに対する共通端子Cnの電位VCnが取り得る値の範囲の下限の電位が、負側基準電圧Vよりも高いため、アンダーシュートが発生しても正常に作動することができ、アンダーシュートによる変換誤差を抑制することもできる。このように、逐次比較型AD変換装置30は、オーバーシュートおよびアンダーシュートの発生を許容して対策を行うものであり、特許文献1や特許文献2に記載のような特殊な回路構成を追加することなく、比較的簡単な回路構成で、高速かつ低消費電力でAD変換を行うことができる。
逐次比較型AD変換装置30は、サンプルモードから電荷再分配モードに切り換えるとき、第1スイッチ回路31のスイッチSW0a、第3スイッチ回路35のスイッチSW0b、第2スイッチ回路32(および第4スイッチ回路36)のスイッチSW1の順に切り換えることにより、共通端子Cnの電位VCnを電荷再分配モードの直前まで基準電圧VREFに保持しておくことができ、誤差の発生を防ぐことができる。具体的には、第2スイッチ回路32のスイッチSW1を、第3スイッチ回路35のスイッチSW0bより先に切り換えると、オーバーシュートやアンダーシュートがなくても、共通端子Cnが基板電圧VPSの変化を受けてしまい、誤差が発生してしまうが、上記に示す順に切り換えることにより、その誤差の発生を防ぐことができる。
[チョッパ型比較器を有する変型例]
図11に示すように、逐次比較型AD変換装置10および逐次比較型AD変換装置30は、比較部CMPが、MOSトランジスタを有するチョッパ型比較器から成っていてもよい。この場合、チョッパ型比較器の一方の入力の基準電圧VREFを、それぞれ負側基準電圧Vまたは正側基準電圧Vとし、スイッチS2に含まれるMOSトランジスタの基板電圧を、スイッチS1の基板電圧VPSと等しくなるよう構成すればよい。
10 逐次比較型AD変換装置
11 第1スイッチ回路
12 第2スイッチ回路
13 第1の蓄電部
14 第2の蓄電部
15 第3スイッチ回路
16 第4スイッチ回路
21 第1シフト部
22 第2シフト部

LS1 第1レベルシフト回路
LS2 第2レベルシフト回路
NS0 第1のMOSトランジスタ
NS1 第2のMOSトランジスタ
PS1 第3のMOSトランジスタ
PS1a 第4のMOSトランジスタ

S[n-1]、S[n-2]、・・・、S[0]、Sd 切替スイッチ
CMP 比較部
S1,SW0a,SW0b,SW1 スイッチ
P10〜P18 pMOSトランジスタ
N10〜N15 nMOSトランジスタ
IV1〜IV4 インバータ
NA1,Na2 NAND回路

30 逐次比較型AD変換装置
31 第1スイッチ回路
32 第2スイッチ回路
33 第1の蓄電部
34 第2の蓄電部
35 第3スイッチ回路
36 第4スイッチ回路

LS3 第1レベルシフト回路
LS4 第2レベルシフト回路
PS0 第1のMOSトランジスタ

Claims (25)

  1. 一端が共通端子に接続され、他端にそれぞれ入力電圧(VIN)と正側基準電圧(V)と負側基準電圧(V)とを選択的に入力可能に設けられたた複数のコンデンサと、前記共通端子の電位(VCn)と基準電圧(VREF)とを比較する比較部と、前記比較部の前段で、前記共通端子に対して前記基準電圧の入力をON/OFF可能に設けられたスイッチとを有する逐次比較型AD変換装置であって、
    前記基準電圧は、{(V+V)/2}−ΔV [ここで、ΔV>0]であり、
    前記スイッチは、MOSトランジスタを有し、前記入力電圧をサンプリングするとき、ONになって前記共通端子に前記基準電圧を入力するとともに、前記MOSトランジスタの基板電圧(VPS)が所定の電位(V≦VREF)となり、前記比較部により逐次比較を行うとき、OFFになるとともに、前記基板電圧が、V−(ΔV+VFP) [ここで、VFP>0]となるよう構成されており、
    FP は、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記基板電圧が、前記共通端子が取り得る最低電位よりも小さくなるよう設定されており、
    前記スイッチは、
    前記入力電圧をサンプリングするとき、前記基板電圧を前記所定の電位にし、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記基板電圧を前記所定の電位から開放するよう設けられた第1スイッチ回路と、
    前記入力電圧をサンプリングするとき、前記共通端子に前記基準電圧を接続し、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記共通端子への前記基準電圧の接続を解除するよう設けられた第2スイッチ回路と、
    一端が前記基板電圧に接続され、他端が前記正側基準電圧に接続された第1の蓄電部と、
    一端が前記基板電圧に接続され、前記第1の蓄電部よりも大きい容量を有する第2の蓄電部と、
    前記入力電圧をサンプリングするとき、前記第2の蓄電部の他端に前記正側基準電圧を接続し、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記第2の蓄電部の他端に前記負側基準電圧を接続するよう設けられた第3スイッチ回路とを有し、
    前記第1スイッチ回路および前記第2スイッチ回路に、前記MOSトランジスタがそれぞれ1または複数含まれていることを
    特徴とする逐次比較型AD変換装置。
  2. ΔV=(V−V)/2であり、前記基準電圧は前記負側基準電圧であることを特徴とする請求項1記載の逐次比較型AD変換装置。
  3. 前記所定の電位は前記負側基準電圧であることを特徴とする請求項2記載の逐次比較型AD変換装置。
  4. 前記負側基準電圧は0Vであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の逐次比較型AD変換装置。
  5. ≧0V、ΔV=(V+V)/2であり、前記基準電圧は0Vであることを特徴とする請求項1記載の逐次比較型AD変換装置。
  6. 前記第1の蓄電部の容量を C−ΔC、前記第2の蓄電部の容量を C+ΔCとすると[ここで、C>0、ΔC>0]、
    ΔC=2×C×VFP/(V−V
    であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の逐次比較型AD変換装置。
  7. 前記入力電圧のサンプリングの状態から前記比較部による逐次比較の状態に切り換えるとき、前記第1スイッチ回路、前記第3スイッチ回路、前記第2スイッチ回路の順に切り換えるよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の逐次比較型AD変換装置。
  8. 前記第1スイッチ回路は、
    所定の電源電位で稼働し、前記電源電位を入力したとき前記電源電位を出力し、接地電位を入力したとき前記基板電圧を出力するよう設けられた第1レベルシフト回路と、
    ゲートに前記第1レベルシフト回路の出力が接続され、ドレインが前記所定の電位に接続され、ソースに前記基板電圧が接続された第1のMOSトランジスタとを有し、
    前記入力電圧をサンプリングするとき、前記第1レベルシフト回路の入力を前記電源電位とし、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記第1レベルシフト回路の入力を前記接地電位とするよう構成されていることを
    特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の逐次比較型AD変換装置。
  9. 前記第1レベルシフト回路は、
    前記電源電位より低い低電源電位により稼働し、前記電源電位を入力したとき接地電位を出力し、接地電位を入力したとき前記低電源電位を出力するよう設けられたインバータ部と、
    前記インバータ部の出力を入力とし、前記接地電位を入力したとき前記基板電圧を出力し、前記低電源電位を入力したとき前記低電源電位を出力するよう設けられた第1シフト部と、
    前記第1シフト部の出力を入力とし、前記基板電圧を入力したとき前記電源電位を出力し、前記低電源電位を入力したとき前記基板電圧を出力するよう設けられた第2シフト部とを、
    有することを特徴とする請求項記載の逐次比較型AD変換装置。
  10. 前記第2スイッチ回路は、
    所定の電源電位で稼働し、前記電源電位を入力したとき前記電源電位を出力し、接地電位を入力したとき前記基板電圧を出力するよう設けられた第2レベルシフト回路と、
    ゲートに前記第2レベルシフト回路の出力が接続され、ドレインに前記共通端子が接続され、ソースに前記基準電圧が接続された第2のMOSトランジスタとを有し、
    前記入力電圧をサンプリングするとき、前記第2レベルシフト回路の入力を前記電源電位とし、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記第2レベルシフト回路の入力を前記接地電位とするよう構成されていることを
    特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の逐次比較型AD変換装置。
  11. 前記第2レベルシフト回路は、
    前記電源電位より低い低電源電位により稼働し、前記電源電位を入力したとき接地電位を出力し、接地電位を入力したとき前記低電源電位を出力するよう設けられたインバータ部と、
    前記インバータ部の出力を入力とし、前記接地電位を入力したとき前記基板電圧を出力し、前記低電源電位を入力したとき前記低電源電位を出力するよう設けられた第1シフト部と、
    前記第1シフト部の出力を入力とし、前記基板電圧を入力したとき、前記第3スイッチ回路が前記第2の蓄電部の他端に前記正側基準電圧を接続している間は、前記電源電位を出力し、前記第3スイッチ回路が前記第2の蓄電部の他端に前記負側基準電圧を接続している間は、前記低電源電位を出力し、前記低電源電位を入力したとき前記基板電圧を出力するよう設けられた第2シフト部とを、
    有することを特徴とする請求項10記載の逐次比較型AD変換装置。
  12. ゲートに前記第2レベルシフト回路の入力が接続され、ドレインに前記共通端子が接続され、ソースに前記基準電圧が接続された第3のMOSトランジスタを有し、前記入力電圧をサンプリングするとき、前記共通端子に前記基準電圧を接続し、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記第2のMOSトランジスタと同期して、前記共通端子への前記基準電圧の接続を解除するよう設けられた第4スイッチ回路を有することを特徴とする請求項10または11記載の逐次比較型AD変換装置。
  13. ゲートに前記電源電位と前記低電源電位と接地電位とを選択的に接続可能であり、ドレインに前記共通端子が接続され、ソースに前記基準電圧が接続された第3のMOSトランジスタを有し、前記入力電圧をサンプリングするとき、前記第3スイッチ回路が前記第2の蓄電部の他端に前記正側基準電圧を接続している間は、前記ゲートに接地電位を接続して前記共通端子に前記基準電圧を接続し、前記第3スイッチ回路が前記第2の蓄電部の他端に前記負側基準電圧を接続している間は、前記ゲートに前記低電源電位を接続して前記共通端子に前記基準電圧を接続し、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記第2のMOSトランジスタと同期して、前記ゲートに前記電源電位を接続して前記共通端子への前記基準電圧の接続を解除するよう設けられた第4スイッチ回路を有することを特徴とする請求項10または11記載の逐次比較型AD変換装置。
  14. 前記第4スイッチ回路は、前記共通端子と前記基準電圧との間に、前記第3のMOSトランジスタと直列に接続された第4のMOSトランジスタを有していることを特徴とする請求項12または13記載の逐次比較型AD変換装置。
  15. 一端が共通端子に接続され、他端にそれぞれ入力電圧(VIN)と正側基準電圧(V)と負側基準電圧(V)とを選択的に入力可能に設けられたた複数のコンデンサと、前記共通端子の電位(VCn)と基準電圧(VREF)とを比較する比較部と、前記比較部の前段で、前記共通端子に対して前記基準電圧の入力をON/OFF可能に設けられたスイッチとを有する逐次比較型AD変換装置であって、
    前記基準電圧は、{(V+V)/2}+ΔV[ここで、ΔV>0]であり、
    前記スイッチは、MOSトランジスタを有し、前記入力電圧をサンプリングするとき、ONになって前記共通端子に前記基準電圧を入力するとともに、前記MOSトランジスタの基板電圧(VPS)が所定の電位(V≧VREF)となり、前記比較部により逐次比較を行うとき、OFFになるとともに、前記基板電圧が、V+ΔV+VFP [ここで、VFP>0]となるよう構成されており、
    FP は、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記基板電圧が、前記共通端子が取り得る最高電位よりも大きくなるよう設定されており、
    前記スイッチは、
    前記入力電圧をサンプリングするとき、前記基板電圧を前記所定の電位にし、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記基板電圧を前記所定の電位から開放するよう設けられた第1スイッチ回路と、
    前記入力電圧をサンプリングするとき、前記共通端子に前記基準電圧を接続し、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記共通端子への前記基準電圧の接続を解除するよう設けられた第2スイッチ回路と、
    一端が前記基板電圧に接続され、他端が前記負側基準電圧に接続された第1の蓄電部と、
    一端が前記基板電圧に接続され、前記第1の蓄電部よりも大きい容量を有する第2の蓄電部と、
    前記入力電圧をサンプリングするとき、前記第2の蓄電部の他端に前記負側基準電圧を接続し、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記第2の蓄電部の他端に前記正側基準電圧を接続するよう設けられた第3スイッチ回路とを有し、
    前記第1スイッチ回路および前記第2スイッチ回路に、前記MOSトランジスタがそれぞれ1または複数含まれていることを
    特徴とする逐次比較型AD変換装置。
  16. ΔV=(V−V)/2であり、前記基準電圧は前記正側基準電圧であることを特徴とする請求項15記載の逐次比較型AD変換装置。
  17. 前記所定の電位は前記正側基準電圧であることを特徴とする請求項16記載の逐次比較型AD変換装置。
  18. 前記正側基準電圧は電源電位(VDD)であることを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載の逐次比較型AD変換装置。
  19. ≦VDD、前記基準電圧は電源電位(VDD)であることを特徴とする請求項15記載の逐次比較型AD変換装置。
  20. 前記第1の蓄電部の容量を C−ΔC、前記第2の蓄電部の容量を C+ΔCとすると[ここで、C>0、ΔC>0]、
    ΔC=2×C×VFP/(V−V) (VFPを決めるための式)
    であることを特徴とする請求項15乃至19のいずれか1項に記載の逐次比較型AD変換装置。
  21. 前記入力電圧のサンプリングの状態から前記比較部による逐次比較の状態に切り換えるとき、前記第1スイッチ回路、前記第3スイッチ回路、前記第2スイッチ回路の順に切り換えるよう構成されていることを特徴とする請求項15乃至20のいずれか1項に記載の逐次比較型AD変換装置。
  22. 前記第1スイッチ回路は、
    前記電源電位で稼働し、前記電源電位を入力したとき前記基板電圧を出力し、接地電位を入力したとき前記接地電位を出力するよう設けられた第1レベルシフト回路と、
    ゲートに前記第1レベルシフト回路の反転出力が接続され、ドレインが前記所定の電位に接続され、ソースに前記基板電圧が接続された第1のMOSトランジスタとを有し、
    前記入力電圧をサンプリングするとき、前記第1レベルシフト回路の入力を前記電源電位とし、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記第1レベルシフト回路の入力を前記接地電位とするよう構成されていることを
    特徴とする請求項15乃至21のいずれか1項に記載の逐次比較型AD変換装置。
  23. 前記第2スイッチ回路は、
    前記電源電位で稼働し、前記電源電位を入力したとき前記基板電圧を出力し、接地電位を入力したとき前記接地電位を出力するよう設けられた第2レベルシフト回路と、
    ゲートに前記第2レベルシフト回路の出力が接続され、ドレインに前記共通端子が接続され、ソースに前記基準電圧が接続された第2のMOSトランジスタとを有し、
    前記入力電圧をサンプリングするとき、前記第2レベルシフト回路の入力を前記電源電位とし、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記第2レベルシフト回路の入力を前記接地電位とするよう構成されていることを
    特徴とする請求項15乃至22のいずれか1項に記載の逐次比較型AD変換装置。
  24. ゲートに前記第2レベルシフト回路の反転出力が接続され、ドレインに前記共通端子が接続され、ソースに前記基準電圧が接続された第3のMOSトランジスタを有し、前記入力電圧をサンプリングするとき、前記共通端子に前記基準電圧を接続し、前記比較部により逐次比較を行うとき、前記第2のMOSトランジスタと同期して、前記共通端子への前記基準電圧の接続を解除するよう設けられた第4スイッチ回路を有することを特徴とする請求項23記載の逐次比較型AD変換装置。
  25. 前記比較部は、MOSトランジスタを有するチョッパ型比較器を有し、そのチョッパ型比較器のMOSトランジスタの基板電圧が、前記スイッチの基板電圧と等しくなるよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至24のいずれか1項に記載の逐次比較型AD変換装置。
JP2016147004A 2016-07-27 2016-07-27 逐次比較型ad変換装置 Active JP6717471B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016147004A JP6717471B2 (ja) 2016-07-27 2016-07-27 逐次比較型ad変換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016147004A JP6717471B2 (ja) 2016-07-27 2016-07-27 逐次比較型ad変換装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018019197A JP2018019197A (ja) 2018-02-01
JP6717471B2 true JP6717471B2 (ja) 2020-07-01

Family

ID=61082054

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016147004A Active JP6717471B2 (ja) 2016-07-27 2016-07-27 逐次比較型ad変換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6717471B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018019197A (ja) 2018-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI443969B (zh) 以動態比較器為基礎的比較系統
US10135457B2 (en) Successive approximation register analog-digital converter having a split-capacitor based digital-analog converter
JP5648690B2 (ja) コンパレータ及びそれを備えるad変換器
JP5917710B2 (ja) Ad変換器
US10090851B2 (en) Successive approximation type analog-to-digital (A/D) converter
WO2012129163A2 (en) Systems and methods for providing a pipelined anal og-to-digital converter
CN102379085B (zh) 逐次比较型ad变换电路
US9041584B2 (en) Dual-path comparator and method
JP2019097121A (ja) ラッチドコンパレータ
JP2008042815A (ja) 基準電圧発生回路及びそれを用いたパイプライン型アナログ/ディジタル変換器
JP6717471B2 (ja) 逐次比較型ad変換装置
US20100289683A1 (en) Reference voltage generation circuit, a/d converter and d/a converter
JP4639162B2 (ja) アナログ・ディジタル変換器
CN107171667B (zh) 逐次逼近型模数转换器及其自检测方法
JP5561039B2 (ja) アナログ・デジタル変換器およびシステム
JP2005295315A (ja) 逐次比較型a/d変換器およびコンパレータ
JP2019186842A (ja) Ad変換器
WO2010038575A1 (ja) 逐次比較型ad変換回路および制御用半導体集積回路
JP7288645B2 (ja) Ad変換器
TWI707547B (zh) 類比數位轉換器裝置與具雜訊整形的數位斜率式類比數位轉換器電路系統
JP6749638B2 (ja) 逐次比較型ad変換装置
JP3993819B2 (ja) Ad変換器
JP2004260263A (ja) Ad変換器
JP6618701B2 (ja) 高分解能アナログ・デジタル変換器
WO2022085324A1 (ja) 逐次比較型アナログ/デジタル変換器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160728

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161208

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191126

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200123

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20200124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200312

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20200313

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200519

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200529

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6717471

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250