JP6712991B2 - 高純度のオリタバンシン及びその製造方法 - Google Patents

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Description

ヒト等の被験体に投与する薬学製品は、高純度の原薬調製物及び医薬組成物を含まなければならず、安定した量の薬効成分(API:active pharmaceutical ingredient)を含む剤形へと配合されなければならない。
APIにかかわらず、全ての原薬調製物は様々な量の不純物を含む。これらの不純物は、一般的には、それらの化学的同一性に基づいて幾つかのカテゴリーに分類され、「製品関連不純物」、すなわちAPIに構造上類似する不純物(例えば、エナンチオマー)、及び「プロセス関連不純物」、すなわちAPIを調製するため使用されるプロセスによって取り込まれた又はそれにより生じた不純物を含む。
医薬品、特に原薬調製物及びそれから調製される医薬組成物における不純物の同定、定量、及び定性は、化学療法処置の安全性、有効性、及び安定性を保証する重要な事項である。しかしながら、完全合成プロセスよりも予測しにくく、また制御しにくい、発酵等の生物学的プロセスを使用して原薬調製物が得られる場合には、不純物の特性評価は特に達成することが難しい場合がある。生物学的プロセスでは、目的の原薬を生産するため生きている原核生物又は真核生物の細胞がしばしば利用され、構造的に複雑であることの多い生産される物質に伴い、一連の不純物が多く複雑になる場合がある。実際問題として、可能性のある全ての不純物を完全に特性評価し、原薬調製物が薬学製品に組み込まれる際の安全性及び有効性においてそれらが有し得る影響を理解することは非常に困難である。したがって、目的の原薬中の不純物を最小化することが最も安全な道である。
不純物の問題を含む特徴は、細菌感染症に利用可能な効果的治療の数の減少という課題に直面している患者及び医療提供者にとって重要な抗菌剤であるバンコマイシンに関連する一群の複合糖ペプチド抗生物質であるダルバヘプチド(dalbaheptides)に特に深刻である。例えば、バンコマイシンは1950年代の後半に市販用に承認されたが、主に毒性、特に腎毒性及び聴器毒性が一部認められたことから、1980年代までは比較的使用されていなかった。現在では、報告された副作用は、初期のロットの薬物中のより高レベルの不純物によるものであったと理解され、これは純度が改善されるにつれて消滅した(非特許文献1、非特許文献2)。
この群の化合物の精製を高度に制御することの重要性は、化学構造中の小さな変化が、安全性及び/又は有効性のプロファイルが大幅に異なった原薬調製物をもたらし得るという事実によって更に実証される。例えば、被験体へのバンコマイシンの急速注入は、紅斑、掻痒症、低血圧、血管性浮腫の組み合せを特徴とするヒスタミン様の応答である「レッドマン」症候群と関連するが、この症候群は近縁の薬物であるテイコプラニンの注入では見られない(非特許文献2、非特許文献3)。同様に、非常に類似する化学構造を有する別の薬物であるテラバンシンは、動物モデルにおいて催奇性であることが示されたのに対し、バンコマイシン及びテイコプラニンはいずれも同じモデルで非催奇性であった(非特許文献4)。
また、化学構造における小さな変化は、スペクトル又は効力のいずれかに関する抗菌活性に対して思いがけない影響をもたらす場合がある。例えば、化合物A40926は、テイコプラニンの近縁であるが、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌に対して遥かに活性が低いのに対し、ダルババンシンは、これらの同じ微生物に対してテイコプラニンよりも効力が一桁強い(非特許文献5)。
Moellering, R.C. Jr., Clin. Infect. Dis. 2006, 42, S3 Levine, D.P., Clin. Infect. Dis. 2006, 42, S5 Sahai. J. et al., Antimicrob. Agents Chemother. 1990, 34, 765 Damodaran, S.E., Madhan, S. J., Pharmacol. Pharmacother. 2011, 2, 135 Malabarba, A., Goldstein, B.P.J., Antimicrob. Chemother. 2005, 55 Suppl. S2, ii15
したがって、不純物の数が減少され、かつ完全な除去が不可能なそれらの不純物の量が減少された、薬学製品における使用に対するダルバヘプチドを含む、高純度の原薬調製物及び医薬組成物の開発が重要な目標であることは明らかである。本発明は、この及び他の重要な目標に関する。
本発明は、概して、本発明の他の重要な実施の形態のうち、高純度のオリタバンシンの原薬調製物、かかるオリタバンシン原薬調製物を含む医薬組成物、かかる医薬組成物を含む医薬品又は剤形、及びそれを調製する方法に関する。
第1の実施の形態では、本発明は、図1のピークA及び図2のピークGによってそれぞれ定義される不純物1(オリタバンシン因子A)及び不純物7(オリタバンシン因子C)のピーク面積の2.1%以下の最大不純物レベルを有する、オリタバンシン又はその塩のオリタバンシン原薬調製物に関する。
第2の実施の形態では、本発明は、図1のピークA及び図2のピークGによってそれぞれ定義される不純物1及び不純物7のピーク面積の2.1%以下の最大不純物レベルを有する、オリタバンシン又はその塩のオリタバンシン製剤原料組成物を調製する方法であって、
a)クロロエレモマイシン産生微生物の培養物を、動物起源材料(ASM)を含まない培地において発酵条件下で及び上記培養物によってクロロエレモマイシンの生合成を促進する条件下で培養する工程と、
b)高分子交換樹脂を使用してa)の発酵ブロスからクロロエレモマイシンを回収する工程と、
c)高分子吸着樹脂を使用してb)で回収された上記クロロエレモマイシンを脱色し、疎水性高分子樹脂カラムを使用して脱色されたクロロエレモマイシンをクロマトグラフィーによって分離し、有機溶媒を使用して分離されたクロロエレモマイシンを沈殿させる工程と、
d)c)の沈殿したクロロエレモマイシン及び銅塩の有機溶媒溶液を調製し、該溶液を4−クロロ−4’−ビフェニルカルボキサルデヒドと反応させ、アセトニトリルを使用して上記溶液からオリタバンシン−銅錯体を沈殿させる工程と、
e)水性酸を添加することによってd)の上記オリタバンシン−銅錯体から銅を脱錯体し、高分子疎水性樹脂を使用して脱錯体されたオリタバンシンを分離する工程であって、上記添加及び分離を同時に又は順次に行う工程と、
f)e)で上記樹脂から溶出されたオリタバンシン溶液を濃縮する工程と、
g)水性エタノール中でf)の濃縮物からオリタバンシンを沈殿させる工程と、
h)沈殿したオリタバンシンを乾燥して図1のピークA及び図2のピークGによってそれぞれ定義される不純物1及び不純物7のピーク面積の2.1%以下の最大不純物レベルを有する、オリタバンシン又はその塩のオリタバンシン原薬調製物を調製する工程と、
を含む、方法に関する。
第3の実施の形態では、本発明は、図1のピークA及び図2のピークGによってそれぞれ定義される不純物1及び不純物7のピーク面積の2.1%以下の最大不純物レベルを有する、オリタバンシン又はその塩のオリタバンシン原薬調製物であって、
a)クロロエレモマイシン産生微生物の培養物を、動物起源材料(ASM)を含まない培地において発酵条件下で及び上記培養物によってクロロエレモマイシンの生合成を促進する条件下で培養する工程と、
b)高分子交換樹脂を使用してa)の発酵ブロスからクロロエレモマイシンを回収する工程と、
c)高分子吸着樹脂を使用してb)で回収された上記クロロエレモマイシンを脱色し、疎水性高分子樹脂カラムを使用して脱色されたクロロエレモマイシンをクロマトグラフィーによって分離し、有機溶媒を使用して分離されたクロロエレモマイシンを沈殿させる工程と、
d)c)の沈殿したクロロエレモマイシン及び銅塩の有機溶媒溶液を調製し、該溶液を4−クロロ−4’−ビフェニルカルボキサルデヒドと反応させ、アセトニトリルを使用して上記溶液からオリタバンシン−銅錯体を沈殿させる工程と、
e)水性酸を添加することによってd)の上記オリタバンシン−銅錯体から銅を脱錯体し、高分子疎水性樹脂を使用して脱錯体されたオリタバンシンを分離する工程であって、上記添加及び分離を同時に又は順次に行う工程と、
f)e)で上記樹脂から溶出されたオリタバンシン溶液を濃縮する工程と、
g)水性エタノール中でf)の濃縮物からオリタバンシンを沈殿させる工程と、
h)沈殿したオリタバンシンを乾燥する工程と、
を含む方法によって調製される、オリタバンシン又はその塩のオリタバンシン原薬調製物に関する。
第1〜第3の実施の形態の或る特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物は、不純物1及び不純物7のピーク面積の1.6%以下の最大不純物レベルを有する。
第1〜第3の実施の形態の或る特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物は、不純物1のピーク面積の1.5%以下、不純物7のピーク面積の0.6%以下の最大不純物レベルを有する。
第1〜第3の実施の形態の或る特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物の純度レベルはHPLCによって測定される。特定の態様では、純度レベルはHPLCによって測定され、HPLC法はC18逆相固定相、及び約1/1000/10(容積/容積/容積)の比率のリン酸/水/テトラヒドロフランである移動相A中、約1/1000/1500/25(容積/容積/容積/容積)の比率のリン酸/水/アセトニトリル/テトラヒドロフランである移動相Bの勾配を含む。
第2及び第3の実施の形態の或る特定の態様では、クロロエレモマイシン産生微生物は次の属、すなわちノカルジア属(Nocardia)、アミコラトプシス属(Amycolatopsis)及びキブデロスポランギウム属(Kibdelosporangium)の1つから選択される微生物種である。特定の態様では、クロロエレモマイシン産生微生物はキブデロスポランギウム・アリズム(Kibdelosporangium aridum)である。
第1の実施の形態の或る特定の態様では、原薬調製物の窒素原子は非動物供給源に由来する。
第4の実施の形態では、本発明は、図1のピークA及び図2のピークB〜ピークPによってそれぞれ定義される不純物1〜不純物16に対するピーク面積の約90%以上の純度を有するオリタバンシン又はその塩のオリタバンシン原薬調製物に関する。
第5の実施の形態では、本発明は、図1のピークA及び図2のピークB〜ピークPによってそれぞれ定義される不純物1〜不純物16に対するピーク面積の約90%以上の純度を有するオリタバンシン又はその塩のオリタバンシン原薬調製物を調製する方法であって、
a)クロロエレモマイシン産生微生物の培養物を、動物起源材料(ASM)を含まない培地において発酵条件下で及び上記培養物によってクロロエレモマイシンの生合成を促進する条件下で培養する工程と、
b)高分子交換樹脂を使用してa)の発酵ブロスからクロロエレモマイシンを回収する工程と、
c)高分子吸着樹脂を使用してb)で回収された上記クロロエレモマイシンを脱色し、疎水性高分子樹脂カラムを使用して脱色されたクロロエレモマイシンをクロマトグラフィーによって分離し、有機溶媒を使用して分離されたクロロエレモマイシンを沈殿させる工程と、
d)c)の沈殿したクロロエレモマイシン及び銅塩の有機溶媒溶液を調製し、該溶液を4−クロロ−4’−ビフェニルカルボキサルデヒドと反応させ、アセトニトリルを使用して上記溶液からオリタバンシン−銅錯体を沈殿させる工程と、
e)水性酸を添加することによってd)の上記オリタバンシン−銅錯体から銅を脱錯体し、高分子疎水性樹脂を使用して脱錯体されたオリタバンシンを分離する工程であって、上記添加及び分離を同時に又は順次に行う工程と、
f)e)で上記樹脂から溶出されたオリタバンシン溶液を濃縮する工程と、
g)水性エタノール中でf)の濃縮物からオリタバンシンを沈殿させる工程と、
h)沈殿したオリタバンシンを乾燥して図1のピークA及び図2のピークB〜ピークPによってそれぞれ定義される不純物1〜不純物16に対するピーク面積の約90%以上の純度を有するオリタバンシン又はその塩のオリタバンシン原薬調製物を調製する工程と、
を含む、方法に関する。
第6の実施の形態では、本発明は、図1のピークA及び図2のピークB〜ピークPによってそれぞれ定義される不純物1〜不純物16に対するピーク面積の約90%以上の純度を有するオリタバンシン又はその塩のオリタバンシン原薬調製物であって、
a)クロロエレモマイシン産生微生物の培養物を、動物起源材料(ASM)を含まない培地において発酵条件下で及び上記培養物によってクロロエレモマイシンの生合成を促進する条件下で培養する工程と、
b)高分子交換樹脂を使用してa)の発酵ブロスからクロロエレモマイシンを回収する工程と、
c)高分子吸着樹脂を使用してb)で回収された上記クロロエレモマイシンを脱色し、疎水性高分子樹脂カラムを使用して脱色されたクロロエレモマイシンをクロマトグラフィーによって分離し、有機溶媒を使用して分離されたクロロエレモマイシンを沈殿させる工程と、
d)c)の沈殿したクロロエレモマイシン及び銅塩の有機溶媒溶液を調製し、該溶液を4−クロロ−4’−ビフェニルカルボキサルデヒドと反応させ、アセトニトリルを使用して上記溶液からオリタバンシン−銅錯体を沈殿させる工程と、
e)水性酸を添加することによってd)の上記オリタバンシン−銅錯体から銅を脱錯体し、高分子疎水性樹脂を使用して脱錯体されたオリタバンシンを分離する工程であって、上記添加及び分離を同時に又は順次に行う工程と、
f)e)で上記樹脂から溶出されたオリタバンシン溶液を濃縮する工程と、
g)水性エタノール中でf)の濃縮物からオリタバンシンを沈殿させる工程と、
h)沈殿したオリタバンシンを乾燥する工程と、
を含む方法によって調製される、オリタバンシン又はその塩のオリタバンシン原薬調製物に関する。
第4〜第6の実施の形態の或る特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物の純度レベルは約96%以上の純度である。
第4〜第6の実施の形態の或る特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物の純度レベルは約90%〜96%の純度である。
第4〜第6の実施の形態の或る特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物の純度レベルはHPLCによって測定される。特定の態様では、純度レベルはHPLCによって測定され、HPLC法はC18逆相固定相、及び約1/1000/10(容積/容積/容積)の比率のリン酸/水/テトラヒドロフランである移動相A中、約1/1000/1500/25(容積/容積/容積/容積)の比率のリン酸/水/アセトニトリル/テトラヒドロフランである移動相Bの勾配を含む。
第5及び第6の実施の形態の或る特定の態様では、クロロエレモマイシン産生微生物は次の属、すなわちノカルジア属、アミコラトプシス属、及びキブデロスポランギウム属の1つから選択される微生物種である。特定の態様では、クロロエレモマイシン産生微生物はキブデロスポランギウム・アリズムである。
第4の実施の形態の或る特定の態様では、原薬調製物の窒素原子は非動物供給源に由来する。
第7の実施の形態では、本発明は約90%以上の純度を有するオリタバンシン又はその塩のオリタバンシン原薬調製物に関する。
第8の実施の形態では、本発明は、約90%以上の純度を有するオリタバンシン又はその塩のオリタバンシン原薬調製物を調製する方法であって、
a)クロロエレモマイシン産生微生物の培養物を、動物起源材料(ASM)を含まない培地において発酵条件下で及び上記培養物によってクロロエレモマイシンの生合成を促進する条件下で培養する工程と、
b)高分子交換樹脂を使用してa)の発酵ブロスからクロロエレモマイシンを回収する工程と、
c)高分子吸着樹脂を使用してb)で回収された上記クロロエレモマイシンを脱色し、疎水性高分子樹脂カラムを使用して脱色されたクロロエレモマイシンをクロマトグラフィーによって分離し、有機溶媒を使用して分離されたクロロエレモマイシンを沈殿させる工程と、
d)c)の沈殿したクロロエレモマイシン及び銅塩の有機溶媒溶液を調製し、該溶液を4−クロロ−4’−ビフェニルカルボキサルデヒドと反応させ、アセトニトリルを使用して上記溶液からオリタバンシン−銅錯体を沈殿させる工程と、
e)水性酸を添加することによってd)の上記オリタバンシン−銅錯体から銅を脱錯体し、高分子疎水性樹脂を使用して脱錯体されたオリタバンシンを分離する工程であって、上記添加及び分離を同時に又は順次に行う工程と、
f)e)で上記樹脂から溶出されたオリタバンシン溶液を濃縮する工程と、
g)水性エタノール中でf)の濃縮物からオリタバンシンを沈殿させる工程と、
h)沈殿したオリタバンシンを乾燥して約90%以上の純度を有するオリタバンシン又はその塩のオリタバンシン原薬調製物を調製する工程と、
を含む、方法に関する。
第9の実施の形態では、本発明は、約90%以上の純度を有するオリタバンシン又はその塩のオリタバンシン原薬調製物であって、
a)クロロエレモマイシン産生微生物の培養物を、動物起源材料(ASM)を含まない培地において発酵条件下で及び上記培養物によってクロロエレモマイシンの生合成を促進する条件下で培養する工程と、
b)高分子交換樹脂を使用してa)の発酵ブロスからクロロエレモマイシンを回収する工程と、
c)高分子吸着樹脂を使用してb)で回収された上記クロロエレモマイシンを脱色し、疎水性高分子樹脂カラムを使用して脱色されたクロロエレモマイシンをクロマトグラフィーによって分離し、有機溶媒を使用して分離されたクロロエレモマイシンを沈殿させる工程と、
d)c)の沈殿したクロロエレモマイシン及び銅塩の有機溶媒溶液を調製し、該溶液を4−クロロ−4’−ビフェニルカルボキサルデヒドと反応させ、アセトニトリルを使用して上記溶液からオリタバンシン−銅錯体を沈殿させる工程と、
e)水性酸を添加することによってd)の上記オリタバンシン−銅錯体から銅を脱錯体し、高分子疎水性樹脂を使用して脱錯体されたオリタバンシンを分離する工程であって、上記添加及び分離を同時に又は順次に行う工程と、
f)e)で上記樹脂から溶出されたオリタバンシン溶液を濃縮する工程と、
g)水性エタノール中でf)の濃縮物からオリタバンシンを沈殿させる工程と、
h)沈殿したオリタバンシンを乾燥する工程と、
を含む方法によって調製される、オリタバンシン又はその塩のオリタバンシン原薬調製物に関する。
第7〜第9の実施の形態の或る特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物の純度レベルは約96%以上の純度である。
第7〜第9の実施の形態の或る特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物の純度レベルは約90%〜96%の純度である。
第7〜第9の実施の形態の或る特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物の純度レベルはHPLCによって測定される。特定の態様では、純度レベルはHPLCによって測定され、HPLC法はC18逆相固定相、及び約1/1000/10(容積/容積/容積)の比率のリン酸/水/テトラヒドロフランである移動相A中、約1/1000/1500/25(容積/容積/容積/容積)の比率のリン酸/水/アセトニトリル/テトラヒドロフランである移動相Bの勾配を含む。
第8及び第9の実施の形態の或る特定の態様では、クロロエレモマイシン産生微生物は次の属、すなわちノカルジア属、アミコラトプシス属、及びキブデロスポランギウム属の1つから選択される微生物種である。特定の態様では、クロロエレモマイシン産生微生物はキブデロスポランギウム・アリズムである。
第7の実施の形態の或る特定の態様では、原薬調製物の窒素原子は非動物供給源に由来する。
第10の実施の形態では、本発明は、本発明のオリタバンシン原薬調製物と、1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物であって、該オリタバンシン原薬調製物は、図2に示されるピークB及びピークJによってそれぞれ定義される不純物2(DEV A)及び不純物10(オリタバンシン CR)のピーク面積の4.8%以下の最大不純物レベルを有する、医薬組成物に関する。
第11の実施の形態では、本発明は、本発明のオリタバンシン原薬調製物と、1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物を調製する方法であって、該オリタバンシン原薬調製物が図2のピークB及びピークJによってそれぞれ定義される不純物2及び不純物10のピーク面積の4.8%以下の最大不純物レベルを有し、上記方法が、
a)1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤を2.5〜3.5のpHを有する水に溶解して溶液を形成する工程と、
b)a)の上記溶液中にオリタバンシン原薬調製物を溶解し、上記溶液のpHを3.5〜4.0に調整する工程と、
c)b)の上記溶液を濾過する工程と、
d)c)の濾過した溶液を凍結乾燥してオリタバンシン原薬調製物と、1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物を調製する工程であって、該オリタバンシン原薬調製物が図2のピークB及びピークJによってそれぞれ定義される不純物2及び不純物10のピーク面積の4.8%以下の最大不純物レベルを有する工程と、
を含む、方法に関する。
第12の実施の形態では、本発明は、本発明のオリタバンシン原薬調製物と、1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物であって、該オリタバンシン原薬調製物が図2のピークB及びピークJによってそれぞれ定義される不純物2及び不純物10のピーク面積の4.8%以下の最大不純物レベルを有し、上記医薬組成物が、
a)1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤を2.5〜3.5のpHを有する水に溶解して溶液を形成する工程と、
b)a)の上記溶液中にオリタバンシン原薬調製物を溶解し、上記溶液のpHを3.5〜4.0に調整する工程と、
c)b)の上記溶液を濾過する工程と、
d)c)の濾過した溶液を凍結乾燥する工程と、
を含む方法によって調製される、医薬組成物に関する。
第10〜第12の実施の形態の或る特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物は不純物2及び不純物10のピーク面積の3.0%以下の最大不純物レベルを有する。
第10〜第12の実施の形態の或る特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物は不純物2のピーク面積の1.9%以下、及び不純物10のピーク面積の2.9%以下の最大不純物レベルを有する。
第10〜第12の実施の形態の或る特定の態様では、上記医薬組成物中のオリタバンシン原薬調製物の純度レベルは、HPLCによって測定される。特定の態様では、上記医薬組成物中のオリタバンシン原薬調製物の純度レベルはHPLCによって測定され、HPLC法はC18逆相固定相、及び約1/1000/10(容積/容積/容積)の比率のリン酸/水/テトラヒドロフランである移動相A中、約1/1000/1500/25(容積/容積/容積/容積)の比率のリン酸/水/アセトニトリル/テトラヒドロフランである移動相Bの勾配を含む。
第11及び第12の実施の形態の或る特定の態様では、c)の濾過した溶液をd)の凍結乾燥に先立って滅菌バイアルに加える。
第11及び第12の実施の形態の或る特定の態様では、b)においてpHは3.6〜3.8に調整される。
第11及び第12の実施の形態の或る特定の態様では、凍結乾燥は約5重量%未満の水分レベルを達成する。
第10〜第12の実施の形態の或る特定の態様では、1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤はマンニトール、ソルビトール、スクロース、及びトレハロースからなる群から選択される。
第10〜第12の実施の形態の或る特定の態様では、薬学的に許容可能な賦形剤はマンニトールである。
第10〜第12の実施の形態の或る特定の態様では、1又は複数の賦形剤に対する原薬調製物の重量比は2:1である。
第10〜第12の実施の形態の或る特定の態様では、上記医薬組成物は、該医薬組成物の約56重量%〜68重量%のオリタバンシン原薬調製物、及び約44重量%〜32重量%の1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤を含む。
第13の実施の形態では、本発明は、本発明のオリタバンシン原薬調製物と、1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物であって、該オリタバンシン原薬調製物が図2のピークB〜ピークPによってそれぞれ定義される不純物2〜不純物16に対するピーク面積の約90%以上の純度を有する、医薬組成物に関する。
第14の実施の形態では、本発明は、本発明のオリタバンシン原薬調製物と、1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物を調製する方法であって、該オリタバンシン原薬調製物が図2のピークB〜ピークPによってそれぞれ定義される不純物2〜不純物16に対するピーク面積の約90%以上の純度を有し、上記方法が、
a)1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤を2.5〜3.5のpHを有する水に溶解して溶液を形成する工程と、
b)a)の上記溶液中にオリタバンシン原薬調製物を溶解し、上記溶液のpHを3.5〜4.0に調整する工程と、
c)b)の上記溶液を濾過する工程と、
d)c)の濾過した溶液を凍結乾燥してオリタバンシン原薬調製物と、1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物を調製し、該オリタバンシン原薬調製物が図2のピークB〜ピークPによってそれぞれ定義される不純物2〜不純物16に対するピーク面積の約90%以上の純度を有する工程と、
を含む、方法に関する。
第15の実施の形態では、本発明は、本発明のオリタバンシン原薬調製物と、1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物であって、該オリタバンシン原薬調製物が図2のピークB〜ピークPによってそれぞれ定義される不純物2〜不純物16に対するピーク面積の約90%以上の純度を有し、上記医薬組成物が、
a)1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤を2.5〜3.5のpHを有する水に溶解して溶液を形成する工程と、
b)a)の溶液中にオリタバンシン原薬調製物を溶解し、上記溶液のpHを3.5〜4.0に調整する工程と、
c)b)の上記溶液を濾過する工程と、
d)c)の濾過した溶液を凍結乾燥する工程と、
を含む方法によって調製される、医薬組成物に関する。
第13〜第15の実施の形態の或る特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物の純度レベルは約96%以上である。
第13〜第15の実施の形態の或る特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物の純度レベルは約90%〜96%の純度である。
第13〜第15の実施の形態の或る特定の態様では、上記医薬組成物中のオリタバンシン原薬調製物の純度レベルはHPLCによって測定される。特定の態様では、上記医薬組成物中のオリタバンシン原薬調製物の純度レベルはHPLCによって測定され、HPLC法はC18逆相固定相、及び約1/1000/10(容積/容積/容積)の比率のリン酸/水/テトラヒドロフランである移動相A中、約1/1000/1500/25(容積/容積/容積/容積)の比率のリン酸/水/アセトニトリル/テトラヒドロフランである移動相Bの勾配を含む。
第14及び第15の実施の形態の或る特定の態様では、c)の濾過した溶液をd)の凍結乾燥に先立って滅菌バイアルに加える。
第14及び第15の実施の形態の或る特定の態様では、b)においてpHは3.6〜3.8に調整される。
第14及び第15の実施の形態の或る特定の態様では、凍結乾燥は約5重量%未満の水分レベルを達成する。
第14及び第15の実施の形態の或る特定の態様では、1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤はマンニトール、ソルビトール、スクロース、及びトレハロースからなる群から選択される。
第14及び第15の実施の形態の或る特定の態様では、薬学的に許容可能な賦形剤はマンニトールである。
第13〜第15の実施の形態の或る特定の態様では、1又は複数の賦形剤に対する原薬調製物の重量比は2:1である。
第13〜第15の実施の形態の或る特定の態様では、上記医薬組成物は、該医薬組成物の約56重量%〜68重量%のオリタバンシン原薬調製物、及び約44重量%〜32重量%の1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤を含む。
第16の実施の形態では、本発明は、本発明の医薬組成物と、1又は複数の追加の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬品又は剤形であって、オリタバンシン原薬調製物が図2のピークB〜ピークPによってそれぞれ定義される不純物2〜不純物16に対するピーク面積の約90%以上の純度を有する、医薬品又は剤形に関する。
第17の実施の形態では、本発明は、本発明の医薬組成物と、1又は複数の追加の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬品又は剤形を調製する方法であって、オリタバンシン原薬調製物が図2のピークB〜ピークPによってそれぞれ定義される不純物2〜不純物16に対するピーク面積の約90%以上の純度を有し、上記方法が本発明の医薬組成物を注射用水又は水中5%のデキストロースに溶解してオリタバンシンの濃度が約5mg/mL〜約30mg/mLである溶液を形成して本発明の医薬組成物を含む医薬品又は剤形を調製することを含む、方法に関する。
第18の実施の形態では、本発明は、本発明の医薬組成物と、1又は複数の追加の賦形剤とを含む医薬品又は剤形であって、オリタバンシン原薬調製物が図2のピークB〜ピークPによってそれぞれ定義される不純物2〜不純物16に対するピーク面積の約90%以上の純度を有し、本発明の医薬組成物を注射用水又は水中5%のデキストロースに溶解してオリタバンシンの濃度が約5mg/mL〜約30mg/mLである溶液を形成することを含む方法によって調製される、医薬品又は剤形に関する。
第16〜第18の実施の形態の或る特定の態様では、上記医薬品又は剤形は、5%のデキストロースを含む静脈内水溶液である。
第16〜第18の実施の形態の或る特定の態様では、医薬品中のオリタバンシン原薬調製物の純度レベルはHPLCによって測定される。特定の態様では、医薬品中のオリタバンシン原薬調製物の純度レベルはHPLCによって測定され、HPLC法はC18逆相固定相、及び約1/1000/10(容積/容積/容積)の比率のリン酸/水/テトラヒドロフランである移動相A中、約1/1000/1500/25(容積/容積/容積/容積)の比率のリン酸/水/アセトニトリル/テトラヒドロフランである移動相Bの勾配を含む。
第19の実施の形態では、本発明は、図3のピーク3、1、7、2、4、5及び6によってそれぞれ定義される不純物の主要因子A、C、及びD、並びに物質P、Q、R、及びSのピーク面積の18.0%以下の最大不純物レベルを有する、高純度のクロロエレモマイシン又はその塩に関する。
第20の実施の形態では、本発明は、図3のピーク3、1、7、2、4、5及び6によってそれぞれ定義される不純物の主要因子A、C、及びD、並びに物質P、Q、R、及びSのピーク面積の18.0%以下の最大不純物レベルを有する、高純度のクロロエレモマイシン又はその塩を調製する方法であって、
a)クロロエレモマイシン産生微生物の培養物を、動物起源材料(ASM)を含まない培地において発酵条件下で及び上記培養物によるクロロエレモマイシンの生合成を促進する条件下で培養する工程と、
b)高分子交換樹脂を使用してa)の発酵ブロスからクロロエレモマイシンを回収する工程と、
c)高分子吸着樹脂を使用してb)で回収された上記クロロエレモマイシンを脱色し、疎水性高分子樹脂カラムを使用して脱色されたクロロエレモマイシンをクロマトグラフィーによって分離し、有機溶媒を使用して分離されたクロロエレモマイシンを沈殿させる工程と、
d)クロロエレモマイシン結晶を乾燥して、図3のピーク3、1、7、2、4、5及び6によってそれぞれ定義される不純物の主要因子A、C、及びD、並びに物質P、Q、R、及びSのピーク面積の18.0%以下の最大不純物レベルを有する、高純度のクロロエレモマイシン又はその塩を調製する工程と、
を含む、方法に関する。
第21の実施の形態では、本発明は、図3のピーク3、1、7、2、4、5及び6によってそれぞれ定義される不純物の主要因子A、C、及びD、並びに物質P、Q、R、及びSのピーク面積の18.0%以下の最大不純物レベルを有する、高純度のクロロエレモマイシン又はその塩であって、
a)クロロエレモマイシン産生微生物の培養物を、動物起源材料(ASM)を含まない培地において発酵条件下で及び上記培養物によるクロロエレモマイシンの生合成を促進する条件下で培養する工程と、
b)高分子交換樹脂を使用してa)の発酵ブロスからクロロエレモマイシンを回収する工程と、
c)高分子吸着樹脂を使用してb)で回収された上記クロロエレモマイシンを脱色し、疎水性高分子樹脂カラムを使用して脱色されたクロロエレモマイシンをクロマトグラフィーによって分離し、有機溶媒を使用して分離されたクロロエレモマイシンを沈殿させる工程と、
d)クロロエレモマイシン結晶を乾燥する工程と、
を含む方法によって調製される、高純度のクロロエレモマイシン又はその塩に関する。
第19〜第21の実施の形態の或る特定の態様では、原薬調製物は、図3のピーク3、1、7、2、4、5及び6によって定義される不純物の主要因子A、C、及びD、並びに物質P、Q、R、及びSのピーク面積の15.0%以下の最大不純物レベルを有する。
第20及び第21の実施の形態の或る特定の態様では、クロロエレモマイシンの純度レベルはHPLCによって測定される。特定の態様では、クロロエレモマイシンの純度レベルはHPLCによって測定され、HPLC法はフェニル誘導体化逆相固定相、及び約100/0.2/0.03(容積/容積/容積)の比率の水/ギ酸/トリエチルアミンである移動相A中、約40/60/0.2/0.03(容積/容積/容積/容積)の比率のアセトニトリル/水/ギ酸/トリエチルアミンである移動相Bの勾配を含む。
第20及び第21の実施の形態の或る特定の態様では、クロロエレモマイシン産生微生物は次の属、すなわちノカルジア属、アミコラトプシス属、及びキブデロスポランギウム属の1つから選択される微生物種である。特定の態様では、クロロエレモマイシン産生微生物はキブデロスポランギウム・アリズムである。
第19の実施の形態の或る特定の態様では、高純度のクロロエレモマイシンの窒素原子は非動物供給源に由来する。
第22の実施の形態では、本発明は約82%以上の純度を有する高純度のクロロエレモマイシン又はその塩に関する。
第23の実施の形態では、本発明は、約82%以上の純度を有する高純度のクロロエレモマイシン又はその塩を調製する方法であって、
a)クロロエレモマイシン産生微生物の培養物を、動物起源材料(ASM)を含まない培地において発酵条件下で及び上記培養物によるクロロエレモマイシンの生合成を促進する条件下で培養する工程と、
b)高分子交換樹脂を使用してa)の発酵ブロスからクロロエレモマイシンを回収する工程と、
c)高分子吸着樹脂を使用してb)で回収された上記クロロエレモマイシンを脱色し、疎水性高分子樹脂カラムを使用して脱色されたクロロエレモマイシンをクロマトグラフィーによって分離し、有機溶媒を使用して分離されたクロロエレモマイシンを沈殿させる工程と、
d)クロロエレモマイシン結晶を乾燥して約82%以上の純度を有する高純度のクロロエレモマイシン又はその塩を調製する工程と、
を含む、方法に関する。
第24の実施の形態では、本発明は、約82%以上の純度を有する高純度のクロロエレモマイシン又はその塩であって、
a)クロロエレモマイシン産生微生物の培養物を、動物起源材料(ASM)を含まない培地中において発酵条件下で及び上記培養物によるクロロエレモマイシンの生合成を促進する条件下で培養する工程と、
b)高分子交換樹脂を使用してa)の発酵ブロスからクロロエレモマイシンを回収する工程と、
c)高分子吸着樹脂を使用してb)で回収された上記クロロエレモマイシンを脱色し、疎水性高分子樹脂カラムを使用して脱色されたクロロエレモマイシンをクロマトグラフィーにより分離し、有機溶媒を使用して分離されたクロロエレモマイシンを沈殿させる工程と、
d)クロロエレモマイシン結晶を乾燥する工程と、
を含む方法によって調製される、高純度のクロロエレモマイシン又はその塩に関する。
第22〜第24の実施の形態の或る特定の態様では、クロロエレモマイシンの純度レベルは約90%以上である。
第22〜第24の実施の形態の或る特定の態様では、クロロエレモマイシンの純度レベルは約82%〜95%である。
第22〜第24の実施の形態の或る特定の態様では、クロロエレモマイシンの純度レベルはHPLCによって測定される。特定の態様では、クロロエレモマイシンの純度レベルはHPLCによって測定され、HPLC法はフェニル誘導体化逆相固定相、及び約100/0.2/0.03(容積/容積/容積)の比率の水/ギ酸/トリエチルアミンである移動相A中、約40/60/0.2/0.03(容積/容積/容積/容積)の比率のアセトニトリル/水/ギ酸/トリエチルアミンである移動相Bの勾配を含む。
第23及び第24の実施の形態の或る特定の態様では、クロロエレモマイシン産生微生物は、次の属、すなわちノカルジア属、アミコラトプシス属、及びキブデロスポランギウム属の1つから選択される微生物種である。特定の態様では、クロロエレモマイシン産生微生物はキブデロスポランギウム・アリズムである。
第22の実施の形態の或る特定の態様では、高純度のクロロエレモマイシンの窒素原子は非動物供給源に由来する。
第25の実施の形態では、本発明は、本発明の医薬組成物を含む凍結乾燥粉末を含有するバイアルに関する。
第25の実施の形態の或る特定の態様では、バイアルは化学的に不活性な乾燥気体の下で打栓される。或る特定の好ましい態様では、化学的に不活性な乾燥気体は窒素又はアルゴンである。
上記は、以下の本発明の詳細な説明をよりよく理解することができるように本発明の特徴及び技術的な利点を幅広く概説した。本発明の追加の特徴及び利点が本明細書に記載され、本発明の特許請求の範囲の主題をなす。本明細書に開示される任意の概念及び具体的な実施形態は、本発明の同じ目的を実施するため他の構造を修飾又は設計するための基礎として容易に利用可能であることが当業者に理解される。また、かかる等価な構築物は、添付の特許請求の範囲に述べられる本発明の趣旨及び範囲から逸脱しないことが当業者によって明確に理解されなければならない。本発明の構成及び操作方法の両方について、本発明の特性と考えられる新規な特徴は、更なる目的及び利点と共に、添付の図面と組み合せて考慮される場合に以下の記載からより良く理解されるであろう。しかしながら、あらゆる記載、図面、実施例等が解説及び説明の目的に対してのみ提供され、本発明の限定を定義することは何ら意図されないことが明確に理解される。
オリタバンシンからオリタバンシン因子A(ピークA)を分離する方法によるオリタバンシン原薬調製物のHPLCクロマトグラムである。 オリタバンシンからピークB〜ピークPを分離する方法によるオリタバンシン原薬調製物のHPLCクロマトグラムである。 クロロエレモマイシン製剤のHPLCクロマトグラムである。 主要因子B二酢酸塩の製造プロセスのフロー図を提供する。 オリタバンシン原薬調製物化学のフロー図を提供する。 製造プロセスの概略プロセスフロー図を提供する。 主要因子B中の或る特定の不純物のレベルのHPLC試験による結果を提供する。 オリタバンシン製剤中の或る特定の不純物のレベルのHPLC試験による結果を提供する。
I.定義
本明細書で使用される「1つの(a)」又は「1つの(an)」は1又は複数を意味する場合がある。本明細書で使用される単語「1つの(a)」又は「1つの(an)」が単語「含む、含んでいる(comprising)」と併せて使用される場合、1又は2以上を意味する場合がある。本明細書で使用される「別の」は少なくとも2つ目以上を意味する場合がある。さらに、文脈より別段必要でない限り、単数の用語は複数を含み、複数の用語は単数を含む。
本明細書で使用される「約」は、例えば、明確に指示されているか否かにかかわらず、全ての数字、分数、及びパーセントを含む数値を指す。「約」の用語は、一般的には、当業者が列挙される値と等価とする(例えば、同じ機能又は結果を有する)数値範囲(例えば、列挙される値の±5%〜10%)を指す。幾つかの例では、「約」の用語は、直近の有効数字を四捨五入した数値を含む場合がある。
本明細書で使用される「治療」及び全てのその形式及び時制(例えば、治療する、治療している、治療した(治療された)、及び治療を含む)は、治療的処置、及び予防的(prophylactic or preventive)処置の両方を指す。治療を必要とするものとして、既に細菌感染症を患っているもの、また同様に細菌感染症が予防されるものを含む。
本明細書で使用される「原薬調製物」又は「薬効成分」、並びにそれらの全ての形式及び時制は、医薬組成物又は医薬品(医療品)の製造における使用が意図され、医薬組成物又は医薬品の産生において使用される場合に医薬組成物又は医薬品の有効成分として作用する任意の物質又は物質の混合物を指す。かかる物質は、疾患の診断、治癒、緩和、治療若しくは予防における薬理学的活性若しくは他の直接的な効果を提供すること、又は身体の構造及び機能に影響を及ぼすことが意図される。
本明細書で使用される「医薬組成物」、並びにその全ての形式及び時制は、(i)原薬調製物又は薬効成分と(ii)1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤との配合物を指す。かかる配合物は、一般的には、例えば製造業者によって調製され、病院薬局へと届けられる原薬調製物の形態である。医薬組成物は数日、数週間、数か月、又は数年に亘って保存可能な安定した原薬調製物の形態であり、通例被験体への投与の直前に1又は複数の追加の薬学的に許容可能な賦形剤と更に混合される。医薬組成物は、しばしば、密閉されたバイアル又はアンプルに保存される原薬調製物と薬学的に許容可能な賦形剤とを含む凍結乾燥配合物である。
本明細書で使用される「医薬品」又は「剤形」、並びにその全ての形式及び時制は、更なる加工を必要とせずに患者への投与に適している配合物中の原薬調製物又は薬効成分を指す。原薬調製物の同一性に応じて、医薬品は2つの形態の内の1つをとる。医薬品は(i)原薬調製物又は薬効成分と(ii)1若しくは複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含むか、又は医薬品は(i)医薬組成物と(ii)1若しくは複数の追加の薬学的に許容可能な賦形剤とを含むかのいずれかとすることができる。
II.本発明
オリタバンシン(I)は、糖ペプチド(特にバンコマイシン)耐性グラム陽性細菌に対する活性を有する新規な半合成糖ペプチド抗生物質である。その急速な殺菌活性(Belley et al., Antimicrob. Agents Chemother. 2010, 54, 5369)、複雑な作用機序(Zhanel et al., Clin. Infect. Dis. 2012, 54, S214)、並びにプランクトン型微生物及び休眠微生物に対するその活性(国際公開第2009/126502号)のため、オリタバンシンは、耐性微生物と関連し得る又は関連し得ない深刻な細菌感染症の治療に対する開発において有望な薬剤である(Poulakou, G. and Giamarellou, H., Expert Opin. Investig. Drugs 2008, 17, 225; Karaoui et al., Am. J. Health-Syst. Pharm. 2013, 70, 23)。
特に、濃度依存性殺傷及び単回治療を可能とする長い半減期(米国特許第8,420,592号)と関連するオリタバンシンの薬物動態及び薬力学のプロファイルは、オリタバンシンに多くの種類の困難な感染症の治療に対する明確な可能性を与える。
オリタバンシンは2つの主な段階で製造される。第1の段階では、天然生成物のクロロエレモマイシン(II:幾つかの例では「主要因子B」とも呼ばれる)は、キブデロスポランギウム・アリズム菌株(元来は、米国特許第5,312,738号、米国特許第5,843,437号、欧州特許第265,071号のノカルジア・オリエンタリス(Nocardia orientalis))の発酵によって生合成的に得られる。第2の段階では、4−(4−クロロフェニル)ベンジル基が還元的アルキル化によってクロロエレモマイシンに付加されてオリタバンシンが得られる(米国特許第5,952,466号、米国特許第5,998,581号、米国特許第5,939,382号)。
いずれの段階でも、目的の化合物の生成の後、発酵培地からのクロロエレモマイシン(米国特許第4,845,194号に例示される)及び反応混合物からのオリタバンシンのクロマトグラフィーによる分離を含む、冗長な単離手順が行われる。
予想されるように、クロロエレモマイシンを産生する生合成プロセスもまた、かなりの化学的に関連する不純物、特に主要因子A(A82846A、エレモマイシン、III)、主要因子C(A82846C、IV)、及び主要因子D(V)の産生を結果的に生じる。クロロエレモマイシンからオリタバンシンへの還元的アルキル化の間、これらの不純物も同様にアルキル化され、オリタバンシン因子A(VI)、オリタバンシン因子C(VII)、及びオリタバンシン因子D(VIII)の不純物へと変換される。
これらの不純物と所望の化合物(クロロエレモマイシン及びオリタバンシン)との間の相違がわずかであるため、特に商業的規模での任意のクロマトグラフィーによる分離のみが適度の分離を与えることができる。
物質P、Q、R及びSを含むクロロエレモマイシンと関連する、かなりの追加的な近縁の不純物が存在し、それらは構造上の同一性を欠くものの、クロロエレモマイシンと密接に共溶出される。これらは、オリタバンシン中に多数存在する更に不特定の不純物をもたらす。実際、オリタバンシンのクロマトグラフィープロファイルでは、40の異なるピークが同定された。
オリタバンシンの化学的に複雑な特徴のため、医薬品(すなわち、オリタバンシンと賦形剤とを含む医薬組成物)を調製するプロセス、及び保存の際等のオリタバンシン自体の取り扱いによって生じ得る幾つかの不純物も存在する。これらの不純物は、分子中の多数の構造要素に対する脱グリコシル化、アミド結合の加水分解、又は配置転移により生じる場合がある。
幾つかの不純物については、抗菌活性及び不純物の安全性に関して限られた情報しか得られない。しかしながら、明白で現実的な理由により、臨床で遭遇し、それに対して薬物自体(オリタバンシン)がスペクトルを確立するため評価されている数千の細菌株に対する個々の不純物について活性に関する具体的な情報を特定することはできない(例えば、Arhin et al., Antimicorb. Agents Chemother. 2009, 53, 53を参照されたい)。同様に、簡易で短い毒性学的な調査は少数の単離可能な不純物について可能な場合もあるが、かかる調査を全ての不純物に対して行うことはできず、オリタバンシン自体を評価して安全性を確立する程度に行うことは間違いなく不可能である。そのため、医薬品において不純物レベルを制御することは、患者の安全で有効な治療を保証する唯一の手段である。
オリタバンシンの医学的及び治療的な用途を考慮し、個々の不純物の薬物の安全性及び有効性に対する影響を確認することが非常に困難な状況下で、本発明は、本発明の他の重要な実施形態のなかでも、(i)低いレベルの不純物を有する原薬調製物、(ii)かかる原薬調製物を生産する方法、(iii)不純物の形成を阻害するように配合された、上記原薬調製物と1又は複数の賦形剤とを含む医薬組成物、(iv)かかる医薬組成物を生産する方法、(v)不純物の形成を阻害するように配合された医薬品(更なる加工を伴わずに患者における使用が意図される製剤における医薬組成物)、並びに(vi)かかる医薬品の生産方法に関する。
本発明の各実施形態を達成するため、本発明者らは、発酵が非常に低いレベルの不純物を産生し、クロロエレモマイシン及びオリタバンシンの両方が医薬としての使用に適当なレベルの純度を満たすとことを保証することが決定的であることを見出した。クロロエレモマイシンの産生に関して米国特許第5,312,738号、米国特許第5,843,437号、及び欧州特許第265071号に報告される本来の発酵培地は、発酵中の複雑な窒素の供給源として動物起源材料(ASM)の使用を含むものであった。詳細な研究の後、本発明者らは、意外なことにASMを欠く培地に切り替えることがより高純度のクロロエレモマイシンをもたらし、その結果より高純度のオリタバンシンをもたらすことを見出した。この発見は、本明細書に記載される本発明の実施形態の各々を達成することを可能にした。
更なる詳細な研究により、本発明者らは、特定の状況下では、オリタバンシンを加工し、配合し、保存して、最終医薬組成物中の不純物の存在を最小化することで本発明の態様(iii)及び態様(iv)を達成することができることを見出した。本発明の原薬調製物は及び医薬組成物を使用して医薬品を生産することにより、態様(v)及び態様(vi)もまた達成された。さらに、本明細書に記載される高純度のクロロエレモマイシンも達成された。
オリタバンシン含む原薬調製物
本発明は、オリタバンシン又はその塩の原薬調製物(本明細書では「オリタバンシン原薬調製物」とも呼ぶ)であって、該製剤中、最小純度レベル(又は最大不純物レベル)が達成されている原薬調製物を含む。本発明の一態様では、オリタバンシン原薬調製物の純度/不純物のレベルは、HPLCクロマトグラム上の1又は複数の選択された不純物のピーク面積によって定義される。特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物は、図1のピークA及び図2のピークGによってそれぞれ定義される不純物1(オリタバンシン因子A)及び不純物7(オリタバンシン因子C)のピーク面積の3.0%以下の最大不純物レベルを有する。代替的な態様では、最大不純物レベルは、不純物1及び不純物7のピーク面積の2.9%、2.8%、2.7%、2.6%、2.5%、2.4%、2.3%、2.2%、2.1%、2.0%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1.0%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、又は0.1%以下である。特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物は、不純物1及び不純物7のピーク面積の2.1%以下の最大不純物レベルを有する。別の態様では、オリタバンシン原薬調製物は、不純物1及び不純物7のピーク面積の1.6%以下の最大不純物レベルを有する。不純物1及び不純物7の相対量は変化してもよく、上記原薬調製物において不純物1及び不純物7の総計量中、2.9%、2.8%、2.7%、2.6%、2.5%、2.4%、2.3%、2.2%、2.1%、2.0%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1.0%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、又は0.1%以下の不純物1を含む。
別の特定の実施形態では、オリタバンシン原薬調製物は、図1のピークA及び図2のピークB〜ピークPによってそれぞれ定義される不純物1〜不純物16に対するピーク面積の約85%以上の純度を有する。代替的な態様では、上記製剤は、不純物1〜不純物16に対するピーク面積の約86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%以上の純度を有する。特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物は、不純物1〜不純物16に対するピーク面積の約90%以上の純度を有する。別の特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物は、不純物1〜不純物16に対するピーク面積の、約85%〜90%、約86%〜91%、約87%〜92%、約88%〜93%、約89%〜94%、約90%〜95%、約90%〜96%、約91%〜96%、又は約92%〜97%の純度を有する。
別の特定の実施形態では、オリタバンシン原薬調製物は約85%以上の純度を有する。代替的な態様では、オリタバンシン原薬調製物は、約86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%以上の純度を有する。特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物は約90%以上の純度を有する。別の特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物は、約85%〜90%、約86%〜91%、約87%〜92%、約88%〜93%、約89%〜94%、約90%〜95%、約90%〜96%、約91%〜96%、又は約92%〜97%の純度を有する。
本発明のオリタバンシン原薬調製物の各々は、その経時的な安定性を更に特徴とし得る。一態様では、本発明のオリタバンシン原薬調製物は、冷蔵保存された場合、48カ月以内に不純物2及び不純物10のレベルにおいてピーク面積の1.0%未満の増加を呈する。他の態様では、増加は、2カ月、4カ月、6カ月、8カ月、10カ月、12カ月、14カ月、16カ月、18カ月、20カ月、22カ月、24カ月、26カ月、28カ月、30カ月、32カ月、34カ月、36カ月、38カ月、40カ月、42カ月、44カ月、46カ月、48カ月、50カ月、52カ月、54カ月、56カ月、58カ月、60カ月以上に亘る0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、又は1.0%未満の増加である。別の態様では、本発明のオリタバンシン原薬調製物は、冷蔵保存された場合に48カ月以内に不純物1〜不純物16のレベルにおけるピーク面積の1.5%未満の増加を呈する。他の態様では、増加は、2カ月、4カ月、6カ月、8カ月、10カ月、12カ月、14カ月、16カ月、18カ月、20カ月、22カ月、24カ月、26カ月、28カ月、30カ月、32カ月、34カ月、36カ月、38カ月、40カ月、42カ月、44カ月、46カ月、48カ月、50カ月、52カ月、54カ月、56カ月、58カ月、60カ月以上に亘る0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、又は1.0%未満の増加である。更なる態様では、本発明のオリタバンシン原薬調製物は、冷蔵保存された場合、48カ月以内に不純物において1.5%未満の増加を呈する。他の態様では、増加は、2カ月、4カ月、6カ月、8カ月、10カ月、12カ月、14カ月、16カ月、18カ月、20カ月、22カ月、24カ月、26カ月、28カ月、30カ月、32カ月、34カ月、36カ月、38カ月、40カ月、42カ月、44カ月、46カ月、48カ月、50カ月、52カ月、54カ月、56カ月、58カ月、60カ月以上に亘る0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、又は1.0%未満の増加である。
オリタバンシンを含む原薬調製物を調製する方法
また、本発明は、本明細書に定義されるオリタバンシン又はその塩の原薬調製物を調製する方法を含み、そこでは最小純度レベル(又は最大不純物レベル)が達成されている。
特定の実施形態では、本発明のオリタバンシン原薬調製物を調製する方法は、
a)クロロエレモマイシン産生微生物の培養物を、動物起源材料(ASM)を含まない培地において発酵条件下で及び上記培養物によってクロロエレモマイシンの生合成を促進する条件下で培養する工程と、
b)高分子交換樹脂を使用してa)の発酵ブロスからクロロエレモマイシンを回収する工程と、
c)高分子吸着樹脂を使用してb)で回収された上記クロロエレモマイシンを脱色し、疎水性高分子樹脂カラムを使用して脱色されたクロロエレモマイシンをクロマトグラフィーによって分離し、有機溶媒を使用して分離されたクロロエレモマイシンを沈殿させる工程と、
d)c)の沈殿したクロロエレモマイシン及び銅塩の有機溶媒溶液を調製し、該溶液を4−クロロ−4’−ビフェニルカルボキサルデヒドと反応させ、アセトニトリルを使用して上記溶液からオリタバンシン−銅錯体を沈殿させる工程と、
e)水性酸を添加することによってd)の上記オリタバンシン−銅錯体から銅を脱錯体し、高分子疎水性樹脂を使用して脱錯体されたオリタバンシンを分離する工程であって、上記添加及び分離を同時に又は順次に行う工程と、
f)e)で上記樹脂から溶出されたオリタバンシン溶液を濃縮する工程と、
g)水性エタノール中でf)の濃縮物からオリタバンシンを沈殿させる工程と、
h)沈殿したオリタバンシンを乾燥して、本発明のオリタバンシン原薬調製物を調製する工程と、
を含む。かかる原薬調製物は、(i)図1のピークA及び図2のピークGによってそれぞれ定義される不純物1(オリタバンシン因子A)及び不純物7(オリタバンシン因子C)のピーク面積の3.0%以下の最大不純物レベルを有する、オリタバンシン又はその塩の原薬調製物、(ii)図1のピークA及び図2のピークB〜ピークPによってそれぞれ定義される不純物1〜不純物16に対するピーク面積の約85%以上の純度を有する、オリタバンシン又はその塩の原薬調製物、並びに(iii)約85%以上の純度を有するオリタバンシン又はその塩の原薬調製物を含む。
上に記載されるオリタバンシン原薬調製物を調製する方法では、クロロエレモマイシン産生微生物は、クロロエレモマイシンを生得的に産生する、又はクロロエレモマイシンを産生するように操作されている任意の微生物であってもよい。好適な微生物として、限定されないが、次の属、すなわちノカルジア属、アミコラトプシス属、及びキブデロスポランギウム属の1又は複数の微生物が挙げられる。特定の態様では、クロロエレモマイシン産生微生物は、キブデロスポランギウム・アリズムである。
工程(a)の発酵条件は、一般的には、30℃〜35℃での炭化水素、窒素、少数元素、陽イオン、及びリン酸塩の供給源の使用を含む。
動物起源材料(ASM)を含まない培地は、動物に由来しない窒素供給源で補足されている培地である。培地に使用され得る窒素の好適な供給源として、限定されないが、大豆粕/大豆粉の酵素消化物が挙げられる。決定的な要因は、それが有機性窒素の供給源としてはたらくことである。好適な培地として、限定されないが、マグネシウム、カルシウム、カリウム、リン酸塩、及び一次培養酵母(primary grown yeast)の水溶液が挙げられる。
培養物によるクロロエレモマイシンの生合成を促進する条件として、限定されないが、20℃〜40℃の温度範囲、並びに微生物の増殖を維持するのに十分な通気及び撹拌速度が挙げられる。
発酵ブロスからのクロロエレモマイシンの回収における使用に適した高分子交換樹脂として、限定されないが、スチレンとジビニルベンゼンとのスルホン化マクロ多孔性コポリマーが挙げられる。
回収されたクロロエレモマイシンの脱色における使用に適した高分子吸着樹脂として、限定されないが、スチレンとジビニルベンゼンとの非官能化マクロ多孔性コポリマーが挙げられる。
脱色されたクロロエレモマイシンのクロマトグラフィーによる分離における使用に適した疎水性高分子樹脂カラムとして、限定されないが、スチレンとジビニルベンゼンとの非官能化マクロ多孔性コポリマーが挙げられる。
分離されたクロロエレモマイシンの沈殿における使用に適した有機溶媒として、限定されないが、メタノールが挙げられる。
沈殿したクロロエレモマイシン及び銅塩の溶液の調製における使用に適した有機溶媒として、限定されないが、メタノールが挙げられる。
オリタバンシン−銅錯体からの銅の脱錯体における使用に適した水性酸として、限定されないが、ギ酸及びリン酸が挙げられる。
脱錯体されたオリタバンシンの分離における使用に適した高分子疎水性樹脂として、限定されないが、スチレンとジビニルベンゼンとの非官能化マクロ多孔性コポリマーが挙げられる。
樹脂から溶出されたオリタバンシン溶液の濃縮に適した手段として、限定されないが、減圧下での揮発性溶媒の蒸留、又は限外濾過/透析濾過が挙げられる。
沈殿したオリタバンシンを乾燥するのに適した手段として、限定されないが、昇温及び減圧状態でのトレー上又はNutscheフィルターにおける乾燥が挙げられる。
オリタバンシン原薬調製物を調製する方法は、幾つかの追加の任意工程を含む場合がある。例えば、脱色の後かつクロマトグラフィーに先立って、濃縮工程及び沈殿工程を行ってもよい。濃縮工程は、減圧下での揮発性溶媒の蒸留によって行われてもよい。沈殿工程は、溶液のアルカリ性pHへの調整によって行われてもよい。さらに、濃縮工程は、クロマトグラフィーの後かつ沈殿に先立って行われてもよい。この濃縮工程は、減圧下での揮発性溶媒の蒸留によって行われてもよい。さらに、脱色されたクロロエレモマイシンは、疎水性高分子樹脂カラムを使用するのではなく逆相シリカゲル上でクロマトグラフィーによって分離されてもよい。さらに、クロロエレモマイシン及び銅塩を含む溶液と4−クロロ−4’−ビフェニルカルボキサルデヒドとの反応は、水素化剤を使用して終了されてもよい。最終的には、オリタバンシン−銅錯体からの銅の脱錯体は、高分子疎水性樹脂上の脱錯体されたオリタバンシンを分離する工程がオリタバンシンから銅を除去するようにもはたらくことから、任意の工程である。
また、本発明は、本明細書に提示される方法によって調製されるオリタバンシン原薬調製物を包含する。
オリタバンシン原薬調製物を含む医薬組成物
本発明は、本発明のオリタバンシン原薬調製物(すなわち、最小純度レベル(又は最大不純物レベル)が達成されているオリタバンシン又はその塩の原薬調製物)と、1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物を含む。本発明の一態様では、オリタバンシン原薬調製物の純度/不純物のレベルは、HPLCクロマトグラム上の1又は複数の選択された不純物のピーク面積によって定義される。特定の実施形態では、医薬組成物は、オリタバンシン原薬調製物と、1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含み、オリタバンシン原薬調製物は、図2に示されるピークB及びピークJによってそれぞれ定義される不純物2(DEV A)及び不純物10(オリタバンシン CR)のピーク面積の5.5%以下の最大不純物レベルを有する。代替的な態様では、最大不純物レベルは、不純物2及び不純物10のピーク面積の5.4%、5.3%、5.2%、5.1%、5.0%、4.9%、4.8%、4.7%、4.6%、4.5%、4.4%、4.3%、4.2%、4.1%、4.0%、3.9%、3.8%、3.7%、3.6%、3.5%、3.4%、3.3%、3.2%、3.1%、3.0%、2.9%、2.8%、2.7%、2.6%、2.5%、2.4%、2.3%、2.2%、2.1%、2.0%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1.0%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、又は0.1%以下である。特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物は、不純物2及び不純物10のピーク面積の4.8%以下の最大不純物レベルを有する。別の特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物は、不純物2及び不純物10のピーク面積の3.0%以下の最大不純物レベルを有する。不純物2及び不純物10の相対量は変化してもよく、上記原薬調製物において不純物2及び不純物10の総計量中、5.4%、5.3%、5.2%、5.1%、5.0%、4.9%、4.8%、4.7%、4.6%、4.5%、4.4%、4.3%、4.2%、4.1%、4.0%、3.9%、3.8%、3.7%、3.6%、3.5%、3.4%、3.3%、3.2%、3.1%、3.0%、2.9%、2.8%、2.7%、2.6%、2.5%、2.4%、2.3%、2.2%、2.1%、2.0%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1.0%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、又は0.1%以下の不純物2を含む。
別の特定の実施形態では、医薬組成物は、オリタバンシン原薬調製物と、1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含み、該オリタバンシン原薬調製物は図2のピークB〜ピークPによってそれぞれ定義される不純物2〜不純物16に対するピーク面積の約85%以上の純度を有する。代替的な態様では、オリタバンシン原薬調製物は、不純物2〜不純物16に対するピーク面積の約86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%以上の純度を有する。特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物は、不純物2〜不純物16に対するピーク面積の約90%以上の純度を有する。更なる特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物は、不純物2〜不純物16に対するピーク面積の約96%以上の純度を有する。別の特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物は、不純物2〜不純物16に対するピーク面積の約85%〜90%、約86%〜91%、約87%〜92%、約88%〜93%、約89%〜94%、約90%〜95%、約90%〜96%、約91%〜96%、又は約92%〜97%の純度を有する。
好適な薬学的に許容可能な賦形剤として、限定されないが、マンニトール、ソルビトール、スクロース、及びトレハロースが挙げられる。特定の態様では、薬学的に許容可能な賦形剤はマンニトールである。1又は複数の賦形剤に対する上記原薬調製物の比は変化してもよく、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、及び1:10(重量/重量)を含む。別の様式で述べると、本発明の医薬組成物は、該医薬組成物の約50重量%〜75重量%の範囲のオリタバンシン原薬調製物、及び約50重量%〜25重量の範囲の1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤を含む。一態様では、本発明の医薬組成物は、約55重量%〜70重量%の範囲のオリタバンシン原薬調製物、及び約45重量%〜30重量%の範囲の1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤を含む。別の態様では、本発明の医薬組成物は、約56重量%〜68重量%の範囲のオリタバンシン原薬調製物、及び約44重量%〜32重量%の範囲の1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤を含む。更なる態様では、本発明の医薬組成物は、約16重量%〜21重量%の範囲のオリタバンシン原薬調製物、及び約84重量%〜79重量%の範囲の1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤を含む。特定の態様では、医薬組成物中のオリタバンシン原薬調製物の量は、該組成物の約70重量%、69重量%、68重量%、67重量%、66重量%、65重量%、64重量%、63重量%、62重量%、61重量%、60重量%、59重量%、58重量%、57重量%、56重量%、55重量%、54重量%、53重量%、52重量%、51重量%又は50重量%以下であり、残部重量は1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤、水分、及び対イオンを含む。
本発明のオリタバンシン原薬調製物を含む医薬組成物は、その経時的な安定性を更に特徴とし得る。一態様では、本発明の医薬組成物は、およそ室温で保存された場合、36カ月以内に不純物2及び不純物10のレベルにおいてピーク面積の1.0%未満の増加を呈する。他の態様では、増加は、2カ月、4カ月、6カ月、8カ月、10カ月、12カ月、14カ月、16カ月、18カ月、20カ月、22カ月、24カ月、26カ月、28カ月、30カ月、32カ月、34カ月、36カ月、38カ月、40カ月、42カ月、44カ月、46カ月、48カ月、50カ月、52カ月、54カ月、56カ月、58カ月、60カ月以上に亘る0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、又は1.0%未満の増加である。別の態様では、本発明の医薬組成物は、36カ月以内に不純物2〜不純物16のレベルにおいてピーク面積の2.0%未満の増加を呈する。他の態様では、増加は、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60に亘る0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、又は1.0%未満の増加である。
また、本発明のオリタバンシン原薬調製物を含む医薬組成物は、そのpHを特徴とし得る。オリタバンシン原薬調製物を含む医薬組成物は、2.0〜5.0、2.5〜4.5、3.0〜4.5、3.0〜4.0、3.5〜4.5のpHを有してもよく、又は約2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9又は5.0のpHであってもよい。
オリタバンシン原薬調製物を含む医薬組成物を調製する方法
また、本発明は、本発明のオリタバンシン原薬調製物(すなわち、最小純度レベル(又は最大不純物レベル)が達成されているオリタバンシン又はその塩の原薬調製物)と、1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物を調製する方法を含む。
特定の実施形態では、医薬組成物を調製する方法は、
a)1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤を2.5〜3.5のpHを有する水に溶解して溶液を形成する工程と、
b)a)の前記溶液中にオリタバンシン原薬調製物を溶解し、前記溶液のpHを3.5〜4.0に調整する工程と、
c)b)の前記溶液を濾過する工程と、
d)c)の濾過した溶液を凍結乾燥して本発明の原薬調製物を含む医薬組成物を調製する工程と、
を含む。かかる医薬組成物は、(i)本発明のオリタバンシン原薬調製物と、1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物であって、オリタバンシン原薬調製物が図2のピークB及びピークJによってそれぞれ定義される不純物2及び不純物10に対するピーク面積の約5.5%以下の最大不純物レベルを有する、医薬組成物、並びに(ii)本発明のオリタバンシン原薬調製物と、1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物であって、オリタバンシン原薬調製物が図2のピークB〜ピークPによってそれぞれ定義される不純物2〜不純物16に対するピーク面積の約85%以上の純度を有する、医薬組成物を含む。
上記方法の或る特定の態様では、c)の濾過した溶液は、d)の凍結乾燥に先立って滅菌バイアルに加えられる。
上記方法の或る特定の態様では、b)においてpHは、3.1〜4.4、3.2〜4.3、3.3〜4.3、3.4〜4.2、3.5〜4.1、3.5〜4.0、3.6〜3.9、3.6〜3.8、又は3.7〜4.2に調整される。
上記方法の或る特定の態様では、凍結乾燥は、約7.0重量%、6.5重量%、6.0重量%、5.5重量%、5.0重量%、4.5重量%、4.0重量%、3.5重量%、3.0重量%、2.5重量%、2.0重量%、1.5重量%、1重量%又は0.5重量%未満の水分レベルを達成する。
上記溶液のpHを調整するのに適した手段として、限定されないが、所望のpHが達成されるまで上記溶液にリン酸を添加することが挙げられる。
b)の溶液を濾過するのに適した手段として、限定されないが、0.45μm及び0.22μmのフィルターを順番に使用することが挙げられる。
また、本発明は、本明細書に提示される方法によって調製される医薬組成物を包含する。
医薬組成物を含む医薬品
本発明は、本発明の医薬組成物(すなわち、本発明のオリタバンシン原薬調製物(すなわち、最小純度レベル(又は最大不純物レベル)が達成されているオリタバンシン又はその塩の原薬調製物)を含む医薬組成物)と、1又は複数の追加の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬品又は剤形を含む。
本発明の一態様では、オリタバンシン原薬調製物の純度/不純物のレベルは、HPLCクロマトグラム上の1又は複数の選択された不純物のピーク面積によって定義される。特定の実施形態では、上記医薬品又は剤形は、本発明の医薬組成物と、1又は複数の追加の薬学的に許容可能な賦形剤とを含み、オリタバンシン原薬調製物が図2のピークB〜ピークPによってそれぞれ定義される不純物2〜不純物16に対するピーク面積の約85%以上の純度を有する。代替的な態様では、オリタバンシン原薬調製物は、不純物2〜不純物16に対するピーク面積の約86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%以上の純度を有する。特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物は、不純物2〜不純物16に対するピーク面積の約90%以上の純度を有する。更なる特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物は、不純物2〜不純物16に対するピーク面積の約96%以上の純度を有する。別の特定の態様では、オリタバンシン原薬調製物は、不純物2〜不純物16に対するピーク面積の約85%〜90%、約86%〜91%、約87%〜92%、約88%〜93%、約89%〜94%、約90%〜95%、約90%〜96%、約91%〜96%、又は約92%〜97%の純度を有する。
好適な薬学的に許容可能な賦形剤として、限定されないが、マンニトール、ソルビトール、スクロース及びトレハロースが挙げられる。特定の態様では、薬学的に許容可能な賦形剤はマンニトールである。1又は複数の賦形剤に対する上記原薬調製物の比は変化してもよく、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、及び1:10(重量/重量)を含む。
本発明の医薬組成物を含む医薬品又は剤形は、その経時的な安全性を更に特徴とし得る。一態様では、本発明の医薬品又は剤形は、3カ月以内に不純物2〜不純物16のレベルにおいてピーク面積の0.5%未満の増加を呈する。他の態様では、増加は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間以上、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日以上、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間以上、又は1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月以上に亘る0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、又は1.0%未満の増加である。
また、本発明の医薬組成物を含む医薬品又は剤形は、そのpHを特徴とし得る。該医薬品又は剤形は、2.0〜5.0、2.5〜4.5、3.0〜4.5、3.0〜4.0、3.5〜4.5のpHを有してもよく、又は約2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9又は5.0のpHであってもよい。
医薬組成物を含む医薬品を調製する方法
また、本発明は、本発明の医薬組成物(すなわち、本発明のオリタバンシン原薬調製物(すなわち、最小純度レベル(又は最大不純物レベル)が達成されているオリタバンシン又はその塩の原薬調製物)を含む医薬組成物)と、1又は複数の追加の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬品又は剤形を調製する方法を含む。
特定の実施形態では、本発明の医薬組成物と、1又は複数の追加の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬品又は剤形を調製する方法は、本発明の医薬組成物を注射用水又は水中5%のデキストロースに溶解して溶液を形成することにより、本発明の医薬組成物を含む医薬品又は剤形を調製することを含む。かかる医薬品又は剤形は、本発明の医薬組成物と、1又は複数の追加の薬学的に許容可能な賦形剤とを含み、オリタバンシン原薬調製物が図2のピークB〜ピークPによってそれぞれ定義される不純物2〜不純物16に対するピーク面積の約85%以上の純度を有する。
或る特定の態様では、上記溶液中のオリタバンシンの濃度は、約0.5mg/mL〜100mg/mL、1mg/mL〜50mg/mL、2.5mg/mL〜40mg/mL、5mg/mL〜30mg/mL、7.5mg/mL〜25mg/mL、0.5mg/mL〜50mg/mL、0.5mg/mL〜40mg/mL、0.5mg/mL〜30mg/mL、5mg/mL〜100mg/mL、5mg/mL〜50mg/mL、又は5mg/mL〜50mg/mLである。
また、本発明は、本明細書に提示される方法によって調製される医薬品を包含する。
高純度のクロロエレモマイシン
本発明は、高純度のクロロエレモマイシン又はその塩を含む。本発明の一態様では、クロロエレモマイシンの純度/不純物のレベルは、HPLCクロマトグラム上の1又は複数の選択された不純物のピーク面積によって定義される。特定の実施形態では、本発明は、図3のピーク3、1、7、2、4、5及び6によってそれぞれ定義される不純物の主要因子A、C、及びD、並びに物質P、Q、R、及びSのピーク面積の25.0%以下の最大不純物レベルを有する、高純度のクロロエレモマイシン又はその塩に関する。代替的な態様では、クロロエレモマイシン又はその塩は、図3のピーク3、1、7、2、4、5及び6によって定義される不純物の主要因子A、C、及びD、並びにサブスタンスP、Q、R、及びSのピーク面積の24.5%、24%、23.5%、23%、22.5%、22%、21.5%、21%、20.5%、20%、19.5%、19%、18.5%、18%、17.5%、17%、16.5%、16%、15.5%、15%、14.5%、14%、13.5%、13%、12.5%、12%、11.5%、11%、10.5%、10%以下の最大不純物レベルを有する。特定の態様では、クロロエレモマイシン又はその塩は、図3のピーク3、1、7、2、4、5及び6によって定義される不純物の主要因子A、C、及びD、並びに物質P、Q、R、及びSのピーク面積の18.0%以下の最大不純物レベルを有する。
別の特定の実施形態では、高純度のクロロエレモマイシン又はその塩は、80%以上の純度を有する。代替的な態様では、高純度のクロロエレモマイシン又はその塩は、約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%以上の純度を有する。特定の態様では、高純度のクロロエレモマイシン又はその塩は、約82%以上の純度を有する。更なる特定の態様では、高純度のクロロエレモマイシン又はその塩は、約90%以上の純度を有する。別の特定の態様では、高純度のクロロエレモマイシン又はその塩は、約80%〜95%、約81%〜95%、約82%〜95%、約83%〜95%、約85%〜95%、約86%〜95%、約87%〜95%、約88%〜95%、又は約89%〜95%の純度を有する。
本発明の高純度のクロロエレモマイシンは、その経時的な安定性を更に特徴とし得る。一態様では、本発明の高純度のクロロエレモマイシンは、冷蔵条件下で12カ月以内に不純物3、1、7、2、4、5及び6のレベルにおけるピーク面積の1.0%未満の増加を呈する。他の態様では、増加は、1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、7カ月、8カ月、9カ月、10カ月、11カ月、12カ月、13カ月、14カ月、15カ月、16カ月、17カ月、18カ月、19カ月、20カ月、21カ月、22カ月以上に亘る0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、又は1.0%未満の増加である。別の態様では、本発明の高純度のクロロエレモマイシンは、冷蔵条件下で12カ月以内に不純物のレベルにおける2.0%未満の増加を呈する。他の態様では、増加は、1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、7カ月、8カ月、9カ月、10カ月、11カ月、12カ月、13カ月、14カ月、15カ月、16カ月、17カ月、18カ月、19カ月、20カ月、21カ月、22カ月以上に亘る0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、又は1.0%未満の増加である。
高純度のクロロエレモマイシンを調製する方法
また、本発明は高純度のクロロエレモマイシン又はその塩を調製する方法を含む。
特定の実施形態では、高純度のクロロエレモマイシン又はその塩を調製する方法は、
a)クロロエレモマイシン産生微生物の培養物を、動物起源材料(ASM)を含まない培地において発酵条件下で及び上記培養物によってクロロエレモマイシンの生合成を促進する条件下で培養する工程と、
b)高分子交換樹脂を使用してa)の発酵ブロスからクロロエレモマイシンを回収する工程と、
c)高分子吸着樹脂を使用してb)で回収された上記クロロエレモマイシンを脱色し、疎水性高分子樹脂カラムを使用して脱色されたクロロエレモマイシンをクロマトグラフィーによって分離し、有機溶媒を使用して分離されたクロロエレモマイシンを沈殿させる工程と、
d)クロロエレモマイシン結晶を乾燥して高純度のクロロエレモマイシン又はその塩を調製する工程と、
を含む。かかる高純度のクロロエレモマイシン又はその塩は、図3のピーク3、1、7、2、4、5及び6によってそれぞれ定義される不純物の主要因子A、C、及びD、並びに物質P、Q、R、及びSのピーク面積の18.0%以下の最大不純物レベルを有するクロロエレモマイシンを含む。
上記の高純度のクロロエレモマイシンを調製する方法では、クロロエレモマイシン産生微生物は、クロロエレモマイシンを生得的に産生する、又はクロロエレモマイシンを産生するように操作されている任意の微生物であってもよい。好適な微生物として、限定されないが、次の属、すなわちノカルジア属、アミコラトプシス属、及びキブデロスポランギウム属の1又は複数の微生物が挙げられる。特定の態様では、クロロエレモマイシン産生微生物は、キブデロスポランギウム・アリズムである。
工程(a)の発酵条件は、一般的には、30℃〜35℃での炭化水素、窒素、少数元素、陽イオン、及びリン酸塩の供給源の使用を含む。
動物起源材料(ASM)を含まない培地は、動物に由来しない窒素供給源で補足されている培地である。培地に使用され得る窒素の好適な供給源として、限定されないが、大豆粕/大豆粉の酵素消化物が挙げられる。決定的な要因は、それが有機性窒素の供給源としてはたらくことである。好適な培地として、限定されないが、マグネシウム、カルシウム、カリウム、リン酸塩、及び一次培養酵母の水溶液が挙げられる。
培養物によるクロロエレモマイシンの生合成を促進する条件として、限定されないが、20℃〜40℃の温度範囲、並びに微生物の成長を維持するのに十分な通気及び撹拌速度が挙げられる。
発酵ブロスからのクロロエレモマイシンの回収における使用に適した高分子交換樹脂として、限定されないが、スチレンとジビニルベンゼンとのスルホン化マクロ多孔性コポリマーが挙げられる。
回収されたクロロエレモマイシンの脱色における使用に適した高分子吸着樹脂として、限定されないが、スチレンとジビニルベンゼンとの非官能化マクロ多孔性コポリマーが挙げられる。
脱色されたクロロエレモマイシンのクロマトグラフィーによる分離における使用に適した疎水性高分子樹脂カラムとして、限定されないが、スチレンとジビニルベンゼンとの非官能化マクロ多孔性コポリマーが挙げられる。
分離されたクロロエレモマイシンの沈殿における使用に適した有機溶媒として、限定されないが、メタノールが挙げられる。
クロロエレモマイシン結晶を乾燥するのに適した手段として、限定されないが、昇温及び減圧状態でのトレー上又はNutscheフィルターにおける乾燥が挙げられる。
高純度のクロロエレモマイシン又はその塩を調製する方法は、幾つかの追加の任意工程を含んでもよい。例えば、脱色の後かつクロマトグラフィーに先立って、濃縮工程及び沈殿工程を行ってもよい。濃縮工程は、減圧下での揮発性溶媒の蒸留によって行われてもよい。沈殿工程は、溶液のアルカリ性pHへの調整によって行われてもよい。さらに、濃縮工程は、クロマトグラフィーの後かつ沈殿に先立って行われてもよい。この濃縮工程は、減圧下での揮発性溶媒の蒸留によって行われてもよい。さらに、脱色されたクロロエレモマイシンは、疎水性高分子樹脂カラムを使用するのではなく逆相シリカゲル上でクロマトグラフィーによって分離されてもよい。
また、本発明は、本明細書に提供される方法によって調製される高純度のクロロエレモマイシンを包含する。
純度を測定する手段
オリタバンシン若しくはオリタバンシン原薬調製物、又は医薬組成物、医薬品、若しくは剤形中のオリタバンシン原薬調製物の純度レベルはHPLCによって特定され得る。特定の態様では、純度レベルはHPLCによって測定され、HPLC法はC18逆相固定相、及び約1/1000/10(容積/容積/容積)の比率のリン酸/水/テトラヒドロフランである移動相A中、約1/1000/1500/25(容積/容積/容積/容積)の比率のリン酸/水/アセトニトリル/テトラヒドロフランである移動相Bの勾配を含む。
また、クロロエレモマイシン、又はクロロエレモマイシンを含む原薬調製物、医薬組成物、医薬品、及び剤形中のクロロエレモマイシンの純度のレベルもHPLCによって特定され得る。特定の態様では、クロロエレモマイシンの純度レベルはHPLCによって測定され、HPLC法はフェニル誘導体化逆相固定相、及び約100/0.2/0.03(容積/容積/容積)の比率の水/ギ酸/トリエチルアミンである移動相A中、約40/60/0.2/0.03(容積/容積/容積/容積)の比率のアセトニトリル/水/ギ酸/トリエチルアミンである移動相Bの勾配を含む。
HPLCクロマトグラムによるピーク面積を特定する手段
HPLCクロマトグラム上の不純物のピーク面積は、限定されないがAgilent製のChemStation、Waters製のEmpower、Shimadzu製のLabSolutions等の標準的なクロマトグラム統合ソフトウェアによって特定され得る。
医薬組成物を含むバイアル
また、本発明は、本発明の医薬組成物を含む凍結乾燥粉末を含有するバイアルに関する。或る特定の態様では、該バイアルは、化学的に不活性な乾燥気体の下で打栓されたガラスバイアルである。好適な化学的に不活性な乾燥気体として、限定されないが、窒素及びアルゴンが挙げられる。
III.実施例
1)製造プロセス及びプロセス調節の概要
オリタバンシン原薬(DS)は、2段階で製造される半合成糖ペプチドである。第1の段階は、中間体主要因子B(クロロエレモマイシン)を産生するための菌株改良法によってNRRL 18098株から得られた細菌株キブデロスポランギウム・アリズムを使用する古典的な発酵を含む。第2の段階は、オリタバンシン原薬を産生するための主要因子Bの還元的アルキル化を含む合成工程である。主要因子B及びオリタバンシン二リン酸塩の製造プロセスは、図4及び図5にそれぞれ提示されるフローチャートに示される。
2)主要因子Bの製造
主要因子Bの製造は、以下に提示されるように、発酵、回収、精製、及び沈殿を含む。
A.発酵
主要因子Bを産生するために使用される発酵(生菌ストックバイアルから産生発酵槽まで)は、細胞集団を産生するために使用される古典的な発酵プロセスである。主要因子Bは、細胞の細胞代謝産物であり、培養物の本来の遺伝的性質によって規定される。産生培養物はキブデロスポランギウム・アリズムである。
播種用フラスコ/振盪フラスコ
主要因子Bの発酵プロセスにおけるこの工程の目的は、後の種発酵槽工程における培養物の適切な成長を達成するために十分なバイオマスを提供することであった。
播種用フラスコ(振盪フラスコ)にキブデロスポランギウム・アリズムの凍結生菌ストックバイアルの全部又は一部を用いて播種した。播種に先立って、振盪フラスコ培地を120℃〜127℃で20分以上オートクレーブした。播種用フラスコを回転式振盪機上でインキュベートして培養物の成長を支持し、細胞集団の増加をもたらした。播種用フラスコの活発に成長する細胞を使用して種発酵槽に播種した。
播種用フラスコ培地の典型的な組成を表1に列挙する。培地は、水と、培養物の成長を支持する炭素及び窒素の供給源とを含有する。以前は、発酵段階で成長培地に使用される原材料の幾つかは、動物組織の消化物を含有した。本明細書で提供される方法論は、動物起源材料(ASM)不含試薬の使用に限定され、これらの材料によらずに産生されるオリタバンシンは、ASM不含オリタバンシン原薬調製物と呼ばれる。炭素及び窒素の供給源は、表2に列挙される他の同様の原料と交換可能であり、安定な成長を提供するため濃度を変化してもよい。ASM含有試薬を使用した対照実験について、植物系材料の消化物(表1の大豆粕/大豆粉の消化物である、ファイトン等)に代えて、動物組織の消化物(ブタ皮膚の消化物等)を使用した。全ての実験に対して、播種用フラスコの名目上の操作温度は33±2℃であり、撹拌速度は240±10RPMであった。上記温度及び撹拌の範囲外での操作は、良好な成長が明らかである限り許容可能であった。好適な成長を、細胞密度を測定すること(600nmでの培地の光学密度測定)、及び最小光学密度7、典型的には10〜15を得ることによって特定した。振盪フラスコに対する典型的なサイクル時間は40時間であった。また、成長する培養物を純度又は他の微生物の不在について確認した。
種発酵槽
主要因子B発酵プロセスにおけるこの工程の目的は、後の産生発酵槽工程において培養物の適切な成長を達成するため十分なバイオマスを提供することであった。
環境調節プロセスの変化要因(温度、通気、撹拌、及び背圧)と同様に、成長の安定性及び生産性(収率)を保証するために種発酵槽サイクル時間(エイジ(age))を調節した。種発酵槽バッチのサイズは、産生発酵槽への移行に望ましい播種容量の依存要因であった。典型的には、産生発酵槽容量の3%〜10%の播種容量が、産生発酵槽での最適な成長及び生産性(収率)に対して十分な細胞数を提供した。種バッチの典型的な容量は、42000Lの産生発酵槽に対して3000Lであった。
種発酵槽培地を121℃〜125℃で45±5分間スチーム熱処理し、播種温度まで冷却した後、播種フラスコの内容物から無菌的に播種した。表2に列挙される原材料から選択される原料を使用して、種発酵槽培地を調製した。実験対照においてのみ動物起源材料を使用した。種発酵槽を撹拌し、通気し、一定温度に維持した。外来生物の進入を防止するため、熱処理後に種発酵槽に対して陽性背圧を維持した。該種発酵槽の活発に成長する細胞を使用して産生発酵槽を無菌的に播種した。
種発酵槽培地の典型的な組成を表3に列挙する。培地は、水、ミネラル、ビタミン、有機塩及び無機塩、消泡剤、並びに培養物の成長を支持する炭素、窒素及びリン酸塩の供給源を含有した。上記原料は、表2に列挙される他の同様の原料と交換可能であり(すなわち、デキストロースをグルコースに置き換えることができる)、安定成長を提供するため濃度を変化してもよい。ASM含有試薬を使用する対照実験について、トリプチケースソイブロス(ウシ乳カゼインの消化物を含有する)及びソイトン(大豆粕のブタ膵臓消化物)をHy−Soyに代えて使用した(表3)。
好適な量の細胞集団が全ての実験において達成されるまで、20℃〜40℃を標的とする調節温度に種発酵槽の温度を維持した。撹拌及び通気の速度は種発酵槽のサイズに依存し、適切な酸素の移動を果たすように変化させた。これらの範囲外の短時間の逸脱は、良好な成長が明らかである限り許容可能であった。pH及び酸素消費量を含む代謝プロセスの変化の間接的な測定、及び顕微鏡検査による直接的な測定より成長及び生存率をモニターした。純度試験を行うことにより外来生物の成長の存在について種発酵槽を確認した。これらの試験は、成長する培養物の標準的なグラム染色、及び一般的な目的の培地、すなわちカゼイン大豆消化物ブロス中で成長させた培養物のグラム染色を含んだ。選択生物の存在及び外来微生物の不在を確認した。その後、種発酵槽に由来する純粋な培養物を産生発酵槽における使用のためリリースした。この段階での成長を達成するために必要な典型的なサイクル時間は、約42時間〜60時間であった。種発酵槽の典型的な操作条件を表4に提示する。
産生発酵槽
産生発酵槽の目的は、高い細胞密度まで培養物を増殖させ、培養物による主要因子Bの生合成に十分な期間、この細胞集団の生存率を維持することであった。
環境調節プロセスの変化要因(温度、撹拌、通気、pH、及び背圧)と同様、成長の安定性及び生産性(収率)を保証するために産生発酵槽のサイクル時間(エイジ)を操作範囲内で調節した。産生発酵槽のサイズは、回収プロセスへの移行に望ましい細胞集団の容量の依存要因であった。産生発酵槽の容量は、18000L〜60000Lの範囲であり、典型的な発酵槽の容量は42000Lであった。
産生発酵培地を121℃〜125℃で40±5分間スチーム加熱処理した。種発酵工程で産生された培養物を用いて産生発酵槽を無菌的に播種した。表2に列挙される原材料から選択される原料を使用して、産生発酵槽培地を調製した。実験対照においてのみ動物起源材料を使用した。外来生物の進入を防止するため、熱処理後に産生発酵槽に対して陽性背圧を維持した。
産生発酵槽培地の典型的な組成を表5に列挙する。該培地は、化学的に明確な原料及び複雑な農産物を含む。さらに、生物の成長に必要な栄養素は、該プロセスに使用される複雑な原材料と関連する潜在的な生存率を補填するため複数の原料によって提供される。原材料は、水、ミネラル、ビタミン、有機塩及び無機塩、消泡剤、並びに培養物の成長を支持する炭素、窒素及びリン酸塩の供給源を含む。上記原料は、表2に列挙される他の同様の原料と交換可能であり(すなわち、大豆粉を大豆粗粒子(grits)に置き換えることができる)、安定した成長を提供するため濃度を変化してもよい。さらに、炭素及び/又は窒素の供給源を、培養物の生存率を持続させ、安定性及び生産性(収率)を提供するため上記発酵に入れてもよい。ASM含有試薬を使用した対照実験について、大豆粉に代えてペプトン PSR#5(ブタ皮膚の酵素消化物)を使用した(表5)。
全ての実験において細胞成長を促進し、細胞集団の生存率を維持するため、20℃〜40℃を標的とする調節された温度に産生発酵槽の温度を維持した。撹拌及び通気の速度は産生発酵槽のサイズに依存し、適切な酸素の移動を果たすように変化させた。産生発酵槽のpHを、培養物の生存率を維持するため6.6〜6.8に調節した。これらの範囲外の短時間の逸脱は、良好な成長が明らかである限り許容可能であった。持続的な成長及び主要因子Bの生合成のため、発酵サイクルを通して糖及びアンモニア水を入れた。pH、酸素、グルコース及びアンモニウムの消費量を含む代謝プロセスの変化の間接的な測定により、成長及び生存率をモニターした。また、培地の顕微鏡検査も行った。発酵サイクルを通して毎日ブロスをサンプリングし、外来生物の成長について試験した。これらの試験は、成長する培養物の標準的なグラム染色、及び一般的な目的の培地、すなわちカゼイン大豆消化物ブロス中で成長させた培養物のグラム染色を含んだ。選択生物の存在及び外来微生物の不在を確認した。全発酵サイクルの長さは典型的には284±8時間であった。発酵の回収期は、所望のバッチ収率及び細胞生存率の要因であり、重要なプロセス決定ではなかった。より短いサイクルで発酵を回収することは、より低い発酵バッチタイターをもたらしたのに対し、発酵サイクル時間の延長は生存率が不十分であったためバッチタイターを改善しなかった。上記培養物をサイクルの終了時に回収し、主要因子Bの回収に移行した。上記プロセスの産生発酵段階は、細胞成長及び主要因子の合成を促進するようにはたらいた。全ての実験について、産生発酵槽の典型的な操作条件を表6に提示する。
上記発酵における主要因子Bのタイター収率は、細胞成長、培地濃度、及び発酵サイクルの関数であり、典型的には2g/L〜4g/Lの範囲内であった。主要因子Bのタイター収率を発酵の完了後に決定した。
B.回収
因子捕捉
これらの工程の目的は、発酵ブロスから主要因子B及び糖ペプチド関連物質を分離することであった。発酵ブロスを高分子陽イオン交換樹脂と約6時間混合し、およそ50℃まで温めて樹脂上に主要因子を吸着した。濾過によって使用したブロスから樹脂を分離し、水で洗浄した。
アルカリ水と混合することによって樹脂から主要因子B及び関連する構造を脱着した。その後、樹脂を水で洗浄し、分離した。脱着された主要因子を含有する溶出物及び洗浄物を回収し、合わせた。合わせた溶出物及び洗浄物のpHをpH6.5〜9.6に調整した。因子捕捉溶出物を濾過し、主要因子Bの濃度について試験した。
C.精製
脱色
これらの工程の目的は、上記因子捕捉溶出物から着色された成分を除去することであった。プールされた因子捕捉溶出物及び洗浄物中の主要因子を高分子吸着樹脂に吸着させ、該樹脂を水で洗浄した。イソプロピルアルコール及び酢酸の水溶液を使用して主要因子を溶出した。
幾つかの例では、因子捕捉溶出物を複数の脱色バッチとして処理した。その後、脱色バッチをプールして脱色プールを形成した。脱色プールを4つの主要因子[A+B+C+D]の濃度について試験した。
クロマトグラフィーによる分離
これらの工程の目的は、脱色プール中の主要因子Bを精製することであった。水酸化アンモニウムを使用して脱色プールのpHを6.5〜8.9に調整した。上記プールを精製水で希釈し、以下の仕様に従ってIPA含有量を調節した。
溶液pHが7.5超である場合、IPA含有量を3.0%(容積/容積)以下に調整した。
溶液pHが7.5以下である場合、IPA含有量を1.5%(容積/容積)以下に調整した。
上記溶液をポリスチレンジビニルベンゼン樹脂カラム(樹脂1L当たり、合わせた因子[A+B+C+D]合計50g以下をローディングする)にローディングした。
上記カラムを水性リン酸アンモニウムバッファー中の1%(容積/容積)イソプロパノール1.8BV(総容積(bed volumes))以上、水性一塩基リン酸アンモニウムバッファー中の3%(容積/容積)イソプロパノール1.8BV以上、最後に水性一塩基リン酸アンモニウムバッファー中の5%(容積/容積)イソプロパノールで連続的に溶出した。一つの総容積をカラム中の樹脂の容積として定義した。選択した初期及び後期の画分を、70PA%以上の因子B;8PA%以下の因子A;及び6PA%以下の因子Cの最小画分品質基準に対してHPLCにより分析した。
最小画分品質基準に合格する初期及び後期の画分をそれらの間にブラケットされた(bracketed)画分と共にプールした。幾つかの例では、画分プールのpHをリン酸及び/又は水酸化アンモニウムを使用して調整した。表7に列挙される画分プールの仕様に対して、画分プールの品質をHPLCによって確かめた。
濃縮(限外濾過/透析濾過)
プールした画分を部分的に限外濾過によって濃縮し、精製水を用いて該濃縮物(残余分と呼ぶ)を透析濾過した。透析濾過の残余物のpHを水性水酸化ナトリウム及び/又は酢酸を使用して9.6〜10.5に調整し、更に2.8以上の透析濾過容積(DV)の精製水を使用して透析濾過した。一つのDVを残余分の容積として定義した。
上記残余分をリン酸塩に対するイオンクロマトグラフィーによってアッセイし、リン酸塩の濃度が0.40mg/mL以下であった場合に透析濾過を終了した。残余分を酢酸で酸性化して酢酸塩を形成し、幾つかの例では更に濃縮及び/又は透析濾過した。残余分を必要に応じて精製水で希釈した。残余分中の主要因子Bの濃度をHPLCによって決定した。
D.沈殿
塩析
水溶液を加熱し、メタノール溶解性酢酸ナトリウムと混合した。必要に応じて単離した主要因子Bを用いて散布すること(seeding)により、沈殿を補助した。スラリーを冷却し、追加のメタノール溶解性酢酸ナトリウムを添加し、該スラリーを更に冷却した。沈殿した主要因子Bの二酢酸塩を遠心分離によって回収し、主要因子B 1kg当たり3L以上のメタノールで洗浄した。
乾燥及び製粉
ウェットケーキを減圧下、45℃以下で48時間以下、又は代替的には35℃以下で96時間以下に亘って乾燥した。7%(重量/重量)以下の残留溶媒の工程内制限(in-process limit)でガスクロマトグラフィーによって乾燥をモニターした。幾つかの例では、乾燥材料を機械的に分離し(delumped)、混ぜ合わせた。乾燥材料を8℃以下で保存した。
乾燥材料中の或る特定の不純物のレベルをHPLCによって決定した。図7Aからわかるように、或る特定の不純物のレベルはASM不含培地を使用した場合に減少した。
因子捕捉、脱色、クロマトグラフィーによる分離、濃縮(限外濾過/透析濾過)、沈殿及び乾燥の工程は、複数のバッチとして行われてもよい。典型的な主要因子Bの全体的回収率は、発酵ブロス中、20%〜50%の推定主要因子B Kgである。
3)オリタバンシン二リン酸塩の製造(還元的アルキル化)
本工程は、還元的アルキル化、クロマトグラフィーによる分離、限外濾過及び透析濾過による濃縮、塩析、及び乾燥を含む主要因子Bからオリタバンシン原薬調製物への合成的変換に関与するものであった。反応化学量論を表8に提示する。
A.還元的アルキル化
主要因子B(典型的には20kg〜45kg)及び酢酸銅(II)のメタノール溶液を周囲温度にて溶解するまで混合し、主要因子Bの銅錯体を生成した。この溶液に、開始材料である4−クロロ−4’−ビフェニルカルボキサルデヒドを固体又はテトラヒドロフラン溶液として添加した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウムのテトラヒドロフラン溶液を添加した。上記溶液を加熱した。
反応を完了させるため、及び/又は2位モノアルキル化誘導体を消費するため、追加の4−クロロ−4’−ビフェニルカルボキサルデヒドを必要に応じて添加した。工程内管理において、オリタバンシンに対する2位モノアルキル化誘導体の比率1.2%(重量/重量)以下の制限に対して反応の進行をHPLCによってモニターした。
反応混合物を周囲温度まで冷却し、水素化ホウ素ナトリウムを添加して残留4−クロロ−4’−ビフェニルカルボキサルデヒドを対応するアルコールに変換して終了した。幾つかの例では、水素化ホウ素ナトリウムを一部ずつ(in portions)添加した。
必要に応じて、反応混合物を酢酸及び水性水酸化ナトリウムを使用して調整した。該混合物を減圧下で濃縮し、アセトニトリルを添加して銅錯体としてオリタバンシンを沈澱させた。オリタバンシン銅錯体を回収し、必要に応じてアセトニトリルとメタノールとの混合物で洗浄した。23℃以下の温度で24時間以下に亘りウェットケーキを脱液した。該ウェットケーキを8℃以下で保存した。
B.クロマトグラフィーによる分離
オリタバンシン銅錯体を希釈したアセトニトリルと水性リン酸との混合物に溶解し、オリタバンシンを脱錯体した。アセトニトリルと水性リン酸との混合物で予め平衡化したポリスチレンジビニルベンゼン樹脂を含有するカラムに脱錯体溶液をローディングした。
水性リン酸アンモニウム中の14容積/容積%〜18容積/容積%(2.0BV(総容積)以上)及び24容積/容積%〜27容積/容積%のアセトニトリルの連続適用によりオリタバンシンを上記樹脂から溶出した。溶出物をバルク画分に回収した。オリタバンシンを含有する連続するバルク画分をサンプリングして試験用の混成試料プールを調製した。
工程内管理:表9のプール仕様に対して混成試料プールをHPLCによって分析した。合格混成試料プールを構成するためにサンプリングされたバルク画分を合わせた。
C.濃縮(UF/DF)
プールされた画分を限外濾過、その後精製水を使用する透析濾過によって濃縮した。濃縮物を必要に応じて限外濾過によって更に濃縮した。該濃縮物を必要に応じて精製水で希釈した。
濃縮物のpHを必要に応じてリン酸及び/又は水酸化ナトリウムの水溶液を使用して調整した。上記濃縮物(残余物と呼ぶ)中のオリタバンシン遊離塩基及びリン酸塩の濃度を測定した。
工程内管理:表9に列挙される残余物の仕様に対して上記残余物をHPLCによって分析した。残余物を25℃以下で8週間保存した。
D.塩結晶化及び乾燥
上記濃縮物を加熱し、エタノールを添加して40容積/容積%〜70容積/容積%のエタノールを含有する溶液を得た。水性リン酸アンモニウムの溶液を添加した。該溶液をオリタバンシン二リン酸塩に散布した。上記混合物を冷却し、第2部のリン酸アンモニウム水溶液を添加した。懸濁物を更に冷却し、結晶を単離した。上記残余物において測定されるオリタバンシン遊離塩基1kg当たり1L以上の水性エタノールでケーキを洗浄した。必要に応じて、固体を単離し、一部ずつ洗浄してもよい。
上記ケーキを減圧下で40℃以下にて乾燥し、水分及び残留溶媒についてサンプリングした。4.0%(重量/重量)以下の水の制限に対してカールフィッシャーにより、また5.0%(重量/重量)以下のエタノールの制限に対してGCにより乾燥をモニターした。上記ケーキを必要に応じて40℃以下で7日以下に亘り更に乾燥した。乾燥材料を必要に応じて機械的に分離した。
乾燥材料中の不純物のレベルをHPLCによって決定した。図7Bからわかるように、不純物のレベルは、オリタバンシンの産生がASM不含培地中に産生された主要因子Bによって開始された場合に減少した。
主要因子Bからのオリタバンシン二リン酸塩の全収率は、典型的には45%〜72%であった。
4)再処理手順
A.主要因子Bの製造
1)不純物仕様の不合格、2)リン酸塩の不合格、3)残留溶媒の不合格、及び4)不活性な微粒子汚染に対して以下の再処理手順を開発した。1又は複数の同様に影響を受けたバッチを再処理用に合わせてもよい。
不純物に対する再処理
工程内許容基準に不合格の画分プールをクロマトグラフィーによる分離、濃縮、塩析、及び乾燥の工程を繰り返すことにより再処理した。
リン酸塩に対する再処理
必要に応じて、合格の工程内リン酸塩の結果が得られるまでアルカリ透析濾過を続ける又はそれを繰り返すことによって任意の段階でのリン酸塩の不合格を再処理した。更に下流の処理を先に記載されるように行った。
不溶性異物汚染に対する再処理
必要に応じて、水への溶解、濾過及び塩析の際の上記プロセスへの再導入、並びに乾燥の繰り返しによって、主要因子Bを不活性な微粒子汚染について再処理した。
B.オリタバンシン二リン酸塩の製造(アルキル化)
1)分析に不合格の原薬残余物、2)異物について不合格のオリタバンシン二リン酸塩、及び3)純度について不合格のオリタバンシン二リン酸塩に対し、以下の再処理手順を開発した。1又は複数の同様に影響を受けたバッチを再処理用に合わせてもよい。
不純物に対するプール又は残余物の再処理
表9に列挙される関連して明示される物質に関する許容基準に不合格のクロマトグラフィープール又はUF残余物を再処理した。
上記プールに透析濾過プロセスを実施した。クロマトグラフィーによる分離を繰り返し、画分を回収し、試料混成プールを分析し、許容可能なバルク画分をプールした。表9の仕様に対して許容可能な場合、再処理材料を塩結晶化及び乾燥のため採取した。
異物の再処理
透明性、強熱残分、又は不溶性異物等の純度に無関係の仕様について不合格であるオリタバンシン二リン酸塩原薬を残余分段階に対して再構成し、再処理した。
オリタバンシン二リン酸塩を精製水に溶解した。必要であれば、pHを水性リン酸及びアンモニア水で調整した。溶液を濾過し、塩結晶化及び乾燥の工程を先に記載されるように行った。
不純物に対する原薬再処理
純度に不合格のオリタバンシン二リン酸塩原薬もまた、再処理され得る。オリタバンシン二リン酸塩を精製水及び水性リン酸中のアセトニトリルの混合物に溶解し、樹脂にローディングした。クロマトグラフィーによる分離を行い、画分を回収し、試料混成プールを分析し、許容可能なバルク画分をプールした。UF濃縮を行い、再処理した材料を表9に列挙される残余物の仕様に対して分析した。許容可能であれば、再処理材料を先に記載される結晶化及び乾燥の工程へと処理を進めた。
5)製造プロセス及び工程管理の説明
標準的な処理法を使用して、注射用医薬品に対するオリタバンシンを製造し、試験し、予備的に包装した。
製造プロセスは、拡大縮小が可能で再現可能であり、以下の工程を含む。
オリタバンシン原薬の平衡化
オリタバンシンバルク医薬品溶液の調製
前濾過及び生物汚染度の減少
成分の調製
無菌濾過及び充填
凍結乾燥及び打栓
キャッピング及びバルク包装
二次包装
商業的製造手順を要約するフローチャートを図6に提示する。使用した機器を表10に列挙する。
オリタバンシン原薬の平衡化
一例では、原薬容器を計量前に2℃〜8℃から室温(15℃〜25℃)に平衡化した。インシュレーター等の湿度が調節された環境において計量を行った。
オリタバンシンバルク医薬品溶液の調製
上記バルク溶液の最終的に十分な重量(q.s. weight)のおよそ85%と当量の注射用水(WFI)を、重さを量った調合容器に加えた。全溶液調製フェーズを15℃〜30℃の温度で行った。混合しながら、リン酸溶液(6%(重量/容積))を添加し、内容物のpHを2.8〜3.0に調整した。
調合容器にマンニトールを添加し、目視検査によって判定されるように、溶解するまで混合した。過剰な発泡を回避する混合速度で、調合容器にオリタバンシン二リン酸塩を徐々に一部ずつ添加した。溶液pHを確認し、各APIの添加の後、希リン酸溶液を用いてpH3.6〜3.8に調整した。必要に応じて、目視検査によって判定されるように、オリタバンシン二リン酸塩が溶解するまで混合を続けた。
最終重量に到達するまでWFIを添加した。上記溶液を混合し、最終pHの確認を行い、必要に応じて希リン酸溶液を用いてpH3.6〜3.8に調整した。バルク溶液を外観、pH、及び生物汚染度の試験用にサンプリングした。
前濾過及び生物汚染度の減少
バルク溶液を順番に取り付けられた0.45μm及び0.22μmのフィルター(生物汚染度減少)により濾過した。濾過した溶液を好適なサイズのステンレス鋼タンクに回収し、15℃〜30℃で保持した。API添加と凍結乾燥の開始との間のバルク保持時間は批准した期間以下であった。
成分の調製
ガラスバイアルを批准したトンネルに装填した。最初に、ガラスバイアルを洗浄し、その後、エンドトキシンレベルの3対数減少を得るため、脱パイロジェンを行った。批准したサイクルでオートクレーブにおいて栓を滅菌して乾燥した。フィルター及び他の小さい部品の滅菌を批准したサイクルで滅菌エリア3のオートクレーブで行った。以下の設定により、批准したサイクルでオーブンにおいて凍結乾燥トレーを脱パイロジェンした。
温度設定点:220℃
プロセス温度範囲:210℃〜250℃
脱パイロジェン時間:300分間
最終バルク容器、濾過機器、及び充填シリンジに対して作製された全ての接続を、グレードA(クラス100)エリアで無菌的に行った。
無菌濾過及び充填
充填の直前、最終バルク医薬品溶液を連続して接続された2つの0.22μmフィルターに上記溶液を通すことによって濾過した。プロセス中、外観、密度、及び生物汚染度に対する試料を滅菌濾過の開始前に採取した。グレードA環境(クラス100)での無菌的充填手順を使用して、標的充填重量13.51gの滅菌溶液を各滅菌バイアルに充填した。
正確性を検証するため充填プロセスの前及びその間に充填重量の確認を行った。充填の後、バイアル上に不完全に栓を置いた。
凍結乾燥及び打栓
充填の後、バイアルを凍結乾燥器に移し、既定の凍結乾燥サイクルに供した。サイクルの最後に凍結乾燥器内で該バイアルを完全に打栓した。凍結乾燥パラメーターを表11に列挙する。滅菌濾過の開始と凍結乾燥の開始との間の時間は24時間以下であった。
キャッピング及びバルク包装
適切なキャッピング機にバイアルを移し、そこでLAFグレードAの給気の下でバイアルをキャッピングした。キャッピングの後、バイアルをグレードDの環境で回収した。ロット番号をクリンプ(crimp)にインクジェットで印刷した。該バイアルを目視で点検し、バルク包装した。
凍結乾燥材料中の不純物のレベルをHPLCによって決定した。それ自体がASM不含プロセスにより産生されたオリタバンシン原薬から産生されたオリタバンシン医薬品について、全ての不純物及び不特定の不純物のレベルはそれぞれ3.6±0.43%及び2.4±0.37%であった。それ自体がASM含有プロセスにより産生されたオリタバンシン原薬から産生されたオリタバンシン医薬品について、上記レベルはそれぞれ4.2±0.71%及び2.9±0.27%であった。
工程内管理
工程内管理は、製造プロセスの概略フロー図に示される(図6)。工程内管理の方法及び制限を表12に示す。
本発明はその或る特定の実施形態を参照して記載されているが、当業者は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な修飾を行い得ることを理解する。添付の特許請求の範囲は、記載される具体的な実施形態に限定されない。
本明細書で言及される全ての特許及び出版物は、本発明の属する技術分野の当業者の技術水準の指標である。各々の引用される特許及び出版物はその全体が引用することにより本明細書の一部をなす。

Claims (13)

  1. オリタバンシン原薬調製物と、1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物であって、前記オリタバンシン原薬調製物の図2のピークB〜ピークPによってそれぞれ定義される不純物2〜不純物16に対するピーク面積による純度が約90%以上である、医薬組成物。
  2. 前記オリタバンシン原薬調製物のピーク面積による純度が約95%以上である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. オリタバンシン原薬調製物と、1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物であって、前記オリタバンシン原薬調製物が図2に示されるピークB及びピークJによってそれぞれ定義される不純物2(DEV A)及び不純物10(オリタバンシン CR)のピーク面積による最大不純物レベルが4.8%以下である、医薬組成物。
  4. 前記オリタバンシン原薬調製物のピーク面積による最大不純物レベルが3.0%以下である、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 前記オリタバンシン原薬調製物の不純物2についてのピーク面積による最大不純物レベルが1.9%以下であり、不純物10についてのピーク面積による最大不純物レベルが2.9%以下である、請求項3に記載の医薬組成物。
  6. 前記1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤がマンニトール、ソルビトール、スクロース、及びトレハロースからなる群から選択される、請求項1又は3に記載の医薬組成物。
  7. 前記薬学的に許容可能な賦形剤がマンニトールである、請求項1又は3に記載の医薬組成物。
  8. 前記1又は複数の賦形剤に対する前記原薬調製物の重量比が2:1である、請求項1又は3に記載の医薬組成物。
  9. 前記オリタバンシン原薬調製物の純度レベルがHPLCによって測定される、請求項1又は3に記載の医薬組成物。
  10. 前記オリタバンシン原薬調製物の純度レベルがHPLCによって測定され、HPLC測定が、C18逆相固定相、及び約1/1000/10(容積/容積/容積)の比率のリン酸/水/テトラヒドロフランである移動相A中、約1/1000/1500/25(容積/容積/容積/容積)の比率のリン酸/水/アセトニトリル/テトラヒドロフランである移動相Bの勾配を利用するものである、請求項9に記載の医薬組成物。
  11. 請求項1又は3に記載のオリタバンシン原薬調製物を調製する方法であって、
    a)クロロエレモマイシン産生微生物の培養物を、動物起源材料(ASM)を含まない培地において発酵条件下で及び前記培養物によってクロロエレモマイシンの生合成を促進する条件下で培養する工程と、
    b)高分子交換樹脂を使用してa)の発酵ブロスからクロロエレモマイシンを回収する工程と、
    c)高分子吸着樹脂を使用してb)で回収された前記クロロエレモマイシンを脱色し、疎水性高分子樹脂カラムを使用して脱色されたクロロエレモマイシンをクロマトグラフィーによって分離し、有機溶媒を使用して分離されたクロロエレモマイシンを沈殿させる工程と、
    d)c)の沈殿したクロロエレモマイシン及び銅塩の有機溶媒溶液を調製し、該溶液を4−クロロ−4’−ビフェニルカルボキサルデヒドと反応させ、アセトニトリルを使用して前記溶液からオリタバンシン−銅錯体を沈殿させる工程と、
    e)水性酸を添加することによってd)の前記オリタバンシン−銅錯体から銅を脱錯体し、高分子疎水性樹脂を使用して脱錯体されたオリタバンシンを分離する工程であって、前記添加及び分離を同時に又は順次に行う工程と、
    f)e)で前記樹脂から溶出されたオリタバンシン溶液を濃縮する工程と、
    g)水性エタノール中でf)の濃縮物からオリタバンシンを沈殿させる工程と、
    h)沈殿したオリタバンシンを乾燥して、オリタバンシン原薬調製物を調製する工程と、を含む、方法。
  12. 請求項1又は3に記載の医薬組成物を調製する方法であって、
    a)1又は複数の薬学的に許容可能な賦形剤を2.5〜3.5のpHを有する水に溶解して溶液を形成する工程と、
    b)a)の前記溶液中にオリタバンシン原薬調製物を溶解し、前記溶液のpHを3.5〜4.0に調整する工程と、
    c)b)の前記溶液を濾過する工程と、
    d)c)の濾過した溶液を凍結乾燥する工程と、
    を含む、方法。
  13. 前記凍結乾燥が、約5重量%未満の水分レベルを達成する、請求項12に記載の方法。
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