JP6709590B2 - タンパク質生産用システム及びタンパク質の製造方法 - Google Patents

タンパク質生産用システム及びタンパク質の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、麹菌を用いて糖化酵素等のタンパク質を生産する際に用いられるタンパク質生産用システム及びタンパク質の製造方法に関する。
従来、麹菌を用いて糖化酵素等のタンパク質を生産する際に、該タンパク質を生産する特定の遺伝子のプロモーターに、特定の塩基配列からなるシスエレメントを連結したタンパク質生産用システムを用いることが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。前記従来のタンパク質生産用システムによれば、前記プロモーターに前記シスエレメントを連結することにより、該プロモーターの活性を向上させることができ、前記タンパク質の生産量を増加させることできる。
例えば、特許文献1には、XlnR/Ace2結合配列及びHap複合体結合配列からなるエンハンサーDNAをシスエレメントとし、tef1遺伝子のプロモーターの上流側(5´側)に該シスエレメントを12個連結する技術が記載されている。特許文献1によれば、このようにすることにより、小麦フスマを炭素源とした固体培養条件下で、前記プロモーターによるGUS活性を約4.9倍向上することができるとされている。
また、特許文献2には、麹菌(アスペルギルス・オリゼ)のa−グルコシダーゼ遺伝子のプロモーターに存在するエンハンサーDNAをシスエレメントとし、該プロモーターの上流側(5´側)に該シスエレメントを12個連結する技術が記載されている。特許文献2によれば、このようにすることにより、デンプンを炭素源とする培養条件下で、前記プロモーターによるGUS活性を約6倍向上することができるとされている。
特開2012−75369号公報 特許第3343567号公報
しかしながら、前記従来のタンパク質生産用システムは、特定の遺伝子のプロモーターに、特定の塩基配列からなるシスエレメントを連結したに過ぎず、さらに改良が望まれる。
本発明は、かかる事情に鑑み、特定の遺伝子のプロモーターをさらに活性化して、糖化酵素等のタンパク質の生産量を増加させることができるタンパク質生産用システム及びタンパク質の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のタンパク質生産用システムは、タンパク質をコードする遺伝子と、該遺伝子の上流側に連結された該遺伝子のプロモーターと、該プロモーターのさらに上流側に連結された配列番号1で示されるシスエレメントと、該シスエレメントの活性を向上する人工転写因子とからなるタンパク質生産用システムであって、該人工転写因子は、転写因子KojRの上流側1〜118aaのアミノ酸配列からなるDNA結合ドメインと、転写因子AmyRの下流側113〜604aaのアミノ酸配列からなる活性ドメインとからなり、該DNA結合ドメインの下流側に該活性ドメインが連結され、配列番号2で示されることを特徴とする。
本発明のタンパク質生産用システムによれば、前記プロモーターの上流側に連結された前記配列番号1で示されるシスエレメントの活性が向上され、活性が向上された該シスエレメントにより該プロモーターの活性をさらに向上させることができる。この結果、活性が向上された前記プロモーターにより、前記遺伝子の活性が向上され、該遺伝子にコードされるタンパク質の生産量を増加させることができる。
また、本発明のタンパク質生産用システムにより活性が向上されるタンパク質発現用遺伝子断片は、前記配列番号2で示される人工転写因子をコードする遺伝子と、該遺伝子の上流側に連結された該遺伝子のプロモーターとからなる人工転写因子発現用遺伝子断片を備えることが好ましい。前記人工転写因子発現用遺伝子断片によれば、前記配列番号2で示される人工転写因子をコードする遺伝子のプロモーターにより該遺伝子の活性が向上され、該遺伝子にコードされた人工転写因子が生産される。
また、本発明のタンパク質生産用システムにより活性が向上されるタンパク質発現用遺伝子断片において、前記配列番号1で示されるシスエレメントは、前記プロモーターの上流側に少なくとも1個連結されていることが必要であり、例えば1〜10個の範囲の数が連結される。
本発明の発現ベクターは、本発明のタンパク質生産用システムを含むことを特徴とする。本発明の発現ベクターによれば、本発明のタンパク質生産用システムを含む形質転換体を製造することができる。
また、本発明の形質転換体は、本発明のタンパク質生産用システムを含むことを特徴とする。本発明の形質転換体によれば、前記遺伝子にコードされるタンパク質の生産量を増加させることができる。
本発明の形質転換体は、麹菌を宿主細胞とすることが好ましく、該麹菌はアスペルギルス・オリゼHO2株(受託番号:NITE BP−01750)であることがさらに好ましい。
また、本発明のタンパク質の製造方法は、本発明のタンパク質生産用システムを含む形質転換体を培養し、培養後の培地又は該形質転換体内から、タンパク質発現用遺伝子断片により発現亢進される遺伝子によりコードされるタンパク質を回収することを特徴とする。
本発明のタンパク質生産用システムにより活性が向上されるタンパク質発現用遺伝子断片によれば、前述のように前記遺伝子によりコードされるタンパク質の生産量を増加させることができる。そこで、本発明のタンパク質生産用システムにより活性が向上されるタンパク質発現用遺伝子断片を含む形質転換体を培養すると、生産されたタンパク質が培養後の培地又は該形質転換体内に蓄積されるので、該タンパク質を回収することができる。
本発明のタンパク質生産用システムの構成及び作用を模式的に示す説明図。 転写因子KojRの予測される構造を模式的に示す説明図。 転写因子AmyRの予測される構造を模式的に示す説明図。 本発明の形質転換体をデキストリンを基質として60時間培養したときのGUS活性の相対値を示すグラフ。 本発明の形質転換体をデキストリンを基質として90時間培養したときのGUS活性を示すグラフ。 本発明の形質転換体をグルコースを基質として60時間培養したときのGUS活性を示すグラフ。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
図1に示すように、本実施形態のタンパク質生産用システム1は、所望のタンパク質2をコードするタンパク質遺伝子3と、タンパク質遺伝子3の上流側(5´側)に連結されたプロモーター4と、プロモーター4の上流側(5´側)に連結されたシスエレメント5とを備える。
タンパク質2は例えば糖化酵素等であり、タンパク質遺伝子3はタンパク質2をコードする遺伝子であればどのようなものであってもよい。
シスエレメント5は、kojT遺伝子のプロモーターに存在するエンハンサーDNAを含む塩基配列からなり、該塩基配列は、gacggaaaagtcgggtagat(配列番号1)である。タンパク質生産用システム1では、プロモーター4の上流側に、1〜10個、例えば8個のシスエレメント5が連結される。
また、タンパク質生産用システム1は、人工転写因子6をコードする人工転写因子遺伝子7と、人工転写因子遺伝子7の上流側(5´側)に連結されたプロモーター8とからなる人工転写因子発現用遺伝子断片9を備え、シスエレメント5は人工転写因子6により活性が向上される。
人工転写因子6は、図2に示す転写因子KojR11と、図3に示す転写因子AmyR21とから作製される。転写因子KojR11、AmyR21は、亜鉛配位DNA結合ドメイン(Zn_Cluster)を持つ転写因子中、いずれもCys6 cysteine−Zinc clusterタイプに分類される転写因子である。
図2に示すように、転写因子KojR11は、上流側(5´側)にZn_Cluster12を備え、下流側(3´側)にCys6 cysteine−Zinc clusterタイプに分類される転写因子に共通する相同性の高い領域であるMHR13を備える。ここで、転写因子KojR11は全長555aaのアミノ酸配列からなり、Zn_Cluster12は15〜45aaのアミノ酸配列からなり、MHR13は148〜281aaのアミノ酸配列からなる。
転写因子KojR11では、上流側のZn_Cluster12を含む領域14に、シスエレメント5との結合に関係するDNA結合ドメインが存在すると予想される。前記DNA結合ドメインの候補となる領域として、例えば、1〜118aaのアミノ酸配列からなる領域、1〜195aaのアミノ酸配列からなる領域、1〜239aaのアミノ酸配列からなる領域を挙げることができる。
一方、図3に示すように、転写因子AmyR21は、上流側(5´側)にZn_Cluster22を備え、下流側(3´側)に活性ドメインを含む領域23を備える。ここで、転写因子AmyR21は全長604aaのアミノ酸配列からなり、Zn_Cluster22は13〜52aaのアミノ酸配列からなる。
転写因子AmyR21では、活性ドメインの候補となる領域として、例えば、113〜604aaのアミノ酸配列からなる領域、150〜604aaのアミノ酸配列からなる領域、219〜604aaのアミノ酸配列からなる領域、257〜604aaのアミノ酸配列からなる領域を挙げることができる。
そこで、本実施形態の人工転写因子は、転写因子KojRの上流側1〜118aaのアミノ酸配列からなるDNA結合ドメインの下流側に、転写因子AmyRの下流側113〜604aaのアミノ酸配列からなる活性ドメインを連結した構成(配列番号2)を備える。
本実施形態のタンパク質生産用システム1では、図1に示すように、人工転写因子発現用遺伝子断片9においてプロモーター8により活性が向上された人工転写因子遺伝子7によりコードされた人工転写因子6が生産され、生産された人工転写因子6がシスエレメント5に結合する。シスエレメント5は人工転写因子6と結合することにより活性が向上され、活性が向上されたシスエレメント5により、プロモーター4の活性が向上される。
そして、活性が向上されたプロモーター4によりタンパク質遺伝子3の活性が向上され、活性が向上されたタンパク質遺伝子3にコードされたタンパク質2が生産される。この結果、本実施形態のタンパク質生産用システム1によれば、タンパク質2の生産量を増加させることができる。
次に、本発明の実施例を示す。
〔実施例1〕
〔人工転写因子遺伝子導入形質転換体の構築〕
本実施例では、まず、アスペルギルス・オリゼHO2株(受託番号:NITE BP−01750)のゲノムDNA遺伝子を鋳型に、プライマー1、2にてtppA遺伝子の上流配列、プライマー3、4にて下流配列、プライマー5、6にてtef1プロモーター遺伝子、プライマー7、8にてagdAターミネーター遺伝子、プライマー9、10にてマーカーリサイクリング用の遺伝子断片、アスペルギルス・アワモリHA1株(受託番号:NITE BP−01751)のゲノムDNA遺伝子を鋳型に、プライマー11、12にてpyrG遺伝子発現用遺伝子カセットを、それぞれDNAポリメラーゼ(東洋紡績株式会社製、商品名:KOD FX neo)にてPCR増幅し、精製キット(QIAGEN社製、商品名:QIAquick PCR purification kit)にて精製して、計6つの遺伝子断片を取得した。
次に、E.coli由来のプラスミドpMD20(タカラバイオ株式会社製)を鋳型に、プライマー13、14にてプラスミド由来の遺伝子断片を、前記DNAポリメラーゼにてPCR増幅し、前記精製キットにて精製して、該遺伝子断片を取得した。
次に、以上の7つの遺伝子断片を、順次クローニングキット(タカラバイオ株式会社製、商品名:In-Fusion HD Cloning kit)を用いて処理し、E.coli HST08株(タカラバイオ株式会社製)に形質転換し、プラスミドpPTを構築した。
次に、前記プラスミドpPTを制限酵素Sma I(タカラバイオ株式会社製)により30℃で処理し、前記精製キットにて精製して、プラスミドの制限処理物(遺伝子断片)を取得した。
次に、アスペルギルス・オリゼHO2株のゲノムDNA遺伝子を鋳型に、プライマー15、16にて転写因子KojRのDNA結合ドメイン、プライマー17、18にて転写因子AmyRの活性ドメインを、それぞれ前記DNAポリメラーゼにてPCR増幅し、前記精製キットにて精製して、前記DNA結合ドメイン及び前記活性ドメインを取得した。
次に、前記DNA結合ドメイン及び前記活性ドメインを、前記クローニングキットを用いて処理し、E.coli HST08株に形質転換し、前記DNA結合ドメインと前記活性ドメインとを結合した人工転写因子遺伝子を導入したプラスミドを構築した。
前記人工転写因子遺伝子を導入したプラスミドを鋳型として、プライマー19、20にて麹菌形質転換用の遺伝子断片を、DNAポリメラーゼ(東洋紡績株式会社製、商品名:KOD-plus-neo)にてPCR増幅し、前記精製キットにて精製して、該麹菌形質転換用の遺伝子断片を取得した。
次に、前記麹菌形質転換用の遺伝子断片を用い、PEG−カルシウム法の定法に従って、アスペルギルス・オリゼHO2株を形質転換した。次に、得られた形質転換体からCDプレート培地で生育できる株を選択し、転写因子生産株を得た。
次に、前記転写因子生産株を、CD培地に終濃度1mg/mLのフルオロオロチン酸一水和物(和光純薬工業株式会社製)と終濃度20mMのウリジン(シグマアルドリッチ社製)とを加えた培地に、1×10個/プレートとなるように植菌し、生育できる株を選択して、転写因子生産株のウリジン要求性株を取得した。
プライマー1〜20の塩基配列を表1に示す。
〔シスエレメントが連結されたGUS生産株の構築〕
まず、配列番号1のシスエレメントを4個タンデムに連結し、その5´側に制限酵素サイトSphI、BamHIサイトを、3´側にBglII、NcoIサイトを付加した第1の遺伝子断片をオリゴ合成により作製した。
次に、前記第1の遺伝子断片と、アスペルギルス・オリゼ由来のenoAプロモータを含むプラスミドpPEA2を制限酵素SphI、NcoIで処理して断片化し、ライゲーション反応した後、E.coliに形質転換し、プラスミドpEA4Kを構築した。
次に、前記遺伝子断片を制限酵素BamHIで処理する一方、プラスミドpEA4Kを制限酵素BglII、NcoIで処理し、2つの処理物をライゲーション反応した後、E.coliに形質転換し、プラスミドpEA8Kを構築した。
次に、プラスミドpEA8Kを鋳型にプライマー21、22を用い、DNAポリメラーゼ(東洋紡績株式会社製、商品名:KOD−plus−)にてPCR増幅し、精製キット(プロメガ株式会社製、商品名:Wizard SV Gel and PCR Clean−Up System)にて精製して、第2の遺伝子断片を取得した。
次に、アスペルギルス・オリゼのゲノムDNAを鋳型にプライマー23、24を用い、DNAポリメラーゼ(東洋紡績株式会社製、商品名:KOD−plus−)にてPCR増幅し、精製キット(プロメガ株式会社製、商品名:Wizard SV Gel and PCR Clean−Up System)にて精製して、第3の遺伝子断片を取得した。
次に、前記第2の遺伝子断片と前記第3の遺伝子断片とを鋳型にプライマー22、24を用い、フュージョンPCRを行い、該第2の遺伝子断片と該第3の遺伝子断片とを結合させた第4の遺伝子断片を作製した。
次に、E.coli由来のプラスミドpMD20(タカラバイオ株式会社製)に、アスペルギルス・オリゼ由来のpyrG遺伝子の上流1000bp、アスペルギルス・オリゼ由来のpyrG発現カセット、E.coli由来のuidA遺伝子が導入されているプラスミドpPPGを制限酵素で処理したものと、プラスミドpPPGを鋳型にプライマー25、26を用い、DNAポリメラーゼ(東洋紡績株式会社製、商品名:KOD−plus−)にてPCR増幅し、精製キット(プロメガ株式会社製、商品名:Wizard SV Gel and PCR Clean−Up System)にて精製して取得したマーカーリサイクリング用遺伝子断片とを、ライゲーション反応した後、E.coliに形質転換し、プラスミドpPPRGを構築した。
次に、プラスミドpPPRGを鋳型に、プライマー27、28を用い、DNAポリメラーゼ(東洋紡績株式会社製、商品名:KOD−plus−)にてPCR増幅し、精製キット(プロメガ株式会社製、商品名:Wizard SV Gel and PCR Clean−Up System)にて精製して、第5の遺伝子断片を取得した。
前記第4の遺伝子断片と前記第5の遺伝子断片とを鋳型にプライマー24、27を用い、フュージョンPCRを行い、該第4の遺伝子断片と該第5の遺伝子断片とを結合させ、シスエレメントが連結されたGUS(β−グルクロニダーゼ)生産カセット遺伝子断片を作製した。
次に、前記シスエレメントが連結されたGUS生産カセット遺伝子断片を用い、PEG−カルシウム法の定法に従って、転写因子生産株のウリジン要求性株を形質転換した。次に、得られた形質転換体からCDプレート培地で生育できる株を選択し、シスエレメントが8個タンデムに連結されたGUS生産株を得た。
プライマー21〜28の塩基配列を表2に示す。
〔GUS活性測定方法〕
前記シスエレメントが8個タンデムに連結されたGUS生産株を、CDプレート培地にて1週間培養して胞子を形成させ、該胞子を0.01%POLYSORBATE20(和光純薬工業株式会社製)を用いて回収し、胞子懸濁液を取得した。
次に、200mL三角フラスコにPD培地(2質量/容量%デキストリン、1質量/容量%ポリペプトン、0.1質量/容量%カザミノ酸、0.5質量/容量%リン酸2水素カリウム、0.05質量/容量%硫酸マグネシウム、0.1質量/容量%硝酸ナトリウム)50mLを取り、これに前記胞子を、最終胞子濃度が1×10/mLとなるように植菌した。
次に、30℃で60時間の液体培養を行い、培養終了後、菌体を破砕し、次の組成の菌体内タンパク質抽出用バッファーに破砕粉末を懸濁して抽出液を取得した。
〔菌体内タンパク質抽出用バッファー組成〕
NaHPO・2HO(MW=156.01)(pH7)
1.56g(50mM)
0.5M EDTA 4mL (10mM)
非イオン性界面活性剤(シグマアルドリッチ社製、商品名:TritonX-100)
0.2g (0.1%)
N−ラウリルサルコシン酸Na 0.2g (0.1%)
β−メルカプトエタノール(MW=78.13) 142μL(10mM)
蒸留水 200mL
次に、前記抽出液を、次の組成のGUS活性測定用バッファーに加え、37℃で15分間反応させた後、波長415nmで吸光度を測定し活性値(U)を算出した。1Uは、37℃において1分間にPNP−Glucuronide(プリンヌクレオシドホスホリラーゼ−グルクロン酸包合物)から1mMのPNPを生成するのに必要な酵素量である。
〔GUS活性測定用バッファーの組成〕
NaHPO・2HO(MW=156.01)(pH7)
1.56g(50mM)
β−メルカプトエタノール(MW=78.13) 142μL(10mM)
非イオン性界面活性剤(シグマアルドリッチ社製、商品名:TritonX-100)
0.2g (0.1%)
p−ニトロフェニル β−D−グルクロン酸包合物(MW=315.23)
63mg (1mM)
蒸留水 200mL
次に、プロテインアッセイCBB溶液(ナカライタスク株式会社製)を用いて、前記抽出液に含まれるタンパク質量を測定し、前記活性値をタンパク質量で除して、GUS活性(U/mg)を算出した。結果をGUS活性の相対値として、図4に示す。
また、前記液体培養を30℃で90時間行ったときのGUS活性(U/mg)を、図5に示す。
〔比較例1〕
本比較例では、人工転写因子遺伝子を導入せず、シスエレメントを全く連結しなかった以外は、実施例1と全く同一にして、GUS生産株を構築した。
次に、本比較例で得られたGUS生産株を用いた以外は、実施例1と全く同一にしてGUS活性を測定した。
前記液体培養を30℃で60時間行ったときのGUS活性(U/mg)の相対値を図4に、30℃で90時間行ったときのGUS活性(U/mg)を図5にそれぞれ示す。
図4から、デキストリンを基質として前記液体培養を30℃で60時間行ったときに、人工転写因子遺伝子を導入せず、シスエレメントを全く連結しなかった比較例1のGUS生産株のGUS活性(U/mg)を1とすると、実施例1のGUS生産株では23.3倍のGUS活性を得ることができることが明らかである。
また、図5から、デキストリンを基質として前記液体培養を30℃で90時間行ったときに、人工転写因子遺伝子を導入せず、シスエレメントを全く連結しなかった比較例1のGUS生産株のGUS活性(U/mg)を1とすると、実施例1のGUS生産株では22倍のGUS活性を得ることができることが明らかである。
〔実施例2〕
本実施例では、200mL三角フラスコにPG培地(2質量/容量%グルコース、1質量/容量%ポリペプトン、0.1質量/容量%カザミノ酸、0.5質量/容量%リン酸2水素カリウム、0.05質量/容量%硫酸マグネシウム、0.1質量/容量%硝酸ナトリウム)50mLを取り、これに前記実施例1で得られた前記シスエレメントが8個タンデムに連結されたGUS生産株の胞子を、最終胞子濃度が1×10/mLとなるように植菌し、30℃で60時間液体培養した以外は、実施例1と全く同一にしてGUS活性(U/mg)を算出した。結果を図6に示す。
〔比較例2〕
本比較例では、比較例1で得られたGUS生産株を用いた以外は、実施例2と全く同一にしてGUS活性を測定した。前記液体培養を30℃で60時間行ったときのGUS活性(U/mg)を図6に示す。
図6から、グルコースを基質として前記液体培養を30℃で60時間行ったときに、人工転写因子遺伝子を導入せず、シスエレメントを全く連結しなかった比較例2のGUS生産株のGUS活性(U/mg)を1とすると、実施例2のGUS生産株では13.5倍のGUS活性を得ることができることが明らかである。
1…タンパク質生産用システム、 2…タンパク質、 3…遺伝子、 4…プロモーター、 5…シスエレメント、 6…人工転写因子。

Claims (8)

  1. タンパク質をコードする遺伝子と、該遺伝子の上流側に連結された該遺伝子のプロモーターと、該プロモーターのさらに上流側に連結された配列番号1で示されるシスエレメントと、該シスエレメントの活性を向上する人工転写因子とからなるタンパク質生産用システムであって、
    該人工転写因子は、転写因子KojRの上流側1〜118aaのアミノ酸配列からなるDNA結合ドメインと、転写因子AmyRの下流側113〜604aaのアミノ酸配列からなる活性ドメインとからなり、該DNA結合ドメインの下流側に該活性ドメインが連結され、配列番号2で示されることを特徴とするタンパク質生産用システム。
  2. 請求項1記載のタンパク質生産用システムにおいて、人工転写因子により活性が向上されるタンパク質発現用遺伝子断片は、前記人工転写因子をコードする遺伝子と、該遺伝子の上流側に連結された該遺伝子のプロモーターとからなる人工転写因子発現用遺伝子断片を備えることを特徴とするタンパク質生産用システム。
  3. 請求項1又は請求項2記載のタンパク質生産用システムにおいて、前記シスエレメントは、前記タンパク質をコードする遺伝子のプロモーターの上流側に1〜10個の範囲の数が連結されることを特徴とするタンパク質生産用システム
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のタンパク質生産用システムを含むことを特徴とする発現ベクター。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のタンパク質生産用システムを含むことを特徴とする形質転換体。
  6. 請求項5記載の形質転換体において、麹菌を宿主細胞とすることを特徴とする形質転換体。
  7. 請求項6記載の形質転換体において、前記麹菌は、アスペルギルス・オリゼHO2株(受託番号:NITE BP−01750)であることを特徴とする形質転換体。
  8. 請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のタンパク質生産用システムを含む形質転換体を培養し、培養後の培地又は該形質転換体内から、該タンパク質生産用システムにより発現亢進される遺伝子によりコードされるタンパク質を回収することを特徴とするタンパク質の製造方法。
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