JP6713856B2 - ダクト構成部材および鉄道車両 - Google Patents
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Description
このようにすれば、ダクト部からの冷風を複数のプレナム室に取り込んで吹き出すので、一つのダクト構成部材からまんべんなく冷風を吹き出すことができる。
また、一つのダクト構成部材に一つの大きなプレナム室とすると、略半円状とするのに高さが必要となり、ダクト構成スペースの設置スペースを広く取る必要が生じるが、上述したようにすることで、一つ一つのプレナム室の大きさを小さくすることができ、ダクト構成部材を薄くすることができる。
このようにすれば、ダクト部を形成する部材に別途プレナム室を取り付けるよりも簡単にダクト構成部材を形成することができる。
このようにすれば、ダクト部内の清掃や、仕切板に形成されている通気孔の調整(開口率の変更等)といったメンテナンス作業を容易に行うことができる。
従来の鉄道車両は、冷風が吹き出し口から車体の長手方向端部の方に向かって斜めに吹き出していた。このため、車体の長手方向端部ばかり温度が下がってしまっていた。しかし、上述したようにすれば、ダクト構成部材の真下に冷風が吹き出るので、車体の長手方向端部の空間のみ温度が下がる事態を緩和することができる。
特に、冷風が届きにくかった、車体中間部における空調用ダクトを本発明で構成すれば、より一層車内の温度差を小さくすることができる。
従来は、空調用ダクトを、車体の長手方向端部に向かうに従って細くなるようにし、冷風を端部まで流れにくくすることで、車体全体の吹き出し量を調節していたが、このようにすると、空調用ダクトを構成するのに、ダクト部の太さの異なる複数種類のダクト構成部材を用意する必要があった。しかし、上述したようにすれば、ダクト部の太さに差をつけなくても、すなわち、1種類のダクト構成部材のみを用いても、全体からまんべんなく冷風を吹き出すことが可能な空調用ダクトを構成することができるので、本発明をより低コストで製造することができる。
まず、本実施形態の鉄道車両1の概略構成について説明する。図1は本実施形態の鉄道車両1を示した斜視図である。
鉄道車両1は、直方体箱状の車体2と、車体2の屋根上に取り付けられた冷房装置本体3、車体2の天井裏に、車体2の長手方向に沿って設けられた空調用ダクト4等で構成されている。なお、図1には、冷房装置本体3を屋根の中央部に取り付けた鉄道車両1を例示したが、本発明は、それ以外の箇所(例えば端部)に取り付けられた鉄道車両にも適用可能である。
冷房装置本体3は、コンプレッサーや熱交換器、送風ファン等を備え、取り込んだ外気を冷却して下面に設けられた図示しない吹き出し口から吹き出すように構成されている。
空調用ダクト4は、冷房装置本体3の下に配置される箱状の冷風分配部材5、冷風分配部材5の車体2の長手方向両端に接続された複数のダクト構成部材6からなる。
冷風分配部材5は、上面が大きく開口した箱状の部材で、車体2の長手方向を向く両側面の、車体短手方向両端部に開口5aがそれぞれ形成されている。そして、上に配置された冷房装置本体3からの冷風を受け入れ、各開口5aからダクト構成部材6へと送り出すようになっている。
ダクト構成部材6は、図2に示したように、一対の直方体状の筒体61、筒体61と筒体61とを繋ぎ合わせる連結部材62、各筒体61の中に配設された仕切板63等で構成されている。
筒体61は、長手方向両端に開口61aが形成されている。一対の筒体61は、互いに所定間隔を空けてそれぞれの軸(貫通方向)が平行となるように連結されている。
仕切板63には、図2〜4に示したように、通気孔63aが複数形成されている。これにより、ダクト部64とプレナム室65とが連通し、ダクト部64からプレナム室65へと空気の通り抜けが可能となっている。
従来のプレナム室は、単にメインダクトと平行に伸びる流路のようになっていたため、プレナム室へ移ってきた冷風は、その後も勢いを保ち続け、吹き出し口から車体の長手方向端部の方へ向かって斜めに吹き出してしまっていた。
しかし、本実施形態のプレナム室65は、隔壁61dによって仕切られるとともに、その内壁面を筒体61の側面と平行な平面で切断した時の輪郭が上に凸の略半円状となっているので、通気口63aからプレナム室65に移った冷風は、プレナム室65の内壁面に当たって勢いがそがれる。また、勢いをそがれた冷風は、内壁面の曲面によって、図5(a)に示したように、車体短手方向から見たときの流れが下方向きに整えられるとともに、図5(b)に示したように、車体長手方向から見た時の流れも下方向きに整えられる。その結果、冷風が吹き出し口65aから鉛直下方に吹き出され、車体の長手方向端部の空間のみ温度が下がる事態を抑制することができる。
また、ダクト部64からの冷風を複数のプレナム室65に取り込んで吹き出すので、一つのダクト構成部材6からまんべんなく冷風を吹き出すことができる。
遮蔽部材66、66Aは、取り付け位置に応じて大きさや形状を異ならせることで、仕切板63の開口率を任意に調節できるようになっている。車体2の長手方向端部を構成するダクト構成部材6は、こうした遮蔽部材66,66Aが取り付けられることにより、冷風がダクト部64からプレナム室65へ移りにくくなっている。
従来は、メインダクトを、車体の長手方向端部に向かうに従って細くなるようにし、冷風を端部に流れ込みにくくすることで対応していたが、この方法では、空調用ダクトを構成するのに、ダクト部の太さの異なる複数種類のダクト構成部材を用意する必要があった。
しかし、本実施形態のメインダクト4aは、上述したように、空調用ダクト4を、同一のダクト構成部材6のみで、何処においても同じ太さとなるように構成され、冷風量が多くなり易い車体2の長手方向端部のダクト構成部材6に遮蔽部材66,66Aを取り付けることで冷風の吹き出し量を調節している。このため、空調用ダクト4を構成するための部材の種類を少なくすることができ、空調用ダクト4および鉄道車両1をより低コストで製造することができる。
例えば、本実施形態では、筒体61の中を仕切板63で仕切ることによりダクト部64とプレナム室65とを構成するようにしたが、ダクト部64の側面にプレナム室65を別途設けるようにしてもよい。
また、遮蔽部材66,66A〜66Cを、複数の通気孔63aを一度に塞ぐことのできる板状のものとしたが、小型の部材を各通気孔63aに別々に嵌め込むようにしてもよい。
2 車体
21 乗降口
3 冷房装置本体
4 空調用ダクト
4a メインダクト
5 冷風分配部材
5a 開口
6 ダクト構成部材
61 筒体
61a 開口
61b ヒンジ
61c 扉
61d 隔壁
62 連結部材
63 仕切板
63a 通気孔
64 ダクト部
65 プレナム室
65a 吹き出し口
66,66A〜66C 遮蔽部材
Claims (6)
- 両端が開口した筒状のダクト部を有し、互いの開口が連通するように複数繋ぎ合わせることで空調用ダクトを形成可能なダクト構成部材であって、
前記ダクト部の側面に設けられ、前記ダクト部と通気孔によって連通するとともに、下面に吹き出し口が形成されたプレナム室を備え、
前記プレナム室の内側空間を形成する壁面を、前記ダクト部の側面と平行な平面で切断した時の輪郭が、上に凸の略半円状となっていることを特徴とするダクト構成部材。 - 前記プレナム室は、前記ダクト部の貫通方向に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のダクト構成部材。
- 両端が開口した直方体状の筒体と、
通気孔の形成された板状をなし、前記筒体の中に、当該筒体の側面と平行に配設された仕切板と、を備え、
前記仕切板によって、前記筒体の中が、前記ダクト部と、前記プレナム室と、に仕切られていることを特徴とする請求項1または2に記載のダクト構成部材。 - 前記筒体の、前記ダクト部を構成する部位の下面は、開閉可能な扉となっていることを特徴とする請求項3に記載のダクト構成部材。
- 車体の屋根上に取り付けられた冷房装置本体と、
前記車体の天井裏に前記車体の長手方向に沿って設けられ前記冷房装置本体と接続された空調用ダクトと、を備えた鉄道車両であって、
前記空調用ダクトの少なくとも一部が、請求項1から4の何れか一項に記載のダクト構成部材によって構成されていることを特徴とする鉄道車両。 - 前記空調用ダクトが、全て請求項1から4の何れか一項に記載のダクト構成部材で構成されており、
少なくとも車体の長手方向両端部に配置された前記ダクト構成部材に、前記通気孔の一部を塞いで開口率を下げる遮蔽部材が取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の鉄道車両。
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