JP6710456B2 - 型厚調整方法 - Google Patents

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本発明は、トグル式型締装置を備えた射出成形機において、取付ける金型に応じて型厚を調整する型厚調整方法に関するものである。
トグル式型締装置を備えた電動射出成形機は、従来周知のように、ベッド上に固定されている固定盤、ベッド上にスライド自在に設けられている型締ハウジング、固定盤と型締ハウジングとの間に設けられている4本のタイバー、固定盤と型締ハウジングの間に設けられタイバーに挿通されてスライド自在になっている可動盤、型締ハウジングと可動盤の間に設けられているトグル機構等から構成されている。トグル機構も周知であり、クロスヘッドと複数本のトグルリンクとから構成されている。このクロスヘッドには、ボールナットが設けられており、型開閉モータによってボールネジを回転するとクロスヘッドを軸方向に駆動することができる。これによってトグル式型締装置を駆動することができる。ところでタイバーは、固定盤に固定的に結合されているが、型締ハウジングにはタイバーの固定位置を調整できるように所定の機構によって結合されている。詳しく説明すると、型締ハウジングには4個の貫通孔が明けられており、それぞれの貫通孔にタイバーが挿通されている。挿通されているタイバーの端部にはそれぞれ雄ネジが形成され、これらの雄ネジにタイバーナットが螺合している。そして型締ハウジングの4個の貫通孔のそれぞれに所定の深さの穴、つまりタイバーナットスペースが明けられており、これらのタイバーナットはタイバーナットスペースに回転可能に収納されている。タイバーはこのように型締ハウジングに結合されているので、4個のタイバーナットを同方向に回転させて、タイバーにおけるタイバーナットの螺合位置を前後に移動させると、必然的に型締ハウジングが前後にスライドする。そうすると、固定盤と型締ハウジングの距離つまりタイバーの有効長が変化し、固定盤と可動盤の距離つまり型厚を変化させることができる。このような機構によってトグル式型締装置に色々な金型厚の金型を取付けることができる。ところで、これらのタイバーナットにはそれぞれスプロケットが設けられ、これらのスプロケットはタイミングベルト、大歯車等により同期して回転するようになっている。従って、型厚調整モータによりタイミングベルト、大歯車等を駆動すると、スプロケットとタイバーナットを同期して回転させることができ、型厚を精度良く調整できるようになっている。このようなタイバーナット、タイバーナットスペース、スプロケット、モータ等から型厚調整機構が構成されている。
特開2000−15677号公報
型厚調整機構により実施する型厚調整方法は、例えば特許文献1によって提案されている。この文献に記載の方法は概略的に次のようにする。最初に、型厚調整機構を駆動して、固定盤と可動盤との間の型厚が、固定側金型と可動側金型の金型厚よりも大きい状態になるようにする。次いで所定の型締力を得るための金型タッチ位置を決め、クロスヘッドがこの位置になるようにトグル機構を駆動する。すなわち型閉動作を実施する。この金型タッチ位置を保持した状態で、型厚調整機構によって型厚減となる方向に駆動し、固定側金型と可動側金型がタッチしたら駆動を停止する。これによって型厚を調整することができる。
格別に文献を示さないが、型厚調整方法にはさらに簡略的に実施する方法もある。具体的には、射出成形機のコントローラにおいて、タイバーナットの回転位置と、その回転位置における固定盤と可動盤の距離との関係を記憶させておく。そしてトグル式型締装置に取付けようとする金型について、その金型厚をコントローラに入力する。そうすると固定盤と可動盤の距離が、入力された金型厚に等しくなるように、タイバーナットを回転させる。型厚調整が完了する。
特許文献1に記載の方法によっても、あるいは前記した簡略的な方法によってもトグル式型締装置において所望の型厚になるように型厚調整を実施することができる。そしていずれの方法も型厚を調整できる点に関しては格別に問題はない。しかしながら他の点で改善すべき問題も見受けられる。具体的には型厚調整機構を駆動するための型厚調整モータは出力の大きいモータを必要とする点が問題であると言える。特許文献1に記載の方法、前記の方法等の従来の型厚調整方法は、トグル式型締装置においてトグルを停止した状態で実施する。つまり型締ハウジングと可動盤の距離が固定の状態で実施する。型厚調整機構を駆動すると、発明を実施するための形態の項において詳しく説明するように、数カ所において摩擦力が発生するが、最大の摩擦力はタイバーナットとタイバーの雄ネジとの間において発生する。成形サイクルを繰り返すと、タイバーナットとタイバーの雄ネジは強く締め付けられた状態になるので、このような状態からタイバーナットを回転させようとすると初期の段階で大きな摩擦力が発生する。このような大きな摩擦力に抗してタイバーナットを回転させなければならないので、型厚調整モータは出力の大きいモータを採用する必要がある。そうすると型厚調整機構のコストが大きくなってしまう。
本発明は、上記したような問題点を解決した、型厚調整方法を提供することを目的としており、具体的にはトグル式型締装置を備えた射出成形機において、比較的出力の小さい安価な型厚調整モータによっても型厚調整が実施できる型厚調整方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、固定側金型が取り付けられる固定盤と、可動側金型が取り付けられる可動盤と、型締ハウジングと、可動盤を挿通し固定盤とハウジングとを連結しているタイバーと、可動盤と型締ハウジングとの間に設けられているトグル機構とを備えたトグル式型締装置における型厚調整方法として構成される。このようなトグル式型締装置では、トグル機構のクロスヘッドを駆動すると可動盤がスライドして型開閉が、そしてタイバーに設けられているタイバーナットを駆動すると型厚が調整できるようになっている。このようなトグル式型締装置において、型厚を増加させる方向にタイバーナットを駆動するときは、クロスヘッドを駆動して可動盤を型閉方向にスライドしているときに実施するように構成し、型厚を減少させる方向にタイバーナットを駆動するときは、クロスヘッドを駆動して可動盤を型開方向にスライドしているときに実施するように構成する。
かくして、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、固定側金型が取り付けられる固定盤と、可動側金型が取り付けられる可動盤と、型締ハウジングと、前記可動盤を挿通し前記固定盤と前記ハウジングとを連結しているタイバーと、前記可動盤と前記型締ハウジングとの間に設けられているトグル機構とを備え、前記トグル機構のクロスヘッドを駆動すると前記可動盤がスライドして型開閉が、そして前記タイバーに設けられているタイバーナットを駆動すると前記可動盤と前記固定盤の距離である型厚が調整できるようになっているトグル式型締装置において、型厚を増加させる方向に前記タイバーナットを駆動する場合は、前記クロスヘッドを駆動して前記可動盤を型閉方向にスライドしているときに開始するようにし、型厚を減少させる方向に前記タイバーナットを駆動する場合は、前記クロスヘッドを駆動して前記可動盤を型開方向にスライドしているときに開始するようにすることを特徴とする型厚調整方法として構成される。
請求項2に記載の発明は、固定側金型が取り付けられる固定盤と、可動側金型が取り付けられる可動盤と、型締ハウジングと、前記可動盤を挿通し前記固定盤と前記ハウジングとを連結しているタイバーと、前記可動盤と前記型締ハウジングとの間に設けられているトグル機構とを備え、前記トグル機構のクロスヘッドを駆動すると前記可動盤がスライドして型開閉が、そして前記タイバーに設けられているタイバーナットを駆動すると前記可動盤と前記固定盤の距離である型厚が調整できるようになっているトグル式型締装置において、前記タイバーナットの駆動は、型厚を増加させる方向に前記タイバーナットを駆動する場合は、前記クロスヘッドを駆動して前記可動盤を型閉方向にスライドしているときに実施し、型厚を減少させる方向に前記タイバーナットを駆動する場合は、前記クロスヘッドを駆動して前記可動盤を型開方向にスライドしているときに実施するようにすることを特徴とする型厚調整方法として構成される。
以上のように、本発明は、固定側金型が取り付けられる固定盤と、可動側金型が取り付けられる可動盤と、型締ハウジングと、可動盤を挿通し固定盤とハウジングとを連結しているタイバーと、可動盤と型締ハウジングとの間に設けられているトグル機構とを備え、トグル機構のクロスヘッドを駆動すると可動盤がスライドして型開閉が、そしてタイバーに設けられているタイバーナットを駆動すると可動盤と固定盤の距離である型厚が調整できるようになっているトグル式型締装置における型厚調整方法として構成されている。つまり一般的なトグル式型締装置を対象にして実施できる型厚調整方法として構成されている。そして本発明は、型厚を増加させる方向にタイバーナットを駆動する場合は、クロスヘッドを駆動して可動盤を型閉方向にスライドしているときに開始するようにし、型厚を減少させる方向にタイバーナットを駆動する場合は、クロスヘッドを駆動して可動盤を型開方向にスライドしているときに開始するようにするように構成されている。後で詳しく説明するが、型厚調整時には可動盤とタイバーとの間に摩擦力が発生する。タイバーナットは型厚調整モータによって駆動するが、型厚調整モータにとって、可動盤とタイバーとの間に発生するこのような摩擦力も負担になる。一般的に摩擦力は摩擦係数に依存し、摩擦係数は動摩擦係数より静摩擦係数の方が大きい。クロスヘッドを駆動して可動盤をスライドすると、可動盤はタイバーに対してスライドするので、これらの間に生じる摩擦力は動摩擦係数によって与えられることになり摩擦力は低下する。本発明によると、このときにタイバーナットの駆動を開始するので、型厚調整モータに対する負担が小さくなる効果が得られる。タイバーナットの駆動は開始時に最大の力を必要とするからである。さらに可動盤とタイバーの間に作用する摩擦力は、型厚調整モータの負担になる方向に作用するのではなく、型厚調整モータの駆動を助ける方向に作用することになる。従って本発明により、比較的出力の小さい型厚調整モータを採用でき、コストを小さくできる効果が得られる。他の発明によると、型厚を増加させる方向にタイバーナットを駆動する場合は、クロスヘッドを駆動して可動盤を型閉方向にスライドしているときに実施し、型厚を減少させる方向にタイバーナットを駆動する場合は、クロスヘッドを駆動して可動盤を型開方向にスライドしているときに実施するように構成されている。タイバーナットの駆動は、その開始時だけでなく駆動中においても所定の力を必要とするが、可動盤とタイバーとの間の摩擦力が動摩擦係数により生じているときにタイバーナットを駆動するので、型厚調整モータの負担を小さくできる。
本発明の実施の形態に係るトグル式型締装置と射出装置とを示す図で、その(ア)はトグル式型締装置と射出装置の一部を示す正面図、その(イ)はトグル式型締装置を型締ハウジングから見た側面図である。 その(ア)、(イ)はタイバーナットとタイバーの雄ネジの噛み合い状態を示す断面図である。 その(ア)、(イ)は本発明の実施の形態に係るトグル式型締装置の、可動盤とタイバーの一部を断面で示す正面断面図である。
本実施の形態に係る型厚調整方法は、一般的なトグル式型締装置において実施できるが、最初に本実施の形態に係る射出成形機について説明する。本実施の形態に係る射出成形機1は、図1に示されているように、射出装置2とトグル式型締装置3とから構成されている。トグル式型締装置3は、従来周知のように、ベッドBに固定されている固定盤5と、この固定盤5に対して型開閉される可動盤6と、ベッドB上にスライド自在に設けられている型締ハウジング7と、可動盤6を貫通して固定盤5と型締ハウジング7とを連結している4本のタイバー9、9、…と、固定盤5と型締ハウジング7との間に設けられているトグル機構11とから構成されている。トグル機構11には、このトグル機構11を駆動するクロスヘッド12が設けられており、クロスヘッド12にはボールナット13が一体的に固定されている。そしてこのボールナット13にボールネジ14が螺合している。型締ハウジング7には図に示されていないが型開閉用モータが設けられ、ボールネジ14を回転することができるようになっている。従って型開閉用モータを駆動してボールネジ14を回転すると、クロスヘッド12を軸方向に駆動することができ、トグル機構11が駆動されて可動盤6が軸方向にスライドされる。つまり型開閉できるようになっている。
本実施の形態に係るトグル式型締装置3にも型厚調整機構16が設けられている。型厚調整機構16について説明する。まず、タイバー9、9、…は、型締ハウジング7に対して次のように結合されている。タイバー9、9、…は型締ハウジング7を挿通しており、挿通している部分には雄ネジ17、17、…が形成されている。この雄ネジにタイバーナット18、18、…が螺合している。タイバーナット18、18、…は、型締ハウジング7内に形成されている所定の穴に収納されている。この穴の底部にはスペーサ19、19、…が入れられており、タイバーナット18、18、…に形成されているフランジ部が摺動可能に当接している。そしてこのようなフランジ部は調整体20、20、…によって押えられている。これによってタイバーナット18、18、…は型締ハウジング7に形成されている穴に対して、軸方向の移動が規制されていると共に回転可能な状態になっている。そしてタイバーナット18、18、…のそれぞれには、小歯車21、21、…が固定され、小歯車21、21、…は大歯車22に噛み合っている。型締ハウジング7には、大歯車22を回転する型厚調整モータ23が設けられている。従って型厚調整用モータ23を駆動すると、大小歯車22、21を介してタイバーナット18、18、…を同期して回転させることができ、タイバー9、9、…の有効長、すなわち固定盤5と型締ハウジング7の連結長さを調整することができる。これによって固定盤5と可動盤6との間の距離、すなわち型厚を調整できる。このように構成されているトグル式型締装置3の固定盤5には固定側金型24が、可動盤6には可動側金型25が取り付けられている。
射出装置2は、従来周知であるので詳しく説明しないが、加熱シリンダ28、この加熱シリンダ28内に設けられているスクリュ等から構成され、加熱シリンダ28の先端には射出ノズル29が設けられている。そして射出ノズル29は、固定盤5に明けられている開口部に挿入され、固定側金型24のスプルにタッチしている。図1には、スクリュ、スプルは示されていない。
本発明の実施の形態に係る型厚調整方法は、このような本実施の形態に係るトグル式型締装置3において実施されるが、本発明に係る型厚調整方法の説明に先立って、従来の型厚調整方法を簡単に説明する。従来の型厚調整方法は、型開閉用モータを停止して実施する。つまりトグル機構11を固定した状態で実施する。このような状態で型厚調整モータ23を駆動してタイバーナット18、18、…を回転すると、次の4箇所において摩擦力が発生する。まず第1の箇所はタイバーナット18、18、…とタイバー9、9、…の雄ネジ17の間であり、図2の(ア)、(イ)に示されているように、これらのネジ山同士の接触面において摩擦力が発生する。なお、図2において右側は固定盤5になっており、図2の(ア)は型厚を減少させる方向に、そして図2の(イ)は型厚を増加させる方向に、それぞれタイバーナット18、18、…を回転させたときにタイバーナット18、18、…とタイバー9、9、…の雄ネジ17のネジ山同士が接触する様子を示している。次に第2の箇所は、ベッドBと型締ハウジング7の間であり、型締ハウジング7がベッドB上をスライドするときに摩擦力が発生する。そして第3の箇所は、可動盤6とタイバー9の間である。型締ハウジング7がスライドするときに可動盤6もタイバー9上をスライドし、このときに第3の箇所において摩擦力が発生する。さらに第4の箇所は、タイバーナット18、18、…のフランジ部とスペーサ19、19、…との間およびフランジ部と調整体20、20、…との間である。これらは摺動可能に当接しているが、当接している端面で摩擦力が発生する。型厚調整機構16の型厚調整モータ23は、これら第1〜4の箇所における摩擦力に抗して駆動するようになっている。
本実施の形態に係る型厚調整方法は、次に詳しく説明するように、クロスヘッド12を駆動してトグル機構11を駆動し可動盤6をスライドさせながら実施する。これによって型厚調整モータ23に必要な駆動力を低減させることができる。具体的には、第3の箇所において発生し、型厚調整モータ23の駆動に対して抵抗力となっている摩擦力を、型厚調整モータ23の駆動を推進させる推進力に変え、それによって型厚調整モータ23にかかる負担を軽減させるようにする。まず従来の型厚調整方法を実施する場合において、第3の箇所において発生する摩擦力を検討すると、型厚を増加させるように型厚調整を実施するとき、図3の(ア)において矢印31で示されているように可動盤6が左方にスライドする。そうするとタイバー9には矢印32、そして可動盤6には矢印33によってそれぞれ示される摩擦力が作用する。この矢印33で示される可動盤6に作用する摩擦力は、型厚調整モータ23の駆動に抗する抵抗力であるが、この摩擦力の向きを逆向きに変えることができれば、型厚調整モータ23の駆動を推進させる推進力に変えることができるはずである。本実施の形態に係る型厚調整方法は、第3の箇所において発生する摩擦力の向きを逆向きにする方法であるが、以下その方法を説明する。
型厚を増加させる方向に型厚調整する場合、次のように実施する。まず可動盤6を所定の型開き位置にする。次いで型開閉用モータを駆動してクロスヘッド12を駆動し、可動盤6を型閉方向にスライドさせる。このとき、可動盤6は図3の(イ)において矢印35で示されるようにスライドし、タイバー9と可動盤6の間には矢印36、37で示される摩擦力が作用する。可動盤6に作用する矢印37の摩擦力は、図3の(ア)における矢印33の摩擦力と向きが反対になる。このような状態、つまり可動盤6をスライドさせているときに型厚調整モータ23を駆動してタイバーナット18、18、…を型厚が増加する方向に回転する。所望の型厚になったら型厚調整モータ23を停止し、型開閉用モータも停止する。型厚調整を完了する。矢印37で示される摩擦力は、型厚調整モータ23の駆動を推進する推進力になるので、型厚調整に要する型厚調整モータ23の負担を軽減することができる。
型厚を減少させる方向に型厚調整する場合、次のように実施する。まず可動盤6を所定の型開き位置にする。次いで型開閉用モータを駆動してクロスヘッド12を駆動し、可動盤6を型開方向にスライドさせる。そうすると可動盤6とタイバー9の間には所定の摩擦力が発生する。可動盤6のスライド中に型厚調整モータ23を駆動してタイバーナット18、18、…を型厚が減少する方向に回転する。所望の型厚になったら型厚調整モータ23を停止し、型開閉用モータも停止する。型厚調整を完了する。当業者であれば容易に理解されるはずであり詳しくは説明しないが、可動盤6をスライドさせるときに可動盤6とタイバー9の間に発生する摩擦力は、型厚調整モータ23の駆動を推進する推進力になる。従って型厚調整に要する型厚調整モータ23の負担を軽減することができる。
本実施の形態に係る型厚調整方法は、このようにクロスヘッド12を駆動してトグル機構11を駆動し可動盤6をスライドさせながら実施する点に特徴があるが、色々な変形が可能である。例えば上で説明した実施の形態においては、型厚を増加させる場合には可動盤6を型閉方向に、型厚を減少させる場合には可動盤6を型開方向にスライドさせながら型厚調整をしている。つまり可動盤6のスライド向きを型厚の増減に応じて変更するようにしている。しかしながら、可動盤6のスライドの向きはこれと逆方向であってもよい。この場合、可動盤6とタイバー9の間に発生する摩擦力は、型厚調整モータ23の駆動を推進する推進力にならずに抵抗力になる。しかしながらこのような場合であっても、従来のようにトグル機構11を停止した状態で型厚調整を実施する場合に比して、型厚調整モータ23に対する負担は軽減される。その理由は、可動盤6とタイバー9の間に作用する摩擦力を静摩擦力から、動摩擦力に変えることができるからである。動摩擦係数は静摩擦係数に比して十分に小さいので動摩擦力も静摩擦力より十分に小さい。つまり抵抗力は小さい。従って、クロスヘッド12を駆動してトグル機構11を駆動し可動盤6をスライドさせながら型厚調整を実施すると、型厚調整モータ23に対する負担が軽減されることになる。なお、本実施の形態に係る型厚調整方法は、クロスヘッド12を駆動して可動盤6をスライド中において、型厚調整モータ23を駆動してタイバーナット18、18、…を駆動するように説明したが、少なくとも型厚調整モータ23の駆動の開始時だけ可動盤6をスライドするようにしてもよい。型厚調整の開始時に型厚調整モータ23に対する摩擦力による抵抗力が最大になるからであり、開始時だけ抵抗力を低減すれば足りるからである。
1 射出成形機 2 射出装置
3 トグル式型締装置 5 固定盤
6 可動盤 7 型締ハウジング
9 タイバー 11 トグル機構
12 クロスヘッド 14 ボールネジ
16 型厚調整機構 18 タイバーナット
19 スペーサ 20 調整体
23 型厚調整モータ 24 固定側金型
25 可動側金型

Claims (2)

  1. 固定側金型が取り付けられる固定盤と、可動側金型が取り付けられる可動盤と、型締ハウジングと、前記可動盤を挿通し前記固定盤と前記ハウジングとを連結しているタイバーと、前記可動盤と前記型締ハウジングとの間に設けられているトグル機構とを備え、前記トグル機構のクロスヘッドを駆動すると前記可動盤がスライドして型開閉が、そして前記タイバーに設けられているタイバーナットを駆動すると前記可動盤と前記固定盤の距離である型厚が調整できるようになっているトグル式型締装置において、
    型厚を増加させる方向に前記タイバーナットを駆動する場合は、前記クロスヘッドを駆動して前記可動盤を型閉方向にスライドしているときに開始するようにし、型厚を減少させる方向に前記タイバーナットを駆動する場合は、前記クロスヘッドを駆動して前記可動盤を型開方向にスライドしているときに開始するようにすることを特徴とする型厚調整方法。
  2. 固定側金型が取り付けられる固定盤と、可動側金型が取り付けられる可動盤と、型締ハウジングと、前記可動盤を挿通し前記固定盤と前記ハウジングとを連結しているタイバーと、前記可動盤と前記型締ハウジングとの間に設けられているトグル機構とを備え、前記トグル機構のクロスヘッドを駆動すると前記可動盤がスライドして型開閉が、そして前記タイバーに設けられているタイバーナットを駆動すると前記可動盤と前記固定盤の距離である型厚が調整できるようになっているトグル式型締装置において、
    前記タイバーナットの駆動は、型厚を増加させる方向に前記タイバーナットを駆動する場合は、前記クロスヘッドを駆動して前記可動盤を型閉方向にスライドしているときに実施し、型厚を減少させる方向に前記タイバーナットを駆動する場合は、前記クロスヘッドを駆動して前記可動盤を型開方向にスライドしているときに実施するようにすることを特徴とする型厚調整方法。
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