JP5788345B2 - 型締装置の摩擦クランプ装置 - Google Patents

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本発明は、固定側金型が取り付けられる固定盤と、可動側金型が取り付けられる可動盤と、固定盤と可動盤とを接続する複数本のタイバーと、型締力を発生させる型締機構とを備えた型締装置において、前記可動盤に設けられ、前記可動盤と前記タイバーとをクランプするクランプ装置に関するものである。
射出成形機の型締装置は、型盤が3個のプラテンからなる型締装置と、2個のプラテンからなる型締装置とに大別される。前者の型締装置においては、固定側金型が取り付けられる固定盤すなわちステーショナリプラテンと、可動側金型が取り付けられる可動盤すなわちムービングプラテンと、型締ハウジングすなわちリアプラテンとが設けられ、固定盤と型締ハウジングは複数本のタイバーによって連結され、可動盤はタイバーにガイドされて移動するようになっている。そして型締ハウジングと可動盤の間にトグル機構、油圧シリンダ等からなる型締機構が設けられている。この型締機構を駆動すると型締ハウジングに対して可動盤が駆動され、可動盤が固定盤方向に駆動されて型開閉、あるいは型締される。これに対して後者の型締装置においては、型盤は、固定側金型が取り付けられる固定盤すなわちステーショナリプラテンと、可動側金型が取り付けられる可動盤すなわちムービングプラテンの、2個のプラテンからなり2プラテン式型締装置と呼ばれている。2プラテン式型締装置においては、タイバーの一方の端部が油圧シリンダ等の型締機構を介して固定盤に接続されており、可動盤はこのタイバーにガイドされ、所定の型開閉機構によって移動するようになっている。従って、可動盤を型開閉機構によって固定盤の方向に駆動して固定側金型と可動側金型を型閉じする。この位置で可動盤とタイバーをロックあるいはクランプして型締機構を駆動するとタイバーに張力が発生して所望の型締力が得られることになる。2プラテン式の型締装置において、可動盤とタイバーのロックあるいはクランプはクランプ装置によって行うようになっているが、特許文献1、2において色々なクランプ装置が提案されている。
特許第3524621号公報 特開平6−31494号公報 実用新案登録第3028743号公報
特許文献1に記載のクランプ装置は、いわゆるハーフナット式のロック機構から構成されている。特許文献1に記載の型締装置において、タイバーには、所定の範囲に雄ネジあるいは周方向の複数本の溝部が形成されている。そして可動盤には一対のハーフナットがタイバーを挟んで対向するように設けられ、タイバー方向に駆動できるようになっている。従って、一対のハーフナットを駆動してタイバーの雄ネジあるいは溝部に押し当てる。そうするとこれらの雄ネジあるいは溝部と一対のハーフナットが噛合して、可動盤とタイバーとをロックすることができる。ところで、従来のハーフナット式のロック機構を備えた型締装置も同様に構成されているが、型閉じ位置において可動盤とタイバーとをロックするようにしている。この場合、型閉じ位置にあるときに必ずしもタイバーの雄ネジあるいは溝部が、ハーフナットの溝に対して適切な位置にあるとは限らない。換言するとタイバーの雄ネジあるいは溝部と、ハーフナットの溝との位相が適切であるとは限らない。そうするとハーフナットを駆動したときに、タイバーの雄ネジあるいは溝部とハーフナットの溝とがピッチずれを起こしてしまう。特許文献1に記載のクランプ装置においては、可動盤とタイバーの相対的な位置を検出するセンサが設けられ、このセンサによってタイバーの雄ネジあるいは溝部の位相が適切であるか否かが検出されるようになっている。そして特許文献1に記載の型締装置においては、型閉じ位置よりもわずかに型盤が開いた位置の、タイバーの雄ネジあるいは溝部とハーフナットの溝との位相が一致している位置においてクランプ装置を駆動して、可動盤とタイバーとをロックするように構成されている。
特許文献2に記載の型締装置においては、タイバーには雄ネジや溝部は形成されていない。この型締装置に設けられているクランプ装置は可動盤に設けられており、クランプ装置は、第1、2のスリーブと、これら第1、2のスリーブのそれぞれを収納している第1、2の外筒とから構成されている。第1、2のスリーブはタイバーの軸方向に並んで配置されており、タイバーは第1、2のスリーブをスライド自在に挿通している。第1のスリーブの外周面と第1の外筒の内周面によって区画された第1の締結圧力室、そして第2のスリーブの外周面と第2の外筒の内周面によって区画された第2の締結圧力室には、それぞれ圧油が供給されるようになっており、圧油を供給すると第1、2のスリーブが弾性変形してタイバーを押圧する。これによって第1、2のスリーブとタイバーとの間に摩擦力が作用してタイバーをクランプすることができる。特許文献2に記載のクランプ装置においては、可動盤と第1の外筒との間に第1の軸方向圧力室が、そして第1の外筒と第2の外筒との間に第2の軸方向圧力室が設けられてる。タイバーをクランプした状態で第1、2の軸方向圧力室に圧油を供給すると、タイバーに軸方向の力が作用して型締力が発生するようになっている。
特許文献3には、型締装置と関係はないが、歯車、カム等の穴付き機械要素を軸に締結するクランプ機構が記載されている。特許文献3に記載のクランプ機構51は、図5に示されているように、軸52に挿通自在に被せられるスリーブ53と、ピストン体54とから構成されている。スリーブ53は、軸52に接する内側スリーブ53aと、内側スリーブ53aの外側の外側スリーブ53bとからなり、これらの内外スリーブ53a、53bの一方の端部が液密的に接続されて内部に環状の中空部が形成されている。このような外側スリーブ53bの他方の端部にはフランジ部53cが形成されている。ピストン体54は、スリーブ53の中空部に挿通される環状のピストン54aと、このピストン54aに固着されているフランジ部54bとから構成されている。スリーブ53の中空部はピストン54aによって液密的に封鎖されており、非圧縮性流体、たとえば機械油が封入されている。スリーブ53とピストン体54のそれぞれのフランジ部53c、54bはネジ56、56、…によって接続されている。特許文献3に記載のクランプ機構51は次のようにして、歯車、カム等の機械要素58、58を軸52に固定する。すなわちクランプ機構51を軸52に沿ってスライドして、機械要素58、58を取り付けたい位置に合わせる。機械要素58、58を軸52に挿通し、機械要素58、58の穴にスリーブ53が挿入されるようにする。ネジ56、56を締めつける。そうするとピストン54aがスリーブ53の中空部に進入して機械油に圧力が作用し、内側スリーブ53aと外側スリーブ53bが外方に向かって変形する。これによって内側スリーブ53aが軸52に密着し、外側スリーブ53bが機械要素58、58の穴に密着し、大きな摩擦力が発生して機械要素58、58が軸52に締結される。
特許文献1、2のいずれかに記載の装置によっても、2プラテン式の型締装置において可動盤とタイバーとをロックあるいはクランプすることはでき、この点においては優れている。しかしながら解決すべき点も見受けられる。例えば特許文献1に記載の装置においては、可動盤とタイバーの相対的な位置を検出するセンサが格別に必要になり、またセンサからの信号に基づいて型盤位置を制御する制御ロジックもコントローラ等に必要になり、装置が複雑になるしコスト高になる。またタイバーには雄ネジあるいは溝部が形成されている必要があるが、これらは色々な型厚の金型に対応できるように、タイバーにおいて広範囲に形成される必要がある。そうすると実際に利用される雄ネジあるいは溝部はわずかで済むのに、ほとんどの雄ネジあるいは溝部が無駄になってしまう。またこれらの雄ネジあるいは溝部は応力が集中する切欠にもなっているので、大きな張力が作用するタイバーにとって好ましいものとは言えない。特許文献2に記載の装置においては、タイバーに雄ネジ等を形成する必要がなく、摩擦力によってタイバーを可動盤にクランプできるので優れている。しかしながら、タイバーを可動盤にクランプしたり、型締力を発生させたりするのに、圧油を供給するように構成されているので、大がかりな油圧ユニットが必要になり装置全体が大型化してしまう。
特許文献3に記載のクランプ機構を、2プラテン式の型締装置のクランプ装置に採用することも考えられる。すなわち軸52と機械要素58を締結する代わりに、タイバーと可動盤とをクランプするようにすることが考えられる。そうすると装置がシンプルであるし、タイバーに雄ネジや溝部を形成する必要がないし、強い摩擦力によって確実にタイバーと可動盤とをクランプすることができる。しかしながらこのクランプ機構は手動でクランプするようになっているので、そのまま採用することはできない。また型締装置に特有の問題も見受けられる。すなわち型締装置においては、射出成形のサイクル毎にタイバーと可動盤とをクランプしたり、クランプを解除したりする必要があり、クランプと解除の頻度が、歯車、カム等の機械要素58と軸52の締結の頻度に比して著しく高い。そうすると耐久性が問題になる。特許文献3に記載のクランプ機構においては、ネジ56、56によってピストン体54を駆動するようになっているが、繰り返し締めたり弛めたりすると、ネジが摩擦によって早期に劣化してしまう。仮にネジを他の部材に置き換えても問題がある。具体的には、クランプ時に外側スリーブ53bに強い張力が発生する問題がある。特許文献3に記載のクランプ機構においては、クランプ時にスリーブ53とピストン体54のそれぞれのフランジ部53c、54bが締めつけられるようになっているので、フランジ部53cに軸方向の力が作用する。この力によってフランジ部53cに連なっている外側スリーブ53bに強い張力が発生する。外側スリーブ53bは、弾性変形し易いように薄肉に形成されているので、強い張力が繰り返し発生すると劣化して破断してしまう。
本発明は、上記したような問題点を解決した、射出成形機の型締装置に設けられているクランプ装置を提供することを目的とし、具体的には2プラテン式の型締装置に設けられ、タイバーと可動盤とを確実にクランプすることができるにも拘わらず、タイバーの加工が不要でタイバーの機械強度を損なうことがなく、格別に油圧ユニットを必要とせず、十分な耐久性を有するシンプルで小型のクランプ装置を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、いわゆる2プラテン式の型締装置に設けられる摩擦クランプ装置として構成する。摩擦クランプ装置は円筒状のスリーブ体と、環状のピストン部を備えたピストン体とから構成する。スリーブ体は、弾性材料から薄肉の円筒状の内側スリーブと薄肉の外側スリーブとによって構成し、これらの内側スリーブと外側スリーブとは一方の端部において接続して、スリーブ体の内側に他方の端部が開口した中空部が形成されるようにする。このようなスリーブ体を、可動盤に明けられたタイバー挿通孔とタイバーとの隙間に挿入する。また、スリーブ体の中空部には非圧縮性流体を充填し、ピストン体のピストン部を進退自在に挿入して中空部を液密的に閉鎖する。ピストン体は、可動盤に固定的に設けられている所定の駆動機構によって駆動するように構成する。ピストン部が中空部に進入するとスリーブ体が弾性変形して可動盤とタイバーに押し付けられ、これによって可動盤とタイバーがクランプされる。
かくして、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、固定側金型が取り付けられる固定盤と、可動側金型が取り付けられる可動盤と、前記固定盤と前記可動盤とを接続する複数本のタイバーと、型締力を発生させる型締機構とを備えた型締装置において、前記可動盤に設けられ、前記可動盤と前記タイバーとを摩擦力によってクランプする摩擦クランプ装置であって、前記クランプ装置は、前記可動盤に明けられたタイバー挿通孔と前記タイバーとの隙間に挿入されている円筒状のスリーブ体と、ピストン体とから構成され、前記スリーブ体は、弾性材料からなり、前記タイバーに接する薄肉の円筒状の内側スリーブと、前記タイバー挿通孔に接する薄肉の円筒状の外側スリーブとから構成され、前記内側スリーブと前記外側スリーブが一方の端部において液密的に接続され、それによって他方の端部が開口した中空部が内部に形成されており、前記ピストン体は、環状のピストン部を備え、該ピストン部が前記開口部から進退自在に挿入されて前記中空部が液密的に閉鎖されており、前記中空部には非圧縮性流体が充填されていると共に、前記ピストン体は前記可動盤に対して固定的に設けられている駆動機構によって駆動されることを特徴とする摩擦クランプ装置として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の摩擦クランプ装置において、前記駆動機構はボールネジ機構と、該ボールネジ機構のボールナットを回転する電動モータとから構成され、前記ボールナットは、前記可動盤に固着されている所定の部材によって、回転可能にかつ軸方向の移動が規制された状態で支持されており、前記ボールネジ機構のボールネジは前記ピストン体の後部に固着されていることを特徴とする摩擦クランプ装置として構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の摩擦クランプ装置において、前記駆動機構はピストン・シリンダユニットから構成され、該ピストン・シリンダユニットは前記可動盤に固定的に設けられている部材に設けられ、前記ピストン体は前記ピストン・シリンダユニットのロッドによって駆動されるようになっていることを特徴とする射出成形機の摩擦クランプ装置として構成される。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの項に記載の摩擦クランプ装置を備えた射出成形機の型締装置として構成される。
以上のように、本発明は、固定側金型が取り付けられる固定盤と、可動側金型が取り付けられる可動盤と、固定盤と可動盤とを接続する複数本のタイバーと、型締力を発生させる型締機構とを備えた型締装置において、可動盤に設けられ、可動盤とタイバーとを摩擦力によってクランプする摩擦クランプ装置として構成されている。すなわち2プラテン式の型締装置の摩擦クランプ装置として構成されている。そして摩擦クランプ装置は、可動盤に明けられたタイバー挿通孔とタイバーとの隙間に挿入されている円筒状のスリーブ体と、ピストン体とから構成されているので、シンプルである。スリーブ体は、弾性材料からなり、タイバーに接する薄肉の円筒状の内側スリーブと、タイバー挿通孔に接する薄肉の円筒状の外側スリーブとから構成され、内側スリーブと外側スリーブが一方の端部において液密的に接続され、それによって他方の端部が開口した中空部が内部に形成されている。そしてピストン体は、環状のピストン部を備え、該ピストン部がスリーブ体の開口部から進退自在に挿入されて中空部が液密的に閉鎖されている。さらに中空部には非圧縮性流体が充填されている。従って本発明の摩擦クランプ装置は、ピストン体を駆動すると非圧縮性流体によって圧力が伝達されてスリーブ体が弾性変形して膨張するようになっており、これによって可動盤とタイバーが摩擦力によってクランプされる。すなわち本発明に係る摩擦クランプ装置は、タイバーと可動盤とを確実にクランプすることができる。そして本発明に係る摩擦クランプ装置が設けられている型締装置においては、タイバーの表面に雄ネジあるいは溝部を形成する必要がなく、タイバーの機械強度を損なうことがない。また、格別に油圧ユニットを必要としないという効果も得られる。そうすると摩擦クランプ装置は小型で済み、型締装置も小型化することができる。また本発明によると、ピストン体は可動盤に対して固定的に設けられている駆動機構によって駆動されるようになっている。そうすると耐久性に問題があるネジ等によって駆動する必要がない。また駆動機構は可動盤側に固定的に設けられていて、この駆動機構によってピストン体が駆動されるので、クランプ時には、スリーブ体に軸方向の張力が作用しない。そうするとスリーブ体が破損しにくくなるので、耐久性が高くなるという本願発明に特有の効果が得られる。他の発明によると、駆動機構はボールネジ機構と、該ボールネジ機構のボールナットを回転する電動モータとから構成され、ボールナットは、可動盤に固着されている所定の部材によって、回転可能にかつ軸方向の移動が規制された状態で支持されており、ボールネジ機構のボールネジはピストン体の後部に固着されている。駆動機構はボールネジ機構と電動モータとから構成されているので、シンプルであり装置全体を小型化できる効果が得られる。
本発明の実施の形態に係る型締装置を、一部断面で示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る摩擦クランプ装置の作用を説明する図で、その(ア)(イ)は、それぞれクランプ解除時とクランプ時における摩擦クランプ装置を一部断面で示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る摩擦クランプ装置によってタイバーをクランプする摩擦力を示すグラフである。 本発明の他の実施の形態に係る摩擦クランプ装置を一部断面で示す正面図である。 従来のクランプ機構を一部断面で示す正面図である。
以下、本実施の形態について説明する。本実施の形態に係る電動射出成形機も金型を型締めする型締装置を備えているが、本実施の形態に係る型締装置1は、図1に示されているように、プラテンが2個のいわゆる2プラテン式の型締装置になっている。すなわち型締装置1は、固定側金型3が取り付けられる固定盤4、つまりステーショナリプラテンと、可動側金型5が取り付けられる可動盤6、つまりムービングプラテンとからなり、トグル式型締装置のような型締装置に必須の型締ハウジング、つまりリアプラテンは設けられていない。この型締装置1においても、従来周知のように固定盤4にくり抜きが明けられ、射出装置7が固定盤4の背面からこのくり抜きに挿入され、射出装置7のノズルが固定側金型5のスプルに当接している。
本実施の形態において、固定盤4と可動盤6は4本のタイバー8、8、…によって接続されている。詳しく説明すると、固定盤4にはタイバー8、8、…の軸径よりもわずかに大きい内径の穴が明けられ、この穴の奥は拡径されてボア10が形成されている。タイバー8の一方の端部は、この穴に入れられ、そしてボア10内においてピストンヘッド11が固定されている。ピストンヘッド11で仕切られたボア10の各部屋には圧油が供給されるようになっており、圧油によってピストンヘッド11つまりタイバー8を軸方向に駆動できるようになっている。これによって軸方向の力を作用させて型締力が発生する。つまりこのボア10とピストンヘッド11は、型締力を発生させる型締機構12を構成している。可動盤6には、タイバー8、8、…の軸径よりも所定厚さだけ拡径したタイバー挿通孔14が明けられている。タイバー8、8、…は、本発明の実施の形態に係る摩擦クランプ装置15の一部の部材を介してこのタイバー挿通孔14に挿入されている。
本発明の実施の形態に係る摩擦クランプ装置15は、タイバー挿通孔14とタイバー8の隙間に摺動自在に入れられている円筒状のスリーブ体16と、スリーブ体16に対して駆動されるピストン体17と、このピストン体17を駆動する駆動機構18とから構成されている。スリーブ体16は、後で説明するように弾性変形するようになっており、所定の靭性を備えた弾性材料から構成されている。例えばクローム鋼、他の種類の鋼材等から構成することができる。スリーブ体16は、円筒状を呈しタイバー8に接する薄肉の内側スリーブ20と、同様に円筒状を呈しタイバー挿通孔14に接する薄肉の外側スリーブ21とから構成されている。内側スリーブ20と外側スリーブ21は一方の端部あるいは一方の端面において液密的に接続され、これによってスリーブ体16の内部に環状の中空部23が形成されている。この中空部23は内側スリーブ20と外側スリーブ21の他方の端部において開口している。外側スリーブ21は他方の端部においてフランジ部24が形成され、フランジ部24が可動盤6の背面に当接している。ピストン体17は、環状のピストン部26が設けられ、このピストン部26がスリーブ体16の中空部23に摺動自在に挿入されている。このピストン部26によってスリーブ体16の中空部23は密閉されている。密閉された中空部23には、ほとんど圧縮されない液体、すなわち非圧縮性流体が充填されている。本実施の形態においては非圧縮性流体として機械油が選定され、中空部23に充填されている。
摩擦クランプ装置15の駆動機構18は、本実施の形態においてはボールネジ機構27、電動モータ28等からなる。可動盤6には円筒状の支持部材30が固定され、ボールネジ機構27を構成しているボールナット31は、この支持部材30の内側にベアリング32、32を介して回転自在に設けられている。従ってボールナット31は軸方向への駆動が規制されている。このボールナット31に螺合しているボールネジ34が、上で説明したピストン体17に固着されている。あるいはボールネジ34とピストン体17が一体的に形成されている。従ってボールナット31を回転するとピストン体17が軸方向に駆動されることになる。このとき、軸方向の駆動力に対する反力はボールネジ機構27、支持部材30を介して可動盤6に作用するが、スリーブ体16には作用しない。すなわちピストン部26はスリーブ体16の中空部23に滑らかに進入したり、あるいは後退するが、非圧縮性流体の圧力を上昇させるだけであり、スリーブ体16に対して軸方向の力を作用させない。従ってスリーブ体16は劣化しにくい。このようなボールナット31には従動プーリ35が設けられ、従動プーリ35は電動モータ28に設けられている駆動プーリ36との間にベルト37が掛け回されている。
本実施の形態に係る型締装置1の作用を説明する。型締装置1が型開きしている状態から説明する。このとき型締装置1において、摩擦クランプ装置15は作動していない。すなわちピストン体17がスリーブ体16と逆方向に待避している。このとき図2の(ア)に示されているように、内側スリーブ20の内周面とタイバー8の外周面には所定の隙間が形成される。この隙間は、例えば数十μm程度である。このような隙間が確保されているとき、タイバー8はスリーブ体16に対して滑らかに摺動できる。換言すると可動盤6はタイバー8に対して滑らかにスライドできる。図示されていない駆動機構によって可動盤6を固定盤4方向に駆動して、固定側金型3と可動側金型5を型閉じする。
型閉じ位置で可動盤6とタイバー8、8、…を次のようにクランプする。摩擦クランプ装置15において、電動モータ28を駆動してボールナット31を回転する。そうすると図2の(イ)に示されているように、ボールネジ34が軸方向に駆動されてピストン体17のピストン部26がスリーブ体16の中空部23内に進入する。中空部23内の機械油は加圧され、その圧力によって内側スリーブ20が弾性変形して強い押力でタイバー8に密着する。この押力によって摩擦力が生じて、可動盤6とタイバー8、8、…がクランプされる。
型締装置1において型締機構12を駆動してタイバー8に張力を与える。そうすると型締力が発生する。従来周知のようにして、射出装置7から溶融樹脂を金型3、5内に射出する。冷却固化を待って次のように型開きする。最初に型締機構12を駆動して型締力を解除する。次いで摩擦クランプ装置15を解除する。すなわち電動モータ28を駆動してボールナット31を逆方向に回転する。そうするとボールネジ34が駆動されてピストン体17が退避方向に駆動される。スリーブ体16の中空部23内の非圧縮性流体の圧力が低下する。内側スリーブ20が元の形状に戻り、図2の(イ)に示されているように、内側スリーブ20とタイバー8の間に隙間が形成される。最後に可動盤6を、図示されていない駆動機構によって可動盤6を駆動して型開きする。金型3、5から成形品を取り出す。以下同様にして成形する。
本実施の形態に係る型締装置1において、可動盤6とタイバー8とをクランプするのにピストン体17を軸方向に駆動するのに必要な力を検討する。図3のグラフには、可動盤6とタイバー8とをクランプしたときに、タイバー8と可動盤6との間に生じる摩擦力、あるいはタイバー8と内側スリーブ20との間に生じる摩擦力に抗して、タイバー8が滑り始める限界軸力が示されている。このグラフにおいて、横軸はスリーブ体16の中空部23に作用する機械油の圧力であり、縦軸はタイバー8の1本当たりに作用する限界軸力になっている。符号40、41、42で示されているグラフは、それぞれ摩擦係数が0.1、0.15、0.2のときの限界軸力を表しており、摩擦係数はタイバー8やスリーブ体16の表面粗さや、材質によって異なっている。なお、クランプ時には弾性変形によって内側スリーブ20がタイバー8に密着するが、この密着する面積は、1本のタイバー8につき287cmとして計算している。また中空部23に作用する機械油の圧力と実質的に等しい圧力で内側スリーブ20がタイバー8に密着するものとして計算している。型締装置1において要求される型締力が400kNの場合、タイバー8、8、…の本数は4本であるので、1本当たりのタイバー8に必要となる限界軸力は100kNである。安全係数を加味して、例えば1本当たりのタイバー8に要求される限界軸力は130kNとすることができる。グラフにおいてこの限界軸力が符号43で示されている。そうすると例えば摩擦係数が0.2とすると、機械油の圧力が30MPaあれば可動盤6とタイバー8を確実にクランプすることができる。ピストン体17はこの機械油の圧力を発生させるためにピストン部26を駆動する必要があるが、ピストン部26の断面積を仮に200mmとしても、ピストン部26を駆動するのに必要となる軸方向の力は6kNに過ぎない。従ってピストン部26を駆動する力は小さくて済み、電動モータ28は小型のモータを採用することができる。
図4には、他の型締装置に設けられている、本発明の第2の実施の形態に係る摩擦クランプ装置15’が示されている。当業者であれば容易に理解されるので、前実施形態と同様の部材には同じ参照番号を付して説明を省略する。第2の実施の形態においては、駆動機構18’はピストンシリンダユニット47、47から構成されている。この駆動機構18’も前実施の形態と同様に、可動盤6に固定的に設けられている支持部材30’、30’’に設けられている。従ってピストンシリンダユニット47、47によってピストン体17を軸方向に駆動しても、スリーブ体16には軸方向の力が作用しない。つまり前実施の形態に係るクランプ装置15と同様に、スリーブ体16に引張力が作用しないので、耐久性が高い。
1 型締装置 3 固定側金型
4 固定盤 5 可動側金型
6 可動盤 7 射出装置
8 タイバー 12 型締機構
14 タイバー挿通孔 15 摩擦クランプ装置
16 スリーブ体 17 ピストン体
18 駆動機構 20 内側スリーブ
21 外側スリーブ 23 中空部
26 ピストン部 27 ボールネジ機構
28 電動モータ 30 支持部材
31 ボールナット 35 従動プーリ
36 駆動プーリ 37 ベルト

Claims (4)

  1. 固定側金型が取り付けられる固定盤と、可動側金型が取り付けられる可動盤と、前記固定盤と前記可動盤とを接続する複数本のタイバーと、型締力を発生させる型締機構とを備えた型締装置において、前記可動盤に設けられ、前記可動盤と前記タイバーとを摩擦力によってクランプする摩擦クランプ装置であって、
    前記クランプ装置は、前記可動盤に明けられたタイバー挿通孔と前記タイバーとの隙間に挿入されている円筒状のスリーブ体と、ピストン体とから構成され、
    前記スリーブ体は、弾性材料からなり、前記タイバーに接する薄肉の円筒状の内側スリーブと、前記タイバー挿通孔に接する薄肉の円筒状の外側スリーブとから構成され、前記内側スリーブと前記外側スリーブが一方の端部において液密的に接続され、それによって他方の端部が開口した中空部が内部に形成されており、
    前記ピストン体は、環状のピストン部を備え、該ピストン部が前記開口部から進退自在に挿入されて前記中空部が液密的に閉鎖されており、
    前記中空部には非圧縮性流体が充填されていると共に、前記ピストン体は前記可動盤に対して固定的に設けられている駆動機構によって駆動されることを特徴とする摩擦クランプ装置。
  2. 請求項1に記載の摩擦クランプ装置において、前記駆動機構はボールネジ機構と、該ボールネジ機構のボールナットを回転する電動モータとから構成され、前記ボールナットは、前記可動盤に固着されている所定の部材によって、回転可能にかつ軸方向の移動が規制された状態で支持されており、前記ボールネジ機構のボールネジは前記ピストン体の後部に固着されていることを特徴とする摩擦クランプ装置。
  3. 請求項1に記載の摩擦クランプ装置において、前記駆動機構はピストン・シリンダユニットから構成され、該ピストン・シリンダユニットは前記可動盤に固定的に設けられている部材に設けられ、前記ピストン体は前記ピストン・シリンダユニットのロッドによって駆動されるようになっていることを特徴とする射出成形機の摩擦クランプ装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかの項に記載の摩擦クランプ装置を備えた射出成形機の型締装置。
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