JP6713231B2

JP6713231B2 - 拡張ベッドを備えた竪型射出成形機

Info

Publication number: JP6713231B2
Application number: JP2018131876A
Authority: JP
Inventors: 清貴中山
Original assignee: Japan Steel Works Ltd
Current assignee: Japan Steel Works Ltd
Priority date: 2018-07-11
Filing date: 2018-07-11
Publication date: 2020-06-24
Anticipated expiration: 2038-07-11
Also published as: JP2020006644A

Description

本発明は、型締装置と射出装置とからなり、型締装置の固定盤がベッドの天板に設けられている竪型射出成形機に関するものである。

竪型射出成形機は、例えば特許文献１に記載されているように従来周知であり、一対の金型を上下方向に型開閉する型締装置、型締めされた金型に溶融樹脂を射出する射出装置とから概略構成されている。型締装置がトグル式からなる場合には、型締装置は固定盤と、上可動盤と下可動盤と、複数本のタイバーと、トグル機構とからなる。固定盤はベッドの天板に固定されており、タイバーが固定盤を貫通している。そして、それらのタイバーの上端部に上可動盤が、下端部に下可動盤が設けられている。トグル機構が下可動盤と固定盤の間に設けられ、トグル機構を駆動すると固定盤に対して上可動盤と下可動盤とが駆動される。すなわち型開閉される。トグル機構と下可動盤はベッド内に収納されており、射出装置は上可動盤の上部に設けられている。竪型射出成形機には、必要に応じて固定盤の上に回転盤が設けられることがあるが、下側金型は固定盤または回転盤に設けられる。そして上側金型が上可動盤に取付けられる。型締装置を駆動すると、これらの金型は上下に型開閉される。このような竪型射出成形機は、インサート品をインサートして射出成形するインサート成形に適しているし、射出装置が型締装置の上方に配置されるので必然的に設置するためのスペースが小さくて済む。このように竪型射出成形機には優れた特徴がある。

特開２０１７−７１０６０号公報

ところで、近年の竪型射出成形機の性能向上は著しいが、トグル機構の形状に改良が加えられたり、ベッド内の配置が見直されたり等して、高い性能を備えながらも従来より小型の竪型射出成形機が提供されるようになってきている。小型の竪型射出成形機は工場における設置スペースが小さくて済みコストが小さくてすむ。竪型射出成形機はベッドの上面の複数箇所にボルト穴が設けられており、いわゆるアイボルトを取付けて吊り上げて運ぶが、ベッドが小型であればアイボルトの取付け間隔も短く、吊り下げが容易で搬入・搬出は容易である。しかしながら竪型射出成形機が小型化すると、問題も生じる。竪型射出成形機には、必要に応じてその機能を拡張するための付帯機器を設ける必要があるが、そのような機器を設置するスペースが限られる点である。付帯機器として、例えば金型内の中子を駆動する油圧装置、金型段取装置等があるが、このような付帯機器はベッド上に置きたい。しかしながら、ベッドの大きさに制約があり所望の箇所に載置することができない。また、安全ドアはベッドの端部に型締装置を覆うように設けられていて、これも付帯機器の一種と考えることができるが、ベッドが小さいと、安全ドアが固定盤の近傍に設けられることになり、安全ドアの内側のスペースが狭くなって、ますます他の付帯機器の設置場所が無くなってしまう。ところでこのような問題を解決するために、予め十分な広さを備えたベッドを用意する方法が考えられる。しかしながら、付帯機器は不要な場合もあるし、複数個必要な場合もあり、どのような場合にも対応できるようにするには相当広いベッドを用意しなければならない。そうするとベッドに要するコストが大きくなるし、できるだけ小さくすることが好ましい設置面積は、不必要に大きくなる。さらには竪型射出成形機の搬入・搬出のコストも大きくなる。

本発明は、上記したような問題点を解決した、竪型射出成形機を提供することを目的としており、具体的には、竪型射出成形機に必要な付帯機器の有無に拘わらず、そして付帯機器がある場合にその個数の多少に拘わらず、工場における設置面積が不必要に大きくなることがなく、必要な付帯機器をベッド上に載置することができる竪型射出成形機を提供することを目的としている。

本発明は、上記目的を達成するために、型締装置の固定盤がベッドの天板に固定されている竪型射出成形機を対象とする。本発明の竪型射出成形機は、着脱自在な拡張ベッドを備える。拡張ベッドは、ベッドの側部において側方に開口するように設けられているナットに吊りフック用ボルトを締め付けることによってベッドの側部に取付けられるように構成する。拡張ベッドには吊りフック用ボルトの取付け位置に整合して所定幅のスリットが形成されている。竪型射出成形機を吊り下げ用フックにより吊り上げるとき、吊り下げ用フックをスリットから差入れて吊りフック用ボルトの頭部に係合させるようになっている。なお、拡張ベッドは、ベッドに取付けられた状態において、その上面がベッドの上面と実質的に同一の高さになるように構成する。

かくして、請求項１に記載の発明は、上記目的を達成するために、型締装置の固定盤がベッドの天板に固定されている竪型射出成形機であって、前記竪型射出成形機は前記ベッドをその側方に拡張する拡張ベッドが着脱自在に取付けられるようになっており、前記拡張ベッドは前記ベッドの側部において側方に開口するように設けられている複数個のナットに所定形状の頭部を備えた吊りフック用ボルトを締め付けて取付けられるようになっており、前記拡張ベッドには前記吊りフック用ボルトの取付け位置に整合して所定幅のスリットが形成され、前記竪型射出成形機を吊り下げ用フックにより吊り上げるとき、前記吊り下げ用フックを前記スリットから差入れて前記吊りフック用ボルトの頭部に係合させるようになっていることを特徴とする竪型射出成形機として構成される。
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の竪型射出成形機において、前記拡張ベッドは、前記ベッドに取付けられた状態において、その上面が前記ベッドの上面と実質的に同一の高さになっていることを特徴とする竪型射出成形機として構成される。

以上のように、本発明は、型締装置の固定盤がベッドの天板に固定されている竪型射出成形機を対象としている。そして竪型射出成形機はベッドをその側方に拡張する拡張ベッドが着脱自在に取付けられるようになっており、拡張ベッドはベッドの側部において側方に開口するように設けられている複数個のナットに所定形状の頭部を備えた吊りフック用ボルトを締め付けて取付けられるように構成されている。従って、竪型射出成形機のベッドを予め広くする必要はなく、付帯機器を載置する場合には必要に応じて拡張ベッドを設けるだけで済む。拡張ベッドは適宜適切な広さのものを選定すればよく、載置する付帯機器の台数の寡少に拘わらず対応することができる。さらに拡張ベッドは、ベッドの天板において固定されるのではなく、ベッドの側部において固定されるようになっているので、ベッドの天板に設けられている固定盤や、回転盤を妨げることもない。そして本発明によると、拡張ベッドには吊りフック用ボルトの取付け位置に整合して所定幅のスリットが形成され、竪型射出成形機を吊り下げ用フックにより吊り上げるとき、吊り下げ用フックをスリットから差入れて吊りフック用ボルトの頭部に係合させるようになっている。そうすると拡張ベッドを取付けた状態であっても拡張ベッドを取り外すこと無く竪型射出成形機を吊り上げて搬入・搬出することができる。他の発明によると、拡張ベッドは、ベッドに取付けられた状態において、その上面がベッドの上面と実質的に同一の高さになる。そうするとベッドと拡張ベッドとは連続することになり、使い勝手がよい。

本発明の実施の形態に係る竪型射出成形機を示す正面図である。その（ア）は、本実施の形態に係る竪型射出成形機のベッドの一部を示す斜視図、その（イ）はベッドに本実施の形態に係る拡張ベッドを取付けた状態の、ベッドの一部と拡張ベッドとを示す斜視図、その（ウ）は拡張ベッドを取付けるためのものであると共に吊り下げ用フックを係合できる吊りフック用ボルトを示す斜視図、その（エ）は従来のアイボルトを示す斜視図である。

以下、本実施の形態について説明する。図１に示されているように、本実施の形態に係る竪型射出成形機１は従来の竪型射出成形機と同様に構成されている。すなわち、型締装置２と、この型締装置２の上部に設けられている射出装置３とからなる。型締装置２は、竪型射出成形機１を支持するベッド４と一体的に設けられており、ベッド４の天板に固定されている固定盤５と、この固定盤５の上方に配置されている上可動盤６と、固定盤５の下方に配置されている下可動盤と、固定盤５を摺動自在に貫通し上可動盤６と下可動盤とを連結している複数本のタイバー９、９、…と、固定盤５と下可動盤の間に設けられているトグル機構とから構成されている。下可動盤とトグル機構はベッド４内に収納されているので、図１には示されていない。固定盤５の上面には下側金型１０が、上可動盤６の下面には上側金型１１が設けられ、トグル機構を駆動するとこれらの金型１０、１１が型開閉されるようになっている。図１には示されていないが、上可動盤６の中央部にはくり抜きが明けられ、上方から射出装置３が挿入されて、上側金型１１の図示されないスプルに射出装置３の射出ノズル１３が当接するようになっている。

本実施の形態に係る竪型射出成形機１のベッド４は、その側部において、図２の（ア）に示されているように、ナット１６、１６が埋め込まれている。つまりナット１６、１６がその雌ネジの穴が側方に開口するように設けられている。本実施の形態に係る竪型射出成形機１は、これらのナット１６、１６によって、次に説明する拡張ベッド１５が取付けられるようになっている。実は、これらのナット１６、１６は、本実施の形態に係る竪型射出成形機１を吊り下げるときに使用されるものであり、一般的な竪型射出成形機に設けられているナットの位置とは異なっている。すなわち一般的な竪型射出成形機においては、複数個のナットはベッドの上面に上方に開口するように埋め込まれており、図２の（エ）に示されているようなアイボルト１８が取付けられるようになっている。アイボルト１８の吊環に所定の吊り下げ用フックを係合すると竪型射出成形機を吊り下げることができる。しかしながら本実施の形態に係る竪型射出成形機１においては前記したようにナット１６、１６の取付け位置はベッド４の側方になっている。仮に、側方に設けられているこれらのナット１６、１６にアイボルト１８を取付けて竪型射出成形機１を吊り下げようとすると、アイボルト１８には強い曲げモーメントが作用してアイボルト１８の根元が変形したりナット１６、１６が破損してしまう。アイボルト１８は垂直に吊り上げるように設計されているからである。本実施の形態においては、吊り下げ用に使用されるボルトは後で説明するように特殊な形状のものが採用されており、吊り下げ時に作用する曲げモーメントによってボルトやナット１６、１６は破損しない。つまり特殊な形状のボルトを採用することによって、吊り下げ用のナット１６、１６は、その配置として一般的には不向きな、ベッド４の側方において埋め込むことが可能になっている。

本実施の形態に係る拡張ベッド１５は、側方から見た様子が図１に、斜めから見た様子が図２の（イ）に示されている。拡張ベッド１５は、長方形状の所定厚さの２枚の板部から形成されており、ベッド４の側部に当接する垂直板部１９と、この固定板部１９に対して直角に固着されている水平板部２０とから構成されている。拡張ベッド１５には、垂直板部１９と水平板部２０を接続する補強用リブ２１、２１、…が設けられ強度が確保されている。本実施の形態においては、拡張ベッド１５は、その奥行き方向の長さがベッド４の奥行き方向の長さと実質的に等しくなっており横幅も所定の長さに形成されている。しかしながら拡張ベッド１５は、その上に載置される付帯機器Ｆの大きさや個数に応じて、その広さや形状を適宜選定することができる。

本実際の形態に係る拡張ベッド１５は、水平板部２０において所定幅のスリット２３、２３が形成されている点にも特徴がある。スリット２３、２３は、拡張ベッド１５がベッド４に取付けられるときに、ナット１６、１６の位置に整合する位置に形成されている。スリット２３、２３の隙間の幅は、竪型射出成形機１を吊り下げるために使用される吊り下げ用フックが差し込まれるのに十分な幅になっている。

このように形成されている拡張ベッド１５は、取付用ボルト２５、２５によってナット１６、１６に締め付けられて、ベッド４の側部に固定されている。図１、図２の（イ）に示されているように、拡張ベッド１５がベッド４の側部に固定されると、ベッド４の天板と水平板部２０の上面が等しい高さになる。ところで、取付用ボルト２５、２５は、どのような形状のボルトであっても拡張ベッド１５を取付けることが可能であるが、本実施の形態においては、吊り下げ用に使用される特殊な形状のボルトが採用されている。このボルトは吊りフック用ボルト２７であり、図２の（ウ）に示されている。吊りフック用ボルト２７は、雄ネジ２７ａと、雄ネジ２７ａに隣接して設けられている肉厚の円盤状のフランジ部２７ｂと、フランジ部２７ｂから伸びている小径の軸部２７ｃと、軸部２７ｃの先端に形成されている頭部２７ｄとから構成されている。頭部２７ｄには六角ナット用の六角穴２７ｅが形成されている。この吊りフック用ボルト２７は、拡張ベッド１５を固定しないでナット１６に直接取付けるとき、フランジ部２７ｂがベッド４の側面に密着するようになっている。フランジ部２７ｂは大径に形成されているので広い面積でベッド４の側面に密着する。所定の吊り下げ用フックを吊りフック用ボルト２７の軸部２７ｃに係合させて竪型射出成形機１を吊り下げると、吊りフック用ボルト２７には大きな曲げモーメントが作用する。しかしながら、フランジ部２７が広い面積でベッド４の側面に密着しているので曲げモーメントによってフランジ部２７に作用する力は分散・緩和することになり、吊りフック用ボルト２７は変形しない。

本実施の形態においては、このような特殊な形状の吊りフック用ボルト２７、２７が、取付用ボルト２５、２５として使用され、拡張ベッド１５がベッド４に取付けられている。吊りフック用ボルト２７のフランジ部２７ｂは拡張ベッド１５の垂直板部１９に広い面積で密着することになる。ところで本実施の形態において拡張ベッド１５には、前記したようにスリット２３、２３が形成されている。これらのスリット２３、２３は、吊りフック用ボルト２７、２７の位置に整合している。従って、本実施の形態においては、拡張ベッド１５を取付けた状態で、これを取り外すこと無く竪型射出成形機１を吊り下げることができる。すなわち吊り下げ用フックをスリット２３、２３から差し込んで、吊りフック用ボルト２７、２７の軸部２７ｃ、２７ｃに係合する。そうすると拡張ベッド１５が妨げになることなく、竪型射出成形機１を吊り下げることができる。

本実施の形態に係る拡張ベッド１５は色々な変形が可能である。本実施の形態においては、スリット２３、２３が設けられているように説明したが、スリット２３、２３は必ずしも必要ではない。これらのスリット２３、２３は吊り下げ用フックの妨げにならないようにするものである。竪型射出成形機１は一旦工場に設置すると搬送する機会は少ないので、吊り下げが必要になったときに拡張ベッド１５を取り外せば済むからである。スリット２３、２３が無い場合には、拡張ベッド１５の上面は広く使えることになり付帯機器Ｆの載置の制約にならない。他の変形も可能である。例えば拡張ベッド１５は、竪型射出成形機１において他の場所に設けてもよい。竪型射出成形機１においては操作端末、非常停止ボタン等が所定の位置に設けられており、例えばこれらの操作ができる方向を操作側と呼ぶことができ、操作側において金型の清掃等も実施できる。拡張ベッド１５はこのような操作側からみて側方、つまり側部に設けるように説明したが、操作側に設けてもよい。あるいは操作側の反対側の面すなわち反操作側に設けてもよい。

１竪型射出成形機２型締装置
３射出装置４ベッド
５固定盤６上可動盤
９タイバー１０下側金型
１１上側金型１３射出ノズル
１５拡張ベッド１６ナット
１９垂直板部２０水平板部
２１補強用リブ２３スリット
２５取付用ボルト２７吊りフック用ボルト
２７ｂフランジ部２７ｃ軸部

Claims

型締装置の固定盤がベッドの天板に固定されている竪型射出成形機であって、
前記竪型射出成形機は前記ベッドをその側方に拡張する拡張ベッドが着脱自在に取付けられるようになっており、前記拡張ベッドは前記ベッドの側部において側方に開口するように設けられている複数個のナットに所定形状の頭部を備えた吊りフック用ボルトを締め付けて取付けられるようになっており、前記拡張ベッドには前記吊りフック用ボルトの取付け位置に整合して所定幅のスリットが形成され、前記竪型射出成形機を吊り下げ用フックにより吊り上げるとき、前記吊り下げ用フックを前記スリットから差入れて前記吊りフック用ボルトの頭部に係合させるようになっていることを特徴とする竪型射出成形機。
請求項１に記載の竪型射出成形機において、前記拡張ベッドは、前記ベッドに取付けられた状態において、その上面が前記ベッドの上面と実質的に同一の高さになっていることを特徴とする竪型射出成形機。